JP2000500439A - プリオンタンパク質(PrP)複合体の形成とその使用 - Google Patents
プリオンタンパク質(PrP)複合体の形成とその使用Info
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Abstract
(57)【要約】
水溶液中において、少なくとも一つのα−ヘリックスドメインを有し、ランダムコイル構造を形成するプリオンタンパク質(PrP)ペプチドは、細胞由来のPrP(PrPc)に結合し、スクレーピー型異性体(PrPSc)の特徴を持つ複合体を形成する。PrPScのアッセイ法と共に、PrPペプチドのPrPcへの結合を阻害または減少させることのできる化合物を検索する方法を開示する。
Description
【発明の詳細な説明】
プリオンタンパク質(PrP)複合体の形成とその使用
政府の権利
合衆国政府は、国立保健研究所により授与された、AG10770、AG08967、NS0721
9、NS14069、NS22786およびAG021732の各番号の補助金により、本出願に一定の
権利を有する場合がある。
発明の分野
本発明は、天然および合成のプリオンタンパク質ペプチドを用いて薬剤を検査
するためのアッセイに関する。
発明の背景
プリオンは、ヒトおよび動物に中枢神経系の海綿状脳炎を引き起こす、感染性
病原体である。プリオンは、細菌、ウイルスおよびウイロイドとは異なる。現時
点における主要な仮説は、プリオンタンパク質が感染するためには核酸成分を必
要としない、というものである。更に、1種類の動物種(たとえばヒト)に感染
するプリオンは、その他の動物種(例えばマウス)には感染しない。
プリオンタンパク質("PrP")と名付けられたタンパク質の発見および精製が
、プリオンおよびそれらが引き起こす疾患に関する研究における重要な第一歩と
なった(Boltonら(1982)Science 218:1309〜11; Prusinerら(1982)Bioche
mistry 21:6942〜50; McKinleyら(1983)Cell 35:57〜62)。その後、全長の
プリオンタンパク質をコードする遺伝子のクローニング、塩基配列の決定、およ
びトランスジェニック動物での発現が行われた。PrPcは、単一コピーの宿主遺伝
子にコードされており(Baslerら(1986)Cell 46:417〜28)、通常はニューロ
ン外表部に見出される。プリオン病では、PrPcがPrPScと呼ばれる異性体に変換
される。しかし、PrPcの実際の生物学的または生理学的機能は不明である。
プリオンタンパク質のスクレーピー型異性体(PrPSc)は、動物およびヒトの
伝染性神経変性疾患の伝播にもまた病因としても、必要である。(Prusiner(19
91
)Science 252:1515〜1522参照。)動物における最も一般的なプリオン病は、ヒ
ツジおよびヤギのスクレーピーならびにウシのウシ海綿状脳炎(BSE)である(W
ilesmithおよびWells(1991)Microbiol.Immunol.172:21〜38)。ヒトについ
ては、これまでに4つのプリオン病が同定された:(1)クールー、(2)クロイツフ
ェルト−ヤコブ病(CJD)、(3)ゲルシュトマン−シュトロイスラー−シャインカ
ー病(GSS)、および(4)致死性家族性不眠症(FFI)(Gajdusek(1977)Science
197:943〜960;Medoriら(1992)N.Engl.J.Med.326:444〜449)である。ヒ
トのプリオン病は、散発性、遺伝性および伝染性の疾患として提示されたため、
当初は難問であったが、その後、PrPの起源は細胞の遺伝子にあるという説明が
なされている。
CJDの多くの症例は散発性であるが、約10〜15%は、ヒトPrP遺伝子中に起きた
突然変異による、常染色体性優性の遺伝性疾患である(Hsiaoら(1990)Neurolo
gy 40:1820〜1827;Goldfarbら(1992)Science 258:806〜808;Kitamotoら(19
94)Proc.R.Soc.Lond.(印刷中))。医原性CJDは、硬膜移植と同様に、死体
の脳下垂体から得たヒト成長ホルモンによっても引き起こされてきた(Brownら
(1992)Lancet 340:24〜27)。CJDと、スクレーピーに感染したヒツジの肉を摂
取したというような感染源とを結びつけようとする試みは、数多くなされてきた
が、医原性に病気を起こした場合を除いては、現在に至るまで同定されていない
(Harries-Jonesら(1988)J.Neurol.Neurosurg.Psychiatry 51:1113〜1119
)。一方、ニューギニア高地のフォア族および近隣の種族を何十年にもわたって
荒廃させたクールーは、宗教的な食人による感染で伝播したと信じられている(
Alpers(1979)神経系の遅発性伝染性疾患(Slow Transmissible Diseases of t
he Nervous System)Vol.1、Prusiner,S.B.およびHadlow,W.J.編(New York: A
cademic Press)、pp.66〜90)。
CJDを初めて実験用霊長類に伝播するまでには、William Hadlowがクールーと
スクレーピーとの類似性を見出したことをはじめとする数々の歴史がある。1959
年に、Hadlowは、クールーで死んだ患者から得た抽出物をヒト以外の霊長類へ接
種し、長い潜伏期間の後に、その動物に予想された疾患が起こるのを見いだせる
ことを示唆した(Hadlow(1959)Lancet 2:289〜291)。その7年後、Gajdusek
、G
ibbsおよびAlpersらは、クールーが18〜21ケ月にわたる潜伏期間の後に、チンパ
ンジーに感染させられることを示した(Gajdusekら(1966)Nature 209:794〜79
6)。神経病理学的にクールーとCJDが類似していること(Klatzoら(1959)Lab
.Invest.8:799〜847)から、チンパンジーで同様の実験を行い、疾患を伝播で
きることが、1968年に報告された(Gibbsら(1968)Science 161:388〜389)。
その後の25年間で、CJD、クールー、およびGSS約300例が、様々な類人猿および
サルに伝播されてきた。
こうした実験は費用がかかり、滅多に行うことができず、またしばしば非人道
的とされることから、この研究には制限があり、このため知識の蓄積に限りがあ
った。最も信頼できる感染のデータは、ヒト以外の霊長類を用いた研究から得ら
れるといわれてきたが、ヒトプリオン病のうちで、明らかに常時とはいえないも
のの、齧歯類に感染させられるものがでてきた(Gibbsら(1979)神経系の遅発
性伝染性疾患(Slow Transmissible Diseases of the Nervous System)Vol.2、
Prusiner,S.B.およびHadlow,W.J.編(New York: Academic Press)、pp.87〜110
;Tateishiら(1992)ヒトおよび動物のプリオン病(Prion Diseases of Humans
and Animals)Prusinerら編(London: Ellis Horwood)、pp.129〜134)。
ヒトプリオン病が齧歯類に頻繁には伝染しないことは、Pattisonがスクレーピ
ー病原体をヒツジと齧歯類との間で伝達させようとした研究の中で、初めて記載
された「種の障壁」の一例として、引用されてきた(Pattison(1965)NIND
Bモノグラフ(NINDB Monograph)2、Gajdusek,D.C.、Gibbs Jr.,C.J.およびAlper
s,M.P.編(Washington,D.C.: U.S.Government Printing pp.249〜257)。これら
の研究の中で、プリオンが一つの動物種から他の動物種へ初めて伝達する場合、
潜伏期間は長くなり、発病する動物の数は少なかったが、その後同じ動物種で感
染させていくと、潜伏期間は著しく短縮され、全ての動物が発病するという特徴
があった。
シリアンハムスター(SHa)とマウスとの間にある種の障壁の分子的基礎は、
トランスジェニック(Tg)マウスを用いて、PrP遺伝子の配列にあることが示さ
れた(Scottら(1989)Cell 59:847〜857)。SHaPrPは、254アミノ酸残基のうち
16箇所で、MoPrPと異なっている(Baslerら(1986)Cell 46:417〜428;Lochtら
(19
86)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:6372〜6376)。SHaPrPを発現しているTg(
SHaPrP)マウスでは、SHaプリオンを接種すると潜伏期間が短縮された。同様の
実験をヒトまたはヒツジのPrPトランスジーンを発現しているマウスを用いて行
った場合には、種の障壁はなくならなかった。すなわち、信じ難いほど、感染し
た動物の比率は低く、潜伏期間は長かった。このため、たとえばヒトプリオンの
場合において、トランスジェニック動物(たとえば他の種のPrP遺伝子を含んで
いるマウス)を用いて、ある試料がプリオンで汚染されているかどうかを、信頼
性をもって検査することは、これまで不可能であった。こうした検査がないため
に発生する健康上の危険の重大性について、以下に例示する。
ヒト脳下垂体由来のHGHで以前に治療を受けた45名以上の青年が、CJDを発症し
た(Kochら(1985)N.Engl.J.Med.313:731〜733;Brownら(1992)Lancet 3
40:24〜27;Fradkinら(1991)JAMA 265:880〜884;Buchananら(1991)Br.Med
.J.302:824〜828)。幸いにも、現在は組み換えHGHが用いられているが、高濃
度のHGHによる刺激によって野生型PrPCの発現が増加することが、プリオン病を
引き起こすのではないかという、一見非常に低い可能性が提起されてきた(Lasm
ezasら(1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.196:1163〜1169)。脳下垂体
から得たHGHにプリオンが混入していることは、疑わしいロットのHGHを接種した
サルに、66ケ月後にプリオン病が伝達されたことで支持された(Gibbsら(1993
)N.Engl.J.Med.328:358〜359)。プリオン病の潜伏期間は長いため、HGHに
よる治療を受けた世界中の何千もの人々のうち、どれだけの範囲に医原性CJDが
伝播されたのかが完全に明らかになるには、何十年もかかることだろう。医原性
CJDはまた、汚染したヒト下垂体由来ゴナドトロピンホルモンによる治療を受け
た4名の不妊症の女性にも発症し(Healyら(1993)Br.J.Med.307:517〜518
;Cochiusら(1993)Aust.N.Z.J.Med.20:592〜593;Cochiusら(1992)J.Neu
rol.Neurosurg.Psychiatry 55:1094〜1095)、硬膜移植を受けた少なくとも11
名の患者で発症した(Nisbetら(1989)J.Am.Med.Assoc.261:1118;Thadani
ら(1988)J.Neurosurg.69:766〜769;Willisonら(1991)J.Neurosurg.Psy
chiatric 54:940;Brownら(1992)Lancet 340:24〜27)。
最近、フランスの医師2名が、死体から抽出した成長ホルモンで治療した子供
の過失致死罪で告訴された。この子供は、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症し
た(New Scientist、July 31、1993、p.4 参照。)。パスツール研究所によれば
、1983年から1985年中頃にかけてヒト成長ホルモンによる治療を受けた若年患者
のうちで、1989年以来24名のCJDが報告されているという。これらのうち15名が
死亡した。現在フランスにおいては、死体から抽出した成長ホルモンで治療され
た数百名の子供達が、CJDを発症する危険を負っていると考えられている(New S
cientist、November 20、1993、p.10 参照。)
これらの症例は、CJDのようなPrPScが介在する疾患に対する治療法を、早急に
開発することが必要なことを、強調するものである。PrPCが改変を受けてスクレ
ーピー型異性体PrPScに転換されるという考えは、多くの証拠により支持されて
いるが、これが起こる条件はわかっていない。新たにスクレーピー型の感染性が
おきる条件を知ることは、PrPScの産生を阻害できる化合物を同定するアッセイ
法の開発に、有用であろう。インビトロでのPrPCからPrPScへの転換を阻害でき
る化合物は、発症の危険のある動物およびヒト個体でのプリオン介在性疾患の治
療および予防に有用であろう。
プリオン、PrP遺伝子などの同定が進歩したにも関わらず、プリオンが引き起
こす疾患の治療に用いる化合物をアッセイするために有用なアッセイ法はない。
プリオンによって引き起こされる疾患の重大性を考えると、本発明が提供するよ
うなアッセイ法は必須である。
発明の概要
本発明は、たとえばPrPSc様複合体のような、PrPSc異性体の特徴を示すプリオ
ンタンパク質複合体の形成によって、PrPCに構造変化を起こす、天然および合成
のプリオンタンパク質ペプチド(PrPペプチド)を用いたアッセイ法を提供する
。本アッセイ法は、インビトロでPrPCのPrPSc様複合体への誘導を阻止できる化
合物の検索に有用である。本発明の方法によって同定された化合物は、PrPSc介
在性疾患の治療法を開発するための候補となるものであり、たとえばPrPSc介在
性疾患が発症する危険性の高い個体において、PrPSc介在性疾患の発症を阻害ま
たは遅延させることができる化合物である。
従って、本発明は、PrPCまたはPrP変異体に結合し、βシート含量の増加、水
溶性の減少、および/または、PrPScと比べてタンパク質分解酵素に抵抗性であ
るというPrPSc様の特徴を、1つまたはそれ以上有するプリオンタンパク質複合
体を形成することのできる、PrPペプチドに関する。本発明のPrPペプチドは、水
溶液中で、少なくとも1つのα−ヘリックスドメインを有する、および/または
ランダムコイル構造を形成する特徴をもつ。本発明によるPrPペプチドは、天然
、組み換え体、および合成のペプチドを含む。好ましくは、これらのペプチドが
天然PrPタンパク質のアミノ酸配列(図1)の、第90-145番目の残基のアミノ酸
配列(配列番号:1)、および天然PrPCタンパク質の第90-231番目の残基のアミ
ノ酸配列(配列番号:2)を含むランダムコイルペプチドを含んでいる。天然型
アミノ酸配列の第90-145番目のアミノ酸部分は、2つのα−ヘリックスドメイン
を含んでいる。第90-231番目のアミノ酸配列は、4つのα−ヘリックスドメイン
を含んでいる。
本発明は、第90-145番目(配列番号:1)または第90-231番目(配列番号:2
)のアミノ酸をわずかに改変し、その結果PrPCへの結合が促進される、および/
またはPrPSc様複合体の誘導が促進されるようになったPrPペプチドを含む。好ま
しい態様として、第117番目のアラニンがバリンで置換された第90-145番目のア
ミノ酸配列を持つ(PrPペプチド90-145(A117V))PrPペプチドを挙げることがで
きる。本発明は、さらに、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基を欠失した結果、
PrPCに結合してプリオンタンパク質複合体を形成し、またはPrPCの構造変化を起
こして、PrPSc様複合体を形成する能力を著しく変化させないような分子構造に
改変されたペプチドを含む。
PrPペプチドがPrPCまたはPrP変異体に結合することによって形成されるプリオ
ンタンパク質複合体は、βシート含量が増加し、溶解性が減少し、および/また
はPrPCと比較してタンパク質分解反応に対して抵抗性が増すという特徴を有する
。このプリオンタンパク質複合体は、線維状の凝集物を形成し、100,000 x g、
1時間の遠心で沈降し、タンパク質分解反応に抵抗性で、βシート含量が高い、
PrPSc様複合体である。このプリオンタンパク質複合体は、好ましくは、PrPCと
比較して、βシート含量が20〜100%、さらに好ましくは、PrPCと比較して、β
シート
含量が約50〜100%増加している。不溶性のプリオンタンパク質複合体は、少な
くとも約20%がプロテアーゼ抵抗性であり、好ましくは約45〜100%、さらに好
ましくは約60〜100%がプロテアーゼ抵抗性である。
本発明の一つの形態は、PrPペプチドがPrPCまたはPrP変異体に結合するのを減
少または阻害することができる化合物を検索する、アッセイ法に関する。検体化
合物を、第2番目の構成要素であるPrPペプチドの存在下で、第1番目の構成要
素であるPrPCまたはPrP変異体と接触させ、検体化合物がプリオンタンパク質複
合体形成を妨げる能力を決定する。第1番目の構成要素であるPrPCは、ヒト、マ
ウス、ハムスター、ウシまたはヒツジを含む、対象となるいかなる動物種由来の
、合成、天然、または組み換え体タンパク質であってもよい。PrPCは、好ましく
はヒトプリオンタンパク質であり、より好ましくは組み換えヒトプリオンタンパ
ク質である。第1番目の構成要素であるPrPCはまた、天然または組み換え体タン
パク質の変異体をも含む。一つの態様において、この第1番目の構成要素は、ヒ
トPrPCの第90〜231番目のアミノ酸残基をもつ組み換えペプチド(配列番号:1
0)である。
関連した形態として、本発明は、第1番目の構成要素であるPrPCと、第2番目
の構成要素であるPrPペプチドとの間のプリオンタンパク質複合体の誘導を、減
少または阻害することができる化合物を検索する方法を提供する。検体化合物を
、PrPペプチド存在下でPrPCと接触させ、プリオンタンパク質複合体の誘導を測
定する。
PrPペプチドのPrPCへの結合を阻害または減少させる、および/またはプリオ
ンタンパク質複合体の形成を阻害または減少させることのできる検体化合物は、
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルシュトマン−シュトロイスラー−シ
ャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI)、クールー、スクレーピー、
ウシ海綿状脳症(BSE)等のPrPSc介在性疾患、およびその他のPrPScの形成に関
連するあらゆる疾患の、インビボでの予防または治療に有用であろう。インビト
ロでプリオンタンパク質複合体の誘導を阻害または減少できるものとして、本発
明の方法で同定された検体化合物の、PrPSc疾患の発症を阻害する能力を、PrPSc
疾患のインビボモデルにおいて測定することができる。
別の形態は、本発明はPrPScのアッセイ法に関する。試料中のPrPScの存在は、
プリオンタンパク質複合体からPrPペプチドが解離することにより決定される。
1つの態様において、標識したPrPペプチドおよびPrPCの間でプリオンタンパク
質複合体を形成させ、ここに検査対象となる試料を添加する。移行したペプチド
の量は、不溶性のプリオンタンパク質複合体を遠心によって沈澱させた後、上清
画分に存在する標識の量を測定することで決定される。別の態様において、第1
番目の構成要素であるPrPCを、第2番目の構成要素である標識されたPrPペプチ
ドとプリオンタンパク質複合体を形成させた後に、親和性標識して固定化する。
検査対象となる試料を加えて、非結合相中に解離した標識ペプチドの量を測定す
る。
別の形態として、本発明は、プリオンタンパク質複合体の形成を誘導する能力
が向上したPrPCトランスジーンをデザインする方法に関する。改変したPrPC分子
を作成し、上述の方法でプリオンタンパク質複合体を形成する能力が測定される
。本方法によって、PrPSc結合能が向上した改変型トランスジーンは、改良型プ
リオンバイオアッセイに用いるために同定することができる。このようなバイオ
アッセイは、たとえばヒト、ウシ、ヒツジまたはブタプリオン等の、各々の動物
種ごとに最適化することができる。
本発明の重要な特徴は、本方法論によれば、PrPC異性体からのPrPSc様複合体
へのインビトロでの誘導を妨げる候補化合物を同定できることである。
本発明の利点は、本方法論によって、このようにして同定された候補化合物を
、既存のPrPSc疾患のインビボモデルで検査することができることである。別の
利点は、PrPScの迅速で便利なアッセイ法が提供されたことである。
本発明の、これら及び他の目的、有利性、および特徴は、当業者にとって、以
下においてより完全に記述された本発明の方法、アッセイ法、およびペプチドの
詳細を読むことで明らかになるだろう。
図の簡単な説明
図1は、シリアンハムスターPrPC配列の第90-231番目のアミノ酸配列を(配列
番号:2)、ヒトPrPCの第90-231番目の配列(配列番号:10)との特異的な相
違点と比較して示したものである。詳細な説明
この方法及び対照が記載されるに先立って、本発明は、記載された特定の方法
、アッセイ法、またはペプチドに限定されるものではないことが理解されねばな
らない。というのも、そのような方法、アッセイ法およびペプチドは、様々に改
変される可能性があるためである。本発明の範囲は、添付した請求の範囲によっ
てのみ限定されるため、本明細書に用いられる用語は、特定の態様を記述するこ
とのみが目的であり、限定するものではないこともまた、理解されねばならない
。
特別に定義しない限り、本明細書で用いられているすべての技術的及び科学的
用語は、本発明が属する技術分野における当業者に一般的に理解されるものと、
同一の意味を有する。本明細書中で記載されているものと類似または同等のいか
なる方法及び材料も、本発明を実行または検査する際に用いることができるが、
好ましい方法及び材料をここに記載する。本明細書で引用したすべての出版物は
、引用した出版物と関連のある方法及び/または材料を開示および記載するため
に、参照として本明細書に組み入れられる。定義
「プリオン」という用語は、ヒト及び動物に疾患(海綿状脳症)を引き起こす
ことが知られている伝染性粒子を意味する。「プリオン」は、「タンパク質」お
よび「感染」という語の短縮形であり、その粒子は大部分またはすべてはPrP遺
伝子でコードされるPrPSc分子を含んでいる。プリオンは、細菌、ウイルスおよ
びウイロイドとは異なる。既知のプリオンには、動物に感染して、ウシ海綿状脳
症(BSE)または狂牛病およびネコのネコ海綿状脳症と同様に、ヒツジおよびヤ
ギの神経系の伝染性変性疾患であるスクレーピーを起こすものが含まれる。ヒト
に発症する4つのプリオン病としては、(1)クールー、(2)クロイツフェル
ト−ヤコブ病(CJD)、(3)ゲルシュトマン−シュトロイスラー−シャインカ
ー病(GSS)、および(4)致死性家族性不眠症(FFI)が知られている。本明細
書で用いているプリオンは、用いたいかなる動物においても、そして特にヒトお
よび家畜の場合において、これらの全てまたはいずれかの疾患や他の疾患を起こ
す、全てのプリオンの形態を含んでいる。
ヒトPrP遺伝子には多くの変異体が知られている。さらに、ヒト、ヒツジおよ
びウシのPrP遺伝子では、多型性が知られている。以下はこうした変異体の一覧
である: 本明細書において、「PrPペプチド」という用語は、天然に存在するまたは組
み換え体のPrPCまたはPrP変異体と接触すると、βシート形成の促進、不溶性の
増大、および/またはPrPCに比較してプロテアーゼ抵抗性の増大、というような
、たとえばPrPScのような特徴を持つことで同定できる、構造変化を誘導するあ
らゆるペプチドとして、広く定義される。1つの態様において、PrPペプチドは
、天然プリオンタンパク質の配列の第90-145番目の残基(配列番号:1)の一部
、またはその一部分の配列と、実質的に類似した(たとえば90%またはそれ以上
の相同性)配列をもつ、天然、組み換え、または合成のアミノ酸配列で、PrPCに
結合して、PrPScの特徴を1つまたはそれ以上持つようなプリオンタンパク質複
合体を形成できるものを意味する。第2の態様において、PrPペプチドは、天然
プリオンタンパク質配列の第90-231番目の残基(配列番号:10)の一部、また
はその一部分と実質的に類似した、天然、組み換え、または合成のアミノ酸配列
で、PrPCと結
合してPrPSc様複合体を形成できるものを意味する。PrPペプチドは、水溶液中で
、少なくとも1つのα−ヘリックスドメインを持ち、および/またはランダムコ
イル構造を持つものとして特徴づけられる。さらに、PrPペプチドは、実質的に
βシート構造をとりにくい水溶液中で、ある特定の構造を持つものとして特徴づ
けられてもよい。本発明のPrPペプチドの構造は、円偏光二色性(CD)を含む
、当技術分野において既知の多くの方法によって、決定される。
具体的な態様において、本発明のPrPペプチドは、1〜4個のα−ヘリックスド
メインを持ち、PrPCに結合してプリオンタンパク質複合体を形成することを特徴
とする。好ましい態様においては、PrPペプチドは、配列番号:1または配列番
号:10のアミノ酸配列を持つ。PrPペプチドは、少なくとも1つのα−ヘリッ
クスドメインおよび/または水溶液中でのランダムコイル構造形成能をもち、Pr
PCに結合してプリオンタンパク質複合体を形成するという特徴を有する限り、た
とえば1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換、1つまたはそれ以上のアミノ酸の
削除、および/もしくは1つまたはそれ以上のアミノ酸の挿入のような、配列番
号:1または配列番号:10のアミノ酸配列の改変を含んでいてもよい。好まし
くは、置換、削除、挿入などは、第90-145番目の間のアミノ酸配列で行われる。
たとえば、PrPペプチド90-145(A117V)は、第117番目のアミノ酸残基の病原性
突然変異(アラニンからバリン)を含み、これはGSS病の終脳型および失調型を
引き起こす。
「PrPSc様複合体」、「プリオンタンパク質複合体」または「PrPC/PrPペプチ
ド複合体」という用語は、互換性をもって、100,000 x g、1時間の遠心で不溶性
の沈渣を形成すること、および/または、PrPScに典型的な、βシート含量が高
いこと、および/またはタンパク質分解反応に抵抗性を示すことを特徴とする、
PrPSc異性体の特徴を示す、PrPCとPrPペプチドとの間に形成された複合体を意味
する用語として用いる。プリオンタンパク質複合体は、第1および第2の構成要
素間で形成される。複合体の第1の構成要素であるPrPCは、天然、または組み換
えPrPCタンパク質またはその変異体であってもよい。たとえば、ある特定の態様
においては、第1の構成要素PrPCは天然PrPCである。他の具体的な態様において
は、第1の構成要素PrPCは、第90-231番目のアミノ酸(配列番号:10)をもつ
、N
末端を切断したPrPCタンパク質である。複合体の第2の構成要素は、組み換えま
たは合成PrPペプチドである。PrPSc様複合体またはプリオンタンパク質複合体を
形成するためには、ランダムコイルまたはα−ヘリックス構造をとる第2の構成
要素が過剰量必要である。具体的な態様においては、第2の構成要素であるPrP
ペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列
番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9および、
配列番号:10のうちから選ばれた1つのアミノ酸配列を持つ。
本明細書中で用いられる「治療」、「治療する」などの用語は、所望の薬理学
的および/または生理学的効果を得ることを、一般的に意味する。その効果は、
完全にまたは部分的にその疾患またはそれに由来する症状を防ぐという点で予防
的であり、ならびに/または、疾患および/もしくは疾患に関連する副作用を部
分的または完全に治癒させるという点で、治療的でもあり得る。
さらに具体的には、「治療」とは、PrP関連疾患の患者に対して、治療上検出
でき、有用な効果を提供するという意味を意図している。PrPSc の形成
PrPScの形成は、PrPCがPrPScと複合体を形成し、PrPScの第2の分子へと変換
される(Prusinerら(1990)Cell 63:673〜686)、翻訳後の過程である(Borsch
eltら(1990)J.Cell Biol.110:743〜752)。PrPScとPrPCを区別できるような
共有結合の変化を検出する試みは成功しなかったが(Stahlら(1993)Biochemis
try 32:1991〜2002)、分光学的研究によって、PrPCは〜40%のα−ヘリックス
を含み、βシートを欠いていることが示された(Panら(1993)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 90:10962〜10966)。一方、PrPScはβシート含量が高く、このこと
は、スクレーピーの感染性と相関している(Prusinerら(1983)Cell 35:349〜3
58;Caugheyら(1991)Biochemistry 30:7672〜7680;Gassetら(1993)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 90:1〜5;Safarら(1993)J.Biol.Chem.268:20276〜20
284)。
シリアンハムスター(SHa)のPrPトランスジーンを発現しているマウスの研究
から、PrPCおよびPrPScは、生成されようとするPrPScの形成中に複合体を形成す
ることが示唆されている(Prusinerら(1990)Cell 63:673〜686)。本発明の発
明者らは、2つの異性体を精製した分画を等モル量混合したが、こうした複合体
を形成し、PrPScの産生を示すことはできなかった(Raeberら(1992)J.Virol
.66:6155〜6163)。他の研究者らは、標識したPrPCに50倍過剰量のPrPScを混合
することによって、PrPScとPrPCの間の相互作用を示した(Kociskoら(1994)Na
ture 370:471〜474)。
二次構造が推定される領域に対応し、構造上複数の状態を示す合成PrPペプチ
ドが研究されてきた(Gassetら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10940
〜10944;Nguyenら(1995)Biochemistry 34:4186〜4192)。キメラPrPを用いた
トランスジェニックの研究から、PrPCとPrPScは、コドン94および169で区切られ
る中央ドメイン内で相互作用をするらしいことが示唆された(Scottら(1992)P
rotein Sci.1:986〜997;Scottら(1993)Cell 73:979〜988;Tellingら(1994
)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9936〜9940)。本開示は、最初の2つのα−
ヘリックスと推定される領域を含む2つのPrP異性体の多くの構造上の特徴とよ
く似たPrPペプチドをPrPCと混合すると、タンパク質分解反応に抵抗性を示し、1
00,000 x g、1時間の遠心によって沈降する複合体の形成を誘導する物理的証拠
を、初めて示したものである。
当研究室のこれまでの研究により、小さなPrPペプチドは互いに相互作用して
構造変化を誘導すること(Nguyenら(1985)Biochemistry 34:4186〜4192)、お
よびPrP27-30のN末端に対応するSHa 90-145の56アミノ酸残基からなるペプチド
が多様な構造をとることを示してきた(Zhangら(1995)J.Mol.Biol.250:514
〜526)。以下の実施例2では、PrPSc様複合体の形成における構造形態の役割を
解明する実験について記載している。標識したSHaPrPCを、ランダムコイルまた
はβシート構造のPrPペプチドSHa 90-145、SHa 109-122およびMo 90-145で処理
し、それらがプロテアーゼ抵抗性の誘導に与える効果を検討した。PrPCとSHa 90
-145との混合物は、線維状の凝集物を形成し、これはPrPScに典型的な高いβシ
ート含量を示した。予想外に、ランダムコイルのSHa 90-145はプロテアーゼ抵抗
性を誘導するが、βシート構造のSHa 90-145はこれを誘導しないことが明らかに
なった。Mo 90-145は、ランダムコイルであってもβシート構造であっても、SHa
PrPCで処理した際にプロテアーゼ抵抗性を誘導しなかった。
いくつかの実験において、大腸菌で発現させた組み換えSHa 90-231を、PrPCの
代わりに用いた。PrPCとSHa 90-145との間でPrPSc様複合体が形成されるのと同
じ条件下でSHa 90-145およびSHa 90-231とを混合すると、プロテアーゼ抵抗性を
示す不溶性の複合体が形成された。
PrPペプチドがPrPCと相互作用する領域を特定するため、組み換えSHa 90-231
ペプチドを含むより短いペプチドを検索した。H1(第109-122残基を含む)また
は第104-122残基からなるより長いペプチド(104H1)のいずれも、PrPCにプロテ
アーゼ抵抗性を誘導することはできなかった。緩衝液中で、H1は速やかに折り畳
まれてβシートとなり、多量体を形成する(Gassetら(1992)Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 89:10940〜10944)が、一方、104H1はランダムコイルの形をとる(N
guyenら(1995)前記)。SHa 109-141およびSHa 90-145はともに、プロテアーゼ
抵抗性を誘導した。終脳型および失調型の両方の型のゲルシュトマン−シュトロ
イスラー−シャインカー(GSS)病を引き起こす、病原性のA117V変異(Dohuraら
(1989)Biochem.Biophys.Res.Commun.163:974〜979;Hsiaoら(1991)Neur
ology 41:681〜684;Mastrianniら(1995)Neurology(in press))をペプチド中
で交換すると、放射標識されたPrPCの〜65%が、沈降する複合体を形成した。等
量のプロテアーゼ抵抗性のPrPCを産生するために、野生型のペプチドと比較して
、変異型SHa 90-145(A117V)ペプチドはわずか30〜40%しか必要としなかった
。SHa 90-145の代わりにSHa 90-231を用いると、より強いプロテアーゼ抵抗性を
示す不溶性の複合体が形成された。
2%(w/v)ザルコシルを加えると、プリオンタンパク質複合体は破壊され、Pr
PCはプロテアーゼ活性に感受性になった。SHa 90-145(A117V)存在下では、約3
0%の[35S-]-PrPC/PrPペプチド複合体が、プロテアーゼ抵抗性を示した;一方、
SHa 90-145存在下では、わずかに10〜15%が抵抗性であった。
PrPC/PrPペプチド複合体のプロテアーゼ抵抗性がPrPScのものと類似していた
(Turkら(1988)Eur.J.Biochem.176:21〜30;Meyerら(1986)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 83:2310〜2314;McKinleyら(1991)J.Virol.65:1440〜1449
)ため、PrPC/SHa 90-145複合体の物理学的特性を、SHa 90-145およびPrPC/SHa
90-145複合体について、FTIRスペクトル分析、CD、および電子顕微鏡により、検
討し
た(実施例3)。SHaPrPCを単独で処理すると、[35S-]PrPCのうち10%以下しか
沈降しなかったが、一方、SHa 90-145(A117V)を加えると、〜65%の放射標識
が沈澱となった。沈降したPrPC/SHa 90-145複合体は、沈澱となったPrPCと比較
して、βシート含量が大きく増加していた。
抗PrP単クローン抗体3F4および13A5は、SHa 90-145ペプチドによりカバーされ
る領域内のSHaPrPCに結合する。3F4は、第109-122番目の残基を認識し(Rogers
ら(1991)J.Immunol.147:3568〜3574)、13A5は第138-141番目の残基を認識
する(BarryおよびPrusiner(1986)J.Infect.Dis.154:518〜621)。これら
の抗体がプロテアーゼ抵抗性の獲得を阻害できるかどうかについて検討した(実
施例4)。どちらのmAbも、プロテアーゼ抵抗性のPrPC/SHa 90-145複合体の形成
を阻害することがわかった。
PrPCがPrPペプチドの非存在下で自然発生的にプロテアーゼ抵抗性になるかど
うかについて検討するために、実験を行った(実施例5)。SHa 90-145(A117V
)非存在下では、PrPCの約1%がプロテアーゼ抵抗性であることがわかったが、
ペプチド存在下では、PrPCの約30%が抵抗性となった。PrPCと混合したPrPScが
、PrPCをプロテアーゼ抵抗性にするかどうかについて検討するため、実験を行っ
た。他の研究者たちは、3 M Gdn-HCl中で変性したPrPScをPrPCと混合すると、2
分以内に変性前の状態に戻り、PrPCをタンパク質分解反応に抵抗性にすると報告
している(Kociskoら(1994)Nature 370:417〜474)。Gdnおよび尿素の両方か
らプリオンの感染性を回復させようという試みは数多くなされたが失敗したため
(Prusinerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2793〜2797)、PrPScに
対する3 M Gdn-HClの効果について検討した(実施例6)。変性したPrPScをPrPC
と混合しても、プロテアーゼ抵抗性のPrPCは形成されなかった。
SHa 90-145(A117V)ペプチドと混合すると約30%のPrPCがプロテアーゼ抵抗
性を示した(実施例5)のとは対照的に、変性していないPrPScと混合したPrPC
のうちで、48時間後にプロテアーゼ抵抗性を獲得するのは、10〜15%と考えられ
る(実施例6)。SHa 90-145で1時間処理すると、48時間の時点でプロテアーゼ
抵抗性を示した[35S-]PrPCの約35%が存在しており、24時間後までは、約75%の
PrPCがプロテアーゼ抵抗性だった。50倍過剰量の末標識のPrPScと混合すると、2
分以内
に、プロテアーゼ抵抗性の[35S-]PrPCが産生されるという報告(Kociskoら(199
4)Nature 370:471〜474)を、実験で再現することはできなかった。
PrPCとPrPScとの間の相互作用は、抗PrP mAb 3F4では阻害されるが、13A5では
阻害されないことがわかった(実施例7)。2つのmAbのこの違いが、H1領域の
N端にある3F4のエピトープ付近のPrPの残基が重要な役割を果たすことを示すも
のであるかどうかを調べるため、N端を切断して3F4エピトープを欠失したPrPC
(PrPC-II)の結合を検討した。PrPC-IIはPrPScに接触後にプロテアーゼ抵抗性
を示さず、3F4エピトープの含まれるH1領域がPrPC-PrPScの結合に特に重要であ
るという考えを支持した(Panら(1992)Protein Sci.1:1343〜1352;Haraguch
iら(1989)Arch.Biochem.Biophys.274:1〜13)。
PrPCへのPrPScの結合に対する動物種および界面活性剤の影響について検討し
た(実施例8)。Mo 90-145をSHaPrPCと混合すると、プロテアーゼ抵抗性のPrPC
は、比較的少量しか形成されず、ザルコシルを加えると、複合体はタンパク質分
解反応に感受性となった。これに対して、[35S-]PrPC/SHaPrPSc複合体は、消化
前に2%ザルコシルに48時間接触させても、タンパク質分解反応に抵抗性であっ
た。これらの結果は、SHa 90-145をSHa PrPCと混合するとプロテアーゼ抵抗性の
タンパク質が産生されるのに対し、Mo 90-145をSHaPrPCと混合しても抵抗性には
ならないという結果に合致する。
スクレーピープリオンの感染性を保持するような条件下でPrPC/PrPSc複合体を
破壊するために、NP-40、Tween-10、Zwittergent 3-12、およびデオキシコール
酸ナトリウムのような界面活性剤を、単独またはリン脂質と組み合わせて用いて
、界面活性剤−脂質−タンパク質複合体を形成させる試みがなされた(Gabizon
ら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6617〜6621)。抗PrP 3F4 mAbおよ
び第109-122番目または第90-145番目の残基を含む合成ペプチドを用いて、これ
らの複合体を破壊することができるかどうかを検討した。mAbおよびペプチドを
、1000:1のモル比で複合体に加えたが、PrPScから[35S-]PrPCを解離させること
はできなかった。CHO細胞由来の未標識のPrPを10倍量過剰に加えても、やはり、
複合体から[35S-]PrPCを解離させることはできなかった。
これらの結果は、PrPCが最初の2つの推定上のα−ヘリックスを含むドメイン
を通じて相互作用し、しかも相互作用にはランダムコイル構造が必要であること
の証拠を示している。アッセイ プリオンタンパク質複合体の形成を阻害する化合物の検索 一つの形態として
、本発明は、PrPペプチドがPrPCに結合して得られるPrPSc様複合体の形成阻害剤
を同定するのに有用な、新しいアッセイを提供する。
本発明のインビトロのアッセイは、多くの方法で行うことが可能であるが、検
査対象の化合物をPrPCと接触させ、PrPペプチドを検体化合物/PrPCの混合物に加
え、プリオンタンパク質複合体の形成を検出することが、好ましい形態である。
プリオンタンパク質複合体の検出は、例えば、20℃で100,000 x g、1時間の遠
心で、少なくとも65%が沈降するような線維状凝集物を形成し、そのうち少なく
とも20%がプロテアーゼ抵抗性でβシートを多量に含有する構造を示すような不
溶性複合体の形成を含む、様々な方法により、達成することができる。沈降百分
率、プロテアーゼ抵抗性、および構造は、以下に記述する各種の方法のような、
当技術分野において既知の方法により、決定される。検体化合物存在下でのPrPS c
様複合体の形成を、検体化合物非存在下での複合体形成(対照)と比較する。
好ましくは、検体化合物は対照と比較して20%またはそれ以上、複合体形成を阻
害する、より好ましくは、50%またはそれ以上、および最も好ましくは、75%ま
たはそれ以上、複合体形成を阻害する。
上述の如く、例えば大腸菌で発現させたPrPペプチドであるSHaまたはHu 90-23
1(図1)を、天然に形成されたPrPCの代わりに、または合成ペプチドの代わり
に用いることができる。大腸菌で組み換え体PrPタンパク質を産生する利点とし
ては、高レベルのPrPを産生できること;PrP遺伝子の部位特異的突然変異誘発に
より、PrPの配列や長さを変えられること;糖鎖結合のような多くの翻訳後修飾
がないこと;およびPrPを夾雑物から容易に精製できること、が含まれる。
本発明のアッセイ法により、複合体形成の阻害作用を持つことが同定された化
合物は、PrPC介在性疾患の動物モデルで検定することができ、インビボでのPrPS c
産生の阻害能、またはPrPSc介在性疾患の治療効果を検討できる。そのような動
物モデルは、同時係属中の米国特許出願第08/449,485号に記載されている。上記
で規定したように、PrPSc介在性疾患の治療には、PrPSc介在性疾患に罹患した患
者に対し、治療的に検出可能および有益な効果を得ることを含む。
PrPCおよびPrPSc間の相互作用に対して抗PrP単クローン抗体3F4が競合すると
いう報告から、プリオンの誘発を阻止できる化合物を検索するアッセイ法として
、また別の戦略を提供することができる。一つの態様において、PrPCを、たとえ
ばストレプトアビジンを結合した誘導体とし、たとえば96ウェルプレートのウェ
ルの底面のような固相に固定する。候補となる化合物が3F4をPrPCから解離させ
る能力を検定する。結合を、たとえば未結合の抗体量を測定することにより、標
準測定値との比較で定量する。本アッセイの変法としては、組み換え体を用いた
様々なPrPC様分子を用いることが含まれる。
PrPSc アッセイ系 一つの形態において、本発明はPrPScのアッセイ法を特徴と
する。PrPScはPrPCに強固に結合するため、プリオンタンパク質複合体から標識
したPrPペプチドが解離することを利用して、PrPScの存在をアッセイすることが
できる。本発明のこの方法の1つの態様においては、PrPCおよびHu 90-231の間
に形成されたプリオンタンパク質複合体から、標識した組み換えPrP(Hu 90-231
)(配列番号:10)が解離することを利用して、PrPScの存在をアッセイして
いる。本発明のPrPScアッセイ法においては、PrPペプチドまたはPrP構成要素の
いずれかを標識することが考えられる。当技術分野において適切な標識が知られ
ており、その中に放射性同位元素、蛍光色素、または分光光度測定法で検出可能
な発色団が含まれる。
上述の如く、PrPC/PrPペプチド、PrPC/組み換えPrP(90-231)、または組み換
えPrP(90-231)/PrPペプチドからなるプリオンタンパク質複合体の形成には、
ランダムコイルおよび/またはα−ヘリックス構造を持つ第2の構成要素が過剰
に存在することが必要である。本明細書に記述したPrPScアッセイの好ましい態
様において、第2の構成要素は標識されている。最初の実験では、第2の構成要
素に対する第1の構成要素の比は1:5000であったが、その後の最適化のための実
験により、この比は1:500へと減少した。プリオンタンパク質複合体は不溶性の
ため、一旦プリオンタンパク質複合体が形成されると、過剰な第2の構成要素は
、超遠心により簡単に除去される。複合体の化学量論は、約1:1と決定された。
解離したPrPペプチドの量は、PrPScを加えた後に測定する。PrPC/PrPSc複合
体は不溶性のため、解離したペプチド分子は、超遠心後の上清画分で測定する。
別の態様においては、PrPCを親和性標識し、複合体形成後に固相に結合させる。
PrPScが、固相に接着して固定されたPrPCに結合した後、解離した標識ペプチド
の量を、未結合相で測定する。このため、本アッセイは、既知量のPrPScを加え
ることにより算出し、末知の検体中に存在するPrPScの量は、解離したPrPペプチ
ドの量により決定することができると考えられる。
PrPCまたは組み換えPrPの固定は、たとえば活性化ビオチンを用いた化学修飾
のような、当技術分野では既知の方法により、行うことができる。ビオチン化し
たPrPC、またはたとえば放射標識したSHa 90-145のようなもう一つのPrP分子が
組み合わされた組み換えPrPを、その後、ストレプトアビジンで被覆した固相支
持体に結合する(WoodおよびWarnke(1981)J.Histochem.Cytochem.29:1196
〜1204)。PrPScを加えると、標識した合成ペプチドが解離し、解離したペプチ
ドの量は加えたPrPScの量に比例すると考えられる。このため、可溶性の未結合
の標識ペプチドの量を測定すれば、感度よく、迅速におよび定量的に、PrPScを
アッセイできる。
本発明のPrPScアッセイは、たとえば、免疫検定によるアッセイで必要とされ
るように、PrPScが可溶性である必要はなく、およびPrPScの検出に先立ってPrPC
を除去する必要がない点で、利用可能な免疫アッセイに比べてすぐれた利点があ
る。PrPScは非常に不溶性が高く、現在までのところ、PrPScを可溶化できるもの
はリポソームしか見つかっていない(Gabizonら(1987)前記)。このため、本
発明のPrPScアッセイは、PrPScがもつ可溶性の問題を、有効に回避することがで
きる。本アッセイは、ヒト、ウシ、ヒツジまたはブタのプリオンに含まれるPrPS c
を検出するために、最適化することができる。
マウスのプリオンをバイオアッセイするためのトランスジーンのデザイン
上述したPrPScのアッセイは、プリオンをより早くおよび感受性高く検出できる
バイオアッセイに用いるトランスジーンをデザインするためにも用いることがで
きる。
第96-169番目のコドンの範囲として定められるPrPの中央領域は、PrPCおよびP
rPScの二つの分子間で複合体を形成する際に、両者が相互作用する領域であると
考えられる(Tellingら(1995)Cell 83:79〜90)。PrPC/PrPペブチド、PrPC/組
み換えPrP、または組み換えPrP/PrPペプチド間で形成されるプリオンタンパク質
複合体は、今日までに研究されたどの自然発生的な相互作用よりも感受性の高い
、PrPCおよびPrPSc間の相互作用を検出するのに用いることができる。複合体の
第1の構成要素の配列を変えることにより、非相同な第二の構成要素をより強固
に結合させることのできる残基を同定できる。一旦そのような配列が明らかにな
れば、そのような改変PrPC分子を発現するトランスジェニックをプリオンと共に
接種して、潜伏期間を測定することができる。
一つの態様として、酵母のツーハイブリッド系を利用して中間段階の検索を用
いることが考えられる。たとえばChienら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
88:9578〜9582の記載のように、PrP遺伝子の一つに変異を導入して相互作用の増
加するものを検索するような、酵母のツーハイブリッド系を用いて、相互作用す
るPrP分子の研究を迅速に行うことができる。一旦そのようなクローンが同定さ
れれば、合成ペプチドまたは組み換えPrP分子を作成し、プリオンタンパク質複
合体の形成状態を調べる。プリオンタンパク質複合体が効率よく形成されれば、
そのような配列を持つトランスジーンを構築してマイクロインジェクションし、
当技術分野においては既知の方法により、トランスジェニックマウスを作成する
。
第1の構成要素に対する第2の構成要素の親和性は、プリオンタンパク質複合
体を形成するのに必要な第2の構成要素の濃度により評価する。一旦プリオンタ
ンパク質複合体を形成するのに必要な第2の構成要素の濃度を低くさせるような
配列が同定されれば、第1の構成要素に対する第2の構成要素の親和性は、たと
えば、表層プラズマ共鳴(Fagerstamら(1990)J.Mol.Recognit.3:208〜214
;Stenbergら(1991)J.Colloid Interface Sci.143:513〜526;Liedbergおよ
びLundstrom(1993)Sensors Actuagers B 11:64〜72)によって、測定する。第
1の構成要素を金フィルム上に固定した後、第2の構成要素を結合させる。第2
の構成要素が結合すれば、屈折率の変化として検出できる。
本発明の方法は、ヒト、ウシ、ヒツジ、およびブタのプリオンのバイオアッセ
イ用のトランスジーンに対して最適化される。このアプローチは、ヒトのプリオ
ンのバイオアッセイ用として普遍的なトランスジーンを構築するために、重要な
意味を持つ。本研究室から最近発表されたように、第102番目および129番目のア
ミノ酸残基にミスマッチがあると、PrP介在性の疾患が発症するまでの潜伏期間
はかなり延長するが、第200番目の残基の場合には、そのようなことはない(Tel
lingら(1995)前記)。上述のようなアッセイ方法論によれば、PrPScのアミノ
酸配列とは関わりなくすべてのヒトプリオンが伝達されるようにしてしまう、こ
れらおよびその他の重要な残基のアミノ酸側鎖を同定できるようになる。PrPSc
のアミノ酸配列という点からみた普遍的なトランスジーンを作成することに加え
て、上述したアプローチは、自然発生したヒトPrPCそれ自身よりも効率よくヒト
PrPScと相互作用する、人工的なPrPCを創造することにも用いることができる可
能性がある。このため、本発明を用いることにより、ヒトプリオンに対する、よ
り感受性の高い迅速なバイオアッセイを作出できるであろう。
実施例
以下の実施例は、当業者に対して、本発明のアッセイ法の作出および使用法を
完全に開示および記載するために示したもので、それらの発明に関する発明者ら
の関わりの範囲を限定するためのものではない。使用した数値(例えば、量、温
度、その他)に関しては正確を期すよう努力したが、ある程度の実験誤差および
偏差については説明がなされねばならない。特に示さない限り、温度は摂氏、分
子量は平均分子量、および圧力はほぼ大気圧である。実施例1. 材料と方法
SHaPrPを、グルタミン合成酵素発現ベクター、pEE 12(Cell/Tech,Alameda,
CA)にサブクローニングした。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)K1細胞(ATC
C)を、10%の透析ウシ胎仔血清(FCS)(Gibco-BRL)を含むGMEM-S培地で、10
cmのペトリ皿当たり106個撒いた(BebbingtonおよびHentschel(1987): DNA
クローニング:実践的アプローチ(DNA Cloning: A Practical Approach)(Glov
er,D.M.,編);IRL Press、Oxford、pp.163〜188)。CaPO4法(Gorman(1985
): DNA クローニング:実践的アプローチ(DNA Cloning: A Practical Appro
ach)前記、pp.143〜190)を用いて、細胞に、ペトリ皿1枚当たり10 μgの pE
E
12-SHaPrPベクターを形質導入した。25 μM のスルホキシイミンメチオニン(MS
X)(Sigma)存在下で2週間細胞を増殖させた後、60クローンを任意に選択して
、100、200、または400 μM MSX存在下で増殖させた。最も発現の高いクローン
を同定するため、各クローンをウエスタンブロットで解析した(Towbinら、(197
9)Proc,Natl.Acad.Sci.USA 76:4350〜4354)。クローン#30C1では、ホスフ
ァチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(PIPLC)による消化で、106個の
細胞から、〜90 ngのSHaPrPcが放出された(Kokeら(1991)Protein Expr.Puri
f.2:51〜58)。
シリアンハムスター(SHa)PrPの第90-231残基(配列番号:2)に相当する14
2アミノ酸の組み換えPrPを、大腸菌で高発現させ、再生条件下で単一にまで精製
した。
SHaPrPCを発現しているCHO細胞を、[35S-]Met(100 μCi/ml、NEN)で代謝的
に放射標識し(Borcheltら、(1990)J.Cell Biol.110:743〜752)、SHaPrPの
第109-112残基(Rogersら、(1991)J.Immunol.147:3568〜3574)を認識する抗
PrP 3F4単クローン抗体(mAb)(Kascsakら、(1987)J.Virol.61:3688〜3693
)を用いて、免疫親和性により、溶解液から精製した(Panら、(1992)Protein
Sci.1:1343〜1352)。3 M グアニジン塩酸(Gdn-HCl)でmAb/プロテインA セフ
ァロースからSHaPrPCを溶出し、4℃で16,000 x g で2分間遠心して、上清をTN
緩衝液(130 mM NaCl、10 mM Tris-HCl、pH 7.4)で1:10に希釈した;場合によ
っては、PrPCをGdn-HClおよび残存する界面活性剤から分離するため、4倍量のメ
タノールで沈澱させた。[35S-]PrPCの濃度を、SHaの脳由来の既知量のPrPCのウ
エスタンブロットのシグナルと比較することおよびシンチレーション分光計で測
定することにより、決定した。 Charles River Laboratoriesより入手したシリ
アンハムスター(Lak:LVG)に、Sc237プリオン(MarshおよびKimberlin(1975)
J.Infect.Dis.131:104〜110)を接種し、CNS(中枢神経系)の機能障害の兆
候が出現した時点で屠殺した。Turkらの方法((1988)Eur.J.Biochem.176:21
〜30、参照として特別に本明細書に組み入れられる)に従って、これらの患畜の
脳からSHaPrPScを精製した。同様に、RMLプリオン(Chandler(1961)Lancet 1:
1378〜1379)を接種し発病したマウスの脳から、マウス(Mo)PrPScを精製した
。接種を受けて
いない成体のSHaの脳からもSHaPrPCを精製し(Panら、(1993)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 90:10962〜10966、参照として特別に本明細書に組み入れられる)
、LeeおよびGriffithsの方法((1984)J.Immunol.Methods 74:181〜189、参照
として特別に本明細書に組み入れられる)に従って、Iodo-Beads(Pierce)を用
いて、[125I](1mCi/50 μg PrPC、Amersham)で放射性ヨード標識した。
PrPペプチドを合成し、前述の如く精製した(Gassetら、(1992)前記;Nguyen
ら、(1995)前記);構造は、FTIR分光学およびCDにより、前述の方法で(Nguye
nら、(1995)Biochemistry 34:4186〜4192 および Zhangら、(1995)J.Mol.
Biol.250:514〜526、両文献は、参照として特別に本明細書に組み入れられる)
、確認した。実験に用いたPrPペプチドは、表1に示してある。PrPペプチドは、
Applied Biosystems(Foster City、CA)のモデル430自動合成機、またはMillip
ore(Bedford、MA)のモデル9050 Plus PepSynthesizerのいずれかを用いて、N-
Fmocで保護されたアミノ酸から合成し、Nguyenら(1995)の前記の記載に従って、
RP-HPLCで精製した。
FTIR測定は、顕微鏡を装着し、乾燥窒素でパージした、Perkin Elmer(Norwal
k、CT)System 2000分光計を用いた伝導分光学により行った。CDスペクトルは、
軌道長0.01 cmの円柱型水晶セルを用い、室温で、Jasco Model 720の分光偏光計
に記録した。ペプチド濃度は、Nguyenら(1995)の前記の記述に従った。プロテイ
ナーゼK(Gibco-BRL)は50 μg/mlの濃度で用い、37℃で1 時間処理した。PrPC
を3 M Gdn-HCl存在下で消化したが、プロテイナーゼKの活性は、carbobenzoxy-
valyl-glycyl-arginine-ρ-nitroanilide(Boerhinger Mannheim)を用いた比色
定量アッセイによる測定では、〜90%減少していた。プロテイナーゼKによる消
化は、1 mMの(4-amidinophenyl)methanesulfonyl fluoride(PMSF)(Boerhinge
r Mannheim)を加えることにより終了した。SDS-PAGEはLaemmli(Laemmli(1970
)Nature 227:680〜685)に従って行い、オートラジオグラムを得た。イムノブ
ロットはECLシステム(Amersham)を用い、抗PrP 3F4 mAbで作成した。JEOL 100
CX 電子顕微鏡を用いて、陰性染色後、80 Kevで検体を観察した。
50 ngの[35S-]SHaPrPcを、TN緩衝液中の濃度〜10 μg/mlで、エッペンドルフ
微量遠心チューブ中で、37℃で48時間まで処理した。PrPペプチドを、免疫精製
して
放射標識したPrPcと、0.3 M Gdn-HCl中で、50:1から5000:1の範囲のモル比で混
合した。抗PrP 3F4 mAbおよび13A5 mAb(BarryおよびPrusiner(1986)前記)を
、1:1から50:1の範囲のモル比でSHaPrPcに加えた。3F4および13A5は、SHa PrPタ
ンパク質の、各々第109-112番目および第138-141番目のアミノ酸残基を認識する
、マウスの単クローン抗体である(Rogersら(1991)J.Immunol.147:33568〜3
574、参照として特別に本明細書に組み入れられる)。PrPSc(〜1 mg/ml)は、0
から6 Mの濃度範囲のGdn-HClで、37℃で16時間、前処理した。全ての検体に等量
のTN緩衝液を加えて処理を終了し、ただちに解析を行った。実施例2. PrPペプチドによるプロテアーゼ抵抗性PrPの形成の促進
[35S-]SHaPrPCを、合成ペプチドまたはPrPScで処理した。使用した合成ペプチ
ドは、以下の通りである:ランダムコイル構造のSHa 90-145を、PrPCに対するペ
プチドの比が50:1、500:1、または5000:1で;βシート構造のSHa 90-145を、50:
1、500:1、または5000:1の比で;ランダムコイル構造のMo 90-145を、5000:1の
比で;βシート構造のMo 90-145を、5000:1の比で;βシート構造のSHa 109-122
(H1)を、5000:1の比で;ランダムコイル構造のSHa 104-122(104H1)を、5000
:1の比で;ランダムコイル構造のSHa 109-141;ランダムコイル構造のSHa 90-14
5(A117V)を、5000:1の比で用いた。いくつかの実験では、PrPCの代わりに、大
腸菌で発現させたSHa 90-231を用いた。SHa 90-231を、上述のものと同じ条件下
で、合成ペプチドSHa 90-145と混合した。実施例1の記述と同様に、0.3 M Gdn-
HClを含むTN緩衝液で、37℃で48時間処理した。検体を、プロテイナーゼKで、3
7℃で1時間消化した後、SDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーを行った。SDS-
PAGEには、未消化のPrPCおよびSHaPrPScをも使用した。
結果 5000:1の比で処理したランダムコイル構造のSHa 90-145はプロテアーゼ
抵抗性を誘導したが、βシート構造のSHa 90-145は誘導しなかった。ランダムコ
イルまたはβシートのいずれの構造のMo 90-145も、SHaPrPCと処理してもプロテ
アーゼ抵抗性を誘導しなかった。H1(第109-122番目の残基を含む)または第104
-122番目の残基を含む更に長いタイプ(104H1)のいずれも、PrPCにプロテアー
ゼ抵抗性を誘導しなかった。SHa 109-141およびSHa 90-145は、どちらもプロテ
アーゼ抵抗性を誘導した。最も効率よくプロテアーゼ抵抗性で放射標識を持つPr
PCを
形成したのは、第117番目のアラニンをアラニンに置換した、SHa 90-145(A117V
)を用いた場合であった。野生型のペプチドと比較して、等量のプロテアーゼ抵
抗性のPrPCを産生するために必要な変異型ペプチドは、わずか30〜40%に過ぎな
かった。界面活性剤(2%(w/v)ザルコシル)を添加するとPrPC/PrPペプチド複
合体は破壊され、PrPCはプロテアーゼ活性に感受性となった。SHa 90-145(A117
V)存在下では、[35S-]PrPC/PrPペプチド複合体の約30%がプロテアーゼ抵抗性
を示した;SHa 90-145存在下では、抵抗性を示したのはわずか10〜15%に過ぎな
かった。
SHa 90-145をSHa 90-231と混合した場合、不溶性およびプロテアーゼ抵抗性の
複合体が形成された。実施例3. PrPC/PrPペプチド複合体の溶解性の特徴
SHa PrPCを、単独またはSHa 90-145(A117V)存在下で、0.3 M Gdn-HClを含む
TN緩衝液中で、48時間処理した;検体を、20℃で、100,000 x gで1時間遠心し、
沈渣をTN緩衝液に再浮遊させた。沈降した沈渣を、FTIR分光学、CD、および電子
顕微鏡(EM)により、Zhangら(1995)の前記の記述に従って解析した。標本は、2
%酢酸ウラニルまたは2%モリブデン酸アンモニウムで染色した。
結果 SHa PrPC単独で処理した場合には、[35S-]PrPCのうちの10%以下しか沈
澱しなかった。SHa 90-145(A117V)を加えると、放射標識の〜65%が沈渣に沈
降した。沈降したPrPC/SHa 90-145複合体をFTIR分光学で解析すると、PrPCの沈
渣と比較して、βシート含量が大きく増加していた。CDで測定した結果、上清中
に含まれる主として未結合のSHa 90-145ペプチドは、TN緩衝液中で48時間単独で
処理したペプチドの場合同様に、ランダムコイル構造のままであった。
電子顕微鏡で観察すると、単独処理したPrPCの沈渣には、直径20 nmまでの大
きさの球形凝集物が多数認められた。これとは対照的に、PrPC/PrPペプチド複合
体の沈渣では、大きなフィラメント状のポリマーが多数認められた。実施例4. 抗PrP単クローン抗体のPrPCへの結合
抗PrP 3F4または13A5 mAbの存在下または非存在下で、SHa 90-145ペプチドま
たはSHaPrPScとともに48時間、[35S-]PrPCを処理した。検体をプロテイナーゼK
で、37℃で1 時間消化した後、SDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーを行った
。
mAb 3F4(mAb:PrPCの比50:1)またはmAb 13A5(500:1)存在下および非存在下で
、SHa 90-145とPrPCを、5000:1(PrPに対するペプチド)の比で混合して処理し
た。3F4および13A5 mAbは、共に、プロテアーゼ抵抗性のPrPC/PrPペプチド複合
体の形成を阻害した。実施例5. プロテアーゼ抵抗性PrPの自発的形成
実施例1の記載に従って形質導入したCHO細胞から免疫精製したPrPC(10 μg/
ml)([35S]SHaPrPC)、およびSHaの脳由来のPrPC(1 mg/ml)を、0.75 MのGdn-
HCl存在下、37℃で0分、2分または48時間処理した。プロテイナーゼKで37℃で1
時間消化する前に、検体をTN緩衝液で1:4に希釈した。次に検体をプロテイナー
ゼKで消化し、SDS-PAGEおよび抗PrP 3F4 mAbを用いたウエスタンブロッティン
グで解析した。
結果 SHa 90-145(A117V)ペプチドとともに処理することにより、約30%のP
rPCが抵抗性となったのに比較して、これらの条件下では、48時間後に、約1%の
PrPCがプロテアーゼ抵抗性であることがわかった。CHOで過剰発現させたPrPCは
様々な大きさを示したが、これは恐らく、SHaの脳由来のPrPCとは対照的に、高
度に糖化されているためと考えられる。プロテアーゼ抵抗性のバンドが何である
かを確認するため、ブロットのオートラジオグラムを撮った;4週間の曝露の後
、35S-PrPCを含むレーンの対応する大きさの位置に、弱いが明確なバンドが検出
された。0.2%ザルコシルを加えると、「プロテアーゼ抵抗性」のPrPCは、タン
パク質分解反応に感受性となった。実施例6. Gdn-HClによるPrPSc変性の効果
SHaPrPScを、0、3 M、または6 MのGdn-HCl存在下で、37℃で0分、2分、または
48時間処理した後、プロテイナーゼKで1 時間消化した。検体をSDS-PAGEおよび
抗PrP 3F4 mAbを用いたウエスタンブロットにより解析した。
結果 PrPSc(3 M Gdn-HClで変性させた後、緩衝液で、Gdn-HClの最終濃度0.3
〜2 Mに希釈したもの)をPrPCと混合しても、プロテアーゼ抵抗性の[35S-]PrPC
は、全く産生されなかった。しかしながら、実施例2で示したように、未変性の
PrPScをPrPCと混合すると、プロテアーゼ抵抗性の[35S-]PrPCが産生された。PrPSc
を10倍量過剰に用いても、プロテアーゼ抵抗性の[35-S]PrPCを産生するには不
十分であった;50倍量過剰のPrPScが必要であった。混合前にメタノール沈澱に
よってGdn-HClを除くと複合体の形成が阻害されることから、反応液中にGdn-HCl
が0.3 M存在することが必須であると考えられた。100,000 x g での1 時間の遠
心により、約50%の[35S]PrPCが複合体の沈澱として回収され、このうち10〜15
%がプロテアーゼ抵抗性であった。実施例7. 抗PrP単クローン抗体はPrPCへのPrPScの結合を阻害する
mAb/PrPcの比500:1での、抗PrP 3F4または13A5の存在下または非存在下で、[3 5
S]PrPCをSHa 90-145ペブチドまたはSHaPrPScで48時間処理し、PrPc/PrPSc複合
体の形成を、上述の如く測定した。PrPcとPrPScとの相互作用は、抗PrP mAb 3F4
により阻害されたが、13A5では阻害されなかった。
N端を切断して3F4エピトープを欠失したPrPcペプチドであるPrPc-IIをPrPScで
処理し、プロテアーゼ抵抗性の形成を測定した。PrPc-IIは、プロテアーゼ抵抗
性を示さなかった。実施例8. MoPrPScまたはSHaPrPScで処理したSHaPrPcに対する界面活性剤の効 果
0.2%、1%、または2%ザルコシル存在下または非存在下で、[35S-]SHaPrPCを
、未標識のMoPrPScまたはSHaPrPScで48時間処理した。検体を、SDS-PAGEおよび
抗PrP 3F4を用いたウエスタンブロットで解析した。
結果 MoPrPScをSHaPrPcと混合した場合、形成されたプロテアーゼ抵抗性のPr
PCは比較的少量であり、ザルコシルを加えると、複合体は、タンパク質分解反応
に感受性となった。これに対し、[35S]PrPc/SHaPrPSc複合体は、消化を行う前に
48時間まで2%ザルコシルで処理しても、タンパク質分解反応に抵抗性であった
。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 コヘン フレッド イー.
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン
フランシスコ ロード アイランド スト
リート 767
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 細胞由来のプリオンタンパク質(PrPc)に構造変化を引き起こす能力を 有するプリオンタンパク質(PrP)ペプチド。 2. 構造変化が、PrPcよりも不溶性を増大させる、請求項1記載のPrPペプ チド。 3. 構造変化が、PrPcよりもβシート構造を増加させる、請求項1記載のPr Pペプチド。 4. βシートの形成がPrPcの場合よりも約30%から100%多い、請求項3記 載のPrPペプチド。 5. βシートの形成がPrPcの場合よりも約50%から100%多い、請求項3記 載のPrPペプチド。 6. 構造変化が、PrPcよりもプロテアーゼ抵抗性を増強させる、請求項1記 載のPrPペプチド。 7. 構造変化が、約20%から約100%のプロテアーゼ抵抗性を有する複合体 を形成する、請求項6記載のPrPペプチド。 8. 構造変化が、約45%から約100%のプロテアーゼ抵抗性を有する複合体 を形成する、請求項6記載のPrPペプチド。 9. 構造変化が、約60%から約100%のプロテアーゼ抵抗性を有する複合体 を形成する、請求項6記載のPrPペプチド。 10. ペプチドが、水溶液中で、α−ヘリックスドメインおよびランダムコイ ルからなる群より選択される構造である、請求項1記載のPrPペプチド。 11. (a) 配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列 番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、および 配列番号:10からなる群より選択される;ならびに (b) (a)の配列と実質的に同様のアミノ酸配列であって、該実質的に同 様のアミノ酸配列がPrPcに結合して複合体を形成する、 アミノ酸配列を有する、請求項1記載のPrPペプチド。 12. PrPcが、ヒトPrPc、ハムスターPrPc、マウスPrPc、ウシPrPc、およびヒ ツジPrPcからなる群より選択される、請求項1記載のPrPペプチド。 13. PrPcがヒトPrPcである、請求項8記載のPrPペプチド。 14. (a) 検体化合物を、第2の構成要素であるPrPペプチド存在下で第1の 構成要素であるPrPcと接触させ、この場合第1および第2の構成要素がプリオン タンパク質複合体を形成し;および (b) プリオンタンパク質複合体の形成を検出する、 工程を含む、PrPペプチドへのPrPcの結合を阻害する化合物を検索する方法。 15. プリオンタンパク質複合体の不溶性がPrPcよりも増大している、請求項 14記載の方法。 16. 複合体のβシート構造が、第1の構成要素であるPrPcよりも増加してい る、請求項15記載の方法。 17. 第1の構成要素であるPrPcが、ヒトPrPc、ハムスターPrPc、マウスPrPC 、ウシPrPc、およびヒツジPrPcからなる群より選択される、請求項14記載のPr Pペプチド。 18. PrPcがヒトPrPcである、請求項17記載の方法。 19. 第1の構成要素であるPrPcが、配列番号:10のアミノ酸配列を有する ペプチドである、請求項14記載の方法。 20. 第2の構成要素が、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列 番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番 号:9、および配列番号:10のうちの1つである、請求項14記載の方法。 21. (a) 検体化合物を、第2の構成要素であるPrPペプチド存在下で、第1 の構成要素であるPrPcと接触させ;および (b) プリオンタンパク質複合体の誘導を検出する、 工程を含む、プリオンタンパク質複合体の誘導を阻害する化合物を検索する方法 。 22. プリオンタンパク質複合体の不溶性がPrPcよりも増大している、請求項 21記載の方法。 23. 第1の構成要素であるPrPcが、ヒトPrPc、ハムスターPrPc、マウスPrPc 、ウシPrPc、およびヒツジPrPcからなる群より選択される、請求項21記載の方 法。 24. PrPcが、ヒトPrPcである、請求項23記載の方法。 25. 第1の構成要素であるPrPcが、配列番号:10のアミノ酸配列を有する ペプチドである、請求項21記載の方法。 26. 第2の構成要素が、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列 番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番 号:9、および配列番号:10のうちの1つである、請求項21記載の方法。 27. PrPcタンパク質を供給すること; PrPcタンパク質と検体化合物とを接触させること; 検体化合物の非存在下で、PrPcタンパク質にβシートの形成を含む構造 変化を起こさせるペプチドを、PrPcタンパク質と結合させること;および その構造変化の阻害に及ぼす検体化合物の影響を検出すること、 を含むアッセイ方法。 28. 構造変化が、PrPcに比し不溶性の増大をもたらす、請求項27記載のア ッセイ方法。 29. 構造変化が、PrPcに比しプロテアーゼ抵抗性の増強をもたらす、請求項 27記載のアッセイ方法。 30. PrPcが、ヒトPrPc、ハムスターPrPc、マウスPrPc、ウシPrPc、およびヒ ツジPrPcからなる群より選択される、請求項27記載のアッセイ方法。 31. PrPcがヒトPrPcである、請求項30記載のアッセイ方法。 32. PrPcがPrPcのヒト変異体である、請求項27記載のアッセイ方法。 33. (a) プリオンタンパク質複合体が形成される条件下で、第1の構成要素 であるPrPcおよび第2の構成要素であるPrPcペプチドを混合し; (b) PrPScを含む可能性のある検体を加え; (c) PrPc/PrPSc複合体の形成により、プリオンタンパク質複合体から 解離したPrPペプチドの量を測定する工程を含み、該プリオンタンパク質複合体 から解離するPrPペプチドの量が、検体中に存在するPrPScの量に比例する、PrPS c のアッセイ。 34. 第2の構成要素であるPrPが標識されており、プリオンタンパク質複合 体 から解離したPrPペプチドの量が、PrPc/PrPSc複合体を除去し、残存した標識の 量を検出することにより測定される、請求項33記載の方法。 35. 第1の構成要素であるPrPcが、固相に付着することにより固定されてお り、解離した標識PrPペプチドの量が非結合相で測定される、請求項33記載の 方法。 36. PrPペプチドが、放射性同位元素、蛍光色素、または発色団で標識され る、請求項34記載の方法。
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