JP2805296B2 - 4−オキサ− アミン類の製造方法 - Google Patents

4−オキサ− アミン類の製造方法

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JP2805296B2
JP2805296B2 JP9140413A JP14041397A JP2805296B2 JP 2805296 B2 JP2805296 B2 JP 2805296B2 JP 9140413 A JP9140413 A JP 9140413A JP 14041397 A JP14041397 A JP 14041397A JP 2805296 B2 JP2805296 B2 JP 2805296B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4-オキサ- アミン
類を製造する新規の方法に関する。出発化合物は、容易
に入手できる1,3-ジオキサン類であり、これを、水素化
触媒の存在下にアンモニアおよび水素と反応させる(還
元アミノ化)。
【0002】
【従来の技術】4-オキサ- アミン類は、農薬、医薬品、
溶媒および洗濯洗剤工業の原料の合成において工業的に
価値のある中間体である。これらのアミンは、対応する
4-オキサ- アルコール類から求核置換によりまたは4-オ
キサ- アルデヒド類の還元アミノ化により製造すること
ができる。これらの両方法はともに二段階工程であり、
その際アルコールまたはアルデヒドが最初に製造されな
ければならない。第二反応段階において、アルコールま
たはアルデヒドは、アミノ化合物に変換される。このよ
うな手法は、技術的に複雑であり、従って常に工業的規
模のプロセスにおける経済的な要求を満たさない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、上記した欠点を避けて技術的に単純に実施すること
ができ、一般に使用することができる方法を提供するこ
とにある。さらに、この方法は、選択的であるべきであ
り、目的生成物の高い収率を保証できなければならな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)
【0005】
【化4】 で表される4-オキサ- アミンを製造する方法を提供す
る。この方法は、下記一般式(II)
【0006】
【化5】 (式中、R1、R2、R4およびR5は、同一であるかまたは相
違しており、水素、18個までの炭素原子を有する直鎖状
または分岐鎖状のアルキル、アルケニルまたはアルキニ
ル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキルまた
はシクロアルケニル基、6〜16個の炭素原子を有するア
リール、アルキルアリール、アルアルキル、アルアルケ
ニルまたはアルケニルアリール基またはヘテロ環式基を
意味し、R1およびR2および/またはR4およびR5は、それ
らが結合する炭素原子と一緒になって、5〜7員のシク
ロアルカン、シクロアルケンまたはヘテロ環を形成する
ことができ、その際R1、R2、R4およびR5は、置換基、特
に反応条件下に不活性である置換基を有していてもよ
く、そしてR3は、水素または直鎖状または分岐鎖状のア
ルキル基を意味する)で表される1,3-ジオキサンを、0.
1 〜35MPa の圧力および40〜500 ℃の温度で、水素化触
媒の存在下に、水素およびアンモニアと反応させること
からなる。
【0007】還元アミノ化は、アミンを製造するための
公知の反応であり、工業的に広く実施されている。この
プロセスの出発物質は、ほとんどアルデヒド類およびケ
トン類である。カルボニル化合物と水素およびアンモニ
アとの反応は、水素化触媒、特に担持ニッケル触媒の存
在下に行われる。還元アミノ化の原理に従ったその他の
化合物の変換、特にジオキサン類の反応は、いままでに
開示されていない。
【0008】1,3-ジオキサン類は、形式的にアセタール
類またはケタール類、すなわちアルデヒド類またはケト
ン類と1,3-ジオール類との反応生成物とみなされるが、
アミンの製造において出発材料としてこの種の化合物が
使用できることは明らかではなかった。ここで、有機合
成化学では、カルボニル基が、アルコールとの反応、す
なわちアセタール類またはケタール類の形成により、別
の反応から保護されることを考慮に入れる必要がある。
さらに、1,3-ジオキサン類は、6員環を有する化合物で
あり、この6員環は、その他の6員環と同様に、立体的
な理由により安定性が向上している。驚くべきことに、
反応を妨害するこれらの条件にも関わらず、ジオキサン
類を所望の4-オキサ- アミン類に変換することが可能で
あることがわかった。例えば4-オキサ化合物以外のより
低分子の化合物の生成を伴うような分子の開裂なしには
変換できないと考えられていたので、反応の高い選択性
を本発明の利点として特に強調することができる。
【0009】好ましい一般式(II)の1,3-ジオキサンは、
その式中において、R1、R2、R4およびR5が、同一である
かまたは相違しており、そして水素、1〜12個、好まし
くは1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状
のアルキル基、2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原
子を有するアルケニルまたはアルキニル基である化合物
である。一般式(II)において、R1、R2、R4およびR5が、
5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルまたは
シクロアルケニル基、6〜12個の炭素原子を有するアリ
ール、アルキルアリール、アルアルキル、アルアルケニ
ルまたはアルケニルアリール基、および1つまたはそれ
以上の窒素および/または酸素および/または硫黄原子
を有するヘテロ環式基である化合物も好ましい。さら
に、一般式(II)の1,3-ジオキサンは、その式中におい
て、R3が、1〜12個、好ましくは1〜8個、特に好まし
くは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状
のアルキル基である化合物が好ましい。R3は、特に好ま
しくは水素である。
【0010】アルキル、アルケニルまたはアルキニル基
の例は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、プ
ロペニル、i-プロペニル、n-ブチル、i-ブチル、n-ブテ
ニル、i-ブテニル、n-ブチニル、ペンチル、ペンテニ
ル、ペンチニル、ヘキシル、ヘキセニル、ヘプチル、ヘ
プテニル、オクチル、オクテニル、ノニル、ノネニル、
デシル、デセニル、ドデシルおよびドデセニル基であ
る。
【0011】シクロアルキル基の例は、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニ
ルおよびシクロヘキセニル基である。可能な芳香族基の
例は、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチル、2-フェ
ニルプロピル、3-フェニルプロピル、2-フェニルブチ
ル、3-フェニルブチルおよび4-フェニルブチル基であ
る。
【0012】ヘテロ環式基の例は、フラン、ジヒドロフ
ラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオ
フェン、ピリジンおよびチオピラン基である。アルキ
ル、シクロアルキル、芳香族およびヘテロ環式基は、置
換されていてもよく、特に反応条件下に不活性な基、例
えばハロゲン、アルコキシ、カルボキシまたはカルボキ
シレート基によって置換されていてもよい。しかしなが
ら、特定の最終生成物を得るために反応する置換基が、
個々の場合において慎重に選択される。
【0013】本発明の方法において出発物質として使用
される1,3-ジオキサン類は、種々の方法で得ることがで
きる。知られている方法としては、アルデヒドまたはケ
トンへの1,3-ジオールの酸触媒化した付加、または酸の
存在下における1,3-ジオールを用いたアセタールまたは
ケタール、特に低沸点アルコールから誘導されたそれら
のアセタール交換(transasetalation)がある。
【0014】好適なジオール成分は、例えば1,3-プロパ
ンジオール、2-メチルプロパン-1,3- ジオール、2-エチ
ルプロパン-1,3- ジオール、2-フェニルプロパン-1,3-
ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3- ジオール(ネオ
ペンチルグリコール)、2,2-ジエチルプロパン-1,3- ジ
オール、2-メチル-2- エチルプロパン-1,3- ジオール、
2-メチル-2- プロピルプロパン-1,3- ジオール、2-メチ
ル-2- ブチルプロパン-1, 3-ジオール、2-メチル-2- フ
ェニルプロパン-1,3- ジオール、2-エチル-2-ブチルプ
ロパン-1,3- ジオール、1,1-ジメチロールシクロヘキサ
ン、1,1-ジメチロールシクロペンタン、3,3-ジメチロー
ルテトラヒドロフラン、3,3-ジメチロールテトラヒドロ
ピランおよび2,2,4-トリメチルペンタン-1,3- ジオール
である。
【0015】1,3-ジオールと反応するカルボニル化合物
の例は、例えば脂肪族、芳香族またはヘテロ環式アルデ
ヒドおよびケトンまたはそれらのアセタールまたはケタ
ールである。アルデヒドおよびケトンの両方とも飽和で
あっても不飽和であってもよい。好適な脂肪族アルデヒ
ドの例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、n-ペンタナール、2-メチルブタナール、3-メチ
ルブタナール、n-ヘキサナール、2-メチルペンタナー
ル、3,3-ジメチルブタナール、2-エチルヘキサナール、
2-メチルデカナール、およびジアルデヒド、例えばグリ
オキサール、メチルグリオキサール、マロン酸ジアルデ
ヒド、コハク酸ジアルデヒドおよびグルタル酸ジアルデ
ヒドならびに置換アルデヒド、例えば3-ヒドロキシ-2,2
- ジメチルプロパノール(ヒドロキシピバルアルデヒ
ド)、メトキシピバルアルデヒド、ブトキシピバルアル
デヒド、4-アセトキシブチルアルデヒドおよび5-ホルミ
ルバレルアルデヒドである。
【0016】不飽和の脂肪族アルデヒドも1,3-ジオール
との反応成分として使用することができる。これらは、
例えばアクロレイン、α−メチルアクロレイン、α−エ
チルアクロレイン、および高級α−アルキルアクロレイ
ン、イソアルキルアクロレインおよびアルケニルアクロ
レイン、例えばブト-2- エナール、ブト-3- エナール、
2-メチルブト-2- エナール、2-メチルペント-2- エナー
ル、2-エチルヘキサ-2- エナール、2,2-ジメチルペント
-4- エナール、2-メチル-4- アセトキシブト-2- エナー
ル、2-メトキシメチルアクロレイン、2-(3- メトキシカ
ルボニルプロピル) アクロレイン、2-メチル-4- クロロ
ブト-2- エナールである。
【0017】芳香族アルデヒドの例は、ベンズアルデヒ
ド、p-メトキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアル
デヒド、2-フェニルプロパナール、3-フェニルプロパナ
ール、2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシ-4
- メトキシベンズアルデヒド、シンナムアルデヒドおよ
びベンジルアクロレインである。ヘテロ環式アルデヒド
の例は、テトラヒドロフリル-2- アルデヒド、テトラヒ
ドロフリル-3- アルデヒド、テトラヒドロチエニル-2-
アルデヒド、テトラヒドロチエニル-3- アルデヒド、5,
6-ジヒドロピラニル-6- アルデヒド、2,5-ジメチル-5,6
- ジヒドロピラニル-6- アルデヒド、フリル-2- アルデ
ヒド、フリル-3-アルデヒド、チエニル-3- アルデヒド
および2-、3-または4-ピリジルアルデヒドである。
【0018】1,3-ジオキサンを製造するために好適なケ
トンは、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソプロピル
ケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メトキシアセトン、メチルフェニルケトン、メチル
イソプロペニルケトン、メチルイソブテニルケトン、シ
クロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルシクロペ
ンタノン、ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘキセノ
ン、3,5,5-トリメチルシクロヘキセン-2- オン、メチル
フェニルケトン、エチルフェニルケトンおよびビニルフ
ェニルケトン、メチルフリルケトン、アセチルアセトン
およびアセト酢酸エステルである。
【0019】本発明の方法に従って使用される、1,3-ジ
オキサン類の構成成分として上記したジオール、アルデ
ヒドおよびケトンは、新規の方法の適用の範囲を大まか
に示すだけのものであり、上記した化合物に限定するも
のではない。1,3-ジオキサンを得るためのその他の反応
は、グリニャール試薬とオルトエステルとの反応および
ジオールのアルコキシドとジェミナルハライド(geminal
halide)またはα−ハロエーテルとの反応である。1,3-
ジオキサン類は、プリンス反応、すなわち酸の存在下で
のホルムアルデヒドへのオレフィンの付加を経て得るこ
ともできる。
【0020】本発明の方法による1,3-ジオキサン類の還
元アミノ化は、40〜500 ℃で行われる。100 〜450 ℃、
好ましくは150 〜350 ℃の温度が好ましい。反応圧力
は、広い範囲で設定することができ、0.1 〜35MPa であ
り、好ましくは3〜15MPa である。アンモニアと1,3-ジ
オキサンとのモル比は、0.2 :1から100 :1である。
0.5 :1から50:1のモル比が好ましい。水素と1,3-ジ
オキサンは、0.2 :1から250 :1、好ましくは1:1
から100 :1のモル比で使用される。
【0021】これらの反応成分は、水素化触媒の存在下
に反応する。これらは、水素化活性成分として、周期律
表の第VIB 、VIIIB およびIB族の1種またはそれ以上の
金属を含有する(ケミカルアブストラクトで使用される
名称、以下においても用いる)。好ましい水素化活性成
分は、モリブデン、タングステン、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白
金および銅である。これらの金属は、純粋な形態で、例
えばラネーコバルトまたはラネーニッケルとして触媒と
して使用することもできるが、担持触媒の形態で使用す
ることが好ましい。
【0022】水素化活性金属のための好適な担体は、酸
化合物または酸化合物の混合物である。そのような多数
の物質の中でも、ゼオライトが特に好適である。この用
語は、枠組構造(framework structure) を有し、アルカ
リ金属および/またはアルカリ土類金属カチオンを含有
する結晶性水素化アルミノケイ酸塩にも当てはまる。そ
れらは、天然物として得られるか、あるいは合成によっ
て製造することもできる。ゼオライトは、細孔開口部を
介して類似したサイズを有する分子にアクセスすること
ができる結晶間空隙(intercrystalline void) の規則系
(regular system)からなる構造を有している。ゼオライ
トの枠組は、中心原子を有する四面体からなり、その際
中心原子は、Si4+またはAl3+カチオンのどちらかであ
り、4つの酸素原子に囲まれている。構造に組み込まれ
たアルミニウム原子は、枠組に負電荷をもたらし、これ
は例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの
ようなカチオンによりつり合っている。カチオンの交換
が可能であり:ゼオライトは、無機イオン交換体であ
る。従って、例えばアルカリ金属イオンは、水素イオン
で置き換えることができる。この方法では、粒間表面の
酸中心の存在に依存してゼオライトの触媒活性度を変化
させることができる。四面体の間のスペースは、水分子
により占められており、乾燥またはか焼により脱水する
ことができる。
【0023】合成して製造したゼオライトの結晶格子中
では、アルミニウムは、その他の元素、例えばホウ素、
ガリウム、鉄、クロム、バナジウム、ヒ素およびアンチ
モンにより同形的に置き換えることができる。ケイ素
は、四価の元素、例えばゲルマニウム、チタン、ジルコ
ニウムおよびハフニウムにより同形的に置き換えること
ができる。アルミニウムおよび/またはケイ素の置換の
手段および程度により、ゼオライトの触媒的特性は、目
的の手段において影響を受け、そして個々の要件に適合
する。
【0024】ゼオライトは、その構造に基づいて多数の
グループに分類される。モルデナイトグループのゼオラ
イトでは、構造の基本単位、すなわちSiO4およびAlO4
面体は鎖を形成する。シャバサイト(chabasite) グルー
プのゼオライトは、四面体の層からなる。ホージャサイ
ト(faujasite) グループのゼオライトでは、四面体が多
面体、例えば立方八面体(cuboctahedron) を形成するよ
うに配置されている。立方八面体の連結に応じて、異な
るサイズの空げきおよび細孔が形成される。従って、例
えばタイプA、L、XまたはYのゼオライトの間で区別
がされる。
【0025】本発明の方法において使用される触媒のた
めの好適な担体成分は、ホージャサイトグループから選
択されたゼオライト、例えばゼオライトY、モルデナイ
トグループから選択されたゼオライト、または例えばエ
リオナイト(erionite)またはシャバサイトグループの狭
細孔ゼオライト(narrow-pored zeolite)である。基本構
成要素としてSiO4四面体からなる5員環を有し、そして
高いSiO2/Al2O3比を有するペンタシル(pentasil)タイプ
のゼオライトを使用することが好ましい。それらの細孔
径は、タイプAのゼオライトのそれ(細孔開口部4.1
Å)とタイプXまたはYのゼオライトのそれ(細孔開口
部7.4 Å)の間である。ペンタシルゼオライトは、異な
る化学組成を有することができる。従って、アルミノケ
イ酸塩、ホウケイ酸塩、ケイ酸鉄、ケイ酸ガリウム、ケ
イ酸クロム、ケイ酸ヒ素、ケイ酸アンチモンおよびケイ
酸ビスマスゼオライトまたはそれらの混合物、およびア
ルミノゲルマネート(alminogermanate) 、ホウゲルマニ
ウム酸塩(borogermanate) 、ゲルマニウム酸ガリウムお
よびゲルマニウム酸鉄ゼオライトまたはそれらの混合物
の間で区別がされる。
【0026】本発明の方法において使用される触媒のた
めに使用される担体は、ペンタシルタイプのアルミノケ
イ酸塩、ホウケイ酸塩およびケイ酸鉄ゼオライトである
ことが好ましい。アルミノケイ酸塩ゼオライトは、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を添加して
または添加しないで、100 〜220 ℃で、大気圧下で、水
性アミン溶液中、特に1,6-ヘキサンジアミン、1,3-プロ
パンジアミンまたはトリエチレンテトラアミンの溶液中
で、例えばアルミニウム化合物、好ましくはAl(OH)3
たはAl2(SO4)3 およびケイ素成分、好ましくは微細に分
割された二酸化ケイ素から製造される。このような方法
は、ヨーロッパ特許第0 007 081 号明細書およびヨーロ
ッパ特許第0 007 098 号明細書に記載されている。ヨー
ロッパ特許第0 034 727 号明細書およびヨーロッパ特許
第0 046 504 号明細書に記載されているアイソタクチッ
クゼオライトも含まれる。選択された出発材料の量に応
じて、合成されるアルミノケイ酸塩ゼオライト中のSiO2
/Al2O3比は、10〜40,000:1(モル)である。その他の
方法によれば、アルミノケイ酸塩ゼオライトは、エーテ
ル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル中、
アルコール、例えばメタノールまたは1,4-ブタンジオー
ル中、または水中の、アルミニウムとケイ素成分との反
応により得られる。
【0027】ホウケイ酸塩ゼオライトは、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属の水酸化物を添加してまたは添
加しないで、90〜200 ℃で、大気圧下で、アミン、特に
1,6-ヘキサンジアミン、1,3-プロパンジアミンまたはト
リエチレンテトラアミンの水性溶液中で、ホウ素化合
物、例えばH3BO3 およびケイ素化合物、好ましくは微細
に分割された二酸化ケイ素から合成することができる。
水性アミン溶液の代わりに、この反応は、溶媒としての
エーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテ
ル中またはアルコール、例えば1,6-ヘキサンジオール中
で実施することもできる(ヨーロッパ特許第0 007 081
号明細書およびヨーロッパ特許第0 007 098 号明細書参
照)。
【0028】ケイ酸鉄ゼオライトは、例えば鉄化合物、
好ましくはFe2(SO4)3 およびケイ素化合物、好ましくは
微細に分割された二酸化ケイ素から出発し、そしてアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を添加して
または添加しないで、100 〜200 ℃で、大気圧下で、こ
れらをアミン、特に1,6-ヘキサンジアミンの水溶液中で
反応させることによって得ることができる(ヨーロッパ
特許第0 007 081 号明細書およびヨーロッパ特許第0 00
7 098 号明細書参照)。
【0029】製造し、単離した後に、アルミノケイ酸
塩、ホウケイ酸塩またはケイ酸鉄ゼオライトは、100 〜
160 ℃、好ましくは110 〜130 ℃で乾燥され、次いで45
0 〜550 ℃、好ましくは480 〜520 ℃でか焼される。引
き続いて、それらは、バインダーを添加され、例えば押
出物またはペレットに成形される。好適なバインダー
は、種々の酸化アルミニウム、好ましくはベーマイト、
SiO2/Al2O3の重量比が0.3:1から18:1、好ましくは
3:1から5:1である、非晶質アルミノケイ酸塩、二
酸化ケイ素、特に微細に分割されたSiO2、微細に分割さ
れたSiO2と微細に分割されたAl2O3 との混合物、微細に
分割されたTiO2およびクレーである。バインダーとゼオ
ライトは、90:10から40:60の重量比で使用される。成
形した後に、成形体を、10〜20時間110 〜130 ℃で再び
乾燥し、そして10〜20時間400 〜550℃でか焼する。
【0030】調製、単離および乾燥の後すぐにゼオライ
トをか焼する代わりに、それらを乾燥し、成形し、引き
続いてか焼することもできる。最終的に、バインダーの
使用を省くことができ、そして成形または素練り促進剤
(peptizing aid) 、例えばエチルセルロース、ステアリ
ン酸、ジャガイモデンプン、ギ酸、シュウ酸、酢酸、硝
酸、アンモニア、アミン、シリコエステル(silicoeste
r) またはグラファイトまたはそれらの混合物を用いて
成形工程を実施することができる。
【0031】製造方法のために、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属イオンを含有するが、H + イオンを含ま
ないかまたは十分には含まないゼオライトは、イオン交
換により酸性の触媒的に活性なH 型に転換されなければ
ならない。この目的のためには、それらを酸で処理する
かまたはアンモニウムイオンを導入し、そしてそれらを
引き続いてか焼する。特別な用途に必要な酸性は、部分
イオン交換により設定することができる。
【0032】さらに、ゼオライトは、例えば、反応の選
択性を改善するためにまたは触媒寿命を向上させるため
に、特定の金属を用いたイオン交換によりまたは含浸に
より変性することができる。第VIB 、VIIIB 、IBおよび
IIB 族の遷移金属、例えばクロム、モリブデン、タング
ステン、鉄、ニッケル、銅および亜鉛を用いて、貴金
属、例えばパラジウムおよび白金を用いて、および希土
類の金属、例えばランタン、セリウムおよびプラセオジ
ムを用いて、ゼオライトをドープすることが有用であ
る。
【0033】イオン交換によるドーピングのために、成
形したまたは成形していないゼオライトは、例えば20〜
100 ℃の温度で、上記した金属の塩、例えばハロゲン化
物、硝酸塩または酢酸塩の水溶液またはアンモニア溶液
で処理される。イオン交換は、水素、アンモニウムまた
はアルカリ金属型でゼオライトを使用して実施すること
ができる。
【0034】例えば、H 型のゼオライトの押出物または
ペレットをカラム中に配置し、そして成形体の上にPd(N
O3)2アンモニア溶液を、30〜80℃の温度で15〜20時間循
環させる。引き続いて、このゼオライトを水で洗浄し、
約150 ℃で乾燥し、そして約550 ℃でか焼する。イオン
交換のその他の変法では、粉末状ゼオライトを、金属塩
溶液中、例えばPd(NO3)2アンモニア溶液中に懸濁させ、
そして約24時間、40〜100 ℃で撹拌する。濾過し、約15
0 ℃で乾燥し、そして約500 ℃でか焼した後に、バイン
ダーを用いてまたは用いないで、変性したゼオライトを
さらに処理して押出物、ペレットまたは流動可能な材料
とすることができる。
【0035】含浸によるゼオライトのドーピングは、金
属塩、例えば塩化物、硝酸塩または酢酸塩を用いて、水
溶液、アンモニア溶液またはアルコール性溶液中で実施
することができる。1つの可能な態様は、実質的に例え
ばタングステン酸、H2WO4 を水中に溶解し、そしてこの
溶液を用いて特定の時間、例えば30分間、成形したまた
は成形していないゼオライトを含浸することからなる。
次いで、蒸発によって、この上澄み溶液から水を取り除
き、ゼオライトを約150 ℃で乾燥し、そして約550 ℃で
か焼する。この含浸工程は、所望の金属含有量が達成さ
れるまで数回繰り返すことができる。
【0036】金属を用いたゼオライトのドーピングが、
イオン交換によって実施されたかまたは含浸によって実
施されたかに関わらず、それに続いて水素で後処理する
ことができる。ゼオライトのその他の変性は、無機また
は有機酸、例えば塩酸、フッ化水素酸またはリン酸およ
び/または水蒸気を用いた処理からなる。
【0037】本発明の方法において用いられる触媒のた
めの担体として、リン酸塩が有用であることも見出され
た。特に好適なリン酸塩は、リン酸アルミニウム、リン
酸セリウム、リン酸ジルコニウム、リン酸ホウ素、リン
酸鉄、リン酸ストロンチウム、リン酸ケイ素アルミニウ
ム(silicon aluminum phosphate)、リン酸ケイ素鉄アル
ミニウム(silicon iron aluminum phophate)またはそれ
らの混合物である。
【0038】この新規の方法で用いられる触媒のための
リン酸アルミニウムを基材とする担体は、有利には水熱
条件下の合成により得ることができる。これらのリン酸
アルミニウムは、例えばAPO-5 、APO-9 、APO-11、APO-
12、APO-14、APO-21、APO-25、APO-31およびAPO-33を含
有する。これらのリン酸アルミニウムは、ゼオライト構
造を有する(E.M. Flanigen et al., Structural Synth
etic and Physicochemical Concepts in Aluminophosph
ate-besed Molecular Sieves, Innovation inZeolite M
aterials Science [Editors: P.J. Grobet et al.] Els
evier, 1988,p. 13 ff参照)。
【0039】AlPO4-5(APO-5)は、例えばオートクレーブ
中で、約150 ℃で20〜60時間の反応時間で大気圧下で、
テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを混合した水
中のオルトリン酸および疑似ベーマイトの均一混合物の
反応により得られる。濾過したAlPO4 を100 〜160 ℃で
乾燥し、そして450 〜550 ℃でか焼する。AlPO4-9(APO-
9)は、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン水溶液中で
約200 ℃で大気圧下で200 〜400 時間の反応時間で、オ
ルトリン酸および疑似ベーマイト(pseudoboehmite)から
合成される。
【0040】AlPO4-21(APO-21)の合成は、ピロリジン水
溶液中で150 〜200 ℃で大気圧下で50〜200 時間の反応
時間で、オルトリン酸および疑似ベーマイトを用いて行
われる。担体として好適なリン酸アルミニウムは、沈殿
により得ることもできる。それらは、例えば780mL の水
中の268gのAl(NO3)3・H2O の溶液を、700mL の水中の92
g のリン酸水素二アンモニウムの溶液に2時間かけて滴
下することによって得ることができる。同時に、25%濃
度のNH3 溶液を添加してpH8を維持する。この結果得ら
れる沈殿をさらに12時間撹拌し、吸引濾過し、洗浄し、
そして60℃で16時間乾燥する。
【0041】触媒のための担体として本発明に従って使
用されるリン酸ケイ素アルミニウムの例は、SAPO-5、SA
PO-11 、SAPO-31 およびSAPO-34 である。これらのリン
酸ケイ素アルミニウムもゼオライト構造を有している
(R. Szostak et al., Catalysis Letters 2 (1989),
p. 63 ff 参照)。これらは、ケイ素成分、アルミニウ
ム成分およびリン成分の混合物を、水性有機アミン溶液
中で100 〜250 ℃で大気圧下で2時間から2週間の反応
時間で反応させることによって得られる。SAPO-5は、例
えばテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液中
のSiO2の懸濁液と水中の疑似ベーマイトおよびオルトリ
ン酸の懸濁液とを混合し、次いでこの混合物を、撹拌し
たオートクレーブ中で150 〜200 ℃で大気圧下で20〜20
0 時間の反応時間で反応させることにより得られる。濾
過した粉末を、110 〜170 ℃で乾燥し、そして450 〜55
0 ℃でか焼する。
【0042】その他の好適なリン酸ケイ素アルミニウム
は、例えばZYT-5 、ZYT-6 、ZYT-7、ZYT-9 、ZYT-11お
よびZYT-12である。本発明の方法において使用される触
媒のための担体として使用することのできるリン酸ホウ
素は、例えば濃縮したホウ酸とリン酸とを混合しそして
混練し、この混合物を乾燥し、そして不活性ガス、空気
または水蒸気雰囲気下で250 〜650℃、好ましくは300
〜500 ℃でか焼することにより得ることができる。
【0043】リン酸塩を基材とする担体は、選択性、変
換率および寿命を向上させるために変性することもでき
る。このための1つの方法は、成形していないまたは成
形したリン酸塩を、金属塩でイオン交換または含浸によ
りドーピングすることである。ドーピングは、周期律表
の第IVB からVIIIB 族の遷移金属、例えばチタン、ジル
コニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、
タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、
オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケ
ル、パラジウムおよび白金、周期律表の第IBおよびIIB
族の遷移金属、例えば銅、銀および亜鉛、ならびにス
ズ、希土類の金属、例えばランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、エルビウムおよびイッテルビウムお
よびウランを使用して実施される。アルカリ金属、例え
ばリチウム、カリウムおよびセシウム、アルカリ土類金
属、例えばマグネシウム、カルシウムおよびストロンチ
ウム、周期律表の第IIIA、IVA およびVA族の金属、例え
ばアルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛お
よびビスマスは、追加的な促進剤として担体材料中に既
に存在していてもよいか、または導入することができ
る。ゼオライトのように、リン酸塩も無機または有機酸
を用いて処理して変性することができる。最終的には、
酸性または両性の特性を有する金属酸化物は、1,3-ジオ
キサンの還元アミノ化のための触媒の担体として用いる
ことができる。好適な金属酸化物は、例えば周期律表の
第IIIAおよびIVA 族および第IVB からVIB 族の金属の酸
性酸化物、特にシリカゲルおよび多孔質珪藻土の形態の
二酸化ケイ素、酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化
リン、五酸化バナジウム、酸化ニオブ、三酸化ホウ素、
酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン
および酸化鉄のそれぞれまたはこれらの化合物の2つま
たはそれ以上の混合物である。
【0044】無機または有機酸で上記した酸化物を処理
することが有利であることが見出された。好適な無機酸
は、例えばHF、HCl 、HBr 、HI、H2SO4 、H2SO3 、HN
O3、H3BO3 、リン系酸、およびそれらの混合物である。
酸化物の処理に好適な有機酸は、例えばギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸およびシュウ酸のそれぞれまたは混合物であ
る。無機および有機酸の混合物も使用することができ
る。この酸は、成形したまたは成形していない材料の上
で作用させることができる。
【0045】粉末状のSiO2(シリカ)は、例えば1N酸
で1時間80℃で処理される。次いで水で洗浄し、16時間
110 ℃で乾燥し、20時間500 ℃でか焼する。このかわり
に、SiO2を、成形の前または後に、1〜3時間60〜80℃
で3〜25重量%濃度、好ましくは12〜20重量%濃度の塩
酸水溶液で処理し、引き続いて水でSiO2を洗浄し、それ
を乾燥しそして400 〜500 ℃でか焼する。
【0046】特に有利な態様では、SiO2は、成形の前
に、0.001 〜2N、好ましくは0.05〜0.5 Nのフッ化水
素酸とともに、例えば一般には0.5 〜5時間、好ましく
は1〜3時間還流しながら加熱することによって処理さ
れる。担体材料は、単離され、洗浄され、有利には100
〜160 ℃の温度で乾燥され、そして450 〜600 ℃でか焼
される。酸の処理のその他の好ましい態様では、昇温下
で、例えば50〜90℃、好ましくは60〜80℃で成形した後
に、12〜20重量%濃度の塩酸を、0.5 〜5時間、好まし
くは1〜3時間、SiO2の上で作用させる。引き続いて、
この材料を洗浄し、100 〜160 ℃で乾燥し、そして450
〜600 ℃でか焼する。フッ化水素酸を用いた処理に続い
て、塩酸で処理することもできる。
【0047】リン酸は、含浸または噴霧によって、金属
酸化物担体材料、例えばSiO2、Al2O 3 またはTiO2に適用
される。リン酸を含有する担体は、例えばSiO2をH3PO4
またはNaH2PO4 溶液で処理し、引き続いて乾燥するかま
たはか焼することによって得られる。リン酸は、噴霧塔
中でシリカゲルとともに噴霧することもできる。この手
段に続いて乾燥および通常はか焼を行う。最後に、リン
酸は、浸漬ミル中で二酸化ケイ素上に噴霧することがで
きる。
【0048】ゼオライト、リン酸塩および金属酸化物タ
イプの上記した担体材料は、本発明の方法において使用
される触媒のための主成分である。この目的のために、
担体は、水素化活性成分を負荷されなければならない。
上記したように、水素化活性成分は、周期律表の第VIB
、VIIIB 、IBおよびIIB 族の金属である。担体および
水素化活性金属の結合は、種々の方法で実施することが
できる。担体がイオン交換できる場合には、それらを水
素化活性金属の溶液で処理し、結晶構造中の交換可能な
カチオンを、触媒的に活性な金属のイオンで交換する。
アニオンが熱的に不安定であり、加熱によって除去する
ことができる金属化合物、例えば酢酸塩、硝酸塩、炭酸
塩およびシュウ酸塩を使用することが有利である。イオ
ン交換度は、イオン交換等温線で決定される。活性金属
を用いた担体の負荷は、水素化金属およびドープ金属の
両方のイオンを含有する溶液を使用してイオン交換を行
うことによって、上記したドープと組み合わせて行うこ
とができる。
【0049】実際上、イオン交換は、粉末状モレキュラ
ーシーブを金属塩のアンモニア溶液と一緒に1〜48時
間、好ましくは6〜36時間20〜80℃で撹拌することによ
り実施される。担体上の金属濃度は、イオン交換の前と
後の金属イオン濃度の違いから得られる。金属を負荷さ
れた粉末は、蒸留水で洗浄され、110 〜160 ℃で乾燥さ
れ、そして0.1 〜10℃分-1の加熱速度を維持しながら40
0 〜650 ℃でか焼される。
【0050】水素化成分を適用するその他の方法は、触
媒担体を金属塩溶液で含浸することからなる。実際上、
例えば触媒担体は、金属塩のアンモニア溶液とともに、
20〜80℃で1〜48時間、好ましくは6〜36時間撹拌さ
れる。溶媒は留去され、負荷された担体は、110 〜160
℃で乾燥され、そして400 〜650 ℃でか焼される。含浸
法の場合でも、水素化活性成分の適用および担体のドー
プを一段階で行うことができる。
【0051】この新規の方法に好適な水素化触媒を製造
するその他の変法は、水素化および担体成分を同時に沈
降させる方法である。このために、次の2つの方法があ
る。すなわち、水素化活性成分を前もって製造した担体
上に沈降させるか、または水素化活性成分および担体を
ともに沈降させる。実際上、例えば担体材料を懸濁させ
た金属塩の溶液を最初に導入し、この金属を溶解度の低
い化合物、例えば水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩または
塩基性炭酸塩として、塩基性試薬を使用して担体上に沈
降させる。水素化および担体成分の共沈では、出発化合
物の組み合わせた溶液を、沈降剤と反応させる。沈降物
を、場合によっては室温または昇温下においてさらに撹
拌し、濾過し、洗浄し、乾燥しそしてか焼する。
【0052】使用する方法に応じて、担体材料には、異
なる量の水素化活性成分が負荷される。触媒がイオン交
換により得られる場合には、金属の最高濃度は、担体材
料の交換能力により制限される。このような触媒は、通
常触媒を基準として0.5 〜15重量%の水素化活性成分を
含有する。含浸工程においては、担体の負荷の度合は、
金属塩溶液の濃度を変化させることによって、そして含
浸手段を1回またはそれ以上繰り返すことによって広い
範囲で変化させることができる。触媒を基準として、0.
1 〜30、好ましくは0.5 〜10、特に好ましくは1〜5重
量%の金属濃度が得られる。
【0053】触媒の金属含有量の設定に関するこの非常
に大きな柔軟度は、金属成分が前もって製造された担体
に適用されるか、または金属成分および担体成分がとも
に沈降させられるかにかかわらず、沈降工程を用いるこ
とによって達成される。この手段においては、所望の金
属含有量は、金属および担体の比率の選択により自由に
決定することができる。沈降させた触媒は、通常選択さ
れた金属に応じて、触媒を基準として0.1 〜30、好まし
くは0.5 〜10、特に好ましくは1〜5重量%の水素化活
性金属を含有する。
【0054】粉末状触媒は、単離し、乾燥しそしてか焼
した後に、押出物またはペレットを形成するためのバイ
ンダーとともに成形することができる。好適なバインダ
ーは、種々の酸化アルミニウム、好ましくはベーマイ
ト、SiO2/Al2O3の重量比が25:75から90:5、好ましく
は75:25である、非晶質アルミノケイ酸塩、二酸化ケイ
素、特に微細に分割されたSiO2、微細に分割されたSiO2
と微細に分割されたAl2O 3 との混合物、TiO2、ZrO2およ
びクレーである。成形の後に、押出物またはコンパクト
は、再び乾燥され、そして場合により引き続いてか焼さ
れる。
【0055】粉末状触媒をバインダーとともに供給する
代わりに、それらを、乾燥の後にすぐ成形してペレット
または押出物として、次いでか焼することもできる。押
出または素練り促進剤、例えばメチルセルロース、エチ
ルセルロース、ステアリン酸、ジャガイモデンプン、ギ
酸、酢酸、シュウ酸、アルカリ金属水酸化物溶液、アン
モニア、アミンまたはグラファイトを触媒粉末に添加す
ることが有用であることが見出された。
【0056】押出物およびタブレットのサイズは、個々
の要件に応じて異なる。触媒は、通常2〜4mmの押出物
として、直径3〜5mmのタブレットとして、1.0 〜1.6m
m のサイズのペレットとしてまたは粉末の形態、例えば
50〜400 μmの粒径を有する流動可能な材料として使用
される。本発明の方法は、バッチ式または連続して実施
することができる。バッチ式の反応手段は、オートクレ
ーブ中でまたは圧力チューブ中で実施される。連続操作
は、固定床または流動床反応器で実施することができ
る。使用される固定床反応器は、例えばループ式反応
器、棚段塔式反応器、循環ガス式反応器、そして好まし
くは管式反応器である。管式反応器の場合には、反応器
直径と触媒ペレットのサイズとの比率は、2:1から2
0:1、好ましくは4:1から10:1であることが有利
である。
【0057】
【実施例】下記の実施例は、本発明による方法を説明す
るものであるが、下記の態様に限定されるものではな
い。 触媒A:この触媒は、水素化活性金属としての5重量%
の銅(未還元状態の触媒を基準とする)および担体とし
てのペンタシルタイプのホウ素ゼオライトからなる。
【0058】ホウ素ゼオライトは、水熱合成により製造
される。この目的のために、640gの微細に分割したSiO2
および122gのH3BO3 を、8000g の1,6-ヘキサンジアミン
水溶液(ヘキサンジアミン:水=1:1重量部)の存在
下に、170 ℃で大気圧下にオートクレーブ中で撹拌しな
がら互いに反応させる。結晶性反応生成物を濾過し、洗
浄し、24時間100 ℃で乾燥し、そして24時間500 ℃でか
焼する。このゼオライトは、94.2重量%のSiO2および2.
3 重量%のB2O3の組成を有する。粉末状材料に押出助剤
を添加して押出物とし、この押出物を16時間110 ℃で乾
燥し、そして24時間500 ℃でか焼する。
【0059】水素化活性金属を用いた担体材料の負荷は
含浸により行われ、その際、触媒の所望の銅含有量に相
当する銅含有量の、Cu(NO3)2・3H2OまたはCu(CH3COO)2
・H2O 水溶液を70〜80℃で24時間担体の上にポンプ移送
する。pHが約10.5になるまで金属塩溶液にアンモニア
(25%濃度水溶液として)を添加することによって、処
理時間を著しく短縮することができる。金属負荷は、銅
塩のアンモニア溶液の強い青色が現れれた時に完了す
る。
【0060】含浸した担体を、蒸留水で洗浄し、12時間
160 ℃で乾燥し、そして5時間550℃でか焼する。 触媒B:触媒Bは、Suedchemie, Munichの製品であり、
これはペレットの状態でG69 の商品名で販売されてい
る。これは、約50重量%のNiおよび多孔質珪藻土上の約
2.4 重量%のZrO2を含有する。 触媒C:触媒Cは、担体として、SiO2/Al2O3のモル比が
25であるPQ Corporation(Valfor CP-806Bの商品名で販
売されている)のH-BEA タイプのゼオライトを含有す
る。この担体は、銅塩溶液で含浸される。触媒の銅含有
量は5重量%であり、その表面積は750m2/g である。 触媒D:触媒Dは、担体として、SiO2/Al2O3のモル比が
5.2 であるPQ Corporation(商品名:CBV 600 )の市販
の製品であるUS-Yタイプのゼオライトを含有する。この
担体は、硝酸ニッケル溶液で含浸される。触媒のニッケ
ル含有量は10重量%であり、その表面積は660m2/g であ
る。 触媒E 触媒Eは、担体として、SiO2/Al2O3のモル比が5.2 であ
るPQ Corporation(商品名:CBV 600 )の市販の製品で
あるUS-Yタイプのゼオライトを含有する。この担体は、
硝酸ニッケル溶液で含浸される。触媒のニッケル含有量
は15重量%であり、その表面積は600m2/g である。 実施例1〜16 反応は、等温条件下にコイル状管式反応器(直径8mm 、
長さ1000mm)内で、1〜8時間の反応時間で実施する。
管式反応器中には、出発材料を反応温度に加熱するため
に、触媒床の上に予備蒸発器が備えられている。反応混
合物は、-33 ℃で冷トラップ中に凝縮し、室温に温めら
れ、そしてガスクロマトグラフィーで分析される。試験
条件および試験結果を以下の表にまとめる。
【0061】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 217/08 C07C 213/02 CA(STN)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R4およびR5は、同一であるかまたは相
    違しており、水素、18個までの炭素原子を有する直鎖状
    または分岐鎖状のアルキル、アルケニルまたはアルキニ
    ル基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキルまた
    はシクロアルケニル基、6〜16個の炭素原子を有するア
    リール、アルキルアリール、アルアルキル、アルアルケ
    ニルまたはアルケニルアリール基またはヘテロ環式基を
    意味し、R1およびR2および/またはR4およびR5は、それ
    らが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルカ
    ン、シクロアルケンまたはヘテロ環を形成することがで
    き、R1、R2、R4およびR5は、反応条件下に不活性である
    置換基を有していてもよく、そしてR3は、水素または直
    鎖状または分岐鎖状のアルキル基を意味する)で表され
    る4-オキサ- アミンを製造する方法において、下記一般
    式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、上記と同じであ
    る)で表される1,3-ジオキサンを、0.1 〜35MPa の圧力
    および40〜500 ℃の温度で、水素化触媒の存在下に、水
    素およびアンモニアと反応させることを特徴とする上記
    方法。
  2. 【請求項2】 反応する1,3-ジオキサンが、下記一般式
    (II) 【化3】 (式中、R1、R2、R4およびR5が、同一であるかまたは相
    違しており、そして水素、1〜12個、好ましくは1〜6
    個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル
    基、2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する
    アルケニルまたはアルキニル基、5または6個の炭素原
    子を有するシクロアルキルまたはシクロアルケニル基、
    6〜12個の炭素原子を有するアリール、アルキルアリー
    ル、アルアルキル、アルアルケニルまたはアルケニルア
    リール基、1つまたはそれ以上の窒素および/または酸
    素および/または硫黄原子を有するヘテロ環式基であ
    り、R3が、1〜12個、好ましくは1〜8個、特に好まし
    くは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状
    のアルキル基であるか、または特に好ましくは水素であ
    る)で表される化合物である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 使用される水素化触媒が担持触媒である
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 水素化触媒が、担体としてゼオライトを
    含有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 担体が、ペンタシルタイプのゼオライト
    である請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ゼオライトが、ペンタシルタイプのアル
    ミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩またはケイ酸鉄ゼオライト
    である請求項4または5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ゼオライトが、周期律表の第VIB 、VIII
    B 、IBおよびIIB 族の遷移金属でドープされている請求
    項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 ゼオライトが貴金属でドープされている
    請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 ゼオライトが希土類の金属でドープされ
    ている請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 水素化触媒が、担体としてリン酸塩を
    含有する請求項1または2に記載の方法。
  11. 【請求項11】 水素化触媒が、担体としてリン酸アル
    ミニウム、リン酸セリウム、リン酸ジルコニウム、リン
    酸ホウ素、リン酸鉄、リン酸ストロンチウム、リン酸ケ
    イ素アルミニウム、リン酸ケイ素鉄アルミニウムのそれ
    ぞれ、または2種またはそれ以上のこれらのリン酸塩の
    混合物を含有する請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 リン酸塩が、第IVB からVIIIB 、IBま
    たはIIB 族の遷移金属で、または希土類の金属でドープ
    されている請求項10または11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 水素化触媒が、担体として金属酸化物
    を含有する請求項1または2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 担体が、周期律表の第IIIA、IVA 族ま
    たは第IVB からVIB族の金属の酸化物であるか、または
    2種またはそれ以上のそれらの酸化物の混合物である請
    求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ゼオライト、リン酸塩および/または
    金属酸化物が、無機または有機酸で処理される請求項4
    〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 水素化触媒が、水素化活性成分とし
    て、周期律表の第VIB、VIIIB 、IBおよびIIB 族の1種
    の金属または複数の金属を含有する請求項1〜15のい
    ずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 水素化活性成分が、モリブデン、タン
    グステン、ルテニウム、鉄、オスミウム、コバルト、ロ
    ジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、
    銅、銀または亜鉛である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 反応を、3〜15MPa の圧力そして100
    〜450 ℃、好ましくは150 〜350 ℃の温度で実施する請
    求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 アンモニアと1,3-ジオキサンとのモル
    比が、0.2 :1から100 :1、好ましくは0.5 :1から
    50:1である請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 水素と1,3-ジオキサンとのモル比が、
    0.2 :1から250 :1、好ましくは1:1から100 :1
    である請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
JP9140413A 1996-05-30 1997-05-29 4−オキサ− アミン類の製造方法 Expired - Lifetime JP2805296B2 (ja)

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