JPH07247232A - シクロアルカノール又はシクロアルカノンの製造方法 - Google Patents

シクロアルカノール又はシクロアルカノンの製造方法

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JPH07247232A
JPH07247232A JP3816394A JP3816394A JPH07247232A JP H07247232 A JPH07247232 A JP H07247232A JP 3816394 A JP3816394 A JP 3816394A JP 3816394 A JP3816394 A JP 3816394A JP H07247232 A JPH07247232 A JP H07247232A
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JP
Japan
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cycloalkanone
mixture
cycloalkene
cyclohexanone
reaction
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JP3816394A
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English (en)
Inventor
Masataka Moriyasu
賢高 守安
Takahiko Takewaki
隆彦 武脇
Koji Maeda
耕治 前田
Toshiharu Yokoyama
寿治 横山
Takao Maki
隆夫 真木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 シクロアルケンを、シクロアルケンに対する
重量比で0.001〜100のシクロアルカノンの存在
下で、ゼオライト触媒を用いて水和すること、また、該
水和の後、脱水素することを特徴とするシクロアルカノ
−ル又はシクロアルカノンの製造方法。 【効果】 シクロアルケンを水和してシクロアルカノ−
ルを製造する場合に、シクロアルカノールの収率を工業
的に有利なレベルに高めることができ、また、シクロア
ルケンよりシクロアルカノンを高収率で製造することが
できる。さらに、シクロアルケンを水和したシクロアル
カノールをそのまま脱水素してシクロアルカノンを製造
し、該シクロアルカノンの一部を前記水和反応系に循環
して有効利用するので、簡素で経済的なプロセスにてシ
クロアルカノンを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロアルケンの水和に
よりシクロアルカノールを製造する方法、および、この
シクロアルカノールを脱水素してシクロアルカノンを製
造する方法に関するものである。シクロアルカノール類
およびシクロアルカノン類は、合成繊維原料、医農薬の
中間体として有用である。特にシクロヘキサノール、シ
クロヘキサノンは合成繊維原料として、工業的に大量に
製造されている。
【0002】
【従来の技術】ゼオライト等の無機固体酸を使用してシ
クロヘキセンを水和してシクロヘキサノールとし、得ら
れたシクロヘキサノールを脱水素してシクロヘキサノン
を製造する方法は知られている。シクロヘキセンの水和
反応の触媒としてゼオライトを使用する例としては、ア
ルミナに対するシリカのモル比が20以上である結晶性
アルミノシリケートを用いる方法(特開昭58−194
828)、特定の組成を有する結晶性アルミノメタロシ
リケートを用いる方法(特開平1−190644)等が
多数知られている。 また、これらゼオライトを触媒と
して使用する方法で一般に収率が低く工業的に充分では
ないので、水和反応系に、フェノール類(特開平1−1
10639)、フルオロアルコール類(特開昭64−1
3044)、C1〜C10のアルコール、ハロゲン化炭化
水素、エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等
(特開昭58−194828)の有機溶媒を水和反応系
に添加する方法が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の有機溶媒を添加する方法では、収率は向上するものの
得られたシクロヘキサノールを脱水素する前に、添加し
た有機溶媒を分離回収することが必要であり、工業的に
実施する際にはコスト面で極めて不利なものであった。
【0004】また、使用する有機溶媒によっては水和反
応の際にそれに由来する副生成物を生じる(例えば、フ
ェノールではシクロヘキシルフェニルエーテル、シクロ
ヘキシルフェノール等)。このため、有機溶媒の循環再
使用が困難であるとともに、副生成物の除去に多大な労
力を必要とし、かつ、これら副生成物の混入は製品のシ
クロヘキサノンの品質を著しく低下させる恐れがあるも
のであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ゼオライトおよ
びシクロヘキサノンの存在下にシクロヘキセンを水和
し、得られたシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの
混合物をそのまま脱水素することにより、シクロヘキセ
ンからシクロヘキサノンを収率良く、かつ、余分な分離
操作を必要とせずに製造できることを見いだし本発明を
完成するに至った。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。請
求項1の発明は、シクロアルケンを、シクロアルケンに
対する重量比で0.001〜100のシクロアルカノン
の存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和することを特
徴とするシクロアルカノールの製造方法に関する。原料
のシクロアルケンとしては、シクロプロペン、シクロペ
ンテン、メチルシクロペンテン類、シクロヘキセン、メ
チルシクロヘキセン類、シクロオクテン、シクロドデセ
ン等が例示されるが、好ましくは5〜8個の炭素環を有
するシクロアルケンが好ましい。
【0007】本発明で使用することのできるゼオライト
の好ましい例としては、モルデナイト、エリオナイト、
フェリエライト、モ−ビル社発表のZSM−5、ZSM
−11等を含むZSM系ゼオライトなどの結晶性アルミ
ノシリケ−ト、およびホウ素、鉄、ガリウム、チタン、
銅、銀など異元素を含有するメタロアルミノシリケ−ト
やメタロシリケ−トなどのゼオライトであるが、シクロ
アルケンの水和反応に活性を示すゼオライトであればこ
れらに限定するものではない。また、ゼオライトの交換
可能なカチオン種は、通常、プロトン交換型(H型)が
用いられるが、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類元
素、La、Ce等の希土類元素、Fe、Co、Ni、R
u、Pd、Pt等のVIII族元素の少なくとも一種のカチ
オン種で交換されたものも有効であり、あるいはTi、
Zr、Hf、Cr、Mo、W、Th等を含有させたもの
も有効である。
【0008】シクロアルケンと水のモル比は広範囲より
選択され、反応形式が連続式あるいは回分式のいずれで
実施されるかによっても異なる。しかし、シクロアルケ
ンあるいは水が他の原料に比べて大過剰になる場合は、
反応速度が低下し、実際的ではない。反応器内でのシク
ロアルケンに対する水のモル比は、通常1〜100、好
ましくは5〜30である。また、反応器内でのシクロア
ルケンに対する触媒の重量比は、通常0.01〜20
0、好ましくは0.1〜20である。
【0009】反応系に存在させるシクロアルカノンとし
てはシクロプロパノン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、メチルシクロヘキサノン類、シクロオクタノ
ン、シクロデカノン等が例示されるが、好ましくは5〜
8個の炭素環を有するシクロアカノンである。また、通
常、工業的には、シクロアルカノン、およびその水和反
応生成物であるシクロアルカノールと同じ炭素数の環を
有する化合物を使用することが望ましい。例えば、シク
ロヘキセンを水和してシクロヘキサノールを製造する場
合であれば、添加するシクロアルカノン化合物としては
シクロヘキサノンを使用するのが望ましい。反応系での
シクロアルカノンの存在量は、シクロアルケンに対する
重量比で0.001〜100、好ましくは0.01〜1
0、特に好ましくは0.05〜3である。シクロアルカ
ノンが比較的少量でも水和反応の収率を高める効果が認
められるが、シクロアルケンに対する重量比で0.00
1未満では効果がほとんど認めがたく、一方、シクロア
ルカノンが大過剰に成り過ぎる水和反応の効率が低下す
るのであまり好ましくはない。
【0010】また、反応原料であるシクロアルケンと水
およびシクロアルカノンの他に、反応系に窒素、水素、
ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスを使用
することが好ましい。この場合不活性ガス中の酸素の含
有量は少ない方が望ましく、通常100ppm以下、好
ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以
下の含有量のものが使用される。更に、脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、含酸素有機化合物、含イオウ有機
化合物、含ハロゲン有機化合物等を反応系に共存させて
もよい。
【0011】本発明における水和反応は、回分式、流通
式など一般的に用いられる形式で行なわれる。反応の温
度は、シクロアルケンの水和反応の平衡の面から、及
び、副反応などの増大という面から低温が有利である
が、反応速度の面からは高温が有利であるために、反応
温度は使用するシクロアルケンによって異なるが、通常
50〜300℃であり、好ましくは70〜200℃、特
に好ましくは80〜160℃である。反応圧力に関して
は特に制限はないが、シクロアルケン及び水を液相に保
ちうる圧力とすることが好ましく、通常50kg/cm
2以下、好ましくは20〜2kg/cm2である。さら
に、反応時間あるいは滞留時間は、通常0.1〜10時
間、好ましくは0.5〜5時間である。
【0012】水和反応により生成したシクロアルカノ−
ルおよび反応系に添加したシクロアルカノンの大部分は
有機相中に分配し、触媒を含有した水相と容易に分離で
きる。水相は水和反応に再利用することができる。ま
た、有機相からは、蒸留によりシクロアルカノンとシク
ロアルカノールを分離回収してもよいし、以下の請求項
2の発明のように、上記有機相より通常、シクロアルケ
ンを蒸留などで分離して得たシクロアルカノールとシク
ロアルカノンを得、これをそのまま脱水素反応に使用し
シクロアルカノンを製造することができる。また、この
際、脱水素反応の効率を向上させる目的で脱水素反応前
にシクロアルカノンの一部を分離してもよい 請求項2の発明は、シクロアルケンを、シクロアルケン
に対する重量比で0.01〜100のシクロアルカノン
の存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和してシクロア
ルカノールとシクロアルカノンの混合物を得、該混合物
を脱水素することを特徴とするシクロアルカノンの製造
方法に関する。
【0013】かかる発明は、請求項1の発明で得たシク
ロアルカノールを脱水素してシクロアルカノンを得る方
法であるが、この脱水素反応は気相流通反応で行うのが
好ましく、反応形式としては触媒は固定床、流動床のい
ずれも可能であるが、工業的には固定床の方が好まし
い。脱水素触媒としては、シクロヘキサノールなどのシ
クロアルカノールの脱水素反応に一般に使用される触媒
であれば特に制限はなく、銅−亜鉛触媒(米国特許第4
250118号)、銅−クロム触媒(特開昭58−15
7741、米国特許第4310703号、英国特許第1
444484号、同第1500884号)、銅−コバル
ト触媒(特開昭55−136241)、亜鉛−カルシウ
ム触媒(特公昭52−48977、カナダ国特許第86
2799号)などが例示される。
【0014】反応温度は使用する触媒の種類により異な
るが、通常200〜400℃cである。温度が低すぎる
と転化率が小さくなり、逆にあまり高すぎると転化率は
大きくなるが副生成物が多くなるので好ましくない。反
応圧力は特に制限がなく減圧から加圧まで適用できる
が、通常、常圧付近、好ましくは0.1〜10kg/c
2、特に好ましくは0.5〜5.0kg/cm2であ
る。また、反応原料混合物の供給速度は液空間速度(L
HSV)で通常0.1〜100hr-1、好ましくは0.
5〜20hr-1であり、また、反応原料混合物は窒素等
の反応に不活性なガスで希釈して供給してもよい。
【0015】脱水素反応により得られた反応物であるシ
クロアルカノンの含有率を高めた混合物からは、通常の
蒸留等の精製方法に従ってほぼ純粋なシクロアルカノン
が得られる。また、得られたシクロアルカノンは、前段
のシクロアルケンの水和反応の系に循環し、再使用する
ことができる。請求項3の発明は、(a)シクロアルケ
ンを、シクロアルケンに対する重量比で0.01〜10
0のシクロアルカノンの存在下で、ゼオライト触媒を用
いて水和してシクロアルカノールとシクロアルカノンの
混合物を得る第一工程、(b)第一工程で得られた混合
物を脱水素し、シクロアルカノンの含有率を高めた混合
物を得る第二工程、(c)第二工程で得られたシクロア
ルカノンの含有率を高めた混合物からシクロアルカノン
を分離し、分離したシクロアルカノンの少なくとも一部
を第一工程に循環する第三工程、を含むことを特徴とす
るシクロアルカノンの製造方法に関する。
【0016】かかる発明は、請求項2の発明を利用して
工業的に有利なプロセスを構築したものである。以下、
図面を用いて発明を更に具体的に説明する。図1は請求
項3の発明の方法の一例を示すフローシートである。こ
こでは、便宜上、シクロアルケンがシクロヘキセン(C
HE)、シクロアルカノールがシクロヘキサノール(C
HL)、およびシクロアルカノンがシクロヘキサノン
(CHN)の場合を説明する。
【0017】シクロヘキセンの水和反応は水和反応器3
で実施される。シクロヘキサノンおよび生成したシクロ
ヘキサノールを含む有機相は、触媒を含む水相と分離さ
れ管4より蒸留塔5に送られる。蒸留器5の塔底より抜
き出したシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合
物は管8より脱水素反応器9に送られる。蒸留器5の塔
頂より留出した未反応のシクロヘキセンは管6を通って
管1より供給される新しいシクロヘキセンと共に水和反
応器3に循環される。水和反応器3では、かかるシクロ
ヘキセンと併せて、水およびシクロヘキサノンがそれぞ
れ管2、管7より供給され、連続的に水和反応が行われ
る。
【0018】シクロヘキサノールの脱水素反応により得
られたシクロヘキサノン含有率の高いシクロヘキサノー
ルとシクロヘキサノンの混合物は管10より濃縮器11
に送られ、副生した水素を気液分離する。次に、管12
を通って蒸留器塔13に送られここで低沸物を分離し、
更に蒸留塔15でシクロヘキサノンを塔頂より分離す
る。得られたシクロヘキサノンの大部分は管20よりシ
クロヘキサノン貯蔵タンク21へ送られるが、一部は管
7を通って水和反応器3に循環される。蒸留塔15の塔
底より抜き出したシクロヘキサノールおよび少量のシク
ロヘキサノンを含む混合物は管16より蒸留塔17に送
られ、塔底より高沸物を分離するとともに塔頂より留出
した未反応のシクロヘキサノールおよび少量のシクロヘ
キサノンの混合物を管22より脱水素反応器9へ循環さ
せる。
【0019】また、特開平3−291246号公報に記
載の方法に準拠し、必要に応じて、蒸留塔15の塔底液
の一部を蒸留器19に送り、蒸留塔15より高い圧力下
での蒸留によりシクロヘキサノールに近い沸点を有する
不純物を塔底より分離し、塔頂より留出したシクロヘキ
サノール(少量のシクロヘキサノンを含む)を、蒸留塔
17の塔頂からのシクロヘキサノールとシクロヘキサノ
ンの混合物とともに管22を通じて脱水素反応器9に送
られる。
【0020】請求項4の発明は、(a)シクロアルケン
を、シクロアルケンに対する重量比で0.001〜10
0のシクロアルカノンの存在下で、ゼオライト触媒を用
いて水和してシクロアルカノールとシクロアルカノンの
混合物を得る第一工程、(b)第一工程で得られた混合
物及び第三工程から循環された混合物よりシクロアルカ
ノンを分離し、分離したシクロアルカノンの少なくとも
一部を第一工程に循環する第二工程、(c)第二工程で
シクロアルカノンを分離した後の混合物を脱水素し、シ
クロアルカノンの含有率を高めた混合物を得、該混合物
を第二工程に循環する第三工程、を含むことを特徴とす
るシクロアルカノンの製造方法に関する。
【0021】かかる発明も、請求項3の発明と同様に、
請求項2の発明を利用して工業的に有利なプロセスを構
築したものである。図2は請求項4の発明の方法の一例
を示すフローシートである。図1のプロセスとの相違点
は、蒸留塔5の塔底より流出したシクロヘキサノールと
シクロヘキサノンの混合物を管8より蒸留器13に送
り、以後一連の蒸留塔15,17,19の間でシクロヘ
キサノン、シクロヘキサノール等を分離する点にある。
得られたシクロヘキサノンは管20,7よりシクロヘキ
サノン貯蔵タンク21およびその一部が水和反応器3に
循環される。脱水素反応器9へは、シクロヘキサノンの
分離によりシクロヘキサノールの含有率が高くなったシ
クロヘキサノールとシクロヘキサノン混合物は、管2
2,23から供給される。脱水素反応器から流出したシ
クロヘキサノン含有率が高いシクロヘキサノールとシク
ロヘキサノン混合物は、濃縮器11を経た後管12を通
じて、水和反応から得られたシクロヘキサノ−ルとシク
ロヘキサノン混合物とともにシクロヘキサノン分離工程
へと循環される。
【0022】さらに実際の工業プロセスにおいては、各
反応物の需要やマスバランスに対応させ、分枝配管など
により請求項3のプロセスと請求項4のプロセスを併用
して運転することも可能である。
【0023】
【実施例】次に実施例によって本発明について更に詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。 (ゼオライト触媒の調製)ゼオライト触媒を以下の通り
調製した。 アルミノシリケートZSM−5 まず、以下の組成からなる原料液を調製した。
【0024】
【表1】 (A液)硫酸アルミニウム(18水和物) 6.3g 95%硫酸 8.8gテトラフ゜ロヒ゜ルアンモニウムフ゛ロミト゛ 13.1g 水 65 g (B液)水ガラス 105.5g 水 65 g (C液)塩化ナトリウム 39.5g 水 121 g
【0025】次に、A液とB液とを室温下、C液に同時
に滴下した。得られた混合物をテフロン内筒付き1lオ
ートクレーブに入れ、窒素置換後、自圧下、170℃で
20時間水熱合成を行った。冷却後、ろ過、水洗、乾燥
し、550cで6時間焼成した。得られた粉末のX線回
析よりZSM−5であることを確認した。得られたNa
型のZSM−5を1規定の硝酸アンモニウム水溶液によ
りH型にイオン交換した後、水洗、乾燥し、500℃で
4時間焼成してH型のZSM−5を得た(仕込み原子
比:Si/Al=25/1)。
【0026】アルミノボロシリケート のアルミノシリケートZSM−5の調製方法におい
て、原料として硫酸アルミニウムの一部を酸化ホウ素に
変更した以外は同じ方法で調製した(仕込み原子比:S
i/Al/B=50/1/1)。
【0027】ガロシリケート のアルミノシリケートZSM−5の調製方法におい
て、原料として硫酸アルミニウムの代わりに同当量の硝
酸ガリウムを使用した以外は同じ方法で調製した(仕込
み原子比:Si/Ga=25/1)。
【0028】実施例1 200mlの攪翼を備えたオートクレーブにシクロヘキ
セン15g、水30g、シクロヘキサノン15g、調製
したZSM−5H型アルミノシリケート10gを入れ、
窒素雰囲気下、弱加圧状態で120℃で4時間反応させ
た。シクロヘキサノールの収率は、有機相中に23.5
%、水相中に1.5%で、合計25.0%であった。
【0029】次に、上記有機相を大気圧下、蒸留して未
反応のシクロヘキセンを分離した。濃縮後の有機相の組
成はシクロヘキサノール22.3wt%、シクロヘキサ
ノン77.6wt%、その他不純物0.1wt%以下で
あった。この濃縮後の有機相を液を予熱気化して、30
0℃に設定した銅−亜鉛触媒を充填した管状反応器に、
反応器入口圧力5.0kg/cm2、LHSV2.0h
-1で供給し、シクロヘキサノールの脱水素反応を行っ
た。生成物を分析した結果、シクロヘキサノン95.1
wt%、シクロヘキサノール4.8wt%、その他不純
物0.1wt%を含有していた。
【0030】このシクロヘキサノン/シクロヘキサノー
ル混合物からシクロヘキサノンを蒸留分離し、純度9
9.0%のシクロヘキサノンを18.2g得た。更に、
得られたシクロヘキサノンを使用して、シクロヘキセン
の水和反応を上記と同じ条件で行った。シクロヘキサノ
ールの収率は、有機相中に23.3%、水相中に1.6
%で、合計24.9%であった。
【0031】比較例1 シクロヘキサノンを加えない以外は実施例1と同じ方法
でシクロヘキセンの水和反応を行った。シクロヘキサノ
ールの収率は、有機相中に12.7%、水相中に3.0
%で、合計15.7%であった。 実施例2,3、比較例1 シクロヘキサノンの仕込量を調整した以外は実施例1と
同じ方法でシクロヘキセンの水和反応を行った結果を表
−1に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例4 反応時間を7時間にした以外は実施例1と同じ方法でシ
クロヘキセンの水和反応を行った。シクロヘキサノール
の収率は、有機相中に26.4%、水相中に1.9%
で、合計28.3%であった。 実施例5 触媒をZSM−5からアルミノボロシリケートに変えた
以外は実施例1と同じ方法で反応した。シクロヘキサノ
ールの収率は、有機相中に27.8%、水相中に1.8
%で、合計29.6%であった。次に、得られた有機相
を実施例1と同じ方法で濃縮、シクロヘキサノール脱水
素反応、精製分離し、純度99.0%のシクロヘキサノ
ンを18.8g得た。
【0034】比較例2 シクロヘキサノンを加えない以外は実施例5と同じ方法
でシクロヘキセンの水和反応を行った。シクロヘキサノ
ールの収率は、有機相中に13.4%、水相中に3.2
%で、合計16.2%であった。 実施例6 触媒をZSM−5からガロシリケートに変えた以外は実
施例1と同じ方法で反応した。シクロヘキサノールの収
率は、有機相中に17.9%、水相中に1.3%で、合
計19.2%であった。次に、得られた有機相を実施例
1と同じ方法で濃縮、シクロヘキサノール脱水素反応、
精製分離し、純度99.0%のシクロヘキサノンを1
6.7g得た。
【0035】比較例3 シクロヘキサノンを加えない以外は実施例5と同じ方法
でシクロヘキセンの水和反応を行った。シクロヘキサノ
ールの収率は、有機相中に12.2%、水相中に2.4
%で、合計14.6%であった。
【0036】実施例7 図2に概要を示した流通反応装置を使用して反応を行っ
た。オートクレーブ(水和反応器)3にZSM5(H
型)と水を重量比1/3で仕込み、120℃まで昇温し
た後、シクロヘキセンとシクロヘキサノンを時間あたり
のフィード量が同重量となるようにそれぞれ管1、7か
ら供給した。同時に反応消費量見合いの量の水を管2よ
り供給した。オートクレーブ3からの反応液を図2のフ
ローに従って蒸留した後、銅−亜鉛触媒を充填した管状
反応器(脱水素反応器)9(300℃)に供給した。管
状反応器9からの反応物を気液分離後、蒸留塔5の留出
液とともに循環させた。定常状態に達した際の各管中の
組成比は表−2の通りであった。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シクロアルケ
ンを水和してシクロアルカノ−ルを製造する場合に、シ
クロアルカノールの収率を工業的に有利なレベルに高め
ることができる。 請求項2〜4の発明によれば、シク
ロアルケンよりシクロアルカノンを高収率で製造するこ
とができる。また、特に請求項3、請求項4の発明によ
れば、シクロアルケンを水和したシクロアルカノールを
そのまま脱水素してシクロアルカノンを製造し、該シク
ロアルカノンの一部を前記水和反応系に循環して有効利
用するので、簡素で経済的なプロセスにてシクロアルカ
ノンを製造することができる。以上の発明は、工業的に
はシクロヘキサノール又はシクロヘキサノンの製造に特
に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は請求項3の発明の方法の一例を示すフロ
ーシートである。
【図2】図2は請求項4の発明の方法の一例を示すフロ
ーシートである。
【符号の説明】
3, 水和反応器 9, 脱水素反応器 5,13,15,17,19, 蒸留塔 11, 濃縮器 21, シクロヘキサノン貯蔵タンク 1,2,4,6,7,8,10,12,14,16,1
8,20,22,23 管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/385 A 9049−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 横山 寿治 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 真木 隆夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロアルケンを、シクロアルケンに対
    する重量比で0.001〜100のシクロアルカノンの
    存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和することを特徴
    とするシクロアルカノールの製造方法。
  2. 【請求項2】 シクロアルケンを、シクロアルケンに対
    する重量比で0.001〜100のシクロアルカノンの
    存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和してシクロアル
    カノールとシクロアルカノンの混合物を得、該混合物を
    脱水素することを特徴とするシクロアルカノンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 (a)シクロアルケンを、シクロアルケ
    ンに対する重量比で0.001〜100のシクロアルカ
    ノンの存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和してシク
    ロアルカノールとシクロアルカノンの混合物を得る第一
    工程、(b)第一工程で得られた混合物を脱水素し、シ
    クロアルカノンの含有率を高めた混合物を得る第二工
    程、(c)第二工程で得られたシクロアルカノンの含有
    率を高めた混合物からシクロアルカノンを分離し、分離
    したシクロアルカノンの少なくとも一部を第一工程に循
    環する第三工程、を含むことを特徴とするシクロアルカ
    ノンの製造方法。
  4. 【請求項4】 (a)シクロアルケンを、シクロアルケ
    ンに対する重量比で0.001〜100のシクロアルカ
    ノンの存在下で、ゼオライト触媒を用いて水和してシク
    ロアルカノールとシクロアルカノンの混合物を得る第一
    工程、(b)第一工程で得られた混合物及び第三工程か
    ら循環された混合物よりシクロアルカノンを分離し、分
    離したシクロアルカノンの少なくとも一部を第一工程に
    循環する第二工程、(c)第二工程でシクロアルカノン
    を分離した後の混合物を脱水素し、シクロアルカノンの
    含有率を高めた混合物を得、該混合物を第二工程に循環
    する第三工程、を含むことを特徴とするシクロアルカノ
    ンの製造方法。
  5. 【請求項5】 シクロアルケン、シクロアルカノールお
    よびシクロアルカノンが、それぞれシクロヘキセン、シ
    クロヘキサノールおよびシクロヘキサノンであることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001047845A1 (en) * 1999-12-28 2001-07-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for the preparation of cyclohexanol

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WO2001047845A1 (en) * 1999-12-28 2001-07-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for the preparation of cyclohexanol
US6552235B2 (en) 1999-12-28 2003-04-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for the preparation of cyclohexanol
JP4685314B2 (ja) * 1999-12-28 2011-05-18 旭化成ケミカルズ株式会社 シクロヘキサノールの製造方法

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