1:作業機械管理装置、1A:照合手段、1B:異常状態検出手段、1C:部品ID記憶手段、1D:部品ID更新手段、2:作業機械、2A:照合タイミング検出手段、2B:部品ID取得手段、2B1:アンテナ、2C:異常状態制御手段、2D:エンジン、3:部品供給管理装置、3A:部品供給管理手段、4:部品、5:無線タグ、10:作業機械、10A:機械管理装置、11:管理センタ、11A:管理サーバ、12:部品供給工場、12A:部品供給管理サーバ、12B:タグ発行システム、13:通信ネットワーク、14:通信衛星、15:GPS衛星、16:部品、17:無線タグ、17A:アンテナ、17B:無線インターフェース部、17C:制御部、17D:記憶部、17D1:システムエリア、17D2:ユーザエリア、100:電子コントローラ、110:通信コントローラ、111:記憶装置、121:GPSセンサ、121A:GPSアンテナ、122:衛星通信端末、122A:衛星通信アンテナ、130:ユーザインターフェース部、140:リーダ/ライタ、140A:アンテナ、140B:無線インターフェース部、140C:制御部、140D:外部インターフェース部、141:部品交換スイッチ、142:その他のセンサ、143:サービスメータ、150:燃料タンク、160:エンジン、161:エンジンスタータ、162:エンジンスイッチ、170:燃料フィルタ、171:フィルタ取付部、180:燃料ポンプ、190:マルチプレクサ、200:通信制御部、210:演算処理部、211:部品管理処理、212:部品ID書込み処理、213:部品ID転送処理、220:記憶部、221:プログラム格納部、222:部品管理データベース、230:リーダ/ライタ、230A:アンテナ、300:通信制御部、310:演算処理部、311:部品ID受信処理、312:部品ID更新処理、313:部品監視処理、314:稼働情報受信処理、315:車体管理処理、320:記憶部、321:プログラム格納部、322:車体管理データベース、T1,T1A:部品ID管理テーブル
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態の全体概念を示す説明図である。本実施形態に係る作業機械の部品監視システムは、例えば、作業機械管理装置1と、ホイールローダやトラック等のような作業機械2と、部品供給管理装置3とを含んで構成することができる。
作業機械管理装置1は、複数の作業機械2のそれぞれについて、正規部品が使用されているか否かを一元的に管理するものである。作業機械管理装置1は、例えば、照合手段1Aと、異常状態検出手段1Bと、部品識別情報記憶手段1C及び部品識別情報更新手段1Dを備えて構成される。ここで、照合手段1A及び異常状態検出手段1Bは、「部品監視手段」に対応する。
照合手段1Aは、作業機械2から受信した第1の部品識別情報と部品識別情報記憶手段1Cに記憶されている第2の部品識別情報とを比較し、両者が一致するか否かを判定するものである。異常状態検出手段1Bは、照合手段1Aの照合結果に基づいて、異常状態の検出を示す情報(信号、コマンドやデータ)を出力するものである。例えば、異常状態検出手段1Bは、第1の部品識別情報と第2の部品識別情報とが不一致の場合、正規部品以外の部品が使用されていることを異常状態制御手段2Cに通知する。
部品識別情報記憶手段1Cは、正規部品に付与された無線タグ5が記憶している第2の部品識別情報を管理するものである。部品識別情報記憶手段1Cは、各作業機械2毎に、それぞれの作業機械2で使用されるべき正規部品の品番等を記憶する。なお、説明の便宜上、以下の説明では、部品識別情報を部品ID(Parts Identification)と略記する。従って、例えば、第1の部品識別情報は第1の部品IDと、第2の部品識別情報は第2の部品IDと、部品識別情報記憶手段1Cは部品ID記憶手段1Cと、部品識別情報更新手段1Dは部品ID更新手段1Dと、それぞれ表記される。
ここで、正規部品とは、部品4の製造販売に関する正当な権限を有する者により提供された部品を意味する。例えば、作業機械2の製造者や作業機械2の製造者から許可を受けた者により提供される部品4は、正規部品である。正規部品以外の部品4は、模造品等に該当し、性能の優劣を問わない。
部品ID更新手段1Dは、部品ID記憶手段1Cに記憶されている第2の部品IDを最新の状態に更新させるものである。部品ID更新手段1Dは、例えば、部品供給管理装置3から通知された更新データに基づいて、部品ID記憶手段1Cの記憶内容を更新させることができる。即ち、部品供給工場等から新たな正規部品が出荷された場合、部品ID更新手段1Dは、新たな正規部品に関する第2の部品IDを取得し、部品ID記憶手段1Cの記憶内容に反映させる。これにより、部品4が作業機械2に取り付けられるよりも前に、部品ID記憶手段1Cの記憶内容を最新の状態にさせることができる。また、後述の実施例からも明らかとなるように、部品ID更新手段1Dは、作業機械2でいったん使用された部品4に関する第2の部品IDを部品ID記憶手段1Cから削除したり、又は、使用された部品に関する第2の部品IDに使用済であることを示す情報(使用済フラグ等)を関連づけることもできる。これにより、いずれか一つの作業機械2で使用された部品4が、別の作業機械2でも同時に使用されるという異常事態の発生を防止することができる。即ち、流通段階に置かれている正規の部品4の無線タグ5が不正にコピーされて、不正コピーされた無線タグが模造品に添付された場合でも、模造品が別の作業機械2に使用されるのを阻止することができる。
作業機械2は、例えば、種々の部品4と、照合タイミング検出手段2Aと、部品ID取得手段2Bと、アンテナ2B1と、異常状態制御手段2C及びエンジン2D等を備えている。ここで、部品4は、交換可能な種々の部品であり、例えば、燃料フィルタ、オイルフィルタ、油圧シリンダ、油圧ポンプ、油圧制御弁等を挙げることができる。部品4には、無線タグ5が予め設けられている。
「制御装置」は、例えば、照合タイミング検出手段2Aと、部品ID取得手段2B及び異常状態制御手段2Cを含んで構成される。照合タイミング検出手段2Aは、部品4が正規部品であるか否かを判定するためのタイミングが訪れたか否かを検出する。照合タイミングとしては、例えば、部品4の交換時やエンジンスイッチの操作時等を挙げることができる。
部品ID取得手段2Bは、無線タグ5に記憶されている第1の部品IDをアンテナ2B1を介して読み出し、この第1の部品IDを作業機械管理装置1に送信する。部品ID取得手段2Bは、作業機械2に予め設定されている機体番号を第1の部品IDに対応付けて、作業機械管理装置1に送信可能である。
アンテナ2B1は、無線タグ5との距離が所定距離になるように、部品4の近傍に位置して取り付けられている。異常状態制御手段2Cは、作業機械管理装置1からの通知に基づいて、所定の動作を行わせる。所定の動作としては、例えば、エンジン2Dの始動を禁止したり、エンジン2Dの回転数を制限する等の動作を挙げることができる。
部品供給管理装置3は、例えば、部品供給工場等に設けられており、市場に供給される新品または再生品の部品4の供給状態を管理する。部品供給管理装置3は、部品供給情報管理手段3Aを備えている。部品供給情報管理手段3Aは、例えば、部品4の品番、製造番号、販売先、適用機種、製造数、製造日、出荷日等のような部品4の供給に関する各種情報を管理する。部品供給情報管理手段3Aは、新たに出荷された部品4に関する情報を作業機械管理装置1に送信する。
無線タグ5の構成は後述するが、無線タグ5は、例えば、外部のアンテナ2B1から受信した電波に応じて起動し、予め記憶されている部品IDを外部に送信する。無線タグ5は、例えば、部品製造工場等において正規の部品4に取り付けられる。無線タグ5には、例えば、品番や製造番号を示す情報が記憶されている。
部品4が正規の部品である場合、無線タグ5内の第1の部品IDと部品ID記憶手段1Cに記憶されている第2の部品IDとは一致する。正規部品の場合、無線タグ5に書き込まれる部品IDと同一の部品IDが、部品供給管理装置3から作業機械管理装置1に送信されて、部品ID記憶手段1Cに記憶されているためである。
部品4が正規部品ではない模造品等の場合は、無線タグ5を最初から備えていない、あるいは、無線タグ5を備えていても正しい部品IDが書き込まれていない、のいずれかであることが多いと考えられる。前者の場合、即ち、無線タグ5を備えない模造品の場合は、部品4側から第1の部品IDを読み出すことができないため、第2の部品IDと照合することができない。従って、照合手段1Aは、不一致の判定を下す。後者の場合、即ち、正しい部品IDが書き込まれていない無線タグ5を備える模造品の場合、模造品等から読み出された第1の部品IDと部品ID記憶手段1Cに記憶されている第2の部品IDとは一致しないため、照合手段1Aは、不一致の判定を下す。
なお、より高度な模造品の場合、正規の第1の部品IDと同一の第1の部品IDが書き込まれた無線タグ5を備えている可能性も考えられる。つまり、正規の無線タグ5そのものが丸ごと不正にコピーされたような場合である。この場合の対策として、一度使用された部品4の第1の部品IDをチェックしておき、使用された第1の部品IDと同一の第1の部品IDを部品ID記憶手段1Cから消去しておく方法を挙げることができる。
このように構成される本実施形態では、作業機械2に搭載される部品4が正規部品であるか否かを、部品交換時やエンジンスイッチの操作時に判定し、正規部品以外の部品4が装着されている場合は、警告を発したり、あるいは、エンジン2Dの始動を禁止したり、または、エンジン2Dの出力を制限することができる。従って、正規部品以外の模造品等が使用されるのを抑制することができ、作業機械2の性能や寿命が低下するのを防止することができ、作業機械2の信頼性を維持することができる。
本実施形態では、複数の作業機械2で使用される複数の部品4について、正規部品であるか否かを作業機械管理装置1で一元的に管理することができる。従って、部品ID記憶手段1Cの記憶内容を最新の状態に整備するだけで、複数の作業機械2の部品群をそれぞれ適切に監視することができる。
本実施形態では、部品供給管理装置3から作業機械管理装置1に第2の部品IDの更新データを送信し、部品ID記憶手段1Cに記憶されている第2の部品IDに関する情報を更新させることができる。従って、部品4が作業機械2に取り付けられるよりも前に、部品ID記憶手段1Cの記憶内容を更新させることができ、部品4を適切に監視することができる。以下、本実施形態の詳細を詳述する。
本発明の第1実施例を説明する。図2は、システム全体図である。図1に示すように、本実施例に係る作業機械の部品監視システムは、例えば、一つまたは複数の作業機械10と、管理センタ11と、部品供給工場12と、通信ネットワーク13と、通信衛星14と、GPS(Global Positioning System)衛星15等を備えている。
作業機械10としては、例えば、油圧ショベル、ホイルローダ、ブルドーザ、モータグレーダ、クレーン等の建設機械や、ダンプトラック等の運搬車両、各種破砕機や発電機等の産業機械を挙げることができる。各作業機械10には、作業機械10の各種状態を定期的にまたは不定期に収集して管理センタ11に送信する機械管理装置10Aがそれぞれ搭載されている。機械管理装置10Aの詳細は図3と共に後述するが、機械管理装置10Aは、通信衛星14及び通信ネットワーク13を介して、管理センタ11と相互通信可能に接続されている。また、機械管理装置10Aは、GPS衛星15からの電波を受信することにより、現在位置を把握する。なお、各機械管理装置10Aと管理センタ11とを、移動体通信網や公衆電話回線網等の他の通信ネットワークを介して接続してもよい。
管理センタ11は、各作業機械10を一元的に管理する。管理センタ11の管理サーバ11Aは、各作業機械10の機械管理装置10Aと通信することにより、各作業機械10の状態を把握し管理する。また、管理サーバ11Aは、部品供給管理サーバ12Aから通知された品番や製造番号等の情報を一元的に管理し、各作業機械10毎に、使用されている部品16が正規部品であるか否か等を監視する。
管理サーバ11Aは、部品ID管理テーブルT1を備えている。この部品ID管理テーブルT1の構成については、図6と共に後述する。この部品ID管理テーブルT1は、部品供給管理サーバ12Aから定期的または不定期に送られてくるデータによって、更新される。
部品供給工場12は、各作業機械10に使用される種々の部品16を生産して供給するものである。部品16としては、エンジンに使用されるエンジン部品、油圧制御回路に使用される油圧部品、電気制御回路に使用される電装品等を挙げることができる。なお、以下の説明では、部品16として燃料フィルタ170(図3参照)を中心に説明するが、本発明は作業機械10に使用される種々の部品に適用可能である。
部品供給工場12の部品供給管理サーバ12Aは、製造された各部品16に関する種々の情報を管理する。管理される情報には、例えば、品番、製造番号、製造数、製造ロット番号、適用機種、納期、顧客名、単価、品質データ等が含まれる。
部品供給管理サーバ12Aには、タグ発行システム12Bが接続されている。タグ発行システム12Bは、部品16に設けられる無線タグ17を発行する。タグ発行システム12Bは、例えば、部品16の品番や製造番号等を無線タグ17に書き込む。品番等の書き込まれた無線タグ17は、部品16に設けられて、部品16と共に出荷される。
部品供給管理サーバ12Aは、通信ネットワーク13を介して、管理センタ11の管理サーバ11Aと相互通信可能に接続されている。部品供給管理サーバ12Aは、無線タグ17に書き込まれる品番や製造番号等の情報を定期的にまたは不定期に、管理サーバ11Aに送信する。
図3は、作業機械10の機能構成を示すブロック図である。図3には、燃料タンク150,エンジン160,燃料ポンプ180等からなるエンジン系統の構成と、各コントローラ100,110等からなる制御系統の構成とがそれぞれ示されている。先に制御系統について説明する。
作業機械10は、例えば、電子コントローラ100と、通信コントローラ110と、GPSセンサ121と、衛星通信端末122と、UI(User Interface)部130と、複数のセンサ140〜142と、サービスメータ143とを備えて構成可能である。これらの各部の全部または一部は、一つまたは複数の車内ネットワークを介して相互に接続することができる。また、例えば、電子コントローラ100と通信コントローラ110とを一体化させる等のように、複数の機能や回路を一つにまとめることもできる。なお、電子コントローラ100,通信コントローラ110,各センサ140〜142,サービスメータ143等から機械管理装置10Aが構成される。
電子コントローラ100には、通信コントローラ110と、UI部130と、各種センサ群140〜142及びサービスメータ143と、エンジンスタータ161及びエンジンスイッチ162を接続させることができる。
リーダ/ライタ140は、無線タグ17との間で情報の読出し及び書込みを行うためのものである。リーダ/ライタ140及び無線タグ17の詳細については、図4と共に後述する。部品交換スイッチ141は、部品16が交換されたか否かを検出するもので、部品交換を検出するためのセンサである。例えば、部品交換スイッチ141は、機械式スイッチ、近接スイッチ、光電スイッチ等のようなセンサから構成することができる。部品交換スイッチ141は、部品16が作業機械10に取り付けられているか否かを検出する。例えば、部品交換スイッチ141は、部品16が作業機械10の所定の取付場所に位置している場合にオン状態の信号を出力し、部品16が所定の取付場所に存在しない場合にオフ状態の信号を出力することができる。これにより、例えば、部品16の取り外しが検出された後、部品16の装着が検出された場合は、部品16が交換されたものと判定することができる。
その他のセンサ142群としては、例えば、エンジン回転数センサ、バッテリ電圧センサ、冷却水温センサ等を挙げることができる。サービスメータ143は、作業機械10の稼働時間を計測して出力するものである。
電子コントローラ100は、プロセッサやメモリ等を備えたコンピュータ装置として構成されており、無線タグ17との間のデータの読出しまたは書込みを制御する。電子コントローラ100は、上述のセンサ群により検知された稼働時間、エンジン回転数、バッテリー電圧、燃料量、冷却水温等を示す情報を生成し、これを通信コントローラ110に送信することができる。上記の稼働時間やエンジン回転数等のような、作業機械10の種々の状態や動作を示す情報を、「稼働情報」と総称する。稼働情報は、例えば、一日一回等のように定期的に管理サーバ11Aに送信される。また、特定のイベントが検出された場合は、機械管理装置10Aから管理サーバ11Aに情報を送信することができる。機械管理装置10Aは、稼働情報の定期的な送信時に、または、部品16の交換時に、無線タグ17から読み出した第1の部品IDや品番情報等を管理サーバ11Aに送信する。
作業機械10の通信系統について説明する。GPSセンサ121は、GPS衛星15からの電波を受信するためのGPSアンテナ121Aを有する。GPSセンサ121は、作業機械10の現在位置を計測して、これを通信コントローラ110に通知する。衛星通信端末122は、通信衛星14と通信するための衛星通信アンテナ122Aを有する。衛星通信端末122は、通信コントローラ110と管理サーバ11Aとの間での衛星通信網を介した通信を可能にする。なお、衛星通信網に限らず、例えば、移動体通信網を介して、通信コントローラ110と管理サーバ11Aとを接続することもできる。
通信コントローラ110は、管理サーバ11Aとの間の通信を制御する。通信コントローラ110は、電子コントローラ100から稼働情報等を受信する。また、通信コントローラ110は、GPSセンサ121から現在位置を示す位置情報を受信する。通信コントローラ110は、稼働情報及び位置情報を、定期的または不定期に、衛星通信端末122及び衛星通信回線を介して、管理サーバ11Aに送信する。例えば、通信コントローラ110は、現場作業が終了した時間帯に、一日一回、稼働情報及び位置情報を管理サーバ11Aに送信することができる。
通信コントローラ110は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置111を備えることができる。記憶装置111には、例えば、作業機械10の機体番号、ユーザ名、稼働時間、作業エリア、及び、作業機械10の稼働履歴等を記憶させることができる。作業エリアとは、作業機械10の稼働が許可された特定の地域である。
UI部130は、例えば、作業機械10の運転席近傍に設けることができる。UI部130は、例えば、出力部及び入力部を備える。出力部としては、例えば、ディスプレイ装置や音声出力装置等を挙げることができる。入力部としては、例えば、キーボードスイッチやポインティングデバイス、マイクロフォン等を挙げることができる。部品16(例えば、燃料フィルタ170)が正規部品ではないと管理サーバ11Aによって判定された場合、UI部130は、警告メッセージを表示または音声出力させる。
作業機械10のエンジン系統を簡単に説明する。燃料タンク150は燃料を貯蔵するものである。燃料フィルタ170は、燃料タンク150に貯蔵された燃料の塵埃や水分等を除去するためのものである。燃料ポンプ180は、燃料フィルタ170によって濾過された燃料をエンジン160に供給する。図5と共に後述するように、それぞれフィルタ径等の異なる複数の燃料フィルタ170を燃料供給経路に設けることができる。
図4は、リーダ/ライタ140と無線タグ17の構成を示すブロック図である。リーダ/ライタ140は、例えば、アンテナ140Aと、無線インターフェース部140Bと、制御部140C及び外部インターフェース部140Dを備えて構成される。図中では、インターフェースを「I/F」と略記する。
アンテナ140Aは、部品16のアンテナ17Aの近傍に位置するようにして、作業機械10に取り付けられる。無線インターフェース部140Bは、アンテナ140Aを介して、無線タグ17と通信を行うための回路である。
ここで、無線タグ17がRFIDタグとして構成される場合、例えば、125Khzや13.56Mhz等のような比較的低い周波数を選択することができる。125Khzの場合、無線タグ17とアンテナ140との通信可能距離は4〜5cm程度であり、13.56Mhzの場合の通信可能距離は10cm程度となる。950Mhzや2.45Ghzのような、より高い周波数も使用可能であるが、周波数を高くするほど電波の直進性が強くなる。従って、種々の金属部品が配置され、複雑な形状を有するエンジンルーム内のような場所では、低い周波数を用いる方が有利であると考えられる。もっとも、上述の周波数選択に関する記載は、それが特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の権利範囲に影響を与えない。また、950Mhzのような高い周波数を用いることが可能な場合は、その高い周波数を利用してもよい。
制御部140Cは、リーダ/ライタ140の動作を制御する。外部インターフェース部140Dは、外部システムである電子コントローラ100との間の通信を担当する回路である。制御部140Cは、電子コントローラ100から外部インターフェース部140Dを介して、読出しコマンドまたは書込みコマンドを受信する。読出しコマンドを受信した場合、制御部140Cは、無線インターフェース部140B及びアンテナ140Aを介して、無線タグ17内に記憶されている情報を読出し、読み出した情報を電子コントローラ100に転送する。書込みコマンドを受信した場合、制御部140Cは、無線インターフェース部140B及びアンテナ140Aを介して、無線タグ17に情報を送信し、無線タグ17内の記憶部17Dに書き込ませる。なお、無線タグ17に情報を書き込まない場合には、リーダ/ライタ140に代えて、リーダ専用の装置を使用してもよい。
次に、無線タグ17の構成を説明する。無線タグ17は、例えば、アンテナ17Aと、無線インターフェース部17Bと、制御部17C及び記憶部17Dを備えて構成される。アンテナ17Aは、リーダ/ライタ140のアンテナ140Aから発信された電波を受信し、また、アンテナ140Aに向けて電波を送信する。無線インターフェース部17Bは、リーダ/ライタ140との無線通信を担当する回路である。制御部17Cは、無線タグ17の動作を制御する。記憶部17Dは、例えばフラッシュメモリ等のような書換可能な不揮発性メモリから構成される。
記憶部17Dに記憶されるデータ構造を図4の下側に模式的に示す。記憶部17Dには、例えば、数十バイト程度のシステムエリア17D1と、数百〜数千バイト程度のユーザエリア17D2とが設けられている。システムエリア17D1には、例えば、各無線タグ17を一意に特定するためのユニークID等が記憶されている。システムエリア17D1は、原則として、リーダ/ライタ140によって書き換えることはできない。
ユーザエリア17D2は、無線タグ17を利用するユーザが利用することのできる記憶領域である。本実施例の場合、ユーザエリア17D2を利用するユーザとは、作業機械10のベンダである。ユーザエリア17D2には、例えば、品番やシリアル番号等を記憶させることができる。品番とは、部品16の品種を特定するための情報である。シリアル番号とは、部品16の製造番号であり、同一品種の部品16において、各部品16をそれぞれ一意に特定するための識別情報である。ユーザエリア17D2のデータは、リーダ/ライタ140によって書き換えることができる。
無線タグ17の作動を説明する。リーダ/ライタ140のアンテナ140Aから制御信号を含んだ電波が発信されると、この電波はアンテナ17Aにより受信される。無線インターフェース部17Bは、例えば、電磁誘導等を利用することにより、リーダ/ライタ140から受信した電波を電源電圧に変換する。制御部17Cは、リーダ/ライタ140から受信した電波に含まれる制御信号に基づいて、記憶部17Dにアクセスし、データの読出しまたはデータの書込みを行う。なお、無線タグ17は、例えば、小型電池や熱電変換素子等のような独自電源を備えてもよい。
図5は、部品16としての複数の燃料フィルタ170との間で無線通信を行う様子を示す説明図である。図4では、リーダ/ライタ140と無線タグ17との基本的な構成を説明したが、図5に示すように、リーダ/ライタ140は複数の無線タグ17とそれぞれ無線通信を行うことができる。
エンジン160には、部品16としての複数の燃料フィルタ170がそれぞれ取り付けられている。エンジン160には複数のフィルタ取付部171が設けられており、各フィルタ取付部171には、それぞれ燃料フィルタ170が着脱可能に取り付けられる。各フィルタ取付部171の近傍には、燃料フィルタ170の装着を検出する部品交換スイッチ141がそれぞれ設けられる。
各フィルタ170は、その品番やシリアル番号等が記憶された無線タグ17をそれぞれ備える。各無線タグ17に対応する複数のアンテナ140Aが、無線タグ17の近傍に位置するようにして設けられる。各アンテナ140Aは、マルチプレクサ190にそれぞれ接続されており、マルチプレクサ190はリーダ/ライタ140に接続されている。リーダ/ライタ140は、マルチプレクサ190を用いることにより、複数のアンテナ140Aを順番に切り替えながら、各無線タグ17と交信可能である。
アンテナ140Aの交信可能範囲内に複数の無線タイミング17が位置する場合、一つのアンテナ140Aによって複数の無線タイミング17と交信可能である。
図6は、部品ID管理テーブルT1を示す。部品ID管理テーブルT1は、図1中の部品ID記憶手段1Cに該当し、管理サーバ11Aに記憶されている。部品ID管理テーブルT1は、例えば、品番管理部T11と、シリアル番号管理部T12及び機体番号管理部T13を備えて構成される。
品番管理部T11は、作業機械10に使用される各部品16の品番を管理する。シリアル番号管理部T12は、その品番について製造された各部品16のシリアル番号を管理する。一つの品番には、複数のシリアル番号が対応付けられる。機体番号管理部T13は、機体番号を管理する。機体番号とは、各作業機械10をそれぞれ識別するための識別情報であり、シリアル番号に対応付けられる。
部品供給工場12から部品16が出荷された時点では、その部品16は作業機械10に取り付けられていないため、その部品16のシリアル番号に、機体番号を対応付けることはできない。従って、図6中では、作業機械10に未だ取り付けられていない部品16の機体番号には、「未使用」と表示している。なお、「未使用」の表示は、説明の便宜のためである。実際には、機体番号の欄に機体番号がセットされていなければ、機体番号に対応付けられていないシリアル番号を有する部品16が未使用であるとわかる。部品16が作業機械10に取り付けられると、その部品16のシリアル番号には、取付先の作業機械10の機体番号が対応付けられる。
図7は、部品供給管理サーバ12Aの機能的構成を示す。部品供給管理サーバ12Aは、例えば、通信制御部200と、演算処理部210及び記憶部220を備えて構成することができる。
通信制御部200は、通信ネットワーク13を介して、管理センタ11の管理サーバ11Aとの通信を制御する。演算処理部210は、記憶部220に記憶されたプログラムを実行することにより、製造した部品群を管理等するための処理を実行する。記憶部220には、演算処理部210により実行されるプログラムを格納するプログラム格納部221と、部品管理データベース222等が記憶される。
演算処理部210は、例えば、部品管理処理211,部品ID書込み処理212及び部品ID転送処理213をそれぞれ実行する。部品管理処理211は、部品供給工場12で製造され出荷される部品群を管理するための処理である。部品ID書込み処理212は、リーダ/ライタ230を介して、無線タグ17に品番及びシリアル番号等を書き込ませるための処理である。部品ID転送処理213は、出荷された部品群の品番及びシリアル番号等を管理センタ11の管理サーバ11Aに送信させる処理である。
図7の下側に示すリーダ/ライタ230は、アンテナ230Aを介して、無線タグ17に部品IDを書き込む。部品IDには、例えば、品番及びシリアル番号が含まれる。リーダ/ライタ230は、部品ID書込み処理212と共に、図2中のタグ発行システム12Bを構成する。
図8は、管理センタ11の管理サーバ11Aの機能構成を示す。管理サーバ11Aは、例えば、通信ネットワーク13を介した通信を制御する通信制御部300と、通信制御部300を通じて送受信される情報を処理するための演算処理部310と、半導体メモリやハードディスク装置等から構成される記憶部320とを備えることができる。
記憶部320は、演算処理部310で実行される各種のコンピュータプログラムが格納されたプログラム格納部321と、車体管理データベース322及び部品ID管理テーブルT1等が記憶される。車体管理データベース322は、作業機械10の稼働情報や位置情報等を管理するためのものである。
演算処理部310は、上記各種のコンピュータプログラムにより、部品ID受信処理311と、部品ID更新処理312と、部品監視処理313と、稼働情報受信処理314及び車体管理処理315をそれぞれ実行させる。
部品ID受信処理311は、通信ネットワーク13を介して、部品供給管理サーバ12Aから部品IDを受信するための処理である。部品ID更新処理312は、部品供給管理サーバ12Aから受信した部品IDに基づいて、記憶部320に記憶されている部品ID管理テーブルT1を更新させる処理である。例えば、新しく発行された品番やシリアル番号は新たに記憶され、廃止された品番やシリアル番号は消去される。
部品監視処理313は、各作業機械10から送られてきた第1の部品IDと部品ID管理テーブルT1に記憶されている第2の部品IDとを照合し、両者が一致するか否かを監視するものである。部品監視処理313は、第1の部品IDと第2の部品IDとが不一致の場合に、機械管理装置10Aに異常状態の発生を通知する。
稼働情報受信処理314は、各作業機械10の機械管理装置10Aから送信される稼働情報を受信するための処理である。車体管理処理315は、各稼働情報に基づいて、各作業機械10の状態や位置を管理するための処理である。
図9は、供給管理サーバ12Aからのデータによって管理サーバ11Aに記憶されている部品ID管理テーブルT1を更新させるための処理を示す。図中、ステップを「S」と略記する。
供給管理サーバ12Aは、部品IDが更新されたか否かを判定する(S10)。部品供給工場12は、日々新たな部品16を製造して出荷する。出荷される部品16には、品番やシリアル番号等が設定される。このようにして、新たな部品IDが生じる。部品IDが更新された場合(S10:YES)、部品供給管理サーバ12Aは、部品IDの更新データを管理サーバ11Aに送信する(S11)。更新データとは、部品ID管理テーブルT1を最新の状態に更新させるためのデータであり、最後に管理サーバ11Aに送信した部品ID管理テーブルT1との差分データである。
管理サーバ11Aは、部品供給管理サーバ12Aから部品IDの更新データを受信すると(S12:YES)、この更新データに従って、部品ID管理テーブルT1を更新させる(S13)。これにより、管理サーバ11Aは、部品ID管理テーブルT1の記憶内容を最新の内容に保持することができる。
ここで、部品ID管理テーブルT1を更新させるとは、部品供給管理サーバ12Aから受信した更新データを部品ID管理テーブルT1に追加し、さらに、この更新データに対応する機体番号を“未使用”に設定することを意味する。即ち、更新データには、出荷される新品の部品16に関する品番及びシリアル番号がそれぞれ含まれているので、これら品番及びシリアル番号を部品ID管理テーブルに追加する。この時点において、新品の部品16は作業機械10に未だ取り付けられていないため、製造番号と機体番号との対応付けは行われない。
図10は、管理サーバ11Aで作業機械10の部品を監視する処理を示すフローチャートである。この処理は、管理サーバ11Aと電子コントローラ100の協働作業として実行される。
まず、電子コントローラ100は、部品交換スイッチ141からの検出信号を読み込むことにより、部品16(例えば、燃料フィルタ170)が交換されたか否かを判定する(S20)。例えば、燃料フィルタ170がいったんフィルタ取付部171から取り外された後、新たな燃料フィルタ170がフィルタ取付部171に取り付けられた場合は、燃料フィルタ170が交換されたものと判定することができる。
部品16の交換が検出された場合(S20:YES)、電子コントローラ100は、リーダ/ライタ140を介して、その部品16の備える無線タグ17から、品番を読み込む(S21)。電子コントローラ100は、その読み込んだ品番及び機体番号を管理サーバ11Aに送信する(S22)。
なお、電子コントローラ100が管理サーバ11Aに品番及び機体番号を送信する方法としては、複数の方法を挙げることができる。第1の方法は、部品16の交換と同時に、品番及び機体番号を管理サーバ11Aに送信する場合である。第2の方法は、稼働情報の送信時に、品番及び機体番号を管理サーバ11Aに送信する方法である。いずれの方法を採用してもよい。部品16の種類に応じて、品番及び機体番号を電子コントローラ100から管理サーバ11Aに送信するタイミングを変える構成としてもよい。
管理サーバ11Aは、作業機械10から品番及び機体番号を受信すると(S23)、この受信した品番で部品ID管理テーブルT1を検索する(S24)。管理サーバ11Aは、作業機械10から受信した品番が部品ID管理テーブルT1から発見されたか否かを判定する(S25)。即ち、管理サーバ11Aは、作業機械10から受信した品番と一致する品番が部品ID管理テーブルT1に存在するか否かを判定する。
作業機械10から受信した品番が部品ID管理テーブルT1から発見された場合(S25:YES)、管理サーバ11Aは、作業機械10から受信した機体番号を、交換された部品16のシリアル番号に対応付けて、部品ID管理テーブルT1に記憶させる(S26)。これに対し、作業機械10から受信した品番を部品ID管理テーブルT1から発見することができなかった場合(S25:NO)、管理サーバ11Aは、電子コントローラ100に警告信号を出力する(S27)。作業機械10から受信した品番は、部品ID管理テーブルT1に登録されている各品番のいずれにも一致しないためである。
電子コントローラ100は、管理サーバ11Aから警告信号を受信した場合(S28:YES)、ユーザに警告を与える(S31)。この警告は、例えば、「交換された燃料フィルタは正規部品ではありません。正規部品に交換して下さい。」等のようなメッセージを、UI部130を介して出力することにより実現される。この場合のユーザとは、作業機械10の部品を交換等した者である。
以上詳述した通り、本実施例では、作業機械10に搭載される部品16が正規部品であるか否かを、部品交換時に管理サーバ11Aが判定することができる。そして、正規部品以外の部品16が装着されていると判定された場合は、例えば、警告メッセージをユーザに通知することができる。従って、模造品等の使用に対してユーザに警告を与えることができる。これにより、市場クレームの発生を抑制することができ、作業機械10の信頼性を維持することができる。
本実施例では、無線タグ17に書き込まれている品番が正規の品番であるか否かを、部品16の交換時に判定する。従って、交換された部品16についてのみ、その交換時点で正規部品であるか否かを直ちに判定することができる。これにより、比較的簡易な制御構造で、正規部品であるか否かを早期に検出することができる。
本実施例では、複数の作業機械10で使用される複数の部品16について、正規部品であるか否かを管理サーバ11Aで一元的に管理する。従って、部品ID管理テーブルT1の記憶内容を最新の状態に整備するだけで、複数の作業機械10の部品群をそれぞれ適切に監視することができる。
本実施例では、部品供給管理サーバ12Aから管理サーバ11Aに更新データを送信し、部品ID管理テーブルT1に記憶されている品番及びシリアル番号を更新させる。従って、部品16が作業機械10に取り付けられるよりも前に、部品ID管理テーブルT1の記憶内容を更新させることができ、部品16を適切に監視できる。
図13〜図15に基づいて第4実施例を説明する。本実施例では、部品交換時に品番及びシリアル番号を確認し、かつ、一度使用されたシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去する。
図13は、本実施例による部品監視システムにより実行される部品監視処理を示すフローチャートである。電子コントローラ100は、部品が交換されたか否かを判定する(S50)。
部品が交換された場合(S50:YES)、電子コントローラ100は、リーダ/ライタ140を介して、無線タグ17から品番及びシリアル番号を読み込む(S51)。そして、電子コントローラ100は、交換された部品16に対応する品番及びシリアル番号を管理サーバ11Aに送信する(S52)。なお、電子コントローラ100は、品番及びシリアル番号を送信する際に、機体番号を一緒に送信する。
管理サーバ11Aは、電子コントローラ100から品番及びシリアル番号を受信すると(S53)、受信した品番で部品ID管理テーブルT1を検索する(S54)。
管理サーバ11Aは、受信した品番を部品ID管理テーブルT1から発見できたか否かを判定する(S55)。受信した品番を部品ID管理テーブルT1から発見できた場合(S55:YES)、管理サーバ11Aは、S53で受信したシリアル番号で、部品ID管理テーブルT1を検索する(S56)。部品ID管理テーブルT1の全体を検索する必要はなく、一致した品番についてのみ部品ID管理テーブルT1を検索すればよい。
無線タグ17に記憶されているシリアル番号(即ち、S53で受信したシリアル番号である)が部品ID管理テーブルT1に登録されている場合(S57:YES)、管理サーバ11Aは、そのシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去させる(S58)。また、管理サーバ11Aは、機体番号を部品ID管理テーブルT1に記憶させる(S59)。なお、本実施例においては、機体番号は、正規部品であるか否かの判定には使用されない。図15には、部品ID管理テーブルT1から使用済みのシリアル番号を消去する様子が示されている。
これに対し、S53で受信した品番を部品ID管理テーブルT1から発見できなかった場合(S55:NO)、交換された部品16は模造品であると考えられるため、管理サーバ11Aは、警告信号を電子コントローラ100に送信する(S60)。
S53で受信した品番が部品ID管理テーブルT1に記憶されている場合であっても、S53で受信したシリアル番号が部品ID管理テーブルT1に登録されていない場合(S57:NO)、不正にコピーされた無線タグ17を有する模造品であると考えられるため、管理サーバ11Aは、警告信号を出力する(S60)。
上述のように、新品の部品16が作業機械10に装着された場合、その部品16のシリアル番号は部品ID管理テーブルT1から消去される。部品16の有する無線タグ17が流通過程で不正にコピーされ、不正にコピーされた無線タグ17が模造品に添付された場合、模造品のシリアル番号は部品ID管理テーブルT1から消去されているため、S57で「NO」と判定され、警告信号が出力される(S60)。
図14は、部品ID管理テーブルT1を更新させる処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図9に示すフローチャートと共通のステップ(S10〜S13)を備えている。共通するステップの説明を省略し、本実施例に特徴的なステップについて説明すると、管理サーバ11Aは、品番及びシリアル番号の照合結果に基づく部品IDの更新を行うか否かを判定する(S14)。
即ち、図13のS58において、使用済みのシリアル番号の消去が決定されたか否かを判定する。使用済みシリアル番号の消去が決定された場合(S14:YES)、管理サーバ11Aは、その使用済みのシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去させる(S15)。
このように構成される本実施例も前記第1実施例と同様の効果を奏する。これに加えて、本実施例では、一度使用された部品16のシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去するため、不正にコピーされた無線タグ17を有する模造品が使用されるのを未然に防止することができる。例えば、悪質なユーザの場合、正規部品を一つだけ購入し、正規部品に添付されている無線タグ17の記憶内容をコピーすることが考えられる。不正コピーした無線タグを模造品に添付することにより、以後は模造品を使用してメンテナンスコストを低減可能だからである。しかし、本実施例では、既に使用されたシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去するため、このような不正行為を排除することができる。
また、本実施例では、管理サーバ11Aにおいて部品ID管理テーブルT1を管理しており、いずれか一つの作業機械10で使用されたシリアル番号を部品ID管理テーブルT1から消去するため、不正コピーされた無線タグ17が他の作業機械10で使用されるのを防止することができ、信頼性及び使い勝手が向上する。