JP4829027B2 - 自動二輪車の車輪速センサ取付構造 - Google Patents
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Description
マスタシリンダとABSモジュレータ、およびABSモジュレータとキャリパは、ブレーキホースを介してそれぞれ接続されており、コントロールユニットからの電気信号によってABSモジュレータ内のソレノイドバルブが開閉動作し、この開閉によってブレーキ液の通る通路を切り替えて、キャリパの液圧をコントロールしている。
なお、この環流式ABSでは、コントロールユニットとABSモジュレータとが一体になっており、1つのユニットで前後輪のブレーキコントロールができるという特徴を有している。
この構成によれば、ホイールハブの外側部分に、大きな円筒状のブレーキディスク取付け部及び車輪速センサロータ取付け部を設ける必要がなく、取付けボスにブレーキディスクを取り付けることができるとともに、補強リブに車輪速センサロータを取り付けることができる。
この構成によれば、ブレーキディスク及び車輪速センサロータの取付に影響を与えない箇所で、凹部の分だけホイールの重量をさらに軽くすることができる。
この構成によれば、補強リブの延在方向の長さを放射線状に形成するよりも長くすることができる。
この構成によれば、ブレーキ制動時に取付けボスに作用する力に対して、効果的に補強することができる。
この構成によれば、スポークとホイールハブとの結合部の肉厚を厚くすることができる。
また、前記補強リブは、前記取付けボスの高さより若干低い突出高さを有していてもよい。
さらに、補強リブが、取付けボス及びホイールハブを結ぶ放射状に延びる線に対して交差する角度に形成されていることにより、放射状に延びる補強リブと比べて、補強リブを長く形成することができるので、補強の効果を高めることができる。
さらにまた、補強リブと反対側のホイールハブの外側面であって、スポークが結合する位置に、スポークと連続する突起を設けることにより、スポークとの結合部のホイールハブの肉厚を突起の分だけ厚くすることができる。その結果、結合部の強度を大きくすることができる。
このスクータ型車両10は、車体前側部分であって、車体フレームFの前端にヘッドパイプ13が設けられ、このヘッドパイプ13に図示せぬステアリングシャフトが回転自在に取り付けられている。このステアリングシャフトの下端には、フロントフォーク15が取り付けられ、このフロントフォーク15の下端に前輪17が取り付けられている。また、ステアリングシャフトの上端には、ハンドルポスト19が一体的に設けられ、このハンドルポスト19の上端には、ハンドル21が取り付けられ、このハンドル21の先端にハンドルグリップ23が設けられている。
また、車体フレームFは、センターフレーム29の下端から略水平に後方へ延び、左右のサイドフレーム27に連結された左右のフレーム33と、左右のサイドフレーム27に固定された左右のサイドプレート35と、左右のサイドプレート35に取り付けられ、後方斜め上側へ略円弧状に延びた後に、更に上方に延びて左右のサイドフレーム27の上部に連結された左右のリヤサブフレーム37とで構成されている。
車輪のロック傾向を回避するための環流式ABS200は、左右のブレーキレバー22の基端部にそれぞれ設けられたマスタシリンダ201と、車体前側に取り付けられたABSモジュレータ202と、前輪17及び後輪42の近傍にそれぞれ取り付けられた前輪用キャリパ203及び後輪用キャリパ303と、前輪17及び後輪42の回転状態(回転速度)をそれぞれ検出する前輪側の車輪速センサロータ204(図3及び図4参照)及び後輪側の車輪速センサロータ304(図10参照)、前輪側の車輪速センサ205(図4参照)及び後輪側の車輪速センサ305(図11参照)とで構成されている。
ABSモジュレータ202は、ヘッドパイプ13(図1参照)の前側であって、車体前方を覆うフロントカバー101の裏側に配置されている。このABSモジュレータ202は、ブレーキホース211を介して前輪側のキャリパ203と接続されると共に、ブレーキホース311を介して後輪用キャリパ303とそれぞれ接続されている。また、このABSモジュレータ202は、前輪用車輪速センサ205及び後輪用車輪速センサ305と信号線212,312を介して接続されている。
コントロールユニットは、車輪速センサ205、305からの信号を受けて、前輪及び後輪のロック傾向をそれぞれ検出し、ソレノイドバルブの開閉を制御するようになっている。
ソレノイドバルブは、前輪用と後輪用とに別れてセットで配置されており、コントロールユニットからの信号がOFFのときには通路を開き、信号がONのときにはコイルに電流が流れ、磁力によってマスタシリンダとキャリパ間の通路を閉じるようになっている。
また、リザーバは、ブレーキ液の液圧を減圧するときに、キャリパ側の高圧のブレーキ液を流入させて、キャリパ203、303の液圧を下げるようになっている。
前輪17は、図3に示すように、前輪用ホイール400の外周にタイヤ401を取り付けて構成されている。この前輪用ホイール400の回転中心には、ホイールハブ402(詳細は図5参照)が形成されており、このホイールハブ402には、左右のフロントフォーク15に亘って設けられた車軸403が挿通されている。また、この前輪用ホイール400の車体左側の側面には、円板状のブレーキディスク404及び車輪速センサロータ204が取り付けられている。このブレーキディスク404及び車輪速センサロータ204は、前輪用ホイール400の回転軸と同一の回転中心となるように取り付けられ、前輪用ホイール400と一緒に回転する。この車輪速センサロータ204には、円周方向に間隔をあけて複数の孔204aが形成されている。
この前輪用ホイール400は、主に、外周部を構成するリム部410と、車軸403(図3及び図4参照)が挿通されるホイールハブ402と、このホイールハブ402の外周部からリム部410の内周部まで延在し、円周方向に間隔を開けて配置された6本のスポーク411とで構成されている。なお、この前輪用ホイール400の走行時の回転方向を、図5の矢印413で示す。
図5に示す6本のスポーク411は、リム部410及びホイールハブ402との関係において、この特定するスポークXと同様の位置関係を有すると共に、スポークXと同様の形状を有している。
図5に示す6つの補強リブ430は、リム部410及びホイールハブ402との関係において、この特定するスポークXの補強リブと同様の位置関係を有すると共に、同様の形状を有している。
6本のスポーク411の右側面411bには、図8及び図9に示すように、補強リブ430の反対側の位置に、補強リブ430の長手方向に略沿った凹部431がそれぞれ形成されている。
後輪42は、図10に示すように、車体左側に位置する無段変速機Mによって車軸部分の一部が隠れるようになっている。この後輪42は、前輪17と同様に、後輪用ホイール500と、タイヤ(図示せず)と、後輪用車輪速センサロータ304と、ブレーキディスク(図示せず)とを備えており、この後輪42の近傍の車体側には、後輪用キャリパ303(図2参照)と、後輪用車輪速センサ305とが取り付けられている。
なお、後輪用車輪速センサロータ304は、前輪用車輪速センサロータ204と同じ構造であり、円周方向に間隔をあけて複数の孔が形成されている。
後輪用車輪速センサ305は、図11に示すように、無段変速機Mのクランクミッションケースに取り付けられており、詳細には、後輪軸501の上方に位置するように取り付けられている。この後輪用車輪速センサ305は、図12に示すように、通常はプロテクタ503が取り付けられて保護されている。
後輪用車輪速センサ305と後輪用車輪速センサロータ304との位置関係は、前輪の場合と同様であり、車輪速センサロータ304の複数の孔と所定の隙間をあけて対向する位置に、車輪速センサ305が取り付けられている。また、車輪速(回転状態)の検知方法についても前輪の場合と同じである。
後輪用ホイール500は、前輪用ホイール400と同様に、外周部を構成するリム部510と、後輪軸501(図11及び図12参照)が挿通されるホイールハブ502と、このホイールハブ502の外周部からリム部510の内周部まで延在し、円周方向に間隔を開けて配置された6本のスポーク511とで構成されている。
さらに、補強リブ430が、取付けボス420及びホイールハブ402を結ぶ放射状に延びる線に対して交差する角度に形成されていることにより、放射状に延びる補強リブ430と比べて、補強リブ430を長く形成することができるので、補強の効果をさらに高めることができる。
さらにまた、補強リブ430と反対側のホイールハブ402の外側面であって、スポーク411が結合する位置に、スポーク411と連続する突起440を設けることにより、スポーク411との結合部のホイールハブ402の肉厚を突起440の分だけ厚くすることができる。その結果、結合部の強度を大きくすることができる。
本実施の形態では、車輪速センサロータ204、304の構成を、円板状のディスクに複数の孔を形成したもので説明したが、車輪速を検知することができるものであれば、他のロータ構造であっても適用することができる。例えば、従来技術で例示した特許文献1では、ホイールハブ外側のボスに形成した凹溝の側壁部にロータを取り付けているが、本発明の技術的思想を用いれば、補強リブ430の側壁面に同様のロータを取り付けて構成することができる。
13 ヘッドパイプ
15 フロントフォーク
17 前輪
21 ハンドル
22 ブレーキレバー
42 後輪
101 フロントカバー
201 マスタシリンダ
202 ABSモジュレータ
203 前輪用キャリパ
204 前輪用車輪速センサロータ
205 前輪用車輪速センサ
210、211 ブレーキホース
212、312 信号線
303 後輪用キャリパ
304 後輪用車輪速センサロータ
305 後輪用車輪速センサ
311 ブレーキホース
400 前輪用ホイール
401 タイヤ
402 ホイールハブ
404 ブレーキディスク
411 スポーク
412 法線
413 回転方向
420 取付けボス
421 ねじ穴
430 補強リブ
431 凹部
440 突起
441 ねじ穴
500 後輪用ホイール
501 後輪軸
502 ホイールハブ
511 スポーク
513 回転方向
530 車輪速センサロータ取付け部
531 ねじ穴
540 ブレーキディスク取付け部
541 ねじ穴
F 車体フレーム
M 無段変速機
X 特定のスポーク
Y 基端部
Z 終端部
Claims (6)
- ホイールハブと、前記ホイールハブから放射状に延びる複数のスポークとを有するホイールを備え、前記ホイールには、ブレーキディスクと、前記ホイールと共に回転し、車体側に固定された車輪速センサにより車輪速を検知する車輪速センサロータとを備えた自動二輪車の車輪速センサ取付け構造において、
前記スポークには、前記ブレーキディスクが取り付けられる取付けボスと、この取付けボス及び前記ホイールハブを連結する補強リブとを形成し、この補強リブに前記車輪速センサロータを取り付けたことを特徴とする自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。 - 前記補強リブが設けられるスポークの反対側に、補強リブに略沿った凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。
- 前記補強リブが、取付けボス及びホイールハブを結ぶ放射状に延びる線に対して交差する角度に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。
- 前記補強リブが、ホイールハブから取付けボスに延びるに従い、走行時のホイール回転方向反対向きに湾曲することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。
- 前記補強リブと反対側のホイールハブの外側面であって、前記スポークが結合する位置に、スポークと連続する突起が設けられたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1つに記載の自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。
- 前記補強リブは、前記取付けボスの高さより若干低い突出高さを有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の自動二輪車の車輪速センサ取付け構造。
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