JP4769382B2 - 移動体の管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械などの移動体で発生した故障等の異常を判断しその判断結果に応じて修理等の異常処理を行うことで移動体を管理する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、ダンプトラック、ブルドーザ、ホイールローダなどの建設機械は、施主が要求する工期までに完工するように工事現場などで連続して稼動されることが多い。このため建設機械で故障等の異常が発生した場合には修理等を迅速に行い極力ダウンタイムを短くする必要がある。しかも建設機械は高価であり、プール地に保管している機種、台数、レンタルに供される機種、台数が限られていることから、代替えの建設機械を即座に工事現場に投入することは難しい。
【0003】
また建設機械は現状では初期の販売額とほぼ同額のサービス費用(パーツ代、工賃等)が必要でありサービス費用が高コストになっている。
【0004】
このため建設機械で発生する故障等の異常を早期に事前に正確に判断して、部品を早期に手配したり修理を迅速に行うことが、サービス費用のコストの低減を図り、工事現場等における稼働率を向上させる上で必要となる。たとえばエンジンが重大な損傷を受ける前に適切な部品を交換したり調整を行えばサービス費用を低減でき、修理に要する時間も短くなる。
【0005】
そこで従来はサービスマン(保守員)が建設機械まで出向き、目視で確認するか若しくは建設機械にパーソナルコンピュータを接続することによって建設機械内部のメモリに書き込まれた建設機械に関するデータをダウンロードすることで建設機械に関する情報(サービスメータの計時値、燃料消費量、エンジン回転数など)を取得するようにしていた。そして複数の建設機械から収集されたデータを建設機械のメーカの管理部のコンピュータのメモリに記憶格納させることで、複数の建設機械を管理するようにしていた。
【0006】
しかしこの方法は人手により情報を収集しているため、建設機械の数が多数になるほど情報収集は煩雑なものとなり情報収集の作業効率は良くないという問題がある。
【0007】
そこで近年は、特開平8−144312号公報(以下第1公報)、特開平11144312号公報(以下第2公報)にみられるように、建設機械の情報の取得を人手に頼ることなく通信手段を用いて自動的に行う試みがなされている。
【0008】
第1公報記載の発明は、建設機械の稼動状態の検出データ、検出データに基づくエラーコード、目視によるエラーコードを、通信装置を介してメーカなどの管理部に送信し管理部側の表示画面にエラーコードを表示することで人手により建設機械の異常を判断し、修理等をサービスマンに依頼するというものである。
【0009】
一方第2公報記載の発明は、建設機械の稼動状態の検出データに基づくエラーコードと、エラーコード直前の検出データつまりスナップショットデータを一時的に建設機械に設けたメモリに記憶し、メモリに記憶されたデータを通信装置を介してメーカなどの管理部に送信し管理部側でエラーコードとスナップショットデータから建設機械の異常を自動的に判断し、異常であると判断された場合に修理等をサービスマンに依頼するというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
第1公報、第2公報記載の発明によれば、エラーコードが発生しこれを管理者が受け取れば建設機械で何らかの異常が発生したものと推認される。
【0011】
しかしエラーコードは必ずしも真の異常(故障など)を意味するものではない。すなわちエラーコードは建設機械の内部のコントローラで生成される。コントローラは安全性を高めるために僅かな異常であってもエラーコードを生成するような規格で製造されている。たとえば建設機械が下り坂等でオーバーランした場合を想定する。この場合エンジン回転数が過回転になるたびに、実際にはエンジン損傷、ブレーキ損傷等の異常が発生していないにもかかわらず、オーバーランを示すエラーコードが生成されてしまう。そしてこのエラーコードを受け取った管理者が真の異常であると判断して、現場にサービスマンを派遣したとしても実際には修理を要するほどの緊急度を要する異常ではなかったという事態が数多く発生している。
【0012】
逆にコントローラを、真に異常が発生したときのみにエラーコードを生成するような規格にすると、軽微な異常発生を事前に見逃してしまい、建設機械で致命的な損傷(たとえばエンジンブロー)を生じてから修理にとりかかるような事態となり、ダウンタイムが多大なものになるおそれがある。
【0013】
以上のように従来技術によればエラーコードが生成されることをもって異常であると一義的に判断しているため、エラーコードの生成の基準を低く見積もれば緊急度の低い状態であるにもかかわらず真の異常であると判断したり、逆にエラーコードの生成の基準を高く見積もれば、軽微な異常発生を見逃してしまうという問題があった。
【0014】
しかも、建設機械は油圧ショベル、ダンプトラック、ブルドーザ、ホイールローダ等々と、その機種は多岐にわたり、型式の違いも含めれば、その種類は膨大な数にわたる。
【0015】
建設機械の種類によって、生成されるエラーコードの種類(故障の種類)も異なる。管理者によっては、多種類にわたる建設機械のエラーコードの内容個々に熟知しているわけではなく、エラーコードをみただけで、その建設機械にとって真の異常であるか否かを判断できないことが多い。また建設機械の種類毎にエラーコードの種類、内容が異なるため、多種類にわたる建設機械に対して、均質なサービスを提供することが難しいのが現状である。
【0016】
また複数の建設機械で種々生成されるエラーコードを選別することなく全てのエラーコードを管理者側に送信することは、通信コストの増大を招く結果になる。
【0017】
そこで本発明は、複数(複数種類)の移動体について統一的な基準を設け、この基準に達したエラーコードのみを管理者側に送信するようにして、真の異常(故障など)であるか否かの判断を容易に行えるようにするとともに、通信コストを抑えることを解決課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段および効果】
第1発明は、
複数の移動体から、これら複数の移動体を管理する側に設けられた端末装置に対して情報を送信可能に、前記複数の移動体と前記端末装置とを通信手段によって接続し、前記複数の移動体から当該移動体の状態を示す情報を、前記端末装置に送信し、前記端末装置は、送信された情報に基づいて前記複数の移動体を管理するようにした移動体の管理装置において、
自己の移動体の状態が異常値に達した場合に、異常値に達した異常状態を識別する異常状態識別データを出力する異常状態識別データ出力手段と、
自己の移動体で発生する異常状態の種類毎に、重要度を複数のレベルにランク付けして、一定レベル以上の異常状態識別データを、前記端末装置に送信すべき異常状態識別データとして設定する設定手段と
を前記複数の移動体それぞれに設け、
前記複数の移動体それぞれは、前記異常状態識別データ出力手段から出力される異常状態識別データが、前記設定手段で設定された一定レベル以上である場合に、その異常状態識別データを、自己の移動体から前記端末装置に送信するようにしたことを特徴とする。
【0019】
第2発明は、第1発明において、
前記端末装置から前記複数の移動体に対してレベル変更指令を送信することによって、前記設定手段の設定内容を変更すること
を特徴とする。
【0020】
第1発明によれば、図1、図3に示すように、自己の移動体33の状態(冷却水温)が異常値(冷却水オーバーヒート)に達した場合に、異常値に達した異常状態を識別する異常状態識別データ(「冷却水オーバーヒート」のエラーコード)を出力する。自己の移動体33で発生する異常状態の種類(「冷却水オーバーヒート」、「作業機角度センサ断線」、「エンジン回転規格外」、「油圧ポンプ異常」)毎に、重要度を複数のレベルA、B、Cにランク付けして、一定レベル以上(B以上)の異常状態識別データ(「冷却水オーバーヒート」、「エンジン回転規格外」、「油圧ポンプ異常」の各エラーコード)を、端末装置11に送信すべき異常状態識別データとして設定する。そして移動体33は、出力された異常状態識別データ(エラーコード)が、設定された一定レベル以上(B以上)である場合に、その異常状態識別データ(「冷却水オーバーヒート」、「エンジン回転規格外」、「油圧ポンプ異常」の各エラーコード)を、自己の移動体33から端末装置11に送信する。他の移動体31、32についても移動体33と同様に、同じ一定レベル以上(B以上)の異常状態識別データ(エラーコード)のみを端末装置11に送信する。
第2発明によれば、端末装置11から複数の移動体31、32、33に対してレベル変更指令を送信することによって、移動体31、32、33から送信されるべき異常状態識別データ(エラーコード)のレベルがたとえば「B以上」から「A以上」に変更される。
【0021】
以上のように第1発明、第2発明によれば、複数(複数種類)の移動体について統一的な基準を設け、この基準に達した異常状態識別データ(エラーコード)のみを管理者側に送信するようにしたので、真の異常(故障など)であるか否かの判断を容易に行うことができる。また異常状態識別データ(エラーコード)すべてを送信した場合に比較して、送信すべきデータ量が少なくなるので通信コストを抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る移動体の管理装置について説明する。なお実施形態では、移動体として建設機械を想定し、油圧ショベル、ブルドーザ、ダンプトラックを代表させて説明する。
【0023】
図1は実施形態の建設機械を管理する管理装置(管理システム)を示している。本実施形態では建設機械のメーカ10で生産される多数の建設機械として、31(ダンプトラック)、32(油圧ショベル)、33(ブルドーザ)を代表させて示している。
【0024】
まず図1の管理システムの構成、通信形態について説明する。
【0025】
図1に示すように建設機械31、32、33の通信端末と、複数の端末装置14、51、61と、サーバ装置11は相互に通信衛星5、インターネット1、イントラネット13などの通信装置によって相互に通信可能に接続されている。なおインターネットとは、複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)をゲートウエイ、ブリッジにより相互に通信自在に接続した世界的通信網のことである。インターネットは電子メール(インターネットを介して送受信する「手紙」)、WWW(ワールドワイドウエブ;インターネット上の情報検索システム)などのサービスを提供している。イントラネットとはインターネットの技術に基づき構築された企業内通信網のことである。
【0026】
サーバ装置11は、本実施形態の管理システムで行われるサービス(以下管理情報提供サービス)を提供する。サーバ装置11は建設機械のメーカ本社10に設けられている。
【0027】
サーバ装置11はデータベース12を備えている。後述するようにデータベース12は、建設機械31、32、33を管理するために必要な建設機械のオンボード情報Dを記憶する。
【0028】
メーカ本社10内には端末装置14が設けられている。サーバ装置11と端末装置14とは相互に送受信可能にイントラネット13により接続されている。
【0029】
サーバ装置11と各端末装置51、61とは相互に送受信可能にインターネット1により接続されている。
【0030】
建設機械31、32、33の通信端末とサーバ装置11は通信衛星5を介して双方向に送受信可能に接続されている。通信は無線の通信回線6によって行われる。
【0031】
サーバ装置11はインターネット1、通信衛星5、イントラネット13との間のデータの入出力を管理するとともに、データベース12に記憶されたオンボード情報Dに基づいて、建設機械31、32、33を構成する各コンポーネントの健康状態(損傷状態)を監視したりメンテナンス(点検)したり改修(修理)したりするのに適切な管理情報に加工する。なお建設機械はエンジン、トランスミッション、油圧ポンプ等の各コンポーネントから構成されている。
【0032】
端末装置51は建設機械31、32、33を販売し点検、修理等のサービスを行う代理店50に設けられている。端末装置51は代理店50のサービス部門に設けられている。
【0033】
端末装置61は建設機械31、32、33をレンタルまたはリース(貸与)するリース/レンタル会社60に設けられている。本実施形態ではリース/レンタル会社60が建設機械31、32、33の所有者であると仮定する。
【0034】
本実施形態ではメーカ10の端末装置14側の管理者、代理店50の端末装置51側のサービスマン、リース/レンタル会社60の端末装置61側の社員が、サーバ装置11で提供される管理情報提供サービスを受けるものとする。各端末装置14、51、61にはそれぞれサーバ装置11から提供される管理情報を表示する表示装置が設けられている。
【0035】
つぎに図1の管理システムにおける情報の流れについて説明する。
【0036】
建設機械31、32、33では、オンボード情報Dが収集される。
【0037】
オンボード情報Dとは建設機械31、32、33に取り付けられた各種センサ41の検出信号を入力してコントローラ40で収集される情報のことである。オンボード情報Dは、センサ41の検出信号が異常値を示した(センサの断線も含む)ときに生成されるエラーコード、その他建設機械内部で取得される情報のことである。
【0038】
センサ群41を構成するセンサの種類は、各建設機械31、32、33毎に異なる。したがってエラーコードの種類も、各建設機械31、32、33毎に異なる。
【0039】
代表的なセンサとこのセンサの検出信号から生成されるエラーコードを、図3を併せ参照して説明する。
【0040】
建設機械31(ダンプトラック)には、エンジンの冷却水の温度を検出するセンサ、エアフィルタの目詰まりを検出するセンサ、バッテリへの充電電圧を検出するセンサ、ワイパの異常を検出するセンサなどが設けられている。したがって建設機械31で生成されるエラーコードは、「冷却水オーバーヒート」、「エアフィルタ目詰まり」、「充電不良」、「ワイパ異常」となる。
【0041】
建設機械32(油圧ショベル)には、エンジンの冷却水の温度を検出するセンサ、圧力センサ(圧力センサの断線を検出するセンサ)、ルームライトのスイッチ(ルームライトの断線を検出するセンサ)、電磁弁の短絡を検出するセンサなどが設けられている。したがって建設機械32で生成されるエラーコードは、「冷却水オーバーヒート」、「圧力センサ断線」、「ルームライト断線」、「電磁弁短絡」となる。
【0042】
建設機械33(ブルドーザ)には、エンジンの冷却水の温度を検出するセンサ、作業機の角度を検出するセンサ(角度センサの断線を検出するセンサ)、エンジン回転数を検出するセンサ、油圧ポンプの異常を検出するセンサなどが設けられている。したがって建設機械32で生成されるエラーコードは、「冷却水オーバーヒート」、「作業機角度センサ断線」、「エンジン回転規格外」、「油圧ポンプ異常」となる。
【0043】
また各建設機械31、32、33には、サービスメータが設けられている。サービスメータはエンジンの稼動時間を計時する。
【0044】
また各建設機械31、32、33には、GPSセンサが設けられている。GPSセンサはGPS衛星から送信される電波を受信して、自己の建設機械の絶対位置を検出する。
【0045】
また各建設機械31、32、33には、カレンダ、タイマが設けられている。
【0046】
カレンダ、タイマは、年、月、日、時刻(時、分、秒)を計時する。
【0047】
建設機械31、32、33内のコントローラ40ではセンサ群41の検出値に基づきオンボード情報Dが収集され、記憶される。すなわち建設機械31、32、33の車体内にはコントローラ40と他のコントローラとがシリアル通信が可能となるように信号線によってデジーチェーン状に接続されており、車体内ネットワークを構成している。車体内のコントローラ間の信号線を介して所定のプロトコルのフレーム信号が伝送される。フレーム信号が各コントローラ間に伝送されるとフレーム信号に記述されたデータに従い各コントローラに接続されたアクチュエータ(油圧ポンプ、ガバナ、制御弁など)に駆動信号が出力されこれらアクチュエータが駆動制御されるとともに、各コントローラに接続されたセンサ群41で検出された検出データあるいは機器内部の情報を示すデータが取得されフレーム信号に記述される。こうしてコントローラ40にはフレーム信号を介してセンサ群41の検出値のデータが取り込まれる。センサの検出値が異常値に達した場合にはエラーコードが生成される。
【0048】
たとえば冷却水温が所定値のしきい値以上になった場合には「冷却水オーバーヒート」を示すエラーコードが生成される。
【0049】
建設機械31、32、33の通信端末とサーバ装置11との間では通信衛星5を介して無線の通信回線6によって相互に送受信がなされる。これによって建設機械31、32、33内で取得されたオンボード情報Dは無線通信回線6、通信衛星5を介してサーバ装置11に送信される。
【0050】
オンボード情報Dのうちエラーコードをサーバ装置11へ送信する基準は、以下に示す重要度レベルによって定められる。
【0051】
重要度レベルA:重大な故障が発生しているので、すぐに建設機械を停止させる必要がある。
【0052】
重要度レベルB:このまま運転を継続すると重大な故障が発生するので、作業を停止させる必要がある。
【0053】
重要度レベルC:性能が低下する異常が発生しているので、点検、整備が、必要。
【0054】
重要度レベルD:軽微な異常が発生している。
【0055】
各エラーコードには、重要度レベルA、B、C、Dが対応づけられている。
【0056】
この対応づけを図3に示す。各建設機械31、32、33のコントローラ40では、エラーコードと重要度レベルとの対応関係が設定されている。
【0057】
本実施形態では、重要度レベルB以上、つまり重要度レベルBとAのエラーコードのみをサーバ端末11へ送信するように、コントローラ40で「送信の基準レベル」が設定されている。
【0058】
コントローラ40では、エラーコードが生成されると、そのエラーコードに対応づけられている重要度レベルが「B」以上であるか否かが判断され、「B」以上である場合には、そのエラーコードを送信すべく通信端末に送る。そして、通信端末から、そのエラーコードをオンボード情報Dとして送信する。
【0059】
オンボード情報Dをサーバ装置11へ送信するタイミングは、以下のとおりである。
【0060】
1)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成される毎に、その生成をトリガにして建設機械31、32、33はそのエラーコードを自動送信する。
【0061】
2)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成される毎に、その生成をトリガにして建設機械31、32、33は自動送信するが、同じ日に2回以上同じエラーコードが生成された場合には2回以降のエラーコードは自動送信しない。
【0062】
3)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成する毎に、そのエラーコードを記憶しておき、たとえばサービスメータが24時間計時する毎に、まとめて、建設機械31、32、33はその記憶データを自動送信する。
【0063】
4)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成する毎に、そのエラーコードを記憶しておき、たとえばカレンダ、タイマで1日が計時される毎に、まとめて、建設機械31、32、33はその記憶データを自動送信する。
【0064】
5)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成する毎に、そのエラーコードを記憶しておき、サーバ装置11からの要求に応じて、建設機械31、32、33は記憶したエラーコードをまとめて返信する(自動送信しない)。
【0065】
6)重要度レベルが「B」以上のエラーコードが生成する毎に、そのエラーコードを記憶しておき、その記憶データを携帯用端末装置(ノート型パーソナルコンピュータ、PDAなど)にダウンロードしてインターネット1を経由してサーバ装置11に送信する(自動送信しない)。
【0066】
情報の早さ、情報量、通信コスト等を勘案して、上記1)〜6)のうち、いずれかのタイミングで、オンボード情報Dがサーバ装置11へ送信される。
【0067】
サーバ装置11へ送信されるオンボード情報Dには、エラーコードの他、サービスメータ計時値SMR(エンジン稼動時間)、GPSセンサ検出値(建設機械31、32、33の位置)、カレンダ、タイマの計時値(年、月、日、時刻)を含ませることができる。この場合、サーバ装置11へ送信されるGPSセンサ検出値は、エラーコードが生成された時点の建設機械31、32、33の位置のデータであり、サーバ装置11へ送信されるカレンダ、タイマの計時値は、エラーコードが生成された時点の年、月、日、時刻のデータである。またサーバ装置11へ送信されるサービスメータ計時値SMRは、エラーコードが生成された日あるいはエラーコードが生成されるまでの建設機械31、32、33のエンジン稼動時間のデータである。
【0068】
サーバ装置11のデータベース12には各端末装置14、51、61の表示画面上で、オンボード情報Dを加工した管理情報を検索する処理を行うためのWebページ(先頭ページに続くリンクされた一連のページで構築されているリンク構造のデータであり、インターネット1、イントラネット13における情報画面の意味で使用する)が格納されている。
【0069】
サーバ装置11は各端末装置14、51、61からの要求に応じてデータベース12に記憶された内容をこれら端末装置に提供するとともに、あるいは所定の端末装置から入力されたデータに応じてデータベース12の記憶内容を書き換える。すなわち各端末装置14、51、61からデータベース12の記憶データをアクセスすることにより、端末装置の表示画面上でWebページを表示させ管理情報提供サービスを受けることができる。
【0070】
各端末装置14、51、61はサーバ装置11のデータベース12の記憶データをアクセスすると、端末装置の表示画面上で、以下のような情報を得ることができる。
【0071】
a)図3において重要度レベルが「B」以上となっているエラーコード
b)図3において重要度レベルが「B」以上となっているエラーコードと、そのエラーコードが生成された時点の年、月、日、時刻
c)図3において重要度レベルが「B」以上となっているエラーコードと、そのエラーコードが生成された時点の建設機械31、32、33の位置
d)図3において重要度レベルが「B」以上となっているエラーコードと、そのエラーコードが生成された日あるいはエラーコードが生成されるまでの建設機械31、32、33の稼動時間(サービスメータ計時値SMR)
また重要度が「B」であるか「A」であるかという情報も、エラーコードに対応づけて、表示することができる。
【0072】
したがって、これら表示された情報に基づいて、端末装置14側の管理者は、「建設機械31、32、33の運転をこのまま運転を継続すると重大な故障が発生する」(重要度レベルB)、あるいは「建設機械32、33で重大な故障が発生している」(重要度レベルA)と容易に判断でき、作業の停止を建設機械31、32、33に対して指示したり(重要度レベルB)、すぐに建設機械を停止するように、建設機械32、33に対して指示するなど、的確な指示を与えることができる。
【0073】
端末装置51側のサービスマンも同様な判断を行うことができ、迅速にサービスを行うことができる。
【0074】
端末装置61側の社員も同様な判断を行うことができ、所有している建設機械のサービスを迅速に依頼することができる。
【0075】
ただしデータの積み重ね等によって、実際の故障内容と重要度レベルとの間にずれが生じた場合には、オンボード情報Dをサーバ装置11へ送信する基準となる重要度レベルを変更することができる。
【0076】
たとえば送信の基準レベルを、「B」から「A」に変更することができる。この場合、サーバ装置11は、「送信の基準レベルをAに変更する」ことを示すデータを無線通信回線6、通信衛星5を介して各建設機械31、32、33に送信する。
【0077】
このため各建設機械31、32、33のコントローラ40で「送信の基準レベル」が「A」に設定し直される。以後建設機械31、32、33側からは重要度レベルが「A」のエラーコードのみがサーバ装置11へ送信されることになる。
【0078】
同様にして送信の基準レベルを「C」に変更して、重要度レベルC以上、つまり重要度レベルCとBとAのエラーコードのみをサーバ端末11へ送信してもよく、送信の基準レベルを「D」に変更して、重要度レベルD以上、つまり重要度レベルDとCとBとAのエラーコードをサーバ端末11へ送信してもよい。
【0079】
また異常状態を更に詳しく診断するために、サーバ装置11から特定の建設機械に対して、現在の送信基準レベルよりも低いレベルのデータを送信するように要求することもできる。
【0080】
たとえば現在の送信基準レベルが「B」であるとすれば、サーバ装置11は建設機械31に対して、「重要度レベルCのエラーコードを送信せよ」とのデータを無線通信回線6、通信衛星5を介して、送信する。
【0081】
このため建設機械31のコントローラ40から重要度レベルがC以上のエラーコードが読み出され、サーバ装置11へ送信されることになる。
【0082】
なお本実施形態では、重要度レベルを4段階(A、B、C、D)に分割しているが、これは一例であり、5段階以上に分割してもよく、3段階以下に分割してもよい。
【0083】
また実施形態では図3に示すようにブルドーザ、油圧ショベル、ダンプトラックといった機種毎に、エラーコードと重要度レベルとの対応づけを行っているが、同じ機種であっても型式が違う場合にはエラーコードの種類が異なることがある。このため更に型式毎に、エラーコードと重要度レベルとの対応づけを行うようにしてもよい。
【0084】
以上のように本実施形態によれば、複数(複数種類)の建設機械について統一的な基準を設け、この基準に達したエラーコードのみを管理者側に送信するようにしたので、真の異常(故障など)であるか否かの判断を容易に行うことができる。またエラーコードすべてを送信した場合に比較して、送信すべきデータ量が少なくなるので通信コストを抑えることができる。また建設機械の種類いかんによらず重要度が等しいエラーコードが収集されるので、多種類にわたる建設機械に提供するサービスの質を均質化することができる。
【0085】
ところで本実施形態の建設機械31、32、33側からサーバ装置11側への通信は通信衛星5による無線通信回線6にて行われる。一般に通信衛星5によるデータの通信は通信の即時性を確保しようとすると情報量に制約がある。たとえば1回の通信当たりの情報量のサイズは1kバイト以下に制約される。しかも通信料金が高いという問題がある。
【0086】
そこで図1に示す通信形態に代えて図2に示すように地上波を利用した通信形態を採用してもよい。
【0087】
すなわち図2に示す実施形態では、図1に示す通信衛星5の代わりに地上波基地局2を経由して通信が行われる。地上波基地局2はたとえば携帯基地局である。
【0088】
すなわち建設機械31、32、33の通信端末と地上波基地局2との間で、パケット通信による無線通信6が行われる。地上波基地局2は、バケット通信ネットワーク3の一部を構成している。パケット通信ネットワーク3はゲートウエイ4、専用線5を介してイントラネット13に接続している。ゲートウエイ4はパケット通信のプロトコルとイントラネット13のプロトコルとのプロトコル変換を行うものであり、既存の「インターネット接続サービス」を利用することができる。
【0089】
また携帯基地局に代えて、PHS基地局としてもよい。
【0090】
また建設機械は地下で作業することも考えられる。この場合既存の衛星通信の設備でデータ通信を行う場合には、通信障害が発生する。
【0091】
そこで、地下の建設機械と地上の通信衛星5との通信を確保する中継局を新たに設置し、この中継局を経由してデータ通信を行うようにしてもよい。
【0092】
また建設機械31、32、33とサーバ装置11との間の通信回線を、2以上冗長に設ける実施も可能である。このように通信回線を冗長に設けることによって、通信不可能と判断される確率をきわめて小さくすることができる。
【0093】
また本実施形態では、建設機械を想定しているが、本発明は、一般の自動車、二輪車等、各種移動体を管理する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の建設機械の管理装置の全体構成を示す図である。
【図2】図2は図1の通信形態の変更例を示す図である。
【図3】図3はエラーコードと重要度レベルとの対応関係を示す図である。
【符号の説明】
1 インターネット
5 通信衛星
6 無線通信回線
7 インターネット
11 サーバ装置
12 データベース
14、51、61 端末装置
31、32、33 建設機械
Claims (3)
- 複数の移動体から、これら複数の移動体を管理する側に設けられた端末装置に対して情報を送信可能に、前記複数の移動体と前記端末装置とを通信手段によって接続し、前記複数の移動体から当該移動体の状態を示す情報を、前記端末装置に送信し、前記端末装置は、送信された情報に基づいて前記複数の移動体を管理するようにした移動体の管理装置において、
自己の移動体の状態が異常値に達した場合に、異常値に達した異常状態を識別する異常状態識別データを出力する異常状態識別データ出力手段と、
前記異常状態識別データを記憶する記憶手段と、
自己の移動体で発生する異常状態の種類毎に、重要度を複数のレベルにランク付けするとともに、異常状態識別データを前記端末装置に送信する基準となる送信基準レベルを設定する設定手段と
を前記複数の移動体それぞれに設け、
前記複数の移動体それぞれは、前記異常状態識別データ出力手段から出力される異常状態識別データに対応する異常状態の重要度が、前記設定手段で設定された送信基準レベル以上である場合に、その異常状態識別データを、自己の移動体から前記端末装置に送信するとともに、
前記端末装置から特定の移動体に対して、現在の送信基準レベルよりも低いレベルの異常状態識別データの送信を要求する指令を送信し、
前記特定の移動体は、当該指令を受信することによって記憶手段から、対応する異常状態識別データを読み出して、端末装置に送信すること
を特徴とする移動体の管理装置。 - 前記端末装置から前記複数の移動体に対して、前記送信基準レベルを変更する指令を送信することによって、前記設定手段で設定される送信基準レベルが変更されること
を特徴とする請求項1記載の移動体の管理装置。 - 前記設定手段は、機種毎に異常状態識別データと送信基準レベルとの対応づけを設定すること、あるいは、同機種で型式毎に異常状態識別データと送信基準レベルとの対応づけを設定すること
を特徴とする請求項1または2記載の移動体の管理装置。
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