JP3001689B2 - ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物からシクロヘキセンを分離する方法 - Google Patents

ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物からシクロヘキセンを分離する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はベンゼンおよびシクロヘキサンと
シクロヘキセンとの混合物からシクロヘキセンを分離す
る方法、ことにシクロヘキサノールおよびシクロヘキシ
ルカルボキシレートに転化することによる分離方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】ヨーロッパ特許出願公開341163号お
よび日本国特許出願1254634号より、ZSM−5
ゼオライトあるいは強酸性イオン交換体の存在下に、シ
クロヘキセンをカルボン酸および水と反応させることに
より、シクロヘキサノールとシクロヘキシルエステルの
混合物および水が得られることは公知である。しかしな
がら、これには副生成物の生成、すなわち水の存在もし
くは不存在下、シクロヘキセンとカルボン酸との反応の
選択性に関する情報が記載されていない。
【0003】シクロヘキセンはベンゼンあるいはシクロ
ヘキサンから出発して製造され得る。しかしながら、ベ
ンゼンの例えばルテニウム触媒上の部分的水素添加(西
独特許出願公開2221137号)およびシクロヘキサ
ンの接触脱水素は、純粋なシクロヘキセンをもたらさ
ず、シクロヘキセン、ベンゼンおよびシクロヘキサンの
種々の組成の混合物が得られる。このような混合物か
ら、例えば抽出蒸留あるいは共沸蒸留により、シクロヘ
キセンを分離するには著しく、高額のコストを必要とす
る。
【0004】強酸性触媒、例えばゼオライトの存在下に
シクロヘキセンを水と反応させてシクロヘキサノールを
生成させる場合、その収率は15%を上廻らない(ヨー
ロッパ特許341163号明細書対比例a参照)。従っ
てこの方法は、ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合
物からシクロヘキセンを分離するには極めて不適当であ
る。
【0005】そこで本発明の目的とするところは、ベン
ゼンおよびシクロヘキサンとの混合物からシクロヘキセ
ンを分離することと、シクロヘキサノールおよびシクロ
ヘキシルカルボキシレートを製造することとを組合わせ
たさらに効率的な方法を開発することである。さらに他
の目的はシクロヘキセン分離の極めて高い選択性および
副生成物形成の抑止を達成することである。
【0006】
【発明の要約】しかるに上述した目的は、強酸性固体触
媒の存在下、液相において、シクロヘキセン、ベンゼン
およびシクロヘキサンの混合物を、高温でカルボン酸お
よび水と反応させて、シクロヘキサノールおよびシクロ
ヘキシルカルボキシレートへの転化により、ベンゼンお
よびシクロヘキサンとの混合物からシクロヘキセンを分
離する方法によって達成されることが、本発明者らによ
り見出された。
【0007】
【発明の構成】本発明方法において使用されるシクロヘ
キセン、ベンゼンおよびシクロヘキサンの混合物は、ベ
ンゼンの部分的水素添加あるいはシクロヘキサンの脱水
素によりもたらされる。適当な方法、例えば蒸留により
予備処理してもよいが、この混合物の組成は、例えばシ
クロヘキセンが0.1から80重量%、ベンゼンが0.
1から90重量%、シクロヘキサンが5から90重量%
である。好ましい混合物は3から50重量%のシクロヘ
キセン、10から80重量%のベンゼンおよび5から5
0重量%のシクロヘキサンを含有する。
【0008】使用され得るカルボン酸は、脂肪族、脂環
式、芳香族、芳香脂肪族カルボン酸であって、1個ある
いは複数個のカルボキシル基を持っていることができ
る。脂肪族カルボン酸としては、1個から18個の炭素
原子を有するもの、例えば蟻酸、醋酸、プロピオン酸、
n−酪酸、イソ酪酸、オキサル酸、グルタル酸、アジピ
ン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸は、ハロゲン原
子、例えば塩素あるいは弗素を持っていてもよい。その
例としては、モノクロロ醋酸、トリクロロ醋酸およびト
リフルオロ醋酸が挙げられる。脂環式カルボン酸の例と
しては、シクロヘキサンカルボン酸および1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸が、芳香族および芳香脂肪族カ
ルボン酸の例としてはフェニル醋酸、安息香酸、テレフ
タル酸が挙げられる。炭素原子1から8個を有する脂肪
酸が好ましい。ことに好ましいカルボン酸は蟻酸、醋酸
およびプロピオン酸である。
【0009】シクロヘキセンのカルボン酸に対するモル
割合は1:0.5から1:30、ことに1:3から1:
16が好ましく、シクロヘキセンの水に対するモル割合
は1:0.1から1:15、ことに1:2から1:6が
好ましい。
【0010】適当な強酸性固体触媒は、例えばヘテロ多
重酸、強酸性イオン交換体はシリケート、天然もしくは
合成ゼオライトであって、ことにゼオライトおよびヘテ
ロ多重酸が好ましい。
【0011】本発明に使用されるヘテロ多重酸は、無機
多重酸であって、イソ多重酸と異なり少くとも2個の相
違する中心原子を有する。その例としてはドデカタング
スト燐酸H3 PW1240、ドデカモリブド燐酸H3 PM
1240、ヘキサモリブドヘキサタングスト燐酸H3
Mo6640、オクタデカモリブドジ燐酸H62
1862、ウンデカモリブドバナジン酸燐酸H3 PVM
1140、ノナモリブド燐酸H3 PMo931、ドデカ
モリブド珪酸H4 SiMo1240、ドデカタングスト硼
酸H5 BW1240が挙げられる。原則的にヨーロッパ特
許出願公開158229号公報に述べられている複数触
媒あるいは触媒混合物を使用することができる。
【0012】好ましいヘテロ多重酸は、モリブデンある
いはタングステンと燐酸、テルル酸、セレン酸、砒素
酸、珪酸との多重酸であって、ことに燐酸の多重酸が好
ましい。
【0013】好ましい強酸性イオン交換体は、例えばス
ルホン酸基を有する架橋ポリスチレンである。
【0014】例えばモルデナイト沸石系のゼオライト、
エリオナイトないしチャバザイト系の細孔ゼオライトあ
るいはホージャサイト系のゼオライト、例えばY−、X
−もしくはL−ゼオライトを使用することができる。こ
のゼオライト群にはホージャサイト型の超安定ゼオライ
ト、例えば脱アルミニウムゼオライトも包含される。
【0015】ことにペンタジル構造のゼオライト、例え
ばZSM−5、ZSM−11およびZSM−10ゼオラ
イトを使用するのが有利であり、これらの共通形成ブロ
ックはSiO2 正四面体から成る5員環である。これら
は高SiO2 /Al23 割合で、A型ゼオライトとX
あるいはY型ゼオライトの中間の孔隙寸法を有すること
が特徴である。
【0016】適当なゼオライトは、異なる化学的組成、
例えば珪酸アルミニウム、珪酸硼素、珪酸鉄、珪酸ベリ
リウム、珪酸ガリウム、珪酸クロム、珪酸砒素、珪酸ア
ンチモン、珪酸ビスマスのゼオライトあるいはその混合
物、ならびにゲルマニウム酸アルミニウム、ゲルマニウ
ム酸硼素、ゲルマニウム酸ガリウム、ゲルマニウム酸鉄
のゼオライトあるいはその混合物を有することができ
る。本発明方法においてことに好ましいのは、珪酸アル
ミニウム、珪酸硼素、珪酸鉄のペンタシル型ゼオライト
である。
【0017】珪酸アルミニウムゼオライトは、例えばア
ルミニウム化合物、ことにAl(OH)3 あるいはAl
2(SO43 および珪素分、ことに二酸化珪素微細粉か
ら、アミン水溶液、ことに1,6−ヘキサンジアミンあ
るいは1,3−プロパンジアミンあるいはトリエチレン
テトラミン溶液中において、アルカリ金属あるいはアル
カリ土類金属を添加し、あるいは添加することなく、自
生圧力下、100から200℃の温度で製造される。こ
れはアイソタクチックゼオライトをも含む。得られる珪
酸アルミニウムゼオライトは、出発材料の選択量に応じ
て、100から40000のSiO2 /Al23 割合
を有する。この珪酸アルミニウムゼオライトは、例えば
ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテ
ル媒体中で、あるいはメタノール、1,4−ブタンジオ
ールのようなアルコール媒体中で、あるいは水中で合成
することもできる。
【0018】珪酸硼素ゼオライトは、例えば自生圧力
下、90から200℃の温度で、硼素化合物、例えばH
3 BO3 を、二酸化珪素微細粉のような珪素化合物と、
アミン水溶液、ことに1,6−ジアミノヘキサン、1,
3−ジアミノプロパンあるいはトリエチレンテトラミン
溶液中で、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を添
加しあるいは添加することなく、反応させることにより
得られる。これもイソタクチックゼオライトを包含し得
る。このような珪酸硼素ゼオライトは、またアミン水溶
液ではなく、エーテル、例えばジエチレングリコールジ
メチルエーテル、アルコール、例えば1,6−ヘキサン
ジオール溶液中で反応させることにより製造され得る。
【0019】珪酸鉄ゼオライトは、例えばFe2 ( SO
43 のような鉄化合物および二酸化珪素微細粉のよう
な珪素化合物から、アミン水溶液、ことに1,6−ジア
ミノヘキサン溶液中においてアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属を添加しあるいは添加することなく、自生
圧力下、100から220℃の温度で製造され得る。
【0020】このようにして珪酸アルミニウム、珪酸硼
素、珪酸鉄ゼオライトは、製造され、単離され、100
−160℃、ことに110℃で乾燥され、450−55
0℃、ことに500℃でか焼された後、90:10から
40:60重量%の割合で結合剤と共に紐状あるいはタ
ブレット状に形成される。このための結合剤は、種々の
酸化アルミニウム、ことにベーマイト、25:75から
95:5、ことに75:25のSiO2 /Al23
合の無定形アルミノ珪酸塩、SiO2 微細粉およびAl
23 、TiO2 、ZrO2 微細粉および粘土の混合物
である。成形後の押出成形物ないしペレットは、100
℃で16時間乾燥し、500℃で同じく16時間か焼さ
れる。
【0021】好ましい触媒は、また単離された珪酸アル
ミニウムあるいは珪酸珪素のゼオライトを形成後、乾燥
し、か焼し、その直後に成形することによって得られ
る。合成された珪酸アルミニウムおよび珪酸硼素は、結
合剤なしに紐状あるいはタブレット状の純粋化合物形態
で使用されることができ、この場合に使用される押出し
助剤ないしペレット化助剤は、例えばエチレンセルロー
ス、ステアリン酸、硝酸、アンモニア、アミン、珪酸エ
ステル、黒鉛あるいはこれらの混合物である。
【0022】製造された許りのゼオライトが触媒活性の
酸性Hタイプでなく、例えばNaタイプの場合には、こ
れは例えばアンモニアイオンによりイオン交換し、次い
でか焼し或は酸で処理することによりHタイプとする。
【0023】本発明の目的のために使用している間にこ
のゼオライト触媒がコーキングにより非活性化された場
合には、堆積コークスを空気あるいは空気/窒素混合物
で400から500℃、ことに500℃の温度で燃焼し
て再生させることが推奨される。これによりゼオライト
は当初の活性を回復する。部分的再コーキングにより所
望反応生成物用として触媒選択性を適合させることがで
きる。
【0024】最大限の高転化性および長い触媒寿命をも
たらすために、ゼオライトを変性させるのが好ましい。
この触媒変性のための好ましい方法は、例えば成形もし
くは未成形ゼオライトを金属塩ドーピングでイオン交換
ないし浸漬処理することである。このための金属は、例
えばLi、CsおよびKのようなアルカリ金属、Mg、
CaおよびSrのようなアルカリ土類金属、Al、G
a、Ge、Sn、PbおよびBiのような3、4および
5主族金属、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、W、
Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Sr、N
i、PdおよびPtのような4から8亜族遷移金属、C
u、AgおよびZnのような1および2亜族遷移金属、
La、Ce、Pr、Nd、Fr、YbおよびUのような
希土類金属である。このような変性剤の使用量は一般的
に0.001から20重量%、ことに0.01から5重
量%である。
【0025】上述したドーピングは、例えば成形ゼオラ
イトをライザーパイプに入れ、これに上述した金属のハ
ロゲン化物あるいは亜硝酸塩の水溶液ないしアンモニア
溶液を20−100℃で流入することにより行なわれ
る。イオン交換は例えばゼオライトの水素、アンモニウ
ムあるいはアルカリ金属形態で行なわれ得る。ゼオライ
トに金属を導入する他の方法は、例えばゼオライトを上
述した金属のハロゲン化物、亜硝酸塩あるいは酸化物の
水溶液、アルコール溶液あるいはアンモニウム溶液で含
浸させることである。イオン交換、含浸のいずれの場合
にも、その後に少くとも1回の乾燥処理あるいは追加的
か焼が行なわれる。
【0026】可能な実施態様としては、例えばCu(N
32 ×3H2 OあるいはNi(NO32 ×6H2
OあるいはCe(NO33 ×6H2 OあるいはLa
(NO32 ×6H2 OあるいはCs2 CO3 を水に溶
解させ、この溶液で成形あるいは非成形ゼオライトを若
干時間、例えば30分間含浸させる。表面溶液は回転エ
バポレータで水分が除かれ、次いで含浸ゼオライトは約
150℃で乾燥され、約500℃でか焼される。この含
浸は所望量の金属が滲透するまで反覆される。
【0027】また例えばNi(CO32 水溶液あるい
はPd(NO32 アンモニア溶液を調製し、40−1
00℃で約24時間撹拌しながら純粋のゼオライト粉体
をこれに懸濁させる。濾過、約150℃における乾燥、
約500℃におけるか焼に続いて、単離されたゼオライ
ト材料を、結合剤を添加しあるいは添加することなく処
理して、紐状体、ペレットあるいは可流動性体とする。
【0028】H形態、アンモニウム形態あるいはアルカ
リ金属形態のゼオライトによるイオン交換は、ゼオライ
トを紐状体あるいはペレットの形態でカラムに導入し、
30から80℃のやや高温で10−20時間、例えばN
i(NO32 水溶液あるいはPd(NO32 アンモ
ニア溶液を上記カラム中に循還させることにより行なわ
れ得る。その後、水で洗浄し、約150℃で乾燥し、約
550℃でか焼する。若干の金属ドーピングゼオライ
ト、例えばPd、Cu、Niドーピングゼオライトの場
合には、水素による後処理をするのが好ましい。
【0029】さらに他の変性処理法は、成形あるいは非
成形状態のゼオライトを、酸、例えば塩酸、弗化水素酸
あるいは燐酸および/あるいは水蒸気で処理することで
ある。例えばゼオライトを粉末形態で、80℃において
1時間1N燐酸で処理する。次いでこれを水で洗浄し、
110℃で16時間乾燥し、500℃で20時間か焼す
る。あるいはゼオライトを、結合剤と共に成形する前あ
るいは後に、例えば60−80℃で3−25重量%、こ
とに12−20重量%の塩酸水溶液で1−3時間処理す
る。このように処理したゼオライトを水で洗浄し、40
0−500℃で乾燥し、か焼する。
【0030】酸による処理の特殊な形態として、未成形
ゼオライト材料を、加熱下に一般に0.001−2N、
ことに0.05−0.5Nの弗化水素酸により、例えば
0.5−5時間、ことに1−3時間還流させて処理す
る。ゼオライト材料を例えば濾過、水洗により単離後、
100−160℃で、一般的に100から160℃で乾
燥し、450−600℃でか焼するのが好ましい。他の
好ましい酸処理法では、ゼオライト材料を結合剤と共に
成形し、次いで加熱下、ことに50−90℃、好ましく
は60−80℃で0.5から5時間、12−20重量%
濃度の塩酸で処理する。次いでゼオライトを洗浄し、例
えば100−160℃で乾燥し、450−600℃でか
焼する。HF処理後、HCl処理を行なうのが好まし
い。
【0031】触媒量はベンゼン/シクロヘキセン/シク
ロヘキサン混合物中のシクロヘキセンに対して、10か
ら2000重量%、ことに30から600重量%である
のが好ましい。本発明反応は20から180℃、ことに
70から140℃の温度で行なわれる。反応はまた液相
で大気圧下もしくは加圧下に行なわれる。圧力は反応混
合物を液状に維持し得る程度に充分高いものでなければ
ならない。滞留時間は約15分から6時間、ことに1か
ら3時間である。
【0032】反応はバッチ式あるいは連続的に行なわれ
得るが、イオン交換樹脂ないしゼオライトの場合でも、
触媒は浮懸状態あるいは固定床状態で使用され得る。ヘ
テロ多重酸は、使用されるカルボン酸の性質および使用
される水の量割合に応じて全部あるいは一部が溶解され
る。水は反応の前あるいは後で添加され、相分離は大気
圧下あるいは加圧下に0℃から180℃、ことに20℃
から140℃で行なわれる。
【0033】連続的方法において、カルボン酸、水、シ
クロヘキセン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキ
シルエステルおよびシクロヘキサノールを含有する水性
相は、合成段階に返還される。この場合、有機溶媒、こ
とにベンゼン、シクロヘキセンおよび/あるいはシクロ
ヘキサンで水性相中のシクロヘキシルエステルおよびシ
クロヘキサノールを抽出してその含有割合をさらに低下
させて置くのが好ましい。
【0034】ベンゼン、未転化シクロヘキセンおよびシ
クロヘキサンの混合物は、蒸留で有機相から分離され
る。これは第2反応段階でさらにカルボン酸と反応させ
て、シクロヘキセンの量割合をさらに低下させるのが好
ましい。ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物中に
おけるシクロヘキセンの量割合が低くても、シクロヘキ
センの水化に較べて、著しく高いシクロヘキセン転化を
もたらすことに留意され度い。シクロヘキセンの必要消
耗度に応じて3度目の、あるいは必要により4度目の反
応を追加的に行なう。
【0035】ベンゼン、シクロヘキセンおよびシクロヘ
キサンの分離後、優勢量のシクロヘキサノールとシクロ
ヘキシルエステルの混合物は、常法により、例えば加水
分解あるいはエステル交換により、純粋のシクロヘキサ
ノールに転化される。ことに好ましい処理においては、 (a)ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物中にお
けるシクロヘキセンを強酸性固体触媒の存在下、液相に
おいてカルボン酸と反応させ、この反応の前あるいは後
に、反応後における水性相と有機相の分離がもたらされ
るのに少くとも充分な量の水を添加し、 (b)工程(a)において得られた液状反応混合物を、
固体触媒の分離後、水性相と液相に分離し、 (c)この水性相を、ベンゼン、シクロヘキセンおよび
/あるいはシクロヘキサンの混合物で事前に抽出し、あ
るいは抽出することなく、工程(a)に返還し、 (d)有機相に含有されているシクロヘキシカルボキシ
レートを加水分解してシクロヘキサノールを得る。
【0036】ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物
からのシクロヘキセンの分離が高度の選択性をもって行
なわれることは全く予想され得なかったところである。
【0037】何となれば、ゼオライトあるいはヘテロ多
重酸の存在下において、ベンゼンはシクロヘキセンと反
応してシクロヘキシルベンゼンをもたらすことが公知で
あったからである(ヨーロッパ特許出願公開33873
4号、日本国特許出願昭59−137426号、Dok
l.Akad.Nauk SSSR 237(197
7)164−7(1)、米国特許4122125号、4
206082号、4217248号参照)。これから、
カルボン酸をシクロヘキセンに添加すべき上述反応条件
では、選択性を軽減する優勢量のシクロヘキシルベンゼ
ンを生成する筈だと予想されたからである。
【0038】さらにヨーロッパ特許162475号明細
書19および20頁から、カルボン酸とゼオライトの組
合せは、ゼオライト単独の場合よりもさらに効率的にシ
クロヘキセンの水化反応を促進することが公知であっ
た。従って、諸文献(例えば西独特許441072号明
細書実施例5、ヨーロッパ特許162475号明細書8
頁、15−17行、日本国特許公開昭61−24994
5号公報)に記載されている同様の反応、すなわち酸触
媒下にシクロヘキセンにシクロヘキサノール添加すれば
ジシクロヘキシルエーテルの生成が優勢になる筈だと予
想された筈である。若干のカルボン酸については、水の
存在下にシクロヘキセンに添加されると、反応混合物中
におけるよりも大量のシクロヘキサノールの存在下に、
シクロヘキセンの水化が進行するので、上述の予想はさ
らに助長される。
【0039】またカルボン酸は、ゼオライトの存在下に
ベンゼンをアシル化し得る(J.Org.Chem.
(1986)、2128−30頁)。従ってアシルベ
ンゼンンが副生成物として生成するものと予想された筈
である。
【0040】以下の実施例により、本発明をさらに具体
的に説明し、これを実証する。
【0041】
【実施例1a】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量5のシクロヘキサンから成る
混合物2.56gを、0.85gの水、2.82gの醋
酸および0.5gの脆いゼオライト(H−ZSM11)
と共に、10ミリリットル容積のオートクレーブ中にお
いて撹拌し、アルゴンを導入した。次いで温度を120
℃に上げると、2.8バールの自生圧がもたらされた。
2時間後、反応混合物を室温まで放冷し、2液相を12
gのアセトンと共に混合均質化した。ゼオライトを濾別
し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(毛細管カラ
ム、内標準)で分析したところ、シクロヘキシルアセテ
ート41.9重量%およびシクロヘキサノール22重量
%(当初ヘキセン量に対し)が認められた。ジシクロヘ
キシルエーテル、シクロヘキシルベンゼンおよびアセチ
ルベンゼンの量は、すべてGC検知限度以下であり、ま
た他の副生成物も認められなかった。
【0042】
【実施例1b】10重量%のシクロヘキセン、77重量
%のベンゼンおよび13重量%のシクロヘキサンから成
る混合物2.56gを、0.85gの水、0.86gの
醋酸および0.5gの脆いゼオライト(H−ZSM1
1)と混合撹拌し、上記実施例1aと同様に反応し、分
析したところ、反応混合物は32.9重量%のシクロヘ
キシルエステルおよび13.6重量%のシクロヘキサノ
ールを含有することが認められた(出発時シクロヘキセ
ン量に対し)。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキ
シルベンゼンおよびアセチルベンゼンの量は、すべてG
C検知限度以下であった。
【0043】
【実施例1c】3重量%のシクロヘキセン、83重量%
のベンゼンおよび13重量%のシクロヘキサンから成る
混合物を、0.85gの水、0.86gの醋酸および
0.5gの脆いゼオライト(H−ZSM)と共に撹拌
し、実施例1aにおけると同様に反応させ、分析したと
ころ、反応器からの排出物は、39.2重量%のシクロ
ヘキシルエステルおよび8.7重量%のシクロヘキサノ
ール(出発時シクロヘキセン量に対し)を含有すること
が認められた。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキ
シルベンゼンおよびアセチルベンゼンの量は、いずれも
GC検知限度以下であった。
【0044】
【実施例2】10重量%のシクロヘキセン、77重量%
のベンゼンおよび13重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56gを0.85gの水、2.82gの醋酸
および0.5gの脆いゼオライト(H−ZSM)と共に
撹拌し、実施例1aと同様に反応させ、分析したところ
反応器からの排出物は45.6重量%のシクロヘキシル
エステルおよび21.5重量%のシクロヘキサノール
(出発時のシクロヘキセン量に対し)を含有することが
認められた。
【0045】
【実施例3】実施例1cにおけると同じベンゼン、シク
ロヘキセンおよびシクロヘキサン混合物を、0.26g
の水、0.84gの醋酸および0.5gの脆いゼオライ
ト(H−ZSM11)と共に撹拌し、実施例1aにおけ
ると同様に反応させ、分析したところ、容器からの排出
物は、36.1重量%のシクロヘキシルエステルおよび
12.5重量%のシクロヘキサノール(出発時シクロヘ
キセン量に対し)を含有することが認められた。
【0046】
【実施例4】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物5.12gを、0.36gの水、0.92gの蟻酸
および1gの脆いゼオライト(H−ZSM11)と共
に、実施例1aと同様に撹拌し、110℃に加熱し、同
実施例におけるように処理し、分析したところ、反応器
からの排出物は81.4重量%のシクロヘキシルホルメ
ートおよび2.9重量%のシクロヘキサノール(出発時
のシクロヘキセン量に対し)を含有していることが確認
された。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシルベ
ンゼンおよびベンズアルデヒドの量は、いずれもGC検
知限度以下であり、その他の副生成物の生成は認められ
なかった。
【0047】
【実施例5】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物2.56gを、0.85gの水、3.48gのプロ
ピオン酸および0.5gの脆いゼオライト(H−ZSM
11)と共に、実施例1aにおけるように処理し、反応
させた。反応器からの排出物は、32.8重量%のシク
ロヘキシルプロピオネートおよび12.9重量%のシク
ロヘキサノート(出発時のシクロヘキセン量に対し)を
含有することが認められた。
【0048】
【実施例6】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物5.1g、醋酸5.60gおよび脆いゼオライト
(H−ZSM11)1gに対して、シクロヘキセン/モ
ル当たり(a)1.0モル、(b)1.1モル、(c)
1.7モル、(d)2.0モルおよび(e)2.3モル
の水を添加し、アルゴンを導入し、120℃に2時間加
熱した。室温に放冷後、有機相、水性相およびゼオライ
ト相に分離した。シクロヘキサノールおよびエステルの
収率をガスクロマトグラフィーにより測定し、醋酸値を
電位差滴定法により測定した。結果を下表1に示す(シ
クロヘキサノールをアノールと略称する)。
【0049】
【実施例7】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物5.1g、蟻酸4.3gおよび脆いゼオライト(H
−ZSM11)に、シクロヘキセン/モル当たり(a)
0.7モル、(b)1.1モル、(c)1.6モルおよ
び(d)2.2モルを添加し、110℃に2時間加熱し
た。室温に放冷後、有機相、水性相およびゼオライト相
に分離し、シクロヘキサノール(アノールと略称)およ
びエステルの収率をガスクロマトグラフィーにより、蟻
酸値を電位差滴定法により測定した。その結果を同じく
下表1に示す。
【0050】
【表1】 実施例 有機相 水性相 ゼオライト相 エステル アノール 酸 エステル アノール 酸 エステル アノール 酸 (モル%)* (モル%)* (モル%)* 6a 39.8 8.5 59 2.6 1.0 3 5.0 2.2 37 6b 38.0 8.3 51 2.8 1.2 16 4.8 2.4 33 6c 33.2 8.8 34 2.9 2.5 33 3.2 2.5 31 6d 29.6 7.7 26 2.4 2.6 43 2.3 2.3 31 6e 30.5 8.3 23 2.4 2.9 45 1.5 2.6 31 7a 67.6 3.8 20 1.8 0.2 21 6.2 0.8 54 7b 58.4 4.5 15 1.8 0.5 29 8.3 1.2 51 7c 58.6 5.4 7 1.6 0.9 36 3.6 1.1 48 7d 51.8 5.6 7 1.8 1.0 48 2.8 1.3 44 *出発時のシクロヘキセン量に対して
【0051】
【実施例8】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物5.1g、醋酸5.60gおよび脆いゼオライト
(H−ZSM11)に、シクロヘキセン1モル当たり
2.3モルの水を加え、アルゴンを導入し、120℃に
2時間加熱した。室温まで放冷後、有機相を他相から分
離し、水性相/ゼオライト相を、5.5gのベンゼン/
シクロヘキセン/シクロヘキサン混合物で2回抽出し、
得られた各有機相中のシクロヘキサノールおよびエステ
ル量をガスクロマトグラフィーで測定した。その結果を
下表2に示す。
【0052】
【表2】水性相中のシクロヘキシルエステルおよびシク
ロヘキサノールの消耗量(出発時のシクロヘキセン量に
対するモル%) 反応後有機相 第1回抽出後有機相 第2回抽出後有機相 エステル アノール エステル アノール エステル アノール 31.3 8.6 4.2 3.6 0.4 1.5
【0053】
【実施例9】32重量%のシクロヘキセン、60重量%
のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る混
合物2.56g、吉草酸4.8gおよびスルホン酸基含
有架橋ポリスチレンを主体とするイオン交換樹脂50g
を10ミリリットル容積のオートクレーブに装填し、ア
ルゴンを導入した。次いで温度を120℃に上げ、2時
間後に内容物を室温まで放冷した。その液相を12gの
アセトンで希釈し、イオン交換樹脂の分離後、ガスクロ
マトグラフィー(毛細管カラム、内標準)で分析したと
ころ、55.5重量%のシクロヘキシルバレレート(出
発時のシクロヘキセン量に対して)を含有することが認
められた。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシル
ベンゼンおよびn−ブチルフェニルケトンの量は、すべ
てGC検知限度以下で、他の副生成物は認められなかっ
た。
【0054】
【実施例10】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、醋酸2.82g、水0.14gおよ
びスルホン酸基含有架橋ポリスチレンを主体とするイオ
ン交換樹脂64.1gを、容積10ミリリットルのオー
トクレーブ中で撹拌し、アルゴンを導入した。次いで温
度を120℃に上げ、2時間後に内容物を室温まで放冷
した。液相を12gのアセトンで希釈し、イオン交換樹
脂を分離してから、ガスクロマトグラフィー(毛細管カ
ラム、内標準)で分析したところ、35.6重量%のシ
クロヘキシルアセテートおよび3.6重量%のシクロヘ
キサノール(出発時のシクロヘキセンに対し)を含有す
ることが認められた。ジシクロヘキシルエーテル、シク
ロヘキシルベンゼンおよびアセチルベンゼンの量は、す
べてGC検知限度以下であった。
【0055】
【実施例11】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、n−ヘキサン酸5.4gおよびスル
ホン酸基含有架橋ポリスチレンを主体とするイオン交換
樹脂50gを、10ミリリットル容積のオートクレーブ
中で撹拌し、アルゴンを導入した。次いで温度を120
℃に上げ、2時間後に内容物を室温まで放冷し、液相を
12gのアセトンで希釈した。イオン交換樹脂分離後、
ガスクロマトグラフィー(毛細管カラム、内標準)で分
析したところ、58.2重量%のシクロヘキシルヘキサ
ノエートおよび1.5重量%のシクロヘキサノール(出
発時のシクロヘキサン量に対し)を含有していることが
認められた。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシ
ベンゼンおよびn−ペンチルフェニルケトンの量は、す
べてGC検知限度以下であった。
【0056】
【実施例12】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、蟻酸2.16gおよび脆いゼオライ
ト(H−ZSM11)0.5を、10ミリリットル容積
のオートクレーブ中で撹拌し、アルゴンを導入した。次
いで温度を80℃に上げ、2時間後に内容物を室温まで
放冷し、液相を12gのアセトンで希釈した。ゼオライ
ト分離後、ガスクロマトグラフィー(毛細管カラム、内
標準)で分析したところ、90.4重量%のシクロヘキ
シルホルメートおよび1.3重量%のシクロヘキサノー
ル(出発時のシクロヘキセン量に対し)を含有するのが
認められた。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシ
ルベンゼンおよびベンズアルデヒドの量は、すべてGC
検知限度以下であった。
【0057】
【実施例13】40重量%のシクロヘキセン、20重量
%のベンゼンおよび40重量%のシクロヘキサンから成
る混合物2.05g、蟻酸2.16g、水0.18gお
よび脆いゼオライト(H−ZSM11)0.5gを、1
0ミリリットル容積のオートクレーブ中で撹拌し、アル
ゴンを導入した。次いで温度を100℃に上げ、2時間
後に内容物を室温まで放冷し、液相をアセトン12gで
希釈した。ゼオライトの分離後、ガスクロマトグラフィ
ー(毛細管カラム、内標準)で分析したところ、78.
1重量%のシクロヘキシルホルメートおよび4.9重量
%のシクロヘキサノール(出発時のシクロヘキセン量に
対し)を含有することが認められた。ジシクロヘキシル
エーテル、シクロヘキシルベンゼンおよびベンズアルデ
ヒドの量は、すべてGC検知限度以下であった。
【0058】
【実施例14】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、醋酸2.82g、水0.85gおよ
び脆いゼオライト(H−ZSM5)0.5gを、10ミ
リリットル容積のオートクレーブ中で撹拌し、アルゴン
を導入した。次いで温度を120℃まで上げ、2時間後
に内容物を室温まで放冷した。液相をアセトン12gで
希釈した。ゼオライトを濾別後、クロマトグラフィー
(毛細管カラム、内標準)で分析したところ、これは4
3.9重量%のシクロヘキシルアセテートおよび21.
9重量%のシクロヘキサノール(出発時のシクロヘキセ
ン量に対し)を含有することが認められた。ジシクロヘ
キシルエーテル、シクロヘキシルベンゼンおよびアセチ
ルベンゼンの量は、いずれもGC検知限度以下であっ
た。
【0059】
【実施例15】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、醋酸2.82g、水0.85gおよ
び脆いゼオライト(H−ZSM10)0.5gを、10
ミリリットル容積のオートクレーブ中において撹拌し、
アルゴンを導入した。次いで温度を120℃まで上げ、
2時間後に内容物を室温まで放冷し、液相をアセトン1
2gで希釈した。ゼオライト濾別後、ガスクロマトグラ
フィー(毛細管カラム、内標準)で分析したところ、こ
れは21.3重量%のシクロヘキシルアセテートおよび
12.2重量%のシクロヘキサノール(出発時のシクロ
ヘキセン量に対し)を含有することが認められた。ジシ
クロヘキシルエーテル、シクロヘキシルベンゼンおよび
アセチルベンゼンの量は、すべてGC検知限度以下であ
った。
【0060】
【実施例16】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物2.56g、醋酸2.82g、水0.85gおよ
び脆いゼオライト(GA−ZSM11)0.5gを、1
0ミリリットル容積のオートクレーブ中で撹拌し、アル
ゴンを導入した。次いで温度を120℃まで上げ、2時
間後に内容物を室温まで放冷し、液相を12gのアセト
ンで希釈した。ゼオライトの濾別後、ガスクロマトグラ
フィー(毛細管カラム、内標準)で分析したところ、3
3.9重量%のシクロヘキシルアセテートおよび11.
8重量%のシクロヘキサノール(出発時のシクロヘキセ
ンに対し)を含有することが認められた。ジシクロヘキ
シルエーテル、シクロヘキシルベンゼンおよびアセチル
ベンゼンは、すべてGCの検知限度以下であった。
【0061】
【実施例17】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物5.0g、醋酸5.5gおよびタングステネート
燐酸(H3 PW1240)1.0gを、シクロヘキセン1
モルに対し(a)1.5モルおよび(b)3.0モルの
水と混合し、10ミリリットル容積のオートクレーブ中
で撹拌し、アルゴンを導入した。次いで温度を120℃
まで上げ、2時間後に内容物を室温まで放冷した。有機
相および水性相を分離し、それぞれをガスクロマトグラ
フィー(毛細管カラム、内標準)で分析した。両相を1
2gのアセトンを添加して均質化し、シクロヘキシルア
セテートおよびシクロヘキサノールの合計収率を測定し
たところ、(a)の場合にはそれぞれ72重量%および
1重量%、(b)の場合にはそれぞれ37重量%および
2重量%であった(出発時のシクロヘキセン量に対し
て)。ジシクロヘキシルエーテル、シクロヘキシルベン
ゼンおよびアセチルベンゼンの量は、すべてGC検知限
度以下であった。他の副生成物の生成も認められなかっ
た。
【0062】 実施例 有機相 水性相エステル シクロヘキサノール
エステル シクロヘキサノール(モル%)* (モル)*
a 41.5 0 29.3
1.0b 30.10.9 7.6
1.0 *出発時のシクロヘキセン1モルに対するモル%
【0063】
【実施例18】32重量%のシクロヘキセン、60重量
%のベンゼンおよび8重量%のシクロヘキサンから成る
混合物5.0gを、タングステンテネート燐酸(H3
1240)1.0gおよびシクロヘキセン1モル当たり
(a)1モル、(b)5モルおよび(c)10モルの醋
酸と10ミリリットリ容積のアルゴン封入オートクレー
ブ中で混合撹拌し、温度を120℃まで上げ、2時間後
に内容物を室温まで放冷した。シクロヘキシルアセテー
トの収率を、ガスクロマトグラフィー(毛細管カラム、
内標準)で分析したところ、(a)の場合47重量%、
(b)の場合75重量%、(c)の場合85重量%であ
ることが認められた(出発時のシクロヘキセンに対し
て)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 29/04 C07C 29/04 35/00 35/00 67/04 67/04 69/14 69/14 (72)発明者 ヘルムート、レルマー ドイツ連邦共和国、6700、ルートヴィヒ スハーフェン、ボッケンハイマー、シュ トラーセ、12 (72)発明者 ロルフ、ピンコス ドイツ連邦共和国、6702、バート、デュ ルクハイム、ザリーネンシュトラーセ、 88 (72)発明者 ハンス−ユルゲン、ヴェイャー ドイツ連邦共和国、6800、マンハイム、 1、ネカルプロメナーデ、20 (56)参考文献 特開 平1−254634(JP,A) 特開 平1−313447(JP,A) 特開 平1−128949(JP,A) 特開 平1−316330(JP,A) 特開 昭53−90242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 7/17 C07C 13/20 C07C 29/04 C07C 35/00 C07C 67/04 C07C 69/14 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキサノールおよびシクロヘキシ
    ルカルボキシレートに転化することによる、ベンゼンお
    よびシクロヘキサンとの混合物からシクロヘキセンを分
    離する方法であって、シクロヘキセン、ベンゼンおよび
    シクロヘキサンの混合物を、強酸性固体触媒の存在下、
    液相において、20から180℃で、炭素原子1から8
    個の脂肪酸および水と反応させることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1による方法であって、 (a)ベンゼンおよびシクロヘキサンとの混合物中にお
    けるシクロヘキセンを強酸性固体触媒の存在下、液相に
    おいてカルボン酸と反応させ、この反応の前あるいは後
    に、反応後における水性相と有機相の分離がもたらされ
    るのに少くとも充分な量の水を添加し、 (b)工程(a)において得られた液状反応混合物を、
    固体触媒の分離後、水性相と有機相に分離し、 (c)この水性相を、ベンゼン、シクロヘキセンおよび
    /あるいはシクロヘキサンの混合物で事前に抽出し、あ
    るいは抽出することなく、工程(a)に返還し、 (d)有機相に含有されているシクロヘキシルカルボキ
    シレートを加水分解してシクロヘキサノールを得ること
    を特徴とする方法。
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