JP2001275685A - α−アガラーゼおよびその製造方法 - Google Patents

α−アガラーゼおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2001275685A
JP2001275685A JP2000099424A JP2000099424A JP2001275685A JP 2001275685 A JP2001275685 A JP 2001275685A JP 2000099424 A JP2000099424 A JP 2000099424A JP 2000099424 A JP2000099424 A JP 2000099424A JP 2001275685 A JP2001275685 A JP 2001275685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agarase
amino acid
seq
sequence
gly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000099424A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Tomono
潤 友野
Hiroaki Sagawa
裕章 佐川
Ikunoshin Kato
郁之進 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Shuzo Co Ltd filed Critical Takara Shuzo Co Ltd
Priority to JP2000099424A priority Critical patent/JP2001275685A/ja
Publication of JP2001275685A publication Critical patent/JP2001275685A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた生理活性を有する低分子アガロオリゴ糖
製造に有用な新規なアガラーゼを提供すること。 【解決手段】新規なα−アガラーゼ活性を有するポリペ
プチドであって、天然の酵素のアミノ酸配列に欠失を有
するポリペプチド、該ポリペプチドをコードする遺伝
子、該ポリペプチドの遺伝子工学的製造方法、並びに該
ポリペプチドを使用するアガロオリゴ糖の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−アガラーゼお
よびその製造方法、さらに詳しくは、アガロースからの
種々の生理活性を有する低重合度のアガロオリゴ糖の製
造に有用なα−アガラーゼとその製造方法、ならびに該
酵素の用途に関する。また、本発明は、α−アガラーゼ
活性を有するポリペプチドおよび該ポリペプチドをコー
ドする遺伝子に関する。さらに詳しくは、アガロースか
らの種々の生理活性を有する低重合度のアガロオリゴ糖
の製造に有用なα−アガラーゼのアミノ酸配列と、それ
をコードする塩基配列に関する。さらに、本発明は、α
−アガラーゼ活性を有するポリペプチドの遺伝子工学的
な製造方法に関する。さらにまた、本発明は、α−アガ
ラーゼ活性を有するポリペプチドによるアガロオリゴ糖
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒天の主要構成成分であるアガロース
は、D−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラ
クトースとが交互にα−1,3結合、β−1,4結合を
繰り返してなる多糖である。寒天由来のオリゴ糖を製造
するためには、このアガロースを分解し、低分子化しな
ければならないため、従来よりアガロースを化学的に分
解する方法および酵素的に分解する方法が知られてい
る。化学的に分解する方法では、酸を用いてアガロース
を加水分解することができ、この場合、主としてα−
1,3結合が切断される。また、アガロースを分解する
酵素としては、アガロース中のβ−1,4結合を切断す
るβ−アガラーゼ、ならびにα−1,3結合を切断する
α−アガラーゼの2種が知られている。アガロース中の
β−1,4結合を切断して得られるオリゴ糖はネオアガ
ロオリゴ糖と呼ばれ、その還元末端はD−ガラクトース
であり、その重合度は偶数である。一方、α−1,3結
合を切断して得られるオリゴ糖はアガロオリゴ糖と呼ば
れ、その重合度は偶数であり、その還元末端は3,6−
アンヒドロ−L−ガラクトースである。還元末端に3,
6−アンヒドロ−L−ガラクトースを有するアガロオリ
ゴ糖については、近年、アポトーシス誘発作用、制ガン
作用、各種の抗酸化作用、免疫調節作用、抗アレルギー
作用、抗炎症作用、α−グリコシダーゼ阻害作用等の生
理活性を有することが明らかにされ(WO99/244
47号明細書、特願平11−11646号明細書)、そ
の生理作用により、該アガロオリゴ糖を有効成分として
含有する医薬品や機能性飲食品の提供が可能となってい
る。アガロースを化学的に分解する方法では、生産され
るオリゴ糖の大きさを制御することが難しく、特に重合
度の低い低分子オリゴ糖を選択的に作ることは極めて難
しい(徳永隆久ら、バイオサイエンスとインダストリ
ー、第49巻、第734頁(1991) 等)。また、β−アガラー
ゼはβ−1,4結合のみを切断するため、該酵素を用い
た場合には、上記の生理活性を有しないネオアガロオリ
ゴ糖しか得ることができない。α−1,3結合を切断す
る活性を有するα−アガラーゼを使用することにより、
生理活性を有するアガロオリゴ等を製造することが期待
される。公知のα−アガラーゼとしては、海洋性のグラ
ム陰性細菌GJ1B株[カーボハイドレート・リサーチ
(Carbohydrate Research)、第66巻、第207〜212頁(1
978)、なお、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイ
オケミストリー(European Journal ofBiochemistr
y)、第214巻、第599〜607頁(1993)には、該菌株はア
ルテロモナス・アガーリティクスGJ1B株として記載
されている]やビブリオ属細菌(特開平7−32287
8号公報、JT0107−L4株)の生産する酵素があ
る。しかしながら、アルテロモナス・アガーリティクス
GJ1B株由来のα−アガラーゼは6糖以下のオリゴ糖
を分解することができないため、生理活性が顕著なアガ
ロビオースを生産することは不可能である。さらに、ビ
ブリオ属細菌由来のα−アガラーゼは6糖以下のオリゴ
糖にのみ活性を示す酵素であり、アガロースに対しては
まったく作用しないために、アガロースを原料とするア
ガロオリゴ糖の製造に使用することはできない。このよ
うに、従来の技術では、還元末端が3,6−アンヒドロ
−L−ガラクトースであり、様々な生理活性を有するア
ガロビオース、アガロテトラオース等の低分子アガロオ
リゴ糖の製造に関して問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、当該
低分子アガロオリゴ糖の効率よい製造に使用することの
できるα−アガラーゼ活性を有するポリペプチド、該ポ
リペプチドのアミノ酸配列、該ポリペプチドをコードす
る遺伝子、該ポリペプチドの製造方法、ならびに当該低
分子アガロオリゴ糖の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、アガロースのα−1,3結合を切断し、かつ
顕著な生理活性を有するアガロオリゴ糖を生成する酵素
を得ることを目的として鋭意研究、探索を行った結果、
この目的に適した性質の酵素を生産する2株の微生物を
見出すことに成功し、これらの微生物の生産する酵素を
単離し、理化学的、酵素学的性質を解明した。さらに、
本発明者らは、該酵素の遺伝子を単離することに成功
し、該遺伝子を用いる遺伝子工学的手法により、α−ア
ガラーゼ活性を有するポリペプチド、特に天然型酵素の
アミノ酸配列に欠失を有し、かつα−アガラーゼ活性を
有するポリペプチドを簡便に製造する方法を見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明を概説すれ
ば、本発明の第1の発明は新規のα−アガラーゼに関す
る。上記α−アガラーゼとしては、配列表の配列番号1
4に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号335
〜925の591残基からなるアミノ酸配列、または該
591残基からなるアミノ酸配列に1個以上のアミノ酸
の置換、欠失、付加もしくは挿入の少なくとも一つが導
入されているアミノ酸配列を含む酵素、あるいは配列表
の配列番号15に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ
酸番号365〜950の586残基からなるアミノ酸配
列、または該586残基からなるアミノ酸配列に1個以
上のアミノ酸の置換、欠失、付加もしくは挿入の少なく
とも一つが導入されているアミノ酸配列を含む酵素等が
例示される。
【0005】本発明の第2の発明は、α−アガラーゼ活
性を有するポリペプチドをコードする遺伝子に関し、第
1の発明のα−アガラーゼをコードすることを特徴とす
る。該遺伝子としては、配列表の配列番号12に示され
る塩基配列のうちの塩基番号1003〜2775の17
73塩基からなる塩基配列、または該1773塩基から
なる塩基配列に1個以上の塩基の置換、欠失、付加もし
くは挿入の少なくとも一つが導入されている塩基配列を
含む遺伝子、あるいは配列表の配列番号13に示される
塩基配列のうちの塩基番号1093〜2850の175
8塩基からなる塩基配列、または該1758塩基からな
る塩基配列に1個以上の塩基の置換、欠失、付加もしく
は挿入の少なくとも一つが導入されている塩基配列を含
む遺伝子等が例示される。本発明の第3の発明は、第2
の発明の遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダ
イズすることができ、かつ第1の発明のα−アガラーゼ
をコードする遺伝子に関する。本発明の第4の発明は、
第2の発明または第3の発明の遺伝子を含む組換えDN
A分子に関する。本発明の第5の発明は、第4の発明の
組換えDNA分子を有する形質転換体に関する。本発明
の第6の発明は、α−アガラーゼ活性を有するポリペプ
チドの製造方法に関し、第5の発明の形質転換体を培養
し、該培養物から第1の発明のα−アガラーゼを採取す
ることを特徴とする。さらに、本発明の第7の発明はア
ガロオリゴ糖の製造方法に関し、第1の発明のα−アガ
ラーゼによりアガロースを分解し、該分解物よりアガロ
オリゴ糖を採取することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本明細書において、オリゴ糖と
は、2個以上10個以下の単糖から構成され糖類をい
い、アガロオリゴ糖とはD−ガラクトースと3,6−ア
ンヒドロ−L−ガラクトースが交互にα−1,3結合、
β−1,4結合を繰り返し、還元末端に3,6−アンヒ
ドロ−L−ガラクトースを有するオリゴ糖をいう。ま
た、多糖類とは単糖およびオリゴ糖以外の糖をいう。本
発明のα−アガラーゼは、3,6−アンヒドロ−L−ガ
ラクトースとD−ガラクトースとの間のα−1,3結合
を加水分解する酵素であり、アガロースのような多糖、
ならびにアガロヘキサオースのようなオリゴ糖のいずれ
にも作用することができるものである。このような性質
を有しているものであれば本発明の酵素に特に限定はな
いが、例えば、海洋性の微生物である微生物TKR1−
7AGα(FERM BP−6990)または微生物T
KR4−3AGα(FERMBP−6991)の生産す
るα−アガラーゼを挙げることができる。
【0007】微生物TKR1−7AGαの生産するアガ
ラーゼ1−7、および微生物TKR4−3AGαの生産
するアガラーゼ4−3は、多糖、オリゴ糖中に存在する
3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとD−ガラクト
ースとの間のα−1,3結合を加水分解する酵素であ
る。該酵素はアガロース、アガロヘキサオース以上のア
ガロオリゴ糖、およびネオアガロヘキサオース以上のネ
オアガロオリゴ糖に作用する。上記の2種の酵素の活性
測定方法および両酵素の理化学的、酵素化学的性質を以
下に示す。 (1)酵素活性測定方法 本発明のα−アガラーゼの活性測定は、アガロースを基
質として酵素反応を行った後、生じたアガロテトラオー
スの量を定量することにより行う。本明細書において、
精製酵素標品および精製中の酵素の活性測定に用いられ
た酵素活性測定方法は詳しくは以下のとおりである。
0.2%のアガロース(宝酒造社製、Code:5003)溶液
[10mM トリス塩酸(pH7.0)、10mM 塩化
カルシウム、10mM塩化ナトリウム]を調製し、この
180μlを基質として、酵素溶液20μlと混合し、
42℃で30〜120分間、好ましくは60分間反応さ
せた後、60℃で1分間加熱することによって反応を停
止させる。この反応溶液30μlを、内径7.8mm、
長さ300mmのTSKgel α−2500(東ソー
社製、Code:18339)なるカラムに供し、70%アセト
ニトリル溶液を溶離液とし、0.8ml/分の流速で溶
出させた時の約26分の保持時間を示すピークとして酵
素反応によって生じたアガロテトラオースを定量し、1
0分間当たり1マイクロモルのアガロテトラオースを生
じる酵素量を1単位(1U)とする。
【0008】(2)至適pH アガロースを基質とし、酢酸緩衝液(pH4.5)、リ
ンゴ酸緩衝液(pH5.5)、酢酸緩衝液(pH6.
0、6.5)、トリス−塩酸緩衝液(pH7.0、7.
5、8.8)を用いて調製した反応液に酵素を作用させ
た結果より、アガラーゼ1−7は中性から弱酸性、 ア
ガラーゼ4−3は弱アルカリ性から弱酸性でアガロース
分解活性を示すことが明らかとなった。 (3)至適温度 本発明の酵素は55℃以下の温度で酵素活性を示し、ま
た、30〜48℃の範囲で高活性を示し、さらに、37
〜42℃付近で最大活性を示す。 (4)熱安定性 48℃、50℃、60℃で30秒間処理した酵素標品の
残存活性を測定した結果、アガラーゼ1−7は48℃処
理で25%、アガラーゼ4−3は50℃処理で22%の
活性を示した。 (5)分子量 10〜20%ポリアクリルアミド濃度勾配ゲルを使用し
たSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法(SDS−P
AGE)により、アガラーゼ1−7の分子量は約95,
000と推定された。また、アガラーゼ4−3について
は、グリセロール密度勾配を用いた平衡密度勾配遠心分
離法と、SDS−PAGEとによって分子量の測定を行
った。この結果、アガラーゼ4−3の分子量は、約8
5,000と推定された。 (8)エドマン分解法によるアミノ酸配列 エドマン分解法により決定されたアガラーゼ1−7のN
末端アミノ酸配列はAsp-Thr-Leu-Ser-Val-Glu-Ala-Glu-
Met-Phe、また、アガラーゼ4−3の配列はGly-Asp-Ile
-Val-Ile-Glu-Leu-Glu-Asp-Phe-Asp-Ala-Thr-Gly-Thr-T
hr-Gly-Arg-Val-Alaであった。配列表の配列番号1およ
び2に、それぞれアガラーゼ1−7およびアガラーゼ4
−3のN末端アミノ酸配列を示す。なお、下記に示すよ
うにアガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3をコードする
遺伝子は共に単離されており、該遺伝子にコードされる
アミノ酸配列も決定されている。アガラーゼ1−7、ア
ガラーゼ4−3遺伝子にコードされるアミノ酸配列を配
列表の配列番号14、15にそれぞれ示す。配列番号1
4に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号177
〜925の749アミノ酸からなるポリペプチド、並び
に配列番号15のアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号1
84〜950の767アミノ酸からなるポリペプチド
は、それぞれ本発明のα−アガラーゼ活性を示す。さら
に、配列表の配列番号14に示されるアミノ酸配列のう
ちのアミノ酸番号201〜925の725アミノ酸から
なるポリペプチド、配列表の配列番号14に示されるア
ミノ酸配列のうちのアミノ酸番号335〜925の59
1アミノ酸からなるポリペプチド、配列表の配列番号1
5に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号251
〜950の700アミノ酸からなるポリペプチド、並び
に、配列表の配列番号15のアミノ酸配列のうちのアミ
ノ酸番号365〜950の586アミノ酸からなるポリ
ペプチドも、それぞれ本発明のα−アガラーゼ活性を示
す。本発明のα−アガラーゼは、後述するように、その
遺伝子を用いて遺伝子工学的に生産することが出来る。
タンパク質の遺伝子工学的生産において、現在広く使用
されている大腸菌や枯草菌などを宿主として用いる場
合、外来のタンパク質を発現させる際にそのタンパク質
の分子量が大きければ大きいほど以下に示すのような問
題が生じる危険性が高くなると考えられている。 (1)宿主を変えた場合、発現させたタンパク質がincl
usion bodyを形成し、不溶化してしまう。 (2)宿主のアミノ酸コドンの嗜好により発現量が減少
する。 (3)本来宿主に含まれるタンパク質と比べ分子量が大
きいため、不安定で発現量が少なく、時には分解を受け
てしまう。 (4)その他修飾を受けて活性を失う。 そのため、生産しようとするタンパク質の目的の活性を
示すポリペプチドの最小単位をつかんでおくことが重要
である。本発明のアガラーゼにおいて、配列表の配列番
号14に示されるアミノ酸配列のうちのアミノ酸番号3
35〜925の591アミノ酸からなるポリペプチド、
配列表の配列番号15のアミノ酸配列のうちのアミノ酸
番号365〜950の586アミノ酸からなるポリペプ
チドは、それぞれアガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3
におけるアガラーゼ活性の最小単位と考えられる。
【0009】本発明のα−アガラーゼは、微生物TKR
1−7AGα(FERM BP−6990)または微生
物TKR4−3AGα(FERM BP−6991)を
培養し、該培養物から精製することができる。TKR1
−7AGα、TKR4−3AGαは、寒天資化性の細菌
として海水中から分離されたものであって、下記の菌学
的性質を有するものである。 菌学的性質: (1)形態 人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリ
ー社製)100mlを調製し、これにペプトン(DIF
CO社製、Code:0123-17-3)を0.3g、酵母エキス
(DIFCO社製:Code, 0127-17-9)を0.02g加
えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH8.0に調整し
た。これを500ml容の三角フラスコに移し、寒天
(ナカライテスク社製、Code:010-28)を0.1g加
え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った後、上記
微生物を接種し、25℃、120rpmで一晩培養し
た。該培養液に生育した細胞は、TKR1−7AGα、
TKR4−3AGαのどちらのものも桿菌であり、ま
た、運動性を有していた。 (2)生育状態 人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリ
ー社製)100mlを調製し、これにペプトンを0.3
g、酵母エキスを0.02g加えた後、3Mの炭酸ナト
リウムでpH8.0に調整した。これに寒天(ナカライ
テスク社製、Code:010-28)1.5gを加え、オートク
レーブした後に平板培地とした。この培地に上記の微生
物を接種したところ、(イ)23〜30℃で良好に生育
する、(ロ)菌体の生育に従って、寒天ゲルは液化され
る、ことが示された。人工海水(商品名ジャマリンS、
ジャマリンラボラトリー社製)100mlを調製し、こ
れにペプトンを0.3g、酵母エキスを0.02g加え
た後、3Mの炭酸ナトリウムで種々のpHに調整した。
これを500ml容の三角フラスコに移し、寒天0.1
gを加え、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った
後、上記微生物を接種したところ、(ハ)pH7.0〜
pH8.5において旺盛に生育する、ことが示された。
TKR1−7AGαおよびTKR4−3AGαは、ブダ
ペスト条約のもと、1999年1月26日(原寄託日)
より、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
に、それぞれ受託番号FERM BP−6990および
FERM BP−6991として寄託されている。
【0010】上記微生物について、菌株によって特異的
な塩基配列を持つことが知られている、16Sリボソー
ムRNAをコードする遺伝子の塩基配列を解析すること
により、その分類学上の位置に関する情報を得ることが
できる。すなわち、微生物TKR1−7AGαおよびT
KR4−3AGαの菌株から染色体DNAを抽出し、上
記の遺伝子、またはその一部の領域を増幅可能なプライ
マーを使用したPCRを実施する。増幅されたDNA断
片の塩基配列を決定し、該配列についてGenBank
データベースを利用したホモロジー検索を行うことによ
り、上記の領域において類似した塩基配列を有する微生
物、すなわち分類学的に近縁に位置する微生物を知るこ
とができる。ブレッティン・オブ・ジャパニーズ・ソサ
エティ・オブ・ミクロビアル・エコロジー(Bulletin o
f Japanese Society of Microbial Ecology)、第10
巻、第31〜42頁(1995)に記載の方法により、微生物T
KR1−7AGαおよびTKR4−3AGαの16Sリ
ボソームRNA遺伝子由来のDNA断片を増幅した。な
お、PCRには上記文献に記載のプライマー27fおよ
び1492rを使用した(配列表の配列番号16および
17に、それぞれプライマー27fおよび1492rの
塩基配列を示す)。得られた増幅DNA断片の塩基配列
を解析した結果、上記の領域に関して、本発明のα−ア
ガラーゼを生産する微生物との間に95%程度のホモロ
ジーをもつものとして以下のものが見い出された。 TKR1−7AGα:Colwellia like bacterium TKR4−3AGα:Marine psychrophile IC079
【0011】上記微生物の培養に用いる培地には、当該
微生物が利用し得る窒素源、無機物等を含み、寒天、ア
ガロース等を炭素源として含むものを用いることができ
る。寒天、アガロースは、市販のものを用いることがで
きる。窒素源としては、例えば、肉エキス、酵母エキ
ス、カゼイン分解物、トリプトン、ペプトン等が挙げら
れるが、好ましくは酵母エキス、ペプトンを用いる。こ
れらの窒素源は寒天、アガロース以外の炭素源としても
使用できる。さらに、塩類としては、塩化ナトリウム、
クエン酸鉄、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化
カルシウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、臭化カリウム、塩化ストロンチウム、ホウ酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、硝
酸アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム等を組み合わ
せて用いることができる。特に好適には、人工海水であ
るジャマリンSなる培地に、ペプトン、酵母エキス、寒
天またはアガロースを加えた培地を用いることができ
る。寒天またはアガロースの濃度は0.1〜2.0%が
好ましい。寒天またはアガロースの濃度を任意に変える
ことにより固体培地、液体培地を作り分けることが可能
であるが、酵素生産を目的とする場合は濃度0.1〜
0.3%の液体培養が好ましく、菌体の保存を目的とす
るときは濃度1.2〜2.0%の固体培養が好ましい。
なお、低融点アガロースを液体培養に用いる場合には、
0.1〜1.0%の濃度で使用することができる。培養
条件は、培地の組成によって多少異なるが、培養温度は
23〜30℃、好ましくは25℃、培地のpHはpH
7.0〜8.5、好ましくは7.2〜8.2、培養時間
は12〜48時間、好ましくは24〜36時間である。
以上のようにして培養中に産生された本発明のα−アガ
ラーゼは、菌体外に分泌されるので、培養終了後、菌体
を遠心分離、濾過等の方法を用いて除去して培養液上清
を得る。
【0012】得られた培養液上清を、真空濃縮法または
限外濾過法を用いて濃縮した液状酵素として、あるいは
凍結乾燥法、噴霧乾燥法等により粉状酵素として粗酵素
標品を調製することができる。また、通常用いられる精
製方法、例えば硫安塩析、溶媒沈澱法により本発明のα
−アガラーゼを部分精製することができる。さらに、陰
イオン交換カラム、ゲル濾過カラム等のカラムクロマト
グラフィー等の公知の精製操作を組み合わせて、電気泳
動的に単一バンドを示す精製酵素標品を得ることができ
る。このようにして得られた培養液または種々の精製度
の本発明のα−アガラーゼを、紅藻類に含まれる多糖で
ある寒天またはアガロースを基質として反応させること
により、アガロビオース、アガロテトラオース、アガロ
ヘキサオース等のアガロオリゴ糖を製造することができ
る。アガロースは、D−ガラクトースと3,6−アンヒ
ドロ−L−ガラクトースが交互にα−1,3結合、β−
1,4結合を繰り返してなる多糖である。β−アガラー
ゼは、このアガロースのβ−1,4結合を加水分解する
酵素である。該酵素によって生成する、還元末端にD−
ガラクトースを有するオリゴ糖はネオアガロオリゴ糖と
呼ばれ、アガロオリゴ糖に見られるような生理活性を示
さない。アガロースのα−1,3結合を切断するα−ア
ガラーゼを用いた場合には、還元末端が3,6−アンヒ
ドロ−L−ガラクトースであるアガロオリゴ糖を製造す
ることが可能である。α−アガラーゼは、これまでにア
ルテロモナス・アガーリティクスGJ1B株由来、ビブ
リオ属細菌(JT0107−L4株)由来の2種の酵素
が知られている。ところが、アルテロモナス・アガーリ
ティクスGJ1B株の生産するα−アガラーゼはアガロ
ヘキサオース以下のオリゴ糖に作用することができず、
一方、ビブリオ属細菌由来のα−アガラーゼはアガロー
スを分解することができない。すなわち、従来公知のα
−アガラーゼでは、アガロースを原料としたアガロビオ
ース、アガロテトラオースの効率の良い生産は不可能で
あった。
【0013】本発明のα−アガラーゼは、上記理化学的
性質から明らかなように、アガロース、ならびにアガロ
ヘキサオース以上のアガロオリゴ糖に作用する酵素であ
るため、アガロースに作用してアガロオリゴ糖を生成
し、さらにこうして生じたアガロヘキサオース中の一ヶ
所のα−1,3結合を切断することも可能である。すな
わち、本発明のα−アガラーゼをアガロースに作用させ
ることによって、従来の方法では殆ど生成されなかった
2糖と4糖であるアガロビオースとアガロテトラオース
を大量に得ることが可能となる。従来公知のα−アガラ
ーゼと本発明のα−アガラーゼの基質特異性を表1に示
す。表中、+はその基質を分解できることを、また、−
は分解できないことをそれぞれ示す。
【0014】
【表1】
【0015】なお、本発明のα−アガラーゼは、アガロ
ヘキサオースに作用してアガロビオースとアガロテトラ
オースとを生成する。本発明のα−アガラーゼを使用し
て生産されたアガロオリゴ糖はアガロビオース、アガロ
テトラオースを含有するものであり、その使用目的に支
障のない限りにおいてアガロヘキサオース以上のアガロ
オリゴ糖を含んでいてもよい。本発明のα−アガラーゼ
を使用してアガロビオース、アガロテトラオース、アガ
ロヘキサオースを生産するための原料としては、寒天、
アガロース、または寒天およびアガロース由来のオリゴ
糖を使用すればよい。α−アガラーゼを作用させる条件
は、該酵素が活性を示すものであれば特に限定はない
が、例えば、アガラーゼ1−7の場合は中性〜弱酸性、
アガラーゼ4−3は弱アルカリ性〜弱酸性で、いずれも
37〜42℃で作用させることが好ましい。また、反応
液の組成も当該酵素の作用に適したものであれば特に限
定はない。本発明のα−アガラーゼによって生産される
オリゴ糖は、上記のように6糖以下の重合度の低いオリ
ゴ糖を中心とするが、反応条件等により重合度の異なる
オリゴ糖を自由に製造することも可能である。このよう
にして得られたオリゴ糖を分離精製することにより、ア
ガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオー
スを単独で得ることも可能である。本発明のα−アガラ
ーゼ遺伝子とは、上記α−アガラーゼ活性を有するポリ
ペプチドをコードする遺伝子であり、すなわち、α−ア
ガラーゼ活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列を含む核酸をいう。本発明のα−アガ
ラーゼ遺伝子としては、例えば、上記の微生物TKR1
−7AGα(FERMBP−6990)由来のアガラー
ゼ1−7をコードする塩基配列を含む遺伝子、または微
生物TKR4−3AGα(FERM BP−6991)
由来のアガラーゼ4−3をコードする塩基配列を含む遺
伝子が挙げられる。アガラーゼ1−7、アガラーゼ4−
3をコードする遺伝子としては、例えば配列表の配列番
号14のアミノ酸番号177〜925の749アミノ酸
残基からなるポリぺプチドをコードする塩基配列を有す
る遺伝子、配列表の配列番号15のアミノ酸番号184
〜950の767アミノ酸残基からなるポリぺプチドを
コードする塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。さら
に、例えば、配列表の配列番号14のアミノ酸番号20
1〜925の725アミノ酸残基からなるポリペプチド
をコードする遺伝子、配列表の配列番号14のアミノ酸
番号335〜925の591アミノ酸残基からなるポリ
ぺプチドをコードする塩基配列を有する遺伝子、配列表
の配列番号15のアミノ酸番号251〜950の700
アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードする遺伝
子、配列表の配列番号15のアミノ酸番号365〜95
0の586アミノ酸残基からなるポリぺプチドをコード
する塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
【0016】本発明のα−アガラーゼ遺伝子は、上記し
たアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸の置換、
欠失、付加または挿入が導入されたアミノ酸を有し、か
つα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードす
る塩基配列を含む核酸をも包合する。また、本発明の遺
伝子には、配列表の配列番号12の塩基番号529〜2
775の2247塩基からなる塩基配列を有する遺伝
子、配列番号13の塩基番号550〜2850の224
7塩基からなる塩基配列を有する遺伝子が包含される。
また、配列表の配列番号12の塩基番号601〜277
5の2175塩基からなる塩基配列を有する遺伝子、配
列表の配列番号12の塩基番号1003〜2775の1
773塩基からなる塩基配列を有する遺伝子、配列表の
配列番号13の751〜2850の2100塩基からな
る塩基配列を有する遺伝子、配列表の配列番号13の塩
基番号1093〜2850の1758塩基からなる塩基
配列を有する遺伝子も本発明に包含される。さらに上記
した塩基配列において1個以上の塩基の置換、欠失、付
加または挿入が導入された塩基配列を有し、かつα−ア
ガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配
列を含む核酸をも包含される。さらに、本発明の遺伝子
は、上記の遺伝子にストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズし、かつα−アガラーゼ活性を有するポリペプ
チドをコードする塩基配列を含む核酸も包合される。ハ
イブリダイゼーションは、例えば、1989年、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー発行、T.マ
ニアティス(T.Maniatis)ら編集、モレキュラー・クロ
ーニング:ア・ラボラトリー・マニュアル第2版(Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.)に記載
の方法により実施することができる。上記ストリンジェ
ントな条件としては、例えば、6×SSC(1×SSC
の組成:0.15M NaCl、0.015Mクエン酸
ナトリウム、pH7.0)、0.5% SDS、5×デ
ンハルト、100mg/mlニシン精子DNAを含む溶
液中、プローブとともに65℃で一晩保温するという条
件があげられる。
【0017】本発明のα−アガラーゼ遺伝子のクローニ
ングは、例えば、以下のようにして行なうことが出来
る。α−アガラーゼを生産する微生物よりゲノムDNA
を調製する。ゲノムDNAは適当な公知の方法に従って
調製でき、例えば、リゾチーム処理、プロテアーゼ処
理、RNase処理、フェノール処理、エタノール沈殿
等の公知の操作を組合わせて調製することが出来る。こ
のようにして得られたゲノムDNAを適当な公知の方
法、例えば、超音波処理、制限酵素消化によって分解す
る。こうして得られたDNA断片を通常用いられている
方法によってベクター、例えば、プラスミドベクターに
組み込み、組み換えDNA分子を作製する。ついで、該
組み換えDNA分子を適当な宿主、例えば、大腸菌に導
入し、形質転換体を得る。組み換えDNA分子の作製、
形質転換等の操作は、通常用いられる方法、例えば、上
記したモレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー
・マニュアル第2版等に記載の方法から、使用するベク
ター、宿主に応じたものを選んで用いることが出来る。
このようにしてα−アガラーゼ遺伝子を有する形質転換
体を含むゲノムライブラリーが得られる。
【0018】つぎに、上記のゲノムライブラリーをスク
リーニングし、α−アガラーゼ遺伝子を有する形質転換
体を選択する。スクリーニングの方法としては、例え
ば、以下の方法が挙げられる。 (1)α−アガラーゼ活性の発現を指標にしたスクリー
ニング ゲノムライブラリーを寒天プレート上で増殖させる。α
−アガラーゼ遺伝子を有する形質転換体は、α−アガラ
ーゼ活性を持つポリペプチドを発現し、そのα−アガラ
ーゼ活性により寒天ゲルを溶解するので、寒天プレート
の寒天ゲルを溶解するコロニーまたはプラークを選択す
る。 (2)抗体を用いたスクリーニング α−アガラーゼの粗酵素標品、部分精製酵素標品、精製
酵素標品を前記した方法に従って調製し、これらの何れ
かを抗原として常法に従って抗α−アガラーゼ抗体を調
製する。ゲノムライブラリーをプレート上で増殖させ、
生育したコロニーまたはプラークをナイロンまたはニト
ロセルロースのフィルターに移し取る。発現された組み
換えタンパク質はコロニー、プラークと共にフィルター
に移し取られる。フィルター上の組み換えタンパク質と
上記の抗α−アガラーゼ抗体を反応させ、該抗体と反応
するクローンを同定する。抗体と反応するクローンの同
定は、公知の方法に従って、例えば、抗α−アガラーゼ
抗体を反応させたフィルターを、パーオキシダーゼ結合
二次抗体と反応させた後、発色基質とインキュベート
し、発色を検出することによって行なうことが出来る。
なお、上記(1)、(2)の方法に用いるゲノムライブ
ラリーの作製に、ベクターに組み込まれたDNA上の遺
伝子が高発現されるような発現ベクターを用いた場合に
は、容易に目的の遺伝子を有する形質転換体を選択する
ことが出来る。 (3)DNAプローブを用いたハイブリダイゼーション
によるスクリーニング ゲノムライブラリーをプレート上で増殖させ、生育した
コロニーまたはプラークをナイロンまたはニトロセルロ
ースのフィルターに移し取り、変性処理によりDNAを
フィルターに固定する。このフィルター上のDNAと標
識プローブのハイブリダイゼーションを常法に従って行
い、該プローブとハイブリダイズするクローンを同定す
る。本スクリーニングに用いられるプローブとしては、
上記したα−アガラーゼのアミノ酸配列の情報をもとに
作製したオリゴヌクレオチド、その他のアミノ酸配列の
情報をもとに作製したオリゴヌクレオチド、またはこれ
らのアミノ酸配列の情報から作製したプライマーによっ
て増幅したPCR断片等が挙げられる。これらのプロー
ブの標識は特に限定はないが、例えば、ラジオアイソト
ープ標識、蛍光色素標識、ジゴキシゲニン標識、ビオチ
ン標識等が挙げられる。スクリーニングに用いるゲノム
ライブラリーとしては、以下の方法で作製したα−アガ
ラーゼ遺伝子を有する形質転換体が富化されたゲノムラ
イブラリーを使用しても良い。α−アガラーゼを生産す
る微生物のゲノムDNAを調製し、これを適当な制限酵
素で消化してアガロースゲル電気泳動で分離した後、常
法に従いナイロンまたはニトロセルロースのフィルター
にブロッティングする。このフィルター上のDNAと上
記の標識プローブのハイブリダイゼーションを常法に従
って行い、該プローブとハイブリダイズするDNA断片
を検出する。このシグナルに対応するDNA断片をアガ
ロースゲルから抽出、精製する。
【0019】こうして得られたDNA断片を通常用いら
れている方法によってベクター、例えば、プラスミドベ
クターに組み込み、組み換えDNA分子を作製する。つい
で該組み換えDNA分子を適当な宿主、例えば、大腸菌
に導入し、形質転換体を得る。形質転換の方法は通常用
いられる方法、例えば、モレキュラー・クローニング:
ア・ラボラトリー・マニュアル第2版等に記載の方法か
ら、使用するベクターに応じたものを選んで用いること
が出来る。このようにしてα−アガラーゼ遺伝子を有す
る形質転換体が富化されたゲノムライブラリーが得られ
る。該ゲノムライブラリーを用いることにより、より効
率の良いスクリーニングを行なうことが出来る。 (4)PCRを用いたin vitroクローニング 上記(1)〜(3)の方法は、何れも形質転換体をスク
リーニングして目的に遺伝子をクローニングする方法で
あるが、PCR法を用いることによって、形質転換体を
利用することなくin vitroでクローニングを行なうこと
が出来る。α−アガラーゼを生産する微生物のゲノムD
NAを調製し、これを適当な公知の方法、例えば超音波
処理、制限酵素消化によって分解する。こうして得られ
たDNA断片に通常用いられている方法によってリンカ
ーを連結する。α−アガラーゼのアミノ酸配列の情報を
もとに作製したオリゴヌクレオチドと、リンカーにハイ
ブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとし
て、上記ゲノムライブラリーを鋳型とするPCR反応を
行なう。得られた増幅産物を通常用いられている方法に
よってベクター、例えば、プラスミドベクターに組み込
む。
【0020】以上(1)〜(3)のようにして得られた
α−アガラーゼ遺伝子を有する形質転換体中、および
(4)のようにして得られたα−アガラーゼ遺伝子を有
する組み換えDNA分子中のα−アガラーゼ遺伝子の塩
基配列は公知の方法に従って決定することが出来る。該
クローンがα−アガラーゼのポリペプチド全長をコード
していない場合は、解読された塩基配列をもとに新たな
プローブを作製し、該プローブを用いてゲノムライブラ
リーのスクリーニングを行い、新たなクローンを得る操
作を繰り返すことにより、α−アガラーゼのオープンリ
ーディングフレーム全体が解読される。その情報をもと
に、例えば、α−アガラーゼをコードするオープンリー
ディングフレーム全体を含むクローンを作製することが
出来る。以上のようにして得られたα−アガラーゼをコ
ードする遺伝子を適当な発現ベクターに連結することに
より、α−アガラーゼ活性を有するポリペプチドを遺伝
子工学的に大量に製造することが出来る。
【0021】以下に、アガラーゼ1−7の遺伝子を取得
する方法についてその概略を説明する。TKR1−7A
Gを培養し得られた菌体をリゾチームで溶菌させた後、
タンパク質除去、エタノール沈殿等の操作を施し、ゲノ
ムDNAを得る。このゲノムDNAを制限酵素BamH
Iで部分消化し、得られたDNA断片をプラスミドベク
ター(アンピシリン耐性)に挿入してプラスミドライブ
ラリーを作製する。このプラスミドライブラリーで大腸
菌を形質転換して、その形質転換体を1.5%(w/
v)の寒天を含む含むLB寒天培地(アンピシリン50
μg/ml)上で生育させ、37℃で5日間培養する。
培養後、周辺の寒天が分解されているコロニーを単離
し、これをアンピシリンを含むLB培地に接種して培養
し、菌体から調製された粗抽出液のα−アガラーゼ活性
を確認する。α−アガラーゼ活性が確認された形質転換
体より常法に従いプラスミドDNAを抽出し、そこに挿
入されているインサートDNAの長さを確認したところ
約8kbであった。この組換えプラスミドはpAA1と
命名され、また該プラスミドで形質転換された大腸菌は
Escherichia coli JM109/pAA1と命名表示さ
れ、ブダペスト条約のもと、1999年5月26日(原
寄託日)より通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所に受託番号FERM BP−6992として寄託さ
れている。
【0022】上記のプラスミドpAA1の挿入DNA断
片の塩基配列を解析した結果、α−アガラーゼをコード
する領域として925個のアミノ酸からなるポリペプチ
ドをコードする読み取り枠(ORF)を有することが明
らかとなった。該読み取り枠の塩基配列を配列表の配列
番号12に、該読み取り枠がコードするアミノ酸配列を
配列表の配列番号14に示す。すなわち、配列表の配列
番号14に示されるアミノ酸配列は本発明のアガラーゼ
の一例である。また、該アミノ酸配列と先に決定された
アガラーゼ1−7のN末端アミノ酸配列P1を比較する
ことにより、アガラーゼ1−7は配列表の配列番号14
に示されるアミノ酸配列のうちの28〜925のアミノ
酸配列からなるポリペプチドであり、該アミノ酸配列は
配列表の配列番号12の塩基配列のうちの82〜277
8(終止コドンを含む)にコードされることが示され
る。 また、配列番号14に示されるアミノ酸配列のう
ちの1〜27のアミノ酸配列はシグナル配列と考えられ
る。さらに、配列番号14に示されるアミノ酸配列のう
ちの177〜925の749残基からなるアミノ酸配列
のポリペプチドも、本発明のα−アガラーゼ活性を有し
ている。以下に、α−アガラーゼ4−3の遺伝子を取得
する方法について、その概略を説明する。配列表の配列
番号2で示されるアガラーゼ4−3のN末端アミノ酸配
列P2をもとにミックスプライマー3、およびミックス
プライマー4を作製した。配列表の配列番号6にミック
スプライマー3の配列を、配列番号7にミックスプライ
マー4の配列を示す。
【0023】上記のα−アガラーゼ1−7の場合と同様
に調製したTKR4−3AGαの染色体DNAを制限酵
素BamHIで完全消化し、その末端にBamHIリン
カーを連結した。得られたDNAを鋳型とし、ミックス
プライマー3、LA PCR in vitro cloning kit(宝酒造
社製)に添付のプライマーC1を用いたPCRを実施し
た。つぎに、このようにして得られた一次PCR産物を
鋳型に用い、ミックスプライマー4とLA PCR in vitro
cloning kit(宝酒造社製)に添付のプライマーC2を
用いたPCRを実施したところ、約2kbの増幅産物が
確認され、該DNAフラグメントを4−3Nと命名し
た。この増幅フラグメントの末端領域の塩基配列を解析
し、アガラーゼのN末端側をコードする領域に相当する
塩基配列より、配列表の配列番号8および9にそれぞれ
塩基配列を示すプライマー6および7を作製した。同様
にアガラーゼのC末端側に相当する塩基配列より、配列
表の配列番号10および11にそれぞれの塩基配列を示
すプライマー8および9を作製した。ミックスプライマ
ー3および4にかえて、それぞれプライマー6および7
を使用し、上記の4−3Nの場合と同様にPCRを実施
し、約1.0kbのDNA断片4−3UNを取得した。
同様にプライマー7および8を使用したPCRを実施
し、約2.0kbのDNA断片4−3Cを取得した。得
られたフラグメント4−3UN、4−3Cの塩基配列を
解析し、この結果を先に解析された4−3Nの塩基配列
と総合した結果、951個のアミノ酸からなるポリペプ
チドをコードする読み取り枠(ORF)が見出された。
該読み取り枠の塩基配列を配列表の配列番号13に、該
読み取り枠の塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列
表の配列番号15に示す。なお、4−3UN中にはアミ
ノ酸配列P2部分の塩基配列が存在し、その上流に18
3個のアミノ酸をコードする塩基配列、さらにその上流
にSD様配列が見出された。すなわち、配列表の配列番
号15に示されるアミノ酸配列は本発明のアガラーゼの
一例である。また、該アミノ酸配列を先に決定されたア
ガラーゼ4−3のN末端アミノ酸配列を比較することに
より、アガラーゼ4−3は配列表の配列番号15に示さ
れるアミノ酸配列のうちの184〜951のアミノ酸配
列からなるポリペプチドであり、該アミノ酸配列は配列
表の配列番号13の塩基配列のうちの550〜2856
(終止コドンを含む)にコードされることが示される。
【0024】以上のようにして得られたアガラーゼ1−
7、アガラーゼ4−3のアミノ酸配列および該酵素をコ
ードする遺伝子の塩基配列は、公知のアガロース分解酵
素で本発明のアガラーゼと異なる切断様式を持つβ−ア
ガラーゼのアミノ酸配列および該酵素をコードする遺伝
子の塩基配列とのホモロジーはなく、全く新規の配列で
あると考えられる。
【0025】本発明のα−アガラーゼをコードする遺伝
子、例えば、上記のアガラーゼ1−7、アガラーゼ4−
3をコードする遺伝子を適当なベクターに連結して組換
えDNA分子を作製することが出来る。また、当該組換
えDNA分子を適当な宿主に導入して形質転換体を作製
することが出来る。当該形質転換体を培養することによ
り、培養物中に本発明のα−アガラーゼが産生される。
すなわち、該形質転換体を使用して、本発明のα−アガ
ラーゼ、例えば、アガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3
を大量に製造することが可能となる。また、公知の方法
でα−アガラーゼをコードする遺伝子に変異を導入する
ことにより、変異を導入したα−アガラーゼを製造する
ことも出来る。変異の導入方法としては特に限定はな
く、例えばオリゴヌクレオチドダブルアンバー法(Hash
imoto-Gotoh, T. et al., Gene, 152, 271-275 (199
5))、Gapped duplex法(Kramer, W. et
al., Nucl. Acids Res., 12, 9441 (1984); Kramer, W.
et al., Mehods in Enzymology, 154, 350 (1987))、
Kunkel法(Kunkel, T.A., Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 82, 488 (1985); Kunkel, T.A., Methods in E
nzymology, 154, 367 (1987))等を用いることが出来
る。上記の、配列表の配列番号12および13に示され
る塩基配列のα−アガラーゼ遺伝子をそれぞれ5’末端
側より欠失させ、得られた欠失遺伝子にコードされるポ
リペプチドを発現させた上、該ポリペプチドについてα
−アガラーゼ活性を調べたところ、配列表の配列番号1
2の塩基番号529〜2775の2247塩基からなる
塩基配列を有する遺伝子、塩基番号601〜2775の
2175塩基からなる塩基配列を有する遺伝子、並びに
塩基番号1003〜2775の1773塩基からなる塩
基配列を有する遺伝子、配列表の配列番号13の塩基番
号550〜2850の2301塩基からなる塩基配列を
有する遺伝子、塩基番号751〜2850の2100塩
基からなる塩基配列を有する遺伝子、並びに塩基番号1
093〜2850の1758塩基からなる塩基配列を有
する遺伝子は、それぞれ本発明のα−アガラーゼ活性を
有するポリペプチドをコードすることが示された。ま
た、発現させようとするα−アガラーゼのN末端側にシ
グナル配列を付加したものをコードする遺伝子を発現さ
せれば、目的のα−アガラーゼを形質転換体外に分泌さ
せることが出来る。このようなシグナル配列に特に限定
はなく、例えば配列表の配列番号14のアミノ酸番号1
〜27で表されるα−アガラーゼ1−7のシグナル配列
が挙げられ、該シグナル配列は配列表の配列番号12の
塩基番号1〜81にコードされている。
【0026】上記の組換えDNA分子の作製に使用され
るベクターは、特に限定するものではなく、例えば、プ
ラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクタ
ー等を使用することが出来、組換えDNAの使用目的に
応じて適当なベクターを選択すれば良い。α−アガラー
ゼの生産を目的として組換えDNA分子を作製する場合
には、プロモーターやその他の発現調節のための領域を
含むベクターが好適である。 そのようなプラスミドベ
クターとしては、特に限定はないが、例えば、pKF1
9k、pT7BlueT、pET16b等が挙げられ
る。また、形質転換体の作製に使用される宿主も、特に
限定するものではなく、細菌、酵母、糸状菌等の微生物
の他、哺乳動物、魚類、昆虫等の培養細胞等を使用する
ことが出来る。形質転換体の作製には、宿主に適したベ
クターで作製された組換えDNA分子が使用される。
【0027】以下に、アガラーゼ1−7を遺伝子工学的
に製造する方法についてその概略を説明する。例えば、
配列表の配列番号14のアミノ酸番号28、若しくは1
77以降のポリペプチドをコードする塩基配列を含むD
NA断片を、α−アガラーゼ1−7の遺伝子をコードす
る上記したプラスミドpAA1を鋳型としたPCRによ
って増幅し、これを適当なプラスミドベクター、例えば
pKF19k(宝酒造社製)、pT7BlueT(宝酒
造社製)、又はpET16b(宝酒造社製)等に挿入し
たプラスミドを構築する。これらのプラスミドで形質転
換した大腸菌、例えば大腸菌JM109、大腸菌BL2
1(DE3)pLysS等を適当な液体培地中で培養
し、必要に応じてIPTG等による誘導を行い、各プラ
スミド上の挿入DNA断片にコードされているポリペプ
チドを発現させる。これらの形質転換体の発現する単位
培養液あたりのα−アガラーゼ活性は、通常、TKR1
−7AGαの培養液より高い値を示す。
【0028】また、アガラーゼ4−3は、例えば配列表
の配列番号15のアミノ酸番号184以降のポリペプチ
ドをコードする塩基配列を含むDNA断片を、微生物T
KR4−3α由来の染色体DNAを鋳型としたPCRに
よって増幅した後、上記のアガラーゼ1−7と同様の方
法によってα−アガラーゼを発現する形質転換体を遺伝
子工学的に作製することが出来る。得られた形質転換体
は、α−アガラーゼ活性を発現し、かつその単位培養液
あたりの活性は、通常、TKR4−3AGαの培養液よ
り高い。以上のようにして遺伝子工学的に生産させた本
発明のα−アガラーゼは、通常用いられる精製方法、例
えば硫安塩析、溶媒沈澱法により本発明のα−アガラー
ゼを部分精製することができる。さらに、陰イオン交換
カラム、ゲル濾過カラム等のカラムクロマトグラフィー
等の公知の精製操作を組み合わせて、電気泳動的に単一
バンドを示す精製酵素標品を得ることができる。このよ
うにして得られた種々の精製度の本発明の遺伝子組換え
α−アガラーゼを、紅藻類に含まれる多糖である寒天ま
たはアガロースを基質として反応させることにより、ア
ガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオー
ス等のアガロオリゴ糖を製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 TKR1−7AGα由来のα−アガラーゼの製造 本発明のα−アガラーゼの精製を行うにあたって、その
酵素活性は、アガロースL03(宝酒造社製、Code:50
03)を基質として酵素反応を行った後、生じたアガロテ
トラオースの量を高速液体クロマトグラフィーを用いて
定量することにより測定した。以下にその操作の詳細を
示す。0.2%のアガロースL03溶液[10mM ト
リス塩酸(pH7.0)、10mM 塩化カルシウム、
10mM塩化ナトリウム]を調製し、その180μlを
酵素溶液20μlと混合し、42℃で30〜120分
間、好ましくは60分間反応させた後、60℃で1分間
加熱することによって反応を停止させる。この反応溶液
30μlを内径7.8mm、長さ300mmのTSKg
el α−2500(東ソー社製、Code:18339)なるカ
ラムに供し、70%アセトニトリル溶液を溶離液とし、
0.8ml/分の流速で溶出させた時の約26分の保持
時間を示すピークとして酵素反応によって生じたアガロ
テトラオースを定量する。本発明のα−アガラーゼ1単
位(1U)は、10分間当たりに1マイクロモルのアガ
ロテトラオースを生じる酵素量と定義する。
【0030】100mlの人工海水(商品名ジャマリン
S、ジャマリンラボラトリー社製)を調製し、これにペ
プトン(DIFCO社製、Code:0123-17-3)を0.3
%、酵母エキス(DIFCO社製、Code:0127-17-9)
を0.02%となるようにそれぞれ加えた後、3Mの炭
酸ナトリウムでpH8.0に調整した。これを500m
l容の三角フラスコに移し、寒天(ナカライテスク社
製、Code:010-28)0.1gを加え、オートクレーブを
用いて滅菌操作を行った後、微生物TKR1−7AGα
を接種し、25℃、120rpmで一晩培養した。得ら
れた培養液を前培養液とした。本培養は、以下の手順で
行った。5リットル容のジャーファーメンター容器に上
記の培地3リットルを調製し、オートクレーブを用いて
滅菌操作を行った。この培地に上記の前培養液30ml
を接種し、25℃、250rpmで24時間培養した
後、培養液について8,000×g、20分間の遠心分
離を行い、菌体を除いた約3リットルの上清を回収し
た。これより以降の操作は4℃以下で行った。上記の上
清を透析膜(三光純薬社製、Code:UC-36-32-100)に入
れ、約500gのポリエチレングリコール中に二晩浸漬
させて内液が約100mlとなるまで濃縮した後、緩衝
液A[20mM トリス塩酸(pH7.0)、10mM
塩化カルシウム、10mM塩化ナトリウム]に対して透
析を行い脱塩を行った。この透析液を、予め緩衝液Aで
平衡化した強陰イオン交換樹脂であるSuperQ(東
ソー社製、Code:17227)30mlを充填したカラム
(φ2cm×9.5cm)に負荷し、吸着したα−アガ
ラーゼを10mMから150mMへの塩化カルシウムの
直線濃度勾配法(総溶出量600ml)で溶出させ、塩
化カルシウム濃度が50mMから100mMの間に溶出
してくる約60mlのα−アガラーゼ活性画分を回収し
た。この画分を緩衝液B[10mM トリス塩酸(pH
7.0)、10mM 塩化カルシウム、10mM塩化ナ
トリウム]に対して透析して脱塩を行い、20mlのS
uperQを充填したカラム(φ2cm×6.3cm)
に負荷した。この場合は塩化ナトリウムの10mMから
1.0Mへの直線濃度勾配法(総溶出量200ml)に
より吸着した酵素を溶出させ、0.5M前後で溶出する
α−アガラーゼ画分40mlを得た。この画分を緩衝液
Bで透析し、10mlのDEAE−TOYOPEARL
(東ソー社製、Code: 007473)を充填したカラム(φ
0.8cm×5.7cm)に供した。10mMから15
0mMの塩化カルシウムの直線濃度勾配法(総溶出量1
00ml)により、約20mlのα−アガラーゼ活性画
分を回収した。ついで、この画分を遠心限外濾過膜セン
トリプレップ−10(アミコン社製、Code:4304)を用い
て約1mlに濃縮した。これを緩衝液Bで平衡化したS
ephadex G−100(ファルマシア社製、Cod
e:17-0060-01)を充填したカラム(φ0.8cm×6
0cm)を用いたゲル濾過に供し、約15mlのα−ア
ガラーゼ活性画分を得た。この画分を5mlのQAE−
TOYOPEARL(東ソー社製、Code:14026)なる
カラム(φ0.8cm×10cm)に供し、10mMか
ら150mMへの塩化カルシウムの直線濃度勾配法(総
溶出量100ml)による溶出を行い約4mlのα−ア
ガラーゼ画分を得た。こうして得られたα−アガラーゼ
画分をSDSーPAGEにより分析したところ、目的の
酵素はほぼ単一に精製され、その分子量は約95,00
0であった。また、こうして得られた精製α−アガラー
ゼ標品の全活性は45Uであった。以降、この画分をア
ガラーゼ1−7として実験に使用した。
【0031】実施例2 TKR4−3AGα由来のα−アガラーゼの製造 微生物TKR4−3AGαの培養は、実施例1に記載の
微生物TKR1−7AGαと同じ方法により実施し、約
3リットルの培養液上清を得た。この培養液上清を透析
膜(三光純薬社製、Code:UC-36-32-100)に入れ、約5
00gのポリエチレングリコール中に二晩浸漬させて内
液が約300mlとなるまで濃縮した後、緩衝液C[1
0mM トリス塩酸(pH7.0)、10mM 塩化カル
シウム、50mM塩化ナトリウム]に対して透析を行っ
た。この透析液の約3分の2を、予め緩衝液Cで平衡化
した30mlのSuperQを充填したカラム(φ2c
m×9.5cm)に負荷し、吸着したα−アガラーゼを
10mMから80mMへの塩化カルシウムの直線濃度勾
配法(総溶出量400ml)で溶出させ、塩化カルシウ
ム濃度が40mMから50mMの間に溶出してくる約4
0mlのα−アガラーゼ活性画分を回収した。この画分
をセントリプレップ−10にて濃縮した後、緩衝液Bで
希釈を行って脱塩し、10mlのDEAE−TOYOP
EARLを充填したカラム(φ1.5cm×5.7c
m)に負荷した。吸着したα−アガラーゼは塩化カルシ
ウムの10mMから100mMへの直線濃度勾配法(総
溶出量100ml)により溶出させ、塩化カルシウム濃
度45mM前後で溶出するα−アガラーゼ活性画分9m
lを得た。この画分をセントリプレップ−30(アミコ
ン社製、Code:4306)で濃縮後、緩衝液Bで5倍希釈
し、次いで緩衝液Bで平衡化した2mlのQAE−TO
YOPEARLを充填したカラム(φ0.8cm×4c
m)に供した。10mMから120mMの塩化カルシウ
ムの直線濃度勾配法(総溶出量40ml)でカラムに吸
着したα−アガラーゼの画分を回収した。こうして得ら
れたα−アガラーゼ画分をSDSーPAGEにより分析
したところ、α−アガラーゼはほぼ単一に精製されてい
た。得られた全活性は、1.53Uであった。以降、こ
の画分をアガラーゼ4−3として実験に使用した。
【0032】実施例3 酵素の諸性質の検討 (1)基質特異性および作用 アガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキサオ
ース、アガロオクタオースの4種類のアガロオリゴ糖
(それぞれ2.5mM)、ネオアガロビオース、ネオア
ガロテトラオース、ネオアガロヘキサオースの3種類の
ネオアガロオリゴ糖(それぞれ2.5mM)ならびにア
ガロースL03(1%)のそれぞれを含む10μlの反
応用緩衝液[10mM トリス塩酸(pH7.0)、1
0mM 塩化カルシウム、10mM塩化ナトリウム]を
調製し、これにアガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3溶
液10μlずつをそれぞれ加えて42℃、30分間の反
応を行った。この反応生成物をクロロホルム:メタノー
ル:酢酸=3:3:1の組成から成る展開溶媒を用いた
薄層クロマトグラフィーに供し、展開後、オルシノール
硫酸法により反応生成物の確認を行った。その結果、ア
ガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3ともにアガロヘキサ
オース、アガロオクタオース、ネオアガロヘキサオース
およびアガロースを切断することが明らかとなった。ア
ガロヘキサオースにアガラーゼ1−7を作用させた場合
の薄層クロマトグラフィーの結果を図1に、また、アガ
ラーゼ4−3を作用させた場合の薄層クロマトグラフィ
ーの結果を図2に示す。図1および2において、1はア
ガロビオース、2はアガロテトラオース、3はアガロヘ
キサオース、4は本発明のアガラーゼを作用させたアガ
ロヘキサオース、5はアガロビオースとアガロテトラオ
ースの混合物が展開されたレーンをそれぞれ示す。これ
らの図より明らかなように、本発明のα−アガラーゼは
アガロヘキサオースを分解し、アガロビオースとアガロ
テトラオースを生成する。
【0033】(2)α−アガラーゼの反応産物の同定 2.0mlの1.0%のアガロースL03溶液[10m
M トリス塩酸(pH7.0)、10mM 塩化カルシウ
ム、10mM塩化ナトリウム]にアガラーゼ1−7、ア
ガラーゼ4−3をそれぞれ添加して42℃、60分間の
反応を行った。反応終了後、溶離液として70%アセト
ニトリルを用いたゲル濾過カラム(東ソー社製、TSK
gel α−2500)に反応液の一部を供し、0.8
ml/分の流速でクロマトグラフィーを実施した。約2
6分の保持時間で溶出される画分を分取し、該画分をロ
ータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固したのち、そ
の重量を測定したところ約4mgであった。ついで、上
記の画分をJNM−EX270 FT NMRシステム
(日本電子社製)を用いた核磁気共鳴法によって分析し
たところ、両酵素によりアガロースから生成される、上
記画分に含有される物質はアガロテトラオースであるこ
とが確認された。すなわち、アガラーゼ1−7、アガラ
ーゼ4−3はともにアガロース分子中のD−ガラクトー
スと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとの間のα
−1,3結合を加水分解し、アガロテトラオースを含有
するアガロオリゴ糖を生成することが明らかとなった。 (3)反応pH 1%アガロースL03、10mM 塩化カルシウム、1
0mM塩化ナトリウムを含み、それぞれ終濃度10mM
の緩衝液でpHを4.5(酢酸緩衝液)、5.5(リン
ゴ酸緩衝液)、6.0、6.5(酢酸緩衝液)、7.
0、7.5、8.8(トリス緩衝液)に調整した10μ
lの反応液を調製し、これに酵素溶液10μlを加えて
42℃にて1時間反応させた。この反応液を薄層クロマ
トグラフィーに供し、クロロホルム:メタノール:酢酸
=3:3:1(v/v/v)で展開し、オルシノール硫
酸法により反応生成物の確認を行った。これによりアガ
ラーゼ1−7は中性から弱酸性、アガラーゼ4−3は弱
アルカリ性から弱酸性でアガロース分解活性を示すこと
が明らかとなった。
【0034】(4)至適温度 アガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3の酵素活性測定を
種々の温度において実施した。酵素の失活が抑制され、
速やかに反応が進む温度はアガラーゼ1−7、アガラー
ゼ4−3ともに37〜42℃であった。 (5)熱安定性 アガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3精製酵素溶液を4
8℃、50℃、60℃で30秒間加熱した後、0.2%
のアガロースL03溶液[10mM トリス塩酸(pH
7.0)、10mM 塩化カルシウム、10mM塩化ナ
トリウム]を添加し、42℃で1時間反応させた。沸騰
水中で1分間加熱することにより反応を停止させたの
ち、実施例1に記載の活性測定方法に準じて反応生成物
を定量した。この結果、上記の加熱処理を行わない場合
の活性を100%とした場合、 アガラーゼ1−7は4
8℃処理で25%、アガラーゼ4−3は50℃処理で2
2%の活性を示した。 (6)分子量 アガラーゼ1−7の分子量はSDS−ポリアクリルアミ
ド電気泳動法で測定した。 SDSを含む10〜20%
ポリアクリルアミド濃度勾配ゲルを使用し、分子量マー
カー(バイオラッド社製、分子量 200,000のミオ
シン、116,250のβ−ガラクトシダーゼ、97,4
00のフォスフォリラーゼ b、66,200のウシ血清
アルブミン、45,000のオブアルブミン、31,00
0のカルボニックアンヒドラーゼ、21,500のトリ
プシンインヒビター、14,400のリゾチーム)とと
もにアガラーゼ1−7の電気泳動を行った。ゲル上での
移動度から分子量を求めたところ、アガラーゼ1−7の
分子量は約95,000ダルトンであった。また、アガ
ラーゼ4−3については平衡密度勾配遠心分離法によっ
て分子量を求めた。密度勾配は10mMトリス−HCl
pH7.0、10mM塩化カルシウム、50mM塩化ナ
トリウムの緩衝液中でグリセリン濃度を15%〜35%
に変化させて作製した。2本の5ml容の遠心管のそれ
ぞれに、最下層が35%、最上層が15%グリセリンに
なるように4.8mlの直線密度勾配液を作製した。さ
らに、その一方の上層には、分子量マーカーローレンジ
(Low Range、バイオ・ラッド社製)15μlを前述の
緩衝液で15%のグリセリンを含む100μlの溶液と
したものを重層し、もう1本にはアガラーゼ4−3酵素
標品100μlを重層した。これらの遠心管を、スイン
グローターを用い、45,000rpm、4℃、21時間遠
心分離した。遠心後、両遠心管の上層から順に250μ
lずつ緩衝液を抜き取り、フラクション1〜20とし
た。分子量マーカー遠心管の各フラクションはSDS−
PAGEに供し、酵素標品遠心管の各フラクションはS
DS−PAGEおよび酵素活性測定に供した。α−アガ
ラーゼ酵素活性のピークはフラクションNo.8〜10
に検出され、それは分子量マーカーのフラクションでの
SDS−PAGEの結果からは分子量約65,000〜
85,000に相当した。この結果と、酵素標品フラク
ションのSDS−PAGEの結果とから、アガラーゼ4
−3の分子量は約85,000と推定された。
【0035】(7)エドマン分解法によるアミノ酸配列
分析 実施例1、2で得られたα−アガラーゼ1−7、4−3
のアミノ酸配列をエドマン分解法にて決定した。それぞ
れ10ピコモル相当の酵素タンパクを含むアガラーゼ1
−7と4−3の精製酵素標品溶液を10〜20%ポリア
クリルアミド濃度勾配ゲルを用いたSDS−PAGEに
供した。泳動終了後、ゲル上で分離された酵素をプロブ
ロット(アプライドバイオシステムズ社製)なる膜にブ
ロッティングし、酵素が吸着した部分の膜をプロテイン
シークエンサー(G1000A、ヒューレット・パッカ
ード社製)を用いて分析した。この結果、アガラーゼ1
−7についてはアミノ酸配列P1:Asp-Thr-Leu-Ser-Va
l-Glu-Ala-Glu-Met-Phe(配列番号1)、アガラーゼ4
−3についてはアミノ酸配列P2:Gly-Asp-Ile-Val-Il
e-Glu-Leu-Glu-Asp-Phe-Asp-Ala-Thr-Gly-Thr-Thr-Gly-
Arg-Val-Ala(配列番号2)が明らかにされた。
【0036】実施例4 アガロオリゴ糖の製造 2mlの反応用緩衝液[10mM トリス塩酸(pH
7.0)、10mM 塩化カルシウム、10mM塩化ナ
トリウム]に1.0%(w/v)になるようにアガロー
スL03を加え、さらに2Uのアガラーゼ1−7精製標
品を加えて42℃で16時間反応させた。反応終了後、
反応液を0.22μmフィルター(ミリポア社製、Cod
e:SLGVL040S)で濾過した。この反応液を実施例1に記
載の、本発明の酵素の活性測定において使用されたもの
と同条件の高速液体クロマトグラフィーにより分析し、
生成したアガロオリゴ糖を確認した。この結果、反応液
中にアガロビオース、アガロテトラオース、アガロヘキ
サオースが検出され、上記の酵素反応により、これらの
低分子アガロオリゴ糖が生成していることが確認され
た。
【0037】実施例5 TKR1−7AGα、TKR4−3AGαの染色体DN
Aの調製 人工海水(商品名ジャマリンS、ジャマリンラボラトリ
ー社製)を調製し、ペプトン(DIFCO社製、Code:
0123-17-3)を0.3%(w/v)、酵母エキス(DI
FCO社製、Code: 0127-17-9)を0.02%(w/
v)となるよう加えた後、3Mの炭酸ナトリウムでpH
8.0に調整し、これに寒天(ナカライテスク社製、Co
de: 010-28)を0.1%(w/v)になるように加え、
オートクレーブを用いて滅菌操作を行った。2mlの培
地にα−アガラーゼ生産菌株であるTKR1−7AG
α、TKR4−3AGαのグリセロールストックより1
0μlを植菌し、25℃で一晩培養した。それより1m
lを100mlの同培地へ植菌し、同じく25℃で一晩
培養し、 8,000×g、10分間遠心することより
菌体を回収した。その菌体を10mlの緩衝液A[10
0mM塩化ナトリウム、100mMトリス塩酸(pH
8.0)、10mM EDTA(pH8.0)]に懸濁
し、0.25mlのリゾチーム溶液(20mg/ml)
を添加、37℃、1時間インキュベートした。つぎに、
2.5mlの5%SDS含有緩衝液Aを加えた後、60
℃で20分間振とうしながらインキュベートし、1.5
mlのプロテアーゼK溶液(20mg/ml)を添加し
た。その後37℃で一晩インキュベートし、その溶液に
対してほぼ等量のフェノールを加えて室温で約10分間
穏やかに振とうした。2,000×g、10分間遠心
し、その上清を冷エタノールに移し、染色体DNAをガ
ラス棒で巻き取った。この操作を2回繰り返した後、5
0μlのRNase溶液(10mg/ml)を添加、3
7℃で10分間インキュベートした。この溶液から染色
体DNAをエタノール沈澱により回収し、5mlの緩衝
液B[140mM 塩化ナトリウム、20mMトリス塩
酸(pH7.5)、1mM EDTA(pH7.5)]
に懸濁し、同緩衝液で一晩透析し、それぞれ約1.5m
g(TKR1−7AGα)、約3.1mg(TKR1−
7AGα)の染色体DNAを得た。その純度をOD26
0nm/280nmで検定したところ、両方共に約1.
8であり、以下のクローニングに使用することにした。
【0038】実施例6 α−アガラーゼ1−7遺伝子のクローニング 制限酵素BamHIで部分消化したTKR1−7AGα
の染色体DNA 10μgについて1.0%低融点アガ
ロースゲルを用いた電気泳動を行ない、エチジウムブロ
ミドによる染色後、紫外線照射下で4〜10kbに相当
する部分を切り出した。ゲルから常法に従って熱融解に
よりDNAを抽出精製し、回収したDNA断片をプラス
ミドpUC19(宝酒造社製)のBamHIサイトにD
NAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて挿入
した。このプラスミドライブラリーで大腸菌JM109
を形質転換して、その形質転換体を寒天を1.5%(w
/v)濃度含むLB寒天培地(アンピシリン50μg/
ml)上で生育させた。37℃で一晩培養したところ1
プレート当たり約1,000株の形質転換体が生育し、
このプレート20枚をさらに25℃で4日間インキュベ
ートした。その結果コロニー周辺の寒天が分解されてい
るものが2株存在し、この株を2mlのアンピシリンを
含むLB培地に植菌して37℃で一晩培養し、得られた
菌体から調製された粗抽出液にα−アガラーゼ活性が認
められた。この株より常法に従いプラスミドDNAを抽
出し、制限酵素BamHIで切断してインサートDNA
の長さを確認したところ両方ともに約7.2kbであっ
た。このハイブリッドプラスミドはその制限酵素切断パ
ターンから同じ物と考えられ、pAA1と命名した。プ
ラスミドpAA1で形質転換された大腸菌はEscherichi
a coli JM109/pAA1と命名表示され、ブダペ
スト条約のもと1999年5月26日(原寄託日)より
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番
号FERM BP−6992のもとで寄託されている。
つぎに、配列表の配列番号1で示されるアガラーゼ1−
7のアミノ酸配列P1に基づいて配列表の配列番号3で
示されるミックスプライマー1をデザインし、該プライ
マーと配列表の配列番号4で示されるpUCベクターに
特異的にハイブリダイズするプライマー2を用い、pA
A1を鋳型としたPCRを行なった。0.5mlPCR
用チューブに50ngのpAA1、5μlのExTaq
緩衝液、8μlのdNTP混合液、1μlのミックスプ
ライマー1、1μlのプライマー2、0.5μlのTaK
aRa ExTaqを加え、滅菌水を加えて全量を50
μlとした。この溶液に50μlのミネラルオイルを重
層した後、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝
酒造社製)にセットし、94℃で2分間変性を行なった
後、94℃で1分(変性)、50℃で2分(プライマー
のアニーリング)、72℃で3分(合成反応)を1サイ
クルとする30サイクルのPCRを実施した。このPC
R反応後の反応液全量を1.0%低融点アガロース電気
泳動を行なった後、約3.5kbの増幅DNA断片を切
り出し、pT7Blue(ノバジェン社製)に連結し
た。このDNA断片の塩基配列をN末端側よりTaq
DNAポリメラーゼを用いたジデオキシチェーンターミ
ネーター法で決定した。このようにして決定された配列
に基づいて配列表の配列番号5で示されるプライマーを
デザインし、 該プライマーを用いて上流側の塩基配列
を決定した。その結果、配列表の配列番号1で示される
アミノ酸配列P1に対応する塩基配列の上流に27個の
アミノ酸をコードする塩基配列が存在し、さらにその上
流にSD様配列が存在することが見出され、pAA1が
合計925個のアミノ酸からなるポリペプチドをコード
する読み取り枠(ORF)を有することが明らかとなっ
た。該読み取り枠の塩基配列を配列表の配列番号12
に、該読み取り枠がコードするアミノ酸配列を配列表の
配列番号14に示す。なお、微生物TKR1−7AGα
より精製されたα−アガラーゼのN末端配列P1は配列
表の配列番号13に示されたアミノ酸配列の28〜37
番目のアミノ酸配列に一致していた。
【0039】実施例7 α−アガラーゼ4−3遺伝子のクローニング 配列表の配列番号2で示されるアガラーゼ4−3のアミ
ノ酸配列P2のアミノ酸番号2〜11の配列に基づくミ
ックスプライマー3、およびアミノ酸番号12〜20の
配列に基づくミックスプライマー4をデサインし、これ
らのプライマーを用いてLA PCR in vitro cloning kit
(宝酒造社製)によるアガラーゼ4−3遺伝子のクロー
ニングを試みた。配列表の配列番号6にミックスプライ
マー3の配列を、配列番号7にミックスプライマー4の
配列を示す。一次PCR反応は以下のように行なった。
実施例5で調製したTKR4−3AGαの染色体DNA
を制限酵素BamHIで完全消化し、その末端にBam
HIリンカーをDNAライゲーションキット(宝酒造社
製)を用いて連結した。その一部を0.5mlPCR用
チューブにとり5μlの10×LA PCR 緩衝液、8μl
のdNTP混合液、1μlのミックスプライマー3、1
μlのLA PCR in vitrocloning kit(宝酒造社製)に添
付のプライマーC1、0.5μlのTaKaRa LA
Taq加え、滅菌水を加えて全量を50μlとした。こ
の溶液に50μlのミネラルオイルを重層した後、自動
遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)にセ
ットし、94℃で2分間変性を行なった後、94℃で1
分間(変性)、50℃で2分間(プライマーのアニーリ
ング)、72℃で3分間(合成反応)を1サイクルとす
る30サイクルのPCRを実施した。このようにして得
られた一次PCR産物を用い、次に、二次PCRを行な
った。一次PCR後の反応液1μlをテンプレートと
し、ミックスプライマー4とLAPCR in vitro cloning k
it(宝酒造社製)に添付のプライマーC2の組み合わせ
で一次PCRと同様の条件でPCRを行なった後、上層
のミネラルオイルを除去し、次いで反応液5μlを1.
0%アガロースゲル電気泳動に供し、エチジウムブロミ
ドでDNAを染色して増幅産物の確認を行なった。その
結果、約2kbの増幅産物が確認され、該DNAフラグ
メントを4−3Nと命名した。この増幅フラグメントを
アガロースゲルより切り出し、常法に従って抽出精製
し、pT7Blueベクターに連結し、大腸菌JM10
9を形質転換した。得られた形質転換体を用いて4−3
の末端領域の塩基配列をジデオキシチェーンターミネー
ター法で決定した。このようにして決定された4−3N
の末端領域の配列に基づいてプライマーをデザインし、
4−3Nの上流および下流のDNA断片のクローニング
をLA PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)を用い
て行なった。4−3Nの上流のDNA断片のクローニン
グには、配列が明らかになった4−3Nの末端領域のN
末端付近の領域に基づいてデザインされた、配列表の配
列番号8および9に示されるプライマー6および7を用
いた。クローニングはプライマーのアニーリング温度を
55℃としたことを除いて4−3Nのクローニングと同
様の操作にて行なった。その結果、約1.0kbのDN
A断片が得られ、4−3UNと命名した。4−3Nの下
流のDNA断片のクローニングには、配列が明らかにな
った4−3Nの末端領域のC末端付近の領域に基づいて
デザインされた、配列表の配列番号10および11に示
されるプライマー8および9を用いた。クローニングは
プライマーのアニーリング温度を55℃としたこと除い
て4−3Nのクローニングと同様の操作にて行なった。
その結果、約2.0kbのDNAフラグメントが得ら
れ、4−3Cと命名した。得られたフラグメント4−3
UN、4−3Cは、共にpT7Blueベクター(ノバ
ジェン社製)に連結し、ジデオキシチェーンターミネー
ター法で塩基配列を決定した。以上にようにして決定さ
れた4−3N、4−3UN、4−3CのDNAフラグメ
ントの塩基配列を解析し、重ねあわせた結果、951個
のアミノ酸からなるポリペプチドをコードする読み取り
枠(ORF)が見出された。該読み取り枠の塩基配列を
配列表の配列番号13に、該読み取り枠の塩基配列がコ
ードするアミノ酸配列を配列表の配列番号15に示す。
なお、4−3UN中にはアミノ酸配列P2部分の塩基配
列が存在し、その上流に183個のアミノ酸をコードす
る塩基配列、さらにその上流にSD様配列が見出され
た。なお微生物TKR4−3より精製されたα−アガラ
ーゼについて決定されたN末端アミノ酸配列P2は、配
列表の配列番号15に示されたアミノ酸配列の184〜
203番目のアミノ酸配列に一致していた。以上のよう
にして得られたアガラーゼ1−7、アガラーゼ4−3の
アミノ酸配列および遺伝子の塩基配列は公知のアガロー
ス分解酵素で本発明のアガラーゼと異なる切断様式を持
つβ−アガラーゼのアミノ酸配列および遺伝子の塩基配
列とのホモロジーはなく、全く新規の配列であると考え
られた。
【0040】実施例8 α−アガラーゼ1−7を発現するプラスミドの構築 配列表の配列番号18で表される配列を有するプライマ
ー10を合成した。このプライマー10は、塩基番号8
〜13に制限酵素NdeIの認識配列を持ち、α−アガ
ラーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ
酸番号28〜31のアミノ酸配列に相当する塩基配列を
塩基番号14〜25に持つプライマーである。プライマ
ー10とpAA1中のpUC19ベクター側にハイブリ
ダイズするプライマー2(配列番号4)を用い、pAA
1を鋳型としたPCRを行なった。0.5ml PCR
用チューブにプライマー10、プライマー2を10pm
olずつ、鋳型として実施例6で得たpAA1 10n
g、5μlの10×ExTaq緩衝液、8μlのdNT
P混合液、0.5μlのTaKaRa ExTaqを加
え、滅菌水を加えて全量を50μlとした。これを自動
遺伝子増幅装置サーマルサイクラー(宝酒造社製)にセ
ットし、94℃で2分間変性を行った後、94℃で1分
間、55℃で2分間、72℃で3分間を1サイクルとす
る25サイクルのPCRを行った。このPCR産物をエ
タノール沈澱により濃縮、脱塩し、制限酵素NdeI
(宝酒造社製)及びBamHI(宝酒造社製)で二重消
化し、1.0%アガロースゲル電気泳動によりそのNd
eI−BamHI消化物を分離し、抽出精製した。この
精製したものとNdeI及びBamHIで消化したpK
F19k(宝酒造社製)を混合し、DNAライゲーショ
ンキット(宝酒造社製)を用いて連結した。その後、ラ
イゲーション反応液10μlを用いて大腸菌JM109
を形質転換し、その形質転換体を1.5%(w/v)濃
度の寒天を含むLB培地(カナマイシン50μg/ml
含む)上で生育させた。白色を呈したコロニーからプラ
スミドを調製し、DNAシークエンシングを行い、正し
くPCR産物が挿入されたプラスミドを選択し、これを
pAA201と命名した。pAA201はα−アガラー
ゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸番
号28〜925のアミノ酸配列をコードするプラスミド
である。このpAA201を導入した形質転換体を2.
5mlのLB液体培地(カナマイシン50μg/ml、
10mM塩化カルシウムを含む)に植菌し、37℃で一
晩培養した。この一部を新たに2.5mlの同培地に植
菌し、25℃で対数増殖期まで培養した。ここでIPT
Gを終濃度1.0mMになるように添加し、さらに一晩
15℃で培養して目的タンパク質を発現誘導させた。そ
の後菌体を遠心分離により集め、150μlの細胞破砕
溶液{20mMトリス塩酸(pH7.0)、10mM塩
化カルシウム、10mM塩化ナトリウム}に再懸濁し
た。超音波により菌体を破砕し、遠心分離により上澄み
の抽出液と沈澱とに分けた。それぞれを試料としてアガ
ロースを基質としたα−アガラーゼ活性を測定したとこ
ろ、抽出液に活性が確認された。なお、この活性は10
0mlの培養液当たりの活性で比較した場合、野性株で
あるTKR1−7AGαのもつ活性の約25倍であっ
た。
【0041】実施例9 α−アガラーゼ1−7のpT7BlueTを用いた発現
系 配列表の配列番号19で表される配列を有するプライマ
ー11を合成した。このプライマー11は、α−アガラ
ーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸
番号28〜33のアミノ酸配列に相当する塩基配列を塩
基番号13〜30に持つプライマーである。プライマー
11とプライマー2を用い、pAA1を鋳型とするPC
Rを行い、得られたPCR産物を1.0%アガロースゲ
ル電気泳動で分離し、抽出精製した。精製されたPCR
産物を、クローニングするために設計されたベクターで
あるpT7BlueTベクター(宝酒造社製)に連結
し、発現ベクターを構築した。なおPCRのの反応条件
は実施例8に準じた方法で行った。DNAシークエンシ
ングを行い、正しくPCR産物が挿入されたプラスミド
を選択した。このハイブリッドプラスミドをpAA30
1と命名した。 pAA301はpAA201と同様α
−アガラーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)の
アミノ酸番号28〜925のアミノ酸配列をコードする
プラスミドである。pAA301を用いて大腸菌JM1
09を形質転換し、得られた形質転換体をLB液体培地
(アンピシリン50μg/ml、10mM塩化カルシウ
ムを含む)に植菌し、実施例8と同様にIPTGにより
目的タンパク質の発現を誘導し、α−アガラーゼ活性を
確認したところ、抽出液に活性が確認された。これは1
00mlの培養液当たりの活性で比較した場合、TKR
1−7AGαのもつ活性の約100倍であった。
【0042】実施例10 α−アガラーゼ1−7のpET16bを用いた発現系 配列表の配列番号20で表される配列を有するプライマ
ー12を合成した。このプライマー12はα−アガラー
ゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸番
号919〜924に相当する塩基配列の相補鎖の塩基配
列を塩基番号17〜34にもち、制限酵素BamHIの
認識配列を塩基番号9〜14に持つプライマーである。
実施例8に準じた条件で、プライマー10(配列番号1
8)と、プライマー12(配列番号20)を用いて、p
AA1をテンプレートとしたPCRを行った。その増幅
断片をエタノール沈澱により濃縮、脱塩後、NdeI
(宝酒造社製)及びBamHI(宝酒造社製)で切断
し、アガロースゲル電気泳動により分離し、抽出精製し
た。これをNdeI及びBamHIで切断したpET1
6b(宝酒造社製)に連結し、得られたハイブリッドプ
ラスミドをpAA401と命名した。pAA401はp
AA201、pAA301と同様α−アガラーゼ1−7
のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸番号28〜
925のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。
pAA401を用いて大腸菌BL21(DE3)pLy
sSを形質転換し、得られた形質転換体を用いて実施例
8と同様にα−アガラーゼの活性を確認したところ(た
だし薬剤はカナマイシンの代わりにアンピシリンを用い
た)、その抽出液に活性が確認された。この活性は10
0mlの培養液当たりの活性で比較した場合、TKR1
−7AGαのもつ活性の約100倍であった。
【0043】実施例11 α−アガラーゼ4−3を発現するプラスミドの構築 配列表の配列番号21で表される配列を有するプライマ
ー13、及び配列表の配列番号22で表される配列を有
するプライマー14を合成した。プライマー13は制限
酵素NdeIの認識配列を塩基番号12〜17に持ち、
さらにα−アガラーゼ4−3のアミノ酸配列(配列番号
15)のアミノ酸番号184〜187のアミノ酸配列に
相当する塩基配列を塩基番号18〜29に持つプライマ
ーである。プライマー14は制限酵素BamHIの認識
配列を塩基番号8〜13に持ち、なおかつクローニング
の結果得られたα−アガラーゼ4−3遺伝子の読み枠の
下流とハイブリダイズする配列を持つプライマーであ
る。プライマー13及びプライマー14を用いて、 T
KR4−3AGα野生株由来の染色体DNAを鋳型とし
たPCRを行った。プライマー13、14を10pmo
lずつ、鋳型としてTKR4−3AGα野生株由来の染
色体DNAを制限酵素BamHIで消化したもの10n
g、ExTaq(宝酒造社製)を含むPCR反応液を調
製し、94℃で2分間変性を行った後、94℃で1分間
→50℃で2分間→72℃で3分間を1サイクルとする
25サイクルのPCRを行った。得られたPCR産物を
エタノール沈澱により濃縮し、制限酵素NdeI(宝酒
造社製)及びBamHI(宝酒造社製)で二重消化し、
1.0%アガロースゲル電気泳動によりそのNdeI−
BamHI消化物を分離し、抽出精製した。実施例8と
同様にしてpKF19kとのハイブリッドプラスミドを
作製し、大腸菌JM109を形質転換した。得られた形
質転換体よりプラスミドを調製し、PCR産物が正しい
方向で挿入されたものを選択し、これをpAH101と
命名した。pAH101はα−アガラーゼ4−3のアミ
ノ酸配列(配列番号15)のアミノ酸番号184〜95
1のアミノ酸配列をコードするプラスミドである。プラ
スミドpAH101で形質転換された大腸菌はEscheric
hia coli JM109/pAH101と命名表示され、ブダペスト条
約のもと2000年1月27日より通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM BP−
7008のもとで寄託されている。pAH101を保持
する形質転換体について、実施例8と同様にしてα−ア
ガラーゼ活性を確認したところ、その抽出液に活性が存
在した。その活性は100mlの培養液当たりの活性で
比較した場合、野性株であるTKR4−3AGαのもつ
活性の約15倍であった。
【0044】実施例12 α−アガラーゼ4−3のpET16bを用いた発現系 配列表の配列番号23で表される配列を有するプライマ
ー15を合成した。プライマー15は制限酵素BamH
Iの認識配列を塩基番号10〜15に持ち、α−アガラ
ーゼ4−3のアミノ酸配列(配列番号15)のアミノ酸
番号945〜950のアミノ酸配列に相当する塩基配列
の相補鎖の塩基配列を塩基番号18〜35に持つプライ
マーである。実施例8に準じた条件で、プライマー13
とプライマー15を用いて、実施例11に記載のTKR
4−3AGα野生株由来の染色体DNAを鋳型としたP
CRを行った。その増幅断片をエタノール沈澱により濃
縮後、NdeI及びBamHI切断し、アガロースゲル
電気泳動により分離し、抽出精製した。これをNdeI
及びBamHIで切断したpET16b(宝酒造社製)
に連結し、得られたハイブリッドプラスミドをpAH2
01と命名した。pAH201はα−アガラーゼ4−3
のアミノ酸配列(配列番号15)のアミノ酸番号184
〜950のアミノ酸配列をコードするプラスミドであ
る。pAH201を用いて大腸菌BL21(DE3)p
LysSを形質転換し、得られた形質転換体を用いて実
施例8と同様にα−アガラーゼの活性を確認したところ
(ただし薬剤はカナマイシンの代わりにアンピシリンを
用いた)、その抽出液に活性が確認された。これは10
0mlの培養液当たりの活性で比較した場合、TKR4
−3AGαのもつ活性の約75倍であった。
【0045】実施例13 改変タンパク質の活性 遺伝子工学的手法により、以下に示す改変タンパク質を
作製し、それぞれについてα−アガラーゼ活性を確認し
た。配列表の配列番号24で表される配列を有するプラ
イマー16を合成した。プライマー16は、α−アガラ
ーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸
番号172〜174のアミノ酸配列に相当する塩基配列
を塩基番号3〜11に持ち、α−アガラーゼ1−7のア
ミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸番号177〜1
81のアミノ酸配列に相当する塩基配列を塩基番号18
〜32に持ち、さらに制限酵素NdeIの認識配列を塩
基番号12〜17にもつプライマーである。プライマー
16とプライマー2(配列番号4)を用いて、pAA1
をテンプレートとしたPCRを行い、実施例8と同様に
してpKF19kへ連結し、大腸菌JM109を形質転
換した。形質転換体よりプラスミドを調製し、DNAシ
ークエンシングにより連結部分の配列を確認して、得ら
れたハイブリッドプラスミドをpAA501と命名し
た。pAA501はα−アガラーゼ1−7のアミノ酸番
号176番目までが欠失したもの、即ち配列番号14の
アミノ酸番号177〜925のアミノ酸配列をコードす
るプラスミドである。pAA501で形質転換した大腸
菌JM109を実施例8と同様にして培養し、IPTG
でpAA501がコードするタンパク質の発現を誘導さ
せ、活性を確認したところ、その抽出液にα−アガラー
ゼの活性が存在した。
【0046】実施例14 サザンハイブリダイゼーション α−アガラーゼ4−3のクローンであるpAH101の
挿入断片をプローブとし、野性株であるTKR1−7A
Gαの染色体DNAに対するサザンハイブリダイゼーシ
ョンを行った。以下の操作は、DIG DNA標識・検出キッ
ト(ロシュ社製)のプロトコルに従い実施した。この際
のプローブは、pAH101を制限酵素NdeI及び制
限酵素BamHIで切断して得られた約2.4kbのD
NA断片をアガロースゲル電気泳動により分離、抽出精
製し、その約1.0μg分を上記キットのプロトコルに
従い標識したものを用いた。約2.0μg分のTKR1
−7AGαの染色体DNAをBamHIで切断し、1.
0%アガロースゲル電気泳動した後、常法に従って0.
4N水酸化ナトリウムによりニトロセルロースメンブレ
ン(アマシャム社製)にDNA断片をトランスファーし
た。その後、68℃で1時間プレハイブリダイゼーショ
ンを行い、標識したプローブを熱変性させたものを添加
して、68℃で一晩ハイブリダイゼーションを行った。
尚、ハイブリダイゼーションは[6×SSC、0.5%
SDS、5×デンハルト、100mg/mlニシン精
子DNA]の溶液中で行なった。そのメンブレンを室温
で2×SSC、0.1%(w/v)SDSで5分間(2
回)、68℃で0.1×SSC、0.1%(w/v)S
DSで15分間(2回)洗浄し、余分なプローブを排除
した。その後プロトコルに従い検出反応を行った結果、
約7.2kbの位置にバンドが確認された。このよう
に、α−アガラーゼ4−3の遺伝子をプローブに用いて
ストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションを実
施することにより、活性なα−アガラーゼをコードする
遺伝子である野性株TKR1−7AGαのα−アガラー
ゼ遺伝子を検出することができた。なお、α−アガラー
ゼ1−7とα−アガラーゼ4−3のオープンリーディン
グフレーム全長の配列を比較したところ、アミノ酸配列
のホモロジーは51%、遺伝子の塩基配列のホモロジー
は61%であった。
【0047】実施例15 欠失体α−アガラーゼの作成 遺伝子工学的手法により、以下に示すN末端側より欠失
させたタンパク質を作製し、それぞれについてα−アガ
ラーゼ活性を確認した。 (1)α−アガラーゼ1−7欠失体のα−アガラーゼ活
性 プライマー17(配列番号25)は、α−アガラーゼ1
−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸番号1
97〜200、201〜206のアミノ酸配列に相当す
る塩基配列を塩基番号1〜12、19〜36にもち、さ
らに制限酵素NdeIの認識配列を塩基番号13〜18
にもつ。これとプライマー2(配列番号4)を用いて、
上記のプラスミドpAA1をテンプレートとしたPCR
を以下のように行った。0.5ml容のPCR用チュー
ブにプライマー17、プライマー2を10pmolず
つ、テンプレートとして10ngのpAA1、さらに5
μlの10×ExTaq緩衝液、8μlのdNTP混合
液、0.5μlのTaKaRa ExTaqを加え、滅
菌水を加えて50μlとした。これを自動遺伝子増幅装
置サーマルサイクラー(宝酒造社製)にセットし、94
℃で2分間変性を行った後、94℃で1分間→55℃で
2分間→72℃で3分間を1サイクルとする25サイク
ルのPCRを行った。このPCR産物をエタノール沈澱
により濃縮、脱塩した後、制限酵素NdeI(宝酒造社
製)及びBamHI(宝酒造社製)で二重消化した。こ
の消化物を1.0%アガロース電気泳動に供し、Nde
I、BamHIで消化されたPCR産物を抽出精製し
た。精製されたPCR産物と、同じくNdeI、Bam
HIで消化したpKF19k(宝酒造社製)を混合し、
DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いてこ
れらを連結した。その後、このライゲーション反応液1
0μlを用いて大腸菌JM109を形質転換し、その形
質転換体を1.5%(w/v)濃度の寒天を含むLB培
地(50μg/mlのカナマイシンを含む)上で生育さ
せた。白色を呈したコロニーからプラスミドを調製し、
次いでプラスミド中の挿入断片の塩基配列を調べて上記
のPCR産物が挿入されたプラスミドを選択し、これを
pAA−deN1と命名した。これから発現されるタン
パク質は、α−アガラーゼ1−7のアミノ酸番号200
番目までが欠失したものである。このpAA−deN1
を大腸菌に導入して得られた形質転換体を2.5mlの
LB液体培地(カナマイシン50μg/ml、10mM
塩化カルシウムを含む)に植菌し、37℃で一晩培養し
た。この一部を新たに2.5mlの同培地に植菌し、2
5℃で対数増殖期まで培養した。ここでIPTGを終濃
度1.0mMになるように添加し、同時に15℃に培養
温度を下げて、さらに一晩培養して目的タンパク質を発
現誘導した。その後菌体を遠心分離により集め、150
μlの細胞破砕溶液{20mMトリス塩酸(pH7.
0)、10mM塩化カルシウム、10mM塩化ナトリウ
ム}に懸濁した。超音波処理により菌体を破砕した後、
遠心分離により上澄みの無細胞抽出液と沈澱とに分け
た。それぞれを試料としてアガロースを基質とした上記
の方法によりα−アガラーゼ活性を測定したところ、無
細胞抽出液に活性が確認された。以下上記と同様の操作
により欠失体を作製し、そのα−アガラーゼ活性を測定
した。プライマー18(配列番号26)は、α−アガラ
ーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号14)のアミノ酸
番号332〜334、335〜340のアミノ酸配列に
相当する塩基配列を塩基番号3〜11、18〜35にも
ち、さらに制限酵素NdeIの認識配列を塩基番号12
〜17にもつ。このプライマーをプライマー17のかわ
りに使用して作製したハイブリッドプラスミドをpAA
−deN2とした。これから発現されるタンパク質は、
α−アガラーゼ1−7のアミノ酸番号334番目までが
欠失したものである。プライマー19(配列番号27)
は、α−アガラーゼ1−7のアミノ酸配列(配列番号1
4)のアミノ酸番号376〜378、379〜385の
アミノ酸配列に相当する塩基配列を塩基番号2〜10、
18〜38にもち、さらに制限酵素NdeIの認識配列
を塩基番号11〜16にもつ。このプライマーをプライ
マー17のかわりに使用して作製したハイブリッドプラ
スミドをpAA−deN3とした。これから発現される
タンパク質は、α−アガラーゼ1−7のアミノ酸番号3
78番目までが欠失したものである。これらのプラスミ
ドを導入された形質転換体の発現するα−アガラーゼ活
性の結果をまとめて表2に示した。
【0048】(2)α−アガラーゼ4−3欠失体のα−
アガラーゼ活性 アガラーゼ4−3の欠失体は、上記のアガラーゼ1−7
の場合と同様に作成した。プライマー20(配列番号2
8)は、α−アガラーゼ4−3のアミノ酸配列(配列番
号15)のアミノ酸番号247〜250、251〜25
5のアミノ酸配列に相当する塩基配列を塩基番号1〜1
2、19〜33にもち、さらに制限酵素NdeIの認識
配列を塩基番号13〜18にもつ。これとプライマー2
(配列番号4)を用いて実施例11に記載のプラスミド
pAH101をテンプレートとしたPCRを行い、その
後、実施例15(1)と同様の操作を行なって、pKF
19kとのハイブリッドプラスミド(pAH−deN
1)を作製した。このハイブリッドプラスミドを導入し
た大腸菌JM109からは、α−アガラーゼ4−3のア
ミノ酸配列(配列番号15)のアミノ酸番号250番目
までのポリペプチドが欠失したタンパク質が発現され
る。この形質転換体について実施例15−(1)と同様
にして活性を確認したところ、その無細胞抽出液にα−
アガラーゼの活性が存在した。プライマー21(配列番
号29)は、α−アガラーゼ4−3のアミノ酸配列(配
列番号15)のアミノ酸番号361〜364、365〜
370のアミノ酸配列に相当する塩基配列を塩基番号3
〜14、21〜38にもち、さらに制限酵素NdeIの
認識配列を塩基番号15〜20にもつ。このプライマー
をプライマー20のかわりに使用して作製したプラスミ
ドをpAH−deN2とし、これを導入した大腸菌JM
109からはα−アガラーゼ4−3のアミノ酸配列(配
列番号15)のアミノ酸番号364番目までのポリペプ
チドが欠失したタンパク質が発現される。プライマー2
2(配列番号30)は、α−アガラーゼ4−3のアミノ
酸配列(配列番号15)のアミノ酸番号406〜40
8、409〜413のアミノ酸配列に相当する塩基配列
を塩基番号3〜11、18〜32にもち、さらに制限酵
素NdeIの認識配列を塩基番号12〜17にもつ。こ
のプライマーをプライマー20のかわりに使用して作製
したプラスミドをpAH−deN3とし、これからはα
−アガラーゼ4−3のアミノ酸配列(配列番号15)の
アミノ酸番号408番目までのポリペプチドが欠失した
タンパク質が発現される。これらのプラスミドが導入さ
れた形質転換体の発現するアガラーゼ活性の結果をまと
めて表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明により、新規なα−アガラーゼが
提供される。また、該酵素を用いることにより、重合度
が低く、還元末端に3,6−アンヒドロ−L−ガラクト
ースを有するアガロオリゴ糖、たとえばアガロビオー
ス、アガロテトラオースをアガロースから直接生産する
ことが可能となる。本発明のα−アガラーゼを使用して
製造されたアガロオリゴ糖は、アポトーシス誘発作用、
制ガン作用、各種の抗酸化作用、免疫調節作用、抗アレ
ルギー作用等の生理活性を有しており、医薬品、飲食品
の分野で有用である。また、本発明によりα−アガラー
ゼのアミノ酸および塩基配列が初めて明らかとなり、α
−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺
伝子を提供することが可能となった。また該遺伝子を用
いるα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドの工業的
に有利な遺伝子工学的製造方法が提供される。さらに、
該遺伝子を用いる遺伝子工学的製造方法においてはα−
アガラーゼの誘導生産のために培地にアガロースを添加
する必要がないため培養時の手間を省くことが出来、ま
た酵素精製も容易であると考えられる。さらにまた、本
発明により、初めてα−アガラーゼ遺伝子が提供された
ことにより、該遺伝子の情報をもとにして、そこにコー
ドされる組換えポリペプチドおよび該ポリペプチドに特
異的に結合する抗体またはその断片、α−アガラーゼに
特異的にハイブリダイズするプローブやプライマーが提
供される。
【0051】
【配列表フリーテキスト】 SEQ ID NO:1: N-terminal amino acid sequence of agarase 1-7 SEQ ID NO:2: N-terminal amino acid sequence of agarase 4-3 SEQ ID NO:3: Designed oligonucleotide primer for PCR using pAA1 as template SEQ ID NO:4: Designed oligonucleotide primer for PCR using pAA1 as temp late SEQ ID NO:5: Designed oligonucleotide primer for DNA sequencing of pAA1 SEQ ID NO:6: Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment 4-3N SEQ ID NO:7: Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment 4-3N SEQ ID NO:8: Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fra gment 4-3UN SEQ ID NO:9: Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fra gment 4-3UN SEQ ID NO:10: Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fr agment 4-3C SEQ ID NO:11: Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fr agment 4-3C SEQ ID NO:12: Nucleotide sequence of ORF in agarase 1-7 gene SEQ ID NO:13: Nucleotide sequence of ORF in agarase 4-3 gene SEQ ID NO:14: Amino acid sequence of agarase 1-7 SEQ ID NO:15: Amino acid sequence of agarase 4-3 SEQ ID NO:16: Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment from 16S ribosomal SEQ ID NO:17: Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment from 16S ribosomal SEQ ID NO:18: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:19: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:20: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:21: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3 SEQ ID NO:22: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3 SEQ ID NO:23: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3 SEQ ID NO:24: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:25: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:26: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:27: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 1-7 SEQ ID NO:28: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3 SEQ ID NO:29: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3 SEQ ID NO:30: Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing agarase 4-3
【0052】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takara Shuzo Co,. Ltd. <120> α-agarase and method for producing the same <130> T-1504 <160> 30 <210> 1 <211> 10 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> N-terminal amino acid sequence of agarase 1-7 <400> 1 Asp Thr Leu Ser Val Glu Ala Glu Met Phe 1 5 10 <210> 2 <211> 20 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> N-terminal amino acid sequence of agarase 4-3 <400> 2 Gly Asp Ile Val Ile Glu Leu Glu Asp Phe Asp Ala Thr Gly Thr Thr 1 5 10 15 Gly Arg Val Ala 20 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR using pAA1 as template <400> 3 gayacnytnt cngtngargc ngaratgtty 30 <210> 4 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR using pAA1 as template <400> 4 gttttcccag tcacgac 17 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for DNA sequencing of pAA1 <400> 5 attgatgtcg taatcaacat agtcccccgc 30 <210> 6 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment 4-3N <400> 6 gayathgtna thgarctnga rgayttygay 30 <210> 7 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment 4-3N <400> 7 gcnacnggna cnacnggnmg ngtngc 26 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fragment 4-3UN <400> 8 gttacccagc tgacattggt tgcacccgcc 30 <210> 9 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fragment 4-3UN <400> 9 gctgcaacga aaccatcatt aggatcactg 30 <210> 10 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fragment 4-3C <400> 10 gagtgttacc aacaacagca atggtgatgc 30 <210> 11 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for cloning DNA fragment 4-3C <400> 11 gtaatcacgg ttaacaactt agaggtgtgg 30 <210> 12 <211> 2778 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Nucleotide sequence of ORF in agarase 1-7 gene <400> 12 atgaataaaa atatcaagct atcactgctt agtatggggg ttttatgctc tgctggtcta 60 gtgactaaca ttgctgttgc agatacccta tctgttgaag cagaaatgtt tagcaattca 120 gggggaacat ttgctgatgg ccaagctaat ccaattacca tttacacagt taatggtgag 180 caggcgatta gttatgtcaa tgcgggggac tatgttgatt acgacatcaa taccgaaggg 240 ggcgactact cagttgaata tcttgtcggg acaagtgttg cttctggccc gacaatagaa 300 atgctagtaa aagaaaatgg tgtttgggta agtcaaggta cagtcgctgt tccacaaggc 360 agttgggata actttcaacc actttcaccg tcacatttag taaccttacc tgcaggtgcc 420 gcttcaattc gccttcatgc cataggttca aattggcaat ggaacttaga gtctttttcc 480 ttaacacaag taacaccact acctggcgct tccgtagctg atgtagtggt agagttagaa 540 aactttatta atactgataa agaccgcaat gctattgctg gtgattctgt ggtgggtttt 600 ggcaccacta acaatggcat taactttaat acccttggtg attacgctga ctatcatgtc 660 aattttgcta gcccaggtac ctataatgta tccattgctg ctggttcaac ggttcaaggg 720 caaataggcg cagaaatttt actgaatggt aataccgttg cttcaaatta tctgtcagca 780 acagcaggtt gggatgatta ccaagatttt gcgctgactg gtgatgtaat aattgctaat 840 gctgggactc ataccataag agtaaaaagc tacggtagtg caaattggca atggaatggt 900 gactctatta ccttcactca tatttcggat gacaccaacg gcggcagcaa ccaagcaatg 960 catctagaac caccttatgc gataccagag agccgtaaaa ttaaaaaatc ttctgtatgg 1020 tacacctacc cacaaaactc taatttagct ggctttagtg actttggtgc taccggcgct 1080 ttctggggac acatgccaga agaagatcta tacgatagtg gcgtgctttc taactgggtt 1140 aaccaagtac aagggtatcg caatcaaggt ttagactatg ttggtcgtgg tgaatttgat 1200 tggggtttca gatggtttat tgaatatgtt ggcgacccta catcacactg ggcacgaacg 1260 ttagacgatg atcccatttt aatgtctttt atgggatacc atgaacacaa tggttatctg 1320 aacggctggt taagtaacca tagccccacc tttgttgatt tttttaagtc tcaagttgat 1380 gccttattaa gcgctaacgt ttcacacatc atgtttgatt cgcaaacttc atcgacgcga 1440 tctaccgatt taggccaatt tggtggcgat ttctctactt ggtcaatgga tgcttttcgt 1500 gaatatatgc gtgataaata caccacagcc gagttaaaca ccaaaggcat aactaatatc 1560 aatgcgttta attatcgaaa ctttttaaga agtcgaggct acacccatgc ttcgtatatg 1620 gctgctgcca ataaaatcac tagtggcata ccattgtttg atgattttat ttattttaat 1680 cgtgctgtgc taaatgaaaa aatggcagaa gtactggatt atatccgctc aattgatgct 1740 gatattgaaa ttggcgcgac caccgcttta accgaagcac gtggctatat ttttgataaa 1800 gacctaactt tcttagccgg tgaattagcc atgggttcag cggttgctga cgaaatgcca 1860 ataccaatta tttcacactt aaaaagtgct gaagccgttg ataaaacgct cgtttacttc 1920 ccttatcctt ggaactttaa agacctgtac gaccgtaatt cgcctcaaat ggcacgaact 1980 tggattgctc aatcgtatgc tatgggggca atattctcaa tccctgccaa cgtttggata 2040 ggtgatgctg gcgtttggtc acctggtgct gataattatc gcgatctcta tcaatttgcc 2100 agcgacaata gcgcattact tgatggttat gatgcctttt ctaaggttgg gttagtttca 2160 cctatgatgg cttcacttga taccacatgg attgatggta gcaatcgttt acaaacgagt 2220 atccgttacc ttattgaaaa taacttaaac tttgatttat taatttttgg tgaccctggt 2280 aaacccgtag tccctactca agcacaatta tctgcactag atgcgattat tgttgatagt 2340 gatcgcaagt acttaaccga cgcacaaaat gccttgttag atgcaaataa tcagaaagta 2400 ttggacttaa acaacagtgc tgataccgcc gccattaatg ccctgaaagc aacaaatata 2460 tcagtgacta tcggtaatgc cgctgctgat gatacgatta ctgcgctttc tcgtgtgcat 2520 gaaagcaata ataacgcgcc ttatgttatt cagttattaa atcgtcctgt taatccagcc 2580 aatggtgtaa caccagtatt aagtaatgtt aaaattgcta ttccacaagg ctattttcct 2640 gaaggaataa cacaagcaac cgtgcataaa cctggcgccg gctcggtcaa tgccaatatt 2700 acctcaaata acaatggtga ttatgttatt accgttaata atttaggggt ttggggaatg 2760 attgaattag cgcattaa 2778 <211> 13 <211> 2856 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Nucleotide sequence of ORF in agarase 4-3 gene <400> 13 atgaaatcca acaaaaaacg cagagtactc ggagttgcta tccctctcac atacacatta 60 ttacttagtt ttagcaattc agccttgagc gaaacactaa ttgttcaagc cgaatccttt 120 acccattcag gaggcacctt taacgatggg caatcctccc ccatcagtat ttatactgtt 180 aacggtgaac aagcaattag ctgggtcaac gctggtgatt atgttgacta taacgtcacc 240 gcagttggcg gtgaatataa catcgagtat ttggttggaa catctgtagc ggctaacccg 300 attatcgaag tattggttga cagtaatggt acttttgaga gccaaggtac ggttattgtg 360 ccattaggta gttgggacga tttccaacca cttgtagctg cgcacacggt gacactgcca 420 gcgggcacct caactatacg cttgcatgct attggtccag attggcaatg gaatttagag 480 tcattttcac tgactggtgg ctcagaaaca ggtagtggcg atatagttga ttcggtcctt 540 ccgcctctgg gtgatattgt cattgagcta gaagactttg atgccacagg tacaaccggc 600 agagtggcca gtgatcctaa tgatggtttc gttgcagcgg cgggtgcaac caatgtcagc 660 tgggtaacca acggtgattt cggcgactac aataacatct accttgaagc tgggacttat 720 cgttcgttta ttacggtagc aactggcagc gacggtagct atggtgcacg cattgaccta 780 gatggttcgc cggcttcctg gggttacttt gatagtactg gtggctggga aaccccagag 840 gaagtcgagc tttatggcgg tgattttgta gttgaaacaa gtggcactca tacattacgt 900 gtagaagcca ttggtggctc agattggcaa tggagcggtg ataacgttcg cctcactaaa 960 gtgggcgacg catctgtcaa accatcacct ttgtataatc ctaaagacca taccgttaca 1020 gaaattgaag gtcctgtcgt tggtttacca tttttgaaaa aaccagttca ggttccaaca 1080 gccaacagat tgttgaaatc agacgtatgg tatacctatc ctcaaaataa cgagctgcaa 1140 ggttttgata atttcggtgc aacaggttca ttttggggcc atcctccaga agaaaatttc 1200 tacgatgaca ccaccataat tgattggaca caactcgttc aaaactatca aggaataggc 1260 attgaataca ctgctcgcgg cgaatttgat tggggcttcc gctgggttac tgaatacttg 1320 actaatcccg aaccccatta tgtaaaaaca cttgatgatc gcaatgtgcg aatgacgttc 1380 atgggttacc tcagttataa cggctacaac aacaactggt tgagtaatca cagtccagcg 1440 tttgtgccgc acatgaagtc acaagtggat caaatactaa gagccaaccc agacaagctg 1500 atgtttgata cacaaaccaa ctctactcgt tcaaccgaca tgcgcacttt cgggggtgat 1560 ttcaacgatt atgccatggc aaacttccgt gtttggctag ataaaaaata tagtagctca 1620 gaactttcag ctatgggtat tgataatatt gcaaccttta actatcgtga tttcttgtta 1680 gctagagggg taacgcacac atcattttct aatgctgcag ataccatttc aggtgacgtt 1740 cctttgcttg aggatttcat ctacttcaat cgagatgttt ggaatcaaaa gtttgctgaa 1800 gtgttagatt acattcgcat gcaacgtcca aacatcgaga taggtgcaag cacacatttg 1860 tttgaatctc gtggttacat atttaacgag aacatcacct tcttatcggg tgaattaaat 1920 ttgggtgcca gaaccaccat agctgaacta cccaccaata ttcttgttca cttaaaaggc 1980 gcgcaagctg tcgataaacc cttggcgtat ttcccatacc cttgggagtt cgccgaatta 2040 cgtgaccaaa atgcgccgcg ttttggtcgt ggttgggttg ctcaggctta tgcctacgga 2100 gggttgttct caatccctgc taacgtatgg gttggcggca atacaggtga aaacacgtgg 2160 tcacctggcg ccgataacta tcgcgacatt taccaatttg ttcgtgcgca atcaaatttg 2220 tttgacaact acacttcata cgcaaaagta gggcttgttc atgccatgta ttcatcaatg 2280 aaggcaggtt ttatcgatgg tggtaatcaa attcagtcaa gcgtgaaact tctaactgaa 2430 gacaacatca actttgactt attagtgttt ggcgatgagg gttatccggt tgtgcctcgc 2400 actgaagact tcaatcagtt tgcgcatata ttctatgacg gcgaccttag ttacttaact 2460 gcagagcagc aagctgtgct agatcaacag ggctctaaag taaaacacat aggtcaacgc 2520 ggaacattaa ctggtatcga catcaatgtg agtattaatg gttcactttc taatgaaact 2580 gtatcagcgg tatcccgcat tcatgaaaca aataccaatg caccctatgt tgtacattta 2640 ataaaccgac ctttttcggg tggcgtcacg ccaatactta gcggagttga agttgctatt 2700 cctcaaggat acttccctga agatgtaacg tctgcaacct tgcatttacc tgatggtaca 2760 agcaccaacc tgagtgttac caacaacagc aatggtgatg cagtaatcac ggttaacaac 2820 ttagaggtgt ggggaattct tgaattagct cactaa 2856 <210> 14 <211> 925 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Amino acid sequence of agarase 1-7 <400> 14 Met Asn Lys Asn Ile Lys Leu Ser Leu Leu Ser Met Gly Val Leu 1 5 10 15 Cys Ser Ala Gly Leu Val Thr Asn Ile Ala Val Ala Asp Thr Leu 20 25 30 Ser Val Glu Ala Glu Met Phe Ser Asn Ser Gly Gly Thr Phe Ala 35 40 45 Asp Gly Gln Ala Asn Pro Ile Thr Ile Tyr Thr Val Asn Gly Glu 50 55 60 Gln Ala Ile Ser Tyr Val Asn Ala Gly Asp Tyr Val Asp Tyr Asp 65 70 75 Ile Asn Thr Glu Gly Gly Asp Tyr Ser Val Glu Tyr Leu Val Gly 80 85 90 Thr Ser Val Ala Ser Gly Pro Thr Ile Glu Met Leu Val Lys Glu 95 100 105 Asn Gly Val Trp Val Ser Gln Gly Thr Val Ala Val Pro Gln Gly 110 115 120 Ser Trp Asp Asn Phe Gln Pro Leu Ser Pro Ser His Leu Val Thr 125 130 135 Leu Pro Ala Gly Ala Ala Ser Ile Arg Leu His Ala Ile Gly Ser 140 145 150 Asn Trp Gln Trp Asn Leu Glu Ser Phe Ser Leu Thr Gln Val Thr 155 160 165 Pro Leu Pro Gly Ala Ser Val Ala Asp Val Val Val Glu Leu Glu 170 175 180 Asn Phe Ile Asn Thr Asp Lys Asp Arg Asn Ala Ile Ala Gly Asp 185 190 195 Ser Val Val Gly Phe Gly Thr Thr Asn Asn Gly Ile Asn Phe Asn 200 205 210 Thr Leu Gly Asp Tyr Ala Asp Tyr His Val Asn Phe Ala Ser Pro 215 220 225 Gly Thr Tyr Asn Val Ser Ile Ala Ala Gly Ser Thr Val Gln Gly 230 235 240 Gln Ile Gly Ala Glu Ile Leu Leu Asn Gly Asn Thr Val Ala Ser 245 250 255 Asn Tyr Leu Ser Ala Thr Ala Gly Trp Asp Asp Tyr Gln Asp Phe 260 265 270 Ala Leu Thr Gly Asp Val Ile Ile Ala Asn Ala Gly Thr His Thr 275 280 285 Ile Arg Val Lys Ser Tyr Gly Ser Ala Asn Trp Gln Trp Asn Gly 290 295 300 Asp Ser Ile Thr Phe Thr His Ile Ser Asp Asp Thr Asn Gly Gly 305 310 315 Ser Asn Gln Ala Met His Leu Glu Pro Pro Tyr Ala Ile Pro Glu 320 325 330 Ser Arg Lys Ile Lys Lys Ser Ser Val Trp Tyr Thr Tyr Pro Gln 335 340 345 Asn Ser Asn Leu Ala Gly Phe Ser Asp Phe Gly Ala Thr Gly Ala 350 355 360 Phe Trp Gly His Met Pro Glu Glu Asp Leu Tyr Asp Ser Gly Val 365 370 375 Leu Ser Asn Trp Val Asn Gln Val Gln Gly Tyr Arg Asn Gln Gly 380 385 390 Leu Asp Tyr Val Gly Arg Gly Glu Phe Asp Trp Gly Phe Arg Trp 395 400 405 Phe Ile Glu Tyr Val Gly Asp Pro Thr Ser His Trp Ala Arg Thr 410 415 420 Leu Asp Asp Asp Pro Ile Leu Met Ser Phe Met Gly Tyr His Glu 425 430 435 His Asn Gly Tyr Leu Asn Gly Trp Leu Ser Asn His Ser Pro Thr 440 445 450 Phe Val Asp Phe Phe Lys Ser Gln Val Asp Ala Leu Leu Ser Ala 455 460 465 Asn Val Ser His Ile Met Phe Asp Ser Gln Thr Ser Ser Thr Arg 470 475 480 Ser Thr Asp Leu Gly Gln Phe Gly Gly Asp Phe Ser Thr Trp Ser 485 490 495 Met Asp Ala Phe Arg Glu Tyr Met Arg Asp Lys Tyr Thr Thr Ala 500 505 510 Glu Leu Asn Thr Lys Gly Ile Thr Asn Ile Asn Ala Phe Asn Tyr 515 520 525 Arg Asn Phe Leu Arg Ser Arg Gly Tyr Thr His Ala Ser Tyr Met 530 535 540 Ala Ala Ala Asn Lys Ile Thr Ser Gly Ile Pro Leu Phe Asp Asp 545 550 555 Phe Ile Tyr Phe Asn Arg Ala Val Leu Asn Glu Lys Met Ala Glu 560 565 570 Val Leu Asp Tyr Ile Arg Ser Ile Asp Ala Asp Ile Glu Ile Gly 575 580 585 Ala Thr Thr Ala Leu Thr Glu Ala Arg Gly Tyr Ile Phe Asp Lys 590 595 600 Asp Leu Thr Phe Leu Ala Gly Glu Leu Ala Met Gly Ser Ala Val 605 610 615 Ala Asp Glu Met Pro Ile Pro Ile Ile Ser His Leu Lys Ser Ala 620 625 630 Glu Ala Val Asp Lys Thr Leu Val Tyr Phe Pro Tyr Pro Trp Asn 635 640 645 Phe Lys Asp Leu Tyr Asp Arg Asn Ser Pro Gln Met Ala Arg Thr 650 655 660 Trp Ile Ala Gln Ser Tyr Ala Met Gly Ala Ile Phe Ser Ile Pro 665 670 675 Ala Asn Val Trp Ile Gly Asp Ala Gly Val Trp Ser Pro Gly Ala 680 685 690 Asp Asn Tyr Arg Asp Leu Tyr Gln Phe Ala Ser Asp Asn Ser Ala 695 700 705 Leu Leu Asp Gly Tyr Asp Ala Phe Ser Lys Val Gly Leu Val Ser 710 715 720 Pro Met Met Ala Ser Leu Asp Thr Thr Trp Ile Asp Gly Ser Asn 725 730 735 Arg Leu Gln Thr Ser Ile Arg Tyr Leu Ile Glu Asn Asn Leu Asn 740 745 750 Phe Asp Leu Leu Ile Phe Gly Asp Pro Gly Lys Pro Val Val Pro 755 760 765 Thr Gln Ala Gln Leu Ser Ala Leu Asp Ala Ile Ile Val Asp Ser 770 775 780 Asp Arg Lys Tyr Leu Thr Asp Ala Gln Asn Ala Leu Leu Asp Ala 785 790 795 Asn Asn Gln Lys Val Leu Asp Leu Asn Asn Ser Ala Asp Thr Ala 800 805 810 Ala Ile Asn Ala Leu Lys Ala Thr Asn Ile Ser Val Thr Ile Gly 815 820 825 Asn Ala Ala Ala Asp Asp Thr Ile Thr Ala Leu Ser Arg Val His 830 835 840 Glu Ser Asn Asn Asn Ala Pro Tyr Val Ile Gln Leu Leu Asn Arg 845 850 855 Pro Val Asn Pro Ala Asn Gly Val Thr Pro Val Leu Ser Asn Val 860 865 870 Lys Ile Ala Ile Pro Gln Gly Tyr Phe Pro Glu Gly Ile Thr Gln 875 880 885 Ala Thr Val His Lys Pro Gly Ala Gly Ser Val Asn Ala Asn Ile 890 895 900 Thr Ser Asn Asn Asn Gly Asp Tyr Val Ile Thr Val Asn Asn Leu 905 910 915 Gly Val Trp Gly Met Ile Glu Leu Ala His 920 925 <210> 15 <211> 951 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Amino acid sequence of agarase 4-3 <400> 15 Met Lys Ser Asn Lys Lys Arg Arg Val Leu Gly Val Ala Ile Pro 1 5 10 15 Leu Thr Tyr Thr Leu Leu Leu Ser Phe Ser Asn Ser Ala Leu Ser 20 25 30 Glu Thr Leu Ile Val Gln Ala Glu Ser Phe Thr His Ser Gly Gly 35 40 45 Thr Phe Asn Asp Gly Gln Ser Ser Pro Ile Ser Ile Tyr Thr Val 50 55 60 Asn Gly Glu Gln Ala Ile Ser Trp Val Asn Ala Gly Asp Tyr Val 65 70 75 Asp Tyr Asn Val Thr Ala Val Gly Gly Glu Tyr Asn Ile Glu Tyr 80 85 90 Leu Val Gly Thr Ser Val Ala Ala Asn Pro Ile Ile Glu Val Leu 95 100 105 Val Asp Ser Asn Gly Thr Phe Glu Ser Gln Gly Thr Val Ile Val 110 115 120 Pro Leu Gly Ser Trp Asp Asp Phe Gln Pro Leu Val Ala Ala His 125 130 135 Thr Val Thr Leu Pro Ala Gly Thr Ser Thr Ile Arg Leu His Ala 140 145 150 Ile Gly Pro Asp Trp Gln Trp Asn Leu Glu Ser Phe Ser Leu Thr 155 160 165 Gly Gly Ser Glu Thr Gly Ser Gly Asp Ile Val Asp Ser Val Leu 170 175 180 Pro Pro Leu Gly Asp Ile Val Ile Glu Leu Glu Asp Phe Asp Ala 185 190 195 Thr Gly Thr Thr Gly Arg Val Ala Ser Asp Pro Asn Asp Gly Phe 200 205 210 Val Ala Ala Ala Gly Ala Thr Asn Val Ser Trp Val Thr Asn Gly 215 220 225 Asp Phe Gly Asp Tyr Asn Asn Ile Tyr Leu Glu Ala Gly Thr Tyr 230 235 240 Arg Ser Phe Ile Thr Val Ala Thr Gly Ser Asp Gly Ser Tyr Gly 245 250 255 Ala Arg Ile Asp Leu Asp Gly Ser Pro Ala Ser Trp Gly Tyr Phe 260 265 270 Asp Ser Thr Gly Gly Trp Glu Thr Pro Glu Glu Val Glu Leu Tyr 275 280 285 Gly Gly Asp Phe Val Val Glu Thr Ser Gly Thr His Thr Leu Arg 290 295 300 Val Glu Ala Ile Gly Gly Ser Asp Trp Gln Trp Ser Gly Asp Asn 305 310 315 Val Arg Leu Thr Lys Val Gly Asp Ala Ser Val Lys Pro Ser Pro 320 325 330 Leu Tyr Asn Pro Lys Asp His Thr Val Thr Glu Ile Glu Gly Pro 335 340 345 Val Val Gly Leu Pro Phe Leu Lys Lys Pro Val Gln Val Pro Thr 350 355 360 Ala Asn Arg Leu Leu Lys Ser Asp Val Trp Tyr Thr Tyr Pro Gln 365 370 375 Asn Asn Glu Leu Gln Gly Phe Asp Asn Phe Gly Ala Thr Gly Ser 380 385 390 Phe Trp Gly His Pro Pro Glu Glu Asn Phe Tyr Asp Asp Thr Thr 395 400 405 Ile Ile Asp Trp Thr Gln Leu Val Gln Asn Tyr Gln Gly Ile Gly 410 415 420 Ile Glu Tyr Thr Ala Arg Gly Glu Phe Asp Trp Gly Phe Arg Trp 425 430 435 Val Thr Glu Tyr Leu Thr Asn Pro Glu Pro His Tyr Val Lys Thr 440 445 450 Leu Asp Asp Arg Asn Val Arg Met Thr Phe Met Gly Tyr Leu Ser 455 460 465 Tyr Asn Gly Tyr Asn Asn Asn Trp Leu Ser Asn His Ser Pro Ala 470 475 480 Phe Val Pro His Met Lys Ser Gln Val Asp Gln Ile Leu Arg Ala 485 490 495 Asn Pro Asp Lys Leu Met Phe Asp Thr Gln Thr Asn Ser Thr Arg 500 505 510 Ser Thr Asp Met Arg Thr Phe Gly Gly Asp Phe Asn Asp Tyr Ala 515 520 525 Met Ala Asn Phe Arg Val Trp Leu Asp Lys Lys Tyr Ser Ser Ser 530 535 540 Glu Leu Ser Ala Met Gly Ile Asp Asn Ile Ala Thr Phe Asn Tyr 545 550 555 Arg Asp Phe Leu Leu Ala Arg Gly Val Thr His Thr Ser Phe Ser 560 565 570 Asn Ala Ala Asp Thr Ile Ser Gly Asp Val Pro Leu Leu Glu Asp 575 580 585 Phe Ile Tyr Phe Asn Arg Asp Val Trp Asn Gln Lys Phe Ala Glu 590 595 600 Val Leu Asp Tyr Ile Arg Met Gln Arg Pro Asn Ile Glu Ile Gly 605 610 615 Ala Ser Thr His Leu Phe Glu Ser Arg Gly Tyr Ile Phe Asn Glu 620 625 630 Asn Ile Thr Phe Leu Ser Gly Glu Leu Asn Leu Gly Ala Arg Thr 635 640 645 Thr Ile Ala Glu Leu Pro Thr Asn Ile Leu Val His Leu Lys Gly 650 655 660 Ala Gln Ala Val Asp Lys Pro Leu Ala Tyr Phe Pro Tyr Pro Trp 665 670 675 Glu Phe Ala Glu Leu Arg Asp Gln Asn Ala Pro Arg Phe Gly Arg 680 685 690 Gly Trp Val Ala Gln Ala Tyr Ala Tyr Gly Gly Leu Phe Ser Ile 695 700 705 Pro Ala Asn Val Trp Val Gly Gly Asn Thr Gly Glu Asn Thr Trp 710 715 720 Ser Pro Gly Ala Asp Asn Tyr Arg Asp Ile Tyr Gln Phe Val Arg 725 730 735 Ala Gln Ser Asn Leu Phe Asp Asn Tyr Thr Ser Tyr Ala Lys Val 740 745 750 Gly Leu Val His Ala Met Tyr Ser Ser Met Lys Ala Gly Phe Ile 755 760 765 Asp Gly Gly Asn Gln Ile Gln Ser Ser Val Lys Leu Leu Thr Glu 770 775 780 Asp Asn Ile Asn Phe Asp Leu Leu Val Phe Gly Asp Glu Gly Tyr 785 790 795 Pro Val Val Pro Arg Thr Glu Asp Phe Asn Gln Phe Ala His Ile 800 805 810 Phe Tyr Asp Gly Asp Leu Ser Tyr Leu Thr Ala Glu Gln Gln Ala 815 820 825 Val Leu Asp Gln Gln Gly Ser Lys Val Lys His Ile Gly Gln Arg 830 835 840 Gly Thr Leu Thr Gly Ile Asp Ile Asn Val Ser Ile Asn Gly Ser 845 850 855 Leu Ser Asn Glu Thr Val Ser Ala Val Ser Arg Ile His Glu Thr 860 865 870 Asn Thr Asn Ala Pro Tyr Val Val His Leu Ile Asn Arg Pro Phe 875 880 885 Ser Gly Gly Val Thr Pro Ile Leu Ser Gly Val Glu Val Ala Ile 890 895 900 Pro Gln Gly Tyr Phe Pro Glu Asp Val Thr Ser Ala Thr Leu His 905 910 915 Leu Pro Asp Gly Thr Ser Thr Asn Leu Ser Val Thr Asn Asn Ser 920 925 930 Asn Gly Asp Ala Val Ile Thr Val Asn Asn Leu Glu Val Trp Gly 935 940 945 Ile Leu Glu Leu Ala His 950 <210> 16 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment from 1 6S ribosomal <400> 16 agagtttgat cctggctcag 20 <210> 17 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for amplifying DNA fragment from 1 6S ribosomal <400> 17 ggctaccttg ttacgactt 19 <210> 18 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 18 gctgttgcat atggataccc tatctg 26 <210> 19 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 19 gctgttgcca tggataccct atctgttgaa gc 32 <210> 20 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 20 cggatcgggg atcctgcgct aattcaatca ttcccc 36 <210> 21 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 21 cggtccttcc gcatatgggt gatattgtc 29 <210> 22 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 22 gctgtatgga tcctatctgc aaacggtgcg 30 <210> 23 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 23 gtactcaagg gatcctgagc taattcaaga attcc 35 <210> 24 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 24 ccgtagctga tcatatggta gagttagaaa ac 32 <210> 25 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 25 gtggtgggtt ttcatatggg caccactaac aatggc 36 <210> 26 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 26 gccgtaaaat tcatatgaaa aaatcttctg tatgg 35 <210> 27 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 1-7 <400> 27 gctttctaac catatgtggg ttaaccaagt acaaggg 37 <210> 28 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 28 gcaactggca gccatatgga cggtagctat ggtgc 35 <210> 29 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 29 cagccaacag attgcatatg ttgaaatcag acgtatgg 38 <210> 30 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Designed oligonucleotide for constructing plasmid for expressing a garase 4-3 <400> 30 ccataattga tcatatgtgg acacaactcg ttc 33
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のα−アガラーゼによるアガロヘキサ
オースの分解を示す図である。
【図2】 本発明のα−アガラーゼによるアガロヘキサ
オースの分解を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/40 C12P 21/02 C C12P 19/00 C12R 1:00) 21/02 (C12N 1/21 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:19) C12R 1:00) (C12N 9/40 (C12N 1/21 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (C12N 9/40 5/00 A C12R 1:19) C12R 1:00) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 BA12 CA04 CA09 DA06 EA03 EA04 GA11 HA01 4B050 CC01 CC04 DD01 FF05E FF11E FF12E LL01 LL02 4B064 AF04 CA01 CA19 CC24 CD19 DA01 DA10 4B065 AA01Y AA26X AB01 BA02 BA25 CA31 CA41 CA44

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の群より選択され、かつα−アガラ
    ーゼ活性を有することを特徴とするポリペプチド。 (1)配列表の配列番号14に示されるアミノ酸配列の
    うちのアミノ酸番号335〜925の591残基からな
    るアミノ酸配列を含むポリペプチド。 (2)配列表の配列番号14に示されるアミノ酸配列の
    うちのアミノ酸番号335〜925の591残基からな
    るアミノ酸配列に1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付
    加もしくは挿入の少なくとも1つが導入されたアミノ酸
    配列を含むポリペプチド。 (3)配列表の配列番号15に示されるアミノ酸配列の
    うちのアミノ酸番号365〜950の586残基からな
    るアミノ酸配列を含むポリペプチド。 (4)配列表の配列番号15に示されるアミノ酸配列の
    うちのアミノ酸番号365〜950の586残基からな
    るアミノ酸配列に1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付
    加もしくは挿入の少なくとも1つが導入されたアミノ酸
    配列を含むポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドをコード
    する遺伝子。
  3. 【請求項3】 下記の群より選択され、かつα−アガラ
    ーゼ活性を有するポリペプチドをコードすることを特徴
    とする請求項2記載の遺伝子。 (1)配列表の配列番号12に示される塩基配列のうち
    の塩基番号1003〜2775の1773塩基からなる
    塩基配列を含む遺伝子。 (2)配列表の配列番号12に示される塩基配列のうち
    の塩基番号1003〜2775の1773塩基からなる
    塩基配列に1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加もし
    くは挿入の少なくとも1つが導入された塩基配列を含む
    遺伝子。 (3)配列表の配列番号13に示される塩基配列のうち
    の塩基番号1093〜2850の1758塩基からなる
    塩基配列を含む遺伝子。 (4)配列表の配列番号13に示される塩基配列のうち
    の塩基番号1093〜2850の1758塩基からなる
    塩基配列に1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加もし
    くは挿入の少なくとも1つが導入された塩基配列を含む
    遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の遺伝子とスト
    リンジェントな条件でハイブリダイズすることができ、
    かつα−アガラーゼ活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4いずれか1項記載の遺伝子
    を含む組換えDNA分子
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組換えDNA分子を有す
    る形質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培養し、該
    培養物からα−アガラーゼを採取することを特徴とする
    α−アガラーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のアガラーゼ活性を有す
    るポリペプチドによりアガロースを分解し、該分解物よ
    りアガロオリゴ糖を採取することを特徴とするアガロオ
    リゴ糖の製造方法。
JP2000099424A 2000-03-31 2000-03-31 α−アガラーゼおよびその製造方法 Pending JP2001275685A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099424A JP2001275685A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 α−アガラーゼおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099424A JP2001275685A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 α−アガラーゼおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001275685A true JP2001275685A (ja) 2001-10-09

Family

ID=18613783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000099424A Pending JP2001275685A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 α−アガラーゼおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001275685A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156104A1 (en) * 1999-02-23 2001-11-21 Takara Shuzo Co, Ltd. A-agarase and process for producing the same
JP2005229889A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Kose Corp ネオアガロビオース生産酵素をコードするポリヌクレオチドおよびその利用

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156104A1 (en) * 1999-02-23 2001-11-21 Takara Shuzo Co, Ltd. A-agarase and process for producing the same
EP1156104A4 (en) * 1999-02-23 2002-05-22 Takara Shuzo Co A-AGARASE AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
US6599729B2 (en) 1999-02-23 2003-07-29 Takara Shuzo Co., Ltd. α-agarase and process for producing the same
US7141402B2 (en) 1999-02-23 2006-11-28 Takara Bio Inc. α-Agarase and process for producing the same
US7351556B2 (en) 1999-02-23 2008-04-01 Takara Bio Inc. α-agarase and process for producing the same
US7604962B2 (en) 1999-02-23 2009-10-20 Takara Bio Inc. α-agarase and process for producing the same
JP2005229889A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Kose Corp ネオアガロビオース生産酵素をコードするポリヌクレオチドおよびその利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4411351B2 (ja) アガラーゼおよびその遺伝子
US7604962B2 (en) α-agarase and process for producing the same
EP0606008B1 (en) Gene coding for hyperthermostable beta-galactosidase
EP0648843A1 (en) DNA encoding a hyperthermostable alpha-amylase
JP3380133B2 (ja) 新規なニトリルヒドラターゼ
US4612287A (en) Plasmids containing a gene coding for a thermostable pullulanase and pullulanase-producing strains of Escherichia coli and Bacillus subtilis containing the plasmids
JP4259169B2 (ja) 新規α−1,2−マンノシダーゼおよびその遺伝子、ならびに該酵素を用いたα−マンノシル糖化合物の製造方法
JP2007189905A (ja) 好アルカリ性サイクロデキストラン合成酵素遺伝子を含有するdna、組み換え体dna、および好アルカリ性サイクロデキストラン合成酵素の製造法
EP0402092A2 (en) Alpha-amylase-pullulanase enzyme
JP2001275685A (ja) α−アガラーゼおよびその製造方法
JP4021123B2 (ja) ラフィノースの新規製造方法
JP2830030B2 (ja) 耐熱性ペルオキシダーゼの遺伝情報を有するdnaおよびその用途
JP4161236B2 (ja) 新規なL−α−グリセロホスフェートオキシダーゼおよびその製造方法
JP4686090B2 (ja) マンノースイソメラーゼ遺伝子
JP3215117B2 (ja) コレステロールオキシダーゼ遺伝子を含む組換えdnaおよびそれを用いた製造法
JPH10313858A (ja) ポリメチルガラクチュロナーゼ
JPH02265486A (ja) Dna断片、微酸性微低温性セルラーゼ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070208

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20091027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100309