JP4756793B2 - 建設機械の管理装置 - Google Patents

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    • G08G1/00Traffic control systems for road vehicles
    • G08G1/20Monitoring the location of vehicles belonging to a group, e.g. fleet of vehicles, countable or determined number of vehicles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械の故障等の異常を判断しその判断結果に応じて修理等の異常処理を行うことで建設機械を管理する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、ダンプトラック、ブルドーザ、ホイールローダなどの建設機械は、施主が要求する工期までに完工するように工事現場などで連続して稼動されることが多い。このため建設機械で故障等の異常が発生した場合には修理等を迅速に行い極力ダウンタイムを短くする必要がある。しかも建設機械は高価であり、プール地に保管している機種、台数、レンタルに供される機種、台数が限られていることから、代替えの建設機械を即座に工事現場に投入することは難しい。
【0003】
また建設機械は現状では初期の販売額とほぼ同額のサービス費用(パーツ代、工賃等)が必要でありサービス費用が高コストになっている。
【0004】
このため建設機械で発生する故障等の異常を早期に事前に正確に判断して、部品を早期に手配したり修理を迅速に行うことが、サービス費用のコストの低減を図り、工事現場等における稼働率を向上させる上で必要となる。たとえばエンジンが重大な損傷を受ける前に適切な部品を交換したり調整を行えばサービス費用を低減でき、修理に要する時間も短くなる。
【0005】
そこで従来はサービスマン(保守員)が建設機械まで出向き、目視で確認するか若しくは建設機械にパーソナルコンピュータを接続することによって建設機械内部のメモリに書き込まれた建設機械に関するデータをダウンロードすることで建設機械に関する情報(サービスメータの計時値、燃料消費量、エンジン回転数など)を取得するようにしていた。そして複数の建設機械から収集されたデータを建設機械のメーカの管理部のコンピュータのメモリに記憶格納させることで、複数の建設機械を管理するようにしていた。
【0006】
しかしこの方法は人手により情報を収集しているため、建設機械の数が多数になるほど情報収集は煩雑なものとなり情報収集の作業効率は良くないという問題がある。
【0007】
そこで近年は、特開平8−144312号公報(以下第1公報)、特開平11144312号公報(以下第2公報)にみられるように、建設機械の情報の取得を人手に頼ることなく通信手段を用いて自動的に行う試みがなされている。
【0008】
第1公報記載の発明は、建設機械の稼動状態の検出データ、検出データに基づくエラーコード、目視によるエラーコードを、通信装置を介してメーカなどの管理部に送信し管理部側の表示画面にエラーコードを表示することで人手により建設機械の異常を判断し、修理等をサービスマンに依頼するというものである。
【0009】
一方第2公報記載の発明は、建設機械の稼動状態の検出データに基づくエラーコードと、エラーコード直前の検出データつまりスナップショットデータを一時的に建設機械に設けたメモリに記憶し、メモリに記憶されたデータを通信装置を介してメーカなどの管理部に送信し管理部側でエラーコードとスナップショットデータから建設機械の異常を自動的に判断し、異常であると判断された場合に修理等をサービスマンに依頼するというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
第1公報記載の発明によれば人手に頼り異常を判断している。このため判断がばらつくという問題がある。
【0011】
また第2公報記載の発明によれば自動的に異常を判断しているため判断がばらつくという問題は生じない。しかしエラーコードとスナップショットデータというデータのみに基づいて異常を判断しているため、正確な判断を行えないおそれがある。すなわちエラーコードとスナップショットデータは建設機械に設けられたセンサの検出値から得られるデータである。しかしながら建設機械の異常は、センサの検出値のみならず目視による判断結果やオイル等を分析した結果を総合してはじめて判断できるものもある。
【0012】
そこで本発明はセンサの検出値以外の情報を加味して異常判断を正確に行えるようにすることを第1の解決課題とするものである。
【0013】
また第1公報、第2公報記載の発明によれば、エラーコードが発生したときには原則的に異常が発生したものと判断される。
【0014】
しかしエラーコードは必ずしも真の異常を意味するものではない。すなわちエラーコードは建設機械の内部のコントローラで生成される。コントローラは安全性を高めるために僅かな異常であってもエラーコードを生成するような規格で製造されている。たとえば建設機械が下り坂等でオーバーランした場合を想定する。この場合エンジン回転数が過回転になるたびに、実際にはエンジン損傷、ブレーキ損傷等の異常が発生していないにもかかわらず、オーバーランを示すエラーコードが生成されてしまう。そしてこのエラーコードから管理部側で異常であると判断して、現場にサービスマンを派遣したとしても実際には修理を要するほどの緊急度を要する異常ではなかったという事態が数多く発生している。
【0015】
逆にコントローラを、真に異常が発生したときのみにエラーコードを生成するような規格にすると、異常発生を事前に見逃してしまい、建設機械が故障してから修理にとりかかるような事態となり、ダウンタイムが多大なものになるおそれがある。
【0016】
以上のように従来技術によれば異常であるか否かを一義的に判断しているため、緊急度の低い状態であるにもかかわらず異常であると判断したり逆に緊急度が高い状態にもかかわらずこれを見逃してしまうという問題があった。
【0017】
そこで本発明は異常度合いつまり緊急度の度合いを判別できるようにして、その判別結果に応じて的確な異常処理が行えるようにすることを第2の解決課題とするものである。
【0018】
ところで上記第1公報、第2公報記載の発明は、メーカ等の管理部側で建設機械の情報に基づいて異常を判断し、異常であると判断された場合にサービスマンを現場に派遣して修理を行うというものである。すなわち異常であるという判断結果は、修理を行うサービス部門のみならず、経営部門、営業部門、生産部門などにとっても有用な情報である。しかもサービス部門、経営部門、営業部門、生産部門などに応じて異常であると判断するレベルは異なる。たとえばサービス部門であれば、実際に故障が発生する前に現場に急行して建設機械の異常を確かめる必要性から、僅かな異常であってもその情報を取得する必要がある。また生産部門であれば、設計変更等を行う必要性から僅かな異常の情報は重要でなく、ある程度の深刻な異常の情報のみが重要になる。さらに経営部門にとっては、故障が発生する可能性の高い情報のみが重要になる。逆にサービス部門に、深刻な異常の情報のみを与えても、修理等を迅速に行うことができなくなるおそれがある。一方経営部門に僅かな異常の情報を与えてもそれは無用な情報であり結果的に有用な情報が無視されることになりかねない。
【0019】
このように建設機械を管理する側にとって要求する情報のレベルは同じではなく管理者側のレベルによっては全ての情報を与えられても却って使いこなせず無用な情報となることが多々あった。
【0020】
また情報を選別することなく一義的に全ての情報を送信することは、通信コストの増大を招く結果になる。
【0021】
そこで本発明は管理者側に真に有用な情報のみを与えるようにするとともに通信コストを抑えるようにすることを第3の解決課題とするものである。
【0022】
上記第2公報では、建設機械の異常を自動的に判断している。
【0023】
しかしながら異常であると判断されたとしても実際には異常ではなかったり、逆に異常ではないと判断されたとしても実際には異常であったことが起こり得る。これは判断に必要なデータが不足していたり、データの内容が実状に沿っていないなどの理由による。
【0024】
一方において、建設機械を管理する側の専門的知識、技術レベルには差がある。たとえばメーカの設計者は、建設機械について技術的に詳しく、レンタル会社などのユーザは、一般的に建設機械について技術的に詳しくない。
このため自動的に判断結果が得られた場合に、その結果をそのままメーカの設計者、ユーザに伝えたものとすると、メーカの設計者は、自らの専門知識に基づいて、その自動的になされた判断が妥当なものか否かを最終的に判断して、適切な対処をとることができる。これに対して、ユーザは、専門的知識が不足しているため、自動的に下された判断結果を信用せざるを得ず、「異常」という判断が誤っている場合には無用な労力を費やすことになったり、「異常ではない」という判断が誤っている場合には修理等の適切な処置の遅れにより不都合が生じることになる。
【0025】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、建設機械を管理する側の技術的なレベルに応じた情報を与えるようにして、適切な対処をとることができるようにすることを、第4の解決課題とするものである。
【0026】
また第1公報、第2公報記載の発明によれば、エラーコードが発生したときには原則的に異常が発生したものと判断される。
【0027】
しかしエラーコードは必ずしも真の異常を意味するものではない。すなわちダンプトラックなどの建設機械は、同じ作業現場で稼動することが多い。同じ環境下で稼動する建設機械は、外気温が急上昇するなど環境が急変すると、センサ値が異常値に達しエラーコードを一斉に発生することがある。したがってエラーコード発生をもって建設機械の異常であると判断すると、環境の急変によって全ての建設機械に生じた変化を、異常と判断することになり、実状と合わないことがある。
【0028】
逆に、環境の急変を除外するためにエラーコードの発生の基準を高く設定すると、真の異常発生を事前に見逃してしまい、建設機械が故障してから修理にとりかかるような事態となり、ダウンタイムが多大なものになるおそれがある。
【0029】
そこで本発明は、同一の環境で稼動する複数の建設機械から収集される情報を対比することにより、それが環境の原因によるものか、建設機械の真の異常によるものかを正確に判断できるようにすることを第5の解決課題とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで第1発明は、第1の解決課題を達成するために、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械内に設けられ、内部情報を検出することにより第1の建設機械情報を収集する第1の情報収集手段と、
前記建設機械から取り出された分析対象物を分析することにより第2の建設機械情報を収集する第2の情報収集手段と、
前記建設機械を目視によって判断することにより第3の建設機械情報を収集する第3の情報収集手段と、
前記第1、第2および第3の情報収集手段で収集された第1、第2および第3の建設機械情報のすべてあるいはいずれか2つの組み合わせに基づいて前記建設機械の異常度合いを判別する異常度合い判別手段と
を具え、
前記異常度合い判別手段で判別された異常度合いに応じて前記建設機械に対して異常処理を行うようにしたこと
を特徴とする。
【0031】
第1発明を図1を参照して説明する。
【0032】
第1発明によれば、建設機械31内に設けられたセンサ群41よって、内部情報D1(オンボード情報)が検出されこれが第1の建設機械情報D1として収集される。
【0033】
またオイル分析センタ17は建設機械31から取り出された分析対象物131a(オイル)を分析することにより第2の建設機械情報D2(オイル分析情報)を収集する。
【0034】
またサービスマンはパーソナルコンピュータ19を介して建設機械31を目視によって判断することにより第3の建設機械情報D3を収集する。
【0035】
メーカ10のサーバ装置11では、これら収集された第1、第2および第3の建設機械情報D1、D2、D3のすべてあるいはいずれか2つの組み合わせに基づいて建設機械の異常度合いを判別する。具体的には図2に示すようにブローバイ圧と排気温度を示す第1の建設機械情報D1と、オイル分析結果(鉄Fe混入度合い、シリコンSi混入度合い)を示す第2の建設機械情報D2とに基づいて、異常度合いが第1段階〜第4段階のいずれにあるかが判別される。
【0036】
このように第1発明によればセンサの検出値以外の情報を加味して異常判断を正確に行うことができる。
【0037】
第2発明は、第2の解決課題を達成するために、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段と
を具え、
前記情報加工手段によってランク付けされた異常度合いを示す情報に基づいて前記建設機械に対して異常処理を行うようにしたこと
を特徴とする。
【0038】
第2発明を図1を参照して説明する。
【0039】
建設機械31のコントローラ40ではたとえばオーバーランを示すエラーコードが収集される。
【0040】
そしてメーカ10のサーバ装置11では、収集されたエラーコードの単位時間当たりの発生回数に基づいて建設機械の異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。
【0041】
そして建設機械31の管理者はこのランク付けされた異常度合いを示す情報に基づいて建設機械31に対して点検、修理等を行う。具体的にはランク1、ランク2のときにはサービスマンは建設機械31を点検、修理する必要がないと判断でき、ランク3、4になったときにはじめて建設機械31を点検、修理する必要があると判断することができる。
【0042】
このように第2発明によれば、異常度合いつまり緊急度の度合いを判別できるので、その判別結果に応じて的確な異常処理を行うことができる。
【0043】
第3発明は、第2の解決課題を達成するために、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた1または複数の端末装置とを備え、
前記情報収集手段と、前記端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段を設け、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けし、
前記サーバ装置は、前記1または複数の端末装置からの要求に応じて、前記ランク付けされた異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して要求元の端末装置へ送信するようにしたこと
を特徴とする。
【0044】
第3発明を図1を参照して説明する。
【0045】
第3発明によれば建設機械31内に設けられたセンサ群41よって、内部情報D1(オンボード情報)が検出されこれが第1の建設機械情報D1として収集される。
【0046】
またオイル分析センタ17は建設機械31から取り出された分析対象物131a(オイル)を分析することにより第2の建設機械情報D2(オイル分析情報)を収集する。
【0047】
またサービスマンはパーソナルコンピュータ19を介して建設機械31を目視によって判断することにより第3の建設機械情報D3を収集する。
【0048】
これら収集された建設機械情報D1、D2、D3は通信衛星5などの通信手段を介してメーカ10のサーバ装置11に送信される。
【0049】
メーカ10のサーバ装置11では、収集された建設機械情報D1、D2、D3毎に異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。
【0050】
そしてサーバ装置11は、端末装置51からの要求に応じて、ランク付けされた異常度合いを示す情報を、インターネット7などの通信手段を介して要求元の端末装置51へ送信する。
【0051】
そして建設機械31の管理者(サービスマン)側の端末装置51の表示画面を介してランク付けされた異常度合いを示す情報を知ることができ、建設機械31に対して点検、修理等を行うか否かを判断することができる。具体的にはランク1、ランク2のときにはサービスマンは建設機械31を点検、修理する必要がないと判断でき、ランク3、4になったときにはじめて建設機械31を点検、修理する必要があると判断することができる。
【0052】
このように第3発明によれば、異常度合いつまり緊急度の度合いを判別できるので、その判別結果に応じて的確な異常処理を行うことができる。
【0053】
第4発明は、第2発明または第3発明において、
複数の建設機械を管理する場合に適用され、
前記情報加工手段は、建設機械毎にランク付けの基準を設定し、建設機械毎にに設定された基準でランク付けを行うこと
を特徴とする。
【0054】
第5発明は、第2発明または第3発明において、
前記建設機械情報は、時間の経過に応じて変化する時系列データであり、
前記情報加工手段は、前記時系列データの傾きあるいは絶対値あるいは初期値に対する変化量を、複数のレベルにランク付けすること
を特徴とする。
【0055】
第6発明は、第2発明または第3発明において、
前記建設機械情報は、前記建設機械の内部で発生したエラーを示すエラーコードであり、
前記情報加工手段は、前記エラーコードの発生回数の頻度を、複数のレベルにランク付けすること
を特徴とする。
【0056】
第7発明は、第2発明または第3発明において、
前記建設機械情報は、前記建設機械の稼動状態の予測値に対する実際の稼働状態とを比較した比較結果であり、
前記情報加工手段は、前記比較結果を、複数のレベルにランク付けすること
を特徴とする。
【0057】
第8発明は、第3の解決課題を達成するために、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを具え、
前記情報収集手段と、前記複数の端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けするとともに、送信すべき異常度合いのランクと前記複数の端末装置との対応づけを行う前記情報加工手段を設け、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けするとともに、送信すべき異常度合いのランクと前記複数の端末装置それぞれとの対応づけを行い、
前記サーバ装置は、前記端末装置からの要求に応じて、対応するランクの異常度合い情報を、前記通信手段を介して要求元の端末装置へ送信するようにしたこと
を特徴とする。
【0058】
第8発明を図1を参照して説明する。
【0059】
第8発明によれば建設機械31内に設けられたセンサ群41よって、内部情報D1(オンボード情報)が検出されこれが第1の建設機械情報D1として収集される。
【0060】
またオイル分析センタ17は建設機械31から取り出された分析対象物131a(オイル)を分析することにより第2の建設機械情報D2(オイル分析情報)を収集する。
【0061】
またサービスマンはパーソナルコンピュータ19を介して建設機械31を目視によって判断することにより第3の建設機械情報D3を収集する。
【0062】
これら収集された建設機械情報D1、D2、D3は通信衛星5などの通信手段を介してメーカ10のサーバ装置11に送信される。
【0063】
メーカ10のサーバ装置11では、収集された建設機械情報D1、D2、D3毎に異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。また異常度合いのランク1、2、3、4と端末装置51とが対応づけられ、異常度合いのランク1、2、3、4とサービスマン側の端末装置51とが対応づけられ、異常度合いのランク3、4と営業マン側の端末装置52とが対応づけられ、異常度合いのランク4と経営者側の端末装置53とが対応づけられる。
【0064】
そしてサーバ装置11は、端末装置51、52、53からの要求に応じて、対応するランクの異常度合い情報を、インターネット7などの通信手段を介して要求元の端末装置51、52、53へ送信する。
【0065】
このためサービスマン側の端末装置51の表示画面を介して異常度合いのランク1、2、3、4の情報を知ることができる。正常な範囲に入るような僅かな異常でも知ることができる。このため実際に故障が発生する前に現場に急行して建設機械31の異常を確かめることができる。また営業マン側の端末装置52の表示画面を介して異常度合いのランク3、4の情報のみを知ることができる。このため深刻な異常の情報のみを知ることができる。また経営者側の端末装置53の表示画面を介して異常度合いのランク4のみを情報を知ることができる。このため故障が発生する可能性の高い情報のみを知ることができる。逆にサービスマン側の端末装置51に、深刻な異常の情報を示すランク3、4の情報のみを与えても、修理等を迅速に行うことができなくなるおそれがある。一方経営者側の端末装置53に、僅かな異常の情報を含むランク1、2、3、4の情報全てを与えてもそれは無用な情報であり結果的に有用な情報が無視されることになりかねない。
【0066】
また情報を選別して送信しており一義的に全ての情報を送信するものではないので、通信コストを抑えることができる。
【0067】
このように第8発明によれば建設機械の管理者側に真に有用な情報のみを与えることができるとともに通信コストを抑えることができる。
【0068】
第9発明は、第3の解決課題を達成するために、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを具え、
前記情報収集手段と、前記複数の端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて、前記端末装置側の管理者のレベルに応じた情報に加工する情報加工手段を設け、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報を前記端末装置側の管理者のレベルに応じた情報に加工し、
前記サーバ装置は、前記端末装置からの要求に応じて、要求元の端末装置側の管理者のレベルに応じた加工情報を、前記通信手段を介して要求元の端末装置へ送信すること
を特徴とする。
【0069】
第9発明は第8発明と同様の効果が得られる。
【0070】
第10発明は、第9発明において、
前記サーバ装置は、前記サーバ装置は、要求元の端末装置から前記加工情報を受領した旨のデータが一定期間内に返信されない場合は、当該加工情報を再送すること
を特徴とする。
【0071】
第11発明は、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを備え、
前記情報収集手段と、前記端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段と、前記情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、ランク付けし直し、ランク付けし直された結果をサーバ装置のデータベースに記憶する記憶手段と
を設け、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けし、
前記情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、ランク付けし直し、ランク付けし直された結果を前記記憶手段に記憶し、
前記サーバ装置は、ランク付けがし直された異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して各端末装置へ送信するようにしたこと
を特徴とする。
【0072】
第11発明を図1を参照して説明する。
【0073】
第11発明によれば建設機械31内に設けられたセンサ群41よって、内部情報D1(オンボード情報)が検出されこれが第1の建設機械情報D1として収集される。
【0074】
またオイル分析センタ17は建設機械31から取り出された分析対象物131a(オイル)を分析することにより第2の建設機械情報D2(オイル分析情報)を収集する。
【0075】
またサービスマンはパーソナルコンピュータ19を介して建設機械31を目視によって判断することにより第3の建設機械情報D3を収集する。
【0076】
これら収集された建設機械情報D1、D2、D3は通信衛星5などの通信手段を介してメーカ10のサーバ装置11に送信される。
【0077】
メーカ10のサーバ装置11では、収集された建設機械情報D1、D2、D3毎に異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。
【0078】
さらに異常度合いのランク付けを、ランク付けし直し、ランク付けし直された結果を記憶手段12に記憶する。
【0079】
そしてサーバ装置11は、ランク付けし直された異常度合いを示す情報を、インターネット7などの通信手段を介して各端末装置へ送信する。
【0080】
このため、たとえば建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「4」からランク「3」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを派遣するなどの措置をとることが回避され、無用な労力が軽減される。
【0081】
逆に建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「3」からランク「4」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを緊急に派遣するなどを措置をとることが可能になり、修理等の適切な処置を迅速をとることにより、建設機械の故障によるダウンタイムの発生を回避することができる。
【0082】
第12発明は、
建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを備え、
前記情報収集手段と、前記端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段を設け、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けし、
前記サーバ装置は、前記ランク付けされた異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して、特定の端末装置へ送信し、
前記特定の端末装置は、送信された情報について、異常度合いのランク付けをし直して、前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、ランク付けがし直された異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して各端末装置へ送信するようにしたこと
を特徴とする。
【0083】
第12発明を図1を参照して説明する。
【0084】
第12発明によれば建設機械31内に設けられたセンサ群41よって、内部情報D1(オンボード情報)が検出されこれが第1の建設機械情報D1として収集される。
【0085】
またオイル分析センタ17は建設機械31から取り出された分析対象物131a(オイル)を分析することにより第2の建設機械情報D2(オイル分析情報)を収集する。
【0086】
またサービスマンはパーソナルコンピュータ19を介して建設機械31を目視によって判断することにより第3の建設機械情報D3を収集する。
【0087】
これら収集された建設機械情報D1、D2、D3は通信衛星5などの通信手段を介してメーカ10のサーバ装置11に送信される。
【0088】
メーカ10のサーバ装置11では、収集された建設機械情報D1、D2、D3毎に異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。
【0089】
さらにサーバ装置11は、ランク付けされた異常度合いを示す情報を、通信手段を介して、特定の端末装置11aへ送信する。
【0090】
そして特定の端末装置11aは、送信された情報について、異常度合いのランク付けをし直して、サーバ装置11に送信し、
そしてサーバ装置11は、ランク付けし直された異常度合いを示す情報を、インターネット7などの通信手段を介して各端末装置へ送信する。
【0091】
このため、たとえば建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「4」からランク「3」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを派遣するなどの措置をとることが回避され、無用な労力が軽減される。
【0092】
逆に建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「3」からランク「4」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを緊急に派遣するなどを措置をとることが可能になり、修理等の適切な処置を迅速をとることにより、建設機械の故障によるダウンタイムの発生を回避することができる。
【0093】
第13発明は、第11発明または第12発明において、
前記複数の端末装置は、複数のレベルにランク付けされており、
前記サーバ装置の情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、端末装置のレベルに応じて、ランク付けし直し、
前記サーバ装置は、端末装置のレベルに対応してランク付けし直された異常度合いの情報を、前記通信手段を介して、対応する端末装置へ送信するようにしたこと
を特徴とする。
【0094】
第13発明によれば、専門家によって、ランク付け「4(緊急Emergency)」が実際には「3(異常Abnormal)」であると判断されると、このランク付けし直された方のデータつまり「3(異常Abnormal)」がリース/レンタル会社60の端末装置61に送信され、サービス部門側端末装置51にはランク付けし直す前のデータつまり「4(緊急Emergency)」がそのまま送信される。
【0095】
これによりサービスマンは現場に急行し、ユーザは注意しながら建設機械を運転する措置をとることが可能になる。このため建設機械はサービスマンが到着するまで稼動できるのでダウンタイムを最小に抑えることができる。またサービスマンは現場に急行して、専門家の判断が正しいか否かを確認し、その結果をメーカに報告することができる。このように第13発明によれば、ランク付けし直された結果を各端末装置に一義的に送信した場合と比較して、より適切な措置をとることができる。
【0096】
第14発明は、
同一の環境で稼動する複数の建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記複数の建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に、その建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段によって収集された建設機械情報の中から同一種類の情報を選択し、この同一種類の情報が示す値を、複数の建設機械相互間で対比し、この結果、特異な値を示す建設機械を、異常であると判断する異常判断手段と
を具え、
前記異常判断手段によって異常であると判断された建設機械に対して異常処理を行うようにしたこと
を特徴とする。
【0097】
第14発明を図35を参照して説明する。
【0098】
建設機械31a、31b、31cの情報収集手段によって収集された建設機械情報の中から同一種類の情報たとえばブローバイ圧のトレンドデータが選択され、この同一種類の情報が示す値を、複数の建設機械31a、31b、31c相互間で対比し、この結果、特異な値を示す建設機械31aを、異常であると判断する。たとえば図35(a)に示すように、建設機械31aのトレンドデータは、サービスメータ値SMR1以後で急上昇する。しかし、他の建設機械31b、31cのトレンドデータをみると、「サービスメータ値SMR1以後の急上昇」は、ダンプトラック31aと同じ傾向を示す。そこで、建設機械31aの異常は、作業現場の環境の変化によるものであり、建設機械31a固有の異常である可能性が低いと判定して、最終的にランク4の異常は発生していないと判断し、ランク付けを「4(緊急Emergency)」から「3(異常Abnormal)」に変更する。
【0099】
逆に、図35(b)のように、一台の建設機械31aについてのトレンドデータのみが、サービスメータ値SMR1以後で急上昇する傾向を示しており、他の建設機械31b、31cは急上昇する傾向を示していない場合には、建設機械31aの異常は、建設機械31a固有の異常である可能性が高いと判定して、最終的にランク4の異常が発生しているものと判断し、サーバ装置11で行われたランク付け「4(緊急Emergency)」を維持する。
【0100】
以上のように第14発明によれば、同一の環境で稼動する複数の建設機械から収集される情報を対比することにより、それが環境の原因によるものか、建設機械の真の異常によるものかを正確に判断できるようになる。
【0101】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る建設機械の管理装置について説明する。なお実施形態では、建設機械として油圧ショベル、ブルドーザ、ダンプトラック、ホイールローダ、クレーン、グレーダ、破砕処理機械などを想定している。
【0102】
図1は実施形態の建設機械を管理する管理装置(管理システム)を示している。本実施形態では建設機械のメーカ10で生産される多数の建設機械として、31、32を代表させて示している。
【0103】
まず図1の管理システムの構成、通信形態について説明する。
【0104】
図1に示すように建設機械31、32の図示しない通信端末と、複数の端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65と、サーバ装置11は相互に通信衛星5、インターネット7、イントラネット13などの通信装置によって相互に通信可能に接続されている。なおインターネットとは、複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)をゲートウエイ、ブリッジにより相互に通信自在に接続した世界的通信網のことである。インターネットは電子メール(インターネットを介して送受信する「手紙」)、WWW(ワールドワイドウエブ;インターネット上の情報検索システム)などのサービスを提供している。イントラネットとはインターネットの技術に基づき構築された企業内通信網のことである。
【0105】
サーバ装置11は、本実施形態の管理システムで行われるサービス(以下管理情報提供サービス)を提供する建設機械のメーカ本社10に設けられている。
【0106】
サーバ装置11はデータベース12を備えている。後述するようにデータベース12は建設機械31、32を管理するための後述する建設機械情報D1、D2、D3、本実施形態の管理情報提供サービスを提供するためのプログラムを記憶している。
【0107】
メーカ本社10内には各端末装置14、15、16が設けられている。
【0108】
端末装置14はメーカ10の経営部門に設けられている。端末装置15はメーカ10の工場に設けられている。工場では建設機械31、32が生産される。端末装置16はメーカ10の営業部門に設けられている。
【0109】
これらサーバ装置11と端末装置14、15、16とは相互に送受信可能にイントラネット13により接続されている。
【0110】
サーバ装置11と各端末装置18、19、51、52、53、61、63、65とは相互に送受信可能にインターネット7により接続されている。
【0111】
建設機械31、32の通信端末とサーバ装置11は通信衛星5を介して双方向に送受信可能に接続されている。通信は無線の通信回線6によって行われる。
【0112】
サーバ装置11はインターネット7、は通信衛星5、イントラネット13との間のデータの入出力を管理するとともに、データベース12の記憶データD1、D2、D3に基づいて、建設機械31、32を構成する各コンポーネントの健康状態(損傷状態)を監視したりメンテナンス(点検)したり改修(修理)したりするのに適切な管理情報に加工する。なお建設機械はエンジン、トランスミッション、油圧ポンプ等の各コンポーネントから構成されている。
【0113】
端末装置18は、建設機械31、32に使用されるオイル131a(エンジンオイル、トランスミッションオイル、トルクコンバータオイル、デフオイル、ブレーキオイル、作業機の作動油等)を分析するオイル分析センタ17に設けられている。
【0114】
端末装置19は携行可能なパーソナルコンピュータ等の携帯用端末装置であり、建設機械31、32を点検、修理するサービスマンによって携行される。
【0115】
端末装置51、52、53は建設機械31、32を販売し点検、修理等のサービスを行う代理店50に設けられている。端末装置51は代理店50のサービス部門に設けられている。端末装置52は代理店50の営業部門に設けられている。端末装置53は代理店50の経営部門に設けられている。
【0116】
代理店50′は代理店50と同様な代理店、海外現地法人等である。代理店50と同様に建設機械を販売し修理等のサービスを行う代理店、現地法人が海外、国内を問わずに多数存在するものとする。ただし代理店50′が管轄する建設機械は建設機械31、32とは異なるものとする。
【0117】
端末装置61は建設機械31、32をレンタルまたはリース(貸与)するリース/レンタル会社60に設けられている。本実施形態ではリース/レンタル会社60が建設機械31、32の所有者であると仮定する。
【0118】
端末装置63は建設機械31、32を用いて工事を行わせる工事施工会社62に設けられている。本実施形態では工事施工会社62は建設機械31、32を直接使用しないが建設機械31、32によって行われる工事の責任者であると仮定する。
【0119】
端末装置65は建設機械31、32を用いて実際に工事を行う現場事務所64に設けられている。本実施形態では現場事務所64が建設機械31、32の使用者であると仮定する。
【0120】
サーバ装置11と各端末装置18、19、51、52、53、61、63、65とは相互に送受信可能にインターネット7により接続されている。
【0121】
本実施形態ではメーカ10の各端末装置14、15、16側の経営者、工場責任者、営業マン、代理店50の各端末装置51、52、53側のサービスマン、営業マン、経営者、リース会社60の端末装置61側の社員、工事施工会社62の端末装置63側の工事責任者(工事施工者)、現場事務所64の端末装置65側の現場監督、オペレータが、サーバ装置11で提供される管理情報提供サービスを受けるものとする。各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65にはそれぞれサーバ装置11から提供される管理情報を表示する表示装置が設けられている。
【0122】
またリース会社60の端末装置61側の社員、工事施工会社62の端末装置63側の工事責任者(工事施工者)、現場事務所64の端末装置65側の現場監督、オペレータは、代理店50にとってその管轄下にある顧客(カスタマ)であるものとする。
【0123】
つぎに図1の管理システムにおける情報の流れについて説明する。
【0124】
建設機械31、32に関する情報は、大きくはオンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3とからなる。
【0125】
オンボード情報D1とは建設機械31、32に取り付けられた各種センサ41の検出値に基づき収集される情報のことである。オンボード情報D1は、センサ41の検出値の時系列なデータであるトレンドデータ、センサ検出値が異常値に達したときに生成されるエラーコード、複数種類のセンサ検出値に基づき得られる頻度マップデータ等を含む。
【0126】
センサ群41としては、サービスメータの計時値SMR(エンジン稼動時間)を検出すサービスメータ、エンジンの回転数Neを検出するセンサ、ブローバイ圧を検出するセンサ、排気温度を検出するセンサ、エンジン、作業機の作動油、トランスミッション等の油温を検出するセンサ、エンジン油圧、油圧ポンプ吐出圧を検出するセンサ、ダンプトラックの場合にはトランスミッションの油圧クラッチを係合させるに要する時間であるフィル時間を検出するセンサ、ダンプトラックの積載量を計測するペイロードメータなどである。なおフィル時間とは油圧クラッチを係合するのに必要な圧油を油圧クラッチに供給し始めてから供給し終えるまでの時間のことである。
【0127】
これに対してオイル分析情報D2、点検情報D3は建設機械31、32内に既設のセンサ41からは得られないオフボード情報のことである。
【0128】
オイル分析情報D2は建設機械31、32から取り出された分析対象物であるオイル131aを分析することにより収集される情報のことである。オイル分析情報D2はオイル131aを建設機械31、32から取り出してこれをオイル分析センタ17に送り、専用の分析装置を用いて解析しなければ収集することができない。
【0129】
また点検情報D3は建設機械31、32に専用の計測機器を取り付けて計測値を目視で判断することにより、あるいは建設機械31、32の各部を直接目視で判断することにより収集されるデータのことである。点検情報D3はサービスマンが建設機械31、32が存在する工事現場などに出向き目視で判断しなければ収集することができない。点検情報D3とは、たとえばタイヤなどの消耗部品の摩耗、破損状態、ホース等の管路のひび割れ、破損状態、作業機が作動する速度、エンジンなどの各コンポーネントが発生する音、エンジンの排気状態などである。
【0130】
建設機械31、32内のコントローラ40ではセンサ群40の検出値に基づきオンボード情報D1が収集され、記憶される。すなわち建設機械31、32の車体内には主コントローラ40と他のコントローラとがシリアル通信が可能となるように信号線によってデジーチェーン状に接続されており、車体内ネットワークを構成している。車体内のコントローラ間の信号線を介して所定のプロトコルのフレーム信号が伝送される。フレーム信号が各コントローラ間に伝送されるとフレーム信号に記述されたデータに従い各コントローラに接続されたアクチュエータ(油圧ポンプ、ガバナ、制御弁など)に駆動信号が出力されこれらアクチュエータが駆動制御されるとともに、各コントローラに接続されたセンサ群41で検出された検出データあるいは機器内部の情報を示すデータが取得されフレーム信号に記述される。こうしてコントローラ40にはフレーム信号を介してセンサ群41の検出値のデータが取り込まれる。センサの検出値が異常値に達した場合にはエラーコードが生成される。たとえばブローバイ圧が所定値のしきい値以上になった場合には「ブローバイ圧が異常に高い」ことを示すエラーコードが生成される。
【0131】
建設機械31、32の通信端末とサーバ装置11との間では通信衛星5を介して無線の通信回線6によって相互に送受信がなされる。これによって建設機械31、32内で取得されたオンボード情報D1は無線通信回線6、通信衛星5を介してサーバ装置11に定期的に自動送信される。たとえばサービスメータの計時値SMRの間隔で20時間毎に自動送信される。また建設機械31、32に内蔵された時計で1日計時する毎に自動送信される。また後述するようにサーバ装置11からの要求に応じて建設機械31、32内で取得されたオンボード情報D1を無線にて返信することができる。また建設機械31、32内のオンボード情報D1を携帯用端末装置19にダウンロードしてインターネット1を介してサーバ装置11に送信してもよい。
【0132】
また建設機械31、32からオイル131aが取り出され、これがオイル分析センタ17に送られる。オイル分析センタ17では専用の分析装置を用いてオイル131aを解析してオイル分析情報D2を作成する。オイル分析情報D2は端末装置18から入力されインターネット1を介してサーバ装置11に送信される。オイル分析情報D2は建設機械31、32の定期的なオイル交換時期毎にサービスマンが建設機械31、32まで出向くことによって収集することができる。
【0133】
また建設機械31、32に専用の計測機器が取り付けられ計測値を目視で判断することにより、あるいは建設機械31、32の各部を直接目視で判断することにより点検情報D3が収集される。点検情報D3はサービスマンが携行する携帯用端末装置19に入力され、インターネット1を介してサーバ装置11に送信される。点検情報D3は建設機械31、32の定期的な点検時毎にサービスマンが建設機械31、32まで出向くことによって収集することができる。
【0134】
サーバ装置11では後述するようにオンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3に基づいてデータが加工され、管理情報が作成される。
【0135】
サーバ装置11で作成される管理情報の代表的なものは以下のとおりである。
【0136】
・建設機械31、32の異常度合いを4段階のランク1(正常Normal)、ランク2(警告Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)に分類した「異常情報」。
【0137】
異常情報はランク1からランク2、3、4へと高くなるにつれて修理等を行う緊急度が高くなることを意味する。異常情報はオンボード情報D1の各項目つまりブローバイ圧、排気温度…毎に作成される。またオイル分析情報D2の各項目つまりエンジンオイル中の鉄Feの含有量、トランスミッションオイルの粘度…毎に作成される。また点検情報D3の各項目つまりタイヤ摩耗、作業機の速度…毎に作成される。また個別の建設機械31、32毎に総合的な異常度合いが同様に4段階のランクで作成される。このランク付けされた異常情報はサーバ装置11で定期的に作成される。たとえば建設機械31、32からオンボード情報D1が送信されてくる毎に作成される。
【0138】
異常情報は電子メールとしてサーバ装置11から各端末装置に送信される。
【0139】
・建設機械31、32の健康状態(損傷状態)の「定期的なレポート」。
【0140】
これは個別の建設機械31、32毎に、オンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3を要約した内容の情報であり上記ランク付けされた異常情報を含む。
【0141】
サーバ装置11のデータベース12には各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65の表示画面上で、オンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3を加工した管理情報を検索する等の処理を行うためのWebページ(先頭ページに続くリンクされた一連のページで構築されているリンク構造のデータであり、インターネット7、イントラネット13における情報画面の意味で使用する)が格納されている。
【0142】
サーバ装置11は各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65からの要求に応じてデータベース12に記憶された内容をこれら端末装置に提供するとともに、あるいは所定の端末装置から入力されたデータに応じてデータベース12の記憶内容を書き換える。すなわち各端末装置からデータベース12の記憶データをアクセスすることにより、端末装置の表示画面上でWebページを表示させ管理情報提供サービスを受けることができる。
【0143】
各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65はサーバ装置11のデータベース12に記憶された定期レポートを異常情報のランクにかかわらずにアクセスすることができる。ただし最初にサーバ装置11から電子メールによって送信されてくる定期レポート毎に付与された異常情報に関しては、特定の端末装置には特定のランクの異常情報しか送信されない。
【0144】
たとえばメーカ10の経営部門側端末装置14、営業部門端末16にはランク4の異常情報が電子メールとして送信される。
【0145】
またメーカ10の工場側端末装置15にはランク3、ランク4の異常情報が電子メールとして送信される。メーカ10の各端末装置14、15、16では自社で生産した全ての建設機械31、32、…に関する異常情報が電子メールとして送信される。
【0146】
また代理店50のサービス部門側端末装置51にはランク1からランク4までの異常情報が電子メールとして送信される。
【0147】
また代理店50の営業部門側端末装置52にはランク3、ランク4の異常情報が電子メールとして送信される。
【0148】
また代理店50の経営部門側端末装置53にはランク4の異常情報が電子メールとして送信される。代理店50の各端末装置51、52、53には同代理店50が販売等した管轄下の車両31、32に関する異常情報が電子メールとして送信される。
【0149】
またリース会社60の端末装置61にはランク2、3、4の異常情報が電子メールとして送信される。
【0150】
また工事施工会社62の端末装置63にはランク3、ランク4の異常情報が電子メールとして送信される。
【0151】
また現場事務所64の端末装置65にはランク2、3、4の異常情報が電子メールとして送信される。カスタマの各端末装置61、63、65には自己が所有等する管轄下の車両31に関する異常情報が電子メールとして送信される。
【0152】
なお定期レポートについても電子メールで送信される異常情報と同様に特定の端末装置に対しては特定のランクの定期レポートしかアクセスできないように制限を加えてもよい。これは端末装置側において特定のID番号、特定の暗証番号の入力操作、ユーザ認証キーの使用を条件とすることで実現することができる。つまり特定の端末装置はその端末装置の表示画面上ではWebページのうち特定のページ、特定の情報のみしか表示させることができないようにする。
【0153】
つぎにサーバ装置11で行われるデータの加工処理について説明する。
【0154】
図2はオンボード情報D1を異常情報に加工する処理を説明する図である。
【0155】
以下オンボード情報D1のうちセンサ検出値の時系列データのことをトレンドデータをいう。
【0156】
図2(d)はオンボード情報D1のうちセンサ検出値の代表的な項目と、異常度合いのランク1、2、3、4を設定するためのしきい値W、A、Eとの関係を示している。図2は(a)、(b)、(c)はそれぞれ横軸にサービスメータ計時値SMR(H)をとり、縦軸にセンサ検出値をとったトレンドデータのグラフである。
【0157】
図2(a)はセンサ検出値の絶対値を各しきい値W、A、Eで段階的に区分した場合を示している。センサ検出値の絶対値がしきい値W以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、センサ検出値の絶対値がしきい値A以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、センサ検出値の絶対値がしきい値E以上である場合には異常度合いがランク4であると判断する。たとえば図2(d)に示すようにエンジン油温が102deg.C以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、エンジン油温が105deg.C以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、エンジン油温が108deg.C以上である場合には異常度合いがランク4であると判断する。以下図2(a)による異常度合いの判断方法を「トレンドデータの絶対値による判断方法」と称することにする。
【0158】
図2(b)は単位時間前後でのセンサ検出値の差分(トレンドデータの傾き)をしきい値W、A、Eで段階的に区分した場合を示している。単位時間前後でのセンサ検出値の差分がしきい値W以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、単位時間前後でのセンサ検出値の差分がしきい値A以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、単位時間前後でのセンサ検出値の差分がしきい値E以上である場合には異常度合いがランク4であると判断する。たとえば図2(d)に示すように単位時間100H前後でのブローバイ圧の差分が150mmAq以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、単位時間100H前後でのブローバイ圧の差分が300mmAq以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、単位時間100H前後でのブローバイ圧の差分が500mmAq以上ある場合には異常度合いがランク4であると判断する。
【0159】
なお最新に得られたセンサ検出値がセンサ検出値を取得し始めてから単位時間100Hを経過していない場合には、最古のセンサ検出値と最新のセンサ検出値の差分をとって異常度合いが判断される。以下図2(b)による異常度合いの判断方法を「トレンドデータの傾きによる判断方法」と称することにする。
【0160】
図2(c)は初期値に対するセンサ検出値の増分をしきい値W、A、Eで段階的に区分した場合を示している。初期値に対するセンサ検出値の増分がしきい値W以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、初期値に対するセンサ検出値の増分がしきい値A以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、初期値に対するセンサ検出値の増分がしきい値E以上である場合には異常度合いがランク4であると判断する。たとえば図2(d)に示すようにサービスメータ計時値が1000Hまでのセンサ検出値の平均値を初期値とし、この初期値に対する排気温度の増分が50deg.C以上である場合には異常度合いがランク2であると判断し、同初期値に対する排気温度の増分が100deg.C以上である場合には異常度合いがランク3であると判断し、同初期値に対する排気温度の増分が150deg.C以上ある場合には異常度合いがランク4であると判断する。以下図2(c)による異常度合いの判断方法を「トレンドデータの初期値からの増分による判断方法」と称することにする。
【0161】
つぎに図3を参照してエラーコードから異常度合いを判断する方法について説明する。
【0162】
図3はオンボード情報D1のうちエラーコードの代表的な項目と、異常度合いのランク1、2、3、4を設定するためのしきい値との関係を示している。
【0163】
同図3に示すように単位時間あたりのエラーコードの発生頻度が第1のしきい値以上で第2のしきい値よりも少ないときには異常度合いがランク1であると判断し、単位時間あたりのエラーコードの発生頻度が第2のしきい値以上で第3のしきい値よりも少ないときには異常度合いがランク2であると判断し、単位時間あたりのエラーコードの発生頻度が第3のしきい値以上で第4のしきい値よりも少ないときには異常度合いがランク3であると判断し、単位時間あたりのエラーコードの発生頻度が第4のしきい値以上であるときには異常度合いがランク4であると判断する。
【0164】
たとえばエンジン回転数Neが1.0秒以上継続して2700rpm±40rpmになっているときには、「オーバーラン」を示すエラーコードが生成される。そして単位時間100Hの間にオーバーランを示すエラーコードの発生カウント数が1回〜4回のときには異常度合いがランク1であると判断し、同単位時間の間に同エラーコードの発生カウント数が5回〜14回のときには異常度合いがランク2であると判断し、同単位時間の間に同エラーコードの発生カウント数が15回〜19回のときには異常度合いがランク3であると判断し、同単位時間の間に同エラーコードの発生カウント数が20回以上のときには異常度合いがランク4であると判断する。なお最新に得られたエラーコードがエラーコードを取得し始めてから単位時間100Hを経過していない場合には、最古にエラーコードを取得したときからのカウント数によって異常度合いが判断される。
【0165】
なおエラーコードが全く生成されていない場合にはエラーコードに基づく異常度合いの判断はなされない。
【0166】
上述した各しきい値、初期値、単位時間等は、建設機械31、32の機種、型式、機番(号機)毎に、またコンポーネントの種類、形式毎に異ならせて設定することができる。また各ランク毎に異常度合いを示す「説明」を対応づけてもよい。
【0167】
図10はトレンドデータのしきい値、初期値、単位時間の設定例を示している。同図10に示すように、たとえば「機種」に「D785」が、「型式」に「5」が、「エンジン形式」に「SA12V140」が、「コンポーネント」に「エンジン」が、「項目」に「ブローバイ圧」が、「判断方法」に「トレンドデータの絶対値による判断方法」が、「ランク1のしきい値」に「700」が、「ランク1の説明」に「正常です」が、「ランク2のしきい値」に「800」が、「ランク2の説明」に「少し高い」が、「ランク3のしきい値」に「900」が、「ランク3の説明」に「かなり高い」が、「ランク4の説明」に「非常に高い」がそれぞれ対応づけられている。
【0168】
図11はエラーコードのしきい値、単位時間の設定例を示している。同図10に示すように、たとえば「機種」に「D785」が、「型式」に「5」が、「エンジン形式」に「SA12V140」が、「コンポーネント」に「エンジン」が、「エラーコード」に「E00001」が、「単位時間」に「100」が、「ランク1のしきい値」に「5回」が、「ランク1の説明」に「正常です」が、「ランク2のしきい値」に「10回」が、「ランク2の説明」に「少し多い」が、「ランク3のしきい値」に「20回」が、「ランク3の説明」に「かなり多い」が、「ランク4の説明」に「非常に多い」がそれぞれ対応づけられている。
【0169】
図4は図2(a)のように設定されたしきい値によって、異常度合いが判断される実例を示している。図4に示すようにセンサ検出値v1がランク2を示すしきい値以上になった場合には異常度合いがランク3であると判断される。
【0170】
図5は図2(c)のように設定されたしきい値によって、異常度合いが判断される実例を示している。図5に示すように初期値に対するセンサ検出値の増分v2がランク2を示すしきい値以上になった場合には異常度合いがランク3であると判断される。
【0171】
図6は図2(b)のように設定されたしきい値によって、異常度合いが判断される実例を示している。図6に示すように横軸をxとし縦軸をyとする。そして単位時間H2におけるトレンドデータを示す1次関数y=a2+b2が2次回帰により求められる。またつぎの単位時間H1におけるトレンドデータを示す1次関数y=a1+b1が2次回帰により求められる。そしてこれら1次関数の傾きの差a1−a2がしきい値と比較されて異常度合いが判断される。たとえばランク1を判断するしきい値は1.0に設定され、ランク2を判断するしきい値は1.5に設定され、ランク3を判断するしきい値は2.0に設定され、ランク4を判断するしきい値は3.0に設定される。また単位時間H1は100Hに設定され、単位時間H2は200Hに設定される。たとえば傾きの差a1−a2が、ランク2を示すしきい値1.5以上になった場合には異常度合いがランク2であると判断される。
【0172】
図12(b)はブローバイ圧のトレンドデータを示すグラフであり、図12(a)は図12(b)のトレンドデータの傾きの差a1−a2を計算して得られたグラフである。たとえば破線で示すように図12(b)で傾きの差が大きくなった時点で図12(a)の値はランク3のレベルに入る。
【0173】
図7はトレンドデータの判断結果の出力例(表示例)を示している。
【0174】
同図7に示すようにたとえば「コンポーネント」に「エンジン」が、「項目」に「ブローバイ圧」が、「判断時点のサービスメータ計時値SMR」に「10180」が、「判断時点の日付Date」に「2000年5月30日」が、「現時点でのセンサ検出値」に「820」が、「判断方法」に「トレンドデータの絶対値による判断方法」が、「ランク」に「3」が、「ランクの説明」に「ブローバイ値がかなり高いです。」がそれぞれ対応づけられている。
【0175】
図8はエラーコードの判断結果の出力例(表示例)を示している。
【0176】
同図8に示すようにたとえば「コンポーネント」に「エンジン」が、「エラーコード」に「E0001」が、「単位時間当たりのカウント数」に「20」が、「ランク」に「4」が、「ランクの説明」に「最近100Hで非常に多発しています。」がそれぞれ対応づけられている。
【0177】
上述した「ランクの説明」は建設機械31、32の実際の走行状態と対応づけて記述することができる。
【0178】
図9はダンプトラックのトランスミッションの油圧クラッチのフィル時間のトレンドデータの実例を示している。フィル時間が204で示す低い値を示している場合には通常の走行状態であり、これに対応して「正常である」という「ランクの説明」が対応づけられる。しかしフィル時間がしきい値203を超えた場合にはクラッチが摩耗が進みクラッチすべりが発生してダンプトラックが走行不能になるおそれがある。そこでこの場合には「非常に高い(長い)」という「ランクの説明」が対応づけられる。こうした「ランクの説明」の情報からサービスマン等の管理者は建設機械31、32の状態を、容易に把握することができる。
【0179】
上述したランク付けは頻度マップデータに対しても行うことができる。ここで頻度マップデータについて説明する。
【0180】
図21はエンジンの負荷頻度マップデータMDAを示している。
【0181】
同図21に示すようにエンジン回転数NeとトルクTをそれぞれ座標軸とする2次元平面は複数のブロックBijに分割される。そしてエンジン回転数Ne、トルクTのセンサ検出値に基づき単位時間当たりに各ブロックBijに入った頻度(回数)hijが積算される。各ブロックBijにはそれぞれ、そのブロックにおける負荷の大きさに応じた重みγijが設定されている。たとえばエンジンのトルクカーブ上の定格点に対応するブロックでは最大の重みが設定されている。そこで、負荷頻度マップデータMDAに基づきエンジン被害量(過酷度)δが下記(1)式から求められる。
【0182】
δ=Σhij・γij …(1)
上記(1)式は負荷の大きいエンジン回転数、トルク値でエンジンが稼動されている時間が長いほどエンジンが受ける被害量(過酷度)が大きくなることを意味する。
【0183】
そこで前述した図2(a)と同様にエンジン被害量δに対して各しきい値が設定され実際のエンジン被害量δとしきい値を比較することにより、ランク1、ランク2、ランク3、ランク4というエンジン被害量の異常度合いが求められる。
【0184】
同様に図20(a)はダンプトラックのトランスミッションの変速頻度マップデータMDAを示している。
【0185】
同図20(a)に示すようにトランスミッションの変速前の速度段と変速後の速度段をそれぞれ座標軸とする2次元平面は複数のブロックに分割される。ここで速度段はR(後進)、N(中立)、F1(1速)、F2(2速)、F3(3速)、F4(4速)、F5(5速)、F6(6速)、F7(7速)からなる。そしてトランスミッションの各軸の回転数のセンサ検出値に基づき変速前の速度段と変速後の速度段が演算され、この演算結果から単位時間当たりに各ブロックに入った頻度(回数)hijが積算される。各ブロックにはそれぞれ、そのブロックにおける負荷の大きさに応じた重みγijが設定されている。そこで負荷頻度マップデータMDAに基づきトランスミッション被害量(過酷度)δが上記(1)式と同様に求められる。
【0186】
そこで前述した図2(a)と同様にトランスミッション被害量δに対して各しきい値が設定され実際のトランスミッション被害量δとしきい値を比較することにより、ランク1、ランク2、ランク3、ランク4というトランスミッション被害量の異常度合いが求められる。
【0187】
上述した頻度マップデータMDAは建設機械31、32のコントローラ40で演算することができる。頻度マップデータMDAは建設機械31、32から通信衛星5を介して、あるいは携帯用端末装置19でダウンロードされてインターネット7を介してサーバ装置11に送信される。そしてサーバ装置11では被害量δが演算され、被害量δの異常度合いが演算される。ただしこれは一例であり、建設機械31、32側からセンサ検出値をサーバ装置11に送信して、サーバ装置11側でセンサ検出値に基づき頻度マップデータMDAを演算するように構成してもよい。なお建設機械31、32側で頻度マップデータMDAを演算してからサーバ装置11側に送信する場合の方が、通信量、サーバ装置11側のメモリ容量を減らすことができる。
【0188】
また異常度合いのランク付けのしきい値は、予め設定された「使われ方」を基準としてもよい。
【0189】
一般に建設機械は、作業現場における個々の使われ方を調査した上で販売される。使われ方とは、燃料消費率、サイクル負荷変動量、車両の積載量、最高速度、トランスミッションのクラッチ係合回数などである。このような調査を行うのは調査の結果に応じた適正な仕様、適正なフリート数の建設機械をカスタマに提供するためである。しかし建設機械は、販売時に調査したのとは異なる過酷な使われ方をされることが多い。このため販売時に調査したのに比較して過酷な使われ方をした場合にはオーバーホール時期などが当初の予定時期よりも早まり建設機械の寿命が短くなる。
【0190】
そこで使われ方が過酷である場合には、適正に使うようにカスタマに進言できるシステムの構築が望まれている。このような進言がカスタマになされることにより建設機械のオーバーホール時期を延ばすことができる等の効果が得られる。つぎにこのような要求に応えることができる実施形態について述べる。
【0191】
図18はダンプトラックの使われ方の調査シートを示している。同図に示すように調査シートには作業現場(広域鉱山など)における走行コースの各区間毎の勾配、距離、カーブ半径、走行時間、車速、エンジン回転数、トランスミッションの変速前後の速度段、リターダブレーキ使用の区間、フットブレーキ使用の有無、路面の評価が記述される。またダンプトラックの車体総重量をW、区間距離をL、勾配をαとして、下記(2)式から区間ごとの負荷Kが計算される。
【0192】
K=W・L・α …(2)
そして走行コースの負荷率Lfがダンプトラックの定格出力をPW、サイクルタイムをtとして下記(3)式から計算される。
【0193】
Lf=(60×100)/(75×PW×3600)×ΣK …(3)
演算結果は個別の建設機械31、32毎に負荷率の予測値としてデータベース12に格納される。
【0194】
そこでこの調査時の予測負荷率Lfを基準としてランク1、2、3、4が定められる。
【0195】
ダンプトラックの実際の負荷率は、燃料消費量、トルクをセンサ41で検出することによって得られる。実際の負荷率は建設機械31、32側からサーバ装置11側に送信され、データベース12に記憶されている予測負荷率と比較される。たとえば実際の負荷率と予測負荷率との差分がとられ、これがしきい値と比較される。両者の差分値が大きくなる程ランク1、ランク2、ランク3、ランク4へと異常度合いが変化する。たとえばランク2以上になったときに、適正に使うよう警告する内容をカスタマに電子メールにて送信することができる。
【0196】
図19は実際に測定された負荷率と標準的な使われ方を示すモニタ負荷率とを時間経過に応じて示すグラフである。モニタ負荷率202に対して測定負荷率201がかけ離れた時点でカスタマに警告を電子メールで送信してもよい。
【0197】
また負荷率以外にも燃料消費率、サイクル負荷変動量、積載量、最高速度、トランスミッションのクラッチ係合回数などを予測値として予め調査し、この予測値を基準としてランク1、2、3、4を定めてもよい。
【0198】
ここで燃料消費率はエンジンのオーバーホール時期と相関する関係にある。たとえば燃料消費率の予測値が70L/Hである場合にオーバーホール時間を16000Hに設定していたものとする。しかし実際の燃料消費率が90L/Hになった場合にはオーバーホール時間は14000Hに短縮される。そこで実際の消費率が予測値に比較して大きくなりそれに応じてオーバーホール時期が短縮された場合にはその旨の警告を電子メールにてカスタマに送信してもよい。
【0199】
図22はサイクル負荷変動量を示す。
【0200】
同図22に示す2次元平面は図21に示すエンジン回転数NeとトルクTをそれぞれ座標軸とする2次元平面に対応している。ダンプトラックは図22に示すように待機→運搬→ダンプ→移動を1サイクルタイムとして繰り返し稼動する。図22の破線で示す面積部分が大きいほど対応するブロックに入った頻度が大きいことを意味する。すなわち図22(b)は運搬やダンプしている時間が待機している時間に比べて少なく負荷は小さい。しかし図22(a)は待機している時間と運搬やダンプしている時間とがそれぞれほぼ同等であり負荷が大きい。そこで図22(b)に示す予測値に対して図22(a)に示す実測値が得られた場合には、負荷が大きくなっていることを示す警告をカスタマに電子メールにて送信してもよい。
【0201】
また図22に示すようにトランスミッションのクラッチ係合回数の実際の頻度(図22(a))と、予測頻度(図22(a))とを比較して警告をカスタマに電子メールにて送信してもよい。
【0202】
以上のようにしてオンボード情報D1がサーバ装置11で加工される。
【0203】
つぎにオイル分析情報D2のデータの加工処理内容について説明する。
【0204】
オイルはエンジンオイルを例にとると、その分析内容は、含有する不純物である金属成分(鉄Fe、シリコンSiなど)と、オイル性能劣化度合い(粘度、酸化度など)とに大別される。そこでオイル分析情報D2についてもオンボード情報D1と同様に各項目つまり鉄Feの含有量、シリコンSiの含有量、粘度、酸化度…毎に、異常度合いがランク1、ランク2、ランク3、ランク4の4段階に、図2(a)、(b)、(c)と同様な判断方法にてランク付けされる。ランク付けはオイル分析センタ17で行ってから端末装置18、インターネット7を介してサーバ装置11に送信してもよい。またオイル分析センタ17の分析結果をランク付けしないまま端末装置18、インターネット7を介してサーバ装置11に送信し、サーバ装置11でランク付けを行うようにしてもよい。
【0205】
つぎに点検情報D3のデータの加工処理内容について説明する。
【0206】
点検情報D3の各項目はタイヤなどの消耗部品の摩耗、破損状態、ホース等の管路のひび割れ、破損状態、作業機が作動する速度、エンジンなどの各コンポーネントが発生する音、エンジンの排気状態…などである。そこで点検情報D3についてもオンボード情報D1と同様に各項目毎に、異常度合いがランク1、ランク2、ランク3、ランク4の4段階に、図2(a)、(b)、(c)と同様な判断方法にてランク付けされる。ランク付けは携帯用端末装置19で行い、その結果のデータをインターネット7を介してサーバ装置11に送信してもよい。また端末装置19にランク付けしないデータを入力してインターネット7を介してサーバ装置11に送信し、サーバ装置11でランク付けを行うようにしてもよい。
【0207】
サーバ装置11ではオンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3の3つの組み合わせあるいはいずれか2つの組み合わせに基づいて異常度合いを判断する処理が行われる。この処理内容について図12〜図17を併せ参照して説明する。オンボード情報D1(エンジンに関するセンサ検出値)とオイル分析情報D2(エンジンオイルに関する分析結果)からエンジンの異常度合いを判断する場合を例にとり説明する。
【0208】
図13はエンジン不具合のメカニズムを示している。図13はエンジン不具合の原因と現象と結果の関係を示している。エンジンの不具合は単に1つの項目(たとえばブローバイ圧上昇)のみで生じるものではなく多数の項目が複合して発生することが多い。
【0209】
すなわちオフセットクロスヘッドの横方向の揺れという原因2001によってバルブガイド摩耗という結果3001とシール性劣化という結果3002とバルブ、ピストン破損という結果3004とメタル焼き付きという結果3005が生じる。また吸気配管破損という原因2002によってダスト混入という結果3003と、メタル焼き付きという結果3005が生じる。
【0210】
またバルブガイド摩耗という結果3001は鉄Feがオイル中に増加しているという現象1003、ブローバイ圧増加という現象1001に関連している。またシール性劣化という結果3002は排気温度上昇という現象1002に関連している。またバルブ、ピストン破損という結果3004は鉄Feがオイル中に増加しているという現象1003、ブローバイ圧増加という現象1001、排気温度上昇という現象1002に関連している。またダスト混入という結果3003はシリコンSiがオイル中に増加という現象1004に関連している。またメタル焼き付きという結果3005は鉄Feがオイル中に増加という現象1003、ブローバイ圧増加という現象1001、排気温度上昇という現象1002、シリコンSiがオイル中に増加しているという現象1004に関連している。
【0211】
図13に示す関係は図14のように表される。同図14はオンボード情報D1のうちブローバイ圧、排気温度という項目と、オイル分析情報D2のうちエンジンオイル中の鉄Fe含有量、シリコンSi含有量という項目の検出結果に基づいてエンジン不具合の度合いを判別する表を示している。
【0212】
同図14に示すようにバルブガイド摩耗という結果3001、ダスト混入という結果3003はそれぞれランク1に設定される。またシール性劣化という結果3002はランク2に設定される。またバルブ、ピストン破損という結果3004はランク3に設定される。またメタル焼き付きという結果3005はランク4に設定される。
【0213】
したがってオンボード情報D1からブローバイ圧増加というランク1またはランク2の異常度合いが得られかつオイル分析情報D2から鉄Feがオイル中に増加しているというランク1またはランク2の異常度合いが得られているならば、バルブガイド摩耗というランク1またはランク2のエンジンの不具合が発生していると判定される。またオンボード情報D1から排気温度上昇というランク2の異常度合いが得られているならば、シール性劣化というランク2の不具合が発生していると判定される。またオイル分析情報D2からシリコンSiがオイル中に増加しているというランク1またはランク2またはランク3の異常度合いが得られているならば、ダスト混入というランク1またはランク2またはランク3のエンジンの不具合が発生していると判定される。またオンボード情報D1からブローバイ圧が上昇しているというランク3の異常度合い、排気温度が上昇しているというランク3の異常度合いが得られ、かつオイル分析情報D2から鉄Feがオイル中増加というランク3の異常度合いが得られているならば、バルブ、ピストン破損というランク3のエンジンの不具合が発生していると判定される。またオンボード情報D1からブローバイ圧が上昇しているというランク4の異常度合い、排気温度が上昇というランク4の異常度合いが得られ、かつオイル分析情報D2から鉄Feがオイル中に増加しているというランク4の異常度合い、シリコンSiがオイル中に増加というランク4の異常度合いが得られているならば、メタル焼き付きというランク4のエンジンの不具合が発生していると判定される。
【0214】
図16はブローバイ圧、排気温度のトレンドデータを示している。排気温度は左右の排気管の温度を検出する場合を示している。同図に○印で示すようにブローバイ圧がたとえばランク3のしきい値を超えるとランク4に入ったという警告を示す電子メールがサーバ装置11から端末装置側に送信される。
【0215】
図17はオイル中の鉄Feの含有量、シリコンSiの含有量のトレンドデータを示している。同図に○印で示すようにFe含有量がたとえばランク3のしきい値を超えるとランク4に入ったという警告を示す電子メールがサーバ装置11から端末装置側に送信され、●印で示すようにSi含有量がたとえばランク3のしきい値を超えるとランク3に入ったという警告を示す電子メールがサーバ装置11から端末装置側に送信される。
【0216】
「トレンドデータの絶対値による判断方法」で異常度合いを判断する場合を例にとる。
【0217】
たとえば図16、図17においてサービスメータ計時値が9000Hのときにはブローバイ圧、鉄Feの含有量の含有量はそれぞれランク3の異常度合いを示しているが排気温度はランク3の異常度合いを示していない。したがってエンジンの不具合はランク3の「バルブ、ピストン破損」という不具合には至らずランク2の「バルブガイド摩耗」という不具合にとどまると判定される。
【0218】
「トレンドデータの絶対値による判断方法」以外に「トレンドデータの初期値からの増分による判断方法」、「トレンドデータの傾きによる判断方法」を取り入れてもよい。
【0219】
図15はブローバイ圧のトレンドデータを示すグラフ(図15(a))と排気温度のトレンドデータを示すグラフ(図15(b))である。
【0220】
図15(a)に○印で示す期間ではブローバイ圧のトレンドデータの傾きの差が、ランク3を示すしきい値を超えている。このためブローバイ圧はランク4の異常度合いにあると判断される。なお○印で示すようにサービスメータ計時値が8000Hを超えてからはブローバイ圧の絶対値はランク3のしきい値を超えている。
【0221】
また図15(b)に○印で示すように排気温度の初期値に対する増分がランク3を示すしきい値を超えた場合には、排気温度がランク4の異常度合いにあると判断される。なお○印で示す期間では排気温度の絶対値はランク3を示すしきい値に達していない。
【0222】
以上のように本実施形態によればオンボード情報D1以外にオイル分析情報D2を加味して、異常を判断するようにしているので、エンジン不具合という複合的に原因がからむ異常の判断を正確に行うことができる。
【0223】
さらに点検情報D3を加味して異常を判断してもよい。たとえば目視によりエンジンオイル用のストレーナ、フィルタ、ドレンプラグの状態を点検しその異常度合いのランクと、オンボード情報D1(ブローバイ圧、排気温度)の異常度合いのランクと、オイル分析情報D2(鉄Feの含有量、シリコンSiの含有量)の異常度合いのランクとに基づいて、バルブ、ピストン破損、メタル焼き付き等、エンジン不具合のランクを決定してもよい。
【0224】
またオンボード情報D1と点検情報D3とに基づいて複合的な異常を不具合を判断することもできる。またオイル分析情報D2と点検情報D3とに基づいて複合的な異常を判断することもできる。
【0225】
つぎに端末装置の表示画面の表示について図23〜図33を併せ参照して説明する。以下の実施形態では代理店50のサービス部門側端末装置51の表示画面に表示される内容を代表させて説明する。代理店50のサービス部門側端末装置51には代理店50の管轄下にある建設機械31、32に関するランク1〜4の定期レポートが作成されたという警告が電子メールで送信され、その警告およびランク1〜4の定期レポートが表示画面上に表示される。
【0226】
すなわちサーバ装置11で新たに異常情報、定期レポートが作成されると、その旨を警告するデータが電子メールにて、インターネット7を介して代理店50のサービス部門側端末装置51に送信される。
【0227】
図23はサービス部門側端末装置51の表示画面100を示す。この表示画面100には「25通の新しいレポートがあります。10通の新しいランク4のレポートがあります。」という警告表示101がなされる。この警告表示101によってサービスマンは異常情報、定期レポートを詳細に検討すべきか否かを容易に判断することができる。異常情報、定期レポートの詳細な情報の検索はサーバ装置100のデータベース12をアクセスすることによって行われる。
【0228】
すなわち端末装置51でWebブラウザ(インターネット7におけるデータ表示ソフトウエア)が起動されると、Webブラウザを介してサーバ装置11のデータベース12からWebページのデータが読み出され端末装置51の表示画面に表示される。端末装置51のサービスマンはアクセス権限に応じた画面を呼び出し各画面上のボタンをクリック操作する等して処理をすすめることができる。
【0229】
端末装置51では、Webブラウザが起動されるとまず「先頭画面」が表示される。端末装置51における処理開始はサービスマンのID番号、暗証番号を入力することを条件とする。そこでサービスマンのID番号、暗証番号が入力されると、端末装置51の表示画面100は図24に示す「レポート件数表示画面」に移行される。
【0230】
「レポート件数表示画面」にはオンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3毎に、新たに作成された定期レポートの件数、新たに作成されたランク4の定期レポートの件数、新たに作成されたランク3の定期レポートの件数、新たに作成されたランク2の定期レポートの件数、新たに作成されたランク1の定期レポートの件数を示す件数表示102がなされる。この件数表示102によってサービスマンは新たに作成された定期レポートのランク1〜4の内訳を知ることができる。
【0231】
件数表示102上の所定箇所をクリック操作すると、表示画面100は図25に示す「レポートリスト画面」に移行される。たとえば図24の件数表示102のうち「オンボード情報D1」の表示箇所をクリック操作することで、そのオンボード情報D1に関する定期レポートのリスト104が表示される。
【0232】
「レポートリスト表示画面」には、定期レポートを作成した「日付」、「機種」、「型式」、「機番」、「SMR(サービスメータ計時値)」、「仮ランク」、「決定ランク」等のリストの履歴を示すリスト表示104がなされる。
【0233】
ここで「仮ランク」とはサーバ装置11で自動的に判定された異常度合いのランクのことである。また「決定ランク」とは端末装置51側で最終的に判断される異常度合いのランクのことである。「決定ランク」を定める権限は端末装置51側のサービスマンにある。このリスト表示104によってサービスマンは、建設機械の機種、型式、機番ごとにオンボード情報D1についての仮ランクの内容を把握することができる。なお図25ではオンボード情報D1のリスト表示104を示しているが、オイル分析情報D2、点検情報D3についても同様なリスト表示がなされる。
【0234】
また図33に示すように個々の建設機械ごとにデータを表示させることもできる。
【0235】
図33に示すように表示画面100の表示箇所120には、特定の建設機械の日付(Date)とサービスメータ計時値SMR(H)との関係を示すグラフが表示される。
【0236】
また表示画面100の表示箇所121には特定の建設機械についての「日付(Date)」、「サービスメータ計時値SMR(H)」、「行動」、「仮ランク」、「決定ランク」等が表示される。ここで「行動」とは特定の建設機械に関してサーバ装置11のデータベースにアクセスした情報の内容(オンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3)、あるいは建設機械に対して取った異常処理(修理等)をいう。
【0237】
さて図25でリスト表示104上の所定箇所をクリック操作すると、表示画面100は図26に示す「レポート表示画面」に移行される。たとえば図25のリスト表示104のうち「3151」という「機番」の表示箇所105をクリック操作することで、対応する機種「D785」、機番「3151」の建設機械のオンボード情報D1に関する定期レポートが表示される。
【0238】
「レポート表示画面」には、トレンドデータに関して、検出した「コンポーネント」、「項目」、「SMR(H)」、「日付(Date)」、「検出値」、「判断方法」、「仮ランク」、「説明」を示すトレンドデータ要約表示108がなされる。またエラーコードに関して、生成された「コンポーネント」、「エラーコード」、「回数(単位時間当たり)」、「仮ランク」、「説明」を示すエラーコード要約表示110がなされる。
【0239】
トレンドデータ要約表示108上の所定箇所をクリック操作すると、表示箇所109には対応するトレンドデータの詳細が表示される。つまり表示箇所109には図4または図5または図6に示すトレンドデータのグラフが表示される。たとえばトレンドデータ要約表示108のうち「ブローバイ圧」という「項目」の表示箇所をクリック操作することで、「ブローバイ圧」という「項目」の「仮ランク」を、「トレンドデータの傾きによる判断方法」で「ランク3」と判断する根拠となった図6に示すトレンドデータのグラフが表示される。
【0240】
また図28に示すようにトレンドデータの詳細を同一画面上に一覧表示させることもできる。図28は表示画面100上で各項目のトレンドデータのグラフ109a、109b、109c、109d、109eを一覧表示させた例を示している。
【0241】
エラーコード要約表示110上の所定箇所をクリック操作すると、表示箇所112には対応するエラーコードの詳細が表示される。つまり表示箇所112には図27に示すようなエラーコードの履歴が表示される。たとえばエラーコード要約表示110のうち「M270(ブローバイ圧高い)」という「エラーコード」の表示箇所111をクリック操作することで、図27に示すように「ブローバイ圧高い」という「エラーコード」の「仮ランク」を、「ランク4」と判断する根拠となったエラーコードの履歴が表示される。図27の矢印113で示すように「ブローバイ圧高い」というエラーコードは単位時間内に6回発生していることがわかる。
【0242】
以上のように図26に示す「レポート表示画面」からサービスマンは、特定の建設機械(機種「D785」、機番「3151」)のオンボード情報D1のうちこれを要約した情報(トレンドデータ要約情報108、エラーコード要約情報110)、詳細な情報(トレンドデータグラフ109、エラーコード履歴112)、異常情報(仮ランク)を把握することができる。
【0243】
図26の「レポート表示画面」には、オンボード情報D1の各項目の「仮ランク」を総合した「仮ランク」が表示箇所106に表示される。総合した「仮ランク」は各項目の「仮ランク」のうち最も異常度合いが高いランク(ランク4)であるものと、サーバ装置11で自動的に決定される。
【0244】
図26の表示画面100上では、「決定ランク」を示すデータを、表示箇所107をクリック操作することで入力することができる。決定ランクは定期レポートの内容からサービスマンが判断する。また実際に作業現場まで出向き該当する建設機械を目視で確認することにより判断してもよい。
【0245】
図26の表示画面100上で「決定ランク」を示すデータ(「ランク3」)が入力されると、このデータはインターネット7を介してサーバ装置11に送信される。これによりサーバ装置11のデータベース12の記憶データが書き換えられる。すなわち図25に示すリスト表示104のうち機種「D785」、機番「3151」の「決定ランク」が空欄の状態から「ランク3」と記述された状態に変化する。
【0246】
なお図26ではオンボード情報D1の定期レポートを示しているが、オイル分析情報D2、点検情報D3についても同様な定期レポートが表示される。
【0247】
図29はオイル分析情報D2の各項目の詳細な情報を同一画面上に一覧表示させた表示例を示している。たとえば図29の表示箇所114aにはエンジンオイル中の鉄Feの含有量「72」が表示され、表示箇所114bにはエンジンオイル中のシリコンSiの含有量「18」が表示される。
【0248】
また端末装置51の表示画面100を図30に示す「一覧画面」に遷移させることもできる。同図30に示すように「一覧画面」には代理店50の管轄下にある建設機械の「機種」、「号機(機番)」、「国名」、「お客様(カスタマ)の名前」、「最新に情報を入手した日」、「最新のSMR(サービスメータ計時値)」、「マシンダウン」、「オンボード情報D1」、「オイル分析情報D2」、「点検情報D3」、「アクション」を示す一覧表示115がなされる。ここで「マシンダウン」とは建設機械が稼動状態にあるか稼動不可状態にあるかを「○」または「×」で示した情報のことである。また「オンボード情報D1」、「オイル分析情報D2」、「点検情報D3」には、ランク1、ランク2、ランク3、ランク4の異常度合いがそれぞれ、「○」、「警告」、「異常」、「緊急」で表示される。また「アクション」とは代理店50が管轄下にある建設機械に対してとった行動(異常処理)であって現在仕掛かりになっている工程のことである。たとえば建設機械を修理するために部品を発注して未だ部品が届いていない状態のときには「部品待ち」と表示される。
【0249】
なお一覧表示は図31に示すような表示116としてもよい。
【0250】
また端末装置51では、管轄下にある建設機械を追加、削除、変更する等の設定処理を表示画面100上で行うことができる。
【0251】
建設機械の設定処理を行おうとする場合には、図31に示す表示画面100上で「監視車両設定」のボタン117がクリック操作される。すると表示画面100は図32に示す「監視車両設定画面」に遷移される。
【0252】
そこで図32に示す「監視車両設定画面」上の設定表示118内に、新たに追加すべき建設機械の「機種」、「号機(機番)」、「国名」、「お客様(カスタマ)の名前」を記述し、「追加」のボタン119がクリック操作されると、追加された建設機械を示すデータがインターネット7を介してサーバ装置11に送信される。これによりサーバ装置11のデータベース12の記憶データが書き換えられ、図32に示す一覧表示116の記述内容が更新される。なお建設機械の削除、変更も同様にして行うことができる。
【0253】
以上端末装置51の表示画面100に表示される内容について説明したが、他の端末装置の表示画面にも同様な表示がなされる。
【0254】
ただしメーカ10の経営部門側端末装置14、営業部門端末16には新たにランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。またこれら端末装置14、16にはメーカ10で生産した全ての建設機械31、32…に関する警告が送信される。
【0255】
また代理店50の営業部門側端末装置52には新たにランク3、ランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。また端末装置52には同代理店50の管轄下の建設機械31、32のみに関する警告が送信される。
【0256】
また代理店50の経営部門側端末装置53には新たにランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。また端末装置53には同代理店50の管轄下の建設機械31、32のみに関する警告が送信される。
【0257】
またリース会社60の端末装置61には新たにランク2、ランク3、ランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。また端末装置61には管轄下の建設機械31のみに関する警告が送信される。
【0258】
また工事施工会社62の端末装置63には新たにランク3、ランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。また端末装置63には管轄下の建設機械31のみに関する警告が送信される。
【0259】
また現場事務所64の端末装置65には新たにランク2、ランク3、ランク4の定期レポートが作成された場合のみ警告を示す電子メールが送信される。また端末装置65には管轄下の建設機械31のみに関する警告が送信される。
【0260】
さらに各端末装置ごとにアクセスできる情報の内容を更に細かく制限してもよい。たとえばカスタマ側の端末装置61、63、65には、定期レポートのうち要約した情報(トレンドデータ要約情報108、エラーコード要約情報110)のみ表示させるようにして、詳細な情報(トレンドデータグラフ109、エラーコード履歴112)については表示させないような実施も可能である。
【0261】
また端末装置の表示画面上で、「新たに作成された警告を読んだ」という確認結果を示すデータを入力しその結果に応じてサーバ装置11から送信する情報を制御していもよい。たとえば端末装置の表示画面上で「電子メール確認」のボタンがクリック操作されると、この確認結果を示すデータがインターネット7を介してサーバ装置11に送信される。これによりサーバ装置11のデータベース12の記憶データが更新される。このため確認結果を示すデータを一定期間内に返信してきた特定の端末装置に対しては、既に電子メールにて「新しい」ものとして送信された警告は以後「新しい」警告としては再送しない。しかし確認結果を示すデータを一定期間内に返信しなかった特定の端末装置に対しては既に電子メールを送信してあったとしても確認結果が得られるまで「新しい」警告が作成されたものとして電子メールが再送される。
【0262】
また本実施形態の管理情報提供サービスは有料で提供することができる。この場合、課金をオンラインで行うようにしてもよい。
【0263】
サーバ装置11では、各端末装置14、15、16、51、52、53、61、63、65がデータベース12にデータをアクセスした日時、サーバ装置11へ通信接続されていた時間(ログイン時間)、アクセス内容を記録している。
【0264】
そこで接続時間の長さに応じた料金をオンラインで課金してもよい。また定期レポートを検索した回数に応じた料金を課金してもよい。
【0265】
以上のように本実施形態によれば、サービスマン側の端末装置51の表示画面100を介して異常度合いのランク1、2、3、4の情報を知ることができる。このため正常な範囲に入るような僅かな異常でも知ることができる。このためサービスマンは実際に故障が発生する前に現場に急行して建設機械31の異常を確かめることができる。また営業マン側の端末装置52の表示画面を介して異常度合いのランク3、4の情報のみを知ることができる。このため深刻な異常の情報のみを知ることができる。また経営者側の端末装置53の表示画面を介して異常度合のランク4のみを情報を知ることができる。このため故障が発生する可能性の高い情報のみを知ることができる。逆にサービスマン側の端末装置51に、深刻な異常の情報を示すランク3、4の情報のみを与えても、修理等を迅速に行うことができなくなるおそれがある。一方経営者側の端末装置53に、僅かな異常の情報を含むランク1、2、3、4の情報全てを与えてもそれは無用な情報であり結果的に有用な情報が無視されることになりかねない。
【0266】
また情報を選別してサーバ装置11から各端末装置に送信しており一義的に全ての情報を送信するものではないので、通信コストを抑えることができる。
【0267】
このように本実施形態によれば建設機械の管理者側に真に有用な情報のみを与えることができるとともに通信コストを抑えることができる。
【0268】
ところで本実施形態の建設機械31、32側からサーバ装置11側への通信は通信衛星5による無線通信回線6にて行われる。一般に通信衛星5によるデータの通信は情報量に制約がある。たとえば1回の通信当たりの情報量のサイズは1kバイト以下に制約される。しかも通信料金が高いという問題がある。そこで通信を効率的に行うことができる実施形態について以下説明する。
【0269】
本実施形態の建設機械31、32の車体内には通信衛星5との間で無線通信6を行う通信端末が設けられている。建設機械31、32は通常夜間などにはエンジンが稼動しない。つまり電源のスイッチはオフされている。
【0270】
このため仮に電源のスイッチをオフにしてエンジンが稼動していない間でも電源であるバッテリ(定格電圧24V)と通信端末を常時電気的に接続しておくと、エンジンが稼動されていないためバッテリが発電機(オルタネータ)によって充電されない。このためバッテリで放電が急速に進行する。一方仮にエンジンがオフされている間にバッテリと通信端末との電気的な接続を常時オフにしておくと、通信衛星5との間で無線通信6が不可能になる。そこで本実施形態ではエンジンオフ時にサーバ装置11側から通信衛星5を介してコントローラ40内の建設機械情報を要求するデータが送信されると、その信号をトリガとして通信端末の電源回路を強制的に起動して、コントローラ40内の建設機械情報を通信端末から送信できるようにしている。このため夜間時であっても通信端末のアンテナから建設機械情報が通信衛星5を介して要求元のサーバ装置11に対して送信することができる。これにより夜間時の無駄な電力消費を抑えることができるとともに、夜間時のサーバ装置11側の急な要求に応えることができる。建設機械31、32の稼動が停止している夜間に、建設機械31、32内のオンボード情報D1を収集することができ、これに基づいて故障診断を行い、改修に必要な部品を発注することが可能となり、ダウンタイムなく効率よく修理等の作業を行うことができる。
【0271】
図34は建設機械31、32で故障が発生する確率と時間経過との関係300を示すグラフである。横軸はサービスメータの計時値SMR(H)であり、縦軸は建設機械31、32で故障が発生する確率Pである。
【0272】
同図34に示すように建設機械31、32の寿命は大きくは第1期301、第2期302、第3期303に分けられる。第1期301は新車時から一定時間が経過するまでの期間であり、工場における組み付けの不具合等により故障確率Pが比較的大きい期間である。ただし新車時から時間が経過するに伴い故障確率Pが低下していく。第2期302は第1期301に続く期間であり、故障確率Pが低い状態で安定する期間である。第2期302の終期はたとえば10000Hである。第3期303は第2期302に続く期間であり、部品が耐久時間に達して故障が時間の経過に伴い増えていく期間である。第3期303の終期はオーバーホール時間OV(たとえば16000H)である。
【0273】
建設機械31、32の故障等の不具合は、故障確率Pが大きい期間であるほど生じやすい。このため故障確率Pが大きい期間ほど煩雑に建設機械情報を取得して建設機械31、32を監視する必要がある。逆に故障確率Pが小さい期間であるにもかかわらず煩雑に建設機械31、32側から建設機械情報を送信することにすると、通信コストが上昇するのみで監視上の利点は少ない。
【0274】
そこで本実施形態では、故障確率Pが小さい期間であるほど長い送信間隔で、建設機械31、32側からサーバ装置11側にオンボード情報D1を送信するようにしている。
【0275】
具体的には図34に示すように故障確率Pが小さい期間であるほど、送信Sの間隔を長くする。また第1期301、第2期302、第3期303毎に送信間隔を一定に定めてもよい。たとえば第1期301の故障確率Pの平均値P1を求め、この平均故障確率P1に応じて一義的な大きさの送信間隔S1を定めることができる。また第2期302の故障確率Pの平均値P2を求め、この平均故障確率P2に応じて一義的な大きさの送信間隔S2を求める。また第3期303の故障確率Pの平均値P3を求め、この平均故障確率P3に応じて一義的な大きさの送信間隔S3を求める。たとえば送信間隔は第3期303、第1期301、第2期302の順に、S3<S1<S2と長くなるように設定される。
【0276】
このような送信間隔で建設機械31、32側から通信衛星5を介してサーバ装置11に定期的にオンボード情報D1を送信すれば、建設機械31、32の故障等の不具合を早期かつ正確に診断できるととともに、通信コストを抑えることができる。
【0277】
また故障確率Pが小さい期間であるほど、少ない項目数の建設機械を建設機械31、32側からサーバ装置11側に送信するようにしてもよい。たとえば故障確率Pが小さい第2期302では、オンボード情報D1のうち主要な項目のトレンドデータのみを送信し、故障確率Pが大きい第3期303では、オンボード情報D1のうち全ての項目のトレンドデータを送信するとともに負荷頻度マップデータを送信するようにする。これにより故障等の不具合を更に正確に診断でき、通信コストを抑えることができる。
【0278】
つぎに各種通信形態を組み合わせて故障診断を効率よく行う実施形態について説明する。
【0279】
建設機械31、32側の建設機械情報をサーバ装置11側で取得する通信形態にはつぎに掲げるものがある。
【0280】
(1)建設機械31、32側からの定期的な送信(図34に示す送信間隔で送信)
(2)サーバ装置11側の要求に応じて建設機械31、32の通信端末を起動して建設機械情報をサーバ装置11側に送信
(3)携帯端末装置19により建設機械情報をダウンロードすることによりインターネット7を介しての送信
そこでオンボード情報D1のうちトレンドデータおよびエラーコードの送信を、上記(1)の通信形態で行い、オンボード情報D1のうち頻度マップデータの送信を、上記(2)の通信形態で行うことができる。
【0281】
またオンボード情報D1のうちトレンドデータのみの送信を、上記(1)の通信形態で行い、オンボード情報D1のうちエラーコード、スナップショットデータ、頻度マップデータは上記(3)の通信形態で行うようにしてもよい。上記(3)の通信形態でサーバ装置11側にデータを送信する際にはオンボード情報D1に加えて点検情報D3について同時に送信することができる。
【0282】
さて上述した実施形態では、サーバ装置11で、建設機械31、32の異常の度合いがランク1(正常Normal)、ランク2(注意Warning)、ランク3(異常Abnormal)、ランク4(緊急Emergency)の各レベルにランク付けされる。そして建設機械31、32の管理者はこのランク付けされた異常度合いを示す情報に基づいて建設機械31、32に対して点検、修理等の処置を行うようにしている。
【0283】
しかしながら、サーバ装置11におけるランク付けは、予め設定されたデータに基づき自動的になされるため、判断に必要なデータが不足していたり、データの内容が実状に沿っていなかったりすると、ランク付けが実際のランクよりも高かったり、逆にランク付けが実際のランクよりも低かったりすることが起こり得る。
【0284】
一方において、建設機械31、32を管理する側の専門的知識、技術レベルには差がある。たとえばメーカの設計者は、建設機械について技術的に詳しく、レンタル会社などのユーザは、一般的に建設機械について技術的に詳しくない。
このためサーバ装置11におけるランク付けの結果をそのままメーカの設計者、ユーザに伝えたものとすると、メーカの設計者は、自らの専門知識に基づいて、そのランク付けの判断が妥当なものか否かを最終的に判断して、適切な対処をとることができる。これに対して、ユーザは、専門的知識が不足しているため、サーバ装置11で行われたランク付けを信用せざるを得ず、ランク付けが実際よりも高いランクであった場合には無用な労力を費やすことになったり、ランク付けが実際よりも低いランクであった修理等の適切な処置の遅れにより不都合が生じることになる。
【0285】
そこで、以下に述べる実施形態では、建設機械31、32を管理する側の技術的なレベルに応じたランク付けの情報を与えるようにして、適切な対処をとることができるようにするものである。
【0286】
またダンプトラックなどの建設機械は、同じ作業現場で稼動することが多い。同じ環境下で稼動する建設機械は、外気温が急上昇するなど環境が急変すると、センサ値が異常値に達しエラーコードが一斉に発生することがある。したがって、環境の急変によって全ての建設機械に生じた変化を、異常と判断することになり、実状と合わないことがある。
【0287】
逆に、環境の急変を除外するためにエラーコードの発生の基準を高く設定すると、真の異常発生を事前に見逃してしまい、建設機械が故障してから修理にとりかかるような事態となり、ダウンタイムが多大なものになるおそれがある。
【0288】
そこで以下に述べる実施形態では、同一の環境で稼動する複数の建設機械から収集される情報を対比することにより、それが環境の原因によるものか、建設機械の真の異常によるものかを正確に判断できるようにするものである。
【0289】
すなわち図1において、メーカ本社10内に、専門家側端末装置10aが設けられる。この専門家側端末装置10aは、メーカの設計部門に設けられている。メーカの設計部門の設計者は、建設機械31、32について専門的知識を有し、自らの専門知識に基づいて、サーバ装置11で行われた異常度合いのランク付けの判断が妥当なものか否かを最終的に判断できる者を想定する。
【0290】
専門家側端末装置10aは他の端末装置14、15、16と同様に、イントラネット13に接続されている。
【0291】
この専門家側端末装置10aでは、サーバ装置11で行われたオンボード情報D1、オイル分析情報D2、点検情報D3ごとのランク付けの結果、あるいはこれら情報D1、D2、D3のいずれか2つ若しくは全てに基づき得られたランク付けの結果が見直される。
【0292】
以下オンボード情報D1を例にとり、本実施形態の動作について説明する。
【0293】
サーバ装置11でオンボード情報D1について異常度合いのランク付けが行われると、そのランク付け結果は全て、サーバ装置11から専門家側端末装置10aに送信される。
【0294】
専門家側端末装置10aでは、送信されたランク付けが、ランク付けがし直される。
【0295】
この「ランク付けし直し」の判断基準を以下に示す。
【0296】
オンボード情報D1は、たとえばブローバイ圧であるとする。また建設機械31としてダンプトラックを想定し、同一の作業現場で複数のダンプトラック31が稼動しているものとする。以下、各ダンプトラックに、符号31a、31b、31cを付与する。
【0297】
図35は、各ダンプトラック31a、31b、31cのブローバイ圧のトレンドデータを示している。図35(a)の横軸は、サービスメータ計時値SMRであり、縦軸は、ブローバイ圧のセンサ検出値である。
【0298】
同図35(a)に示すように、ダンプトラック31aのトレンドデータは、サービスメータ値SMR1以後で急上昇する。このため図2(b)で説明した「トレンドデータの傾きによる判断方法」にしたがえば、このサービスメータ値SMR1以後の急上昇が捉えられて、サーバ装置11では、ダンプトラック31aが「異常」であると判断される。この場合の異常度合いのランク付けは、ランク4(緊急Emergency)であったとする。
【0299】
しかし、他のダンプトラック31b、31cのトレンドデータをみると、「サービスメータ値SMR1以後の急上昇」は、ダンプトラック31aと同じ傾向を示す。
【0300】
そこで、ダンプトラック31aの異常は、作業現場の環境の変化によるものであり、ダンプトラック31a固有の異常である可能性が低いと判定して、最終的にランク4の異常は発生していないと判断し、ランク付けを「4(緊急Emergency)」から「3(異常Abnormal)」に変更する。
【0301】
逆に、図35(b)のように、一台のダンプトラック31aについてのトレンドデータのみが、サービスメータ値SMR1以後で急上昇する傾向を示しており、他のダンプトラック31b、31cは急上昇する傾向を示していない場合には、ダンプトラック31aの異常は、ダンプトラック31a固有の異常である可能性が高いと判定して、最終的にランク4の異常が発生しているものと判断し、サーバ装置11で行われたランク付け「4(緊急Emergency)」を維持する。
【0302】
なお各ダンプトラック31a、31b、31cにGPSセンサなどの位置検出センサを設け、この位置検出センサの検出結果をサーバ装置11を介して専門家側端末装置11aに送信することで、複数のダンプトラック31a、31b、31cが同一の作業現場で稼動していることを判断することができる。
また図35では、同じ作業現場(同一地域、同一位置)で稼動している複数のダンプトラック31a、31b、31c同士のデータを対比する場合を想定しているが、外気温、湿度などの他の外的要因が同じである建設機械同士のデータを対比してもよい。また外的要因に限らず、同じ機種、同じ型式の建設機械同士のデータを対比してもよい。
【0303】
以上、「同一の環境で稼動する建設機械同士のデータを対比する」という「ランク付けし直しの判断基準を説明したが、その他の判断基準として、異常判断対象となっているブローバイ圧に関連するデータを考慮してランク付けを見直してもよい。
【0304】
たとえばブローバイ圧に関連するエンジン回転数、エンジンの発生トルクを考慮して、ランク付けを見直すことができる。ブローバイ圧が同じ値を示したとしても、エンジン回転数が高い状況ではランク付けは高めの傾向を示し、エンジン回転数が低い状況ではランク付けは低めの傾向を示す。また負荷がかかっているときにはランク付けは高めの傾向を示し、「空ブラシ時」など負荷がかかっていないときにはランク付けは低めの傾向を示す。
【0305】
また排気温度についてランク付けをする場合も同様である。外気温が高いときではランク付けは高めの傾向を示し、外気温が低いときではランク付けは低めの傾向を示す。
【0306】
このようにしてランク付けし直されたデータは、専門家側端末装置11aからサーバ装置11に送信され、サーバ装置11のデータベース12に記憶される。
【0307】
以後、各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65からの要求に応じて、ランクし直されたデータが要求元の端末装置に送信される。すなわち各端末装置からデータベース12の記憶データをアクセスすることにより、端末装置の表示画面上でWebページが表示され、ランク付けがし直された結果が表示される。また各端末装置毎に割り当てられた特定のランクの異常情報については、サーバ装置11から電子メールとして各端末装置に自動送信される。
【0308】
たとえば建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「4」からランク「3」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを派遣するなどの措置をとることが回避され、無用な労力が軽減される。
【0309】
逆に建設機械31、32のユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に、ランク「3」からランク「4」にランクし直されたデータが送信されたとする。この場合には、サービスマンを緊急に派遣するなどを措置をとることが可能になり、修理等の適切な処置を迅速をとることにより、建設機械の故障によるダウンタイムの発生を回避することができる。
【0310】
上述した実施形態ではサーバ装置11から専門家側端末装置11aに、サーバ装置11でなされたランク付け結果を送信しているが、専門家がサーバ装置11側に居れば、サーバ装置11側でランク付け結果を見直すことができる。そこで、この場合には、サーバ装置11側の専門家によりランク付けがし直され、そのランク付けし直されたデータが、キーボードなどの入力手段を介して入力され、データベース12に記憶されることになる。以後同様にして各端末装置に、ランク付けし直されたデータが送信される。
【0311】
以上の説明では、ランク付けし直された同じランクのデータを、各端末装置14、15、16、18、19、51、52、53、61、63、65に送信しているが、端末装置のレベルに応じて、送信すべきランクを異ならせてもよい。
【0312】
たとえばサーバ装置11で、異常度合いのランク付けが「4(緊急Emergency)」と判断された場合を考える。この場合ランク付け「4(緊急Emergency)」1」をそのままサービス部門側端末装置51、ユーザであるリース/レンタル会社60の端末装置61に送信したとすると、サービスマンは現場に急行し、ユーザは作業中止の措置をとるものと考えられる。このため無用な労力と多大なダウンタイムが発生する。
【0313】
上述した実施形態によれば、専門家によって、ランク付け「4(緊急Emergency)」が実際には「3(異常Abnormal)」であると判断されると、このランク付けし直されたデータが、サービス部門側端末装置51、リース/レンタル会社60の端末装置61に送信されることになる。これによりサービスマンは巡回時に点検を行い、ユーザは注意しながら建設機械を運転する措置をとることとなり、実状に合った適切な措置をとることができる。
【0314】
これに対して本実施形態では、専門家で、ランク付け「4(緊急Emergency)」が実際には「3(異常Abnormal)」であると判断されると、このランク付けし直された方のデータつまり「3(異常Abnormal)」がリース/レンタル会社60の端末装置61に送信され、サービス部門側端末装置51にはランク付けし直す前のデータつまり「4(緊急Emergency)」がそのまま送信される。
【0315】
これによりサービスマンは現場に急行し、ユーザは注意しながら建設機械を運転する措置をとることが可能になる。このため建設機械はサービスマンが到着するまで稼動できるのでダウンタイムを最小に抑えることができる。またサービスマンは現場に急行して、専門家の判断が正しいか否かを確認でき、その結果をメーカに報告することができる。このように本実施形態によれば、ランク付けし直された結果を各端末装置に一義的に送信した場合と比較して、より適切な措置をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の建設機械の管理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図2(a)、(b)、(c)、(d)は実施形態の異常度合いを判定するしきい値を説明する図である。
【図3】図3はエラーコードの単位時間当たりの回数の異常度合いを判定するしきい値を説明する図である。
【図4】図4はトレンドデータの絶対値によって異常度合いを判定するグラフを示す図である。
【図5】図5はトレンドデータの初期値に対する増分によって異常度合いを判定するグラフを示す図である。
【図6】図6はトレンドデータの傾きによって異常度合いを判定するグラフを示す図である。
【図7】図7はトレンドデータに基づいて得られた異常度合いの判定結果の出力例を示す図である。
【図8】図8はエラーコードに基づいて得られた異常度合いの判定結果の出力例を示す図である。
【図9】図9はトランスミッションの油圧クラッチのフィル時間のトレンドデータを示す図である。
【図10】図10はトレンドデータに基づいて得られた異常度合いの判定結果を建設機械の機種、コンポーネント毎に出力した例を示す図である。
【図11】図11はエラーコードに基づいて得られた異常度合いの判定結果を建設機器回の機種、コンポーネント毎に出力した例を示す図である。
【図12】図12(a)、(b)はブローバイ圧のトレンドデータの実例を示すグラフである。
【図13】図13はエンジンの不具合のメカニズムを示す図である。
【図14】図14はオンボード情報とオイル分析情報とに基づいてエンジンの異常度合いを判定するために用いられる表を示す図である。
【図15】図15(a)、(b)はそれぞれブローバイ圧、排気温度のトレンドデータを示すグラフである。
【図16】図16はブローバイ圧と排気温度のトレンドデータを示すグラフである。
【図17】図17はエンジンオイル中の鉄Feの含有量とシリコンSiの含有量のトレンドデータを示すグラフである。
【図18】図18はダンプトラックの使われ方の調査内容を示す図である。
【図19】図19はエンジン負荷率を示すグラフである。
【図20】図20(a)、(b)は油圧クラッチの係合回数の頻度マップデータを示す図である。
【図21】図21はエンジンの負荷頻度マップデータを示す図である。
【図22】図22(a)、(b)はサイクル負荷変動量を示すグラフである。
【図23】図23は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図24】図24は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図25】図25は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図26】図26は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図27】図27は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図28】図28は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図29】図29は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図30】図30は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図31】図31は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図32】図32は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図33】図33は端末装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図34】図34は建設機械の故障確率が時間の経過に伴い変化する様子を示すグラフである。
【図35】図35(a)、(b)は同一の環境で稼動する複数の建設機械のデータを対比するグラフである。
【符号の説明】
5 通信衛星
6 無線通信回線
7 インターネット
11 サーバ装置
12 データベース
14、15、16、51、52、53、61、63、65 端末装置
17 オイル分析センタ
19 携帯用端末装置

Claims (8)

  1. 建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械内に設けられ、内部情報を検出することにより第1の建設機械情報を各項目毎に収集する第1の情報収集手段と、
    前記建設機械から取り出された分析対象物を分析することにより第2の建設機械情報を各項目毎に収集する第2の情報収集手段と、
    前記建設機械を目視によって判断することにより第3の建設機械情報を各項目毎に収集する第3の情報収集手段と、
    前記第1、第2および第3の建設機械情報のすべてあるいはいずれか2つの組み合わせの各項目毎に異常度合いを複数のレベルにランク付けしておくとともに、第1、第2および第3の建設機械情報のすべてあるいはいずれか2つの組み合わせそれぞれの項目の異常によって複合して発生する前記建設機械の不具合を複数のレベルにランク付けしておき、
    前記第1、第2および第3の情報収集手段で収集された第1、第2および第3の建設機械情報のすべてあるいはいずれか2つの組み合わせのそれぞれの項目の異常度合いのレベルに基づいて、前記建設機械の不具合のレベルを判別する異常度合い判別手段と
    を具え、
    前記異常度合い判別手段で判別された前記建設機械の不具合のレベルに応じて前記建設機械に対して異常処理を行うようにしたこと
    を特徴とする建設機械の管理装置。
  2. 建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
    前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを具え、
    前記情報収集手段と、前記複数の端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
    前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けするとともに、送信すべき異常度合いのランクと前記複数の端末装置との対応づけを行う前記情報加工手段を設け、
    前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けするとともに、送信すべき異常度合いのランクと前記複数の端末装置それぞれとの対応づけを行い、
    前記サーバ装置は、前記端末装置からの要求に応じて、対応するランクの異常度合い情報を、前記通信手段を介して要求元の端末装置へ送信するようにしたこと
    を特徴とする建設機械の管理装置。
  3. 建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
    前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを具え、
    前記情報収集手段と、前記複数の端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
    前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて、前記端末装置側の管理者のレベルに応じた情報に加工する情報加工手段を設け、
    前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報を前記端末装置側の管理者のレベルに応じた情報に加工し、
    前記サーバ装置は、前記端末装置からの要求に応じて、要求元の端末装置側の管理者のレベルに応じた加工情報を、前記通信手段を介して要求元の端末装置へ送信すること
    を特徴とする建設機械の管理装置。
  4. 前記サーバ装置は、要求元の端末装置から前記加工情報を受領した旨のデータが一定期間内に返信されない場合は、当該加工情報を再送すること
    を特徴とする請求項3記載の建設機械の管理装置。
  5. 建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
    前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを備え、
    前記情報収集手段と、前記端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
    前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段と、前記情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、ランク付けし直し、ランク付けし直された結果を記憶する記憶手段と
    を設け、
    前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けし、
    前記情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、ランク付けし直し、ランク付けし直された結果を前記記憶手段に記憶し、
    前記サーバ装置は、ランク付けがし直された異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して各端末装置へ送信するようにしたこと
    を特徴とする建設機械の管理装置。
  6. 建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
    前記建設機械に対して異常処理を行う管理者側に設けられた複数の端末装置とを備え、
    前記情報収集手段と、前記端末装置と、サーバ装置とを通信手段によって相互に通信可能に接続し、
    前記サーバ装置に、前記建設機械情報に基づいて異常の度合いを複数のレベルにランク付けする情報加工手段を設け、
    前記情報収集手段によって収集された建設機械情報を前記通信手段を介して前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置の情報加工手段は、送信された建設機械情報に基づいて建設機械の異常の度合いを複数のレベルにランク付けし、
    前記サーバ装置は、前記ランク付けされた異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して、特定の端末装置へ送信し、
    前記特定の端末装置は、送信された情報について、異常度合いのランク付けをし直して、前記サーバ装置に送信し、
    前記サーバ装置は、ランク付けがし直された異常度合いを示す情報を、前記通信手段を介して各端末装置へ送信するようにしたこと
    を特徴とする建設機械の管理装置。
  7. 前記複数の端末装置は、複数のレベルにランク付けされており、
    前記サーバ装置の情報加工手段で行われた異常度合いのランク付けを、端末装置のレベルに応じて、ランク付けし直し、
    前記サーバ装置は、端末装置のレベルに対応してランク付けし直された異常度合いの情報を、前記通信手段を介して、対応する端末装置へ送信するようにしたこと
    を特徴とする請求項5または6記載の建設機械の管理装置。
  8. 同一の環境で稼動する複数の建設機械から情報を収集し収集された建設機械情報に基づいて前記複数の建設機械の異常を判断し異常であると判断された場合に、その建設機械に対して異常処理を行い建設機械を管理するようにした建設機械の管理装置において、
    前記建設機械情報を収集する情報収集手段と、
    前記情報収集手段によって収集された建設機械情報の中から同一種類の情報を選択し、この同一種類の情報が示す値を、複数の建設機械相互間で対比し、この結果、特異な値を示す建設機械を、異常であると判断する異常判断手段と
    を具え、
    前記異常判断手段によって異常であると判断された建設機械に対して異常処理を行うようにしたこと
    を特徴とする建設機械の管理装置。
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