JP2003104966A - ジアルキルペルオキシドの製造方法 - Google Patents

ジアルキルペルオキシドの製造方法

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JP2003104966A
JP2003104966A JP2001298998A JP2001298998A JP2003104966A JP 2003104966 A JP2003104966 A JP 2003104966A JP 2001298998 A JP2001298998 A JP 2001298998A JP 2001298998 A JP2001298998 A JP 2001298998A JP 2003104966 A JP2003104966 A JP 2003104966A
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Seitaro Nanba
征太郎 難波
Hideji Ichikawa
秀二 市川
Tomoyuki Nakamura
知之 中村
Kazuo Matsuyama
一夫 松山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス反応器材の腐食を引き起こさず、
反応後の廃液処理が不必要で、かつ短時間で製造可能な
ジアルキルペルオキシドの製造方法を提供する。 【解決手段】 ゼオライト固体酸触媒の存在下にアルコ
ール系化合物と有機ヒドロペルオキシド化合物とを反応
させるジアルキルペルオキシドの製造方法において、ゼ
オライト固体酸触媒がベータ型であって、かつSiO2
/Al23のモル比が30〜280の範囲にあることを
特徴とするジアルキルペルオキシドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス反応器
材の腐食を引き起こさず、反応後の廃液処理が不必要
で、かつ短時間で製造可能なジアルキルペルオキシドの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアルキルペルオキシドの製造方
法は、触媒として硫酸が用いられてきた。しかし、その
硫酸はステンレス反応器材の腐食を引き起こすこと、ま
た反応後にそのまま廃液中に残るため、その処理対策が
必要であることが問題となっていた。近年、この問題点
を解決する方法としてゼオライト固体酸触媒を用いる製
造方法が知られている。例えば、ワイ型ゼオライト固体
酸触媒の存在下に、t−ブチルアルコールとt−ブチル
ヒドロペルオキシドとを反応させることにより、ジ(t
−ブチル)ペルオキシドを製造する方法が知られている
(特開平7−14915号公報)。また、SiO2/A
23のモル比が23〜26であるベータ型ゼオライト
固体酸触媒の存在下に、t−ブチルアルコールとt−ブ
チルヒドロペルオキシドとを反応させることにより、ジ
(t−ブチル)ペルオキシドを製造する方法が知られて
いる(米国特許5488179号明細書)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記、
従来技術であるゼオライト固体酸触媒を用いた場合、い
ずれもジアルキルペルオキシドの生成速度が遅いため、
反応時間が長くなるという欠点があった。本発明の目的
は、短時間で製造可能なジアルキルペルオキシドの製造
方法であり、しかもステンレス反応器材の腐食を引き起
こさず、反応後の廃液処理が不必要である製造方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、ゼオラ
イト固体酸触媒の存在下にアルコール系化合物と有機ヒ
ドロペルオキシド化合物とを反応させるジアルキルペル
オキシドの製造方法において、ゼオライト固体酸触媒が
ベータ型であって、かつSiO2/Al23のモル比が
30〜280の範囲にあることを特徴とするジアルキル
ペルオキシドの製造方法である。本発明の第2は、ジア
ルキルペルオキシドが下記式(1)で表される化合物で
ある第1の発明のジアルキルペルオキシドの製造方法で
ある。 R1−O−O−R2 ・・・・・(1) (式中、R1とR2は、それぞれ、炭素数1〜14の炭化
水素基を表す。)
【0005】本発明の第3は、ジアルキルペルオキシド
が、ジ(t−ブチル)ペルオキシド、ジ(t−アミル)
ペルオキシド、ビス(2−メチル−2−ペンチル)ペル
オキシド、ビス(2,4,4−トリメチル−2−ペンチ
ル)ペルオキシド、t−ブチル2−フェニル−2−プロ
ピルペルオキシド、t−アミル2−フェニル−2−プロ
ピルペルオキシド、2−メチル−2−ペンチル2−フェ
ニル−2−プロピルペルオキシド、またはビス(2−フ
ェニル−2−プロピル)ペルオキシドである第1の発明
又は第2の発明のジアルキルペルオキシドの製造方法で
ある。
【0006】
【発明実施の形態】以下に、この発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明のジアルキルペルオキシド
(ただし、置換基として芳香族基を有する場合を含んで
いる。以下同様である。)は、公知のジアルキルペルオ
キシドの全てを含んでいるが、式(1)で表されるジア
ルキルペルオキシドが好ましいものである。
【0007】具体例としては、例えば、ジ(t−ブチ
ル)ペルオキシド、ジ(t−アミル)ペルオキシド、ビ
ス(2−メチル−2−ペンチル)ペルオキシド、ビス
(3−メチル−3−ペンチル)ペルオキシド、ビス
(2,4,4−トリメチル−2−ペンチル)ペルオキシ
ド、ビス(2−メチル−2−ウンデシル)ペルオキシ
ド、ビス(2−フェニル−2−プロピル)ペルオキシ
ド、ビス(2−(4−メチルフェニル)−2−プロピ
ル)ペルオキシド、t−ブチル2−フェニル−2−プロ
ピルペルオキシド、t−ブチル2−(4−メチルフェニ
ル)−2−プロピルペルオキシド、t−ブチル2−(3
−クロロフェニル)−2−プロピルペルオキシド、t−
アミル2−フェニル−2−プロピルペルオキシド、2−
メチル−2−ペンチル2−フェニル−2−プロピルペル
オキシド、t−ブチル2−メチル−2−ペンチルペルオ
キシド、t−ブチル3−メチル−3−ペンチルペルオキ
シド、t−ブチル2,4,4−トリメチル−2−ペンチ
ルペルオキシド、またはt−アミル2−メチル−2−ペ
ンチルペルオキシドなどが挙げられる。
【0008】これらの中で、製造原料調達の容易さの点
から、ジ(t−ブチル)ペルオキシド、ジ(t−アミ
ル)ペルオキシド、ビス(2−メチル−2−ペンチル)
ペルオキシド、ビス(2,4,4−トリメチル−2−ペ
ンチル)ペルオキシド、t−ブチル2−フェニル−2−
プロピルペルオキシド、t−アミル2−フェニル−2−
プロピルペルオキシド、2−メチル−2−ペンチル2−
フェニル−2−プロピルペルオキシドとビス(2−フェ
ニル−2−プロピル)ペルオキシドはさらに好ましいも
のである。
【0009】本発明のジアルキルペルオキシドは、Si
2/Al23のモル比が30〜280であるベータ型
ゼオライト固体酸触媒の存在下に、アルコール系化合物
と有機ヒドロペルオキシド化合物とを反応させることに
より得られる。すなわち、SiO2/Al23のモル比
が30〜280としたベータ型ゼオライト固体酸触媒に
よりアルコール系化合物の求電子性を高めることがで
き、求核剤である有機ヒドロペルオキシド化合物との化
学結合が促進形成されることにより、ジアルキルペルオ
キシドを短時間で製造することができる。
【0010】前記、アルコール系化合物としては、具体
的には、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコー
ル、2−メチル−2−ペンチルアルコール、2,4,4
−トリメチル−2−ペンチルアルコール、2−メチル−
2−ウンデシルアルコール、2−フェニル−2−プロピ
ルアルコールなどが好ましく挙げられる。これらの中
で、調達入手の容易さの点から、t−ブチルアルコー
ル、t−アミルアルコールと2−メチル−2−ペンチル
アルコールがより好ましいものである。
【0011】前記有機ヒドロペルオキシド化合物として
は、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロ
ペルオキシド、2−メチル−2−ペンチルヒドロペルオ
キシド、2,4,4−トリメチル−2−ペンチルヒドロ
ペルオキシド、2−メチル−2−ウンデシルヒドロペル
オキシド、2−フェニル−2−プロピルヒドロペルオキ
シドなどが好ましく挙げられる。これらの中で、調達入
手の容易さの点から、t−ブチルヒドロペルオキシド、
t−アミルヒドロペルオキシドと2−メチル−2−ペン
チルヒドロペルオキシドがより好ましいものである。
【0012】本発明のジアルキルペルオキシドの製造方
法に用いる酸性タイプのベータ型ゼオライト固体酸触媒
のSiO2/Al23のモル比は、30〜280であ
り、好ましくは55〜260で、さらに好ましくは60
〜240の範囲である。30未満では触媒能力が減少す
るため、反応効率が著しく減少し、一方、280を超え
る場合にも、反応効率が著しく減少する傾向にある。
【0013】本発明に用いるSiO2/Al23のモル
比が30〜280であるベータ型ゼオライト固体酸触媒
の使用量(100×(ゼオライト固体酸触媒の使用量)
/(有機ヒドロペルオキシド化合物の使用量)、単位:
重量%)は、0.1〜200が好ましく、より好ましく
は1〜50の範囲である。0.1未満では触媒能力が減
少するため、反応効率が著しく減少し、経済的に不利で
ある。一方、200を超える場合には、反応液中でのベ
ータ型ゼオライト固体酸触媒が多くなり過ぎるため、撹
拌が困難となる傾向にある。
【0014】本発明に用いるアルコール系化合物と有機
ヒドロペルオキシド化合物との配合比率(アルコール系
化合物/有機ヒドロペルオキシド化合物、モル比率)
は、0.5〜4が好ましく、より好ましくは0.8〜2
の範囲である。0.5未満では、有機ヒドロペルオキシ
ド化合物に対する収率が低下し、また4を超える場合に
は過剰分のアルコール系化合物を除去する操作に長時間
を要する傾向にあるため好ましくない。
【0015】本発明における反応温度は、好ましくは0
〜150℃であり、更に好ましくは20〜120℃であ
る。0℃未満では触媒効果が減少するため、反応効率が
著しく減少し、一方、150℃を超える場合には有機ヒ
ドロペルオキシド化合物が分解を起こす傾向があるため
好ましくない。
【0016】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 実施例1(SiO2/Al23のモル比が100である
ベータ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のベータ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タ
イプで、SiO2/Al23のモル比が100)1.5
0gを加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブ
チルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混
合溶液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを
70.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルア
ルコールを23.5重量%(67.47ミリモル)含有
している。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃
から75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて10時
間反応させた。
【0017】次に、この反応液を室温にて静置させるこ
とにより、上層の有機層と下層の水層(粉末状のベータ
型ゼオライト固体酸触媒が含まれる)に分離させた。こ
の上層の有機層を分取し、粗ジ(t−ブチル)ペルオキ
シド22.59gを得た。これを、ガスクロマトグラフ
ィー(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−
1、キャリアーガス:ヘリウム)にてこの中に含まれる
ジ(t−ブチル)ペルオキシドを定量分析したところ、
純度は87.6重量%であった。従って、純粋なジ(t
−ブチル)ペルオキシドとしての収量は19.79g
(135.3ミリモル)であり、収率は81.3%であ
った。
【0018】実施例2(SiO2/Al23のモル比が
75であるベータ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のベータ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タ
イプで、SiO2/Al23のモル比が75)1.50
gを加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブチ
ルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混合
溶液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを7
0.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルアル
コールを23.5重量%(67.47ミリモル)含有し
ている。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃か
ら75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて13時間
反応させた。次に、この反応液を室温にて静置させるこ
とにより、上層の有機層と下層の水層(粉末状のベータ
型ゼオライト固体酸触媒が含まれる)に分離させた。こ
の上層の有機層を分取し、粗ジ(t−ブチル)ペルオキ
シド20.64gを得た。これを、ガスクロマトグラフ
ィー(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−
1、キャリアーガス:ヘリウム)にて定量分析したとこ
ろ、純度が84.6重量%であった。従って、純粋なジ
(t−ブチル)ペルオキシドとしての収量は17.46
g(119.4ミリモル)であり、収率は71.7%で
あった。
【0019】実施例3(SiO2/Al23のモル比
が、150であるベータ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のベータ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タ
イプで、SiO2/Al23のモル比が150)1.5
0gを加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブ
チルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混
合溶液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを
70.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルア
ルコールを23.5重量%(67.5ミリモル)含有し
ている。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃か
ら75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて18時間
反応させた。
【0020】次に、この反応液を室温にて静置させるこ
とにより、上層の有機層と下層の水層(粉末状のベータ
型ゼオライト固体酸触媒が含まれる)に分離させた。こ
の上層の有機層を分取し、粗ジ(t−ブチル)ペルオキ
シド22.93gを得た。これを、ガスクロマトグラフ
ィー(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−
1、キャリアーガス:ヘリウム)にて定量分析したとこ
ろ、純度が86.9重量%であった。従って、純粋なジ
(t−ブチル)ペルオキシドとしての収量は19.93
g(136.3ミリモル)であり、収率は81.9%で
あった。
【0021】比較例1(SiO2/Al23のモル比が
26であるベータ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のベータ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タ
イプで、SiO2/Al23のモル比が26)1.50
gを加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブチ
ルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混合
溶液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを7
0.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルアル
コールを23.5重量%(67.5ミリモル)含有して
いる。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃から
75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて20時間反
応させた。
【0022】次に、この反応液を室温にて静置させるこ
とにより、上層の有機層と下層の水層(粉末状のベータ
型ゼオライト固体酸触媒が含まれる)に分離させた。こ
の上層の有機層を分取し、粗ジ(t−ブチル)ペルオキ
シド20.31gを得た。これを、ガスクロマトグラフ
ィー(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−
1、キャリアーガス:ヘリウム)にて定量分析したとこ
ろ、純度が62.4重量%であった。従って、純粋なジ
(t−ブチル)ペルオキシドとしての収量は12.67
g(86.64ミリモル)であり、収率は52.0%で
あった。
【0023】比較例2(SiO2/Al23のモル比が
300であるベータ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のベータ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タ
イプで、SiO2/Al23のモル比が300)1.5
0gを加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブ
チルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混
合溶液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを
70.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルア
ルコールを23.5重量%(67.47ミリモル)含有
している。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃
から75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて20時
間反応させた。次に、この反応液を室温とした後、水分
を含むゼオライトを濾紙を用いた濾過(減圧下)にて取
り除くことにより、粗ジ(t−ブチル)ペルオキシドを
21.81g得た。これを、ガスクロマトグラフィー
(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−1、
キャリアーガス:ヘリウム)にて定量分析したところ、
純度が32.1重量%であった。従って、純粋なジ(t
−ブチル)ペルオキシドとしての収量は7.00g(4
7.87ミリモル)であり、収率は28.8%であっ
た。
【0024】比較例3(SiO2/Al23のモル比が
80であるワイ型ゼオライト固体酸触媒使用) t−ブチルアルコール7.337g(98.99ミリモ
ル)に粉末状のワイ型ゼオライト固体酸触媒(酸性タイ
プで、SiO2/Al23のモル比が80)1.50g
を加え、30℃にて15分間反応させた後、t−ブチル
ヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの混合溶
液21.28g(t−ブチルヒドロペルオキシドを7
0.5重量%(166.5ミリモル)、t−ブチルアル
コールを23.5重量%(67.47ミリモル)含有し
ている。)を加えた。反応温度を1時間かけて30℃か
ら75℃まで昇温させた後、さらに75℃にて20時間
反応させた。次に、この反応液を室温とした後、水分を
含むゼオライトを濾紙を用いた濾過(減圧下にて)にて
取り除くことにより、粗ジ(t−ブチル)ペルオキシド
を22.79g得た。これを、ガスクロマトグラフィー
(カラム:J&Wサイエンティフィック社製DB−1、
キャリアーガス:ヘリウム)にて定量分析したところ、
純度が25.1重量%であった。従って、純粋なジ(t
−ブチル)ペルオキシドとしての収量は5.72g(3
9.12ミリモル)であり、収率は23.5%であっ
た。これらの結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1で、転化率A(%)は、t−ブチルヒ
ドロペルオキシドについての転化率を示し、その求める
式は、100×{(反応開始時のt−ブチルヒドロペル
オキシド重量)−(反応後のt−ブチルヒドロペルオキ
シド重量)}/(反応開始時のt−ブチルハイドロパー
オキサイド重量)である。また、転化率B(%)は、t
−ブチルアルコールについての転化率を示し、その求め
る式は、100×{(反応開始時のt−ブチルアルコー
ル重量)−(反応後のt−ブチルアルコール重量)}/
(反応開始時のt−ブチルアルコール重量)である。こ
れらの転化率は、反応の進行程度を示す指標となり、1
00%であれば、反応が完結したことを表す。
【0027】表1から、比較例1においては、t−ブチ
ルヒドロペルオキシドとt−ブチルアルコールとの反応
からジ(t−ブチル)ペルオキシドが合成される反応と
平衡して、t−ブチルヒドロペルオキシドの分解反応が
同時に起きている(Tetrahedron Lett
ers,887−890(1971))。そのため、未
反応のt−ブチルアルコールが多量に反応後の反応液中
に残ることが明らかとなった。
【0028】この表1から、本願発明の範囲外であるS
iO2/Al23のモル比が26(比較例1)、および
そのモル比が300(比較例2)あるベータ型ゼオライ
ト固体酸触媒では、反応速度が遅いため反応時間が長く
なり、また、収率が低くなることが明かである。それに
対して、本発明のSiO2/Al23のモル比が30〜
280であるベータ型ゼオライト固体酸触媒を用いた場
合、反応速度が速く、反応時間が短くなること、且つ、
収率が向上することが明らかである。また、ワイ型ゼオ
ライト固体酸触媒(比較例3)においても、本発明で用
いるSiO2/Al23のモル比が30〜280である
ベータ型ゼオライト固体酸触媒に比べて、反応速度が遅
く、反応時間が長くなることが明らかである。
【0029】
【発明の効果】第1に、本発明のSiO2/Al23
モル比が30〜280であるベータ型ゼオライト固体酸
触媒によるジアルキルペルオキシドの製造方法では、反
応速度が速いために、反応時間が短くなり経済的に有利
となる。従って、工業的利用価値が高い。第2に、ステ
ンレス反応器材の腐食を引き起こさず、反応後の廃液処
理が不必要であるため、簡便な製造方法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト固体酸触媒の存在下にアルコ
    ール系化合物と有機ヒドロペルオキシド化合物とを反応
    させるジアルキルペルオキシドの製造方法において、ゼ
    オライト固体酸触媒がベータ型であって、かつSiO2
    /Al23のモル比が30〜280の範囲にあることを
    特徴とするジアルキルペルオキシドの製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアルキルペルオキシドが、下記式
    (1)で表される化合物である請求項1に記載のジアル
    キルペルオキシドの製造方法。 R1−O−O−R2 ・・・・・(1) (式中、R1とR2は、それぞれ、炭素数1〜14の炭化
    水素基を表す。)
  3. 【請求項3】 ジアルキルペルオキシドが、ジ(t−ブ
    チル)ペルオキシド、ジ(t−アミル)ペルオキシド、
    ビス(2−メチル−2−ペンチル)ペルオキシド、ビス
    (2,4,4−トリメチル−2−ペンチル)ペルオキシ
    ド、t−ブチル2−フェニル−2−プロピルペルオキシ
    ド、t−アミル2−フェニル−2−プロピルペルオキシ
    ド、2−メチル−2−ペンチル2−フェニル−2−プロ
    ピルペルオキシド、またはビス(2−フェニル−2−プ
    ロピル)ペルオキシドである請求項1又は請求項2に記
    載のジアルキルペルオキシドの製造方法。
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