JP4685314B2 - シクロヘキサノールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、シクロヘキサノールの製造方法、詳しくは固体酸を触媒として用いてシクロヘキセンを水和してシクロヘキサノールを製造する方法の工業的に優れた改良に関するものである。
【0002】
従来技術
シクロヘキセン等のシクロオレフィンを水和してシクロアルカノールを製造する方法に、触媒として強酸性イオン交換樹脂、ゼオライト等の固体酸触媒を用いる方法がよく知られている。これらの方法の特長は鉱酸類等の均一系触媒に比較して触媒の分離が容易であることであるが、一方で、収率が低いという問題点がある。そこで、この収率を向上させるために、様々な有機溶媒又は有機添加物を添加する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開昭58−194828号公報では、炭素数1〜10のアルコール、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶媒の添加が提案されている。特開昭62−120333号公報及び特開昭62−126141号公報ではフェノール類の添加が、また、特開昭64−13044号公報ではフルオロアルコール類の添加が、特開平1−254634、特開平1−313447及び特開平4−247041号公報では脂肪族カルボン酸類の添加が、特開平5−255162号公報では安息香酸類の添加が、提案されている。他に、特開平8−176041号公報では、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選ばれる置換基を有する安息香酸の添加が提案されており、また、特開平9−263558号公報では、芳香族性複素環カルボン酸の添加が提案されている。特開平7−247232号公報では、シクロアルカノン、具体的にはシクロヘキサノンの共存効果が報告されている。また、特開平9−249601号公報では、シクロアルケンの水への分配率を高める作用のある物質を単独、或いは、シクロアルカノールの有機層への分配率を高める作用を有する物質とともに共存させる方法が開示され、前者の例では、アルキルスルホン酸、ヘテロポリ酸の添加が、後者の例として芳香族カルボン酸類、フェノール類、又は環式飽和カルボン酸類の添加が提案されている。また、日本化学会誌1989,(3),p.521〜527では、フェノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトンの共存により、反応速度、平衡転化率が上昇することが報告されている。
【0004】
しかしながら、上記のような種々の有機添加物を添加する方法は、工業的に実施する上で依然として、様々な問題点を有するものであり、いずれの方法をもってしても全ての問題点を解決するものではない。多くの例では、有機添加物を用いても未だ、収率が充分でなかったり、収率向上のためには大量の溶媒(有機添加物)を必要とするという問題があったり、水和反応系内において有機添加物が、原料のシクロヘキセンや製品のシクロヘキサノールと反応してしまうこと、或いは、有機添加物自身が水和反応条件下で安定ではなく、有機添加物由来の副生成物が生成することにより、有機添加物のロスが発生し、また、製品シクロヘキサノール純度が低下してしまうといった問題がある。
【0005】
例えば、特開平5−255162号公報等で提案されている安息香酸は、製品のシクロヘキサノールとエステル化反応を起こしてしまうという問題があり、また、安息香酸の昇華性により反応混合物の蒸留精製が困難であるという問題もある。
【0006】
特開平1−313447号公報で提案されている酢酸では、酢酸シクロヘキシルが大量に生成するので、別途、シクロヘキセン、シクロヘキサノール、酢酸として各々を回収する方法が必要となり、工業的に実施する場合極めて不利である。
【0007】
特開昭62−120333、特開昭62−126141号公報等で提案されているフェノールは、シクロヘキサノール収率を向上させる溶媒として有効ではあるが、製造するシクロヘキサノールとフェノールとが共沸組成(極大共沸点)を作るため、工業的に実施する場合、シクロヘキサノールとフェノールとの蒸留分離が不可能であるという問題があり、また、フェノールの水への溶解度が8.5%と高いため、工業的に実施する場合、後述する様に溶媒のロスが大きくなってしまうという問題がある。
【0008】
日本化学会誌、1989,(5)p.521〜527において反応速度、平衡転化率向上効果を有する物質として記載されているベンジルアルコールは、水和反応条件下において容易に脱水反応を起こしてジベンジルエーテルに転換され、工業的に実施する場合には、溶媒のロスが甚だ大きく、また、ジベンジルエーテルでは上記溶媒効果が得られないために、転化率向上効果が得られなくなってしまう。
【0009】
特開平7−247232号公報で提案されているシクロヘキサノンについては、製造されるシクロヘキサノールよりもやや低沸点であるので、工業的に実施する場合、シクロヘキサノールとの蒸留分離が問題となるであろう。また、シクロヘキサノンも水への溶解度が8.7%と高いため、工業的に実施する場合、溶媒のロスが大きくなってしまうという問題がある。
【0010】
一方、これらの課題に対して、新たな提案がなされてきた。例えば、特開平9−286745号公報では、安息香酸類の少なくとも2位に置換基を有するものを有機添加剤に用い、安息香酸類と原料シクロヘキセンとのエステル化率を抑制することを提案している。しかしながら、当該実施例によれば、2,6−ジメチル安息香酸を用いてもそのエステル化を完全に抑止することは実現されておらず、しかも、120℃×1時間のバッチ反応で、かつ、添加剤を23重量部も用いながら、シクロヘキサノールの収率は僅か14.7%に過ぎず、充分な収率を得ているとはいえない。
【0011】
特開平9−286746号公報では、1,2,6位のいずれかに少なくとも一つの置換基を有するシクロヘキサンカルボン酸類を添加剤として用いる方法が提案されている。当該実施例によると、2−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸を用いれば、エステル化を抑止することができると報告されているが、やはり、120℃×1時間のバッチ反応で、かつ、添加剤を23重量部も用いていながら、シクロヘキサノールの収率は、僅か13.6%に過ぎず、充分な収率を得ているとはいえない。更に、これらの方法に用いられる有機添加物は極めて特殊なものである。
【0012】
一方、特開平9−227429号公報及び特開平9−227430号公報では、活性劣化を防止し、触媒との分離性能を悪化させないようにするための方法として、固体である有機添加剤を溶融状態又は溶液状態で反応器に供給する方法、最初にシクロオレフィンの存在下で、固体酸触媒を含む水スラリーと有機添加剤を接触させる方法が提案されている。即ち、言い換えれば、通常の使用方法では、これらの方法で用いられる固体有機添加剤の存在は、触媒活性の経時劣化及び触媒分離性の悪化という悪影響があることが示唆されているのである。
【0013】
以上のように、有機添加剤又は溶媒の添加により、シクロヘキサノールの収率を向上させる方法に関する従来技術は、工業的に実施する上で下記に列挙する課題のいずれかを包含するものであった。
1.有機添加物を用いても未だ、収率が充分でない。或いは、収率向上のためには大量の有機添加物を必要とする。
2.水和反応系内において、有機添加物に由来する不純物質が生成し、有機添加物が経時的に失われてしまい、また、原料のシクロヘキセンや製品のシクロヘキサノールと反応してしまう。
3.有機添加物自体又は有機添加物に由来する副生物と、製品であるシクロヘキサノールとの蒸留分離が困難である。
4.有機添加物自体又は有機添加物に由来する副生物により、水和反応触媒の活性劣化が加速促進されてしまう。
5.有機添加物自体又は有機添加物に由来する副生物が、触媒と反応液との分離性に悪影響を与える。
6.溶媒(有機添加物)が、シクロヘキセン相と水相の両相に分配するものであって、その水相への溶解度が大きいと、工業的に実施する場合に問題となる。なぜならば、工業的実施において触媒を再生する必要が生じた場合、反応方式が水相に懸濁させた触媒スラリーを用いる攪拌槽方式であると、触媒再生の際に触媒スラリーと共に溶媒も系外に抜き出されてしまい、添加した溶媒のロスが大きくなるからである。
【0014】
発明の開示
本発明は、固体酸を触媒として用い、水の存在下でシクロヘキセンを水和反応に付してシクロヘキサノールを製造するにあたり、シクロヘキサノールの収率を飛躍的に向上させると同時に、上記問題点の全てを解決し得る溶媒(有機溶剤)を提供すること、即ち、シクロヘキサノールの収率を飛躍的に向上させるとともに、シクロヘキサノールの選択率、触媒活性の経時変化及び触媒分離への悪影響が無く、しかも、製品シクロヘキサノールの蒸留分離回収も容易であり、かつ、溶媒のロスも少ない。従って、本発明は高純度のシクロヘキサノールを極めて高収率で、且つ、安定的に得る方法を提供することを目的とする。
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、固体酸を触媒として用い、水の存在下でシクロヘキセンを水和反応に付してシクロヘキサノールを製造するに当たり、25℃における水への溶解度が5重量%以下であり、かつ、製造されるシクロヘキサノールよりも20℃以上沸点が高く、かつ、水和反応条件下での溶剤の転化率が3%以下であり、かつ、シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果を示す溶媒効果指数が1.5以上である有機溶剤を反応溶媒として用いることにより、シクロヘキサノール収率を飛躍的に向上させるとともに、シクロヘキサノール選択率、触媒活性の経時変化及び触媒分離への悪影響がなく、しかも、製品シクロヘキサノールの蒸留分離回収も容易であり、また、溶媒のロスも少なく、即ち、高純度のシクロヘキサノールを極めて高収率で、且つ、安定的に得ることが可能であることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0016】
即ち、本発明は、固体酸を触媒として用い、水の存在下でシクロヘキセンを水和反応に付してシクロヘキサノールを製造する方法であって、αイソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、βイソホロン(3,5,5−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−オン)、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,4,4−トリメチルシクロヘキサノン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5,5,−テトラメチルシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1つの有機溶剤を反応溶媒として用い、好ましくは、固体酸がゼオライトであり、より好ましくは、ゼオライトがZSM−5であり、また、好ましくは、用いる有機溶剤がイソホロン又はエチレングリコールモノフェニルエーテルである上記製造方法である。
【0017】
発明を実施するための最良の形態
以下、本願発明について具体的に説明する。
【0018】
本発明の触媒として用いられる固体酸としては、酸性固体物質であり、ゼオライト、酸性イオン交換樹脂、複素重合酸、及び、二酸化ジルコニウム、二酸化錫、二酸化チタンのような実質的に水に不溶の酸性酸化物が用いられる。好ましくは、ゼオライトが挙げられる。ゼオライトとは結晶性アルミノシリケートの総称である。また、ゼオライト類似物質としてゼオライトのSi又はAlの一部をB、Fe、Cr、Ti、Ge、Ga等で置換した結晶性メタロシリケートが報告されているが、本発明におけるゼオライトとしてはこれらの結晶性メタロシリケートも包含される。
【0019】
本発明に用いられるゼオライトの例としては、A型ゼオライト、X,Y型のフォージャサイト、L型ゼオライト、モルデナイト、オフレタイト、エリオナイト、フェリエライト、ゼオライトβ、ZSM−4、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−35、ZSM−48等が挙げられる。好ましくは、ペンタシル構造を有するゼオライトであり、特に好ましいのはZSM−5ゼオライトである。
【0020】
本発明において触媒として用いられるこれらのゼオライトは、イオン交換によって酸型にして用いる必要がある。交換導入されるカチオン種は酸性を発現できれば特に制限はなく、例えば、プロトン、アルカリ土類金属、チタン族、鉄族、白金族、希土類金属等が挙げられる。その中で好ましいのはプロトンである。
【0021】
本発明の方法において反応溶媒として用いられる有機溶剤は、以下の特長を有するものである。即ち、25℃における水への溶解度が5重量%以下であること、製造されるシクロヘキサノールよりも20℃以上沸点が高いこと、水和反応条件下での溶剤の転化率が3%以下であること、シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果を示す溶媒効果指数が1.5以上である有機溶剤であることである。
【0022】
本発明の方法において反応溶媒として用いられる有機溶剤は、25℃における水への溶解度が5%より低いものである。なぜならば、本反応を工業的に実施する上で有利となるからである。すなわち、本反応を、特公平2−31056号公報や特開平9−227430号公報に連続流通反応装置概略図とともに開示されているような水相に懸濁させた触媒スラリーを用いる攪拌槽方式で工業的に実施しようとする場合、長期の使用により活性低下を来たした触媒スラリーの一部を反応器から回収し、再生する必要が生じる。この時、水相へ溶解している溶媒も抜き出されることになり、水相溶解分の溶媒の損失が起こる。水への溶解度が高い有機溶剤では、例えば、濾過等により、触媒スラリーから水相及び水相に溶解している有機溶剤を回収する必要が生じるので甚だ不利である。
【0023】
従って、本反応の反応溶媒に用いられる有機溶剤の25℃における水への溶解度は、低いほど好ましいのではあるが、後述するシクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果と溶解度は相関するものであり、好ましくは、25℃における水への溶解度が、3重量%以下の有機溶剤であり、より好ましくは、1.5重量%以下の有機溶剤が用いられる。
【0024】
本発明の方法において反応溶媒に用いられる有機溶剤は、標準沸点がシクロヘキサノールよりも20℃以上沸点が高い有機溶剤である。即ち、沸点が181℃以上の有機溶剤である。また、製品シクロヘキサノールとの蒸留分離が可能であることが好ましい。ここで、蒸留分離が可能であるとは、用いる有機溶剤がシクロヘキサノールと共沸組成を作らないことをいう。これらのことは、工業的に実施する場合、製品と反応溶媒との分離を従来既知の方法で簡便に蒸留分離することができるため有利である。一方、例えば、特開昭62−120333、特開昭62−126141号公報等で開示され、高い溶媒効果を示す反応溶媒であるフェノールは、シクロヘキサノールと共沸組成をつくることが知られており、蒸留分離が不可能であり、工業的には甚だ不利である。
【0025】
本発明の方法において反応溶媒として用いられる有機溶剤は、シクロヘキセン水和反応の高沸副生物質であるジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシルシクロヘキセンとの分離を考慮すれば、好ましくは、181℃〜230℃の範囲に、又は240℃以上に沸点を持つ有機溶剤であり、より好ましくは、185℃〜220℃の範囲に沸点を持つ有機溶剤である。
【0026】
本発明の方法において反応溶媒として用いられる有機溶剤は、シクロヘキセンの水和反応条件下において、有機溶剤の転化率が3%以下であるものが用いられる。本願発明で言う有機溶剤の転化率とは、シクロヘキセン水和反応が行われる反応温度下でのバッチ反応1時間あたりの有機溶剤自体又は有機溶剤とシクロヘキセン、シクロヘキサノールとの反応転化率である。本発明を工業的に実施する場合には、反応に用いられた溶媒は、製品シクロヘキサノールと分離されて、循環再使用される。従って、溶媒、製品のロスが発生すること、又は、溶媒の再生が必要となること等を考慮すれば、好ましくは、水和反応条件下における転化率が1%以下の有機溶剤、より好ましくは、水和反応条件下において、実質的に溶媒が不活性である(シクロヘキセン、シクロヘキサノールとの反応も生じない)有機溶剤が用いられる。
【0027】
本発明の方法において反応溶媒として用いられる有機溶剤は、シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果を発揮するものである。本反応は、オイル(シクロヘキセン)−水−触媒の三相系で行われる。ゼオライト等の固体酸触媒は水相に存在しており、しかも、反応は触媒上で起こるために、シクロヘキセンの液液分配が反応速度、平衡転化率に大きく影響する。シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果について、日本化学会誌1989,(3)p.521〜527には、無溶媒系とフェノール添加系での120℃におけるシクロヘキセンの液液分配係数を測定した結果が記載されている。それによれば、無溶媒系では油水両相へのシクロヘキセン分配係数(油相のシクロヘキセン濃度(mol%)/水相のシクロヘキセン濃度(mol%))が3818であるのに対して、フェノール添加系では、680であると記載されている。即ち、フェノールの存在により、シクロヘキセンの水相への分配が有利になっていることが判る。特開平9−249601号公報では、その明細書に依れば、フェノールについて、シクロヘキサノールの有機層への分配率を高める作用を有する物質と定義しているが、日本化学会誌1989,(3)p.521〜527の記載、また、本発明者らの追試試験から、フェノールの収率向上の効果はシクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果によるものであろうと考えられる。
【0028】
本発明に用いられる有機溶剤は、以下に定める溶媒効果指数が1.5以上の有機溶剤である。本発明で言う溶媒効果指数とは、120℃における無溶媒でのシクロヘキセン分配係数と120℃における溶媒添加系でのシクロヘキセン分配係数との比(無溶媒でのシクロヘキセン分配係数/溶媒添加系でのシクロヘキセン分配係数)と定義されるものであり、有機溶剤の存在によるシクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果を表すものである。
【0029】
本発明で言う溶媒効果指数とは、詳しくは、シクロヘキセン/シクロヘキサノール/有機溶剤/水を56.7/13.3/30/100の重量比で仕込み、120℃に保たれた平衡状態での油水両相の液組成からシクロヘキセンの分配係数(油相中のシクロヘキセンモル分率/水相中のシクロヘキセンモル分率)を求め、このシクロヘキセン分配係数と無溶媒系(シクロヘキセン/シクロヘキサノール/水を56.7/13.3/100の重量比で仕込み120℃で測定される)でのシクロヘキセン分配係数との比(無溶媒系分配係数/溶剤添加系分配係数)である。
【0030】
本発明における有機溶剤は、この溶媒効果指数が1.5以上を示す有機溶剤であり、好ましくは、溶媒効果指数が2以上の有機溶剤である。一般に、溶媒効果指数が大きい程、シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果が大きいと考えられるが、一方では、溶媒効果指数は水相への有機溶剤の溶解度と相関するものであり、先に述べたような水への溶解度との兼ね合いで有機溶剤が選択される。
【0031】
ここで、シクロヘキセン分配係数は以下の方法により測定される。即ち、上記の重量比で調整されたオイルと水を窒素加圧下、耐圧容器に仕込み、120℃の昇温下で充分に攪拌混合した後、攪拌を低速攪拌とし、平衡に至るに充分な時間静置した後、例えば、1,4−ジオキサン等の溶媒中に油水両相のそれぞれをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー及びカールフィッシャー水分計による分析から、油水両相の組成を求めることにより測定される。
【0032】
以上、列挙したような特性を有する本発明に用いられる有機溶剤の一例としては、フェネチルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル(2−フェノキシエタノール)、αイソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、βイソホロン(3,5,5−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−オン)、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,4,4−トリメチルシクロヘキサノン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン等が挙げられるが、好ましいものは、エチレングリコールモノフェニルエーテル、イソホロン(αイソホロン、βイソホロン共に同様の溶媒効果を示すため、混合物であってもかまわない)であり、より好ましいものは、イソホロンである。これらの有機溶剤は、各々単独で、又は数種類を混合して用いることができる。
【0033】
ここで、本発明において反応溶媒として用いられる有機溶剤の持つ特性について、好ましい有機溶剤であるイソホロンを例に挙げて説明する。
【0034】
本発明の方法における溶媒として好ましい有機溶剤であるイソホロンの25℃での水への溶解度は、1.2g/100ml(HAZARDOUS SUBSTANCES DATA BANK,ISOPHORONE,920123.参照)である。イソホロンは、水との最低共沸組成を作るので、先に示したような、本反応を水相に懸濁させた触媒スラリーを用いる攪拌槽方式で工業的に実施しようとする場合、触媒の再生工程において系外に抜き出された触媒スラリー中のイソホロンがそもそも少量であるという点で有利である上に、さらに、触媒スラリー中のイソホロンを水との共沸を利用して簡便に蒸留回収することも容易で、溶媒のロスを著しく低減することができるという点でも極めて有利である。
【0035】
イソホロンは、その沸点については、αイソホロンでは215℃、βイソホロンでは186℃であり、シクロヘキサノールとは25〜50℃の沸点差があり、しかも、共沸組成を作ることもないので、一般的に実施される簡便な蒸留分離法によって分離回収することが可能である。
【0036】
イソホロンは、本発明の反応条件下において、水和反応を起こさず、また、原料であるシクロヘキセン、製品であるシクロヘキサノールとの反応性もなく、極めて安定に存在する。また、イソホロンは、その分子構造から本発明に好適に用いられるZSM−5ゼオライトの細孔内への拡散が阻害されているので、触媒の活性劣化への悪影響も回避され、形状選択性にも影響を与えず、却って、表面活性点の寄与を抑制し、シクロヘキサノール選択率を向上せしめる効果も発揮される。このことからも、イソホロンは工業的に実施する上で有利である。
【0037】
イソホロンについて先に示した液液平衡測定を行って求められたイソホロンの溶媒効果指数は2.19であり、これからイソホロンがシクロヘキセンの水相への分配を有利にする有機溶剤であることが判る。
【0038】
以上の如く、本願発明の方法における反応溶媒となる有機溶剤の中でも好適な有機溶剤であるイソホロンは、水への溶解度が低いにもかかわらず、シクロヘキセンの水相への分配を有利にする効果を発現し、しかも、シクロヘキサノールとの蒸留分離も容易であり、更に、シクロヘキサノール選択率、触媒活性の経時変化への悪影響もないといった驚くべき効果をもって、シクロヘキサノール製造方法の従来の課題を解決する優れた溶媒であると言える。
【0039】
イソホロンは、アセトンの3量化によって得られ、αイソホロンに微量のβイソホロン(異性体)を含む工業製品として、主に樹脂の溶剤として用いられている。
【0040】
イソホロンは、高純度であることが好ましいが、工業品をそのまま使用することに何ら問題はない。工業品の一般的なイソホロンの純度は通常、異性体のβ−イソホロンを併せ、97〜99.8%程度である。
【0041】
本発明の方法において、水の使用量はシクロヘキセン1モルに対して、1〜100モルの範囲が適当であり、触媒の使用量は、シクロヘキセンに対して重量比で、0.01〜100の範囲が適当である。反応溶媒である有機溶剤の使用量は、シクロヘキセンに対して重量比で、0.05〜10の範囲であり、好ましくは、0.1〜5の範囲であり、より好ましくは、0.25〜1の範囲である。
【0042】
本発明の方法における反応形式は、回分式、連続式、反応蒸留方式等のいずれも可能であり、連続式においては、固定床流通反応方式及び攪拌槽流通反応方式のいずれでも可能である。
【0043】
本発明の方法における反応温度は、50〜200℃の範囲であり、好ましくは、80〜160℃の範囲である。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く実用的ではなく、また、反応温度が200℃を超えると、反応の平衡がシクロヘキセン側に片寄るために不利である。
【0044】
本発明の方法における反応圧力は、反応温度において液相を保つ圧力であれば特に制限されないが、好ましくは、0.1〜5MPaの範囲である。また、反応雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性気体雰囲気で、しかも、酸素の含有量が少ないことが好ましい。
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を越えない限り、様々な変更、修飾などが可能である。
【0046】
[実施例1]
<ZSM5ゼオライト−Aの合成>
【0047】
特許番号第2844098号公報の実施例1に開示された方法にてZSM5ゼオライトを合成した。
【0048】
(1)種スラリーの合成
富士化学(株)製珪酸ナトリウム水溶液(SiO2:26重量%、Na2O:7.0重量%)8.0Kgに、NaOH0.05Kgと水4.0Kgを加えた溶液に、Al2(SO43・16H2O0.61Kgと1,3ジメチル尿素0.1Kgを水15Kgに溶かした溶液を攪拌しながら加え、5重量%の硫酸10Kgを加えて均質なゲルを得た。このゲルを内容積50リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌動力0.5〜1KW/m3で攪拌しながら、160℃、10時間結晶化させた。得られたスラリーを冷却し、種スラリーを得た。
【0049】
(2)本合成(ZSM5ゼオライトAの合成)
種スラリー12.6Kgに、上記1で用いた珪酸ナトリウム水溶液5.3KgとNaOH30gと水2.67Kgを加えた。さらに、Al2(SO43・16H2O0.41Kgと1,3ジメチル尿素0.06Kgを水10Kgに溶かした溶液を攪拌しながら加え、5重量%の硫酸6.67Kgを加え、均質なゲルを得た。このゲルを50リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌動力0.5〜1KW/m3で攪拌しながら、150℃、30時間で結晶化させた。得られたスラリーを冷却、回収し、遠心脱水機で濾過した。その後、水洗しながら濾過を繰り返した。得られた濾過ケークを120℃で8時間乾燥させて、粉末状のゼオライト−Aを得た。得られたゼオライト−Aを(株)理学社製X線回折装置(型式RAD−3A)により分析したところ、回折パターンはZSM5のものであり、ゼオライト−AはZSM5ゼオライトであった。得られたZSM5ゼオライト−Aを500℃で6時間空気流通下に焼成した後、その1Kgを1N−硝酸水溶液10リットル中に添加し、4時間60℃でイオン交換し、濾過、水洗後、120℃で12時間乾燥し、H−ZSM5ゼオライト−Aを得た。得られたH−ZSM5ゼオライト−Aについて、(株)日立製作所製電子プローブマイクロアナライザー装置(型式X−650、X線検出器(株)堀場製エネルギー分散型X線分析装置型式EMAX−5770W)によって元素分析を行ったところ、シリカ/アルミナモル比(SiO2/Al23)は29であった。粒子径としては、走査型電子顕微鏡写真の撮影から、最も巾の狭い部分の厚さが0.2μm以下の板状微粒子体であることが判った。
【0050】
<シクロヘキセンの水和反応>
得られたH−ZSM5ゼオライト−A触媒30gと、水81gとをガラス製オートクレーブAに仕込み、窒素0.5MPaの加圧下にて、攪拌しながら120℃に昇温した。一方、ガラス製オートクレーブBには、シクロヘキセン61gとイソホロン20gを仕込み、窒素0.6MPaの加圧下、120℃に昇温した。しかる後、ガラス製オートクレーブBから、ガラス製オートクレーブAへシクロヘキセン/イソホロン混合液を圧送して反応を開始した。1時間反応後、攪拌を停止し油相サンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーによって分析を行った。サンプリングの際、攪拌停止後、直ちに油水二相に分離した。シクロヘキサノールの収率及び選択率は下記の通りであった。
【0051】
シクロヘキサノール収率:24.3%、選択率:99.7%
主たる不純物は、シクロヘキセンの水和反応での副生成物であるメチルシクロペンテン、ジシクロヘキシルエーテルであり、イソホロンは全く変化していなかった。
【0052】
本実施例及びイソホロンを用いない比較例1から、溶媒にイソホロンを用いることにより飛躍的にシクロヘキサノール収率(反応速度、平衡転化率)を向上することができ、その際に、溶媒由来の不純物の副生が全く観られず溶媒が極めて安定であること、イソホロンの添加が油水分離性能に悪影響を与えないことが判る。
【0053】
[実施例2]
<ZSM5ゼオライト−Bの合成>
【0054】
特許番号第2844098号公報の実施例7に開示された方法にてZSM5ゼオライトを合成した。
【0055】
(1)種スラリー(1)の合成
富士化学(株)製珪酸ナトリウム水溶液(SiO2:26重量%、Na2O:7.0重量%)5.35Kgに、水2.5Kgを加えて均一な溶液を得た。この溶液を内容積50リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌しながら、水15KgにAl2(SO43・16H2O0.4Kgと濃硫酸0.26Kgを溶かした溶液を室温で30分かけてポンプで送液した。しかる後、170℃、30時間、250rpmの条件下で結晶化させた。得られたスラリーを冷却し、種スラリー(1)を得た。
【0056】
(2)種スラリー(2)の合成
上記1で用いた珪酸ナトリウム水溶液5.65KgとNaOH28gとNaAlO245gを水2.21Kgに加えて均一な溶液を得た。この溶液と、種スラリー(1)10.5Kgを内容積50リットルのオートクレーブに仕込み、150rpmで攪拌しながら、水10KgにAl2(SO43・16H2O0.424KgとNaAlO250gを溶かした溶液を室温で30分かけてポンプで送液した。さらに、水5.84Kgに濃硫酸0.2Kgを溶かした溶液を15分間かけてポンプで送液した。その後、190℃まで昇温し、6時間で結晶化させた。得られたスラリーを冷却回収し、種スラリー(2)を得た。
【0057】
(3)本合成(ZSM5ゼオライトBの合成)
上記1で用いた珪酸ナトリウム水溶液5.65KgとNaOH28gとNaAlO245gを水2.21Kgに加えて均−な溶液を得た。この溶液に種スラリー(2)10.5Kgを加え、均質なスラリーとした。このスラリーを50リットルのオートクレーブに仕込み、室温下150rpmで攪拌しながら、水10KgにAl2(SO43・16H2O0.424KgとNaAlO250gを溶かした溶液を30分間かけてポンプで送液した。さらに、水5.84Kgに、濃硫酸0.2Kgを溶かした水溶液を15分間かけてポンプで送液した。その後、温度を165℃まで上昇し、150rpmで攪拌しながら、30時間かけて結晶化させた。得られたスラリーを冷却、回収し、遠心脱水機で濾過した。その後、水洗しながら濾過を繰り返した。得られた濾過ケークを120℃で8時間乾燥させて、粉末状のゼオライト−B約1.7Kgを得た。得られたゼオライト−BのX線回折パターンはZSM5のものであり、ゼオライト−BはZSM5ゼオライトであった。また、元素分析の結果、ZSM5ゼオライト−Bのシリカ/アルミナモル比(SiO2/Al23)が29であった。粒子径は、0.05μm程度の極めて微粒子体であることが判った。得られたZSM5ゼオライト−Bの1Kgを1N−硝酸水溶液10リットル中に添加し、4時間室温でイオン交換し、濾過、水洗後、120℃で12時間乾燥し、H−ZSM5ゼオライト−Bを得た。
【0058】
<シクロヘキセンの水和反応>
得られたH−ZSM5ゼオライト−Bを触媒として、用いたほかは実施例1と同様にして、シクロヘキセンの水和反応を行った。反応成績は以下の通りである。
【0059】
シクロヘキサノール収率:24.9%、選択率:99.5%
【0060】
[実施例3]
<ZSM5ゼオライト−Cの合成>
特許番号第2577941号公報の実施例1に開示された合成方法に従って、ZSM5ゼオライトを合成した。
【0061】
(1)種スラリーの合成
富士化学(株)製、Qブランド珪酸ナトリウム水溶液5.3Kgに、水2KgとNaOH25gを加えて均一な溶液を得た。この溶液を内容積50リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌しながら、水15KgにAl2(SO43・18H2O0.4Kgと濃硫酸0.3Kgを溶かした溶液を室温で60分かけてポンプで送液した。しかる後、180℃、10時間、250rpmの条件下で結晶化させた。得られたスラリーを冷却し、種スラリーを得た。
【0062】
(2)本合成(ZSM5−Cの合成)
富士化学(株)製、Qブランド珪酸ナトリウム水溶液5.7KgとNaOH28gと水2.2Kgを加えて均一な溶液を得た。この溶液に1で得られた種スラリー10.5Kgを加え、均質なスラリーとした。このスラリーを50リットルのオートクレーブに仕込み、室温下250rpmで攪拌しながら、水16KgにAl2(SO43・18H2O0.42Kgと濃硫酸0.3Kgを溶かした水溶液を60分間かけてポンプで供給した。その後、温度を150℃まで上昇し、250rpmで攪拌しながら、30時間かけて結晶化させた。得られたスラリーを冷却、回収し、遠心脱水機で濾過した。その後、8倍量の水で水洗しながら濾過を繰り返した。得られた濾過ケークを120℃で10時間乾燥させて、粉末状のゼオライト1.7Kgを得た。得られたゼオライト−CのX線回折パターンはZSM5のものであり、ゼオライト−CはZSM5ゼオライトであった。ZSM5ゼオライト−Cは、SiO2/Al23が28、粒子径としては、0.1μm以下の一次粒子の凝集体であり、約0.5×0.5×1μmの柱状二次粒子を形成する微粒子体であった。得られたZSM5ゼオライト−Cの100gを1N−硝酸水溶液1リットル中に添加し、4時間室温でイオン交換し、濾過、水洗後、120℃で12時間乾燥し、H−ZSM5ゼオライト−Cを得た。
【0063】
<シクロヘキセン水和反応>
得られたH−ZSM5ゼオライト−Cを触媒として、用いたほかは実施例1と同様にして、シクロヘキセンの水和反応を行った。反応成績は以下の通りである。
【0064】
シクロヘキサノール収率:24.3%、選択率:99.6%
【0065】
[実施例4、参考例1乃至2
<シクロヘキセン水和反応>
反応溶媒として、エチレングリコールモノフェニルエーテル(参考例1)、フェネチルアルコール(参考例2)、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン(実施例4)をそれぞれ用いたほかは、実施例1と同様にシクロヘキセン水和反応を行った。反応の結果を表1に、本実施例及び本参考例に用いられた有機溶剤の特性を表2に示す。
【0066】
本実施例及び本参考例、並びに溶媒を用いない比較例1から、ここで挙げた有機溶剤を反応溶媒に用いることによっても、飛躍的にシクロヘキサノール収率(反応速度、平衡転化率)を向上できることが判る。
【0067】
[実施例5]
<シクロヘキセン水和連続攪拌槽流通反応>
シクロヘキセンの水和反応の連続流通反応試験を以下の条件で行った。触媒としては、実施例1に用いたH−ZSM5ゼオライト−Aを使用した。
【0068】
反応装置:内容積1リットルのステンレス製オートクレーブ
反応槽中のホールドアップ量
オイル:240ml
スラリー:240ml
スラリー濃度:触媒30重量%
オイル(シクロヘキセン/イソホロン)供給量:170ml/Hr
シクロヘキセン/イソホロン重量比:0.7/0.3
反応温度:120℃、反応圧力:窒素により0.7MPaに加圧
【0069】
反応槽上部にオイルだけの相を形成する程度の攪拌条件下で、オーバーフローノズルからオイルを連続的に抜き出し、反応消費分の水は、ポンプで適宜送入した。120時間まで反応を継続した。なお、運転の間、触媒スラリーの流出は皆無であり、イソホロン溶媒を使用したとしても、油水分離に悪影響を与えることがないことが判る。反応結果を表3に示す。
【0070】
本実施例及び比較例5から、イソホロンを溶媒に用いたシクロヘキセンの水和流通反応評価において、シクロヘキサノール収率(生産性)の向上が確認され、また、触媒の活性劣化傾向には無溶媒系との有意差は観られず、イソホロンが触媒の活性劣化に影響を与えないことが判る。
【0071】
参考例3
<シクロヘキセン水和連続固定床流通反応>
シクロヘキセンの水和反応の連続固定床流通反応試験をエチレングリコールモノフェニルエーテル(EGMPE)を反応溶媒として以下の条件で行った。反応装置には熱媒ジャケットを設けた内径26.5mmのステンレス製反応器を用い、反応器上部には、水及びオイル供給口が設けられており、反応器下部では油水は混合された状態で、圧力調整弁を介して反応液貯槽へ導かれ、反応液貯槽で油水分離された。触媒としては、エンゲルハルド社製ZSM−5ゼオライト(シリカ/アルミナモル比=50)を、20wt%のアルミナバインダーを添加して外径1/16インチ、長さ5mmのサイズに押し出し成型したものを用い、触媒層高は240mmであった。連続反応は以下の反応条件で、油水下降並流液封反応方式で行った。
【0072】
反応器への触媒充填量:87.2g
オイル供給量 :24.5g/Hr
水供給量 :12.0g/Hr
オイル組成(シクロヘキセン/EGMPE重量比):70/30
反応温度 :135℃(熱媒循環温度)
124〜134℃(触媒層温度)
反応圧力 :2MPaに設定(液封反応圧力)
【0073】
反応液貯槽に排出されたオイル相をガスクロマトグラフィーにより分析し、反応成績を求めた。反応開始時は、シクロヘキセンのみを供給し、反応開始20時間経過時から、シクロヘキセン/エチレングリコールモノフェニルエーテル=70/30重量比混合液に原料を切り換え、その後、反応は150時間継続した。反応結果を表4に示す。
【0074】
参考例からエチレングリコールモノフェニルエーテルを反応溶媒に用いた際にも、高いシクロヘキサノール収率が得られ、しかも、触媒活性低下に影響を与えないことが判る。なお、エチレングリコールモノフェニルエーテル溶媒では、水和反応条件下において、エチレングリコールシクロヘキシルフェニルエーテルへの転化が認められたが、1%以下であり、経時的低下が著しいものであり、副反応はゼオライト表面活性点で生じていることが示唆された。しかも、この副生物質は溶媒よりもさらに高沸点物質であるので、蒸留分離により回収し、別途、エチレングリコールモノフェニルエーテルへ戻すことも可能である。
【0075】
[実施例
<シクロヘキサノールの蒸留回収実験>
実施例5の連続流通反応で得られた、反応生成物の503gを15段オールダーショー型ガラス蒸留塔(段効率約60%)を用いて、10.67〜12.66kPaの減圧下でバッチ蒸留分離を行った。その際、還流比は濃縮度合いにより適宜設定しながら運転した。シクロヘキセンが殆どの初留分として274gを回収後、約12.6kPa、ボトム温度約140℃、塔頂温度約103〜104℃の条件で、シクロヘキサノール留分82gを回収した。これを分析した結果、初留分と本留分中のシクロヘキサノール回収率は99.2%であり、シクロヘキサノール本留分中にイソホロンは検出限界以下であり、不純物としてはメチルシクロペンタノール類が50ppm、シクロヘキサノンが90ppm含まれており、シクロヘキサノールの純度は99.9%以上であった。
【0076】
本実施例から、本発明の好適な反応溶媒であるイソホロンと製品シクロヘキサノールの蒸留分離はごく一般的な蒸留分離方法で簡便に実施可能であること、また、本発明の方法で得られるシクロヘキサノールが極めて高純度であることが判る。
【0077】
[比較例1]
イソホロンを添加しなかったほかは、実施例1と同様にして反応を行った。サンプリングの際、攪拌停止後直ちに油水二相に分離した。各時間におけるシクロヘキサノールの収率は下記の通りであった。
【0078】
触媒:H−ZSM5ゼオライト−A
1時間 シクロヘキサノール収率:12.6%
2時間 シクロヘキサノール収率:14.8%
3時間 シクロヘキサノール収率:15.8%
【0079】
[比較例2]
イソホロンを添加しなかったほかは、実施例2と同様にして反応を行った。各時間におけるシクロヘキサノールの収率は下記の通りであった。
【0080】
触媒:H−ZSM5ゼオライト−B
1時間 シクロヘキサノール収率:12.3%
2時間 シクロヘキサノール収率:14.6%
3時間 シクロヘキサノール収率:15.7%
【0081】
[比較例3]
イソホロンを添加しなかったほかは、実施例3と同様にして反応を行った。各時間におけるシクロヘキサノールの収率は下記の通りであった。
【0082】
触媒:H−ZSM5ゼオライト−C
1時間 シクロヘキサノール収率:12.5%
2時間 シクロヘキサノール収率:14.9%
3時間 シクロヘキサノール収率:15.3%
【0083】
比較例1〜3から反応溶媒を用いない例では、従来公知の高活性な触媒を用いたとしても、平衡のためにシクロヘキサノール収率は低いものに留まってしまうことが判る。
【0084】
[比較例4]
溶媒として、ベンジルアルコールを用いたほかは、実施例1と同様にして反応を行った。各時間におけるシクロヘキサノールの収率は下記の通りであった。
【0085】
触媒:H−ZSM5ゼオライト−A
1時間 シクロヘキサノール収率:17.2%
2時間 シクロヘキサノール収率:21.5%
【0086】
本比較例においては、反応溶媒であるベンジルアルコールの、その脱水縮合反応生成物であるジベンジルエーテルへの転化率が、1時間で11.4%、2時間で16.0%にも達し、他にも、フェネチルアルコール等、数種類の副生物が確認された。
【0087】
本比較例から、日本化学会誌1989,(3)p.521〜527に記載されたベンジルアルコールは、確かに溶媒効果は認められるものの、水和反応条件下では、脱水縮合しジベンジルエーテルへ転換されてしまい、しかも、このジベンジルエーテルでは溶媒効果が発現しない。従って、かかる不安定な溶媒を工業的に用いる事は不可能であると言わざるを得ない。
【0088】
[比較例5]
供給原料として、シクロヘキセンのみを170ml/Hrの供給速度で供給したほかは、実施例5と同様にしてシクロヘキセンの水和反応の連続流通反応試験を行った。反応結果を表5に示す。
【0089】
[比較例6]
<シクロヘキサノール/フェノールの蒸留分離挙動>
シクロヘキサノール62.2mol%、フェノール37.8mol%の混合液を500mlフラスコに仕込み、分留管を備えたバッチ減圧蒸留装置を用いて蒸留分離実験を行った。圧力7.33kPaにおいて、留出開始後、釜内温度が一定となるまで、留出を継続し、釜内温度が約116℃で安定した時点で釜内液をサンプリングし、組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0090】
釜内液組成は、シクロヘキサノール19.1mol%、フェノール80.9mol%であり、留出液トータルの液組成は、シクロヘキサノール81.8mol%、フェノール18.2mol%であった。
【0091】
蒸留実験結果から求められたシクロヘキサノール/フェノール最高共沸組成シクロヘキサノール19mol%(圧力7.33kPa,温度116℃)は、別途、気液平衡推算法(UNIFAC)で計算された共沸組成シクロヘキサノール22mol%(圧力7.33kPa,温度109℃)とほぼ一致した。
【0092】
本比較例から、従来技術で優れた溶媒効果を発揮すると提案されているフェノールは、製品シクロヘキサノールと蒸留分離が不可能であり、工業的に実施する上で極めて不利であることが判る。
【0093】
Figure 0004685314
【0094】
初期投入量
触媒 H−ZSM5−A 30 g
水 81 g
溶媒 20 g
シクロヘキセン 61 g
〃 (無溶媒系) 81 g
反応温度 120 ℃
反応時間 1 時間
【0095】
Figure 0004685314
【0096】
Figure 0004685314
【0097】
供給量 170 ml/Hr
シクロヘキセン 100.0 g/Hr
イソホロン 42.9 g/Hr
イソホロン濃度 30.0 wt%
触媒量 H−ZSM5−A 80.0 g
スラリー濃度 30.0 wt%
比活性: 10時間での収率を100として算出した。
【0098】
Figure 0004685314
以降は、シクロヘキセン/エチレングリコールモノフェニルエーテル=70/30(重量比)
【0099】
供給量
オイル 24.5 g/Hr
水 12.0 g/Hr
溶媒濃度 30.0 wt%
触媒 エンゲルハルド社製 H−ZSM5 の押し出し成型体
バインダー濃度 20.0 wt%
触媒充填量 87.2 g
ZSM−5 69.8 g
熱媒循環温度 135 ℃
触媒層温度 124〜134 ℃
反応圧力 2 MPa
比活性:溶媒添加後は、25時間での収率を100として算出した。
【0100】
Figure 0004685314
【0101】
供給量 170 ml/Hr
シクロヘキセン 137.9 g/Hr
イソホロン 0.0 g/Hr
イソホロン濃度 0.0 wt%
触媒量 H−ZSM5−A 80.0 g
スラリー濃度 30.0 wt%
比活性: 10時間での収率を100として算出した。
【0102】
産業上の利用可能性
本発明によれば、シクロヘキサノールの収率が飛躍的に向上すると同時に、触媒活性の経時変化及び触媒分離への悪影響もなく、しかも、製品シクロヘキサノールの蒸留分離回収も容易であり、用いる溶媒のロスも少ない。即ち、高純度のシクロヘキサノールを極めて高収率で、且つ、安定的に得ることができるので、本発明は工業的にシクロヘキサノールを製造する際に非常に有利である。

Claims (4)

  1. 固体酸を触媒として用い、水の存在下でシクロヘキセンを水和反応に付すことを含むシクロヘキサノールを製造する方法であって、αイソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、βイソホロン(3,5,5−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−オン)、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,4,4−トリメチルシクロヘキサノン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5,5,−テトラメチルシクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1つの有機溶剤を反応溶媒として用いるシクロヘキサノールの製造方法。
  2. 固体酸がゼオライトである請求項1に記載の製造方法。
  3. ゼオライトがZSM−5である請求項2に記載の製造方法。
  4. 有機溶剤がイソホロンである請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
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