JP4790966B2 - 構造疾患の検出方法、構造疾患マーカーのアッセイ、診断キット、構造変化調節化合物の同定方法、プリオンタンパク質の病原性形態の検出方法、及びβ−アミロイドタンパク質の病原性形態の検出方法 - Google Patents

構造疾患の検出方法、構造疾患マーカーのアッセイ、診断キット、構造変化調節化合物の同定方法、プリオンタンパク質の病原性形態の検出方法、及びβ−アミロイドタンパク質の病原性形態の検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は構造疾患(conformational disease)の、試料内の係る疾患のマーカー(即ち病原性の構造体(pathogenic conformer))についてアッセイすることによる診断又は検出の為の方法に関連する。この方法は病原性の構造体のレベルを増加するサイクル増幅系を含んで成る。詳しくは、そのような構造疾患はプリオン性の脳炎でありうる。
【0002】
発明の背景
構造疾患は、見掛け上相互には無関係な疾患の群であるが、それらに共通の分子状の開始及び自己会合の機構を反映する臨床像、その結果としての組織の沈着及び損傷において著しい類似性を有する疾患の群である。
【0003】
構造的な注目は、これらの多様な疾患が各々、特徴としてタンパク質の凝集及び組織の沈着につながる、基礎となるタンパク質における異常な構造的な変化により生じる事実が理由である。医学上、これら構造疾患はこの分子機構を反映し、そして一般的には、正常なタンパク質において変化が生じる時は緩徐且つ潜行性の開始である。しかし不安定なタンパク質の変異体において変化が生じる時には一層急激に始まる。係る構造疾患の特に有意な2つの例は、先進国における絶大なる医療制度を脅かす、感染性海綿状脳症及びアルツハイマー痴呆である(Carrell ら、1997を見本として参照のこと)。
【0004】
感染性海綿状脳症(TSE)はプリオン病としても公知であり、ヒト及び動物に害を及ぼす神経変性性の疾患の群の1つである。ヒトにおける、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クールー、ゲルストマン−シュトロイスラー−シェイカー病(GSS)及び致死性家族性不眠症(FFI)、並びに動物におけるスクレイピー及び海綿状脳症(BSE)もある種のTSE疾患(Prusiner , 1991)である。
【0005】
これらの疾患はヒトにおいては比較的稀ではあるが、食物連鎖を介してのヒトに対するBSEの感染の危険性が、公共の保健機関及び科学固体の注目を引いている(Cousensら、1997、Bruceら、1997)。
【0006】
これらの疾患は極端に長い潜伏期間、しかる後の明確且つ不可避な致命的な臨床上の疾患に特徴がある(Roosら、1973)。現在迄有効な治療法はない。
【0007】
前記疾患の主要な特徴は、異常な形をしたPrPScという名のタンパク質であり、それは、PrPC と呼ばれる正常なタンパク質の翻訳後に修飾を受けた型である(Cohen及びPrusiner, 1998)。PrPイソ型(Stahlら、1993)及び変形型を識別する化学的な差異は検出されておらず、正常なタンパク質のα−ヘリックス含有量が減少し、そしてβ−シートの量が増加する立体構造の変化に関連するようだ(Pan ら、1993)。構造的な変化には、しかる後に生物化学的な特性における変化が続く。即ち非変性性のデタージェント中でPrPC は可溶性、PrPScは不溶性であり、プロテアーゼによってPrPC は容易に消化される一方PrPScは一部が残り、「PrPres」(Baldwinら1995;Cohen及びPrusiner, 1998)、「PrP27−30」(27−30kDa )又は「PK−耐性」(プロテイナーゼK耐性)形態として公知の、N−末端トランケーション断片の形成をもたらす。
【0008】
現在、TSEに対する正確な診断法はない(WHO報告、1998、Budka ら、1995、Weber ら、1997)。プリオン病に対する診断試験開発の試みは、PrPScに対する見掛け上の免疫応答の欠除により妨害されている。CJDの臨床診断法は現在、亜急性進行性痴呆(2年未満の)、ミオクローヌス、及び多巣性神経性機能障害(multifocal neurological dysfunction)の特徴的周期性脳電図(cheracteristic peniodic electroencephalogram)(EEG)を伴う組み合わせに基づいている。しかしながら、変異型CJD(vCJD)、大部分のCJDの医原性形態及び約40%の散発性のケースでは、EEGの異常性を持たない(Steinhoff ら1996)。CJDに関して約60%が臨床診断法の精度の平均であり、尚他のプリオンに関係した疾患については非常に変化しやすい。臨床診断法は明らかに症状が進行した疾患の最終段階にのみ一層正確である(Weber ら、1997)。
【0009】
遺伝分析は、遺伝性のプリオン病の診断について有用であるが、これらのケースは15%のみである。ニューロイメージング(Newroimaging)は、脳の構造的な損傷により急速に進む痴呆の症状を排除することにのみ有用である(Weber ら、1997)。研究成果を、疾患の段階に主に依存したコンピュータ断層撮影法(CT)及び磁気共鳴映像法(MRI)による脳の画像により得た。CTは感度に乏しく且つ初期には80%のケースで萎縮は検出されない(Galvez及び Cantien, 1983)。MRIの超極度信号は萎縮に加え基底神経節中でも検出されている(Onofrji ら、1983)。CTにより撮らえた変化同様、これらの変化は決して具体的ではない。
【0010】
CJDにおいて上昇するいくつかの神経性、星状細胞及びグリア細胞タンパク質を同定しているのが最近のデータである(Jimiら、1992)。タンパク質S−100神経に特異的なイソ酵素及びユビキチンは疾患の初期段階において、脳脊髄液(CSF)中で有意に増加し、疾患を通じての濃度が減少をする(Jimiら1992)。神経細胞死のマーカー、14−3−3タンパク質は散発性CJDに対する特異的且つ敏感な試験として提案されて来た(Hsich ら、1996)。しかしながら、rCJDの診断用には有用ではなく、遺伝性の形態における特異性はない。他の症状を有する患者のCSF中に14−3−3タンパク質が存在しうるので、WHOによって、当該診断法はCDJに対する一般的な検査として推奨されてはおらず、そして臨床診断法を支持するのに保留されている(WHO報告、1998)。
【0011】
臨床データと生物化学マーカーを組み合わせることによって、診断におけるより高い成功が達成される。しかしながら、現在European Surveillance of CJDにおいて用いられている手術診断(operational diagnosis)に従い、神経病理学試験及び免疫組織化学的な、ヒストブロット(histblot)か又はウェスタンブロットによるPrPScの検出によってのみ確実な診断法が確立されている(Weber ら、1997, Badlkaら、1995)。
【0012】
PrPScの形成は、疾患の最も高い原因のみならず、最も良く知られたマーカーでもある。組織及び細胞中のPrPScの検出は、疾患及びTSE伝染性の存在、並びにTSE伝染性の不活性化又は除去同様にPrPScを除去する治療にも、幅広く関連する。ヒト又は動物の組織中でのPrPScの同定は、TSE診断の為の鍵であると考えられている(WHO 報告、1998)。この方法に対する1つの重要な限定は感度である。その理由は、PrPScの量が疾患の後期段階でのCNS中でのみ(汎用の方法による検出用に十分)高いからである。しかしながら、疾患の最も初期の段階では、PrPSc(低量)の全身的な分配が、特にリンパ細網系においてあることが証明されている(Aguzzi, 1997)。確かに、vCJD患者より得た上顎の扁桃組織及び虫垂においてのPrPScの存在が報じられている(Hillら1997)。疾患の経過においてどれだけ初期かは知られていないが、扁桃又は虫垂の生検はvCJD診断法において用いることができ、スクレーピーに遺伝的に感染しやすい羊において、PrPScは症状が現れる前に、そして潜伏期の初期に扁桃組織において検出できうる。しかしながら、PrPScは散発性CJD又はGSSのいずれの場合においても現時点でこれらの組織中では検出されていない(Kawashim ら、1997)。
【0013】
正常なタンパク質は、白血球及び血小板中で発現しており、故に影響を受けた個体において、ある血液細胞はPrPScを含んでいても良い(Aguzzi 1997)。これでCJD用の血液試験の可能性が高まるが、これには現在利用可能なものよりも、より非常に感度の程度が高いアッセイが必要であろう。
【0014】
プリオンの複製は、感染した接種材料中のPrPScが特異的に宿主PrPC と相互作用し、タンパク質の病原性形態へのその転換を触媒した時に生ずることが仮説立てられている(Cohen ら、1994)。この過程は臨床症状を誘発するのに十分な濃度の、PrPScに至るのに多くの月〜年を要する。
【0015】
PrPScの感染性の単位はβ−シートに富むオリゴマー構造のようだ。それは通常のタンパク質を統合し、それを増殖する集合体に転換する(図1)。転換は、精製したPrPC と、予め変性させたPrPScの50倍過剰の分子を混合することにより、in vitroで再現されている(Kociskら、1994)。
【0016】
現時点で記載したin vitro転換系は効率が低い。何故なら、過剰のPrPScが必要であるが故に、未検出量のマーカーを観測できないので診断用には有用ではないからだ。低効率の理由は、PrPScオリゴマー(転換単位)の数がアッセイの過程を通じて固定されたままであることである。転換単位は最後迄連続して伸び、そして結果としてより大きくなるが、数における増加はない(図1)。
【0017】
本発明の詳細な説明
我々は現在の構造疾患の診断又は検出の為の方法を発見している。ここにおいて、前記疾患は、基礎となるタンパク質の非病原性及び病原性の構造体間の構造的な変化に特徴がある。その方法は:
(i)前記試料を所定量の非病原性の構造体と接触させ;
(ii)段階(i)の間に最終的に形成された任意の集合体を分解し;そして
(iii) 試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定すること
を含んで成る。
【0018】
一般的に、病原性の構造体は前記疾患の存在のマーカーであって良い。
【0019】
好適に段階(i)は、前記試料/非病原性の構造体をインキュベートする、段階(ia)を含んで成る。
【0020】
本発明の好適な実施態様に従い、段階(iii) を行う前に2回以上繰り返されるサイクルを段階(ia)及び(ii)を形成する。前記サイクルは5〜40回、最も好適には5〜20回繰り返されるのが一層好ましい。
【0021】
検出又は診断される構造疾患は、基礎となるタンパク質の構造的な変化に特徴があるものである。この「基礎となるタンパク質」は非病原性の構造及び病原性の構造をとることができるタンパク質である。係るタンパク質のある例は、プリオンタンパク質、PrPである。係るタンパク質の更なる例は、アルツハイマー病に関連するタンパク質、即ちβ−アミロイドタンパク質である。
【0022】
診断又は検出される構造疾患は、好適に伝染性の構造疾患、例えば(背景の節において定義したような)TSEである。
【0023】
TSEの診断及び本発明の好適な実施態様に係る場合、疾患のマーカー並びに病原性の構造体はPrPScである。他方、注目のタンパク質の非病原性の構造体はPrPC である。
【0024】
段階(i)(及び任意的に段階(ib))中で用いられている、非病原性の構造体の量は一般的に既知の量であって良いが、もし単に病原性の構造体の存在又は不在を明らかにしたいのならばこれは必須ではない。
【0025】
好適に、段階(i)(及び任意的段階(ib))中で用いられている、非病原性の構造体の量は過剰な量であって良い。一般的に、非病原性の構造体の、(もし試料中に存在すれば)病原性の構造体に対する割合は、100:1超、好適には1000:1超、そして最も好適には1000000:1超である。
【0026】
本発明の更なる好適な実施態様において、段階(i)中の非病原性の構造体は、健常な個体の脳のホモジネート中に存在する且つ/又は段階(i)を行う前にそれに添加されて良い;故に、この場合、(好適には既知の)過剰の非病原性の構造体を含有する脳ホモジネートを段階(i)の間に加えている。好適に、同種由来の健常な個体の脳のホモジネートから分析する試料が来る(ヒトの試料に対してヒトの脳のホモジネートが分析され、ラットの試料由来のラットの脳のホモジネートが分析される)。一層好適には、非病原性の構造体は、脳のホモジネートの特定の画分、例えば脳のホモジネート由来のリピド−ラフト(lipid-raft)中に存在している。係る画分の調製は Sargiacomo M ら、1993中に記載があるように行うことができうる。
【0027】
従って、本発明は、組織又は組織の画分が、段階(i)において非病原性の構造体に添加されている、本明細書中で記載した方法か又はアッセイに更に関連する。好適に、組織は健常な個体(即ち、病原性の構造体が存在しない者)由来の脳組織か又はそれらの形態から生じたホモジネートもしくは画分である。
【0028】
PrPC でグリコシル化されてない形態は、好適にPrPSc形態へと転換されることが報じられている(Kocisko ら、1994)。詳しくは、ホスファチジルイノシトールに特異的なホスホリパーゼCで処理したPrPC は通常、完全に、一層大量にグリコシル化したPrPC よりも病原性の形態への転換に有効であった。故に、本発明の更なる好適実施態様は、本明細書中で記載した方法又はアッセイに関連する。ここにおいて、非病原性の構造体は、野性型のPrPC に比べてグリコシル化(詳しくはNに関連したグリコシル化)のレベルを下げたPrPC である。好適に、PrPC は本明細書中で記載した方法及びアッセイ中で非病原性の構造体として用いる前に、ある、全部又は有意な量のグリコシル化を除去するのに処理されている。そして一層好ましくは、非病原性の構造体は基本的にグリコシル化されていないPrPC である。
【0029】
TSEの診断の場合、病原性形態の集合体が試料中に存在するならば、段階(i)の間、それらはPrPC →PrPScへの転換を誘導し、そして段階(ii)の間、係る集合体は、それぞれが尚も他のPrPC の転換を誘導できる、より小さな感染性の単位に分解されるだろう。本明細書中でこの種類の方法を「サイクル増幅」といい、そしてそれを図2に表している。この系は、容易に検出できうる最終的に試料中に存在するPrPScの量における指数的増加をもたらす。本発明の更なる好適な実施態様に従い、故に、既知量のPrPC から開始して、アッセイの最後で試料内に存在するPrPScの量の特定し、そして行ったサイクルの数を考慮することで、試料中に最初に存在するPrPScの量を計算することが可能である。
【0030】
反対に、もし試料中にPrPSc(それ自体又は集合体の形態)が存在しないならば、PrPScへ転換されるPrPC 分子はないだろうし、そして、アッセイの最後でマーカーは完全に不在(試料中で検出される病原性の構造体はない)であろう。
【0031】
PrPScの伝染性の単位は、β−シートに富んだオリゴマーである。これは、正常なタンパク質を統合することにより増殖する集合体に転換でき、ここでそれが異常な形態に関連する特性(プロテアーゼ耐性及び不溶性)を得ることが示されている(Jarrett及び Lansbury, Jr., 1993, Caugheyら1997)。2つのPrPの形態のインキュベーション後、オリゴマー種は、PrPC 分子を収集すること及び形質転換することによってその大きさを増す。この過程は最後迄成長する決まった数のオリゴマーに依存するので、効率が低い。転換する単位の数は、それらがより大きくなるのみの場合、反応の過程で増加することはない。この過程は感染の後に動物又はヒトの体内において生じる数月又は数年さえも要する過程であると考えられている。本発明において、我々はオリゴマーをより小さいものに分解し、次いで各々がPrPC を転換できる方法を記載する。
【0032】
故に、系は、様々な組織又は生物学的流体において本来検出不能な量のPrPScを増幅することによる、構造疾患、詳細には伝染性の構造疾患、例えばTSEの診断に対する直接的な用途を有している。前記系はTSEが進行する危険にある人々の早期の同定を可能にして良く、そして又臨床治験の間のTSEを治療する化合物の効果を生物学的に追跡するのにもとても有用でありうる。
【0033】
本発明の好適な実施態様に従い、分析される試料は「前処理」段階に掛けられる。これは、検出されるべき病原性の構造体の試料中での「選択的濃縮」の目的が有る。TSEの場合、PrPC 及びPrPScはどちらも原形質膜の特殊な領域に局在することが報じられている。それは、コレステロール及びグリコスフィンゴリピドの比較的高い含有率により、温和なデタージェント(例えば氷冷Triton X−100)処理に対しては耐性がある(M. Veyら、1996)。これらの膜領域をリピドラフトもしくはデタージェント耐性膜(detergent-resistant membrares)(DRM)もしくはカベオラ様領域(CLD)といい、シグナルタンパク質、受容体及びGPIが係留したタンパク質(GPI-anchored protein)に富む。我々は、脳中のPrPC の100%が総タンパク質の<2%を含むこの画分に付着していることを確認している(実施例6及び図7を参照のこと)。従って、試料からのリピド−ラフトを単離する単純な段階はPrPC における劇的な濃縮を可能にする。PrPScがラフト中に回収された、スクレーピー脳ホモジネートからのリピド−ラフトの単離において、同様の結果が出願人によって得られた。
【0034】
従って、本発明の実施態様は、試料中の病原性の構造体を選択的に濃縮する為の、分析される試料が受ける前処理段階を伴う。病原性の構造体がPrPScでありそして前処理は、温和なデタージェント中で不溶性である画分の試料からの抽出であるのが好ましい。
【0035】
段階(i)及び(ia)は生理学的な条件(pH、温度及びイオン強度)下で行われるのが好ましく、そして一層好ましくは、プロテアーゼ阻害物質及びデタージェントも又溶液に添加されているのが好ましい。条件は、もし試料中に存在するなら、任意の病原性の構造体が、非病原性の構造体を病原性の構造体に転換することを可能にし、従って病原性の構造体の集合体か又はオリゴマーを形成するように選択されるだろう。適切な生理学的条件は当業者に直に分かるだろう。
【0036】
インキュベーションの長さは、試料が病原性の構造体を含んでいると仮定して、非病原性の構造体のある、全て又は有意な部分が病原性の構造体に転換される時間であって良い。時間は容易に当業者によって決定可能であろう。好適に、各インキュベーションは1分〜4時間、最も好適には30分〜1時間、そして特に好適には約60分でありうる。
【0037】
インキュベーション段階(ia)は又更に、更なる量の非病原性の構造体の添加を含んで成る段階(ib)を含んで成って良い。
【0038】
様々な方法が、本発明の段階(ii)の方法の間の集合体を分解する為に用いることができうる。それらは:溶媒(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、グアニジン、尿素、トリフルオロエタノール、希釈したトリフルオロ酢酸、希釈した蟻酸等)での処理、pH、温度、イオン強度、誘電定数のような溶液の物理化学的な特性の変更、及び物理的な方法、例えば音波処理、レーザー照射、凍結/融解、フレンチ・プレス(French press)、オートクレーブインキュベーション、高圧、撹拌、穏やかなホモジネーション、他の種類の照射等が挙げられる。音波処理は本発明の好適な方法である。
【0039】
分解は、段階(ii)の間に形成された集合体のある、全て、又は有意な部分を分解する時間に渡り行われて良い。いずれの分解段階においても、集合体の全てが分解される必要はない。このように、転換単位の数は各分解段階において増加する。
【0040】
分解時間は当業者によって容易に決定され、そしてそれは用いた分解の方法に依る。好適に、分解は1秒〜60分、最も好ましくは5秒〜30分であり、そして特に好ましくは、5秒〜10分に渡り行われている。もし音波処理による分解が行われるならば、音波処理は好適に5秒〜5分、最も好適には5〜30秒に渡り行われる。
【0041】
音波処理はかつて、いくつかの方法の一部として、巨大な集合体の溶解度を増す目的でPrPを精製するのに用いられていたが、in vitroでPrPの転換を増幅する為の記載はされていない。
【0042】
典型的な単一プローブの音波処理器は、診断試験を必要とするので、多くの試料を同時に扱うことに関する問題を課す。ある96−ウェル型のマイクロプレート音波処理器であって、同時に全てのウェルに対する音波処理を担い、自動操作の為のプログラムを組むことができうる音波処理器が市場にある。これらの音波処理器は容易に本発明の診断法中で用いるのに応用できうる。
【0043】
従って、本発明のある実施態様は、マルチウェル音波処理器の、段階(ii)における利用に関連する。
【0044】
新たに転換された病原性の構造体、例えば、PrPScの検出、段階(i)〜(ii)において記載したサイクル増幅手順後の(iii) は、公知の方法に従って行うことができうる。PrPScの特異的な検出は通常(しかしいつもではない、以下を参照のこと)2つのPrPイソ型(正常なタンパク質及び病原性のタンパク質)の分離の第一段階によって行われている。分離は、体内の大部分の正常なタンパク質とPrPScを識別する、その特有の生物化学的特性:PrPScはプロテアーゼ処理に部分的に耐性があり、そして非変性性のデタージェントの存在においてさえも不溶性である、に基づいて行われている。故に、増幅手順後の第一段階は通常、プロテアーゼでの処理かもしくは可溶性(PrPC )を不溶性(PrPSc)のタンパク質から分離する遠心による試料中のPrPC の除去もしくは分離である。従って、PrPScの検出は、とりわけ、以下のいずれの方法により行うことができうる。
【0045】
A)SDS−PAGE後の免疫ブロッティング。これは当業者に周知の通常の手順及びいくつかの商業的に入手できる抗PrP抗体を用いることにより行われる。
【0046】
B)イライザアッセイ。固相検出は、試料がプレート上に装填されそしてPrP抗体を用いてPrPScの量が後で検出される単純アッセイ、か又は一層好適には最後に第2の抗PrP抗体を用いて検出される、試料からPrPを特異的に捕える抗PrP抗体で最初にプレートが覆われたサンドイッチイライザを用いて行われて良い。2つのイライザの形態は、更に検出の感度を高めるのに標識(放射能、蛍光、ビオチン等)した抗PrP抗体でも又用いることができうる。
【0047】
C)放射能活性によるアッセイ。増幅手順の為に基質として用いた正常なPrPC は、手順の開始前に放射能標識(3H、14C、35S、125I等)されて良く、そして転換しなかったPrPC の除去後、新たに転換したPrPScの放射能を定量できうる。この方法は一層定量的であり、且つ抗体の利用に頼らない。
【0048】
D)蛍光アッセイ。増幅手順の為に基質として用いた正常なPrPC は方法の開始前に蛍光プローブで標識されて良く、そして転換しなかったPrPC の除去後、新たに転換したPrPScの蛍光を定量できうる。2つのイソ型の異なる構造によりPrPC 及びPrPScの蛍光特性は異なりうるので、蛍光アッセイは転換しなかったPrPC の除去を要さないことが可能である。
【0049】
E)集合アッセイ。PrPSc(そしてPrPC ではない)は、アミロイド原繊維又は棒型構造の形成を統合することができるのは周知である。故に、PrPScの検出は、これらの型の集合体の形成を定量するのに用いた方法、例えば電子顕微鏡検査、特殊な染量(コンゴレッド、チオフラビンS及びT等)での染色、及び濁度アッセイを用いることにより行うことができうる。集合アッセイは2つのイソ型の分離を要さない。なぜなら、正常なPrPC は集合しないことが知られているからだ。
【0050】
F)構造アッセイ。正常と病原性のPrP間の最も重要な違いは、それらの二次及び三次構造である。故に、タンパク質の構造的な評価を可能にする方法、例えばNMR、円偏光二色性、フーリエ変換赤外分光器、ローマン分光器、元来ある蛍光(intrisic fluorescence)、UV吸収率等を用いることができうる。
【0051】
最も広く使用されているPrPモノクローナル抗体は「3F4」(Kascsak ら、1987)であり、ハムスターの263K PrPres(プロテアーゼ耐性構造体)で免疫化したマウス由来のモノクローナル抗体である。この抗体は又ウシ、マウス、ラット、羊又はウサギの脳以外のハムスター及びヒト由来の非病原性の構造体も認識でき、又、タンパク質の変性後以外のみに、ヒトの病原性の構造体も結合できる。
【0052】
係る抗体はマーカーの容易な検出を可能にするのに標識されて良い。例えばユウロピウムで標識した3F4抗体による時間分解蛍光測定法が数名の科学者により用いられて来た(Safan ら、1998)。
【0053】
上記の検出の方法は他の病原性の構造体、例えばβ−アミロイドタンパク質の病原性形態の検出の為に用いられて良い。
【0054】
代わりの実施態様において、過剰に添加した非病原性の構造体は、標識されて良く且つ検出しやすくて良い。それは、アッセイの最後で、集合しなかった構造体の量で、最初に試料中に存在する病原性の構造体の量の特定を可能にするようにするためだ。
【0055】
更に代わりの実施態様に従い、病原性の構造体(マーカー)はそれに対して特異的な抗体で直接検出できうる。
【0056】
広義の意味において、標識又は標識した部分は、行われるアッセイの種類に依り病原性の構造体、非病原性の構造体、又は1つの構造体に対する抗体に付け加えられて良い。
【0057】
本発明の他の目的は、構造疾患のマーカーのアッセイである。構造疾患は、試料内の基礎となるタンパク質の、非病原性及び病原性の構造体間の構造的な変化に特徴がある。このアッセイは以下の段階を含んで成る。(i)前記試料を所定量の非病原性の構造体に接触させ、(ii)最終的に段階(i)の間に形成された任意の集合体を分解し、そして(iii) 試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定すること。概して、前記病原性の構造体は前記疾患の存在のマーカーであって良い。
【0058】
好適に、段階(i)は、前記試料/非病原性の構造体をインキュベートする段階(ia)を含んで成る。
【0059】
本発明の好適な実施態様に従い、段階(ia)及び(ii)は、段階(iii) を行う前2回以上繰り返されるサイクルを形成する。一層好ましくは、前記サイクルは、5〜40回、そして最も好ましくは5〜20回繰り返される。
【0060】
本発明の更なる目的は、特定のアッセイ中で用いる為の診断キットである。それは、所定量の非病原性の構造体、及び任意的には加えて、マイクロタイタープレート及びマルチウェル音波処理器を含んで成る。
【0061】
本発明の方法を用いることで、最初に試料中に存在する、3〜30×10-20 分子に相当する、1〜10fgの病原性の構造体を検出することが可能である。
【0062】
概して試料は生物学的な試料かもしくは組織であって良く、そして係る任意の生物学的な試料かもしくは組織は本発明の方法でアッセイできうる。組織の場合、本発明のアッセイ及び方法はホモジネート上でか又は直接ex vivo試料に対して行われても良い。概して方法及びアッセイはex vivoか又はin vivo試料に対して行えるだろう。好ましいのは、前記試料が生物学的流体、例えば血液、リンパ、尿、又は乳;脳の組織、脊髄、扁桃組織もしくは虫垂組織;血液由来の試料、例えば血液細胞のゴースト(blood cell ghosts )もしくは軟膜標本;又は原形質膜の標本、例えばリピド−ラフト、デタージェント耐性膜もしくはカベオラ様領域である。代わりに、試料は、ヒト又は動物資源由来の化合物(特にタンパク質)例えば成長ホルモン、もしくは下垂体抽出物のような組織抽出物を含んで成る組成物であって良い。係る試料組成物は、病原性の構造体により汚染されて良い。
【0063】
試料は又食料製品もしくは飲料、又は(ヒトにより消費又は動物により消費される予定の)食料製品もしくは飲料の一部を、その製品もしくは飲料中の病原性の構造体の存在もしくは不在を確かめるのに、含んで成っても良い。
【0064】
好適に、段階(i)において添加された非病原性の構造体は、試料として同じ種を形成するだろう。例えば、試験される生物学的試料の健常(即ち非病原性の)形態(組織等)から生じる。代わって、非病原性の構造体は当業界で公知の方法を用いて、合成又は組換えによって生産されて良い。しかし、非病原性の構造体は純粋である必要がないか又は実質上純粋な形態であって良いものと解されるだろう。多くの場合、非病原性の構造体は組織のホモジネートか又はその画分であって、当該非病原性の構造体を含む形態にあるだろう。好適な例は脳のホモジネート及びその形態による断片、例えばリピド−ラフトが挙げられる。
【0065】
好適に、試料及び/又は非病原性の構造体は、ヒト由来又は家畜動物、例えばウシ、羊、ヤギもしくはネコ由来であって良い。
【0066】
本発明の他の目的は、基礎となるタンパク質の非病原性及び病原性の構造体間の構造的な変化を調節する化合物を同定する為の方法を供することであり:(この方法は)(i)前記化合物の存在及び不在下で所定量の非病原性の構造体を所定量の病原性の構造体と接触させ、
(ii)最終的に段階(i)の間に形成された任意の集合体を分解し、
(iii) 前記化合物の存在及び不在下で前記病原性の構造体の量を特定すること
を含んで成る。
【0067】
もし望まれれば、好適に段階(i)は、前記試料/非病原性の構造体をインキュベートする段階(ia)を含んで成って良く、そして本発明の方法及びアッセイに関して記載したように段階(ia)〜(ii)間でサイクルを実行する。
【0068】
もし化合物の存在において測定した病原性の構造体の量が、不在における測定よりも多ければ、これは当該化合物が構造的な変化を「触媒する」因子であることを意味し;もし係る量がより低ければ、当該化合物は係る変化を阻害する因子であることを意味する。
【0069】
上記の方法に従い、「同定すること」は又一連の化合物の「スクリーニングすること」の意味に解釈されるべきでもある。
【0070】
「標識」又は「標識する部分」はタンパク質を検出する為の手段として用いた任意の化合物であって良い。標識もしくは標識する部分はイオン性もしくは共有結合の相互作用、水素結合、静電気的相互作用もしくは相互作用を介してタンパク質に結合しうる。標識又は標識する部分の例は、限定ではないが、蛍光染料結合体、ビオチン、ジゴキシゲニン、ラジオヌクレオチド(radionucleotides)、化学発光物質、酵素及び受容体が挙げられる。従って、標識したタンパク質の検出は、蛍光、ストレプトアビジン及び/又はアビジンへの結合、放射能又は化学発光、酵素及び/又はリガンド−受容体相互作用の定量による。蛍光又は燐光性の標識が好ましい。
【0071】
用語、「構造疾患」は、タンパク質の集合及び標識の沈着につながる、基礎となるタンパク質の異常な構造的な変化の伝播により生ずる疾患の群をいう。係る疾患は又、誘導された構造的変化、病原性の構造体からその正常又は非病原性の構造体への伝播によっても伝達されて良く、そしてこの場合、それらを本明細書中で「伝達可能な構造的疾患」と呼ぶ。係る種類の疾患の例は、プリオン性の脳症であり、牛海綿状脳症(BSE)及びそのヒトに相当するクロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)が挙げられ、ここにおいて基礎となるタンパク質はPrPである。
【0072】
「sCJD」として略した用語「散発性のCJD」はクロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)によく見られる徴候をいう。この疾患は平均約60歳の患者において、地球で年間百万分の一の割合で個々に突然生ずる。
【0073】
「iCJD」として略した用語「アイアテロジェニック(Iaterogenic )CJD」は、人々のヒトのプリオンでの偶然の感染によりもたらされる疾患をいう。この最も有名な例は、子供の汚染されたヒトの成長ホルモンの製剤でのヒトのプリオンの偶然の感染である。
【0074】
用語「家族性のCJD」はCJDの形態をいい、家族において稀に生じそしてヒトのプリオンタンパク質遺伝子の突然変異により必ず生ずる。この疾患は常染色体優生疾患によりもたらされる。突然変異を受け継ぐ家族のメンバーはCJDで死ぬ。
【0075】
用語「GSS」として略した「ゲルストマン−ストラスラー−シェインカー病(Gerstman-Strassler-scheinker Disease)」は、遺伝的なヒトのプリオン病の形態をいう。常染色体優性疾患によりこの疾患は生ずる。突然変異の遺伝子を受け継いだ家族のメンバーはGSSで死ぬ。
【0076】
用語「プリオン」は、ヒト及び動物において係る伝染性の構造疾患(海綿状脳症)の群を生ずることが知られている伝染性の粒子を意味して良い。用語「プリオン」は単語「プロテイン」と「インフェクション」の短縮であり、そして粒子は、専らでないにしてもおおむねPrPSc分子からなる。
【0077】
プリオンは細菌、ウィルス及びウィロイドとは異なる。公知のプリオンは、例えばスクレーピー、羊及びヤギの神経系の伝染性、変性性の疾患並びにウシ海綿状脳症(BSE)又は狂牛病及びネコのネコ海面状脳症を引き起こす為に動物に感染するものである。ヒトに影響をおよぼすことが知られている4つのプリオン病は、(1)クールー、(2)クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)、(3)ゲルストマン−ストラスラー−シェインカー病(GSS)、及び(4)致死性家族性不眠症(FFI)である。本明細書中で用いた時、プリオンは、これらの疾患もしくは他の疾患の全てかもしくはいずれかを任意の用いた動物において、そして詳しくはヒト及び家畜化された動物において引き起こす、プリオンの全ての形態が挙げられる。
【0078】
本明細書中では、例えば、本明細書中、以下の「病原性の突然変異及び多型」と小見出をつけて列挙したプリオンタンパク質及び多型及び突然変異を発現する遺伝物質を記載するのに類義語として、用語「PrP遺伝子」及び「プリオンタンパク質遺伝子」を用いている。PrP遺伝子は本明細書中で記載した任意の「宿主」及び「試験」動物及び任意且つ全てのその多型及び突然変異に由来しうる。用語はまだ発見されていない他の係るPrP遺伝子も含んでいることが認められている。
【0079】
一般的に、用語「PrP遺伝子」は、任意のプリオンタンパク質等、PrPアミノ酸配列の任意の形態をコードする任意の種の任意の遺伝子をいう。ある一般的に知られているPrP配列は、Gabriel ら、1992中に記載されており、それは係る配列を開示及び記載するのに本明細書中に参照として組込まれている。
本明細書中で用いた略語は例えば:
CNSは中枢神経系;
BSEは牛海綿状脳症;
CJDはクロイトフェルツ・ヤコブ病;
FFIは家族性不眠症;
GSSはゲーストマン−ストラスラー−シェインカー病;
PrPはプリオンタンパク質;
PrPC は正常な非病原性の構造体のPrPi
PrPScはPrPの病原性か又は「スクレーピー」イソ型(これはプリオン症に関するマーカーでもある)。
【0080】
病原性の突然変異及び多型
ヒトPrP遺伝子における多くの公知の病原性の突然変異がある。更に、ヒト、羊、及びウシのPrP遺伝子における公知の多型がある。下記は限定ではない、係る突然変異及び多型の表である。
【表1】
Figure 0004790966
【0081】
大多数の個体で生じる正常なアミノ酸配列を、野生型のPrP配列として言及する。この野性型の配列は所定の性質の多型の変異を受ける。ヒトのPrPの場合、2つの多型アミノ酸が、残基129(Met/Val)及び219(Glu/Lys)で生じる。羊のPrPは、残基171及び136で2つの多型を持つ一方で、ウシのPrPは成熟したプリオンタンパク質のアミノ末端領域で8つのアミノ酸モチーフ配列の5又は6回の反復を持つ。これらの多型は病原性ではない一方で、プリオン病を影響するようだ。これら正常な野性型プリオンタンパク質の変異とは異なり、PrPの特定のアミノ酸残基か又はオクタリピート(octarepeat)の数を変える、ヒトのPrP遺伝性の所定の変異は、遺伝性のヒトのプリオン病を分類することで同定されて来た。
【0082】
突然変異及び多型を示している上の表に重要性を更に供する為に、1つはPrP遺伝子の公表した配列を言及できる。例えばニワトリ、ウシ、羊、ラット及びマウスのPrP遺伝子はGabrielら 1992内で開示及び公表されている。シリアンハムスター(Syrian hamster)に関する配列はBasletら中で公表されている。羊のPrP遺伝子はGoldmanら 1990において公表されている。ウシに関するPrPの遺伝子配列はGoldman ら、1991中で公表されている。ニワトリのPrPの遺伝子に関する配列は、Harrisら、1991中で公表されている。ミンクに関するPrPの遺伝子配列は、Kretzschmanら 1992中で公表されている。ヒトのPrP遺伝子は、Kretzschmenら 1986において公表されている。マウスに関するPrP遺伝子配列はLochtら、1986中で公表されている。羊に関するPrP遺伝子は、Westa Wayら、1994中で公表されている。これらの刊行物は全て、PrP遺伝子及びPrPアミノ酸配列を開示及び記載するのに、本明細書中に組み込まれた。
【0083】
本発明は又、試料(好適には血液又は脳の試料)内のプリオンタンパク質の病原性の形態の存在を検出する為の方法も供する。(その方法は)
(i)前記試料を所定量の非病原性のプリオンタンパク質と接触させ;
(ia)前記試料/非病原性のプリオンタンパク質をインキュベートし;
(ii)段階(ia)の間に形成された任意の集合体を分解し;
段階(ia)〜(ii)を2回以上くり返し;そしてその後
(iii) 試料内の病原性のプリオンタンパク質の存在及び/又は量を特定すること
を含んで成る。
【0084】
本発明の更なる実施態様は、患者内のCJDを診断する為の方法を供し、当該患者から試料(好適には血液又は脳の試料)を採取し;
(i)当該試料を所定量のPrPC タンパク質と接触させ;
(ia)前記試料/PrPC タンパク質をインキュベートし;
(ii)段階(ia)の間に形成された任意の集合体を分解し;
段階(ia)〜(ii)を2回以上繰り返し;そしてその後
(iii) 試料内のPrPScの存在及び/又は量を特定すること
を含んで成る。
【0085】
本発明は又、試料(好適には血液又は脳の試料)内のβ−アミロイドタンパク質の病原性の形態の存在を検出する為の方法も供する。(その方法は)
(i)前記試料を所定量の非病原性のβ−アミロイドタンパク質と接触させ;
(ia)前記試料/非病原性のβ−アミロイドタンパク質をインキュベートし;
(ii)段階(ia)の間に形成された任意の集合体を分解し;
段階(ia)〜(ii)を2回以上くり返し;そしてその後
(iii) 試料内の病原性のβ−アミロイドタンパク質の存在及び/又は量を特定すること
を含んで成る。
【0086】
本発明の更なる実施態様は、患者においてアルツハイマー病を診断する為の方法を供する。(その方法は)患者から試料(血液又は脳の試料が好ましい)を採取し;
(i)前記試料を所定量の非病原性のβ−アミロイドタンパク質と接触させ;
(ia)前記試料/非病原性のβ−アミロイドタンパク質をインキュベートし;
(ii)段階(ia)の間に形成された任意の集合体を分解し;
段階(ia)〜(ii)を2回以上くり返し;そしてその後
(iii) 試料内の病原性のβ−アミロイドタンパク質の存在及び/又は量を特定すること
を含んで成る。
【0087】
本発明は更に、上記の方法において用いる為の装置、詳しくはマイクロタイタープレート、マルチウェル音波処理器及び所定量の非病原性の構造体を含んで成る装置を提供する。
【0088】
本発明の更なる実施態様は、基礎となるタンパク質の病原性と非病原性の構造体の構造的な変化を特徴とする構造疾患を、試料内の前記疾患のマーカーをアッセイすることによって、診断により検出する為の方法を供する。この方法は、(i)前記試料を既知量の非病原性の構造体と接触させ、(ii)段階(i)の間に最終的に形成された集合体を分解し、そして(iii) 前記試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定することを含んで成る。好ましくは、段階(i)及び(ii)は、段階(iii) を行う前2回以上繰り返されるサイクルを形成する。最も好ましくは、段階(i)及び(ii)は、段階(iii) を行う前に5〜40回繰り返されるサイクルを形成する。
【0089】
本発明は又、試料内で、基礎となるタンパク質の非病原性と病原性の構造体間の構造的な変化に特徴がある構造疾患のマーカーのアッセイをも供する。このアッセイは以下の段階を含んで成る。(i)前記試料を既知量の非病原性の構造体と接触させ、(ii)段階(i)の間に最終的に形成された集合体を分解し、そして(iii) 前記試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定すること。段階(i)及び(ii)は、段階(iii) を行う前に2回以上繰り返されるサイクルを形成することが好ましい。
【0090】
本発明は更に、基礎となるタンパク質の非病原性及び病原性の構造体間の構造的な変化を調節する化合物を同定する為の方法を供し、(その方法は)
(i)既知量の非病原性の構造体と既知量の病原性の構造体とを前記化合物の存在及び不在において接触させ;
(ii)段階(i)の間に最終的に形成された集合体を分解し、
(iii) 前記化合物の存在及び不在において前記病原性の構造体の量を特定すること
を含んで成る。
【0091】
本発明は特定の実施態様に関連して記載して来たが、記載の内容は、本発明の重要性及び目的を超えることなく、当業者によりもたらされうる、全ての改良及び変法ほ含んで成る。
【0092】
本発明は今以下の実施例により記載されて良く、これはいずれの場合も本発明を限定しないものとして、解釈されるべきである。実施例はここで以下に記した図を参照にされたし。
【0093】
実施例
実施例1
in vitroサイクル転換によるPK耐性PrPの増幅
スクレーピーによる影響を受けた動物より抽出したハムスターの脳のホモジネートを、プロテイナーゼK(PK)で処理した後PrPScのシグナルが免疫ブロットによってかろうじて検出される程度迄希釈した(図3B、レーン1)。PK処理を、この分野で通常どおり、正常及び異常な形態のPrPを識別するのに行った。これらはプロテアーゼの分解に対するそれらの感度が異なる(PrPScは部分的に耐性でありそしてPrPC は分解される)(Prusiner, 1991)。PK処理に対して耐性であるPrPの形態は現在よりPrPresの名称を与えられて良い。希釈したスクレーピー脳のホモジネートと過剰のPrPC を含有する健常なハムスターの脳のホモジネートとの試料のインキュベートでは、PrPresシグナルの増加がもたらされた(図3B、レーン2)。
【0094】
これは、2つの脳のホモジネートのインキュベートはPrPC のPrPScへの転換をもたらすことを示唆する。5サイクルのインキュベート/音波処理をした他は、同じ条件下でサンプルをインキュベートした時は、PrPres量は劇的に増加した(図3B、レーン3)。免疫ブロット法によるデンシトメトリー解析(densitometric analysis)では、希釈したスクレーピーの脳のホモジネートにおいて現れたPrPresシグナルと比べて、サイクル増幅によって84倍PrPresシグナルが増加したことを示唆する(レーン1)。
【0095】
音波処理の有無の同じ条件下で、健常なハムスターの脳のホモジネートを単独でインキュベートした時にはPrPresが観測されなかったので、転換はPrPScの存在に依存している(図3、レーン2)。移動による影響を無視するのに、免疫ブロットに使用した抗体によってラットのPrPは検出されない事実を生かしてラット脳のホモジネートを希釈したスクレーピー試料に添加することにより、ゲルに荷した全てのタンパク質は一定に保たれた(図3A)。
【0096】
実施例2
サイクル増幅による検出の感度
増幅後の検出用に利用できうるPrPScの最小の濃度を評価するのに、スクレーピーの脳のホモジネートを健常なハムスターの脳のホモジネート中で直接段階的に希釈した。インキュベートなしで、800倍の希釈により完全に検出不能になる迄PrPresのシグナルは漸進的に、減少した(図4A,C)。対称的に、同じ希釈物を健常なハムスターの脳のホモジネートとインキュベートし、そして5サイクルのインキュベート/音波処理をした時、PrPresの検出の限界は劇的に下がった。実際には、明らかなシグナルは3200倍の希釈でさえも容易に検出された(図4、B、C)。
【0097】
実施例3
サイクル数によるPrPresの指数的増殖
サイクル増幅後のPrPresシグナルの強度が、行ったインキュベート/音波処理のサイクル数に依存するかを調べるのに、希釈したスクレーピー脳のホモジネートを過剰の健常なハムスターの脳のホモジネートと共にインキュベートした。試料を0、5、10、20又は40サイクルに掛け、そしてPrPresシグナルを免疫ブロット法により評価した。PrPresのレベルはインキュベーション/音波処理の数に伴い指数的に増加した(図5)。この結果は、サイクル数を増加することは更に検出限界を更に下げることを示唆する。
【0098】
実施例4
PrP Sc を注射した血液試料における音波処理実験
ラットのヘパリン添加血液に10:1の最終希釈率に達するようスクレーピーハムスターの脳のホモジネートを注射した。室温で15分間に渡ってこの混合物をインキュベートした。
【0099】
10倍の段階希釈物をラットのヘパリン添加血液を用いて、この材料により作製した。各50μlの希釈を10分間に渡り3000rpm で遠心した。血しょうをペレットから分離した。10μl血しょうを転換反応の為のPrPC 基質を含んでいる50μlの健常なハムスターの脳のホモジネート中で混合した。試料を11サイクルのインキュベート−音波処理に掛けた。コントロールとして、同じ試料を50μlの健常のハムスターの脳のホモジネートと混合し、そして必要になる迄−20℃で保存した。「方法」の節に開示してあるようにして、15μlの音波処理済及びコントロールの試料をプロテインナーゼKで消化し、SDS−PAGEにより分離し、そしてウェスタンブロッティングにより分析し、そしてPrPScを検出した。
【0100】
図6にこの結果を報じている。この結果が示す増幅手順後のタンパク質の検出における明らかなる増加は、(例えば1280倍希釈による)より低い濃度のPrPScで殊の他歴然としている。もし我々が係る結果と感染した脳の組織より得た結果を比較したならば、増幅方法は血液においても同じように働く確証を持つ。
【0101】
実施例5
ハイスループットサイクル増幅
単一プローブの従来の音波処理器は、診断試験が必要となるので、多くの試料を同時に扱うことに関する問題を課す。我々は、音波処理を全てのウェルに同時に施し且つ自動操作の為のプログラムをできうる96−ウェル型ミクロプレート音波処理器(Misonix 431MP-20kHz )に、サイクリック増幅系を改変した。この改良は単一プローブを用いることに比べて、処理時間の減少のみならず、材料の損失をも防いだ。試料へのプローブの直接の挿入はないので交差汚染はない。後者は伝染性の試料の取り扱い及び誤った陽性の結果を最小限にするのには欠かせない。20サイクルの1時間のインキュベーションのしかる後、従来の音波処理器を用いて以前に観察したのと同じように、15秒又は30秒の音波処理パルスでPrPresシグナルの有意な増幅を得た。
【0102】
実施例6
増幅の為の必要な因子はデタージェント耐性膜画分中にある
疾患病因の間PrP転換が生じる亜細胞の位置は未だ定かではない。しかしながら、PrPC 及びPrPScがある位置は、コレステロール及びグリコスフィンゴリピドの比較的高い含有率により温和なデタージェントに耐性である原形質膜の特殊な領域であると報じられている(Vey ら1996 ; Harwey ら、1995)。これらの膜領域はリピドラフト又はデタージェント耐性膜(DRM)といわれており且つシグナルタンパク質、受容体及びGPIが係留したタンパク質に富む。我々は膜中100%のPrPC が、総タンパク質の<2%を含むこの画分に付着していることを確めた(図7)。従って、リピド−ラフトを単離する簡素な段階はPrPC の劇的な増加を可能にする。同様の結果をPrPScがラフト中に回収された、スクレーピー脳のホモジネートからのリピド−ラフトの単離において得た。
【0103】
PrPを増幅するのに必要な因子がリピドラフト中に含まれているかを評価するのに、我々はそれらを健常な動物の脳から精製し、そして最小量の病気の動物の脳から抽出した純度の高いPrPScを添加した。リピド−ラフトにおける増幅は全ての脳の抽出物で得たものと等しかった(図8)。その理由は、増幅後に生じたPrPresの量は両方の条件において同様だったからである。この結果がPrPの転換及び増幅に必要な全ての成分(いわゆる「因子X」(Telling ら、1995)等)はこの特定の膜中に含まれていることを示している。従って、PrP転換の為に必要とされる因子の同定及び単離は、リピド−ラフトからのタンパク質の更なる分離及び、サイクル増幅によるそれらの活性の観測によって可能であるべきだ。加えて、リピドラフトはPrPC 基質及び転換に関連する他の内因性の因子の資源としてサイクル増幅法における全脳のホモジネートに代わる有用な代用品を構築する。
【0104】
実施例7
実験動物における前症状解析
実験的にスクレーピーで感染したハムスターの前症状診断(pre-symptomatic diag nosis)を調査するのに、病状発現前の間に異なる病期にある88の脳の試料を選別した。その半分は無感染のコントロールであった。脳を毎週採取(4/各群)し、そして20サイクルの増幅に掛けた。動物が任意の症状を発するずっと前、感化した2週間後にでさえも、この方法では脳中の異常なタンパク質を検出できることを結果が示した(図9)。サイクル増幅をしなくとも、PrPScを感染後6週間後、臨床疾患の現れるごく4週間前に脳内で検出した。スクレーピーに感染しなかったどのコントロールの動物においても増幅は検出されなかった。
【0105】
実施例8
ヒトの脳の試料へのサイクル増幅の適用
クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)による影響を受けた人々(死体)の脳由来のヒトの試料へのサイクル増幅手順の適用を検討するのに、我々は数名のCJD患者(か又は正常なコントロール)の脳のホモジネートと健常なヒトの脳のホモジネートとをインキュベートし、そしてサイクル増幅の手順を行った。分析した散発性のCJD脳において有為な増幅があり且つ4つのコントロールにおいては無かったことを結果が示す(図10)。興味深いことは、増幅は感染性であることを示す試料中においてのみ得られ、そして故に突然変異していないPrPC を転換できる一方で、突然変異のタンパク質が野生型のタンパク質を転換できない時それは働らかなかったことである。これらのデータは、動物試料に関して先に示したので同じように、ヒトの試料においてもこの方法は有効なことを裏づける。
【0106】
実施例9
サイクル増幅による血液における診断
感染性の研究は、実験動物においてPrPScは少なくとも後期の動物中の血中に存在していることを示す(Brown ら、2001)。サイクル増幅によりPrPScの血液検出を行う為に、我々は最初に、検出されるタンパク質において、試料の選択的濃縮及び非常に多量の血液タンパク質、例えばアルブミン又はヘモグロビンを除去することを好んだ。以下の4つの異なる手順はこの目的に関して有効であることを示している。
【0107】
1.血液細胞ゴースト(ghosts)の調製
ハムスターのヘパリン添加血液を4℃、2500rpm で遠心した。血しょう及び細胞画分を分離し、そして必要になる迄−80℃で凍結した。0.5mlの血液細胞のパッケージ(package)を、pH7.6の新たに冷した12−15体積のPBSで3回洗浄した。細胞をpH7.6の12−15体積の20mOsMのリン酸ナトリウム緩衝液中で再懸濁し、そして穏やかに氷上で20分間に渡り撹拌し、次いで4℃で10分間に渡り30,000rpm で遠心した。上清を捨て、ペレットを3回、20nm OsMのリン酸ナトリウム緩衝液中で洗浄した。最後のペレットを、0.5%のTritonX−100、0.5%のSDS及びプロテアーゼ阻害物質を含有するPBS中で再懸濁した。15μlのこの懸濁を10%(v/v)の健常なハムスターの脳ホモジネートと混合し、そして20サイクルのインキュベート−音波処理に掛けた。20μlの音波処理したもの及びコントロールの試料をプロテインナーゼKで消化し、SDS−PAGEで分離しそしてウェスタンブロッティングにより分析した。そして「方法」の節に開示したようにしてPrPScを検出した。結果は、感染した動物由来の血液試料における増幅手順後のPrPScの検出を示している(図11)。感染しなかった動物由来の血液試料においては、増幅後にシグナルはなかった。増幅なしではPrPScの存在を検出することは不可能である(図11)。
【0108】
2.サルコシル抽出
ハムスターのヘパリン添加血液を4℃、2500rpm で遠心した。0.5mlの血液細胞のパッケージを20%(v/v)のサルコシル中で希釈しそして30分間に渡りインキュベートした。試料を4℃で2時間に渡り、Beckman TL100で85,000rpm で超遠心した。ペレットを洗浄し、0.5%のTritonX−100、0.5%のSDS及びプロテアーゼ阻害物質を含有するPBS中で再懸濁した。15μlのこの懸濁を10%(v/v)の健常なハムスターの脳ホモジネートと混合し、そして20サイクルのインキュベート−音波処理に掛けた。20μlの音波処理したもの及びコントロールの試料をプロテインナーゼKで消化し、SDS−PAGEにより分離しそしてウェスタンブロッティングにより分析した。そして「方法」の節に開示したようにしてPrPScを検出した。結果は、感染した動物由来の血液試料における増幅手順後のPrPScの検出を示している(図11)。感染しなかった動物由来の血液試料においては、増幅後にシグナルはなかった。増幅なしではPrPScの存在を検出することは不可能である(図12)。
【0109】
リピド−ラフト抽出
ハムスターのヘパリン添加血液を4℃、2,500rpm で遠心した。0.5mlの血液細胞のパッケージ(package)を1%(v/v)のTriton X−100を伴うPBS中で希釈し、そして4℃で30分間に渡りインキュベートした。試料を60%のショ糖で1:2に希釈し、そして遠心管の底に配した。7μlの35%ショ糖で試料を慎重に覆った。1.5mlの15%ショ糖は勾配の最上層に層を作った。次いで4℃で18時間に渡り150,000rpm で遠心した。PBS中でリピドラフトを洗浄し、そして4℃で1時間に渡る28,000rpm での遠心により回収した。ペレットを、0.5%のTriton X−100、0.5%のSDS及びプロテアーゼ阻害物質を含有するPBS中で再懸濁した。15μlのこの懸濁を10%(v/v)の健常なハムスターの脳ホモジネートと混合し、そして20サイクルのインキュベート−音波処理に掛けた。20μlの音波処理したもの及びコントロールの試料をプロテインナーゼKで消化し、SDS−PAGEにより分離しそしてウェスタンブロッティングにより分析した。そして「方法」の節に開示したようにしてPrPScを検出した。結果は、感染した動物由来の血液試料における増幅手順後のPrPScの検出を示している(図13)。感染しなかった動物由来の血液試料においては、増幅後にシグナルはなかった。増幅なしではPrPScの存在を検出することは不可能である(図13)。
【0110】
軟膜の調製
ハムスターのヘパリン添加血液を4℃、15,000rpm で10分間に渡り遠心した。標準的な方法を用いて軟膜を慎重に回収、そして必要になる迄−80℃で凍血した。凍結した軟膜を0.5%のTritonX−100、0.5%のSDS及びプロテアーゼ阻害物質を含有するPBS中で再懸濁した。15μlのこの懸濁を10%(v/v)の健常なハムスターの脳ホモジネートと混合し、そして20サイクルのインキュベート−音波処理に掛けた。20μlの音波処理したもの及び試料をプロテインナーゼKで消化し、SDS−PAGEで分離しそしてウェスタンブロッティングにより分析した。そして「方法」の節に開示したようにしてPrPScを検出した。結果は、感染した動物由来の血液試料における増幅手順後のPrPScの検出を示している(図14)。感染しなかった動物由来の血液試料においては、増幅後にシグナルはなかった。増幅なしではPrPScの存在を検出することは不可能である(図14)。
【0111】
方法
脳のホモジネートの調製
健常か又は改変したスクレーピー系263Kに感染した、シリアン・ゴールデン・ハムスター由来の脳を切頭後獲得し、そしてドライアイス中で直に凍結させ用いる迄−80℃で保存した。脳をPBS及びプロテアーゼ阻害物質10%(v/v)中でホモジナイズした。デタージェント(0.5%TritonX−100、0.05%SDS)を添加し、そして1分間に渡る低速遠心(10,000rpm )で清澄した。
【0112】
試料の調製及びサイクル増幅
スクレーピー脳の段階的な希釈物を直接健常な脳のホモジネート中で作成した。30μlのこれらの希釈物を動揺しながら37℃でインキュベートした。毎時、音波処理のサイクル(1秒につき5パルス)を試料中に浸した針があるミクロ音波処理器を用いて行った。これらのサイクルを数(5〜20)回繰り返した。
【0113】
PrP Sc 検出
試料を37℃で90分に渡り100μg/mLのPKで消化した。50mMのPMSで反応を停止した。SDS−PAGE(変性条件下)により試料を分離し、そしてCAP中又は10%のメタノールを有するトリス−グリシン移送緩衝液中で400mAで45分間の間にニトロセルロース膜中へエレクトロブロットした。膜を5%の脱脂乳でブロッキングする前に全タンパク質の可逆的な染色を行った。この後、膜をモノクローナル抗体3F4と共(1:50,000)に2時間に渡りインキュベートした。西洋わさびペルオキシダーゼで標識した第二の抗−マウス抗体との(1:5,000)1時間に渡るインキュベートの前に、PBS,0.3%のTween20で各5分間の4回の洗浄を行った。洗浄後、製造者による説明書に従い、ECL化学発光キットで膜における放射能を高めた。
【0114】
参照
【表2】
Figure 0004790966
【表3】
Figure 0004790966
【表4】
Figure 0004790966
【表5】
Figure 0004790966

【図面の簡単な説明】
【図1】 PrPC →PrPSc転換の概略図。PrPScの感染単位はβ−シートに富むオリゴマーである。PrPC を統合して増殖する集合体に転換する。ここで、PrPScに関連した特性を獲得する。
【図2】 サイクル増幅手順の概略図。この系は過剰のPrPC の存在におけるPrPScのインキュベーションのサイクル、しかる後に音波処理のサイクルを基本とする。インキュベート期の間、オリゴマーPrPScはPrPC を増殖する集合体に組み込むことで強大化する一方、音波処理の間、集合体は、転換単位を増幅するねらいにより破壊される。図においては、2サイクルの音波処理/インキュベーションを示している。
【図3】 音波処理サイクルによるPrPScの増幅。PrPScを含む少量のスクレーピー脳のホモジネートを健常なラットの脳のホモジネート(レーン1、コントロール実験)か又は健常なハムスターの脳のホモジネート(レーン2及び3)と共にインキュベートした。後者の試料を2つの群に分け、そのうちの1つを5サイクルのインキュベート/音波処理に掛けた(レーン3)。上記試料の半分をゲル中に直接荷し、そして全てのタンパク質に関してCoomasieで染色した(パネルA)。他の半分をPKで処理し、そして抗PrP抗体の3F4を用いて免疫ブロットした(パネルB)。パネルCはいくつかのコントロールである。ここにおいて、健常な脳のホモジネートを単独で(レーン1及び2)か又は希釈したスクレーピー脳のホモジネートの存在において(レーン3及び4)インキュベートした。試料の半分(レーン2及び4)を5サイクルの音波処理/インキュベーションに掛けた。レーン2,3及び4はプロテイナーゼKで処理した。
【図4】 サイクリック増幅系の感度。増幅の後の検出に用いることができうる最小濃度のPrPScを、スクレーピー脳のホモジネートと、段階的に希釈すること、そして音波処理サイクルの有無で健常なハムスターの脳のホモジネートと共にインキュベートすることによって調査した。スクレーピーハムスター脳を段階的にラットの脳のホモジネート中で希釈したコントロール実験をパネルAに示している。パネルBは、スクレーピーハムスターの脳の段階希釈物を健常なハムスターの脳と共にインキュベートしそして5サイクルのインキュベーション/音波処理に掛けた実験に対応する。A及びBにおける免疫ブロットの密度による評価(Densitometric evaluation)をパネルCに示している。希釈は脳を出発物質として行いそしてそれらは以下のとおり:100(レーン1)、200(レーン2)、400(レーン3)、800(レーン4)、1600(レーン5)及び3200(レーン6)。
【図5】 PrPresシグナルと増幅サイクルの数との関係。希釈したスクレーピー脳のホモジネートを過剰の量の健常なハムスターの脳のホモジネートと共にインキュベートした。試料を0、5、10、20か又は40サイクルに掛けそして免疫ブロットによってPrPresシグナルを評価した。
【図6】 血液試料におけるPrPresの増幅。ラットのヘパリン添加血液を最終的な希釈が10:1に達するようスクレーピーハムスター脳のホモジネートで注射した。この混合物を室温で15分間に渡りインキュベートした。ラットのヘパリン添加血液を用いて、この材料からなる10倍の段階的な希釈物を作製した。試料を11サイクルのインキュベーション−音波処理に掛け、そしてPrPresシグナルを免疫ブロットにより評価した。
【図7】 リピド−ラフト中に存在するプリオタンパク質。(デタージェント耐性膜画分か又はDRMともいう)リピド−ラフトを先に記載した手順を用いて単離した。100mgの脳組織を1%TritonX−100及び1×プロテアーゼ阻害物質の完全なカクテルを含む1mlのPBS(Boehringer)中でホモジナイズした。組織を22Gの注射針を介して10継代ホモジナイズし、そしてロータリーシェーカーにより4℃で30分間に渡りインキュベートした。試料を60%ショ糖中で1:2に希釈し、そして遠心管の底に配した。7mlの35%ショ糖で慎重に試料を覆った。1.5mlの15%ショ糖で勾配の最上層にて層を作った。管を4℃ 150,000gで18時間に渡り遠心した。リピド−ラフトは15%〜35%のショ糖界面に浮かぶ(パネルA)。異なる画分を回収し、そして硝酸銀で全タンパク質を染色すること(パネルB)及びPrPを検出する免疫ブロット(パネルC)によって解析した。試料からショ糖を除く為に、リピド−ラフト画分を、PBS中で洗浄し、そして4℃、28,000rpm で1時間での遠心で回収した。ペレットを洗浄しそして0.5% TritonX−100、0.5% SDS及びプロテアーゼ阻害物質を含むPBS中で再懸濁した。全てのPrPC はこの画分中にあった(パネルD)。
【図8】 リピド−ラフト中にある増幅の為の必要な因子。図2に記載したようにリピドラフトを健常なハムスターの脳より単離した。そしてスクレーピーハムスターの脳から高度に精製し700倍に希釈したPrPScと混合した。試料を凍結(ライン3)か又は20時間に渡り増幅(ライン4)した。増幅の為に全ての脳のホモジネートを用いる他はライン1及び2は同じ手順である。
【図9】 ハムスターの脳におけるPrPScの症状発生前診断。ハムスターに生理食塩水(コントロール群)か又は100倍に希釈したスクレーピー脳のホモジネートを、大脳内(i.c.)に注射した。毎週、4匹のハムスター/群を犠牲にし、そして脳を抽出し、そしてホモジナイズした。試料の半分を直に凍結させ(白い棒)そして他の半分を20サイクルのインキュベーション/音波処理に掛けた(黒い棒)。全ての試料をPKで処理しそして免疫ブロットした。バンドの強度を密度計測により評価した。各棒は、4匹の動物由来の試料の平均を示している。増幅の有無を問わず、いずれのコントロールの脳においても未検出が観測された。これらの結果は図に示していない。
【図10】 ヒトのPrPScの増幅。11の異なる慢性のケースの散発性CJDの脳、並びに5つの家族性CJD由来及び4つの齢相応のコントロールであって他の神経性の疾患による影響を受けた患者の脳の試料を用いて、この研究を行った。脳をホモジナイズし、そして試料を20回の増幅に掛けた。コントロール(A)及び3つの異なる散発性CJD(B)の場合(1,2,3)の代表的な結果を図に示している。
【図11】 血液細胞ゴーストの調製後の血中のPrPScの検出。健常(C)及びスクレーピーに侵されたハムスター(Sc)由来の0.5mlのヘパリン添加血液による細胞ゴーストを本文中に記載したように調製した。試料の半分を増幅に掛けず、そして他の半分を正常なハムスターの脳のホモジネートと混合し、そして20サイクルの増幅に掛けた。次いで全ての試料をPKで処理し、そして免疫ブロットにより分析した。ある代表的な実験を図に示している。
【図12】 サルコシル抽出後の血中のPrPScの検出。健常(C)及びスクレーピーに侵されたハムスター(Sc)由来の0.5mlのヘパリン添加血液を本文中に記載したようにサルコシル抽出に掛けた。試料の半分を増幅に掛けず、そして他の半分を正常なハムスターの脳のホモジネートと混合し、そして20サイクルの増幅に掛けた。次いで全ての試料をPKで処理し、そして免疫ブロットにより解析した。コントロールの動物及び2つのスクレーピーに侵された動物のある代表的な試料を図に示している。
【図13】 リピドラフト精製後の血中のPrPScの検出。リピド−ラフトを健常(C)及びスクレーピーに侵されたハムスター(Sc)由来の0.5mlのヘパリン添加血液より本文中に記載したように抽出した。試料の半分を増幅に掛けず、そして他の半分を正常なハムスターの脳のホモジネートと混合し、そして20サイクルの増幅に掛けた。次いで全ての試料をPKで処理し、そして免疫ブロットにより解析した。コントロールの動物及び2つのスクレーピーに侵された動物のある代表的な試料を図に示している。
【図14】 軟膜の調製後の血中のPrPScの検出。血液の軟膜の画分を健常(C)及びスクレーピーに侵されたハムスター(Sc)由来の0.5mlのヘパリン添加血液より遠心により抽出した。試料の半分を増幅に掛けず、そして他の半分を正常なハムスターの脳のホモジネートと混合し、そして20サイクルの増幅に掛けた。次いで全ての試料をPKで処理し、そして免疫ブロットにより解析した。ある代表的な実験を図に示している。

Claims (15)

  1. 基礎となるタンパク質の非病原性と病原性の構造体間の構造的な変化を特徴とする構造疾患(conformational disease)の、試料内の前記疾患のマーカーをアッセイすることによる疾患の検出の為の方法であって、その方法は、
    (i)前記試料を所定量の非病原性の構造体と接触させ;
    (ii)段階(i)の間に最終的に形成された病原性の構造体の集合体を分解し;そして
    (iii)試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定すること、
    を含んで成り、ここで病原性の構造体は前記疾患の存在のマーカーであり、
    段階(i)が、前記試料/非病原性の構造体をインキュベートする段階(ia)を含んで成り、
    段階(ia)及び(ii)が、段階(iii)を行う前に2回以上繰り返されるサイクルを形成する、方法。
  2. 前記サイクルが段階(iii)を行う前に5〜40回繰り返される、請求項1記載の方法。
  3. 段階(i)が生理学的条件下で行われている、請求項1又は2記載の方法。
  4. 段階(i)における非病原性の構造体の量が超過量である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記構造疾患が伝染性の構造疾患である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 分析される試料が、試料中の病原性の構造体の選択的濃縮の為に前処理を受ける請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 病原性の構造体がPrPScであり、そして前処理は温和なデタージェントに不溶性の画分の試料からの抽出である、請求項6記載の方法。
  8. 試料内の基礎となるタンパク質の非病原性と病原性の構造体間の構造的な変化を特徴とする構造疾患のマーカーのアッセイであって、そのアッセイは以下の段階:
    (i)前記試料を所定量の非病原性の構造体と接触させ;
    (ii)段階(i)の間に最終的に形成された病原性の構造体の集合体を分解し;そして
    (iii)試料内の前記病原性の構造体の存在及び/又は量を特定すること、
    を含んで成り、ここで病原性の構造体は前記疾患の存在のマーカーであり、
    段階(i)が、前記試料/非病原性の構造体をインキュベートする段階(ia)を含んで成り、
    段階(ia)及び(ii)が、段階(iii)を行う前に2回以上繰り返されるサイクルを形成する、アッセイ。
  9. 前記病原性の構造体がPrPScであり、そして非病原性の構造体がPrPであり、そして基礎となるタンパク質がプリオンタンパク質である、請求項8記載のアッセイ。
  10. 既知量の非病原性の構造体、マルチウェルマイクロタイタープレート及びマルチウェル音波処理器を、個別の要素として含んで成る、請求項8又は9記載のアッセイにおいて用いる為の診断キット。
  11. 基礎となるタンパク質の非病原性と病原性の構造体間の構造的な変化を調節する化合物を同定する為の方法であって:
    (i)(a)前記化合物の存在及び(b)前記化合物の不在において、所定量の非病原性の構造体と所定量の病原性の構造体とを接触させ;
    (ii)段階(i)の間に最終的に形成された病原性の構造体の集合体を分解し;そして
    (iii)(a)前記化合物の存在及び(b)前記化合物の不在において病原性の構造体の量を特定すること、
    を含んで成り、
    段階(i)が、前記病原性の構造体/非病原性の構造体をインキュベートする段階(ia)を含んで成り、
    段階(ia)及び(ii)が、段階(iii)を行う前に2回以上繰り返されるサイクルを形成する方法。
  12. 前記病原性の構造体がPrPScであり、そして非病原性の構造体がPrP であり、そして基礎となるタンパク質がプリオンタンパク質である、請求項1〜7及び11のいずれか1項記載の方法。
  13. 試料内のプリオンタンパク質の病原性の形態の存在を検出する為の方法であって、
    (i)前記試料を所定量の非病原性のプリオンタンパク質と接触させ;
    (ia)前記試料/非病原性のプリオンタンパク質をインキュベートし;
    (ii)段階(ia)の間に形成された病原性の構造体の集合体を分解し;
    (ia)−(ii)の段階を2回以上繰り返し;そして、その後
    (iii)試料内の前記病原性のプリオンタンパク質の存在及び/又は量を特定すること、
    を含んで成る方法。
  14. 試料内のβ−アミロイドタンパク質の病原性の形態の存在を検出する為の方法であって、
    (i)前記試料を所定量の非病原性のβ−アミロイドタンパク質と接触させ;
    (ia)前記試料/非病原性のβ−アミロイドタンパク質をインキュベートし;
    (ii)段階(ia)の間に形成された病原性の構造体の集合体を分解し;
    (ia)−(ii)の段階を2回以上繰り返し;そして、その後
    (iii)試料内の病原性のβ−アミロイドタンパク質の存在及び/又は量を特定すること、
    を含んで成る方法。
  15. 請求項1〜7及び11のいずれか1項記載の方法、又は、請求項8若しくは9記載のアッセイにおいて用いる為の装置であって、マイクロタイタープレート、マルチウェル音波処理器及び所定量の非病原性の構造体を含んで成る装置。
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