JP2005229889A - ネオアガロビオース生産酵素をコードするポリヌクレオチドおよびその利用 - Google Patents

ネオアガロビオース生産酵素をコードするポリヌクレオチドおよびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】β−アガラーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列等を明らかにし、これらを利用してβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドを発現させ、ネオアガロビオースの選択的製造方法に利用すること。
【解決手段】 寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするポリペプチドの特定のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドおよびこれらを利用したβ−アガラーゼの製造方法ならびにネオアガロビオースの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、β−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及び当該ポリヌクレオチドを利用したネオアガロビオースの製造方法に関する。さらに詳しくは、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖のβ−1,4結合を選択的に加水分解する特異的なβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及び当該ポリヌクレオチドが導入された形質転換体により生産されたβ−アガラーゼを利用する選択的なネオアガロビオースの製造方法に関する。
紅藻類、テングサ等に存在する寒天は便秘改善、腸内コレステロール吸収阻害、ダイオキシン等の有害物質の排出作用等様々な効用を有することが知られている。この寒天はアガロースとアガロペクチンと名づけられた多糖からなり、その比率は約7:3である。この寒天の主成分であるアガロースは、ガラクトースと3,6−アンヒドロガラクトースとが交互にそれぞれβ−1,4結合、α−1,3結合で直鎖状に並んだ構造を持っている。アガロースを酸によって分解するとα−1,3結合が切断され様々な長さを有するアガロオリゴ糖が生成する。一方、土壌や海洋生物に見出される寒天分解酵素(β−アガラーゼ)は、β−1,4結合を特異的に加水分解するため、ネオアガロビオースを構成成分とするネオアガロオリゴ糖を生成する。
上記ネオアガロビオースは他のネオアガロオリゴ糖成分と異なり、高い保湿性と美白作用を兼ね備えていることが報告されており、化粧品素材として有用であることが報告されている(特許文献1、非特許文献1)。
従来から、微生物による酵素反応を利用し、アガロースからネオアガロオリゴ糖を製造する方法は数多く報告されており、例えば、アガロースからのネオアガロビオースの製造にビブリオ(Vibrio)属が有するβ−アガラーゼ遺伝子を利用することが報告されている(特許文献2、非特許文献2)。
しかしながら、これらの既存のβ−アガラーゼの特異性は、例えば、ネオアガロヘキサオース(6糖)やネオアガロテトラオース(4糖)、アガロヘキサオース(6糖)、アガロテトラオース(4糖)等の低分子のものにおいて低く、生成物は必ず2種以上のネオアガロオリゴ糖の混合物としてのみ得られてしまうという欠点がある。
一方、本発明者らは現在までに寒天やアガロースあるいは4糖以上のネオアガロオリゴ糖からネオアガロビオースを選択的に生産する菌体内β−アガラーゼを有する微生物としてアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株を取得し、これを用いたネオアガロビオースの製造法を報告している(特許文献3)。
しかしながら、上記報告ではアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株の休止菌体若しくはアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株から精製される寒天分解酵素を用いているため、培養条件等を改良しても生産量に限りがあり、未だ工業生産レベルへ増加させるまでには至っていない。
特開平08−310937号公報 特開平06−284888号公報 特開平08−149979号公報 Usami, S. et al., Biosci.Biotech. Biochem. 61(1):162-163 (1997) Sugano, Y. et al., Appl. Environ.Microbiol. 59 (11), 3750-3756 (1993)
従って、本発明の解決すべき課題は、上記の微生物の有するβ−アガラーゼ活性をコードするポリヌクレオチド配列等を明らかにし、これを利用してβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドを大量に発現させ、ネオアガロビオースを大量に選択的に製造することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株から、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的にネオアガロビオースとするβ−アガラーゼをコードする遺伝子を単離し、そのヌクレオチド配列を明らかにした。また、アルテロモナス・エスピーE−1株で実際に生産されるβ−アガラーゼをコードするヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列を有する遺伝子全長に相当するものではなく、その一部分に相当するものであることを明らかにした。そして、前記ヌクレオチド配列をアルテロモナス・エスピーE−1株と異なる微生物に導入することにより、β−アガラーゼ生産能が賦与された新規な微生物を創製し、これを用いることで効率よくβ−アガラーゼを製造できることを見出した。更に、このようにして得られた新規微生物を、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖に作用させることにより、効率的かつ選択的にネオアガロビオースを製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするポリペプチドのアミノ酸配列をコードする以下の(a)〜(g)に示すポリヌクレオチドを提供するものである。
(a)配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド
(b)配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド
(c)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列により
表されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(d)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番において1若しくは複数個のア
ミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド
(e)配列番号1記載のヌクレオチド配列により表されるポリヌクレオチド
(f)配列番号1記載のヌクレオチド配列の94〜2394番により表されるポリヌク
レオチド
(g)(a)〜(f)のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズ
するポリヌクレオチド
また、本発明は、前記ポリヌクレオチドがコードするアミノ酸配列により表されるポリペプチドを提供するものである。
更に、本発明は、以下の性質を有するポリペプチドを提供するものである。
(1)作用:
寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖のβ−1,4結合を加水
分解して、ネオアガロビオースを生成する。
(2)基質特異性:
アガロース、ネオアガロヘキサオース、ネオアガロテトラオースに作用し、速や
かにネオアガロビオースに分解する。しかし、ネオアガロビオースやラクトース (乳糖)には作用しない。
(3)至適温度:
40℃
安定温度:
40℃以下
(4)分子量:
約180kDa(ゲルろ過クロマトグラフィーによる)、かつ約82kDa(S
DS−PAGEによる)の2量体
また更に、本発明は、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖に、前記ポリペプチドまたは前記ポリヌクレオチドを含有するプラスミドを導入した形質転換体を培養することにより得られるポリペプチドを作用させて選択的にネオアガロビオースを得ることを特徴とするネオアガロビオースの製造方法を提供するものである。
更にまた、本発明は、前記ポリペプチドまたは前記ポリヌクレオチドを含有するプラスミドを導入した形質転換体を培養し、当該培養物中から採取することを特徴とする寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするポリペプチドの製造方法を提供するものである。
本発明のポリヌクレオチドはβ−アガラーゼ活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列をコードするものであるため、これを利用することにより種々の微生物等において当該ポリペプチドを効率よく製造することができる。
また、このβ−アガラーゼは常温、常圧の穏和な反応条件で寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的にネオアガロビオースとすることができるので、高収率でネオアガロビオースを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリヌクレオチドは、寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするβ−アガラーゼ(以下、「ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼ」という)をコードするものである。
このネオアガロビオース生産型β−アガラーゼは、例えば、本発明者らが先に報告したアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株から得ることができる。このアルテロモナス・エスピー E−1株は、FERM P−14664として平成6年11月25日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託したものであり、この株は、16S rDNAのヌクレオチド配列の決定より、セルビブリオ・エスピー(Cellvibrio sp.)に近いことが明らかになっている。
上記アルテロモナス・エスピー E−1株より得られるネオアガロビオース生産型β−アガラーゼは以下の性質を有するものである。
(1)作用:
寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖のβ−1,4結合を加水
分解して、ネオアガロビオースを生成する。
(2)基質特異性:
アガロース、ネオアガロヘキサオース、ネオアガロテトラオースに作用し、速や
かにネオアガロビオースに分解する。しかし、ネオアガロビオースやラクトース
(乳糖)には作用しない。
(3)至適温度:
40℃
安定温度:
40℃以下
(4)分子量:
約180kDa(ゲルろ過クロマトグラフィーによる)、かつ約82kDa(S
DS−PAGEによる)の2量体
本明細書において、ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼの「至適温度」とは、特定のpH(例えば、pH7.5)において酵素活性を測定したときに、最も高い活性レベルを示す温度を指す。
また、本明細書において、ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼの「安定温度」とは、該酵素溶液を種々の温度に一定時間(例えば、30分間)放置した後、特定の温度(例えば、40℃)に再調整し、特定のpH(例えば、pH7.5)において残存する酵素活性を測定したときに、最も高い活性レベルを100%として、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上の活性レベルを示す温度範囲を指す。
上記のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼは、以下の(1)〜(4)のアミノ酸配列により表されるポリペプチドであり、好ましくは(1)または(3)のアミノ酸配列により表されるポリペプチドである。
(1)配列番号2記載のアミノ酸配列
(2)配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列
(3)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列
(4)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番において1若しくは複数個のア
ミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列
上記のアミノ酸配列のうち、例えば配列番号2記載のアミノ酸配列は、スガノらが報告(Sugano, Y. et al., Appl. Environ. Microbiol. 59(11), 3750-3756(1993))しているビブリオ・エスピー(Vibrio sp.)JT0107株由来のβ−アガラーゼであるAgaB及びAgaAのアミノ酸配列とそれぞれ40%、32%の相同性を示す。しかしながら、AgaBがコードするタンパク質はアガロース加水分解活性は示すがネオアガロビオースにまでは分解できず、また、AgaAがコードするタンパク質はネオアガロビオースの他に4糖のネオアガロオリゴ糖であるネオアガロテトラオースが生成するものであり、本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼとはその性質において異なる。さらに、FASTA及びBLASTプログラムによりデータベース検索を行ったが、上記アミノ酸配列と40%以上の相同性を示すものは検出されなかった。
本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、上記(1)〜(4)に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが挙げられ、具体的には、以下の(a)〜(g)に示すものが挙げられる。
(a)配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド
(b)配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド
(c)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列により
表されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(d)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番において1若しくは複数個のア
ミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド
(e)配列番号1記載のヌクレオチド配列により表されるポリヌクレオチド
(f)配列番号1記載のヌクレオチド配列の94〜2394番により表されるポリヌク
レオチド
(g)(a)〜(f)のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズ
するポリヌクレオチド
上記ポリヌクレオチドは、例えば、アルテロモナス・エスピー E−1株等のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを産生する微生物から、後述する実施例1、実施例2及び実施例3に記載された方法により得ることができる。
具体的には、配列番号2記載のアミノ酸配列または配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列に対応するヌクレオチド配列を基にPCRプライマーを作成し、これを用いてアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株から調製されたDNAを鋳型としてPCRを行うことによって得ることができる。
このようにして得られるヌクレオチド配列としては配列番号1記載のポリヌクレオチドまたは配列番号1記載のヌクレオチド配列の94〜2394番により表されるポリヌクレオチドが挙げられる。
また、配列番号2記載のアミノ酸配列または配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜794番に表されるアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列でネオアガロビオース生産型β−アガラーゼ活性を有するポリペプチド(以下、「欠失型ポリペプチド」という)をコードするポリヌクレオチドを利用しても、ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを産生する微生物からこの欠失型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを得ることができる。
このポリペプチドを得るに当たっては、公知の技術、例えば、ゾラーらが報告(Zoller
et al., Nucleic Acids Res.10 6487-6500, (1982))している部位特異的変異誘発法により配列番号2記載のアミノ酸配列または配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを改変することにより得ても良い。
なお、上記したポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドも、上記ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼのアミノ酸配列をコードするものとして使用することができる。ここにおいて、ハイブリダイズさせるためのストリンジェントな条件としては、目的の遺伝子を含まれるポリヌクレオチドをプローブとして用いて、68℃で18時間でサザンハイブリダイゼーションの反応を行うといった条件が挙げられる。
斯くして得られる本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド(以下、「agaI」ということもある)は、例えば、前記ビブリオ・エスピー(Vibrio sp.)JT0107株由来のβ−アガラーゼであるAgaB及びAgaAのヌクレオチド配列とそれぞれ53%、49%の相同性を示す。しかし、AgaBがコードするタンパク質はアガロース加水分解活性を示すがネオアガロビオースにまでは分解できず、また、AgaAがコードするタンパク質はネオアガロビオースの他に副生成物として4糖のネオアガロオリゴ糖であるネオアガロテトラオースの生成が避けられないので、本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼとはその性質において異なる。
さらに、agaIについてFASTA及びBLASTプログラムによりデータベース検索を行ったが、上記agaIと40%以上の相同性を示すヌクレオチド配列は検出されなかった。
本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを効率的に産生させるためには、このβ−アガラーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが組み込まれたベクターを利用することが好ましい。
このベクターは、上記のようにして得られたネオアガロビオース生産型β−アガラーゼをコードするポリヌクレオチドを含むDNA断片を作製し、これを公知の方法で適切なベクターに挿入することにより作製することができる。
DNA断片を挿入するベクターは、形質転換する宿主に応じて決めればよく、例えば、プラスミドベクター、ファージミドベクター、コスミドベクター及び酵母ベクター等が挙げられる。これらのベクターの中でも宿主として大腸菌を使用するのであれば、強力なプロモーターである、lac、lacUV5、trp、tac、trc、λpL、T7、rrnB等を含むpUR系、pGEX系、pUC系、pET系、pT7系、pBluescript系、pKK系、pBS系、pBC系、pCAL系等のベクターを使用するのが好ましい。
上記のようにして得られたベクターは、これを適切な宿主に導入し、得られた形質転換体(形質導入体)を培養することにより、目的とするネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを効率的に得ることができる。
宿主細胞にベクターを導入し、形質転換体とするには、上記のようにして得られたベクターを電気パルス法、コンピテントセル法、接合伝達法、プロトプラスト法等当技術分野において公知の技術を用いれば良い。これらの方法は、例えば、サムブルック(Sambrook)らの成書(Molecular Cloning Laboratory Mannual 2nd ed.)に記載されている。
また、上記ベクターを導入する宿主としては、植物細胞や動物細胞等であってもよいが、大腸菌等の微生物が好ましい。代表的な菌株としては、サムブルック(Sambrook)らの成書(Molecular Cloning Laboratory Mannual 2nd ed.)に記載されている、71/18、BB4、BHB2668、BHB2690、BL21(DE3)、BNNl02(C600hflA)、C−1a、C600(BNN93)、CES200、CES201、CJ236、CSH18、DH1、DH5、DH5α、DP50supF、ED8654、ED8767、HB101、HMS174、JM101、JM105、JM107、JM109、JM110、K802、KK2186、LE392、LG90、M5219、MBM7014.5、MC1061、MM294、MV1184、MV1193、MZ−1、NM531、NM538、NM539、Q358、Q359、R594、RB791、RR1、SMR10、TAP90、TG1、TG2、XL1−Blue、XS101、XS127、Y1089、Y1090hsdR、YK537等が挙げられる。
なお、上記した形質転換体からネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを製造するには、当該形質転換体を、その生育に最適な培地、条件で培養した後、当該培養物中から、常法に従ってネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを分離、採取すれば良い。
具体的な培養例としては、pET系ベクターと大腸菌BL21(DE3)株を用いてアンピシリンおよびイソプロピルチオガラクトシドを含んだLB培地で18時間培養するものがあり、また、分離、精製例としては大腸菌を遠心分離して集め、超音波破砕(0℃、20KHz、30分)したのち得られる無細胞抽出液を陰イオンカラムクロマトグラフィーおよびゲルろ過カラムクロマトグラフィーで分離するといった方法が挙げられる。
また、上記ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを用いたネオアガロビオースの製造は、例えば、これを寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を含有する溶液中に加え、適切な条件で保持することにより行われる。
より具体的に、寒天等に上記ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを作用させてネオアガロビオースを製造するには、寒天等を溶解させ、pHを8.0に調整したTris−HCl緩衝液中に上記ネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを添加し、振とうを加えながら40℃で保持すればよい。
上記のネオアガロビオースの製造方法によれば、選択的にネオアガロビオースを製造できるため、従来のネオアガロビオースの製造方法に比べ、経済性が高いものである。すなわち、従来の方法では副生成物の生成が不可避で、最終的に生成物中から副生生物を分離する必要があったが、本発明の製造方法によれば、副生成物とオアガロビオースを分離する必要がなく、製造工程を簡略化できる。さらに、形質転換体を利用することにより該酵素の大量利用が可能となり、高選択的かつ高収率でネオアガロビオースを製造することが可能とすることができる。
以下、本発明の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中の遺伝子操作に関連した実験は、主に前記したサムブルックらの成書に詳述されている方法に従って行った。
実 施 例 1
アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株のDNAの抽出:
アルテロモナス・エスピー E−1株(以下、単に「E−1株」という)(FERM P−14664)のDNA抽出は以下のように行った。まず、表1に示した組成の培地100mlを500ml容量のエルレンマイヤーフラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ殺菌を行った。これに表2に示した組成の培地に1.5%の寒天を加えた培地中で維持されているE−1株を1白金耳で接種し、これを30℃の恒温室にて120rpmで24時間振とう培養を行い、菌体を増殖させた。培養終了後、培養液を4,000×gで5分間遠心分離を行い、菌体を回収した。この回収した菌体を6mlのTris−HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、100mg/mlのリゾチーム溶液を20μl及び20%SDS溶液を200μl加えて溶菌を行った。さらに遠心分離を行って、上清を得た。次いでこの溶液に20mg/mlのProteinase K溶液を45μl添加し、37℃で10分間反応させた後、RNaseA処理を行い、更にフェノール・クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿によりDNAを抽出した。
Figure 2005229889
Figure 2005229889
実 施 例 2
全DNAライブラリーの作製:
E−1株の全DNAライブラリーは以下のようにして作製した。まず、ベクターとして用いるファージ(LAMBDA DASH II;ストラタジーン製)のDNAを、SDSを加えて溶菌させ、プロテアーゼ、次いで RNaseA で処理した後、フェノール・クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿により回収した。次いで、実施例1で抽出したE−1株からのDNA約0.2μgを、ファージ(LAMBDA DASH II/BamHIアーム;ストラタジーン製)約2μg と2ユニットのT4DNAリガーゼ存在下、4℃で18時間反応させた。この反応混合物を、ギガパック IIXL パッケージング エクストラクト( Gigapack IIXL packaging Extract;ストラタジーン製)と反応させることにより、インビトロ(in vitro)パッケージングを行い、ファージライブラリーを作製した。さらにこれを制限酵素 Sau3AIで消化し、精製を行った後、制限酵素BamHIで消化したファージDNAに連結し、パッケージングを行った。得られたファージを、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)Xli−Blue MRA(P2)(ストラタジーン製)に感染させることにより全DNAライブラリーを作製した。
実 施 例 3
全DNAライブラリーのスクリーニング:
(1)プローブの作製
β−アガラーゼをコードする遺伝子を取得するためのファージライブラリーのスクリーニングに用いるDNAプローブとしては、化学合成したジゴキシゲニン(DIG)標識オリゴヌクレオチドプローブ(ADDP-DIG)及びPCRにより得られた約0.6kbpの PstI断片を鋳型として用いてランダムプライム法(マルチプライム法)により作製したDIG標識プローブ(DIG-11-dUTP)を使用した。ランダムプライム法によるDIG標識プローブの調製法は、製造元であるベーリンガーマンハイム社のプロトコールに従った。
DIG 標識プローブは、以下のようにして調製した。すなわち、まず、E−1株を培養し、常法に従ってネオアガロビオース生産型β−アガラーゼを精製した。この精製されたβ−アガラーゼのアミノ酸末端及び内部のアミノ酸配列を決定した。それらの配列を以下に示す。
アミノ酸末端: NH―QEEAADK―COOH
内部アミノ酸配列: NH―FIGAHWF―COOH
上記のアミノ酸配列をもとに以下に示すようなPCR用プライマーを作成した。
センスプライマー:
5'−AAGCCTGGGTGGAACAAA−3'
アンチセンスプライマー:
5'−GCTGAAGGTAGCTTGGTA−3'
上記のセンスプライマーとアンチセンスプライマーを用いて、実施例1に記載の方法により調製したE−1株のDNA を鋳型として用いてPCRを行った。PCRの条件は以下の通りである。
<PCRサイクル>
95℃ 1min 1回
95℃ 1min ↓
58℃ 1min この間を25回繰り返す
72℃ 2min ↑
72℃ 5min 1回
上記の条件でPCRを行った結果、約2kbの増幅フラグメントを与えることが確認された。このフラグメントをβ−アガラーゼをコードする遺伝子の一部分であると考え、次にこのフラグメントを用いて以下の手順でDIG標識オリゴヌクレオチドプローブを作製した。
得られたフラグメント1μg(5μl)を沸騰した熱湯中で10分間熱変性させ、氷上で冷却した。得られた変性DNA溶液に、10μlのヘキサヌクレオチド混合液(0.5MのTris−HCl、0.1MのMgCl、1mMのジチオエリスリオール(Dithioerythriol)、2mg/mlのBSA、3.143mg/mlのランダム・プライマー(Random Primer)を含むpH7.2の溶液)、10μlのdNTP標識混合液(1mMのdATP、1mMのdCTP、1mMのdGTP、0.65mMのdTTP、0.35mMのDIG−dUTPを含むpH7.5の溶液)、70μlの滅菌蒸留水及び5μl(10units)のクレノウ(Klenow)酵素を添加して、37℃で1時間反応させた。反応液に、0.5MのEDTA 溶液を5μl 添加して反応を停止させた。次に8MのLiClを5μl及び275μlの冷エタノール(−20℃)を添加して、−80℃で20分間放置したのち、14,000×gで20分間遠心を行い、DNAを沈殿させた。沈殿したDNAを冷70%(w/v)エタノールで洗浄後、吸引乾燥したのち、50μlのTE緩衝液に溶解して、DIG 標識プローブを調製した。
(2)ファージライブラリーからのスクリーニング
β−アガラーゼをコードする遺伝子のスクリーニングは上述の方法で調製したDIG標識プローブを用い、ハイボンド N(Hybond N+)メンブレン(バイオラッド製)に転写されたプラークに対するプラークハイブリダイゼーションにより行った。ハイブリダイズするクローンの検出にはDIG−ELISA(ベーリンガーマンハイム製)を用いた。ゲノムライブラリーより約3,000個のファージプラークを、プローブを用いてスクリーニングしたところ、5個の陽性プラークが検出された。検出された陽性プラークを用いてファージクローンを調製し、それらのクローンから、キアゲン・ラムダ(QIAGEN Lambda)キット(キアゲン製)を用いてファージDNAを抽出した。さらに、これら5種のファージDNAをXbaI、SalI、NotI、EcoRIを用いて消化して得られたDNA断片についてプラークハイブリダイゼーションに用いたプローブを用いてサザーンプロット分析を行い制限酵素地図の作製を試みたところ、1クローンから制限酵素地図を作製することができた。これにより約7kbのSalI断片にハイブリダイズすることが確認された。一方、他の4クローンでは制限酵素地図が作成できなかった。
実 施 例 4
ヌクレオチド配列の決定:
(1)組換えプラスミドの構築
β−アガラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチド配列決定をおこなうため、プローブ陽性ファージクローンから抽出されたDNAを用いて、ベクターをプラスミドpUC19(ニッポンジーン製)、宿主を大腸菌JM109株(ニッポンジーン製)としてサブクローニングを行った。そして、プローブ陽性ファージクローンから調製したDNA、約0.2μgをSalIを用いて制限消化し、得られたDNA断片の電気泳動を行い、約7kbの挿入DNA断片を精製した。次いでこれを、pUC19をSalIで処理して得た制限消化物を脱リン酸化したものと連結させ、得られたハイブリッドDNAを用いて大腸菌JM109株を形質転換して組換え大腸菌を得た。この組換え大腸菌からプラスミドを常法により抽出し、組換えプラスミドを得た。この組換えプラスミドに対し、実施例3記載の二つのプライマーによるPCR及びプラークハイブリダイゼーションに用いたプローブによるサザーンハイブリダイゼーションを行った結果、この組換えプラスミドがβ−アガラーゼをコードする遺伝子を保持していることを確認した。
(2)ヌクレオチド配列の決定
得られた組換えプラスミドを用いてβ−アガラーゼをコードする遺伝子のヌクレオチド配列の決定を行った。まず、ヌクレオチド配列を読み進める際に明らかになった配列をもとにして新たなプライマーを設計し、これを化学合成法により作製した。このプライマーを用いて、組換えプラスミドを鋳型とするPCRを行い、新たに明らかになった配列を基にしたプライマーを設計した。これを繰り返すことで遺伝子の全域のヌクレオチド配列を決定した。試料の精製は、オートセックG−50(AutoSeqTM G-50;アマシャムバイオサイエンス製)を用いて行った。配列決定は、DYエナミック ET ターミネーター サイクル シーケンシング キット(DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit;アマシャムバイオサイエンス製)を用いて行い、ABIプリズム 310(ABI Prism 310;アプライドバイオシステム製)によりヌクレオチド配列を決定した。得られたヌクレオチド配列データは、GENETYX−MAC/ATSQ v3.0(ゼネティックス製)及びGENETYX−Win v6.0(ゼネティックス製)を用いて解析した。
上記決定されたヌクレオチド配列中のORFを探索した結果、2,394bpのORFが見つかった。このORFは798個のアミノ酸をコードし推定分子量は83.5kDaであった。このORFを含むヌクレオチド配列を配列番号1に、そのヌクレオチド配列から推定されるアミノ酸配列を配列番号2に示す。
上記ORFのヌクレオチド配列の相同性検索の結果、この配列はビブリオ・エスピー(Vibrio sp.)JT0107株(Sugano, Y. et al., Appl. Environ. Microbiol. 59 (11), 3750-3756 (1993))由来のβ−アガラーゼAgaB及びAgaAとアミノ酸配列で比較してそれぞれ40%、32%の低い相同性しか確認されなかった。また、数種のβ−アガラーゼとは局所的に15%前後という非常に低い相同性しか確認されなかった。
実 施 例 5
β−アガラーゼの大腸菌内での発現:
(1)組換え大腸菌の作成
β−アガラーゼを発現する大腸菌を作製するためにプラスミドの構築を行った。まず、実施例4で明らかになった配列番号1記載のヌクレオチド配列をもとに以下に示すようなPCR用プライマーを作製した。
センスプライマー:
5'−GGAATTCCATATGATGATGAGCTCGAGT−3'
アンチセンスプライマー:
5'−GTGGATCCAAGAGCCAGCCATTACTG−3'
上記のセンスプライマーとアンチセンスプライマーを用いて、実施例4で得られた組換えプラスミドを鋳型とするPCRを行った。PCR条件は以下の通りである。
<PCRサイクル>
95℃ 1min 1回
95℃ 1min ↓
60℃ 1min この間を25回繰り返す
72℃ 2.5min ↑
72℃ 5min 1回
上記の条件でPCRを行った結果、約2.4kbの増幅フラグメントを与えることが確認された。このフラグメントを精製した後、これの約0.2μgをNdeI、BamHIを用いて消化し、得られたDNA断片を精製した。この精製DNA断片と、pET21−a(+)(ノバジェン製)を同様にNdeI、BamHIで処理して得た制限消化物を連結させ、得られたハイブリッドDNAを用いて大腸菌BL21(DE3)株(ノバジェン製)を形質転換して組換え大腸菌を得た。得られた組換え大腸菌のプラスミドpEAgaIを抽出し、上記二つのプライマーによるPCR及びヌクレオチド配列解析を行った結果、得られた組換えプラスミドがβ−アガラーゼをコードするポリヌクレオチドを保持していることを確認した。
(2)無細胞抽出液の調製
上記で得られた組換え大腸菌がβ−アガラーゼを発現するかを確認するために、無細胞抽出液を以下の方法で調製した。まず、上記(1)で作製した組換え大腸菌の終夜培養液を50mg/mlのアンピシリンを含む100mlのLB培地(LB−Amp培地)に接種して、OD600が0.6となるまで30℃で4時間培養した。次いでこの培養液にIPTGを終濃度0.8mMとなるように加え、さらに14時間培養して培養菌体を得た。この培養菌体を集菌・洗浄した後、20mlのTris−HCl緩衝液(10mMのTris−HClを含むpH8.0の溶液)に懸濁した。菌体懸濁液を超音波破砕機により10分間の処理を2回行い、さらに30,000×gで10分遠心分離し、無細胞抽出液を調製した。
(3)無細胞抽出液の性質:
無細胞抽出液の反応は以下のようにして行った。まず、調製した無細胞抽出液0.2mlを、0.125%(w/v)のアガロース、ネオアガロヘキサオース及びネオアガロテトラオースを含む0.8mlのTris−HCl緩衝液に加え、40℃で往復振盪を行うことにより反応させた。次いで、得られた反応液を100℃の熱湯中に5分間おくことで反応を停止させ、室温まで冷却後TLCもしくはHPLCにより反応生成物の分析を行った。
上記で得られた無細胞抽出液を用い、ネオアガロヘキサオースを基質として反応を行ったときの1分間あたりのネオアガロヘキサオースの分解活性を図1に示す。図1に示すように無細胞抽出液にはネオアガロヘキサオースを基質としてネオアガロビオースが生成する反応が40℃において進行することが認められ、β−アガラーゼ活性を有することが確認された。無細胞抽出液のβ−アガラーゼ活性は、1.12U/mgと計算され、E−1株の無細胞抽出液の17.6倍の比活性を示した。また、アガロースまたはネオアガロテトラオースを基質とした場合も同様にネオアガロビオースが選択的に生成した。これによりクローニングされたE−1株由来のβ−アガラーゼが大腸菌BL21(DE3)株において発現し、ネオアガロビオース生産に利用可能であることが明らかになった。なお、ここで1ユニット(U)は1分間に1μmolのネオアガロビオースを生産する酵素量と定義する。
また、このβ−アガラーゼは、以下のような性質を有していた。
(1)酵素活性:
市販の寒天(和光純薬製)およびアガロース(ニッポンジーン製)は、0.5%濃度となるように20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)に加熱溶解した後に40℃に保温し、また、ネオアガロヘキサオース(シグマ製)およびネオアガロテトラオース(シグマ製)は0.1%の濃度となるように20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)に常温で溶解して試験液を調製した。 各試験液に得られたβ−アガラーゼを添加して、40℃で1時間攪拌しながら反応させたところ、いずれの試験液においてもネオアガロビオースのみが得られ、他のオリゴ糖や単糖は検出されなかった。
(2)pH安定性:
20mM クエン酸−リン酸緩衝液および20mM Tris−HCl緩衝液を用い、pH5.0〜9.5の範囲におけるβ−アガラーゼの安定性を調べた。この結果より、基質が存在しない条件下においては、pH6.0〜9.0の範囲で安定であることが示された。
また寒天を基質としたとき最適pHは7.5であり、pH8.0においても高い活性(最高活性の95%)を有することが示された。pH安定性や最適pHは元株アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株由来のβ−アガラーゼと同一であった。
(3)熱安定性:
pH7.5の条件で、20℃〜70℃の範囲での精製酵素の安定性を調べた。寒天を基質とする反応において最適温度は40℃であることが示された。また、熱安定性に関しては40℃以下では安定であったが50℃では約3%まで活性が低下した。熱安定は元株アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株由来のβ−アガラーゼと同一であった。
(4)分子量:
得られたβ−アガラーゼをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法に供したところ、一本の単一なバンドが検出され、分子量は約82,000 kDaであった。さらに、この精製酵素について、Superdex200(アマシャムバイオサイエンス製)を用いてゲル濾過法による分子量を測定したところ、約180,000 kDaであった。
実 施 例 6
アガロースからのネオアガロビオースの選択的製造:
実施例5で得られたβ−アガラーゼ活性を有する無細胞抽出液の0.2mlを、0.5%(w/v)のアガロースを含む0.8mlのTris−HCl緩衝液に加え、40℃で往復振盪を行うことにより反応を行ったときのネオアガロビオースの収率と反応時間の関係を図2に示す。図2に示すように、12時間以内に97%のアガロースがネオアガロビオースに分解されることが確認された。TLCにおいて他のネオアガロオリゴ糖の生成を測定したところ、ネオアガロビオース以外の生成物は認められなかった。
実 施 例 7
成熟型β−アガラーゼを生産する組換え大腸菌の作製:
実施例3で明らかになったアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株の生産するβ−アガラーゼのアミノ酸末端配列は、実施例4で決定したヌクレオチド配列によって特定されるポリペプチドのアミノ酸末端配列よりも30アミノ酸残基短いことが認められた。これによりE−1株が生産するβ−アガラーゼは成熟型であると推定された。そこで、E−1株が生産する成熟型β−アガラーゼと同一の組換えβ−アガラーゼを大腸菌内で発現させるため、実施例4で決定したヌクレオチド配列によって特定されるポリペプチドのアミノ酸末端配列よりも30アミノ酸残基短い配列(配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番)に対応する配列番号1記載の94〜2394に相当するポリヌクレオチド(aga1−m)を保持したプラスミドpEAGAI−Mを実施例5と同様に作製し、大腸菌において発現させた。
(1)組換え大腸菌の作製
成熟型β−アガラーゼを発現する大腸菌を作製するためにプラスミドの構築を行った。まず、実施例4で明らかになった配列番号1記載のヌクレオチド配列をもとに、それから上記ヌクレオチド配列を得るため、以下に示すようなPCR用プライマーを作製した。
センスプライマー:
5'−GGGAATTCCATATGCAGGAAGAGGCGGCA−3'
アンチセンスプライマー:
5'−GTGGATCCAAGAGCCAGCCATTACTG−3'
上記のセンスプライマーとアンチセンスプライマーを用いて、実施例4で得られた組換えプラスミドを鋳型とするPCRを行った。PCR条件は以下の通りである。
<PCRサイクル>
95℃ 1min 1回
95℃ 1min ↓
60℃ 1min この間を25回繰り返す
72℃ 2.5min ↑
72℃ 5min 1回
上記の条件でPCRを行った結果、約2.4kbの増幅フラグメントを与えることが確認された。このフラグメントを精製した後、これの約0.2μgをNdeI、BamHIを用いて消化し、得られたDNA断片を精製した。この精製DNA断片と、pET21−a(+)を同様にNdeI、BamHIで処理して得た制限消化物を連結させ、得られたハイブリッドDNAを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換して組換え大腸菌を得た。得られた組換え大腸菌のプラスミドpEAGAI−Mを抽出し、上記二つのプライマーによるPCR及びヌクレオチド配列解析を行った結果、得られた組換えプラスミドが成熟型β−アガラーゼをコードするポリヌクレオチド(aga1−m)を保持していることを確認した。
(2)無細胞抽出液の調製
得られた組換えAgaIの発現を確認するため大腸菌BL21(DE3)/pEAGAI−M株の無細胞抽出液を以下の方法で調製した。まず、上記(1)で作製した組換え大腸菌の終夜培養液を50mg/mlのアンピシリンを含む100mlのLB培地(LB−Amp培地)に接種して、OD600が0.6となるまで30℃で4時間培養した。次いでこの培養液にIPTGを終濃度0.8mMとなるように加え、さらに14時間培養して培養菌体を得た。この培養菌体を集菌・洗浄した後、20mlのTris−HCl緩衝液(10mMのTris−HClを含むpH8.0の溶液)に懸濁した。菌体懸濁液を超音波破砕機により10分間の処理を2回行い、さらに、30,000×gで10分遠心分離し、無細胞抽出液を調製した。
(3)無細胞抽出液の性質
無細胞抽出液の反応は以下のようにして行った。まず、調製した無細胞抽出液0.2mlを、0.125%(w/v)のアガロース、ネオアガロヘキサオース、ネオアガロテトラオースを含む0.8mlのTris−HCl緩衝液に加え、40℃で往復振盪を行うことにより反応を行った。得られた反応液を100℃の熱湯中に5分間おくことで反応を停止させ、室温まで冷却後TLCもしくはHPLCにより反応生成物の分析を行った。
上記で得られた無細胞抽出液を用い、ネオアガロヘキサオースを基質として反応を行ったときの1分間あたりのネオアガロヘキサオースの分解活性を図3に示す。図3に示すように無細胞抽出液にはネオアガロヘキサオースを基質としてネオアガロビオースが生成する反応が40℃において進行することが認められ、β−アガラーゼ活性を有することが確認された。無細胞抽出液のβ−アガラーゼ活性は18.7U/mgと計算され、アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株の無細胞抽出液の292倍の比活性を示した。アガロースまたはネオアガロテトラオースを基質とした場合も同様にネオアガロビオースが選択的に生成した。これによりクローニングされたアルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.)E−1株由来のネオアガロビオース生産を行う成熟型β−アガラーゼが大腸菌BL21(DE3)株において発現し、ネオアガロビオース生産に利用可能であることが明らかになった。
本発明のネオアガロビオース生産型β−アガラーゼをコードするポリヌクレオチドは、これを適当なベクターに組み込むことにより、上記β−アガラーゼを効率よく産生する形質転換体または形質導入体を作製することができる。
そして、得られるβ−アガラーゼは寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖をネオアガロビオースとする反応を触媒するので、これを利用することにより常温、常圧の環境調和型プロセス及び酸素存在下でかつ、高選択的かつ高収率でネオアガロビオースを製造することができる。
図1は、β−アガラーゼを含む無細胞抽出液による1分間あたりのネオアガロヘキサオース分解活性を示す図面である。 図2は、アガロース分解の経時変化を示す図面である。 図3は、成熟型βアガラーゼを含む無細胞抽出液による1分間あたりのネオアガロヘキサオース分解活性を示す図面である。

Claims (8)

  1. 寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするポリペプチドのアミノ酸配列をコードする以下の(a)〜(g)に示すポリヌクレオチド。
    (a)配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド
    (b)配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置
    換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリペプチドをコード
    するポリヌクレオチド
    (c)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番に表されるアミノ酸配列により
    表されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (d)配列番号2記載のアミノ酸配列の32〜798番において1若しくは複数個のア
    ミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されたアミノ酸配列により表されるポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (e)配列番号1記載のヌクレオチド配列により表されるポリヌクレオチド
    (f)配列番号1記載のヌクレオチド配列の94〜2394番により表されるポリヌク
    レオチド
    (g)(a)〜(f)のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズ
    するポリヌクレオチド
  2. 請求項1記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
  3. 請求項2記載のベクターを導入した形質転換体。
  4. 請求項1記載のポリヌクレオチドがコードするアミノ酸配列により表されるポリペプチド。
  5. 以下の性質を有するポリペプチド。
    (1)作用:
    寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖のβ−1,4結合を加水
    分解して、ネオアガロビオースを生成する。
    (2)基質特異性:
    アガロース、ネオアガロヘキサオース、ネオアガロテトラオースに作用し、速や
    かにネオアガロビオースに分解する。しかし、ネオアガロビオースやラクトース (乳糖)には作用しない。
    (3)至適温度:
    40℃
    安定温度:
    40℃以下
    (4)分子量:
    約180kDa(ゲルろ過クロマトグラフィーによる)、かつ約82kDa(S
    DS−PAGEによる)の2量体
  6. 寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖に、請求項4記載のポリペプチドを作用させて選択的にネオアガロビオースを得ることを特徴とするネオアガロビオースの製造方法。
  7. 寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖に、請求項3記載の形質転換体を培養することにより得られるポリペプチドを作用させて選択的にネオアガロビオースを得ることを特徴とするネオアガロビオースの製造方法。
  8. 請求項3記載の形質転換体を培養し、当該培養物中から請求項第4項記載のポリペプチドを採取することを特徴とする寒天、アガロースまたは4糖以上のネオアガロオリゴ糖を選択的に分解し、ネオアガロビオースとするポリペプチドの製造方法。
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