JPH1160533A - 2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法 - Google Patents

2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法

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JPH1160533A
JPH1160533A JP10155379A JP15537998A JPH1160533A JP H1160533 A JPH1160533 A JP H1160533A JP 10155379 A JP10155379 A JP 10155379A JP 15537998 A JP15537998 A JP 15537998A JP H1160533 A JPH1160533 A JP H1160533A
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JP
Japan
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formaldehyde
condensation reaction
reaction solution
bis
methanol
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JP10155379A
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English (en)
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Toshiharu Yokoyama
寿治 横山
Koji Maeda
耕治 前田
Kazunari Takahashi
和成 高橋
Tetsugo Kawakami
徹悟 川上
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Tomoyuki Otsuka
知幸 大塚
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Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2個のα−水素を有する飽和脂肪族アルデヒド
とホルムアルデヒドとを縮合反応させるか、または、水
の存在下に2−置換アクロレインとホルムアルデヒドと
を縮合反応させて2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)
アルカナールを製造する方法において、縮合反応液中に
残存する未反応ホルムアルデヒドを効率良く除去する方
法を提供する。 【解決手段】縮合反応液に固体酸触媒およびメタノール
を添加して縮合反応液中に残存する未反応ホルムアルデ
ヒドをメチラールに変換し、当該縮合反応液中からメチ
ラールを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,2′−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法に関する
ものであり、詳しくは、2個のα−水素を有する飽和脂
肪族アルデヒド又は2−置換アクロレインとホルムアル
デヒドとの縮合反応によって得られる2,2′−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナール含有縮合反応液(以
下、単に縮合反応液と略記する。)中に残存する未反応
ホルムアルデヒドを効率良く除去することが出来る2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方
法に関する。以下、便宜上、2個のα−水素を有する飽
和脂肪族アルデヒド又は2−置換アクロレインを原料ア
ルデヒドと略記することがある。
【0002】
【従来の技術】従来、2個のα−水素を有する飽和脂肪
族アルデヒド又は2−置換アクロレインとホルムアルデ
ヒドとを塩基性物質の存在下に縮合反応させて2,2′
−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製造する方
法はよく知られている。斯かる製造方法としては、塩基
物質として、水酸化ナトリウム(特開昭62−2631
41号公報参照)、炭酸ナトリウム(米国特許3,31
2,736号公報参照)、トリエチルアミン(特公平4
ー55181号公報参照)又はジメチルアミノネオペン
タノール(ドイツ特許2507461号公報参照)等を
使用する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記の何れの方法において
も、収率良く2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アル
カナールを得るには、原料アルデヒドに対するホルムア
ルデヒドの使用量を理論量に比べて大過剰量とする必要
がある。従って、縮合反応液中には多量のホルムアルデ
ヒドが残存する。
【0004】ところで、2,2′−ビス(ヒドロキシメ
チル)アルカナールの酸化によるジメチロールアルカン
酸の製造において、ホルムアルデヒドを含有する上記の
様な縮合反応液を直接使用した場合、ホルムアルデヒド
により過酸化水素などの高価な酸化剤が多量消費され
る。また、ホルムアルデヒドの酸化によって生じるギ酸
が後工程のジメチロールアルカン酸の分離や精製工程で
悪影響を及ぼす。従って、工業的に有利にジメチロール
アルカン酸を製造するため、ホルムアルデヒドを含有す
る上記の様な縮合反応液を直接使用する場合は、酸化工
程の前に残存ホルムアルデヒドを除去する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、2個のα−水素
を有する飽和脂肪族アルデヒド又は2−置換アクロレイ
ンとホルムアルデヒドとを縮合反応させて2,2′−ビ
ス(ヒドロキシメチル)アルカナールを製造する方法に
おいて、縮合反応液中に残存する未反応ホルムアルデヒ
ドを効率良く除去する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
達成のため、種々検討を進めた結果、次の様な意外な知
見を得た。すなわち、特開平1−287051号公報に
は、ホルムアルデヒドの除去を目的とするのではなく、
高濃度のホルムアルデヒドの製造を目的とする、メタノ
ールとホルムアルデヒドとからメチラールを生成する反
応が開示されている。ところが、この反応は、ホルムア
ルデヒドとアルデヒド類の一種である2,2′−ビス
(ヒドロキシメチル)アルカナールの共存下においても
有効に作用し、しかも、ホルムアルデヒドがメタノール
によって選択的にメチラールに変換される。従って、上
記の反応は、未反応ホルムアルデヒドを含有する前記の
縮合反応液からホルムアルデヒドのみを除去する手段と
して極めて有効に利用することが出来る。
【0007】本発明は、上記の知見に基づき達成された
ものであり、その要旨は、2個のα−水素を有する飽和
脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとを縮合反応させ
るか、または、水の存在下に2−置換アクロレインとホ
ルムアルデヒドとを縮合反応させて2,2′−ビス(ヒ
ドロキシメチル)アルカナールを生成させ、次いで、縮
合反応液に固体酸触媒およびメタノールを添加して縮合
反応液中に残存する未反応ホルムアルデヒドをメチラー
ルに変換し、当該縮合反応液中からメチラールを除去す
ることを特徴とする2,2′−ビス(ヒドロキシメチ
ル)アルカナールの製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、2個のα−水素を有する飽和脂肪族アルデヒドと
ホルムアルデヒドとの縮合反応について説明する。
【0009】2個のα−水素を有する飽和脂肪族アルデ
ヒドは、一般式(1)で示すことが出来る。
【0010】
【化1】R1-CH 2−CHO (1)
【0011】一般式(1)中のR1は、炭素数が1〜1
6、好ましくは1〜7の範囲の直鎖または分岐型のアル
キル基であり、その具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、tert−−ブチル基、n−ペン
チル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、i−ヘプチル基、n−オクチル
基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、ド
デシル基、ペンタデシル基などが挙げられる。特に、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基およびi−プロピル
基が好ましい。上記のアルキル基は、反応条件下で不活
性な、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよ
い。斯かるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0012】上記の飽和脂肪族アルデヒドの具体例とし
ては、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、
n−ペンチルアルデヒド、i−ペンチルアルデヒド、n
−ヘキシルアルデヒド、i−ヘキシルアルデヒド、n−
ヘプチルアルデヒド、i−ヘプチルアルデヒド、n−オ
クチルアルデヒド、i−オクチルアルデヒド、n−ノニ
ルアルデヒド、i−ノニルアルデヒド、ドデシルアルデ
ヒド、ペンタデシルアルデヒド等が挙げられる。特に、
炭素数が3〜9の飽和脂肪族アルデヒドが好適に使用さ
れる。
【0013】一方、2−置換アクロレインは、一般式
(2)で示すことが出来る。
【0014】
【化2】 R2-C(=CH2)−CHO (2)
【0015】一般式(2)中、2位の置換基であるR2
は、一般式(1)におけるR1と同様に、炭素数が1〜
16、好ましくは1〜7の範囲の直鎖または分岐型のア
ルキル基であり、当該アルキル基は、反応条件下で不活
性な、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよ
い。
【0016】上記の2−置換アクロレインの具体例とし
ては、2−メチルアクロレイン、2−エチルアクロレイ
ン、2−プロピルアクロレイン、2−ブチルアクロレイ
ン、2−ペンチルアクロレイン、2−ヘキシルアクロレ
イン、2−ヘプチルアクロレイン、2−オクチルアクロ
レイン、2−ノニルアクロレイン、2−デシルアクロレ
イン、2−ペンタデシルアクロレイン等が挙げられる。
特に、炭素数4〜10の2−置換アクロレインが好適に
使用される。
【0017】上記の縮合反応において、ホルムアルデヒ
ドの使用量は、縮合反応率を向上させるため、原料アル
デヒドに対し通常1〜5倍モル量とされる。上記のホル
ムアルデヒドは、取り扱い上の観点から一般に水溶液と
して使用され、通常5〜50重量%、好ましくは30〜
50重量%の水溶液として使用される。しかしながら、
2個のα−水素を有する飽和脂肪族アルデヒドとホルム
アルデヒドとの縮合反応には、水の存在は必須でないか
ら、ホルムアルデヒドのメタノール溶液なども使用する
ことが出来る。
【0018】上記の縮合反応に使用される触媒として
は、通常、塩基性触媒が使用され、例えば、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属の水酸化物などの無機塩基、
3級アミン又は塩基性イオン交換樹脂を使用することが
出来る。触媒の使用量は、反応溶液に対して、通常0.
1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲
とされる。
【0019】上記の縮合反応の温度範囲は、使用する触
媒の種類および使用量により異なるが、例えば、上記の
無機塩基を使用する場合には、通常−10〜80℃、好
ましくは10〜80℃である。また、上記の3級アミン
又は塩基性イオン交換体を使用する場合には、通常−1
0〜100℃、好ましくは10〜100℃の範囲であ
る。斯かる縮合反応は、通常、常圧下で行われるが、減
圧下または加圧下で行なうことも出来る。
【0020】本発明においては、原料アルデヒドのホル
ムアルデヒド水溶液への溶解性を高めるため、不活性有
機溶媒の存在下に縮合反応を行なってもよい。上記の不
活性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール及びi−プロパノールの様な低級脂肪
族アルコール、および、ジメチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等の脂肪族または脂環式のエーテ
ルが挙げられる。
【0021】上記の原料アルデヒドとホルムアルデヒド
とを縮合反応させることにより、下記の一般式(3)で
示される2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナ
ール(ジメチロールアルカナール)が生成する。上記の
ジメチロールアルカナールは、例えば、原料の脂肪族ア
ルデヒドがプロピオンアルデヒドの場合にはジメチロー
ルプロパナール、また、n−ブチルアルデヒドの場合に
はジメチロールブタナール、n−ペンチルアルデヒドの
場合にはジメチロールペンタナールである。なお、一般
式(2)中、Rは一般式(1)の場合と同じである。
【0022】
【化3】 R-C(CH2OH)2-CHO (3)
【0023】2個のα−水素を有する飽和脂肪族アルデ
ヒドとホルムアルデヒドとの縮合反応においては、通
常、2−アルキルアクロレインが副生する。この2−ア
ルキルアクロレインは、メチラール化反応を行なう前に
除去して、再使用するのが好ましい。縮合反応液から2
−アルキルアクロレインを除去する方法としては、例え
ば、蒸留法が挙げられる。斯かる蒸留は、通常、減圧下
に行われる。
【0024】次に、上記の縮合反応液中のホルムアルデ
ヒドとメタノールとの反応(メチラール化反応)につい
て説明する。この反応は、本発明において、上記の縮合
反応液中に残存するホルムアルデヒドの除去のために利
用される。すなわち、上記の縮合反応液中にはホルムア
ルデヒドが残存し、その濃度は、通常0.01〜80重
量%、より実際的には0.05〜60重量%である。
【0025】そこで、本発明においては、上記の縮合反
応液に固体酸触媒およびメタノールを添加して縮合反応
液中に残存する未反応ホルムアルデヒドをメチラールに
変換し、当該縮合反応液中からメチラールを除去する。
その結果、本発明によれば、ホルムアルデヒドの含有量
が大幅に低下されたジメチロールアルカナールを製造す
ることが出来る。
【0026】メチラール化反応は、バッチ法、セミ連続
方式または連続法の何れの方法も採用することが出来
る。バッチ法としては、例えば、上記の縮合反応液に固
体酸触媒とメタノールを添加し、所定温度に保って反応
させる方法が挙げられる。また、連続法としては、固体
酸触媒を含む反応容器に上記の縮合反応液とメタノール
とを所定温度に保ちつつ連続的に供給して反応させる方
法が挙げられる。
【0027】縮合反応液中の残存ホルムアルデヒドに対
するメタノールの使用量は、通常2〜200倍モル量、
好ましくは3〜100倍モル量の範囲である。使用量が
2倍モル量未満の場合は、ホルムアルデヒド除去率が低
くなる。一方、使用量が200倍モル量を超える場合
は、高いホルムアルデヒド除去率が得られるが、ジメチ
ロールアルカナールの濃度が低下し、ジメチロールアル
カナール自体の生産性が低くなる。
【0028】上記のメチラール化反応に使用する固体酸
触媒としては、有機固体酸、無機固体酸または無機およ
び有機からなる複合固体酸が挙げられる。
【0029】上記の有機固体酸としては、例えば、カル
ボン酸基を有する弱酸性カチオン交換樹脂、スルホン酸
基を有する強酸性カチオン交換樹脂、ふっ素アルキレン
樹脂のスルホン酸基誘導体が挙げれるが、その中でも、
強酸性または弱酸性カチオン交換樹脂が好ましい。
【0030】また、上記の無機固体酸としては、例え
ば、(1)アルミナ、チタニア、五酸化ニオブ等の酸化
物、(2)シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリ
カ−ジルコニア等の複合酸化物、(3)ジルコニアやチ
タニアに硫酸根を担持した酸化物、(4)X、Y、ベー
タ、L、モルデナイト、HZSM−5、ZSM−5、Z
SM−11等の結晶性アルミノシリケート、Fe、G
a、B、Cr等の他金属元素でアルミニウムの一部を置
換したアルミノメタロシリケート、Fe、Ga、B、C
r等でアルミノメタロシリケートのアルミニウムを置換
したメタロシリケート等の各種ゼオライト、(5)遷移
金属、Pd等の貴金族成分を含有するゼオライト、
(6)SAPO、ALPOの様な結晶性メタロフォスフ
ェート、(7)FSM−16、MCM41の様なメソポ
ーラス化合物、(8)酸性白土の様な層状粘土化合物、
(9)層間を酸化物で架橋した層状粘土化合物、(1
0)シリカ等に担持したヘテロポリ酸などが挙げられ
る。
【0031】上記の固体酸触媒の中で、上記の(4)の
各種ゼオライトが好ましく、中でも、結晶性アルミノシ
リケート、アルミノメタロシリケート、メタロシリケー
トがより好ましい。
【0032】上記の各種ゼオライトは、通常、プロトン
型で使用するが、イオン交換サイトの一部を他の金属元
素で置換したもの、または、遷移金属元素、Pd等の貴
金属元素を担持したものも使用することも出来る。
【0033】上記のメチラール化反応は、通常、常圧下
で行われるが、加圧下で行なうことも出来る。そして、
その反応温度は、通常30℃以上かつメタノールが液相
を保つ上限温度の範囲、好ましくは40〜100℃の範
囲とされる。30℃未満の温度では反応速度が遅く、一
方、100℃を超える温度では、ジメチロールアルカナ
ールがポリマー化することがある。
【0034】上記の反応により生成するメチラール(沸
点約40℃)は、メタノール(沸点約65℃)より沸点
が低いため、反応蒸留法によりホルムアルデヒドとメタ
ノールとを反応させつつ、メチラールを蒸留で除去する
ことが可能であり、プロセスを簡略化することが出来
る。
【0035】上記の方法により、ホルムアルデヒドをメ
チラールとして除去したジメチロールアルカナール含有
縮合反応液は、公知の方法によりトリメチロールアルカ
ン又はジメチロールアルカン酸に好適に変換することが
出来る。例えば、ジメチロールアルカナールの酸化によ
りジメチロールアルカン酸の製造を行なう場合、酸化剤
の使用量は、酸化剤を消費するホルムアルデヒドが残存
していないため、化学量論付近でよく、この条件で効率
良く酸化を行うことが出来ると共に、分離精製工程の負
荷が著しく軽減出来る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1 還流冷却器付きの1L丸底フラスコに、35重量%ホル
ムアルデヒド水溶液161g(1.88mol)、n−
ブチルアルデヒド3.61g(500mmol)、2−
エチルアクロレイン10.5g(125mmol)、水
100g(5.55mmol)を仕込み、40℃に加温
しつつトリエチルアミン6.33g(62.6mmo
l)を滴下し、その後、液温40℃で1時間反応させ
た。このときの縮合反応液の原料仕込モル比は、n−ブ
チルアルデヒド:2−エチルアクロレイン:ホルムアル
デヒド:トリエチルアミン=1:0.25:3.75:
0.125であった。
【0038】反応終了後の縮合反応液から、100mm
Hg、60℃の条件下、含有される2−エチルアクロレ
インを蒸留により留去し、縮合反応液128gを得た。
その結果、縮合反応液中の2,2′−ビス(ヒドロキシ
メチル)ブタナールの原料n−ブチルアルデヒドに対す
る収率は59.8モル%であり、有効成分である2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールのホルムア
ルデヒド付加体の収率は24.2モル%であり、合計収
率84.0モル%であった。このときの残存ホルムアル
デヒドは、原料のホルムアルデヒドに対して33.3モ
ル%であった。
【0039】この縮合反応液から11.2gを採り、そ
の中にメタノール16.9g(527mmol)、触媒
(「HZSM−5」、シリカ/アルミナ比=50)1g
を加え、液温60℃で8時間、生成するメチラールを蒸
留しつつメチラール化反応を行なわせた。メタノールを
加えたときの縮合反応液中の残存ホルムアルデヒド:メ
タノールモル比は1:12、触媒濃度は3.4重量%で
あった。
【0040】メチラール化反応後の縮合反応液をLC
(液体クロマトグラフィ)にて定量分析したところ、残
存ホルムアルデヒドは原料のホルムアルデヒドに対して
3.6モル%であり、メチラール化反応後の2,2′−
ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール及びホルムアルデ
ヒド付加体の残存率は、メチラール化反応前の合計収率
に対して96.4モル%であった。
【0041】実施例2 還流冷却器付きの5L丸底フラスコに、30重量%ホル
ムアルデヒド水溶液1.5Kg(15.0mol)、n
−ブチルアルデヒド361g(5.00mol)、水
1.08Kg(60.0mol)を仕込み、60℃に加
温しつつトリエチルアミン25.3g(250mmo
l)を滴下し、その後、液温60℃で1.5時間反応さ
せた。メタノールを加えたときの縮合反応液の原料仕込
モル比は、n−ブチルアルデヒド:ホルムアルデヒド:
トリエチルアミン=1:3:0.05であった。
【0042】反応終了後の縮合反応液から、常圧条件
下、副生した2−エチルアクロレインを留去し、縮合反
応液2.8Kgを得た。その結果、縮合反応液中の2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール及び有効成
分である2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナー
ルのホルムアルデヒド付加体の原料n−ブチルアルデヒ
ドに対する合計収率は48.4モル%であった。このと
きの残存ホルムアルデヒドは、原料のホルムアルデヒド
に対して43.9モル%であった。
【0043】この縮合反応液から50gを採り、その中
にメタノール55.0g(1.72mol)、触媒
(「HZSM−5」、シリカ/アルミナ比=300)1
0gを加え、液温60℃で6時間メチラールを蒸留しつ
つメチラール化反応を行なわせた。メタノールを加えた
ときの縮合反応液中の残存ホルムアルデヒド:メタノー
ルのモル比は1:12、触媒濃度は8.7重量%であっ
た。
【0044】メチラール化反応後の縮合反応液をLCに
て定量分析したところ、残存ホルムアルデヒドは、原料
のホルムアルデヒドに対して15.8モル%であり、メ
チラール化反応後の2,2′−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタナール及びホルムアルデヒド付加体の残存率
は、メチラール化反応前の合計収率に対して100モル
%であった。
【0045】実施例3 実施例2と全く同様な方法で2−エチルアクロレインを
留去した縮合反応液を調製した。この縮合反応液から5
0gを採り、その中にメタノール55.0g(1.72
mol)、触媒(「HZSM−5」、シリカ/アルミナ
比=30)5gを加え、液温60℃で6時間メチラール
を蒸留しつつメチラール化反応を行なわせた。メタノー
ルを加えたときの縮合反応液中の残存ホルムアルデヒ
ド:メタノールのモル比は1:12、触媒濃度は4.4
重量%であった。
【0046】メチラール化反応後の縮合反応液をLCに
て定量分析したところ、残存ホルムアルデヒドは、原料
のホルムアルデヒドに対して6.5モル%であり、メチ
ラール化反応後の2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)
ブタナール及びホルムアルデヒド付加体の残存率は、メ
チラール化反応前の合計収率に対して100モル%であ
った。
【0047】実施例4 実施例2と全く同様な方法で、2−エチルアクロレイン
を留去した縮合反応液を調整した。この縮合反応液から
50gを採り、その中にメタノール55.0g(1.7
2mol)、触媒(MFI型のH−Fe−シリケート、
Si/Feモル比=25)10gを加え、液温60℃で
6時間メチラールを蒸留しつつメチラール化反応を行な
わせた。メタノールを加えたときの縮合反応液中の残存
ホルムアルデヒド:メタノールのモル比は1:12、触
媒濃度は8.7重量%であった。
【0048】メチラール化反応後の縮合反応液をLCに
て定量分析したところ、残存ホルムアルデヒドは原料の
ホルムアルデヒドに対して18.2モル%であり、メチ
ラール化反応後の2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)
ブタナール及び2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タナールホルムアルデヒド付加体の残存率は、メチラー
ル化反応前の合計収率に対して100モル%であった。
【0049】実施例5 実施例2と全く同様な方法で2−エチルアクロレインを
留去した縮合反応液を調製した。この縮合反応液から5
0gを採り、その中にメタノール55.0g(1.72
mol)、5重量%Pd/ZSM5(シリカ/アルミナ
比=50)5gを加え、液温60℃で6時間メチラール
を蒸留しつつメチラール化反応を行なわせた。メタノー
ルを加えたときの縮合反応液中の残存ホルムアルデヒ
ド:メタノールのモル比は1:12、触媒濃度は4.5
重量%であった。
【0050】メチラール化反応後の縮合反応液をLCに
て定量分析したところ、残存ホルムアルデヒドは原料の
ホルムアルデヒドに対して7.8モル%であり、メチラ
ール化反応後の2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タナール及び2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタ
ナールホルムアルデヒド付加体の残存率は、メチラール
化反応前の合計収率に対して97.4モル%であった。
【0051】実施例6 還流冷却器付きの50mL丸底フラスコに、35重量%
ホルムアルデヒド水溶液7.58g(88.3mo
l)、n−ブチルアルデヒド2.12g(29.4mm
ol)を仕込み、40℃に加温しつつトリエチルアミン
0.3g(2.96mmol)を滴下し、その後、液温
40℃で1時間反応させた。このときの縮合反応液の原
料仕込モル比は、n−ブチルアルデヒド:ホルムアルデ
ヒド:トリエチルアミン=1:3:0.1であった。
【0052】反応終了後の縮合反応液から、100mm
Hg、60℃の条件下、含有される2−エチルアクロレ
インを蒸留により留去した。得られた縮合反応液中の
2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールの収率
は49.8モル%であり、有効成分である2,2′−ビ
ス(ヒドロキシメチル)ブタナールホルムアルデヒド付
加体の収率は23.7モル%であり、合計収率は73.
5モル%であった。このときの残存ホルムアルデヒド
は、原料のホルムアルデヒドに対して33.3モル%で
あった。
【0053】得られた縮合反応液にメタノール11.2
g(349mmol)、スルフォン酸型イオン交換樹脂
(三菱化学製「PK216H」)2gを加え、液温70
℃で8時間メチラールを蒸留しつつメチラール化反応を
行なわせた。メタノールを加えた時点の縮合反応液中の
残存ホルムアルデヒド:メタノールのモル比は1:1
2、触媒濃度は8.6重量%であった。
【0054】メチラール化反応後の縮合反応液をLCに
て定量分析したところ、残存ホルムアルデヒドは原料の
ホルムアルデヒドに対して33.3モル%から4.3モ
ル%まで減少した。また、メチラール化反応後の2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール及び2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールホルムアル
デヒド付加体の残存率は、メチラール化反応前の合計収
率に対して74モル%であった。
【0055】比較例1 還流冷却器付きの50ml丸底フラスコに、35重量%
ホルムアルデヒド水溶液7.58g(88.3mmo
l)、n−ブチルアルデヒド2.12g(29.4mm
ol)を仕込み、40℃に加温しつつトリエチルアミン
0.3g(2.96mmol)を滴下し、その後、液温
40℃で1時間反応させた。メタノールを加えたときの
縮合反応液の原料仕込モル比は、n−ブチルアルデヒ
ド:ホルムアルデヒド:トリエチルアミン=1:3:
0.1であった。
【0056】反応終了後の縮合反応液から、100mm
Hg、60℃の条件下、含有される2−エチルアクロレ
インを蒸留により留去した。得られた縮合反応液中の
2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)ブタナールの原料
n−ブチルアルデヒドに対する収率は49.8モル%で
あり、有効成分である2,2′−ビス(ヒドロキシメチ
ル)ブタナールホルムアルデヒド付加体の収率は23.
7モル%であり、合計収率は73.5モル%であった。
このときの残存ホルムアルデヒドは、原料のホルムアル
デヒドに対して33.3モル%であった。
【0057】上記の縮合反応液に、メタノール11.2
g(349mmol)及び触媒として硫酸0.72g
(7.34mmol)を加え、液温70℃で1時間メチ
ラールを蒸留しつつメチラール化反応を行なわせた。メ
タノールを加えた時点の縮合反応液中の残存ホルムアル
デヒド:メタノールのモル比は1:12、触媒濃度は
3.3重量%であった。
【0058】縮合反応液をLCにて定量分析したとこ
ろ、メチラール化反応後の縮合反応液中の残存ホルムア
ルデヒドは原料のホルムアルデヒドに対して5.8モル
%まで除去されたが、メチラール化反応後の2,2′−
ビス(ヒドロキシメチル)ブタナール及び2,2′−ビ
ス(ヒドロキシメチル)ブタナールホルムアルデヒド付
加体の残存率は、メチラール化反応前の合計収率に対し
て18.5モル%であった。
【0059】以上の実施例の結果から分かる様に、縮合
反応の効率化のために過剰に添加したホルムアルデヒド
が多量に残存する縮合反応液にメタノールを加え、固体
酸触媒を使用してホルムアルデヒドをメチラール化する
ことにより、メチラール化反応と並行してホルムアルデ
ヒドを選択的にメチラール化して、目的生成物の2,
2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを損失す
ることなく効率的に留去することが出来た。
【0060】
【発明の効果】以上、説明した本発明によれば、2個の
α−水素を有する飽和脂肪族アルデヒド又は2−置換ア
クロレインとホルムアルデヒドとの縮合反応によって得
られる2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナー
ル含有縮合反応液中に含まれる過剰の未反応ホルムアル
デヒドを固体酸触媒の存在下、メタノールと反応させて
メチラールに変換して除去することにより、目的生成物
の2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールを
損失することなく効率的に回収することが出来る。その
結果、ホルムアルデヒドが除去された縮合反応液中のジ
メチロールアルカナールを酸化してジメチロールアルカ
ン酸を製造する場合、酸化剤の使用量は、酸化剤を消費
するホルムアルデヒドが少ないため、化学量論付近で効
率良く酸化を行うことが出来ると共に、ホルムアルデヒ
ドの酸化により生成するギ酸が少ないため分離精製工程
の負荷が著しく軽減出来、本発明の工業的価値は大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 高橋 和成 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 (72)発明者 川上 徹悟 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 (72)発明者 鈴木 幹夫 福島県いわき市小名浜字高山34番地 日本 化成株式会社研究所内 (72)発明者 大塚 知幸 福島県いわき市小名浜字高山34番地 日本 化成株式会社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個のα−水素を有する飽和脂肪族アル
    デヒドとホルムアルデヒドとを縮合反応させるか、また
    は、水の存在下に2−置換アクロレインとホルムアルデ
    ヒドとを縮合反応させて2,2′−ビス(ヒドロキシメ
    チル)アルカナールを生成させ、次いで、縮合反応液に
    固体酸触媒およびメタノールを添加して縮合反応液中に
    残存する未反応ホルムアルデヒドをメチラールに変換
    し、当該縮合反応液中からメチラールを除去することを
    特徴とする2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカ
    ナールの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素数が3〜9の飽和脂肪族アルデヒド
    を使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素数が4〜10の2−置換アクロレイ
    ンを使用する請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機固体酸触媒を使用する請求項1に記
    載の製造方法。
JP10155379A 1997-06-11 1998-05-20 2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)アルカナールの製造方法 Pending JPH1160533A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006206576A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Sumitomo Chemical Co Ltd アセタール類の製造方法
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WO2014131743A1 (en) * 2013-02-27 2014-09-04 Haldor Topsøe A/S Process for removing formaldehyde from a composition comprising glycolaldhedyde

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