JP4579489B2 - 半導体チップ製造方法及び半導体チップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハを所定の大きさに切断して半導体チップを製造する半導体チップ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体チップの製造工程(ダイシング工程)では、以下のような方法が採用されていた。即ち、半導体チップの製造装置(半導体チップ製造装置)は、円盤状のカッター(ダイシングブレード)を回転させるとともに、縦横に移動させつつ、複数の半導体素子が形成された半導体ウェハを切断することにより、半導体チップを形成する。形成される半導体チップは、外縁部分が直角の直方体の形状を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の半導体チップの製造方法では、半導体チップ製造装置は、ダイシングブレードを縦横に移動させつつ半導体ウェハを切断するため、半導体ウェハに形成される半導体チップの数が多くなるほど、切断回数が多くなり加工時間を要することになる。
【0004】
また、ダイシングブレードが用いられる場合には、当該ダイシングブレードの通り道を確保するため、半導体チップ同士の間隔(ダイシングライン幅)をダイシングブレードの幅以上(一般に50μm程度)に広げなければならず、半導体ウェハに高密度に半導体チップを形成する妨げになっていた。また、近年は、半導体ウェハの薄型化が進み、厚さ50μm程度の半導体ウェハも存在しているが、ダイシングブレードによる切断では、このような薄型の半導体ウェハは脆く欠けやすいという問題があった。
【0005】
更に、形成される半導体チップは、外縁部分が直角の直方体の形状を有するため、運搬(ハンドリング)の際にエッジが欠けやすく歩留まりが低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、半導体チップの製造時間の短縮化、形成の高集積化及び歩留まりの向上を図った半導体チップ製造方法及び当該方法により製造される半導体チップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は請求項1に記載されるように、半導体ウェハを所定の大きさに切断して半導体チップを製造する半導体チップ製造方法において、最初に、前記半導体ウェハの半導体素子が形成された第1の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程と、次いで、前記第1の面における前記等方性エッチングを行う工程によりエッチングされた半導体ウェハの切断部分に対し、異方性エッチングを行う工程と、最後に、前記半導体ウェハの前記第1の面に対向する第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程とを備え、最後の、前記第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程により、前記異方性エッチングを行う工程により生じた角部分を除去し、前記半導体ウェハを切断することを特徴とする。
【0008】
このように、半導体ウェハを切断する際に、等方性エッチング及び異方性エッチングを用いることにより、半導体ウェハの全面を一括してエッチングすることができるため、半導体チップの製造時間の短縮化を図ることができる。また、ダイシングブレードにより半導体ウェハを切断する場合のように、ダイシングブレードの幅に応じたダイシングライン幅を確保する必要がなく、当該ダイシングラインを狭くすることができる。このため、半導体ウェハに形成される半導体チップの高集積化を図ることができる。更に、半導体ウェハの半導体素子が形成された第1の面における切断部分と、該第1の面に対する第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行うことにより、当該第1の面と第2の面における外縁部分を、直角でない切り欠いた形状にすることができる。このため、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止し、歩留まりの向上を図ることができる。
【0009】
また、本発明は請求項2に記載されるように、請求項1に記載の半導体チップ製造方法において、前記第1の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う場合に、前記第1の面上に、該第1の面における切断部分が露出するようにレジストを形成する工程を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の半導体チップ製造方法において、前記第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う場合に、前記第2の面上に、該第2の面における切断部分が露出するようにレジストを形成する工程を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は請求項4に記載されるように、請求項2又は3に記載の半導体チップ製造方法において、前記レジストは、角部を切り欠いた形状又は曲面とした形状であることを特徴とする。
【0012】
この場合には、半導体素子が形成された面と当該半導体素子が形成された面に対向する面との間の側面における外縁部分を、異方性エッチングにより、直角でない切り欠いた形状にすることができる。このため、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止し、歩留まりの向上を図ることができる。
【0013】
また、本発明は請求項5に記載されるように、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体チップ製造方法により製造される半導体チップにおいて、前記半導体素子が形成された第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面における外縁部分が切り欠いた形状であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は請求項に記載されるように、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体チップ製造方法により製造される半導体チップにおいて、角部が切り欠いた形状又は曲面に形成されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、半導体チップの第1の製造工程を示す図である。図1に示す第1の製造工程では、半導体チップ製造装置は、シリコンを材料とする半導体ウェハ100における、半導体素子102が形成された面(素子形成面)に対向する面(非素子形成面)をテープ200に貼付して、当該半導体ウェハ100を固定する。
【0018】
更に、半導体チップ製造装置は、上面である素子形成面にレジスト膜を形成し、感光することにより、半導体ウェハ100の切断部分の上部にあるレジスト膜を除去する。具体的には、レジスト膜がポジ型の場合には、半導体チップ製造装置は、レジスト膜の上面に、残すべきレジスト膜が露出するように孔が形成されたマスクを配置し、上方から光を照射して、非照射部分のレジスト膜を溶解させる。一方、レジスト膜がネガ型の場合には、半導体チップ製造装置は、レジスト膜の上面に、除去すべきレジスト膜が露出するように形成されたマスクを配置し、上方から光を照射して、照射部分のレジスト膜を溶解させる。
【0019】
このように、半導体ウェハ100の切断部分の上部にあるレジスト膜を除去することにより、半導体ウェハ100の上部に、当該半導体ウェハ100の切断部分が露出するように、レジスト300が形成される。図2は、レジスト300の上面図である。同図に示すように、レジスト300は、四隅が曲線の形状を有する。レジスト膜がポジ型の場合には、マスクに形成される孔の四隅を曲線形状とすることにより、レジスト300の四隅を曲線の形状にすることができる。また、レジスト膜がネガ型の場合には、マスクの四隅を曲線形状とすることにより、レジスト300の四隅を曲線の形状にすることができる。
【0020】
図3は、半導体チップの第2の製造工程を示す図である。図3に示す第2の製造工程では、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100の露出部分、即ち半導体チップ100の切断部分に対し、等方性エッチングを行う。具体的には、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100を反応性ガスの雰囲気下に配置する。
【0021】
反応性ガスは、半導体ウェハ100の露出部分に吸着し、当該露出部分のシリコンと化学反応を起こす。この反応性ガスとシリコンとの化学反応は、全ての方向について同じ速度で進行する。また、化学反応により生成される物質は、揮発性である。このため、露出部分のシリコンは、レジスト300の下部も含めて、全ての方向について同じ速度で除去される。これにより、半導体ウェハ100には、側面から見た断面形状が皿状の溝110が形成される。
【0022】
溝110が所定の断面形状になった後、続いて第3の製造工程に移る。図4は、半導体チップの第3の製造工程を示す図である。図4に示す第3の製造工程では、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100の露出部分、即ち半導体チップ100の切断部分に対し、異方性エッチングを行う。
【0023】
具体的には、半導体チップ製造装置は、上方から半導体ウェハ100の露出部分に向かって、イオンやプラズマを高速で打ち込む。露出部分のシリコンは、打ち込まれるイオンやプラズマによって弾き飛ばされて除去される。イオンやプラズマが打ち込まれる方向は、上方から半導体ウェハ100の露出部分に向かう方向である。このため、シリコンの除去は、半導体ウェハ100の上部から下部に向かう方向で進行し、上方から見た断面がレジスト300の外縁に沿った形状、即ち上面から見た交差部分の四隅が曲線形状の溝120が形成される。
【0024】
図5は、半導体チップの第4の製造工程を示す図である。図5に示す第4の製造工程では、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100の素子形成面上に形成されたレジスト300を除去した後、当該半導体ウェハ100を裏返す。更に、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100の下面となった素子形成面をテープ200に貼付して、当該半導体ウェハ100を固定する。
【0025】
更に、半導体チップ製造装置は、第1の製造工程と同様、上面である非素子形成面にレジスト膜を形成し、感光することにより、半導体ウェハ100の切断部分の上部にあるレジスト膜を除去する。半導体ウェハ100の切断部分の上部にあるレジスト膜が除去されることにより、レジスト301が形成される。レジスト301は、図2に示したレジスト300と同様、四隅が曲線の形状を有する。
【0026】
図6は、半導体チップの第5の製造工程を示す図である。図6に示す第5の製造工程では、半導体チップ製造装置は、半導体ウェハ100の露出部分、即ち半導体チップ100の切断部分に対し、等方性エッチングを行う。具体的な手順は、図4に示す第2の製造工程と同様であり、露出部分のシリコンは、レジスト301の下部も含めて全ての方向について同じ速度で除去され、側面から見た断面形状が皿状の溝130が形成される。当該溝130と溝110及び120が形成されることにより、半導体ウェハ100が切断され、半導体チップが形成される。
【0027】
図7は、半導体チップの斜視図、図8は、側面から見た断面図、図9は、上方から見た断面図である。これらの図に示すように、半導体チップ500の外縁部分は、直角でない切り欠いた形状を有する。
【0028】
上述した異方性エッチングや等方性エッチングを行う際は、例えば、反応性ガスとしてSFを用い、当該反応性ガスの圧力や電極に印加する電圧の条件を変えてプラズマエッチングやスパッタエッチング等の等方性や異方性のドライエッチングを行うことにより、所望のエッチング形状を得ることができる。
【0029】
このように、本実施形態の半導体チップ製造方法では、等方性エッチング及び異方性エッチングを用いることにより、半導体ウェハ100の全面を一括してエッチングすることができるため、切断時間の短縮化、即ち半導体チップ500の製造時間の短縮化を図ることができる。また、ダイシングブレードにより半導体ウェハを切断する場合のように、ダイシングブレードの幅に応じたダイシングライン幅を確保する必要がなく、当該ダイシングラインを狭くすることができる。
このため、半導体ウェハ100に形成される半導体チップ500の高集積化を図ることができる。更に、半導体ウェハ100の素子形成面と非素子形成面における切断部分に対し、等方性エッチングを行うことにより、切断により生成される半導体チップ500の素子形成面と非素子形成面における外縁部分を、直角でない切り欠いた形状にすることができる。このため、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止し、歩留まりの向上を図ることができる。また、半導体ウェハ100の素子形成面に形成されるレジスト300と、非素子形成面に形成されるレジスト301の四隅を切り欠いた形状として異方性エッチングを行うことにより、半導体チップ500の側面における外縁部分を、直角でない切り欠いた形状にすることができる。このため、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止し、歩留まりの向上を図ることができる。
【0030】
なお、上述した実施形態では、半導体ウェハ100の素子形成面及び非素子形成面における切断部分に対し、等方性エッチングを行ったが、素子形成面及び非素子形成面の何れか一方における切断部分のみに対し、等方性エッチングを行うようにしても良い。この場合には、上述した図4に示す第3の製造工程において、半導体ウェハ10が切断されるまで異方性エッチングを行うようにすれば良い。ピックアップツールが半導体チップを拾い上げる際には、等方性エッチングが行われて外縁が切り欠いた形状になった面をつかむようにすることにより、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止することができる。更に、素子形成面及び非素子形成面の何れか一方における切断部分のみに対し、等方性エッチングが行われるため、切断時間を更に短縮することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、半導体ウェハを切断する際に、等方性エッチング及び異方性エッチングを用いることにより、半導体ウェハの全面を一括してエッチングすることができるため、半導体チップの製造時間の短縮化を図ることができる。また、ダイシングブレードにより半導体ウェハを切断する場合のように、ダイシングブレードの幅に応じたダイシングライン幅を確保する必要がなく、当該ダイシングラインを狭くすることができる。このため、半導体ウェハに形成される半導体チップの高集積化を図ることができる。更に、半導体ウェハの半導体素子が形成された第1の面における切断部分と、該第1の面に対する第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行うことにより、当該第1の面と第2の面における外縁部分を、直角でない切り欠いた形状にすることができる。このため、ハンドリング時に当該外縁部分が欠けることを防止し、歩留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体チップの第1の製造工程を示す図である。
【図2】レジストの上面図である。
【図3】半導体チップの第2の製造工程を示す図である。
【図4】半導体チップの第3の製造工程を示す図である。
【図5】半導体チップの第4の製造工程を示す図である。
【図6】半導体チップの第5の製造工程を示す図である。
【図7】半導体チップの斜視図である。
【図8】半導体チップの側面から見た断面図である。
【図9】半導体チップの上方から見た断面図である。
【符号の説明】
100 半導体ウェハ
102 半導体素子
110、120、130 溝
200 テープ
300 レジスト
400 半導体チップ

Claims (6)

  1. 半導体ウェハを所定の大きさに切断して半導体チップを製造する半導体チップ製造方法において、
    最初に、前記半導体ウェハの半導体素子が形成された第1の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程と、
    次いで、前記第1の面における前記等方性エッチングを行う工程によりエッチングされた半導体ウェハの切断部分に対し、異方性エッチングを行う工程と、
    最後に、前記半導体ウェハの前記第1の面に対向する第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程とを備え、
    最後の、前記第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う工程により、前記異方性エッチングを行う工程により生じた角部分を除去し、前記半導体ウェハを切断することを特徴とする半導体チップ製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体チップ製造方法において、
    前記第1の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う場合に、前記第1の面上に、該第1の面における切断部分が露出するようにレジストを形成する工程を備えることを特徴とする半導体チップ製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体チップ製造方法において、
    前記第2の面における切断部分に対し、等方性エッチングを行う場合に、前記第2の面上に、該第2の面における切断部分が露出するようにレジストを形成する工程を備えることを特徴とする半導体チップ製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の半導体チップ製造方法において、
    前記レジストは、角部を切り欠いた形状又は曲面とした形状であることを特徴とする半導体チップ製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体チップ製造方法により製造される半導体チップにおいて、
    前記半導体素子が形成された第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面における外縁部分が切り欠いた形状であることを特徴とする半導体チップ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体チップ製造方法により製造される半導体チップにおいて、
    角部が切り欠いた形状又は曲面に形成されたことを特徴とする半導体チップ。
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