JPH11228472A - 高純度シクロヘキサノールの製造方法 - Google Patents
高純度シクロヘキサノールの製造方法Info
- Publication number
- JPH11228472A JPH11228472A JP10034532A JP3453298A JPH11228472A JP H11228472 A JPH11228472 A JP H11228472A JP 10034532 A JP10034532 A JP 10034532A JP 3453298 A JP3453298 A JP 3453298A JP H11228472 A JPH11228472 A JP H11228472A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclohexene
- methylcyclohexene
- cyclohexanol
- component
- hydration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベンゼンを原料としてシクロヘキサノールを
製造する方法において、不純物であるメチルシクロヘキ
サノールの量が低減されたシクロヘキサノールを製造す
る。 【解決手段】 ベンゼンの部分水素化により得られた、
シクロヘキセンを水和して主としてシクロヘキサノール
と未反応シクロヘキセンからなる混合物を、主としてシ
クロヘキセンからなる成分と主としてシクロヘキサノー
ルからなる成分に分離し、主としてシクロヘキセンから
なる成分を水和工程に循環し、主としてシクロヘキサノ
ールからなる成分を回収する際、シクロヘキセンに同伴
するメチルシクロヘキセンに対するシクロヘキサノール
中のメチルシクロヘキセンの重量比を1/300以上に
制御する。
製造する方法において、不純物であるメチルシクロヘキ
サノールの量が低減されたシクロヘキサノールを製造す
る。 【解決手段】 ベンゼンの部分水素化により得られた、
シクロヘキセンを水和して主としてシクロヘキサノール
と未反応シクロヘキセンからなる混合物を、主としてシ
クロヘキセンからなる成分と主としてシクロヘキサノー
ルからなる成分に分離し、主としてシクロヘキセンから
なる成分を水和工程に循環し、主としてシクロヘキサノ
ールからなる成分を回収する際、シクロヘキセンに同伴
するメチルシクロヘキセンに対するシクロヘキサノール
中のメチルシクロヘキセンの重量比を1/300以上に
制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベンゼンを原料とし
てシクロヘキサノールを製造する方法に関する。特に不
純物であるメチルシクロヘキサノールの含量の少ない高
純度シクロヘキサノールの製造方法に関する。
てシクロヘキサノールを製造する方法に関する。特に不
純物であるメチルシクロヘキサノールの含量の少ない高
純度シクロヘキサノールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンゼンを部分水素化して主としてシク
ロヘキセン(CHE)、シクロヘキサン(CHX)及び
未反応ベンゼン(Bz)からなる反応混合物を得る水添
反応方法、これを蒸留によって各成分に分離する分離方
法、及びCHEをゼオライト触媒等の存在下で水和して
シクロヘキサノール(CHL)を製造する方法はそれぞ
れ知られている。また、ベンゼンからシクロヘキサノー
ルを製造する方法としてこれらを一貫したプロセスも知
られている(例えば特開平7−165646号)。
ロヘキセン(CHE)、シクロヘキサン(CHX)及び
未反応ベンゼン(Bz)からなる反応混合物を得る水添
反応方法、これを蒸留によって各成分に分離する分離方
法、及びCHEをゼオライト触媒等の存在下で水和して
シクロヘキサノール(CHL)を製造する方法はそれぞ
れ知られている。また、ベンゼンからシクロヘキサノー
ルを製造する方法としてこれらを一貫したプロセスも知
られている(例えば特開平7−165646号)。
【0003】工業的に得られるベンゼンには、普通微量
のイオウ成分が含まれる。上記の部分水添反応において
は、極端にイオウ成分を低減したベンゼンを用いること
が好ましい。このため、ベンゼンを第6A族または第8
族元素のうち少なくとも一種を含む反応吸着剤によって
ベンゼン中のイオウ成分を除去する方法が開示されてい
る(特開昭60−255738号公報)。
のイオウ成分が含まれる。上記の部分水添反応において
は、極端にイオウ成分を低減したベンゼンを用いること
が好ましい。このため、ベンゼンを第6A族または第8
族元素のうち少なくとも一種を含む反応吸着剤によって
ベンゼン中のイオウ成分を除去する方法が開示されてい
る(特開昭60−255738号公報)。
【0004】また、工業的に得られるベンゼン中には、
一般的に微量のトルエンが含まれる。トルエンは、ベン
ゼンの部分水素化工程あるいはベンゼンの脱硫工程で、
一部、メチルシクロヘキセンとなる。部分水添後の反応
混合物は、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼン
の各成分に分離されるが、このとき、シクロヘキセン中
に微量のメチルシクロヘキセンが同伴されることは避け
られない。従って、次の水和反応原料のシクロヘキセン
中には、メチルシクロヘキセンが微量含有される。
一般的に微量のトルエンが含まれる。トルエンは、ベン
ゼンの部分水素化工程あるいはベンゼンの脱硫工程で、
一部、メチルシクロヘキセンとなる。部分水添後の反応
混合物は、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼン
の各成分に分離されるが、このとき、シクロヘキセン中
に微量のメチルシクロヘキセンが同伴されることは避け
られない。従って、次の水和反応原料のシクロヘキセン
中には、メチルシクロヘキセンが微量含有される。
【0005】メチルシクロヘキセンの1部は水和工程
で、メチルシクロヘキサノールに水和される。水和反応
後の混合物は、蒸留により未反応シクロヘキセンと製品
シクロヘキサノールに分離されるが、メチルシクロヘキ
サノールはシクロヘキセンやシクロヘキサノールよりも
高沸点であり、水和反応混合物中のメチルシクロヘキサ
ノールは実質上全て製品シクロヘキサノール中に含有さ
れる。シクロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノー
ルは、製品の純度を下げるだけではなく、シクロヘキサ
ノールを中間原料とした種々の製品の品質に重大な影響
を及ぼす。
で、メチルシクロヘキサノールに水和される。水和反応
後の混合物は、蒸留により未反応シクロヘキセンと製品
シクロヘキサノールに分離されるが、メチルシクロヘキ
サノールはシクロヘキセンやシクロヘキサノールよりも
高沸点であり、水和反応混合物中のメチルシクロヘキサ
ノールは実質上全て製品シクロヘキサノール中に含有さ
れる。シクロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノー
ルは、製品の純度を下げるだけではなく、シクロヘキサ
ノールを中間原料とした種々の製品の品質に重大な影響
を及ぼす。
【0006】例えば、シクロヘキサノールはε−カプロ
ラクタムの製造原料として使用されるが、本発明者らが
検討したところ、シクロヘキサノール中のメチルシクロ
ヘキサノールが、製品カプロラクタムの品質に重大な影
響を及ぼすことが判った。例えば、製品シクロヘキサノ
ール中にメチルシクロヘキサノールが500ppm程度
あると、最終製品であるカプロラクタムの品質に悪影響
を及ぼす。
ラクタムの製造原料として使用されるが、本発明者らが
検討したところ、シクロヘキサノール中のメチルシクロ
ヘキサノールが、製品カプロラクタムの品質に重大な影
響を及ぼすことが判った。例えば、製品シクロヘキサノ
ール中にメチルシクロヘキサノールが500ppm程度
あると、最終製品であるカプロラクタムの品質に悪影響
を及ぼす。
【0007】上述の如く、メチルシクロヘキサノールは
メチルシクロヘキセンの水和により生成するため、シク
ロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノールを低減す
るためには、水和反応原料中のメチルシクロヘキセンの
量を低減させることが重要である。しかし、メチルシク
ロヘキセンは、シクロヘキセンに沸点が近いため、水和
反応混合物の分離のための蒸留によりシクロヘキセン中
に主に同伴される。工業的には、未反応のシクロヘキセ
ンは水和反応工程にリサイクルされるので、原料シクロ
ヘキセン中にメチルシクロヘキセンが徐々に蓄積されて
しまう。このため効果的にシクロヘキセン中のメチルシ
クロヘキセンを除去する必要がある。
メチルシクロヘキセンの水和により生成するため、シク
ロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノールを低減す
るためには、水和反応原料中のメチルシクロヘキセンの
量を低減させることが重要である。しかし、メチルシク
ロヘキセンは、シクロヘキセンに沸点が近いため、水和
反応混合物の分離のための蒸留によりシクロヘキセン中
に主に同伴される。工業的には、未反応のシクロヘキセ
ンは水和反応工程にリサイクルされるので、原料シクロ
ヘキセン中にメチルシクロヘキセンが徐々に蓄積されて
しまう。このため効果的にシクロヘキセン中のメチルシ
クロヘキセンを除去する必要がある。
【0008】また、固体酸触媒によるシクロヘキセンの
水和反応においては、シクロヘキサノール以外に、シク
ロヘキセンの異性体であるメチルシクロペンテンが生成
する。メチルシクロペンテンはシクロヘキセンと沸点が
近いために、未反応シクロヘキセンと共に水和反応器に
リサイクルされる。リサイクルされるシクロヘキセン中
のメチルシクロペンテンを精製する方法として、抽出蒸
留で除去する方法(特開平4−41448号公報)等が
開示されているが、本発明者らの検討によればこれらの
方法では、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを
除去することはできない。
水和反応においては、シクロヘキサノール以外に、シク
ロヘキセンの異性体であるメチルシクロペンテンが生成
する。メチルシクロペンテンはシクロヘキセンと沸点が
近いために、未反応シクロヘキセンと共に水和反応器に
リサイクルされる。リサイクルされるシクロヘキセン中
のメチルシクロペンテンを精製する方法として、抽出蒸
留で除去する方法(特開平4−41448号公報)等が
開示されているが、本発明者らの検討によればこれらの
方法では、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを
除去することはできない。
【0009】また、リサイクルされる、メチルシクロヘ
キセンを含むシクロヘキセンを精密蒸留することによ
り、メチルシクロヘキセンを除去する方法もあるが、シ
クロヘキセンとメチルシクロヘキセンは沸点が近いこと
や、シクロヘキセン中に含有されるメチルシクロヘキセ
ンは少量であるため、選択的にメチルシクロヘキセンの
みを分離するのは難しい上、蒸留分離には大きな加熱コ
スト等が必要で、工業的に適切な方法ではない。従っ
て、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを効果的
に除去する工業的な方法は知られていなかった。
キセンを含むシクロヘキセンを精密蒸留することによ
り、メチルシクロヘキセンを除去する方法もあるが、シ
クロヘキセンとメチルシクロヘキセンは沸点が近いこと
や、シクロヘキセン中に含有されるメチルシクロヘキセ
ンは少量であるため、選択的にメチルシクロヘキセンの
みを分離するのは難しい上、蒸留分離には大きな加熱コ
スト等が必要で、工業的に適切な方法ではない。従っ
て、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを効果的
に除去する工業的な方法は知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はベンゼ
ンを原料として工業的にシクロヘキサノールを製造する
方法を確立することであって、特に、不純物であるメチ
ルシクロヘキサノールの量が低減された高純度シクロヘ
キサノールの製造法を提供することを目的とする。
ンを原料として工業的にシクロヘキサノールを製造する
方法を確立することであって、特に、不純物であるメチ
ルシクロヘキサノールの量が低減された高純度シクロヘ
キサノールの製造法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、水和反応混合
物の分離工程において、分離されたシクロヘキセン中の
メチルシクロヘキセンの量と、製品シクロヘキサノール
中のメチルシクロヘキセン量比を制御することにより、
目的が達せられることを明らかにした。
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、水和反応混合
物の分離工程において、分離されたシクロヘキセン中の
メチルシクロヘキセンの量と、製品シクロヘキサノール
中のメチルシクロヘキセン量比を制御することにより、
目的が達せられることを明らかにした。
【0012】すなわち、本発明の要旨は、 (1)ベンゼンを水素化して、主成分として未反応ベン
ゼン、シクロヘキサンおよびシクロヘキセンを含有する
反応混合物を得る水素化工程 (2)水素化工程で得られた反応混合物を、それぞれ主
成分としてベンゼン、シクロヘキサン、およびシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第1分離工程 (3)第1分離工程で分離されたシクロヘキセンを主成
分とする成分を水和してシクロヘキサノール及び未反応
シクロヘキセンを主成分とする水和反応混合物を得る水
和工程 (4)水和反応混合物を、それぞれ主成分としてシクロ
ヘキサノールを含有する成分と、主成分としてシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第2分離工程 (5)第2分離工程から分離された主成分としてシクロ
ヘキセンを含有する成分の少くとも一部を水和工程に循
環させる循環工程 を含むシクロヘキサノールの製造方法において、上記
(4)第2分離工程において分離される主成分としてシ
クロヘキセンを含有する成分中の不純物メチルシクロヘ
キセン量に対する主成分としてシクロヘキサノールを含
有する成分中のメチルシクロヘキセン量の重量比を1/
300以上に制御することを特徴とする高純度シクロヘ
キサノールの製造方法に存する。
ゼン、シクロヘキサンおよびシクロヘキセンを含有する
反応混合物を得る水素化工程 (2)水素化工程で得られた反応混合物を、それぞれ主
成分としてベンゼン、シクロヘキサン、およびシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第1分離工程 (3)第1分離工程で分離されたシクロヘキセンを主成
分とする成分を水和してシクロヘキサノール及び未反応
シクロヘキセンを主成分とする水和反応混合物を得る水
和工程 (4)水和反応混合物を、それぞれ主成分としてシクロ
ヘキサノールを含有する成分と、主成分としてシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第2分離工程 (5)第2分離工程から分離された主成分としてシクロ
ヘキセンを含有する成分の少くとも一部を水和工程に循
環させる循環工程 を含むシクロヘキサノールの製造方法において、上記
(4)第2分離工程において分離される主成分としてシ
クロヘキセンを含有する成分中の不純物メチルシクロヘ
キセン量に対する主成分としてシクロヘキサノールを含
有する成分中のメチルシクロヘキセン量の重量比を1/
300以上に制御することを特徴とする高純度シクロヘ
キサノールの製造方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
出発物質のベンゼンとしては、好ましくは脱硫処理を施
されたものがよい。脱硫反応は特に限定されるものでは
ないが、例えば第6A族もしくは第8族の少くとも1種
の元素を吸着剤とする方法が挙げられる。
出発物質のベンゼンとしては、好ましくは脱硫処理を施
されたものがよい。脱硫反応は特に限定されるものでは
ないが、例えば第6A族もしくは第8族の少くとも1種
の元素を吸着剤とする方法が挙げられる。
【0014】これらの元素は、その一部又は全部が還元
状態であることが好ましい。また、これらの元素はアル
ミナ等の適当な担体に保持されていることが実用的であ
る。反応吸着剤によるベンゼンの処理は、60〜600
℃で行われ、液体状もしくは気体状で連続的に処理され
るが、部分水添反応への原料供給を連続的に実施するこ
とを考慮すると、温度100〜200℃の範囲で処理す
ることが好ましい。
状態であることが好ましい。また、これらの元素はアル
ミナ等の適当な担体に保持されていることが実用的であ
る。反応吸着剤によるベンゼンの処理は、60〜600
℃で行われ、液体状もしくは気体状で連続的に処理され
るが、部分水添反応への原料供給を連続的に実施するこ
とを考慮すると、温度100〜200℃の範囲で処理す
ることが好ましい。
【0015】また、反応吸着を促進する他の物質、例え
ば水素の導入は必ずしも必要ではないが、水素導入下で
行っても構わない。脱硫処理を水素雰囲気下で行った場
合、ベンゼン中に含まれるトルエンがメチルシクロヘキ
センになることもある。以下、本発明の各工程を図1を
用いて説明する。図1は本発明方法の具体的プロセスの
1例を示すフロー図であり、本発明は図1のプロセスに
限定されるものではない。
ば水素の導入は必ずしも必要ではないが、水素導入下で
行っても構わない。脱硫処理を水素雰囲気下で行った場
合、ベンゼン中に含まれるトルエンがメチルシクロヘキ
センになることもある。以下、本発明の各工程を図1を
用いて説明する。図1は本発明方法の具体的プロセスの
1例を示すフロー図であり、本発明は図1のプロセスに
限定されるものではない。
【0016】(1)水素化工程 ベンゼンの部分水素化反応においては、水の存在下で反
応を行うのが好ましい。水の量としては、反応形式によ
って異なるが、一般的にはベンゼンの0.01〜10重
量倍であり、好ましくは0.1〜5重量倍である。かか
る条件では、原料及び生成物を主成分とする有機液相
(油相)と水を含む液相(水相)とは攪拌を行わない状
態では2相を形成することになる。油相と水相の割合が
極端な場合は2相の形成が困難となり、分液が困難とな
る。また、水の量が少なすぎても、多すぎても水の存在
効果が減少する。更に、本発明においては、水中に金属
塩化合物を含有させるのが好ましい。金属塩化合物は、
1族金属、2族金属、あるいは、亜鉛、マンガン、コバ
ルト等金属の硫酸塩、塩化物、酢酸塩、リン酸塩等が例
示される。金属塩の使用量は、通常、反応系の水に対し
て1×10-5重量倍から1重量倍、好ましくは、1×1
0-4重量倍から0.1重量倍である。
応を行うのが好ましい。水の量としては、反応形式によ
って異なるが、一般的にはベンゼンの0.01〜10重
量倍であり、好ましくは0.1〜5重量倍である。かか
る条件では、原料及び生成物を主成分とする有機液相
(油相)と水を含む液相(水相)とは攪拌を行わない状
態では2相を形成することになる。油相と水相の割合が
極端な場合は2相の形成が困難となり、分液が困難とな
る。また、水の量が少なすぎても、多すぎても水の存在
効果が減少する。更に、本発明においては、水中に金属
塩化合物を含有させるのが好ましい。金属塩化合物は、
1族金属、2族金属、あるいは、亜鉛、マンガン、コバ
ルト等金属の硫酸塩、塩化物、酢酸塩、リン酸塩等が例
示される。金属塩の使用量は、通常、反応系の水に対し
て1×10-5重量倍から1重量倍、好ましくは、1×1
0-4重量倍から0.1重量倍である。
【0017】本反応にはルテニウム触媒の使用が好適で
ある。ルテニウムは、単独で使用することもできるが、
他の金属成分を助触媒成分として併用してもよい。助触
媒成分としては、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、金、
ランタン、銅などが有効であり、特に亜鉛が好ましい。
助触媒成分の原料としては、各金属のハロゲン化物、硝
酸塩、酢酸塩、硫酸塩及び各金属を含む錯体化合物が使
用される。助触媒金属を使用する場合は、ルテニウム原
子に対する助触媒金属の原子比は通常0.01〜20、
好ましくは0.1〜10である。
ある。ルテニウムは、単独で使用することもできるが、
他の金属成分を助触媒成分として併用してもよい。助触
媒成分としては、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、金、
ランタン、銅などが有効であり、特に亜鉛が好ましい。
助触媒成分の原料としては、各金属のハロゲン化物、硝
酸塩、酢酸塩、硫酸塩及び各金属を含む錯体化合物が使
用される。助触媒金属を使用する場合は、ルテニウム原
子に対する助触媒金属の原子比は通常0.01〜20、
好ましくは0.1〜10である。
【0018】使用する触媒は、担持型であってもよく、
また非担持型であってもよい。担体としては一般的に触
媒担体として使用される難溶性の酸化物や金属塩などが
使用される。具体的には硫酸バリウム、硫酸カルシウム
などの金属塩、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、クロミナ、希土類金属の酸化物、あるいは、シリカ
−アルミナ、シリカ−ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム
などの複合酸化物、さらには、ジルコニアなどの金属酸
化物で修飾したシリカ等が例示される。
また非担持型であってもよい。担体としては一般的に触
媒担体として使用される難溶性の酸化物や金属塩などが
使用される。具体的には硫酸バリウム、硫酸カルシウム
などの金属塩、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、クロミナ、希土類金属の酸化物、あるいは、シリカ
−アルミナ、シリカ−ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム
などの複合酸化物、さらには、ジルコニアなどの金属酸
化物で修飾したシリカ等が例示される。
【0019】触媒の活性化方法としては、水素ガスによ
る接触還元法、あるいはホルマリン、水素化ホウ素ナト
リウム、ヒドラジン等による化学還元法が用いられる。
このうち、好ましくは水素ガスによる接触還元であり、
水素含有ガス雰囲気下で、通常80〜500℃、好まし
くは100〜450℃の条件下で焼成して還元活性化す
る。還元温度が80℃未満では、ルテニウムの還元率が
著しく低下し、また、500℃を超えるとルテニウムの
凝集が起こりやすくなり、シクロヘキセン生成の収率、
選択率が低下する原因となる。
る接触還元法、あるいはホルマリン、水素化ホウ素ナト
リウム、ヒドラジン等による化学還元法が用いられる。
このうち、好ましくは水素ガスによる接触還元であり、
水素含有ガス雰囲気下で、通常80〜500℃、好まし
くは100〜450℃の条件下で焼成して還元活性化す
る。還元温度が80℃未満では、ルテニウムの還元率が
著しく低下し、また、500℃を超えるとルテニウムの
凝集が起こりやすくなり、シクロヘキセン生成の収率、
選択率が低下する原因となる。
【0020】水素化反応条件としては、温度は、通常5
0〜250℃、好ましくは100〜220℃の範囲から
選択される。250℃以上ではシクロヘキセンの選択率
が低下し、50℃以下では反応速度が著しく低下するの
で好ましくない。また、反応時の水素の圧力は、通常
0.1〜20MPa、好ましくは0.5〜10MPaの
範囲から選ばれる。20MPaを超えると工業的に不利
であり、一方、0.1MPa未満では反応速度が著しく
低下するので設備上不経済である。反応型式としては一
槽または二槽以上の反応槽を用いて、回分式に行うこと
もできるし、連続的に行うことも可能であり特に限定さ
れないが、工業的には連続的に行う方法が好ましい。
0〜250℃、好ましくは100〜220℃の範囲から
選択される。250℃以上ではシクロヘキセンの選択率
が低下し、50℃以下では反応速度が著しく低下するの
で好ましくない。また、反応時の水素の圧力は、通常
0.1〜20MPa、好ましくは0.5〜10MPaの
範囲から選ばれる。20MPaを超えると工業的に不利
であり、一方、0.1MPa未満では反応速度が著しく
低下するので設備上不経済である。反応型式としては一
槽または二槽以上の反応槽を用いて、回分式に行うこと
もできるし、連続的に行うことも可能であり特に限定さ
れないが、工業的には連続的に行う方法が好ましい。
【0021】上記反応の結果得られた、反応液はルテニ
ウム触媒が分散した水相と、有機物からなる油相の混合
物である。かかる反応液は静置槽に例示される油水分離
器に導入され、油水分離が施される。かかる油水分離器
は反応器内に設置してもいいし、反応器外に設置しても
よい。かかる油水分離器において相分離された水相は、
好ましくは反応系にリサイクルして再度反応に用いられ
る。一方、油相は第1分離工程に導入される。
ウム触媒が分散した水相と、有機物からなる油相の混合
物である。かかる反応液は静置槽に例示される油水分離
器に導入され、油水分離が施される。かかる油水分離器
は反応器内に設置してもいいし、反応器外に設置しても
よい。かかる油水分離器において相分離された水相は、
好ましくは反応系にリサイクルして再度反応に用いられ
る。一方、油相は第1分離工程に導入される。
【0022】原料のベンゼン中には、一般的に500p
pm以下のトルエンが含有される。トルエンは上記の脱
硫工程や水添反応工程で、少なくとも一部がメチルシク
ロヘキセンに変換される。また、ベンゼン中にすでにメ
チルシクロヘキセンが含まれている場合がある。水添反
応後の油相中のメチルシクロヘキセンの濃度は、通常2
00ppm以下である。
pm以下のトルエンが含有される。トルエンは上記の脱
硫工程や水添反応工程で、少なくとも一部がメチルシク
ロヘキセンに変換される。また、ベンゼン中にすでにメ
チルシクロヘキセンが含まれている場合がある。水添反
応後の油相中のメチルシクロヘキセンの濃度は、通常2
00ppm以下である。
【0023】(2)第1分離工程 第1分離工程に供されるベンゼン(Bz)、シクロヘキ
セン(CHE)、シクロヘキサン(CHX)はその沸点
が互いに近接しているので、第1分離工程には通常、抽
出蒸留や共沸蒸留のような蒸留方法が採用される。以
下、好ましい方法である抽出蒸留の場合について説明す
る。
セン(CHE)、シクロヘキサン(CHX)はその沸点
が互いに近接しているので、第1分離工程には通常、抽
出蒸留や共沸蒸留のような蒸留方法が採用される。以
下、好ましい方法である抽出蒸留の場合について説明す
る。
【0024】図1にはD1〜D3の3塔の蒸留塔からな
る分離方法を示してある。蒸留塔D1では抽出蒸留が行
われる。ライン2から油相が供給され、ライン3からは
抽剤が供給される。塔頂から主成分をCHXとする成分
が抜き出され、コンデンサーで凝縮された後、その一部
が所定の還流比で蒸留塔D1に戻されるとともに、残り
はライン4から抜き出される。塔底からはライン5を通
じてBz、CHEを主成分とする成分が抜き出される。
る分離方法を示してある。蒸留塔D1では抽出蒸留が行
われる。ライン2から油相が供給され、ライン3からは
抽剤が供給される。塔頂から主成分をCHXとする成分
が抜き出され、コンデンサーで凝縮された後、その一部
が所定の還流比で蒸留塔D1に戻されるとともに、残り
はライン4から抜き出される。塔底からはライン5を通
じてBz、CHEを主成分とする成分が抜き出される。
【0025】蒸留塔D2でも抽出蒸留が行われる。ライ
ン5よりBz、CHE、抽剤を主成分とする留分が供給
され、ライン6から抽剤が供給される。塔頂からCHE
が主成分である留分が抜き出され、コンデンサで凝縮さ
れた後、その一部が所定の還流比で蒸留塔D2に戻され
るとともに、残りはライン7から抜き出される。塔底か
らはライン8を通じてBzと抽剤とを主成分とする成分
が抜き出され、蒸留塔D3に供給される。CHEについ
ては水和工程に供給される。CHE中には、水添工程で
生成したメチルシクロヘキセンが、通常200ppm以
下、同伴される。
ン5よりBz、CHE、抽剤を主成分とする留分が供給
され、ライン6から抽剤が供給される。塔頂からCHE
が主成分である留分が抜き出され、コンデンサで凝縮さ
れた後、その一部が所定の還流比で蒸留塔D2に戻され
るとともに、残りはライン7から抜き出される。塔底か
らはライン8を通じてBzと抽剤とを主成分とする成分
が抜き出され、蒸留塔D3に供給される。CHEについ
ては水和工程に供給される。CHE中には、水添工程で
生成したメチルシクロヘキセンが、通常200ppm以
下、同伴される。
【0026】蒸留塔D3では、Bzと抽剤が蒸留分離さ
れ、塔頂からBzが抜き出され、コンデンサで凝縮され
た後、その一部が所定の還流比で蒸留塔D3に戻される
とともに、残りはライン9から抜き出される。塔頂から
抜き出されたBzは水添反応にリサイクルされる。塔底
からはライン10を通じて抽剤が抜き出され、通常、D
2及び/またはD3にフィードされ、再利用する。
れ、塔頂からBzが抜き出され、コンデンサで凝縮され
た後、その一部が所定の還流比で蒸留塔D3に戻される
とともに、残りはライン9から抜き出される。塔頂から
抜き出されたBzは水添反応にリサイクルされる。塔底
からはライン10を通じて抽剤が抜き出され、通常、D
2及び/またはD3にフィードされ、再利用する。
【0027】本発明における抽出蒸留に使用する抽剤と
しては、1,3−ジメチルアセトアミド、アジポニトリ
ル、スルホラン、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチ
ル、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン等など
の公知の抽剤や、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、
エチレングリコール等の極性を有する有機化合物が使用
される。
しては、1,3−ジメチルアセトアミド、アジポニトリ
ル、スルホラン、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチ
ル、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン等など
の公知の抽剤や、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、
エチレングリコール等の極性を有する有機化合物が使用
される。
【0028】なお、上記の方法では、Bz、CHE及び
CHXをそれぞれの成分に分離するに当たり、先ずCH
Xを分離し、次いでCHEとBzとを分離する方法を例
示したが、先ずBzを分離し次いでCHXとCHEとを
分離する方法を採用することもできる。
CHXをそれぞれの成分に分離するに当たり、先ずCH
Xを分離し、次いでCHEとBzとを分離する方法を例
示したが、先ずBzを分離し次いでCHXとCHEとを
分離する方法を採用することもできる。
【0029】(3)水和工程 ライン7を経て第1分離工程から水和反応器R2に供給
される原料のCHE中には、通常200ppm以下のメ
チルシクロヘキセンが含有される。水和工程で使用する
水和触媒は、CHEの水和反応に用いる各種の触媒が使
用できるが、好ましくは固体酸触媒である。固体酸触媒
は、酸性の固体物質であり、ゼオライト、スルホン酸基
等を含有する強酸性イオン交換樹脂、また、含水酸化ニ
オブ、含水酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、二酸化
チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等の無機酸化
物あるいはこれらの複合酸化物、更に、スメクタイト、
カオリナイト、バーミキュライト等の層状化合物をアル
ミニウムおよびケイ素、チタン、ジルコニウムの中から
選ばれる一種類以上の金属酸化物で処理したイオン交換
型層状化合物などが例示されるが、本発明における固体
酸触媒としてはゼオライトが特に好ましい。なお、固体
酸触媒の使用される形態は特に制限はないが、通常粉末
状、顆粒状で使用する。また、担体あるいはバインダー
として、アルミナ、シリカ、チタニア等を使用してもよ
い。
される原料のCHE中には、通常200ppm以下のメ
チルシクロヘキセンが含有される。水和工程で使用する
水和触媒は、CHEの水和反応に用いる各種の触媒が使
用できるが、好ましくは固体酸触媒である。固体酸触媒
は、酸性の固体物質であり、ゼオライト、スルホン酸基
等を含有する強酸性イオン交換樹脂、また、含水酸化ニ
オブ、含水酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、二酸化
チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等の無機酸化
物あるいはこれらの複合酸化物、更に、スメクタイト、
カオリナイト、バーミキュライト等の層状化合物をアル
ミニウムおよびケイ素、チタン、ジルコニウムの中から
選ばれる一種類以上の金属酸化物で処理したイオン交換
型層状化合物などが例示されるが、本発明における固体
酸触媒としてはゼオライトが特に好ましい。なお、固体
酸触媒の使用される形態は特に制限はないが、通常粉末
状、顆粒状で使用する。また、担体あるいはバインダー
として、アルミナ、シリカ、チタニア等を使用してもよ
い。
【0030】ゼオライト触媒としては、触媒として使用
可能なゼオライトであれば特に限定されず、例えば、モ
ルデナイト、エリオナイト、フェリエライト、モービル
社発表のZSM−5、ZSM−4、ZSM−8、ZSM
−11、ZSM−12、ZSM−20、ZSM−40、
ZSM−35、ZSM−48系ゼオライト等のアルミノ
シリケート、及び、ボロシリケート、ガロシリケート、
フェロアルミノシリケート等の異元素含有ゼオライトが
例示できる。これらのゼオライトは、通常、プロトン交
換型(H型)が用いられるが、その一部がNa、K、L
i等のアルカリ元素、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土
類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd等の8族元素、
などから選ばれたカチオン種で交換されていてもよい。
可能なゼオライトであれば特に限定されず、例えば、モ
ルデナイト、エリオナイト、フェリエライト、モービル
社発表のZSM−5、ZSM−4、ZSM−8、ZSM
−11、ZSM−12、ZSM−20、ZSM−40、
ZSM−35、ZSM−48系ゼオライト等のアルミノ
シリケート、及び、ボロシリケート、ガロシリケート、
フェロアルミノシリケート等の異元素含有ゼオライトが
例示できる。これらのゼオライトは、通常、プロトン交
換型(H型)が用いられるが、その一部がNa、K、L
i等のアルカリ元素、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土
類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd等の8族元素、
などから選ばれたカチオン種で交換されていてもよい。
【0031】上記のような固体酸触媒の存在下、液相中
でCHEの水和反応を行うことができる。反応系には、
溶媒あるいは添加物として他の有機物質を共存させても
よい。該有機物質としては、安息香酸類、カルボン酸
類、フェノール類、サリチル酸類、アルコール類、フル
オロアルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類
等の含酸素有機化合物、アミド化合物、ニトリル等の含
窒素有機化合物や、チオール類、スルホン酸等の含硫黄
有機化合物や、ハロゲン化炭素等の含ハロゲン有機化合
物や、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類が挙げられ
る。
でCHEの水和反応を行うことができる。反応系には、
溶媒あるいは添加物として他の有機物質を共存させても
よい。該有機物質としては、安息香酸類、カルボン酸
類、フェノール類、サリチル酸類、アルコール類、フル
オロアルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類
等の含酸素有機化合物、アミド化合物、ニトリル等の含
窒素有機化合物や、チオール類、スルホン酸等の含硫黄
有機化合物や、ハロゲン化炭素等の含ハロゲン有機化合
物や、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類が挙げられ
る。
【0032】水和反応は、好ましくは、連続的に実施さ
れるが、この場合、固体酸触媒と水によって構成される
触媒スラリーにCHEを連続的に供給して水和反応を行
いシクロヘキサノール(CHL)を生成させ、反応液よ
り触媒スラリーである水相と、CHLを含む油相を相分
離して、油相を連続的に採取する方法が採用される。反
応は、通常、攪拌などで水相と油相を混合することによ
り、懸濁状態、例えば、連続水相中に油相が液滴状態で
分散させて行われる。反応液は混合を弱くするか停止状
態においては通常水相と油相に相分離するが、該水相に
対する該油相の容量比は、通常0.01〜10、好まし
くは0.1〜1である。原料の環状オレフィンあるいは
水が一方に比べて大過剰になる場合は、水相と油相の分
離が不良であり、かつ、反応速度も低下するので好まし
くない。また、CHEに対する触媒の重量比は、通常
0.01〜20、好ましくは0.05〜5である。触媒
が少なすぎる場合には反応速度が遅く反応器が大きくな
り、また、多すぎる場合には触媒コストが大きくなるの
で好ましくない。水和反応系において、主に、水相には
固体酸触媒が含まれ、油相には原料のCHEと生成した
CHLが含まれる。触媒を含む水相は、分離した後、触
媒スラリーとして、反応器に循環して再使用することが
できる。
れるが、この場合、固体酸触媒と水によって構成される
触媒スラリーにCHEを連続的に供給して水和反応を行
いシクロヘキサノール(CHL)を生成させ、反応液よ
り触媒スラリーである水相と、CHLを含む油相を相分
離して、油相を連続的に採取する方法が採用される。反
応は、通常、攪拌などで水相と油相を混合することによ
り、懸濁状態、例えば、連続水相中に油相が液滴状態で
分散させて行われる。反応液は混合を弱くするか停止状
態においては通常水相と油相に相分離するが、該水相に
対する該油相の容量比は、通常0.01〜10、好まし
くは0.1〜1である。原料の環状オレフィンあるいは
水が一方に比べて大過剰になる場合は、水相と油相の分
離が不良であり、かつ、反応速度も低下するので好まし
くない。また、CHEに対する触媒の重量比は、通常
0.01〜20、好ましくは0.05〜5である。触媒
が少なすぎる場合には反応速度が遅く反応器が大きくな
り、また、多すぎる場合には触媒コストが大きくなるの
で好ましくない。水和反応系において、主に、水相には
固体酸触媒が含まれ、油相には原料のCHEと生成した
CHLが含まれる。触媒を含む水相は、分離した後、触
媒スラリーとして、反応器に循環して再使用することが
できる。
【0033】水和反応条件として、反応温度は通常50
〜300℃、好ましくは70〜200℃、より好ましく
は80〜160℃である。反応圧力は特に制限はない
が、CHEおよび水を液相に保ち得る圧力が好ましく、
通常5MPa以下、好ましくは0.2〜2MPaであ
る。反応時間あるいは滞留時間は、通常1分〜10時
間、好ましくは5分〜5時間である。また、反応系は、
窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、二酸化炭素等の不活
性ガス雰囲気下に保つことが好ましい。この場合、不活
性ガス中の酸素の含有量は少ない方が好ましく、酸素含
有量が通常100ppm以下、好ましくは20ppm以
下のものが使用される。
〜300℃、好ましくは70〜200℃、より好ましく
は80〜160℃である。反応圧力は特に制限はない
が、CHEおよび水を液相に保ち得る圧力が好ましく、
通常5MPa以下、好ましくは0.2〜2MPaであ
る。反応時間あるいは滞留時間は、通常1分〜10時
間、好ましくは5分〜5時間である。また、反応系は、
窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、二酸化炭素等の不活
性ガス雰囲気下に保つことが好ましい。この場合、不活
性ガス中の酸素の含有量は少ない方が好ましく、酸素含
有量が通常100ppm以下、好ましくは20ppm以
下のものが使用される。
【0034】原料CHEに含まれていたメチルシクロヘ
キセンは、少なくともその一部分が水和反応工程でメチ
ルシクロヘキサノールとなる。メチルシクロヘキセンか
らメチルシクロヘキサノールへの転換率は、通常0.1
から10%であり、特に0.5から5%であるとき、本
発明の効果が顕著となる。
キセンは、少なくともその一部分が水和反応工程でメチ
ルシクロヘキサノールとなる。メチルシクロヘキセンか
らメチルシクロヘキサノールへの転換率は、通常0.1
から10%であり、特に0.5から5%であるとき、本
発明の効果が顕著となる。
【0035】(4)第2分離工程及び(5)循環工程 第2分離工程では、通常蒸留等の方法によって、CHE
とCHLとが分離される。以下、蒸留による分離方法に
ついて説明する。水和反応工程で得られる反応液(CH
L、CHE、メチルシクロヘキサノール及びメチルシク
ロヘキセン)は図1の蒸留塔D4にて分離され、塔頂か
ら未反応のCHEが留出され、塔底から製品であるCH
Lが抜き出される。メチルシクロヘキサノールは塔底か
ら、CHLと共に抜き出される。未反応のCHEは、水
和反応工程にリサイクルされる。
とCHLとが分離される。以下、蒸留による分離方法に
ついて説明する。水和反応工程で得られる反応液(CH
L、CHE、メチルシクロヘキサノール及びメチルシク
ロヘキセン)は図1の蒸留塔D4にて分離され、塔頂か
ら未反応のCHEが留出され、塔底から製品であるCH
Lが抜き出される。メチルシクロヘキサノールは塔底か
ら、CHLと共に抜き出される。未反応のCHEは、水
和反応工程にリサイクルされる。
【0036】蒸留塔の条件(理論段数、運転条件等)に
より、塔底のCHL中にCHEが、また、塔頂のCHE
中にCHLが含有されることがある。塔頂のCHEは水
和反応工程にリサイクルされるので、CHE中のCHL
は、系外に出されることはなく、歩留まり低下にはなら
ない。ところが、塔底CHL中のCHEは、原料のロス
であり、歩留まり低下に繋がる。従って、塔底CHL中
には、実質的にCHEを含有しない条件を選んで、蒸留
を行うことが好ましい。CHEとCHLは沸点差が大き
いために、理論段数10段程度の蒸留により、塔底から
CHEが実質的に存在しないCHLを容易に得ることが
できる。
より、塔底のCHL中にCHEが、また、塔頂のCHE
中にCHLが含有されることがある。塔頂のCHEは水
和反応工程にリサイクルされるので、CHE中のCHL
は、系外に出されることはなく、歩留まり低下にはなら
ない。ところが、塔底CHL中のCHEは、原料のロス
であり、歩留まり低下に繋がる。従って、塔底CHL中
には、実質的にCHEを含有しない条件を選んで、蒸留
を行うことが好ましい。CHEとCHLは沸点差が大き
いために、理論段数10段程度の蒸留により、塔底から
CHEが実質的に存在しないCHLを容易に得ることが
できる。
【0037】ところが、このような蒸留条件では、メチ
ルシクロヘキセンも実質上全て塔頂のCHE中に同伴さ
れ、水和反応工程にリサイクルされる。すると、水和反
応の原料中にメチルシクロヘキセンが徐々に蓄積する。
すると、水和反応工程で生成するメチルシクロヘキサノ
ールの量も増加して、その結果、製品CHL中のメチル
シクロヘキサノール量も増加する。
ルシクロヘキセンも実質上全て塔頂のCHE中に同伴さ
れ、水和反応工程にリサイクルされる。すると、水和反
応の原料中にメチルシクロヘキセンが徐々に蓄積する。
すると、水和反応工程で生成するメチルシクロヘキサノ
ールの量も増加して、その結果、製品CHL中のメチル
シクロヘキサノール量も増加する。
【0038】これを避けるために、リサイクルされるC
HE中のメチルシクロヘキセンを除去することが考えら
れる。シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを除去
する方法として、精密蒸留が考えられる。ところが、シ
クロヘキセンとメチルシクロヘキセンは沸点が近いこと
や、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンは微量で
あるために、蒸留によりシクロヘキセンからメチルシク
ロヘキセンを選択的に除去するのは困難である。
HE中のメチルシクロヘキセンを除去することが考えら
れる。シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンを除去
する方法として、精密蒸留が考えられる。ところが、シ
クロヘキセンとメチルシクロヘキセンは沸点が近いこと
や、シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセンは微量で
あるために、蒸留によりシクロヘキセンからメチルシク
ロヘキセンを選択的に除去するのは困難である。
【0039】また、リサイクルされるシクロヘキセンを
抽出剤を用いた抽出蒸留により精製するという方法もあ
る(特開平4−41448号公報)が、この方法でも、
メチルシクロヘキセンを効率よく除去することはできな
い。本発明方法は第2分離工程の蒸留条件を選択するこ
とにより、D4塔頂のCHE中に同伴される。メチルシ
クロヘキセンに対する塔底のCHL中に同伴されるメチ
ルシクロヘキセンの量を制御することにより製品シクロ
ヘキサノール中のメチルシクロヘキセン量を低減しよう
とするものである。本発明方法においてはシクロヘキセ
ン中に同伴されるメチルシクロヘキセンの量に対するシ
クロヘキサノール中のメチルシクロヘキセンの量は重量
比で1/300以上、好ましくは2/300以上、特に
好ましくは5/300以上とすることが重要である。
抽出剤を用いた抽出蒸留により精製するという方法もあ
る(特開平4−41448号公報)が、この方法でも、
メチルシクロヘキセンを効率よく除去することはできな
い。本発明方法は第2分離工程の蒸留条件を選択するこ
とにより、D4塔頂のCHE中に同伴される。メチルシ
クロヘキセンに対する塔底のCHL中に同伴されるメチ
ルシクロヘキセンの量を制御することにより製品シクロ
ヘキサノール中のメチルシクロヘキセン量を低減しよう
とするものである。本発明方法においてはシクロヘキセ
ン中に同伴されるメチルシクロヘキセンの量に対するシ
クロヘキサノール中のメチルシクロヘキセンの量は重量
比で1/300以上、好ましくは2/300以上、特に
好ましくは5/300以上とすることが重要である。
【0040】この結果、本発明方法により得られるシク
ロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノールは、50
0ppm未満にすることができる。本発明におけるメチ
ルシクロヘキセンとは、1−メチルシクロヘキセン、3
−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセンを
意味する。
ロヘキサノール中のメチルシクロヘキサノールは、50
0ppm未満にすることができる。本発明におけるメチ
ルシクロヘキセンとは、1−メチルシクロヘキセン、3
−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセンを
意味する。
【0041】また、固体酸触媒を用いるシクロヘキセン
の水和反応では、CHEの異性化によりメチルシクロペ
ンテンが生成する。メチルシクロペンテンはCHEと沸
点が近いために、水和反応混合物をCHEとCHLに蒸
留した場合、メチルシクロペンテンはCHEに同伴され
る。分離された未反応CHEは、水和反応器にリサイク
ルされるために、メチルシクロペンテンも水和反応系中
に蓄積する。リサイクルされるCHE中のメチルシクロ
ペンテンを除去する方法としては、リサイクルされるC
HEの少なくとも一部を、蒸留精製して、塔頂から軽沸
成分としてメチルシクロヘキセンを系外に出す方法、リ
サイクルされるCHEを抽出蒸留して、メチルシクロヘ
キセンを除去する方法(特開平4−41448号公
報)、また、リサイクルされるCHEの少なくとも一部
を、上記の水添反応後の抽出蒸留工程まで戻すことによ
り、メチルシクロペンテンを除去する方法(特開平7−
165646号公報)などを採用することができる。
の水和反応では、CHEの異性化によりメチルシクロペ
ンテンが生成する。メチルシクロペンテンはCHEと沸
点が近いために、水和反応混合物をCHEとCHLに蒸
留した場合、メチルシクロペンテンはCHEに同伴され
る。分離された未反応CHEは、水和反応器にリサイク
ルされるために、メチルシクロペンテンも水和反応系中
に蓄積する。リサイクルされるCHE中のメチルシクロ
ペンテンを除去する方法としては、リサイクルされるC
HEの少なくとも一部を、蒸留精製して、塔頂から軽沸
成分としてメチルシクロヘキセンを系外に出す方法、リ
サイクルされるCHEを抽出蒸留して、メチルシクロヘ
キセンを除去する方法(特開平4−41448号公
報)、また、リサイクルされるCHEの少なくとも一部
を、上記の水添反応後の抽出蒸留工程まで戻すことによ
り、メチルシクロペンテンを除去する方法(特開平7−
165646号公報)などを採用することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例ならびに比較例により本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定
されるものではない。 実施例1 ベンゼンを、0.5%パラジウム/アルミナのカラムを
用い、150℃、水素雰囲気下、液相で処理することに
より脱硫処理を行った。脱硫処理後のベンゼンにはトル
エンが50ppm、メチルシクロヘキセンが60ppm
含有されていた。
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定
されるものではない。 実施例1 ベンゼンを、0.5%パラジウム/アルミナのカラムを
用い、150℃、水素雰囲気下、液相で処理することに
より脱硫処理を行った。脱硫処理後のベンゼンにはトル
エンが50ppm、メチルシクロヘキセンが60ppm
含有されていた。
【0043】このベンゼンを原料とし、図1に示すプロ
セスでCHLを製造した。原料であるBzはライン1か
ら、リサイクルされたBzはライン9から水添反応器R
1に供給される。水添反応の条件は圧力5.0MPa、
反応温度150℃、Bzの転化率67.3%、CHEの
選択率64.5%である。また、反応液油相中のメチル
シクロヘキセン濃度は70ppmであった。反応液はラ
イン2より蒸留塔D1に供給され、CHXとCHE、B
z、抽剤の混合物に分離される。蒸留塔は理論段58段
相当の充填塔で、抽剤は塔頂から5段目から供給され、
水添反応液は37段目から供給される。また塔頂の圧力
は0.15MPaで還流比は6である。このとき溜出液
であるCHXの純度は99.95重量%であり、残りは
CHE及びBzである。D1の缶出液はライン5より蒸
留塔D2に供給されシクロヘキセンとベンゼン、抽剤の
混合物に分離される。D2は理論段58段相当の充填塔
であり抽剤は塔頂より4段目、D1の缶出液は35段目
より供給される。このとき塔頂の圧力は0.05MPa
で還流比は3である。CHEはライン7より水和反応に
供給される。缶出液は蒸留塔D3によりベンゼンと抽剤
に分離される。D3は理論段13段相当の充填塔であ
り、塔頂から6段目に供給段がある。このとき塔頂圧は
0.05MPaで、還流比は1である。溜出液であるB
zはライン9より水添工程にリサイクルされる。一方抽
剤は冷却後D1、D2にリサイクルされる。抽剤として
は1,3−ジメチルイミダゾリジノンを用いた。
セスでCHLを製造した。原料であるBzはライン1か
ら、リサイクルされたBzはライン9から水添反応器R
1に供給される。水添反応の条件は圧力5.0MPa、
反応温度150℃、Bzの転化率67.3%、CHEの
選択率64.5%である。また、反応液油相中のメチル
シクロヘキセン濃度は70ppmであった。反応液はラ
イン2より蒸留塔D1に供給され、CHXとCHE、B
z、抽剤の混合物に分離される。蒸留塔は理論段58段
相当の充填塔で、抽剤は塔頂から5段目から供給され、
水添反応液は37段目から供給される。また塔頂の圧力
は0.15MPaで還流比は6である。このとき溜出液
であるCHXの純度は99.95重量%であり、残りは
CHE及びBzである。D1の缶出液はライン5より蒸
留塔D2に供給されシクロヘキセンとベンゼン、抽剤の
混合物に分離される。D2は理論段58段相当の充填塔
であり抽剤は塔頂より4段目、D1の缶出液は35段目
より供給される。このとき塔頂の圧力は0.05MPa
で還流比は3である。CHEはライン7より水和反応に
供給される。缶出液は蒸留塔D3によりベンゼンと抽剤
に分離される。D3は理論段13段相当の充填塔であ
り、塔頂から6段目に供給段がある。このとき塔頂圧は
0.05MPaで、還流比は1である。溜出液であるB
zはライン9より水添工程にリサイクルされる。一方抽
剤は冷却後D1、D2にリサイクルされる。抽剤として
は1,3−ジメチルイミダゾリジノンを用いた。
【0044】抽出蒸留で分離されたCHE中には、60
ppmのメチルシクロヘキセンが含有されていた。抽出
工程で分離されたCHEはライン7より水和反応器R2
に供給される。水和反応条件は圧力0.7MPa、反応
温度120℃、CHE転化率10%、CHL選択率9
9.8%である。反応液油相はライン11より蒸留塔D
4に供給されCHLと未反応のCHEに分離される。D
4は理論段15段相当の充填塔で上から7段目に供給さ
れる。このとき塔頂圧は常圧で還流比は0.3である。
ppmのメチルシクロヘキセンが含有されていた。抽出
工程で分離されたCHEはライン7より水和反応器R2
に供給される。水和反応条件は圧力0.7MPa、反応
温度120℃、CHE転化率10%、CHL選択率9
9.8%である。反応液油相はライン11より蒸留塔D
4に供給されCHLと未反応のCHEに分離される。D
4は理論段15段相当の充填塔で上から7段目に供給さ
れる。このとき塔頂圧は常圧で還流比は0.3である。
【0045】溜出液はライン12から1部ライン14を
経て蒸留塔D5に供給される。D5にてメチルシクロペ
ンテン類を濃縮し塔頂よりパージを行う。蒸留塔は理論
段30段相当の充填塔で塔頂から23段目に供給され
る。塔頂圧は常圧で、還流比30である。D5の缶出液
はライン17から水和反応器にリサイクルされる。一方
D5に供給されないCHEはライン15から水和反応器
にリサイクルされる。
経て蒸留塔D5に供給される。D5にてメチルシクロペ
ンテン類を濃縮し塔頂よりパージを行う。蒸留塔は理論
段30段相当の充填塔で塔頂から23段目に供給され
る。塔頂圧は常圧で、還流比30である。D5の缶出液
はライン17から水和反応器にリサイクルされる。一方
D5に供給されないCHEはライン15から水和反応器
にリサイクルされる。
【0046】この条件のとき各ライン(丸付数字の位
置)のマスバランスは表−1の通りであった。蒸留塔D
4の塔頂シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセン量に
対する塔底シクロヘキサノール中のメチルシクロヘキセ
ンの重量比は1/230であり、製品シクロヘキサノー
ル中のメチルシクロヘキサノール量は200ppmであ
った。
置)のマスバランスは表−1の通りであった。蒸留塔D
4の塔頂シクロヘキセン中のメチルシクロヘキセン量に
対する塔底シクロヘキサノール中のメチルシクロヘキセ
ンの重量比は1/230であり、製品シクロヘキサノー
ル中のメチルシクロヘキサノール量は200ppmであ
った。
【0047】比較例1 蒸留塔D4として理論段数25段相当の蒸留塔を用い
て、上から13段目にCHEの供給を行ったこと以外
は、実施例1と同様に行った。この条件のときの各ライ
ンのマスバランスは表−2の通りであった。この場合の
蒸留塔D4の塔頂シクロヘキセン中のメチルシクロヘキ
セン量に対する塔底シクロヘキサノール中のメチルシク
ロヘキセンの重量比は1/610であり、製品シクロヘ
キサノール中のメチルシクロヘキサノール量は550p
pmであった。
て、上から13段目にCHEの供給を行ったこと以外
は、実施例1と同様に行った。この条件のときの各ライ
ンのマスバランスは表−2の通りであった。この場合の
蒸留塔D4の塔頂シクロヘキセン中のメチルシクロヘキ
セン量に対する塔底シクロヘキサノール中のメチルシク
ロヘキセンの重量比は1/610であり、製品シクロヘ
キサノール中のメチルシクロヘキサノール量は550p
pmであった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、ベンゼンを原料とする
シクロヘキセンの水和反応により、シクロヘキサノール
を製造する方法において、ベンゼンからシクロヘキサノ
ールまで、連続方法で合理的に高品質のシクロヘキサノ
ールを製造することができる。ε−カプロラクタムの原
料として、シクロヘキサノールを製造する場合、本発明
は特に有効である。
シクロヘキセンの水和反応により、シクロヘキサノール
を製造する方法において、ベンゼンからシクロヘキサノ
ールまで、連続方法で合理的に高品質のシクロヘキサノ
ールを製造することができる。ε−カプロラクタムの原
料として、シクロヘキサノールを製造する場合、本発明
は特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のプロセスを示すフロー図
R1 水素化反応器 R2 水和反応器 D1〜D3 第1分離工程蒸留塔 D4 第2分離工程蒸留塔 D5 メチルシクロペンテン分離塔 〜 マスバランス計測位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 29/04 C07C 29/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 5/11 C07C 5/11 7/08 7/08 13/20 13/20
Claims (5)
- 【請求項1】 (1)ベンゼンを水素化して、主成分と
して未反応ベンゼン、シクロヘキサンおよびシクロヘキ
センを含有する反応混合物を得る水素化工程 (2)水素化工程で得られた反応混合物を、それぞれ主
成分としてベンゼン、シクロヘキサン、およびシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第1分離工程 (3)第1分離工程で分離されたシクロヘキセンを主成
分とする成分を水和してシクロヘキサノール及び未反応
シクロヘキセンを主成分とする水和反応混合物を得る水
和工程 (4)水和反応混合物を、それぞれ主成分としてシクロ
ヘキサノールを含有する成分と、主成分としてシクロヘ
キセンを含有する成分に分離する第2分離工程 (5)第2分離工程から分離された主成分としてシクロ
ヘキセンを含有する成分の少くとも一部を水和工程に循
環させる循環工程 を含むシクロヘキサノールの製造方法において、上記
(4)第2分離工程において分離される主成分としてシ
クロヘキセンを含有する成分中の不純物メチルシクロヘ
キセン量に対する主成分としてシクロヘキサノールを含
有する成分中のメチルシクロヘキセン量の重量比を1/
300以上に制御することを特徴とする高純度シクロヘ
キサノールの製造方法。 - 【請求項2】 (4)の第2分離工程で得られたシクロ
ヘキセンの少くとも一部を、不純物のメチルシクロペン
テンの濃度が高い成分とメチルシクロペンテンの濃度が
低い成分に分離し、メチルシクロペンテンの濃度が高い
成分を系外に排出し、メチルシクロペンテンの濃度が低
い成分を(3)の水和工程に循環することを特徴とする
請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 (2)の第1分離工程が、抽出溶剤を用
いた抽出蒸留によって実施されることを特徴とする請求
項1又は2記載の方法。 - 【請求項4】 (3)の水和工程が、固体酸触媒の存在
下実施されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
に記載の方法。 - 【請求項5】 (3)の水和工程において、メチルシク
ロヘキセンからメチルシクロヘキサノールへの転換率
が、0.1−10%であることを特徴とする請求項1乃
至4の何れかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10034532A JPH11228472A (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 高純度シクロヘキサノールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10034532A JPH11228472A (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 高純度シクロヘキサノールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11228472A true JPH11228472A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12416895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10034532A Pending JPH11228472A (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 高純度シクロヘキサノールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11228472A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009031216A1 (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-12 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | シクロヘキセンの分離及び製造方法 |
JP2010138169A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-06-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | シクロヘキセンの精製及び製造方法 |
CN113694556A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-11-26 | 杭州浥能科技有限公司 | 一种水合法环己醇分离的节能装置及方法 |
-
1998
- 1998-02-17 JP JP10034532A patent/JPH11228472A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009031216A1 (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-12 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | シクロヘキセンの分離及び製造方法 |
US8237005B2 (en) | 2007-09-05 | 2012-08-07 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Method for separating and producing cyclohexene |
JP5498165B2 (ja) * | 2007-09-05 | 2014-05-21 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | シクロヘキセンの分離及び製造方法 |
JP2010138169A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-06-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | シクロヘキセンの精製及び製造方法 |
CN113694556A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-11-26 | 杭州浥能科技有限公司 | 一种水合法环己醇分离的节能装置及方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101093958B1 (ko) | 시클로헥센의 분리 및 제조 방법 | |
RU2314300C2 (ru) | Способ эпоксидирования пропена | |
US6100396A (en) | Method for purifying lactams | |
MXPA00006809A (es) | Proceso para la alquilacion de compuestos aromaticos. | |
JP4685314B2 (ja) | シクロヘキサノールの製造方法 | |
KR100283785B1 (ko) | 고리형알코올의제조방법 | |
JPH11228472A (ja) | 高純度シクロヘキサノールの製造方法 | |
EP0690045A1 (en) | Integrated process for cyclohexanone oxime production | |
JPH11322661A (ja) | シクロヘキサノンの製造方法及びε−カプロラクタムの製造方法 | |
JP2003531183A (ja) | 脂肪族化合物のヒドロキシル化方法 | |
WO2009150974A1 (ja) | アルキル化芳香族化合物の製造方法およびフェノールの製造方法 | |
JP2010138169A (ja) | シクロヘキセンの精製及び製造方法 | |
JPH11199532A (ja) | シクロヘキサノールの製造方法 | |
US5569791A (en) | Production of phenol from a hydrocarbon feedstock | |
US5559274A (en) | Production of phenol from a hydrocarbon feedstock | |
JPH11228456A (ja) | シクロヘキサノールとシクロヘキサンの併産方法 | |
US6432858B1 (en) | Process for the regeneration of hydration catalyst for cyclic olefins | |
JPH10259144A (ja) | シクロヘキセンの製造方法 | |
JPH0930999A (ja) | オレフィンの水和方法 | |
JPH09165348A (ja) | シクロヘキセンの分離方法 | |
JPH0931001A (ja) | シクロヘキサノールの製造方法 | |
JP2002187861A (ja) | 芳香族ジヒドロキシ化合物の製造方法 | |
JP2916953B2 (ja) | 高純度トリオキサンの精製方法 | |
JP3042367B2 (ja) | メタジイソプロピルベンゼンの精製方法 | |
JPH10226655A (ja) | シクロヘキセンの分離方法 |