JP4411351B2 - アガラーゼおよびその遺伝子 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、アガロースから種々の生理活性を有する低重合度のアガロオリゴ糖の製造に有用な高温で活性を有するα−アガラーゼとその製造方法、ならびに該酵素の用途、アガロースゲル電気泳動後のアガロースゲルから核酸等を抽出する際に有用な高温で活性を有するβ−アガラーゼとその製造方法、ならびに該酵素の用途、及び該酵素を用いたアガロースゲルからの核酸等の抽出方法に関する。
アガロース中のβ−1,4結合を切断して得られるオリゴ糖はネオアガロオリゴ糖と呼ばれ、その還元末端はD−ガラクトースであり、その重合度は偶数である。一方、α−1,3結合を切断して得られるオリゴ糖はアガロオリゴ糖と呼ばれ、その重合度は偶数であり、その還元末端は3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースである。還元末端に3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースを有するアガロオリゴ糖については、近年、アポトーシス誘発作用、制ガン作用、各種の抗酸化作用、免疫調節作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、α−グルコシダーゼ阻害作用等の生理活性を有することが明らかにされ(特許文献1および2)、その生理作用により、該アガロオリゴ糖を有効成分として含有する医薬品や機能性飲食品の提供が可能となっている。
アガロースを化学的に分解する方法では、生産されるオリゴ糖の大きさを制御することが難しく、特に重合度の低い低分子オリゴ糖を選択的に作ることは極めて難しい(非特許文献1等)。また、β−アガラーゼはβ−1,4結合のみを切断するため、該酵素を用いた場合には、上記の生理活性を有しないネオアガロオリゴ糖しか得ることができない。
α−1,3結合を切断する活性を有するα−アガラーゼを使用することにより、生理活性を有するアガロオリゴ等を製造することが期待される。公知のα−アガラーゼとしては、海洋性のグラム陰性細菌GJ1B株(非特許文献2、なお、非特許文献3には、該菌株はアルテロモナス・アガリリティクス GJ1B株(Alteromonas agarilyticus GJ1B)として記載されている)やビブリオ(Vibrio)属細菌(特許文献3、JT0107−L4株)の生産する酵素がある。しかしながら、アルテロモナス・アガリリティクスGJ1B株由来のα−アガラーゼは6糖以下のオリゴ糖を分解することができないため、生理活性が顕著なアガロビオースを生産することは不可能である。さらに、ビブリオ属細菌由来のα−アガラーゼは6糖以下のオリゴ糖にのみ活性を示す酵素であり、アガロースに対してはまったく作用しないために、アガロースを原料とするアガロオリゴ糖の製造に使用することはできない。
本発明者らは、アガロースのα−1,3結合を切断し、かつ顕著な生理活性を有するアガロオリゴ糖を生成する酵素を得ることを目的として鋭意研究を行ない、この目的に適した性質の酵素を生産する2株の微生物を見出し、これらの微生物の生産する酵素を単離し、理化学的、酵素学的性質を解明した。さらに、これら2種類の酵素の遺伝子を単離し、該遺伝子を用いた遺伝子工学的手法によりα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドを簡便に製造する方法を見出した(特許文献4)。しかし、これら2種類のα−アガラーゼの至適反応温度は40℃付近であり、アガロースを溶解してこれらの酵素で処理し、アガロオリゴ糖を得る場合、反応温度を40℃付近にまで下げる必要がある。この場合、アガロースの濃度が高いと固形化してしまい酵素反応がすすまなくなるため、これらの酵素を用いる場合は、アガロース濃度を低くした状態で処理する必要があり、高濃度のアガロースを処理することは出来ず、アガロオリゴ糖の生産性は低かった。従って、アガロースが高濃度であっても固形化することのない高い温度で活性を有する耐熱性のα−アガラーゼが望まれていた。
一方、遺伝子工学の分野では、制限酵素処理、あるいは増幅反応処理を行なった核酸等をアガロースゲルにて電気泳動し、その後アガロースゲル中から抽出する操作が広く行われている。この操作において、従来は至適温度が37℃付近のβ−アガラーゼが用いられてきた。しかしながら、この場合も、反応温度を酵素の至適温度に合わせて低下させる必要があり、アガロースの固形化を防ぐために、処理を行なう核酸等を含んだアガロースゲルを大量の水に溶解してアガロース濃度を低下させさせなければならない。この場合、回収しようとする核酸等の濃度も必然的に低下し、このことは回収率の低下、アガロース分解効率の低下を招き、さらに操作に時間がかかるという問題点を有している。この問題点を克服するためには、従来よりも高温で反応させることが出来るアガラーゼが必要である。そのようなアガラーゼとして、Flavobacterium sp. strain NR19由来のβ−アガラーゼ(特許文献5)が知られているが、その至適温度はさほど高くなく、また、耐熱性も十分ではなく、アガロースが高濃度であっても固形化することのない高い温度で活性を有する耐熱性のβ−アガラーゼが望まれていた。
このように、従来の技術では、アガロオリゴ糖の製造、アガロースゲルよりの核酸等の物質の抽出に関して問題を有していた。
さらに、本発明者らは、上記のそれぞれの酵素をコードする遺伝子を単離することに成功し、該遺伝子を用いる遺伝子工学的手法により、本発明のα−アガラーゼ活性を有するポリペプチド、β−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをそれぞれ簡便に製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)配列表の配列番号22に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号21〜437の417残基からなるアミノ酸配列;または
(2)配列表の配列番号23に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号318〜1089の772残基からなるアミノ酸配列。
本発明の第11の発明は、第1の発明のアガラーゼの熱安定性の向上方法に関し、アガラーゼのN末端側の30%までのポリペプチドを欠失させる工程を包含することを特徴とする。
本発明のアガラーゼを使用して製造されたアガロオリゴ糖は、アポトーシス誘発作用、制ガン作用、各種の抗酸化作用、免疫調節作用、抗アレルギー作用等の生理活性を有しており、医薬品、飲食品の分野で有用である。
また、多糖類とは単糖およびオリゴ糖以外の糖をいう。
本発明のアガラーゼの切断様式にも特に限定はなく、例えば、3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとD−ガラクトースとの間のα−1,3結合を加水分解するα−アガラーゼ、あるいはD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のβ−1,4結合を加水分解するβ−アガラーゼが挙げられる。
微生物NAB2−1−1の生産するアガラーゼIIは、多糖、オリゴ糖中に存在する3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとD−ガラクトースとの間のα−1,3結合を加水分解する酵素である。該酵素はアガロース、アガロオクタオース等のアガロヘキサオース以上のアガロオリゴ糖、およびネオアガロヘキサオース以上のネオアガロオリゴ糖に作用する。
微生物NAB2−1−1の生産するアガラーゼIは、多糖、オリゴ糖中に存在するD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のβ−1,4結合を加水分解する酵素である。該酵素はアガロース、ネオアガロオクタオース等のネオアガロヘキサオース以上のネオアガロオリゴ糖、およびアガロヘキサオース以上のアガロオリゴ糖に作用する。
(1)酵素化学的測定方法
本発明のアガラーゼの活性測定は、アガロースLO3(宝酒造社製)を基質として酵素反応を行なった後、生じたアガロテトラオースまたはネオアガロテトラオースの量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量することにより行なう。 本明細書において、精製酵素標品および精製中の酵素の活性測定に用いられた酵素活性測定方法は詳しくは以下のとおりである。
0.2%(w/v)または0.5%(w/v)のアガロース溶液〔アガラーゼIの場合:10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)、アガラーゼIIの場合:10mM 塩化カルシウムおよび10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)〕を調製し、この溶液 180μlを基質として、酵素溶液 20μlと混合し、50℃で5〜30分間、好ましくは10分間反応させた後、沸騰水中または75℃で1分間加熱することによって反応を停止させる。この反応溶液 30μlを、内径 7.8mm、長さ 300mmのTSKgel α−2500(東ソー社製)なるカラムに供し、70%アセトニトリル溶液を溶離液とし、0.8ml/分の流速で溶出させた時の約25分の保持時間を示すアガロテトラオース、または約24分の保持時間を示すネオアガロテトラオースを定量し、10分間当たり1μmolのアガロテトラオースを生じる酵素量を1単位(1U)とする。
アガロースを基質とし、酢酸緩衝液(pH4.5)、リンゴ酸緩衝液(pH5.5)、酢酸緩衝液(pH6.0、6.5)、Tris−HCl緩衝液(pH7.0、7.5、8.8)を用いて調製した反応液に酵素を作用させた結果より、アガラーゼI、アガラーゼIIともに弱酸性から弱アルカリ性でアガロース分解活性を示すことが明らかとなった。
(3)至適温度
本発明のアガラーゼIIは45〜55℃の範囲で高い酵素活性を示し、さらに50℃の付近で最大活性を示す。また、本発明のアガラーゼIは45〜70℃の範囲で高い酵素活性を示し、さらに55〜65℃の付近で最大活性を示す。
48℃、50℃、55℃、60℃、65℃で一定時間処理した酵素標品の残存活性を測定した結果、アガラーゼIIは55℃、10分間処理で40%、アガラーゼIは60℃、10分処理で100%、20分処理で100%、30分処理で98%、65℃、10分間処理で100%、20分処理で95%、30分間処理で90%、60分間処理で90%の活性を示した。
既知のアガラーゼは、その活性発現にカルシウムを必要とする。そこで、本発明のそれぞれのアガラーゼのカルシウムイオンの要求性について検討した結果、アガラーゼIIは、カルシウムイオン非存在下で、カルシウム存在下の活性の60%、アガラーゼIは、カルシウムイオン非存在下で、カルシウム存在下の活性の100%の活性を有することが確認された。すなわち、アガラーゼII 、アガラーゼI何れもカルシウムイオン非添加の状態で活性を示す。
また、本発明のアガラーゼIIは、CaCl2存在下で安定化される。一方、マンガンイオン、マグネシウムイオンによっては影響を受けない。
10〜20%ポリアクリルアミド濃度勾配ゲルを使用したSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法(SDS−PAGE)により、アガラーゼIIの分子量は約117,000、アガラーゼIの分子量は、約48,000と推定された。
エドマン分解法により決定されたアガラーゼIIのN末端アミノ酸配列はGlu-Thr-Ile-Val-Leu-Gln-Ala-Glu-Ser-Phe、また、アガラーゼIの配列はAla-Asp-Xaa-Asp-Gly-Val-Pro-Ile-Pro-Ala-Pro-Ala-Glyであった。配列表の配列番号2および1に、それぞれアガラーゼIIおよびアガラーゼIのN末端アミノ酸配列を示す。
なお、下記に示すようにアガラーゼII、アガラーゼIをコードする遺伝子は共に単離されており、該遺伝子にコードされるアミノ酸配列も決定されている。アガラーゼII、アガラーゼI遺伝子にコードされるアミノ酸配列を配列表の配列番号23、22にそれぞれ示す。配列番号23に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号318〜1089の772アミノ酸からなるポリペプチドは、本発明のα−アガラーゼ活性を示し、配列番号22のアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号21〜437の417アミノ酸からなるポリペプチドは、それぞれ本発明のβ−アガラーゼ活性を示す。
[菌学的性質]
(1)形態
人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリー社製)を調製し、これにペプトン(DIFCO社製)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DIFCO社製)を0.02%(w/v)加えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH7.8に調整した。これにアガロースLO3(宝酒造社製)を0.1%(w/v)となるよう加え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った後、上記微生物を接種し、37℃、120rpmで一晩培養した。該培養液で生育した微生物は、グラム陰性の桿菌であり、また運動性を有し、べん毛は極毛である。また、好気性であり、塩類要求性である。
人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリー社製)を調製し、これにペプトン(DIFCO社製)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DIFCO社製)を0.02%(w/v)となるよう加えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH7.8に調整した。これに寒天(ナカライテスク社製)を1.5%(w/v)となるようを加え、オートクレーブした後に平板培地とした。この培地に上記の微生物を接種したところ、
(i)30〜40℃で良好に生育する、
(ii)菌体の生育に従って寒天ゲルは液化される、
(iii)pH6.0〜8.0において旺盛に生育する、
ことが示された。
NAB2−1−1は、平成13年1月10日(原寄託日)より、日本国〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP−7855として寄託されている。
ブリッティン・オブ・ジャパニーズ・ソサイエテイ・オブ・ミクロビアル・エコロジー(Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology)、第10巻、第31〜42頁(1995)に記載の方法により、微生物NAB2−1−1の16S リボソームRNA遺伝子由来のDNA断片を増幅した。なお、PCRには上記文献に記載のプライマー27fおよび1492rを使用した(配列表の配列番号32および33に、それぞれプライマー27fおよびプライマー1492rの塩基配列を示す)。得られた増幅DNA断片の塩基配列を解析した結果、上記の領域に関して、本発明のアガラーゼを生産する微生物と最も高い相同性を持つものとして、90%程度の相同性をもつ以下のものが見出された。
Pseudoalteromonas sp. KT0812A
Aeromonas schubertii
人為的変異株は、放射線、紫外線照射や変異誘起剤処理等公知の方法により取得することができる。
一般に、同じ属に属する微生物の16S rRNA遺伝子の塩基配列間の相同性は約99%以上であることが知られている。従って、微生物NAB2−1−1の16S rRNA遺伝子の塩基配列と99%以上相同な配列を有する微生物を微生物NAB2−1−1と同様に本発明において使用することができる。
特に好適には、人工海水であるジャマリンSなる培地に、ペプトン、酵母エキス、寒天またはアガロースを加えた培地を用いることができる。寒天またはアガロースの濃度は0.1〜2.0%が好ましい。寒天またはアガロースの濃度を任意に変えることにより固体培地、液体培地を作り分けることが可能であるが、酵素生産を目的とする場合は濃度0.1〜0.3%の液体培養が好ましく、菌体の保存を目的とするときは濃度1.2〜2.0%の固体培養が好ましい。なお、低融点アガロースを液体培養に用いる場合には、0.1〜1.0%の濃度で使用することができる。
以上のようにして培養中に産生された本発明のα−アガラーゼ及び/またはβ−アガラーゼは、菌体外に分泌されるので、培養終了後、菌体を遠心分離、濾過等の方法を用いて除去して培養液上清を得る。
得られた培養液上清を、真空濃縮法または限外濾過法を用いて濃縮した液状酵素として、あるいは凍結乾燥法、噴霧乾燥法等により粉状酵素として粗酵素標品を調製することができる。また、通常用いられる精製方法、例えば硫安塩析、溶媒沈澱法により本発明のα−アガラーゼ及び/またはβ−アガラーゼを部分精製することができる。さらに、陰イオン交換カラム、ゲル濾過カラム等のカラムクロマトグラフィー等の公知の精製操作を組み合わせて、電気泳動的に単一バンドを示す精製酵素標品を得ることができる。
このようにして得られた培養液または種々の精製度の本発明のα−アガラーゼを、紅藻類に含まれる多糖である寒天またはアガロースを基質として反応させることにより、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース等のアガロオリゴ糖を製造することができる。
一方、本発明のα−アガラーゼは、反応至適温度が50℃であり、アガラーゼが固形化しない温度での反応が可能であり、効率の良いアガロオリゴ糖の製造が可能である。
本発明のα−アガラーゼは、上記理化学的性質から明らかなように、アガロース、ならびにアガロヘキサオース以上のアガロオリゴ糖に作用する、すなわち、アガロースに作用してアガロオリゴ糖を生成し、さらにこうして生じたアガロオリゴ糖中のα−1,3結合を切断して、アガロビオース、アガロテトラオースのような低分子アガロオリゴ糖を生成することが可能な酵素であると同時に、至適温度が高く、耐熱性にも優れる酵素であるため、本発明のα−アガラーゼを用いることで、アガロースの固形化による反応阻害を受けることなく、従来の方法では製造が困難であった2糖と4糖であるアガロビオースとアガロテトラオースを大量に得ることが可能となる。
従来公知のα−アガラーゼと本発明のα−アガラーゼの基質特異性を表1に示す。表中、+はその基質を分解できることを、また、−は分解できないことをそれぞれ示す。
本発明のα−アガラーゼによって生産されるオリゴ糖は、上記のように6糖以下の重合度の低いオリゴ糖を中心とするが、反応条件等により重合度の異なるオリゴ糖を自由に製造することも可能である。このようにして得られたオリゴ糖を分離精製することにより、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオースを単独で得ることも可能である。
β−アガラーゼは、これまでに、Vibrio sp. JT0107−1,4(特開平8−38172号)、Pseudomonas altantica〔Morrice L. M., et al.;Eur. J. Biochem., 135, 553−558(1983)〕由来の酵素等が知られているが、これらの反応至適温度は約30℃である。すなわち、これらの酵素をアガロースゲルからの核酸等の抽出に用いようとした場合、これらの酵素が活性を示す温度ではアガロースが固形化しているため、反応は進まず、実用に供することは出来ない。これらの酵素より反応至適温度が高いものとして、Flavobacterium sp. strain NR19(米国特許第5,869,310号)、Pseudomonas sp. N−7(特公平7−97987号)、Vibrio sp. PO−303(特開平8−294389号)由来の酵素等が知られているが、これらの至適温度は55℃以下であり、低融点アガロースゲルが融解する温度である65℃より低く、実用上問題を有している。
本発明のα−アガラーゼ遺伝子は、上記したアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加または挿入が導入されたアミノ酸を有し、かつα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸をも包合する。
さらに、本発明の遺伝子は、上記の遺伝子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸も包合される。ハイブリダイゼーションは、例えば、1989年、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー発行、T.マニアティス(T. Maniatis)ら編集、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd ed.)に記載の方法により実施することができる。上記ストリンジェントな条件としては、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M 塩化ナトリウム、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5% SDS、5×デンハルト、100mg/ml ニシン精子DNAを含む溶液中、プローブとともに65℃で一晩保温するという条件があげられる。
本発明のβ−アガラーゼ遺伝子は、上記したアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加または挿入が導入されたアミノ酸を有し、かつβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸をも包合する。
さらに、本発明の遺伝子は、上記の遺伝子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸も包合される。ストリンジェントな条件としては、前記したものが例示される。
アガラーゼを生産する微生物よりゲノムDNAを調製する。ゲノムDNAは適当な公知の方法に従って調製でき、例えば、リゾチーム処理、プロテアーゼ処理、RNase処理、フェノール処理、エタノール沈殿等の公知の操作を組合わせて調製することが出来る。このようにして得られたゲノムDNAを適当な公知の方法、例えば、超音波処理、制限酵素消化によって分解する。こうして得られたDNA断片を通常用いられている方法によってベクター、例えば、プラスミドベクターに組み込み、組み換えDNA分子を作製する。ついで、該組み換えDNA分子を適当な宿主、例えば、大腸菌に導入し、形質転換体を得る。組み換えDNA分子の作製、形質転換等の操作は、通常用いられる方法、例えば、上記したモレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル第2版等に記載の方法から、使用するベクター、宿主に応じたものを選んで用いることが出来る。このようにしてアガラーゼ遺伝子を有する形質転換体を含むゲノムライブラリーが得られる。
(1)アガラーゼ活性の発現を指標にしたスクリーニング
ゲノムライブラリーを寒天プレート上で増殖させる。アガラーゼ遺伝子を有する形質転換体は、アガラーゼ活性を持つポリペプチドを発現し、そのアガラーゼ活性により寒天ゲルを溶解するので、寒天プレートの寒天ゲルを溶解するコロニーまたはプラークを選択する。
(2)抗体を用いたスクリーニング
アガラーゼの粗酵素標品、部分精製酵素標品、精製酵素標品を前記した方法に従って調製し、これらの何れかを抗原として常法に従って抗アガラーゼ抗体を調製する。
ゲノムライブラリーをプレート上で増殖させ、生育したコロニーまたはプラークをナイロンまたはニトロセルロースのフィルターに移し取る。発現された組み換えタンパク質はコロニー、プラークと共にフィルターに移し取られる。フィルター上の組み換えタンパク質と上記の抗アガラーゼ抗体を反応させ、該抗体と反応するクローンを同定する。
抗体と反応するクローンの同定は、公知の方法に従って、例えば、抗アガラーゼ抗体を反応させたフィルターを、パーオキシダーゼ結合二次抗体と反応させた後、発色基質とインキュベートし、発色を検出することによって行なうことが出来る。
なお、上記(1)、(2)の方法に用いるゲノムライブラリーの作製に、ベクターに組み込まれたDNA上の遺伝子が高発現されるような発現ベクターを用いた場合には、容易に目的の遺伝子を有する形質転換体を選択することが出来る。
(3)DNAプローブを用いたハイブリダイゼーションによるスクリーニング
ゲノムライブラリーをプレート上で増殖させ、生育したコロニーまたはプラークをナイロンまたはニトロセルロースのフィルターに移し取り、変性処理によりDNAをフィルターに固定する。このフィルター上のDNAと標識プローブのハイブリダイゼーションを常法に従って行い、該プローブとハイブリダイズするクローンを同定する。
本スクリーニングに用いられるプローブとしては、上記したアガラーゼのアミノ酸配列の情報をもとに作製したオリゴヌクレオチド、その他のアミノ酸配列の情報をもとに作製したオリゴヌクレオチド、またはこれらのアミノ酸配列の情報から作製したプライマーによって増幅したPCR断片等が挙げられる。これらのプローブの標識は特に限定はないが、例えば、ラジオアイソトープ標識、蛍光色素標識、ジゴキシゲニン標識、ビオチン標識等が挙げられる。
アガラーゼを生産する微生物のゲノムDNAを調製し、これを適当な制限酵素で消化してアガロースゲル電気泳動で分離した後、常法に従いナイロンまたはニトロセルロースのフィルターにブロッティングする。このフィルター上のDNAと上記の標識プローブのハイブリダイゼーションを常法に従って行い、該プローブとハイブリダイズするDNA断片を検出する。このシグナルに対応するDNA断片をアガロースゲルから抽出、精製する。
こうして得られたDNA断片を通常用いられている方法によってベクター、例えば、プラスミドベクターに組み込み、組み換えDNA分子を作製する。ついで該組み換えDNA分子を適当な宿主、例えば、大腸菌に導入し、形質転換体を得る。形質転換の方法は通常用いられる方法、例えば、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル第2版等に記載の方法から、使用するベクターに応じたものを選んで用いることが出来る。このようにしてアガラーゼ遺伝子を有する形質転換体が富化されたゲノムライブラリーが得られる。
該ゲノムライブラリーを用いることにより、より効率の良いスクリーニングを行なうことが出来る。
アガラーゼを生産する微生物のゲノムDNAを調製し、これを鋳型として、アガラーゼのアミノ酸配列の情報をもとに作製したプライマー対を用いたPCRを行ない、アガラーゼ遺伝子を含むDNA断片を得ることが出来る。さらに、該断片をプローブとしたハイブリダイゼーションや、該断片の塩基配列をもとに作製されたプライマーを用いたPCR等により、アガラーゼ遺伝子の全長を得ることが出来る。このようにして得られた遺伝子の塩基配列は、公知の方法に従って決定することが出来る。該クローンがアガラーゼのポリペプチド全長をコードしていない場合は、解読された塩基配列をもとに新たなプローブを作製し、該プローブを用いてゲノムライブラリーのスクリーニングを行い、新たなクローンを得る操作を繰り返すことにより、アガラーゼのオープン・リーディング・フレーム(open reading frame、以下ORFと示す)全体が解読される。その情報をもとに、例えば、アガラーゼをコードするORF全体を含むクローンを作製することが出来る。
以上のようにして得られたアガラーゼをコードする遺伝子を適当な発現ベクターに連結することにより、アガラーゼ活性を有するポリペプチドを遺伝子工学的に大量に製造することが出来る。
微生物NAB2−1−1を培養し得られた菌体をリゾチームで溶菌させた後、タンパク質除去、エタノール沈殿等の操作を施し、染色体DNAを得る。次に上記のNAB2−1−1の染色体DNAを制限酵素で完全消化し、当該制限酵素と対応したアダプターを連結する。得られる染色体DNAを鋳型とし、本発明のアガラーゼIまたはIIのN末端アミノ酸配列、または内部アミノ酸配列をもとに作製されたプライマーと、当該アダプターの塩基配列に対応するプライマーを用いたPCRを実施する。
このようにして得られたPCR産物の塩基配列を解析することにより、本発明のアガラーゼをコードする塩基配列を決定することが出来る。その全長が決定できなかった場合には、上記の操作を繰り返すか、染色体DNAを鋳型としたプライマーウォーキングを行なえば良い。
このようにして得られたアガラーゼIIをコードする遺伝子は、1089個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードするORFを有していた。該ORFの塩基配列を配列表の配列番号21に、該ORFの塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列表の配列番号23に示す。なお、得られた遺伝子の塩基配列中にはアガラーゼIIのN末端アミノ酸配列P2部分に対応する塩基配列が存在し、その上流にシグナルペプチド様配列を持った26個のアミノ酸をコードする塩基配列、さらにその上流にSD様配列が見出された。
すなわち、配列表の配列番号23に示されるアミノ酸配列は本発明のα−アガラーゼの一例である。また、該アミノ酸配列を先に決定されたアガラーゼIIのN末端アミノ酸配列を比較することにより、アガラーゼIIは配列表の配列番号23に示されるアミノ酸配列のうちの27〜1089のアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、該アミノ酸配列は配列表の配列番号21の塩基配列のうちの79〜3270(終止コドンを含む)にコードされることが示される。
なお、該ORF内に推定Ca結合領域が3ヵ所(171〜184、271〜283、987〜999)に見出された。
すなわち、配列表の配列番号22に示されるアミノ酸配列は本発明のアガラーゼの一例である。また、該アミノ酸配列を、先に決定されたアガラーゼIのN末端アミノ酸配列を比較することにより、アガラーゼIは配列表の配列番号22に示されるアミノ酸配列のうちの21〜438のアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、該アミノ酸配列は配列表の配列番号20の塩基配列のうちの61〜1314(終止コドンを含む)にコードされることが示される。
以上のようにして得られたアガラーゼIのアミノ酸配列と、公知のFlavobacterium sp. strain NR19由来のβ−アガラーゼのアミノ酸配列との相同性は33%しかなく、本発明のアガラーゼIは、全く新規の配列であると考えられる。
また、公知の方法でアガラーゼをコードする遺伝子に変異を導入することにより、変異を導入したアガラーゼを製造することも出来る。変異の導入方法としては特に限定はなく、例えばオリゴヌクレオチドダブルアンバー法〔Hashimoto−Gotoh, T., et al.;Gene, 152, 271−275(1995)〕、Gapped duplex法〔Kramer, W., et al.;Nucl. Acids Res., 12, 9441(1984)、 Kramer, W., et al.;Methods in Enzymology, 154, 350 (1987)〕、Kunkel法〔Kunkel, T.A. ;Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 488 (1985)、 Kunkel, T.A.;Methods in Enzymology, 154, 367 (1987)〕等を用いることが出来る。
上記の組換えDNA分子の作製に使用されるベクターは、特に限定するものではなく、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター等を使用することが出来、組換えDNAの使用目的に応じて適当なベクターを選択すれば良い。アガラーゼの生産を目的として組換えDNA分子を作製する場合には、プロモーターやその他の発現調節のための領域を含むベクターが好適である。 そのようなプラスミドベクターとしては、特に限定はないが、例えば、pKF19k、pT7BlueT、pET16b等が挙げられる。また、形質転換体の作製に使用される宿主も、特に限定するものではなく、細菌、酵母、糸状菌等の微生物の他、哺乳動物、魚類、昆虫等の培養細胞等を使用することが出来る。形質転換体の作製には、宿主に適したベクターで作製された組換えDNA分子が使用される。
例えば、配列表の配列番号22のアミノ酸番号21以降のポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNA断片を適当なプラスミドベクター、例えばpKF19k(宝酒造社製)、pT7BlueT(宝酒造社製)、又はpET16b(宝酒造社製)等に挿入したプラスミドを構築する。これらのプラスミドで形質転換した大腸菌、例えば大腸菌JM109、大腸菌BL21(DE3)pLysS等を適当な液体培地中で培養し、必要に応じてIPTG等による誘導を行い、各プラスミド上の挿入DNA断片にコードされているポリペプチドを発現させる。これらの形質転換体の発現する単位培養液あたりのβ−アガラーゼ活性は、通常、 NAB2−1−1の培養液より高い値を示す。
また、アガラーゼIIは、例えば配列表の配列番号23のアミノ酸番号27、181、もしくは318以降のポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNA断片を用い、上記のアガラーゼIと同様の方法によってアガラーゼIIを発現する形質転換体を遺伝子工学的に作製することが出来る。得られた形質転換体は、α−アガラーゼ活性を発現し、かつその単位培養液あたりの活性は、通常、NAB2−1−1の培養液より高い。
以上のようにして遺伝子工学的に生産させた本発明のアガラーゼは、通常用いられる精製方法、例えば硫安塩析、溶媒沈澱法により本発明のアガラーゼを部分精製することができる。さらに、陰イオン交換カラム、ゲル濾過カラム等のカラムクロマトグラフィー等の公知の精製操作を組み合わせて、電気泳動的に単一バンドを示す精製酵素標品を得ることができる。
このようにして得られた種々の精製度の本発明の遺伝子組換えα−アガラーゼを、紅藻類に含まれる多糖である寒天またはアガロースを基質として反応させることにより、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオース、アガロオクタオース等のアガロオリゴ糖を製造することができる。
例えば、1%(w/v)アガロースを基質として、50℃で16時間反応させることで、上記アガロオリゴ糖を製造することが出来る。
同様に、上記のようにして得られた種々の精製度の本発明の遺伝子組換えβ−アガラーゼを、核酸等の電気泳動に供したアガロースゲルに作用させることにより、アガロースゲル中の核酸等の物質を効率よく抽出することが出来る。
本発明のアガラーゼは、そのORFのN末端側の30%までを欠失させることより、熱安定性を向上させることが出来る。欠失させる領域はORFの例えば10%、20%等、30%までであれば特に限定はない。例えば、アガラーゼIIの場合、N末端側から29.1%、すなわち317アミノ酸を欠失させることにより、その熱安定性を向上させることが出来る。また、該熱安定性の向上は、カルシウムの存在下において特に顕著である。
熱安定性向上のためのN末端側の欠失方法についても特に限定はなく、プロテアーゼ処理によっても良く、また遺伝子工学的手法を用いても良い。
本発明のアガラーゼの精製を行なうにあたって、本酵素の精製品又は部分精製品の活性測定は、アガロースLO3(宝酒造社製)を基質として酵素反応を行った後、生じたアガロテトラオースまたはネオアガロテトラオースの量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量することにより行った。以下にその操作の詳細を示す。
0.2%(w/v)または0.5%(w/v)のアガロース溶液[アガラーゼIの場合:10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)、アガラーゼIIの場合:10mM 塩化カルシウムおよび10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]を調製し、この溶液 180μlを基質として、酵素溶液 20μlと混合し、50℃で5〜30分間、好ましくは10分間反応させた後、沸騰水中または75℃で1分間加熱することによって反応を停止させる。この反応溶液 30μlを内径 7.8mm、長さ 300mmのTSKgel α−2500(東ソー社製)なるカラムに供し、70% アセトニトリル溶液を溶離液として0.8ml/分の流速で溶出させた時の約25分の保持時間を示す酵素反応によって生じたアガロテトラオース又は約24分の保持時間を示すネオアガロテトラオースを定量し、10分間当たり1μmolのアガロテトラオース又はネオアガロテトラオースを生じる酵素量を1単位(1U)とする。
100mlの人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリー社製)を調製し、これにペプトン(DIFCO社製)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DIFCO社製)を0.02%(w/v)となるようそれぞれ加えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH7.8に調整した。これを500ml容の三角フラスコに移し、NusieveGTGアガロース(宝酒造社製) 0.4gを加え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った後、NAB2−1−1を接種し、37℃、120rpmで一晩培養した。得られた培養液を前培養液とした。
本培養は、以下の手順で行った。5,000ml容のジャーファーメンター容器に人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリー社製) 3,000mlを調製し、これにペプトン(DIFCO社製)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DIFCO社製)を0.02%(w/v)となるようそれぞれ加え、pH7.8に調整した後、NusieveGTGアガロース(宝酒造社製) 12gを加え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った。これに上記の前培養液30mlを接種し、37℃、250rpmで18時間培養し、8,000×g、20分間の遠心分離により菌体を除いた約3,000mlの上清を回収した。
これより以降の操作は4℃以下で行った。
この透析液を予め緩衝液で平衡化した陰イオン交換樹脂であるDEAE Toyopearl 650M(東ソー社製)を充填したカラム(φ2.0cm×12cm)に負荷し、約120mlの緩衝液Iで洗浄し、その非吸着画分及び洗浄画分の約400mlをアガラーゼI画分として回収した。その後10mMから1,000mMの塩化ナトリウムへの直線濃度勾配法(総溶出量400ml)で溶出させ、塩化ナトリウム濃度が300mMから600mMの間に溶出してくる約160mlをアガラーゼII画分として回収した。
得られたアガラーゼI、アガラーゼII両画分を緩衝液II[10mM 塩化カルシウム、10mM 塩化ナトリウム、5% グリセロール、および1mM PMSFを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]に対して透析して脱塩を行った。
アガラーゼII画分についてさらに以下の精製を行った。透析後のアガラーゼII画分を25mlのQAE Toyopearl550C(東ソー社製)を充填したカラム(φ2.0cm×8.0cm)に負荷し、この場合は塩化ナトリウムの10mMから800mMの直線濃度勾配法(総溶出量 250ml)により溶出させ、500mM前後で溶出する画分約70mlを得た。この画分を緩衝液IIで透析し、遠心限外濾過膜CENTRIPREP−10(アミコン社製)を用いて約1mlに濃縮した。これを緩衝液IIで平衡化したSephadex G−100(ファルマシア社製)を充填したカラム(φ0.8cm×50cm)を用いたゲル濾過に供し、約20mlのアガラーゼII画分を得た。これを再度限外濾過膜で約1mlまで濃縮した。
アガラーゼI画分についてはさらに以下の精製を行った。
前に述べた透析済みのアガラーゼI画分 約400mlを、予め緩衝液IIで平衡化したCM Toyopearl650(東ソー社製)を充填したカラム(φ2.0cm×9.5cm)に吸着させ、10mMから1,000mMの塩化ナトリウムへの直線濃度勾配法(総溶出量 300ml)で溶出させ、塩化ナトリウム濃度が300mMまでに溶出してくる約90mlのアガラーゼIの画分を回収した。この画分を1.0M 硫酸アンモニウムを含む緩衝液IIで一晩透析後、同緩衝液で平衡化した30mlのButyl Toyopearl650M(東ソー社製)を充填したカラム(φ2.0cm×9.5cm)に負荷した。1.0Mから0Mまでの硫酸アンモニウム濃度の勾配(総溶出量 300ml)で溶出させ、300mM以降のアガラーゼI画分(約60ml)を回収した。アガラーゼIIの場合と同様にこの画分を緩衝液IIに対して透析し、遠心限外濾過膜CENTRIPREP−10(アミコン社製)を用いて約1mlに濃縮した。
この精製タンパク質をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むポリアクリルアミドゲルで電気泳動したところ、ほぼ単一に精製されており、得られた全活性は約310Uであった。
[アガラーゼI及びアガラーゼIIの反応物の同定]
20μlの0.5%(w/v)のアガロース溶液[アガラーゼI:10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)、アガラーゼII:10mM 塩化カルシウムおよび10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]をアガラーゼI、アガラーゼIIの精製酵素で切断し、その切断産物を溶離液として70% アセトニトリルを用いたゲル濾過カラム(東ソー社製、TSKgel α−2500)に供した。その結果、アガラーゼIについては主に約24分、約28分にピークが見られ、これは標準物質の保持時間からそれぞれネオアガロテトラオース、ネオアガロヘキサオースと考えられた。また、アガラーゼII切断産物は主に約22分、約25分、約29分の保持時間のところにピークが見られ、これは標準物質の保持時間からそれぞれアガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオースと考えられた。さらにこの反応生成物をクロロホルム:メタノール:酢酸=3:3:1の組成から成る展開溶媒で薄層クロマトグラフィーに供し、2回展開することで確認した。なおこの際にはアガロビオース(Rf値0.76)、アガロテトラオース(Rf値0.50)、アガロヘキサオース(Rf値0.33)の3種類のアガロオリゴ糖、及びネオアガロテトラオース(Rf値0.59)、ネオアガロヘキサオース(Rf値0.41)の2種類のネオアガロオリゴ糖をコントロールとした。その結果、アガラーゼI反応物はネオアガロオリゴ糖、アガラーゼII反応物はアガロオリゴ糖と同じ位置にオルシノール硫酸による発色物が確認された。これらのことからアガラーゼIはアガロース分子中のD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のβ−1,4結合を加水分解し、ネオアガロオリゴ糖を生産するβ−アガラーゼであり、アガラーゼIIはアガロース分子中のα−1,3結合を加水分解し、アガロオリゴ糖を生産するα−アガラーゼであることが判明した。
アガラーゼI溶液、アガラーゼII溶液をカルシウムを含まない緩衝液[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM EDTAを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]で一晩透析した後、0.2%(w/v)アガロース溶液[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM EDTAを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]を添加し、50℃で10分間反応させた。アガラーゼIについては沸騰水中で1分間、またアガラーゼIIについては75℃で1分間加熱することにより、反応を停止させた。その後活性測定を行ない、通常のカルシウムを含んだ緩衝液中で反応させた場合の活性を100%とした場合、アガラーゼIは約100%、アガラーゼIIは約60%であった。
[至適温度]
酵素の失活が抑制され、速やかに反応が進む温度はアガラーゼIが50〜65℃であり、アガラーゼIIが45〜55℃であった。
[熱安定性]
本酵素溶液を48℃、50℃、55℃、60℃、65℃で一定時間加熱した後、0.2%(w/v)アガロース溶液[アガラーゼIの場合:10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)、アガラーゼIIの場合:10mM 塩化カルシウムおよび10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]を添加し、50℃で10分間反応させ、アガラーゼIについては沸騰水中で1分間加熱することにより、またアガラーゼIIについては75℃で1分間加熱することにより、反応を停止させた。その後活性測定を行い、通常の50℃で10分間反応させた場合の活性を100%とした場合、アガラーゼIは65℃、60分間で約85%、アガラーゼIIは55℃、10分間で約40%であった。
分子量はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法で測定した。SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法では、常法に従って、SDSを含むポリアクリルアミドの濃度が10〜20%のゲルで、分子量マーカー(バイオラッド社製、分子量 200,000のミオシン、116,250のβ−ガラクトシダーゼ、97,400のフォスフォリラーゼ b、66,200のウシ血清アルブミン、45,000のオブアルブミン、31,000のカルボニックアンヒドラーゼ、21,500のトリプシンインヒビター、14,400のリゾチーム)とともに電気泳動を行い、移動度から分子量を求めたところ、アガラーゼIについては約48,000、アガラーゼIIについては約117,000であった。
[アミノ末端アミノ酸配列]
アガラーゼI、アガラーゼIIのアミノ末端アミノ酸配列をエドマン分解法により決定した。それぞれ約10pmol相当の酵素タンパクを含むアガラーゼIおよびアガラーゼIIの精製酵素標品溶液を10〜20% ポリアクリルアミド濃度勾配ゲルを用いたSDS−PAGEに供した。泳動終了後、ゲル上で分離された酵素をプロブロット(アプライドバイオシステムズ社製)なる膜にブロッテイングし、酵素が吸着した部分の膜をプロテインシークエンサー(G1000A、ヒューレット・パッカード社製)を用いて分析した。この結果、決定された両酵素のアミノ末端アミノ酸配列はアガラーゼI(P1、配列番号1)がAla−Asp−Xaa−Asp−Gly−Val−Pro−Ile−Pro−Ala−Pro−Ala−Gly、またアガラーゼII(P2、配列番号2)はGlu−Thr−Ile−Val−Leu−Gln−Ala−Glu−Ser−Pheであった。
[部分アミノ酸配列の決定]
精製されたアガラーゼI、IIそれぞれ2nmolを用いて、システイン残基のカルボキシルメチル化を行い、リジルエンドペプチダーゼで消化し、得られた消化物からペプチド断片をHPLCで分離精製した。カラムはμBondasphareC8(ウオーターズ社製)を用い、溶出液はA液:0.1% TFA、B液:80%アセトニトリルを含む0.1% TFAを使用した。溶出は流速0.5ml/分で50分間でB液の割合を0〜100%まで直線的に増加させることによって行い、214nmで検出し、分取した。各ペプチド画分についてアミノ酸配列分析を行い、アガラーゼIについては部分アミノ酸配列PI3(配列番号3)、PI4(配列番号4)、アガラーゼIIについてはPII5(配列番号5)、PII6(配列番号6)、PII7(配列番号7)を決定した。
2mlの反応用緩衝液[10mM 塩化カルシウムおよび10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]に1.0%(w/v)になるようにアガロースLO3を加え、さらに約1.0UのアガラーゼII精製標品を加えて50℃で16時間反応させた。反応終了後、反応液を0.22μmフィルター(ミリポア社製)で濾過した。この反応液を実施例1記載の本発明の酵素の活性測定において使用したものと同条件の高速液体クロマトグラフィーにより分析し、生成したアガロオリゴ糖を確認した。この結果、反応液中にアガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオースが検出され、上記酵素反応により、これらの低分子アガロオリゴ糖が生成していることが確認された。
2mlの反応用緩衝液[10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]に1.0%(w/v)になるようにアガロースLO3を加え、さらに約1.0UのアガラーゼI精製標品を加えて65℃で16時間反応させた。反応終了後、反応液を0.22μmフィルター(ミリポア社製)で濾過した。この反応液を実施例1記載の本発明の酵素の活性測定において使用したものと同条件の高速液体クロマトグラフィーにより分析し、生成したネオアガロオリゴ糖を確認した。この結果、反応液中にネオアガロテトラオース、ネオアガロヘキサオースが検出され、上記酵素反応により、これらの低分子ネオアガロオリゴ糖が生成していることが確認された。
DNA分子量マーカーであるλ−HindIII(宝酒造社製)を1μg分、1.0%(w/v)SeaPlaqueGTGアガロースゲルで電気泳動した。分離した約4.4kbpと約6.6kbpの大きさのDNA断片をゲルごと切り出し、1.5ml容エッペンドルフチューブに入れた。そこに1mlの反応緩衝液[50mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]を添加し、室温で10分間放置した。その後、緩衝液を廃棄して、ゲルのみを残し、67℃で5分間保温することによりゲルを融解させた。そこに精製したアガラーゼI酵素 1.0Uを加え、さらにそのまま10分間保温した。エッペンドルフチューブを氷中に入れ、アガロースゲルが完全に溶解したことを確認した後、常法に従ってエタノール沈殿させ、DNA断片を回収した。これと同じ方法でDNA分子量マーカーである100bpラダーマーカー(宝酒造社製)についても3.0%(w/v)NusieveGTGアガロースゲルからのDNA回収を行った。なお、この際には400bp、500bpのDNA断片を回収した。表2にDNAの回収率につき市販のPseudoalteromonas atlantica由来のβ−アガラーゼ(宝酒造社製)との比較を行った結果を示す。
市販のβ−アガラーゼを使用した場合、アガロースゲルを融解させた後、酵素が働くことが出来る温度にまで温度を下げ、その後酵素を添加しなければならず、又反応温度が低いため、長時間反応させる必要があり、操作の所要時間は長くなる。
一方、本発明のアガラーゼIを使用した場合は、アガロースゲルを融解させた後、直ちに酵素を添加することができ、かつ温度を下げることなく高い温度のままで反応を行うことが出来、所要時間は短くてすむ。
人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリー社製)を1リットル調製し、ペプトン(DIFCO社製)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DIFCO社製)を0.02%(w/v)となるよう加えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH7.8に調整し、これに寒天(ナカライテスク社製)を0.1%(w/v)になるように加え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った。2mlの培地にアガラーゼ生産菌株であるNAB2−1−1をグリセロールストックより10μlを植菌し、37℃で一晩培養した。得られた培養液の1mlを100mlの同培地へ植菌し、同じく37℃で一晩培養し、8,000×g、10分間遠心することにより菌体を回収した。その菌体を10mlの緩衝液A[100mM NaClおよび10mM EDTA(pH8.0)を含む100mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)]に懸濁し、0.25mlのリゾチーム溶液(20mg/ml)を添加、37℃、1時間インキュベートした。次に2.5mlの5.0% SDS含有緩衝液Aを加えた後、60℃で20分間振とうしながらインキュベートし、1.5mlのプロテアーゼK溶液(20mg/ml)を添加した。その後、37℃で一晩インキュベートし、その溶液に対してほぼ等量のフェノールを加えて室温で約10分間穏やかに振とうした。2,000×g、10分間遠心し、その上清を冷エタノールに移し、染色体DNAをガラス棒で巻き取った。染色体DNAを巻き取った後の溶液に、再びほぼ等量のフェノールを加え、同様の操作を行なって再度染色体DNAを巻き取った。得られた染色体DNAを10μlの緩衝液Aに懸濁し、ここに50μlのRNaseA溶液(10mg/ml)を添加した後、37℃で10分間インキュベートした。この溶液から染色体DNAをエタノール沈澱により回収し、5mlの緩衝液B[140mM NaClおよび1mM EDTA(pH7.5)を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)]に懸濁し、同緩衝液で一晩透析し、約5.0mgの染色体DNAを得た。その純度をOD260nm/280nmで検定したところ、両方共に約1.8であり、以下のアガラーゼI、アガラーゼIIのクローニングに使用した。
実施例3で明らかにされたアガラーゼIのN末端側のアミノ酸配列P1(配列番号1)により、配列表の配列番号8、9で表わされる混合プライマー1、2をデザインし、DNA合成機で合成し、精製した。すなわち配列番号8、9で表わされる混合プライマー1、2はそれぞれアミノ酸配列P1のアミノ酸番号4〜10、4〜13のアミノ酸配列に対応している。これらのプライマーを用いてLA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)によりアガラーゼI遺伝子のクローニングを行なった。
一次PCR反応は以下のように行なった。実施例7で調製した染色体DNAを制限酵素BamHIで完全消化し、その末端にBamHIアダプターをDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結した。その一部を0.5ml容PCR用チューブにとり、5μlの10×LA PCR buffer、8μlのdNTP混合液、1μlの混合プライマー1、1μlのプライマーC1(LA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)に添付のプライマー)、0.5μlのTaKaRa LA Taqを加え、滅菌水を加えて50μlとしたものを用いた。この溶液に50μlのミネラルオイルを重層した後、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)により反応を行なった。反応条件は94℃で2分間変性を行なった後、94℃で1分間(変性)→50℃で2分間(プライマーのアニーリング)→72℃で2分間(合成反応)のサイクルを30サイクル行なった。
次にこの反応液をテンプレートとして用い、2次PCRを行なった。1次PCR後の反応液1μlをテンプレートとし、混合プライマー2とプライマーC2(LA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)に添付のプライマー)の組み合わせで1次PCRと同様の条件でPCRを行なった後、上層のミネラルオイルを除去し、次いで5μlを1.0%アガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロミドでDNAを染色し、増幅産物の確認を行なった。その結果、約0.8kbのDNAフラグメントが確認され、該DNAフラグメントをβNと命名した。
この増幅フラグメントβNをアガロースゲルより切り出し、pT7Blueベクターに連結し、大腸菌JM109を形質転換した。該形質転換体を用いて、増幅フラグメントβNの末端領域の塩基配列をジデオキシチェーンターミネーター法にて決定し、N末端側の領域から配列番号10、11に示されるプライマー3、4を、N末端側と異なる端の領域より、配列番号12、13に示すプライマー5、6をデザインし、DNA合成機で合成し精製した。これらのプライマーを利用してLA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)により同様の操作を行なうことによりβN上流と下流のDNA断片をクローニングした。なおこの際のプライマーのアニーリング条件は55℃で1分間行なった。
該ORFの塩基配列を配列表の配列番号20に、該ORFの塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列表の配列番号22に示す。なおβUN中にアミノ酸配列P1部分の塩基配列が存在し、またアミノ酸配列P1より上流に20個のアミノ酸をコードする塩基配列が存在し、そのさらに上流にSD様配列が見出された。
なお、実施例3で明らかにされたN末端アミノ酸配列P1は、配列番号22の21〜33番目のアミノ酸に相当する配列であった。また、実施例3で明らかにされた部分アミノ酸配列PI3(配列番号3)、PI4(配列番号4)は、それぞれ配列表の配列番号22の265〜272番目、367〜376番目のアミノ酸に一致した。
実施例3で明らかにされたアガラーゼIIのN末端側のアミノ酸配列P2(配列番号2)、PII6(配列番号6)により、お互いに異なる鎖にハイブリダイズするように配列表の配列番号14、15で表わされる混合プライマー7、8をデザインし、DNA合成機で合成し、精製した。
すなわち配列番号14で表わされる混合プライマー7はアミノ酸配列P2のアミノ酸番号1〜8に、配列番号15で表される混合プライマー8はアミノ酸配列PII6のアミノ酸番号2〜10をコードするDNAの相補鎖に対応している。
これらのプライマーを用いてLA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)によりアガラーゼII遺伝子のクローニングを行なった。
一次PCR反応は以下のように行なった。実施例7で得られたNAB2−1−1の染色体DNA 10ngを0.5ml容PCRチューブにとり、5μlの10×LA PCR buffer、8μlのdNTP混合液、それぞれ40pmol分の混合プライマー7及び8、0.5μlのTaKaRa LA Taqを加え、滅菌水を加えて50μlとした。この溶液に50μlのミネラルオイルを重層した後、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)により反応を行なった。反応条件は94℃で2分間変性を行なった後、94℃で1分間(変性)→50℃で2分間(プライマーのアニーリング)→72℃で2分間(合成反応)のサイクルを30サイクル行なった。上層のミネラルオイルを除去し、次いで5μlを1.0%アガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロミドでDNAを染色し、増幅産物の確認を行なった。その結果、約600bpのDNAフラグメントが確認され、該DNAフラグメントをαNと命名した。
その際のPCR反応は以下のように行なった。実施例7で調製したNAB2−1−1染色体DNAを制限酵素BamHIで完全消化し、その末端にBamHIアダプターをDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結した。その一部を0.5ml容PCR用チューブにとり5μlの10×LA PCR buffer、8μlのdNTP混合液、1μlのプライマー9、1μlのプライマーC1、0.5μlのTaKaRa LA Taqを加え、滅菌水を加えて50μlとしたものを用いた。この溶液に50μlのミネラルオイルを重層した後、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)により反応を行なった。反応条件は94℃で2分間変性を行なった後、94℃で1分間(変性)→50℃で2分間(プライマーのアニーリング)→72℃で3分間(合成反応)のサイクルを30サイクル行なった。
次にこの反応液をテンプレートとして用い、2次PCRを行なった。1次PCR後の反応液 1μlをテンプレートとし、プライマー10とプライマーC2の組み合わせで1次PCRと同様の条件でPCRを行なった後、上層のミネラルオイルを除去し、次いで5μlを1.0%アガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロミドでDNAを染色し、増幅産物の確認を行なった。その結果、約500bpのDNAフラグメントが確認され、該DNAフラグメントをαUNと命名した。
該ORFの塩基配列を配列表の配列番号21に、該ORFの塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列表の配列番号23に示す。なおαUN中にアミノ酸配列P2部分の塩基配列が存在し、またアミノ酸配列P2より上流にシグナルペプチド様配列をもった26個のアミノ酸をコードする塩基配列が存在し、そのさらに上流にSD様配列が見出された。
なお、アミノ酸配列P2は、配列番号23の27〜36番目のアミノ酸に相当する配列であった。また、実施例3で明らかにされた部分アミノ酸配列PII5(配列番号5)、PII6(配列番号6)、PII7(配列番号7)は、それぞれ配列表の配列番号23の129〜138番目、640〜649番目、738〜747番目のアミノ酸に一致した。
また、推定Ca結合領域が、配列表の配列番号23の171〜184番目、271〜283番目、987〜999番目の3ヵ所に見出された。
プライマー13(配列番号24)は制限酵素EcoRIの認識配列を塩基番号12〜17に持ち、さらにアミノ酸配列(配列番号22)のアミノ酸番号21〜27に相当する塩基配列を塩基番号19〜38に持つ合成DNAである。これと制限酵素PstIの認識配列を塩基番号11〜16にもち、染色体上のアガラーゼIの読み枠から約300bp下流の相補鎖にハイブリダイズするプライマー14(配列番号25)を用いて、以下のようにPCRを行った。0.5ml容PCR用チューブにプライマー13、14を10pmolずつ、テンプレートとしてNAB2−1−1株由来の染色体DNA 10ng、5μlの10×Ex Taq緩衝液、8μlのdNTP混合液、0.5μlのTaKaRa Ex Taqを加え、滅菌水を加えて50μlとした。これを自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)にセットし、94℃で2分間変性を行った後、94℃で1分間→55℃で2分間→72℃で2分間のサイクルを25サイクル行った。このPCR産物をエタノール沈澱により濃縮、脱塩し、制限酵素EcoRI(宝酒造社製)及びPstI(宝酒造社製)で二重消化し、1.0%アガロース電気泳動によりそのEcoRI−PstI消化物を抽出精製した。この精製したものと同酵素で消化したpUC18(宝酒造社製)を混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結した。その後、ライゲーション反応液10μlを用いて大腸菌JM109を形質転換し、その形質転換体を1.5%(w/v)濃度の寒天を含むLB培地(アンピシリン50μg/ml含む)上で生育させた。白色を呈したコロニーからプラスミドを調製し、DNAシークエンシングを行ない、正しくPCR産物が挿入されたプラスミドを選択し、これをpNB101と命名した。pNB101は、アガラーゼIのアミノ酸配列(配列番号22)のアミノ酸番号21〜437のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。プラスミドpNB101で形質転換された大腸菌は、Escherichia coli JM109/pNB101と命名され、平成13年1月10日(原寄託日)より、日本国〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP−7854として寄託されている。
実施例10に準じた条件で、アガラーゼIのアミノ酸配列(配列番号22)のアミノ酸番号21〜27に相当する塩基配列を塩基番号20〜39にもち、さらに制限酵素NdeIの認識配列を塩基番号14〜19にもつプライマー15(配列番号26)と制限酵素XhoIの認識配列を塩基番号12〜17にもち、染色体DNA上のアガラーゼIの読み枠から約300bp下流の相補鎖にハイブリダイズするプライマー16(配列番号27)を用いて、NAB2−1−1株の染色体DNAをテンプレートとして用いたPCRを行った。その増幅断片をエタノール沈澱により濃縮後、NdeI(宝酒造社製)及びXhoI(宝酒造社製)切断し、抽出精製した。これを同酵素で切断したpET16b(宝酒造社製)に連結し、これをpNB201と命名した。pNB201は、アガラーゼIのアミノ酸配列(配列番号22)のアミノ酸番号21〜437のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。
このpNB201で大腸菌BL21(DE3)pLysSを形質転換して得られた形質転換体を用いて、実施例10と同様にβ−アガラーゼの活性を測定したところ、その抽出液に活性が確認された。これは100mlの培養液当たりの活性で比較した場合、NAB2−1−1のもつ活性の約50倍であった。
プライマー17(配列番号28)は制限酵素EcoRIの認識配列を塩基番号10〜15に持ち、さらにアガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号27〜33に相当する塩基配列を塩基番号17〜37に持つ合成DNAである。これと制限酵素BamHIの認識配列を塩基番号11〜16にもち、なおかつ染色体上のアガラーゼIIの読み枠から約250bp下流とハイブリダイズするプライマー18(配列番号29)を用いてPCRを行った。このPCRにはプライマー17、18を10pmolずつ、テンプレートとして野生株であるNAB2−1−1由来の染色体DNA 10ngを用いた。Ex Taq(宝酒造社製)を用いた反応系で、条件は94℃で2分間変性を行った後、94℃で1分間→50℃で2分間→72℃で3分間のサイクルを30サイクル行った。このPCR産物をエタノール沈澱により濃縮し、制限酵素EcoRI(宝酒造社製)及びBamHI(宝酒造社製)で二重消化し、1.0%アガロース電気泳動により、そのEcoRI−BamHI消化物を抽出精製した。実施例10と同様にしてpUC18とのハイブリッドプラスミドを作製し、大腸菌JM109を形質転換した。このハイブリッドプラスミドをpNA101と命名した。pNA101は、アガラーゼIIののアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号27〜1089のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。
プラスミドpNA101で形質転換された大腸菌は、Escherichia coli JM109/pNA101と命名され、平成13年1月10日(原寄託日)より、日本国〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、寄託番号FERM BP−7853として寄託されている。
このpNA101を導入した形質転換体について、細胞破砕液中に10mM 塩化カルシウムを含む以外は実施例10と同様にしてα−アガラーゼ活性を測定したところ、その抽出液に活性が存在した。これは100mlの培養液当たりの活性で比較した場合、野性株であるNAB2−1−1のもつ活性の約15倍であった。
遺伝子工学的手法により、以下に示す改変タンパク質を作製し、それぞれについてα−アガラーゼ活性を確認した。
プライマー19(配列番号30)は、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号181〜188に相当する塩基配列を塩基番号19〜40にもち、さらに制限酵素EcoRIの認識配列を塩基番号12〜17にもつ。
これとプライマー18(配列番号29)を用いて、NAB2−1−1の染色体DNAをテンプレートとしたPCRを行い、実施例12と同様にしてpUC18へ連結し、大腸菌JM109を形質転換した。DNAシークエンシングにより連結部分の配列を確認して、得られたハイブリッドプラスミドをpNA201dとした。これから発現されるタンパク質は、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号180番目までが欠失したものである。即ち、pNA201dはアガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号181〜1089のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。これを細胞破砕液中に10mM 塩化カルシウムを含む以外は実施例10と同様にしてIPTGで発現誘導させ、活性を測定したところ、その抽出液にα−アガラーゼの活性が存在した。これは100ml培養液当たりの活性で比較した場合、NAB2−1−1のもつ活性の2倍程度であった。
プライマー20(配列番号31)は、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号318〜325に相当する塩基配列を塩基番号19〜40にもち、さらに制限酵素EcoRIの認識配列を塩基番号12〜17にもつ。これとプライマー18(配列番号29)を用いてNAB2−1−1の染色体DNAをテンプレートとしたPCRを行い、pUC18とのハイブリッドプラスミド(pNA301d)を作製した。このpNA301dを導入した大腸菌JM109からは、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号317までのペプチドが欠失したタンパク質が発現される。即ち、pNA301dはアガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号318〜1089のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。これを細胞破砕液中に10mM 塩化カルシウムを含む以外は実施例10と同様にして活性を確認したところ、その抽出液にα−アガラーゼの活性が存在した。これは100ml培養液当たりの活性で比較した場合、NAB2−1−1のもつ活性の約15倍であった。またこのpNA301dを導入した形質転換体からの抽出液を、まったくカルシウムを含まない緩衝液[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM EDTA(pH7.2)を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]で透析した後、0.2%アガロース溶液[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM EDTA(pH7.2)を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]を反応させたところ、カルシウムを含んだ緩衝液中と同様に切断活性を示した。
[至適温度]
プロメガ社から発売されているmarine Flavobacterium由来β−アガラーゼであるAgarACE酵素と本発明のアガラーゼIにつき、その酵素化学的性質を比較検討した。
熱溶解した1.0%(w/v)NuSieveGTGアガロース[20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.3)](FMC社製)40μlに、10μlのアガラーゼIまたはAgarACE酵素(プロメガ社製)(添付のデータシートより0.29ユニット分)を添加し、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃で10分間反応させた。この際、予め両酵素の活性を実施例1に記載の方法で測定しておき、各々の反応において酵素活性量が同じになるようにそれぞれの酵素を添加した。反応後、実施例1に記載の方法で酵素活性を算出した。最大酵素活性を100%とした場合の相対値で表した結果を表3に示した。この結果から明らかなようにアガラーゼIの至適温度は50℃〜65℃であり、AgarACE酵素は45℃〜50℃であった。
60℃または65℃で各時間保温したアガラーゼIもしくはAgarACE酵素(添付のデータシートより0.29ユニット分)10μlを、あらかじめ熱融解した1.0%(w/v) NuSieveGTGアガロース[20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.3)](FMC社製) 40μlに添加した。なおこの際、上記と同様に、各々の反応における酵素活性量は同一とした。その後、アガラーゼIについては55℃で10分間、AgarACE酵素については45℃で10分間反応させ、これを実施例1に記載の方法で酵素活性を算出し、非加熱時の活性を100%とした場合の相対値で表した結果を表4に示した。この結果から明らかなようにアガラーゼIでは、65℃、30分間保温でほぼ100%の活性を維持しているのに対し、AgarACE酵素は65℃で10分間保温するとほぼ完全に失活した。
実施例11記載のpNA101、又は実施例13に記載のpNA301dで形質転換した大腸菌JM109を2.5mlのLB液体培地(アンピシリン 50μg/mlを含む)に植菌し、37℃で一晩培養した。次に、この培養液の一部を100mlの同培地に植菌し、37℃で対数増殖期まで培養した。ここでIPTGを終濃度 1.0mMとなるように添加し、培養温度を20℃にして更に2時間培養し、目的のタンパク質の発現を誘導した。その後、菌体を遠心分離により回収し、5mlの細胞破砕溶液[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM 塩化カルシウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]に懸濁した。超音波により菌体を破砕し、遠心分離により上澄みを回収し、該上澄みのα−アガラーゼ活性を測定後、両サンプルの容積あたりの酵素活性が同じになるよう細胞破砕溶液で希釈した。このようにして得られた各々の酵素の抽出液を、カルシウムを含む緩衝液A[10mM 塩化ナトリウムおよび10mM 塩化カルシウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]、またはカルシウムを含まない緩衝液B[10mM 塩化ナトリウムおよび1mM EDTA(pH7.2)を含む20mM Tris−HCl(pH7.2)]で一晩透析した。それぞれの酵素液 20μlを55℃、50℃で10分間保温後、180μlの0.2%アガロース溶液(10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2))と反応させ、残存するα−アガラーゼ活性を実施例1に記載の方法で測定した。結果を表5に示す。
なお、対照として、NAB2−1−1より得られた天然型アガラーゼIIを用いた。
遺伝子工学的手法により、以下に示す改変タンパク質を作製し、それぞれについてα−アガラーゼ活性を確認した。
プライマー21(配列番号34)は、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号290〜297に相当する塩基配列を塩基番号19〜40にもち、さらに制限酵素EcoRIの認識配列を塩基番号12〜17にもつ。
このプライマー21とプライマー18(配列番号29)を用いて、NAB2−1−1の染色体DNAをテンプレートとしたPCRを行い、実施例12と同様にしてpUC18へ連結し、大腸菌JM109を形質転換した。DNAシークエンシングにより連結部分の配列を確認して、得られたハイブリッドプラスミドをpNA401dとした。これから発現されるタンパク質は、アガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号289番目までが欠失したものである。即ち、pNA401dはアガラーゼIIのアミノ酸配列(配列番号23)のアミノ酸番号290〜1089のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。実施例13で得られたpNA301d、又は上記したpNA401dで形質転換した大腸菌JM109を2.5mlのLB液体培地(アンピシリン 50μg/mlを含む)に植菌し、37℃で一晩培養した。次に、この培養液の一部を100mlの同培地に植菌し、37℃で対数増殖期まで培養した。ここでIPTGを終濃度 1.0mMとなるように添加し、培養温度を20℃にして更に2時間培養し、目的のタンパク質の発現を誘導した。その後、菌体を遠心分離により回収し、5mlの細胞破砕溶液[10mM 塩化ナトリウムおよび10mM 塩化カルシウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2)]に懸濁した。超音波により菌体を破砕し、遠心分離により上澄みを回収し、該上澄みのα−アガラーゼ活性を測定後、両サンプルの容積あたりの酵素活性が同じになるよう細胞破砕溶液で希釈した。それぞれの酵素液 20μlを55℃、60℃で10分間保温後、180μlの0.2%アガロース溶液(10mM 塩化ナトリウムを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.2))と反応させ、残存するα−アガラーゼ活性を実施例1に記載の方法で測定した。結果を表6に示す。この結果より、pNA401dはpNA301dと同等もしくはそれ以上の耐熱性を有することが明らかとなった。
なお、対照として、NAB2−1−1より得られた天然型アガラーゼIIを用いた。
また、本発明のアガラーゼを用いることにより、アガロースゲルからの核酸等の抽出を効率よく行なうことが出来る。
本発明のアガラーゼを使用して製造されたアガロオリゴ糖は、アポトーシス誘発作用、制ガン作用、各種の抗酸化作用、免疫調節作用、抗アレルギー作用等の生理活性を有しており、医薬品、飲食品の分野で有用である。
また、本発明によりアガラーゼのアミノ酸および塩基配列が初めて明らかとなり、アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を提供することが可能となった。また該遺伝子を用いるアガラーゼ活性を有するポリペプチドの工業的に有利な遺伝子工学的製造方法が提供される。
さらに、該遺伝子を用いる遺伝子工学的製造方法においてはアガラーゼの誘導生産のために培地にアガロースを添加する必要がないため培養時の手間を省くことが出来、また酵素精製も容易であると考えられる。
さらにまた、本発明により、初めてアガラーゼ遺伝子が提供されたことにより、該遺伝子の情報をもとにして、そこにコードされる組換えポリペプチドおよび該ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその断片、アガラーゼに特異的にハイブリダイズするプローブやプライマーが提供される。
SEQ ID No:2: N-terminal amino acid sequence of agarase II
SEQ ID No:3: Partial amino acid sequence of agarase I
SEQ ID No:4: Partial amino acid sequence of agarase I
SEQ ID No:5: Partial amino acid sequence of agarase II
SEQ ID No:6: Partial amino acid sequence of agarase II
SEQ ID No:7: Partial amino acid sequence of agarase II
SEQ ID No:8: PCR primer 1
SEQ ID No:9: PCR primer 2
SEQ ID No:10: PCR primer 3
SEQ ID No:11: PCR primer 4
SEQ ID No:12: PCR primer 5
SEQ ID No:13: PCR primer 6
SEQ ID No:14: PCR primer 7
SEQ ID No:15: PCR primer 8
SEQ ID No:16: PCR primer 9
SEQ ID No:17: PCR primer 10
SEQ ID No:18: PCR primer 11
SEQ ID No:19: PCR primer 12
SEQ ID No:20: Nucleotide sequence of ORF in agarase I
SEQ ID No:21: Nucleotide sequence of ORF in agarase II
SEQ ID No:22: Amino acid sequence of agarase I
SEQ ID No:23: Amino acid sequence of agarase II
SEQ ID No:24: PCR primer 13
SEQ ID No:25: PCR primer 14
SEQ ID No:26: PCR primer 15
SEQ ID No:27: PCR primer 16
SEQ ID No:28: PCR primer 17
SEQ ID No:29: PCR primer 18
SEQ ID No:30: PCR primer 19
SEQ ID No:31: PCR primer 20
SEQ ID No:32: Designed oligoucleotide primer for amplifying DNA fragment from 16S ribosomal
SEQ ID No:33: Designed oligoucleotide primer for amplifying DNA fragment from 16S ribosomal
SEQ ID No.34: PCR primer 21
Claims (10)
- 下記から選択されるアミノ酸配列を含み、かつD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のβ−1,4結合を加水分解する活性を有するアガラーゼ:
(a)配列表の配列番号22に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号21〜437の417残基からなるアミノ酸配列、
(b)(a)記載のアミノ酸配列に1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、付加若しくは挿入の少なくとも1つが導入されたアミノ酸配列、及び
(c)(a)記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列。 - 微生物NAB2−1−1(FERM BP−7855)より得ることのできる請求項1記載のアガラーゼ。
- 下記から選択される塩基配列を含み、かつD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のβ−1,4結合を加水分解する活性を有するアガラーゼをコードする遺伝子:
(a)請求項1記載のアガラーゼをコードする塩基配列、
(b)配列表の配列番号20に示される塩基配列のうちの塩基番号61〜1311の1251塩基からなる塩基配列、
(c)(b)記載の塩基配列に1若しくは数個の塩基の置換、欠失、付加もしくは挿入の少なくとも1つが導入された塩基配列、及び
(d)(b)記載の塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる塩基配列。 - 微生物NAB2−1−1(FERM BP−7855)より得ることのできる請求項3記載の遺伝子。
- 請求項3記載の遺伝子を含む組換えDNA分子。
- 請求項5記載の組換えDNA分子を有する形質転換体。
- 微生物NAB2−1−1(FERM BP−7855)または請求項6記載の形質転換体を培養する工程、および該培養物からアガラーゼを採取する工程を包含することを特徴とする請求項1記載のアガラーゼの製造方法。
- アガロースゲルから物質を抽出する方法であって、請求項1記載のアガラーゼによりアガロースゲルを分解する工程を包含する方法。
- 請求項8記載の方法に使用されるキットであって、請求項1記載のアガラーゼを含有することを特徴とするキット。
- 反応至適温度が55〜65℃である請求項1記載のアガラーゼ。
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