JP5506222B2 - モータ駆動車両 - Google Patents
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Description
本発明の目的は,上記課題を解決し,モータのための配線の自由度を向上させることができるモータ駆動車両を提供することにある。
車体前方から見て,前記ホイールハブを車体中心より一側側のみで前記車輪軸に回転可能に支持し、
前記ホイールハブに,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に対する他側側に開口した環状端部を設け,
前記他側側には,前記車体側固定部材を設け,該車体側固定部材に,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に開口した環状端部を設け,
前記ホイールハブの環状端部と車体側固定部材の環状端部とを,車体側固定部材の環状端部をホイールハブの環状端部の外周側に位置させて前記車輪軸の軸線方向において重ね,その重なり部をホイールの幅内に配置し、該重なり部において,ホイールハブと車体側固定部材との間にシールを設けたことを特徴とする。
このモータ駆動車両によれば,ホイールハブが車体中心より一側側のみで車輪軸に回転可能に支持されているので,このホイールハブは,前記車体側固定部材に対して回転可能に支持する必要がない。
したがって,車体側固定部材の形状の自由度が上がり,結果として,モータのための配線を通すことができるスペースも大きくできるので,配線の自由度が向上する。
また、前記ホイールハブに,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に対する他側側に開口した環状端部を設け,
前記他側側には,前記車体側固定部材を設け,該車体側固定部材に,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に開口した環状端部を設け,
前記ホイールハブの環状端部と車体側固定部材の環状端部とを,前記車輪軸の軸線方向において重ね,その重なり部において,ホイールハブと車体側固定部材との間にシールを設けた構成としたので、ホイールハブを車体側固定部材に対して回転可能に支持しなくても,ホイールハブの環状端部と車体側固定部材の環状端部とが,車輪軸の軸線方向において重なっていて,その重なり部において,ホイールハブと車体側固定部材との間にシールが設けられることで,モータをホイールハブと車体側固定部材とで保護することができる。
望ましくは,前記モータのロータを,ワンウェイクラッチを介して前記ホイールハブと連結する。
このように構成すると,駆動輪回転(車速)がモータの回転よりも速い場合,モータの回転よりホイールハブの回転が速くなるので,モータが負荷になることがなく,制動時には制動力をモータの回転に加えることができる。
さらに望ましくは,前記ロータに動力伝達部材を連結し,該動力伝達部材の外周部においてホイールハブとの間に前記ワンウェイクラッチを設けた構成とする。
このように構成すると,前記車輪軸の軸線方向に関し,ロータとホイールハブとの連動機構をコンパクトに構成できる。
また望ましくは,前記配線は,前記車体側固定部材における,前記ホイールハブとの重なり部以外の部位において,車体側固定部材に挿通した構成とする。
このように構成すると,配線挿通部を容易に密封できる。
また望ましくは,前記配線はフロントフォークの後方で車体側固定部材に挿通し,フロントフォークに沿わせて配置した構成とする。
このように構成すると,配線がフロントフォークで保護されやすくなるので,断線が発生しにくくなる。
図1は本発明に係るモータ駆動車両の一実施の形態を示す側面図,図2は要部を示す正断面図である。
この実施の形態のモータ駆動車両10は自動二輪車であり,車体をなすフレーム11を有している。このフレーム11の前端を構成するヘッドパイプ12に操舵自在にフロントフォーク20が取付けられ,このフロントフォーク20の上部にバーハンドル14が取付けられている。フロントフォーク20の下端に前輪30が取り付けられている。フレーム11の内側にはエンジン15が固定されている。エンジン15には吸気装置15iと排気装置15oとが接続されている。フレーム11の後部には,左右一対のスイングアーム16がピボット軸13で上下スイング自在に取り付けられており,このスイングアーム16の後端部に後輪17が取り付けられている。後輪17は,エンジン15により図示しないチェーンやドライブシャフト等の駆動伝達手段を介して駆動される。18はリヤクッションユニットであり,上端がフレーム11の後部上部に連結されるとともに下端がリンク機構18bを介してスイングアーム16の下部と車体フレーム11の後部下部とに連結されている。
図2において,40がモータである。
モータ40は,ステータ41とロータ42とを有していて前輪30の駆動源を構成する。前輪30は,左右のフォーク,この場合,左右のフロントフォーク20L,20Rの間で車輪軸21に回転可能に支持されている。モータ40は,前輪30のホイールハブ31内に配置されている。
一方,前記他側側には,車体の一部をなすフロントフォーク20Lに固定されていてモータ40のステータ41が固定される車体側固定部材60が設けられている。車体側固定部材60には,車輪軸21回りに関しモータ40のロータ42の外周よりも外方において前記一側側に開口した環状端部60eが設けられている。
そして,前記ホイールハブ31の環状端部31eは,前記車体中心Cを越えて他側側に延出されており,車輪軸21の軸線方向(図2において左右方向)において車体側固定部材60の環状端部60eと重なっている。
モータ40のロータ42は,ワンウェイクラッチ70を介してホイールハブ31と連結されている。ロータ42は車輪軸21上に回転可能に支持した動力伝達部材80に連結することで,車輪軸21上に回転可能に支持されており,動力伝達部材80の外周部においてホイールハブ31との間に前記ワンウェイクラッチ70が設けられている。
前記車輪軸21は,アクスルボルトで構成され,フロントフォーク20L,20Rの先端にアクスルナット21nで固定される。
車輪軸21上には,図2において右側から,上記車体側固定部材60,アクスルカラー22,ボールベアリング23,ディスタンスカラー24,ボールベアリング23,ホイールディスタンスカラー25,ボールベアリング26,およびサイドカラー27が装着され,上記アクスルナット21nでフロントフォーク20L,20R間において共締めされて固定されている。
車体側固定部材60内には,前記モータ40のステータ41がソケットボルト62で固定されている。
なお,図2において電力線43は下方へ向けて引き出されているが,これは図1における切断面を展開して示しているためで,実際には,図1に示すように上方に向かって引き出されている。信号線44sについても同様である。
ホイールハブ31は,図2において左側(制動機構50が設けられている側)から,順次径が大きくなる第1筒状部31a,第2筒状部31b,第3筒状部31cを一体的に有しており,第1筒状部31aが前記ボールベアリング26を介して車輪軸21に支持され,第2筒状部31bが前記ボールベアリング83を介して動力伝達部材80のフランジ部82に支持されている。
(a)ホイールハブ31が車体中心Cより一側側のみで車輪軸21に回転可能に支持されているので,このホイールハブ31は,車体側固定部材60に対して回転可能に支持する必要がない。
したがって,車体側固定部材60の形状の自由度が上がり,結果として,モータ40のための配線43,44sを通すことができるスペースも大きくできるので,配線の自由度が向上する。
(d)ロータ42に動力伝達部材80を連結し,該動力伝達部材80の外周部においてホイールハブ31との間にワンウェイクラッチ70を設けたので,車輪軸21の軸線方向に関し,ロータ42とホイールハブ31との連動機構をコンパクトに構成できる。
(f)配線(43,44s)はフロントフォーク20Lの後方で車体側固定部材60に挿通し,フロントフォーク20Lに沿わせて配置したので,配線がフロントフォークで保護されやすくなり,断線が発生しにくくなる。
この実施の形態が,上述した実施の形態と異なる点は,ワンウェイクラッチ70に代えダンパ71を介して,ロータ42の動力をホイールハブ31へ伝達するように構成した点にあり,その他の点に変わりはない。
図4に示すように,動力伝達部材80の円筒部85に,半径方向へ伸びるトルク伝達部86を設けるとともに,ホイールハブ31における第1筒状部31aの内面に,半径方向へ伸びるトルク伝達部36を設け,これらトルク伝達部86,36の間にラバーダンパ71を介在させてある。
この実施の形態によっても,上述した(a)(b)(e)(f)の作用効果が得られる。また,上述した作用効果(d)と同様の作用効果,すなわち,
(d’)ロータ42に動力伝達部材80を連結し,該動力伝達部材80の外周部においてホイールハブ31との間にダンパ71を設けたので,車輪軸21の軸線方向に関し,ロータ42とホイールハブ31との連動機構をコンパクトに構成できる。
という作用効果が得られる。
さらにこの実施の形態によれば,モータ40のロータ42を,ダンパ71を介してホイールハブ31と連結したので,ロータ42とホイールハブ31との連動機構をコンパクトに構成できる。また,モータ40のロータ42とホイールハブ31(したがって前輪30)とがともに回転するので,制動機構50に加え,回生ブレーキを採用することも可能となる。
10 モータ駆動車両
11 車体フレーム
20 フロントフォーク
21 車輪軸
30 駆動輪
31 ホイールハブ
31e 環状端部
40 モータ
41 ロータ
42 ステータ
43 電力線
44s 信号線
50 制動機構
60 車体側固定部材
60e 環状端部
70 ワンウェイクラッチ
Claims (5)
- ステータとロータとを有していて駆動源となるモータをホイールハブ内に配置した駆動輪を,左右のフォーク間で車輪軸に回転可能に支持し,前記ステータを,車体に固定された車体側固定部材に設け,前記ロータを,前記車輪軸に回転可能に支持し,前記モータのための配線を,前記車体側固定部材に通すモータ駆動車両であって,
車体前方から見て,前記ホイールハブを車体中心より一側側のみで前記車輪軸に回転可能に支持し、
前記ホイールハブに,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に対する他側側に開口した環状端部を設け,
前記他側側には,前記車体側固定部材を設け,該車体側固定部材に,前記車輪軸回りに関し前記モータのロータ外周よりも外方において前記一側側に開口した環状端部を設け,
前記ホイールハブの環状端部と車体側固定部材の環状端部とを,車体側固定部材の環状端部をホイールハブの環状端部の外周側に位置させて前記車輪軸の軸線方向において重ね,その重なり部をホイールの幅内に配置し、該重なり部において,ホイールハブと車体側固定部材との間にシールを設けたことを特徴とするモータ駆動車両。 - 前記モータのロータを,ワンウェイクラッチを介して前記ホイールハブと連結したことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動車両。
- 前記ロータに動力伝達部材を連結し,該動力伝達部材の外周部においてホイールハブとの間に前記ワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする請求項2記載のモータ駆動車両。
- 前記配線は,前記車体側固定部材における,前記ホイールハブとの重なり部以外の部位において,車体側固定部材に挿通したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のモータ駆動車両。
- 前記配線はフロントフォークの後方で車体側固定部材に挿通し,フロントフォークに沿わせて配置したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のモータ駆動車両。
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