JP4396064B2

JP4396064B2 - 冷蔵庫

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Publication number: JP4396064B2
Application number: JP2001230842A
Authority: JP
Inventors: 淳二吉田; 睦加藤; 利枝平岡; 恵司大矢; 正雄荒木
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2001-07-31
Filing date: 2001-07-31
Publication date: 2010-01-13
Anticipated expiration: 2021-07-31
Also published as: SG94871A1; US20030024254A1; JP2003042646A; TW561237B; CN1400444A; CN100406823C

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は脱臭装置を装備した冷蔵庫に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来技術の一例として、実開平３−８３７９３号公報に紹介されている脱臭装置付きの冷凍冷蔵庫がある。この冷凍冷蔵庫は、庫内の循環風路の一部または全部に脱臭装置が内設されたバイパス風路を設け、このバイパス風路よりも空気抵抗の少ない主循環風路とバイパス風路とに庫内の循環風路を分岐したことを特徴としている。脱臭装置としては、オゾン発生装置及び脱臭触媒との組合せを使用している。主循環風路内にはダンパが設けられ、このダンパを閉じることによって脱臭効果が向上する。逆に、ダンパを開くことによって冷気を主循環風路に冷気を流して冷却を行うようにしているので、主循環風路にほとんどの冷気が流入されることになり、冷却不足の問題が解消するというものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
食品から発生した臭いは、冷凍冷蔵庫の扉を開けたときに不快感を及ぼすだけでなく、他の食品にも臭いが移るため冷凍冷蔵庫にとっては、脱臭機能は重要な機能の１つである。
【０００４】
しかしながら、実開平３−８３７９３号公報に紹介されている従来の冷凍冷蔵庫においては、効果的な脱臭をするためには、主循環風路のダンパを閉じなければならないが、ダンパを閉じてしまうと、空気抵抗が圧倒的に大きい脱臭装置の設けられているバイパス風路を冷気が通過しなければならないので、冷気が主循環風路にほとんど行かなくなり、冷凍冷蔵庫内の各室が著しく冷却不足になるという問題があった。
【０００５】
また、圧縮機停止中に脱臭運転を行う場合においては、冷凍冷蔵庫の各室の温度が上昇してしまうという問題があり、脱臭能力の向上と冷却能力の確保との両立ができないという問題があった。また、脱臭装置にオゾンを使用してこのオゾンを脱臭触媒により分解するようにしているが、長年の使用により脱臭触媒の分解効率が低下してオゾンが冷蔵室に逆流して食品などへ悪影響を与えたりするという問題があった。
【０００６】
また、従来の冷凍冷蔵庫の構造では、冷凍冷蔵庫の有する全ての室へ冷気を導く循環風路内に脱臭装置を配置しなければ、冷凍冷蔵庫全ての室の脱臭を行うことはできず、仮に冷凍冷蔵庫の全ての室へ冷気を導く循環風路内に脱臭装置を配置すると風路が複雑になり、コストＵＰにもなっていた。特に、全ての循環風路に対してバイパス風路を設けるためにバイパス風路を主循環風路から分岐させると、バイパス風路の分だけ分岐風路が増え、配置スペースが多く必要で冷蔵室や冷凍室などの部屋の容量を小さくするか、あるいは冷蔵庫を大形にしなければならないという問題があった。
【０００７】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、食品などのにおいのしない脱臭機能付きで、しかも冷却不足にならない冷蔵庫を得ることを目的とする。また、長期間脱臭能力の低下しないで使用可能な脱臭装置を備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。また、オゾンにより食品などへの悪影響が及ぼされない信頼性の高い冷蔵庫を得ることを目的とする。また、簡単な構造で各室の脱臭が可能な冷蔵庫を得ることができる。また、小型で低コストな冷蔵庫を得ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に記載の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の前面に配置され、食品などを貯蔵する複数の部屋と、冷蔵庫本体の後方に配置された冷却器室に設けられ、複数の部屋内を冷却する冷気を生成する冷却器と、冷却器室に設けられ、冷却器により生成された冷気を複数の部屋に送風するための庫内ファンと、複数の部屋へ庫内ファンにより強制送風される冷気の流路である送風路と、送風路に設けられ、各室への冷気の供給を開放・遮断するダンパと、ダンパと冷却器との間の送風路に設けられ、冷却器により生成された冷気を冷却器に戻すためのバイパス流路と、バイパス流路内に設けられ、複数の部屋内へ供給される冷気の脱臭を行う脱臭装置と、バイパス流路に設けられ、バイパス流路の冷気量を調整可能な脱臭専用ダンパと、を備え、冷却運転を行なう場合には脱臭専用ダンパを閉じてバイパス流路に冷気が供給されないようにし、脱臭運転を行なう場合にはダンパを遮断し脱臭専用ダンパを開放することによりダンパと冷却器との間の送風路内の冷気をバイパス流路に強制送風するようにしたものである。
【０００９】
本発明の請求項２に記載の冷蔵庫は、臭気成分を吸着する脱臭用フィルタと、脱臭用フィルタに吸着した臭気成分を分解して脱臭用フィルタの寿命を延ばすためのリフレッシュ手段と、によって脱臭装置を構成するようにしたものである。
【００１０】
本発明の請求項３に記載の冷蔵庫は、光触媒である酸化チタンを有する脱臭用フィルタと紫外線を発光する発光ダイオードを有するリフレッシュ手段との組合せからなる脱臭装置を備えたものである。
【００１１】
本発明の請求項４に記載の冷蔵庫は、各室への冷気の供給を開放・遮断するためのダンパを開放している場合には冷気がバイパス流路に供給されにくくなるように脱臭装置の設けられたバイパス流路の空気抵抗を、各部屋へ冷気を供給する送風路の空気抵抗よりも大きくしたものである。
【００１２】
本発明の請求項５に記載の冷蔵庫は、冷却運転と脱臭運転を同時に行ないたい場合には、前記脱臭専用ダンパの開度を調整して冷却能力の低下が起こらない程度に前記バイパス流路に供給される冷気量調整するようにしたものである。
【００１３】
本発明の請求項６に記載の冷蔵庫は、バイパス流路を他の送風路とは独立に設けたものである。
【００１４】
本発明の請求項７に記載の冷蔵庫は、複数の部屋に冷気を供給する送風路のうち少なくとも１つの送風路に冷気量を調整可能な開度調整可能ダンパを設け、バイパス流路を通過する冷気量と開度調整可能ダンパが設けられた送風路を通過する冷気量とが同等となるように開度調整可能ダンパの開度調整を行うようにしたものである。
【００１５】
本発明の請求項８に記載の冷蔵庫は、除霜運転中は冷却運転を行わない冷蔵庫において、除霜運転中あるいは除霜運転終了後にバイパス流路に冷気を供給することによって冷却運転開始前に脱臭運転を行うようにしたものである。
【００１６】
本発明の請求項９に記載の冷蔵庫は、脱臭運転の開始・終了を行わせる脱臭運転用スイッチを設けるようにしたものである。
【００１７】
本発明の請求項１０に記載の冷蔵庫は、脱臭可能な部屋を選択できる選択スイッチを設けるようにしたものである。
【００２０】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
本発明の実施の形態１を図１乃至図５にて説明する。図１は本発明の実施の形態１を表す冷蔵庫の側断面図を示す。１は冷蔵庫本体、２は断熱材で充填された断熱箱体である。７は冷蔵庫本体１の上部に設けられた冷蔵室、８は冷蔵室７の下に設けられ、野菜から冷凍食品までの広範囲の温度帯に切替可能な切替室、９は切替室８の下に設けられ、野菜などを保存する野菜室、１０は野菜室９の下に設けられ、冷凍食品などを保存する冷凍室である。
【００２１】
３は冷蔵室７の前面に設けられた開閉式の冷蔵室用扉、４は切替室８の前面に設けられた引出式の切替室用扉、５は野菜室９の前面に設けられた引出式の野菜室用扉、６は冷凍室１０の前面に設けられた引出式の冷凍室用扉である。また、１１は、冷蔵庫本体１の後方下側に設けられた機械室１１ａに設置された圧縮機、１３は冷蔵庫本体１の後方に設けられた冷却器室に配置された冷却器、１２は冷却器１３に着霜した霜を溶かすための除霜用ヒータである。
【００２２】
１４は冷却器１３によって冷却された冷気を強制的に冷蔵庫本体１内の冷蔵室７や冷凍室１０などの各室に送風するための庫内ファンである。１９Ａは冷蔵室７への冷気の送風路である冷蔵室用送風路、２０Ａは冷凍室１０への冷気の送風路である冷凍室用送風路である。１５Ａは冷蔵室用送風路１９Ａ内に設けられ、冷蔵室７へ供給される冷気の量を調整する冷蔵室用ダンパ、１５Ｂは切替室用送風路内に設けられ、切替室８へ供給される冷気の量を調整する切替室用ダンパ、１５Ｃは冷凍室用風路２０Ａ内に設けられ、冷凍室１０へ供給される冷気の量を調整する冷凍室用ダンパである。
【００２３】
１６は冷蔵室用送風路１９Ａより冷蔵室７内に冷気を供給するための冷蔵室用吹き出し口、１７は切替室用送風路より切替室８内に冷気を供給するための切替室用吹出し口、１８は冷凍室用送風路２０Ａより冷凍室１０内に冷気を供給するための冷凍室用吹出し口である。２１は冷蔵庫本体１内の各室へ導かれる冷気の通り道である主風路内に設けられたバイパス流路であり、バイパス流路２１内には脱臭装置２２が設けられている。各ダンパ（１５ａ、１５ｂ、１５ｃ）を閉じることによって冷気はバイパス流路２１を通って冷却器１３に戻るショートサイクルが発生する。このショートサイクルは冷却器１３を上流として循環する冷気が冷蔵庫本体１内のいずれの室も供給されずに冷却器１３に戻る風路のことである。
【００２４】
図２は実施の形態１を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図である。図においては、各室へ冷気を供給するための送風路のみを示しており、各室からの冷気の戻り風路については記載していない。図において、図１と同等部分は同一の符号を付して説明を省略する。図において、１９Ａは冷蔵室用送風路、２０Ａは冷凍室用送風路、２５は切替室８に冷気を供給するための切替室用送風路である。２６は冷凍室１０内あるいは独立して設けられた製氷室（図示せず）内に冷気を供給するための製氷室用送風路である。
【００２５】
１５Ｅは製氷室への冷気の供給量を調整するために製氷室用送風路２６内に設けられた製氷室用ダンパである。バイパス流路２１内には脱臭装置２２が設けられており、送風路に設けられたダンパが全て閉じている時は、冷気は空気抵抗のほとんどない送風路の方に供給されず、空気抵抗が大きなバイパス流路２１に冷気がほとんど供給されるので、ショートサイクルが発生し、ダンパによって閉じられた冷却室を含む閉空間内の冷気が全て庫内ファン１４によって強制的に脱臭装置２２を通過するようになり、脱臭効果が得られ、ダンパを開放してもいやな臭いが各室へ供給されることがなくなる。
【００２６】
また、１５Ａと１５Ｂと１５Ｃと１５Ｅの少なくとも１つのダンパが開いているときは、冷気は空気抵抗のほとんどない送風路の方に供給されるので、空気抵抗が大きなバイパス流路２１には冷気はほとんど供給されず、ショートサイクルは発生せず、脱臭装置２２による脱臭効果はほとんど得られないが、冷却運転中の風路抵抗となることもないので、冷却能力の不足が発生しない。
【００２７】
また、図３は実施の形態１を表す冷蔵庫の風路の概略構成を示す概略風路線図であり、切替室８や製氷室や野菜室９は省略して、冷蔵室７と冷凍室１０の風路構成のみについて示している。図において、図１、図２と同等部分は同一の符号を付して説明を省略する。図において、１９Ａは冷蔵室用送風路、１９Ｂは冷蔵室７内を冷却した冷気が冷却器１３へ戻るための冷気の戻り風路である冷蔵室用戻り風路、２０Ａは冷凍室用送風路、２０Ｂは冷凍室１０内を冷却した冷気が冷却器１３へ戻るための冷気の戻り風路である冷凍室戻り風路である。
【００２８】
ここで、脱臭装置２２に用いられるフィルタについて図４を用いて説明する。図４は本発明の実施の形態１を表すフィルタの構成について説明するための図である。図において、２３は脱臭装置２２の内部に組み込まれた脱臭用フィルタであり、２３ｂで示したようにゼオライト１１５や銅マンガン１１６、活性炭１１７などを繊維状のパルプ１１８に添着し、その後、紙状にしたものを２３ａで示すようにダンボールのように構成したものや、２３ｃで示したように上述した各材料の粒子を焼結して構成したものなどが用いられる。
【００２９】
このような成分で構成した脱臭装置２２を冷蔵庫本体１内の各室へ冷気を送風する冷気送風路に配置することにより、冷蔵庫本体１内の各室に貯蔵されている食品などから発生する臭気成分（いやなにおいの成分）であるメチルメルカプタンやトリメチルアミンなどを吸着するので、冷蔵庫本体１の各室からはいやなにおいが発生しない。特に脱臭装置２２を図５のようにバイパス流路２１を塞ぐように設ければよい。冷気が全て脱臭装置２２のフィルタ２３を通過するようになり、脱臭効率が向上する。また、脱臭フィルタ２３としては、光触媒である酸化チタンを担持するようにしてもよい。脱臭フィルタ２３に酸化チタンを使用し、リフレッシュ手段に発光ダイオードを使用する構成にすると、構成が簡単で、信頼性の高い低コストな脱臭装置が得られるため、信頼性が高く、低コストでいやな臭いのしない冷蔵庫を提供できる。また、ブラックライトなどの他のリフレッシュ手段を用いるよりも小型化できる。
【００３０】
図５は本発明の実施の形態１を表す脱臭装置２２の取付状態を表した図である。図において、２１はバイパス流路、２３は脱臭フィルタ、２４は脱臭フィルタ２３のリフレッシュ手段である。図において、脱臭用フィルタ２３はバイパス流路２１を塞ぐように取りつけられているので、冷気が全て脱臭用フィルタ２３を通過するようになり、脱臭効率が向上する。
【００３１】
また、脱臭装置２２にフィルタ２３に吸着した臭気成分を酸化還元反応で分解してフィルタの寿命延ばす作用を有する紫外線を発生するＬＥＤ発光装置などのフィルタリフレッシュ手段２４を付加すれば、フィルタ２３の寿命が延びるので、フィルタ２３の交換の手間が少なくてよく、いやな臭いのしない低コストな冷蔵庫を提供できる。ブラックライトなどの他のフィルタリフレッシュ手段２４を用いるよりも小型化できる。また、バイパス流路２１内の風路抵抗を小さくできるので、バイパス流路２１を小型化でき、さらに脱臭運転時に効率良く脱臭装置２２のフィルタ２３に冷気を通過させることができ、脱臭効率の大きな小型でコンパクトな冷蔵庫を得ることができる。したがって、風路内にコンパクトに脱臭装置を設けることができ、風路抵抗を小さくでき、ひいては、消費電力の小さい冷蔵庫を提供することができる。
【００３２】
ここで、実施の形態１を表す冷蔵庫の運転方法を図６にて説明する。図６は実施の形態１に表す冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。冷蔵庫本体１に設置されている圧縮機１１が運転中は、通常は、各室へ冷気を供給するための送風路に設けられているダンパが少なくとも１つは開放されているため、空気抵抗の大きな脱臭装置２２が設けられているバイパス流路２１内には冷気はほとんど供給されない。したがって、脱臭運転を行うときは、圧縮機１１が停止している時に行うの効率的であり、圧縮機１１が停止する条件としては、冷蔵庫が除霜運転しているときや、除霜運転終了直後から圧縮機の累積運転時間が所定時間に達したときなどである。
【００３３】
ここで、本発明では、圧縮機１１が運転していた場合に脱臭運転の要求があると、圧縮機１１を強制的に停止させて脱臭運転モードに入るようにしている。図において、Ｓ１は圧縮機１１を停止させる圧縮機停止ステップ、Ｓ２は各室へ供給される冷気量を調整するダンパを全て閉じるダンパ閉ステップ、Ｓ３は庫内ファン１４を運転する庫内ファン運転ステップ、Ｓ４は庫内ファン１４の運転時間を測定するタイマーをオンするタイマーオンステップである。
【００３４】
Ｓ５は庫内ファン１４の運転時間が所定時間に達したかどうかを判断する庫内ファン運転時間判断ステップ、Ｓ６は庫内ファン１４の運転を終了させる庫内ファン運転終了ステップ、Ｓ７は脱臭運転終了ステップである。
【００３５】
まず、脱臭運転の要求があると、Ｓ１にて圧縮機１１を停止させる。このとき、冷蔵庫が除霜運転しているときや、除霜運転終了直後で圧縮機１１の累積運転時間が所定時間に達したときなどで既に圧縮機１１が停止している場合は停止した状態のままである。そして、Ｓ２にて各室への冷気供給量を調整する冷気量調整ダンパを全て閉じ、Ｓ３にて庫内ファン１４の運転を開始させる。そしてＳ４において冷蔵庫の運転を制御する制御手段内に設けられたマイコンなどに内蔵されたタイマのカウントをスタートさせる。このタイマは庫内ファン１４の運転時間を制御するために設けられている。
【００３６】
そしてＳ５において、庫内ファン１４が所定時間運転したかどうかを判断し、所定時間運転していないと判断した場合はＳ５に戻り時間をカウントしつづける。Ｓ５において、庫内ファン１４が所定時間運転したと判断した場合は、Ｓ６にて庫内ファンの運転を終了し、タイマのカウントした時間をリセットする。本実施の形態の場合、所定時間とは冷却器１３が配置されている冷却器室内の空気が全て脱臭装置２２を通過するのに必要な時間であり、数秒〜数分程度である。例えば冷却器１３周辺の空気容積が０．０５立法メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は３０秒程度である。Ｓ６においては庫内ファンの運転が終了すると、Ｓ７にて冷蔵庫の脱臭運転が終了する。
【００３７】
ステップＳ３で説明したように、圧縮機１１が運転中には空気抵抗が大きいために空気のほとんどバイパス流路２１内に設置されている脱臭装置２２を通過することができなかったが、各室の冷気量調整ダンパが閉じた状態で庫内ファン１４を運転することによって、冷却器１３まわりの空気の全てが循環されるようになり、脱臭装置２２を通過した冷気は脱臭装置２２の吸着機能によって脱臭される。
【００３８】
したがって、圧縮機１１が運転したときに各室への冷気量を調整する冷気量調整ダンパを開いたときに悪臭が冷蔵庫の各室に流れることが無くなるので、異臭のしない清潔感のある冷蔵庫が得られる。更に、除霜運転終了後に脱臭運転を行うと、除霜直後の冷却器室の温度上昇に伴う悪臭が冷蔵庫の各室に流れ込まないので、悪臭がしない冷蔵庫が得られる。また、圧縮機１１の運転中に脱臭装置２２に冷気を通過させないようにしているので、冷却性能の低下を防止することもできる。
【００３９】
また、冷蔵庫本体１内の冷気供給用風路内のほとんどの冷気が臭いとともに冷却器１３を通過するが、冷却器１３は着霜するため着霜した冷却器１３の冷却フィン間に臭いが閉じ込められやすい。この閉じ込められた臭いが除霜運転などによる温度上昇により着霜した霜が溶けるとともに異臭となって冷却器室内に開放される。したがって、本実施の形態では、庫内ファン１４により送風された冷気がバイパス流路２１を通過して冷却器１３が配置されている冷却器室に戻るようなショートサイクルが起こるように脱臭装置２２を有するバイパス流路２１を構成しているので、冷蔵庫の各室で発生した異臭が集まって蓄積されやすい冷却器室の脱臭が効率よく行え、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。また、バイパス流路２１を送風路とは独立に設ければ、バイパス流路が送風路の大きさや長さなど送風路の送風性能に影響を与えなくなるので、バイパス流路の設置の自由度が大きくなり、低コストな冷蔵庫が得られる。
【００４０】
実施の形態２．
本発明の実施の形態２を図７乃至図１０を用いて説明する。図７は本発明の実施の形態２の一例を表す冷蔵庫の側断面図である。図８は実施の形態２を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図、図９は実施の形態２を示す冷蔵庫の風路の概略構成を示す概略風路線図である。図７、図８、図９において、実施の形態１と同等部分は同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態１における冷蔵庫本体１のバイパス流路２１内にバイパス流路２１を通過する流量を調整する脱臭専用ダンパ１５Ｄを設けている。
【００４１】
図７、図８、図９において、１５Ｄは、バイパス流路２１内に設けられた脱臭専用ダンパであり、バイパス流路２１を通過する空気抵抗を脱臭専用ダンパ１５Ｄで調整すればよくなり、バイパス流路２１の空気抵抗は必ずしも大きくする必要がなくなるので、脱臭装置２２やバイパス流路２１の簡易化が行え、設計の自由度が大きくなり、低コストな冷蔵庫を得ることができる。この場合、脱臭運転中は脱臭専用ダンパ１５Ｄを開放し、冷却運転中は脱臭専用ダンパ１５Ｄを閉じればよい。また、冷却運転と脱臭運転を同時に行いたい場合は、脱臭専用ダンパ１５Ｄの開度を調整して、冷却能力の低下が起こらない程度にバイパス流路へ供給される冷気量を調整すればよい。
【００４２】
図８において、脱臭専用ダンパ１５Ｄは、脱臭装置２２の後流側で冷却器１３との間に設けられているが、図９に示すように、脱臭装置２２の前流側で冷却器１３との間に設けてもよい。ここで、図９は冷蔵室８と冷凍室１０のみの冷却風路を示しており、野菜室９やその他の室への風路は図示していない。
【００４３】
また、図１０は実施の形態２に示す冷凍冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。図において、Ｓ１１は脱臭運転を行う部屋を選択するステップで例えば冷蔵室８の脱臭運転を選択した場合の冷蔵室脱臭運転選択ステップである。Ｓ１２はＳ１１にて選択された部屋（冷蔵室８）の脱臭運転スイッチをオンにする脱臭運転スイッチオンステップ、Ｓ１３は冷蔵庫が除霜運転中かどうかを判断する除霜運転判断ステップである。
【００４４】
Ｓ３１はＳ１３にて除霜運転中であると判断された場合に脱臭運転を拒否する脱臭運転拒否ステップ、Ｓ１４はＳ１３にて除霜運転中でないと判断された場合に脱臭運転モードであるかどうかを判断する脱臭運転判断ステップ、Ｓ４１はＳ１４にて脱臭運転モードであると判断された場合に脱臭運転を継続する脱臭運転継続ステップ、Ｓ１５はＳ１４にて脱臭運転モードでないと判断された場合に冷蔵室の脱臭運転をスタートさせる冷蔵室脱臭運転開始ステップである。
【００４５】
Ｓ１６は庫内ファン１４の運転時間をカウントするためにタイマをスタートさせるタイマ開始ステップ、Ｓ１７は冷蔵室用冷気調整ダンパ１５Ａのみを開く冷蔵室用ダンパ開ステップ、Ｓ１８は脱臭専用ダンパ１５Ｄを開く脱臭専用ダンパ開ステップ、Ｓ１９は庫内ファン１４が停止しているかどうかを判断する庫内ファン停止判断ステップである。
【００４６】
もし、Ｓ１９にて庫内ファン１４が停止している場合に庫内ファン１４を運転させる庫内ファン運転開始ステップ、Ｓ２１は庫内ファン１４の運転時間を計測しているタイマのカウントした時間が所定時間に達したかどうかを判断する庫内ファン運転時間確認ステップ、Ｓ２２は脱臭専用ダンパ１５Ｄを閉じる脱臭専用ダンパ閉ステップ、Ｓ２３は冷蔵室脱臭運転終了ステップである。
【００４７】
まず、冷蔵室７の脱臭運転を行う要求があると、Ｓ１１にて冷蔵室の脱臭運転を選択して、Ｓ１２にて脱臭運転スイッチをオンにする。脱臭運転スイッチは、冷蔵庫の正面などに設置された液晶などによる表示パネル上に設ければよい。また、脱臭したい室の選択する機能も該表示パネルに設けても構わない。そして、Ｓ１３にて除霜運転中であるかどうかを判断して、もし、除霜運転中である場合には、Ｓ３１にて脱臭運転を行わないように脱臭運転を拒否して現在の運転を継続する。
【００４８】
このことは、除霜運転により冷却器１３の温度上昇に伴い冷却器室内の温度が上昇し冷却器室内の温度上昇した空気が冷蔵室に流れ込み冷却不足になるのを防止する効果がある。但し、冷却器室内のみの脱臭運転は可能である。Ｓ１３にて除霜運転中でない場合は、Ｓ１４にてどこかの部屋が脱臭運転モードになっているかどうかを判断し、もし脱臭運転モードになっている場合には、Ｓ４１にて脱臭運転を継続する。
【００４９】
Ｓ１４にて脱臭運転モードになっていない場合には、Ｓ１５にて冷蔵室７の脱臭運転をスタートさせて脱臭運転モードに入る。そして、Ｓ１６にて、庫内ファン１４の運転時間を計測するためにマイコンなどに内蔵されているタイマのカウントを開始する。このとき、庫内ファン１４が停止している場合には、タイマのカウントは行われないようにしている。
【００５０】
その後、Ｓ１７にて冷蔵室７へ供給される冷気量を調整するための冷蔵室冷気量調節ダンパ１５Ａのみを開にし、Ｓ１８にて脱臭専用ダンパ１５Ｄも開にする。Ｓ１９にて庫内ファン１４が運転中かどうか判断し、停止中であればＳ２０にて庫内ファン１４の運転を開始させる。そしてＳ２１において冷蔵庫の運転を制御する制御手段内に設けられたマイコンなどに内蔵されたタイマにてカウントされた庫内ファン１４の運転時間が所定の運転時間に達したかどうかを判断する。
【００５１】
ここで、このタイマは庫内ファン１４の運転時間を制御するために設けられており、脱臭運転がスタートしてから庫内ファン１４が運転した時間を計測する。所定時間とは冷蔵室７と冷却器１３周りの空気の全てが脱臭装置２２を通過するのに所要する時間であり、例えば、冷蔵室７と冷却器１３周りの空気容積が０．３立方メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は１．５分程度であればよい。
【００５２】
このように短時間での脱臭が可能なのは、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを除くすべての室の冷気量調整ダンパを閉じるようにしているためであり、冷蔵庫に設けられている各室用の送風路に設けられている冷気量調整ダンパの遮断数が多いほど脱臭装置を通過する空気の流速を大きくすることができ、短時間で冷蔵室の脱臭を完了することができる。
【００５３】
そしてＳ２１において、所定時間運転していないと判断した場合はＳ２０に戻り時間をカウントしつづける。Ｓ２１において、庫内ファン１４が所定時間運転したと判断した場合は、Ｓ２２にて脱臭専用ダンパ１５Ｄを閉じて、タイマのカウントした時間をリセットする。本実施の形態の場合、所定時間とは冷却器１３が配置されている冷却器室内の空気が全て脱臭装置２２を通過するのに必要な時間であり、数秒〜数分程度である。例えば冷却器１３周辺の空気容積が０．０５立法メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は３０秒程度である。Ｓ２２においては脱臭専用ダンパ１５Ｄが閉じられると、Ｓ２３にて冷蔵室７の脱臭運転が終了する。
【００５４】
以上のように、本発明では除霜運転中あるいは除霜運転終了後にバイパス流路に冷気を供給することによって冷却運転開始前に脱臭運転を行うようにしている。したがって、圧縮機１１が運転開始したときに各室への冷気量を調整する冷気量調整ダンパを開いても悪臭が冷蔵庫の各室に流れることが無くなるので、異臭のしない清潔感のある冷蔵庫が得られる。更に、除霜運転終了後に脱臭運転を行うと、除霜直後の冷却器室の温度上昇に伴う悪臭が冷蔵庫の各室に流れ込まないので、悪臭がしない冷蔵庫が得られる。また、圧縮機１１の運転中に脱臭装置２２に冷気を通過させないようにしているので、冷却性能の低下を防止することもできる。
【００５５】
また、本実施の形態では、庫内ファン１４により送風された冷気がバイパス流路２１を通過して冷却器１３に戻るようなショートサイクルを起こすように脱臭装置２２を有するバイパス流路２１を構成しているので、冷蔵庫の各室で発生した異臭が集まって蓄積されやすい冷却器１３の脱臭が効率よく行え、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００５６】
すなわち、冷蔵庫の各室を冷却した冷気は食品などの臭いとともに冷却器１３を通過するが、このとき、着霜したフィン間に臭い成分が閉じ込められやすく、除霜運転時など温度上昇に伴い着霜した霜が溶けるときに臭いも開放されて異臭や悪臭のもとになる。本発明では、冷却器１３通過後の冷気をショートサイクルさせて冷気の脱臭を行うようにしているので、短時間で効率良く脱臭が行える冷蔵庫を提供できる。
【００５７】
また、本実施の形態では、圧縮機１１１の運転中（冷蔵室７や切替室８や野菜室９や冷凍室１０などの各室の冷却運転中）でも積極的に脱臭運転を行うようにしているので、各室内の食品等のいやな臭いも脱臭され、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００５８】
実施の形態３．
本実施の形態では、実施の形態２において説明した冷蔵庫本体１に設けられている全ての冷気量調整ダンパに開度調整機能を備えるようにしたものである。図１１は実施の形態３を表す冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。図において、Ｓ５０は脱臭運転を行う部屋を選択するステップで例えば冷蔵室７の脱臭運転を選択した場合の冷蔵室脱臭運転選択ステップである。Ｓ５１はＳ５０にて選択された部屋（冷蔵室７）の脱臭運転スイッチをオンにする脱臭運転スイッチオンステップ、Ｓ５２は冷蔵庫が除霜運転中かどうかを判断する除霜運転判断ステップである。
【００５９】
Ｓ７１はＳ５２にて除霜運転中であると判断された場合に脱臭運転を拒否する脱臭運転拒否ステップ、Ｓ５３はＳ５２にて除霜運転中でないと判断された場合に脱臭運転モードであるかどうかを判断する脱臭運転判断ステップ、Ｓ８１はＳ５３にて脱臭運転モードであると判断された場合に脱臭運転を継続する脱臭運転継続ステップ、Ｓ５４はＳ５３にて脱臭運転モードでないと判断された場合に冷蔵室の脱臭運転をスタートさせる冷蔵室脱臭運転開始ステップである。
【００６０】
Ｓ５５は庫内ファン１４の運転時間をカウントするためにタイマをスタートさせるタイマ開始ステップ、Ｓ５６は冷蔵室用冷気調整ダンパ１５Ａのみを開度を調整しながら開く冷蔵室用ダンパ開ステップ、Ｓ５７は脱臭専用ダンパ１５Ｄを開く脱臭専用ダンパ開ステップ、Ｓ５８は庫内ファン１４が停止しているかどうかを判断する庫内ファン停止判断ステップである。
【００６１】
もし、Ｓ５８にて庫内ファン１４が停止している場合に庫内ファン１４を運転させる庫内ファン運転開始ステップ、Ｓ６０は庫内ファン１４の運転時間を計測しているタイマのカウントした時間が所定時間に達したかどうかを判断する庫内ファン運転時間確認ステップ、Ｓ６１は脱臭専用ダンパ１５Ｄを閉じる脱臭専用ダンパ閉ステップ、Ｓ６２は冷蔵室脱臭運転終了ステップである。
【００６２】
まず、冷蔵室７の脱臭運転を行う要求があると、Ｓ５０にて冷蔵室７の脱臭運転を選択して、Ｓ５１にて脱臭運転スイッチをオンにする。脱臭運転スイッチは、冷蔵庫の正面などに設置された液晶などによる表示パネル上に設ければよい。また、脱臭したい室の選択する機能も該表示パネルに設けても構わない。そして、Ｓ５２にて除霜運転中であるかどうかを判断して、もし、除霜運転中である場合には、Ｓ７１にて脱臭運転を行わないように脱臭運転を拒否して現在の運転を継続する。
【００６３】
このことは、除霜運転により冷却器１３の温度上昇に伴い冷却器室内の温度が上昇し冷却器室内の温度上昇した空気が冷蔵室に流れ込み冷却不足になるのを防止する効果がある。但し、冷却器室内のみの脱臭運転は可能である。Ｓ５２にて除霜運転中でない場合は、Ｓ５３にてどこかの部屋が脱臭運転モードになっているかどうかを判断し、もし脱臭運転モードになっている場合には、Ｓ８１にて脱臭運転を継続する。
【００６４】
Ｓ５３にて脱臭運転モードになっていない場合には、Ｓ５４にて冷蔵室７の脱臭運転をスタートさせて脱臭運転モードに入る。そして、Ｓ５５にて、庫内ファン１４の運転時間を計測するためにマイコンなどに内蔵されているタイマのカウントを開始する。このとき、庫内ファン１４が停止している場合には、タイマのカウントは行われないようにしている。
【００６５】
その後、Ｓ５６にて冷蔵室７へ供給される冷気量を調整するための冷蔵室冷気量調節ダンパ１５Ａのみを開度を調整しながら開（例えば４５度）にし、Ｓ５７にて脱臭専用ダンパ１５Ｄも開にする。ここで、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａの開度は脱臭装置２２を通過する空気の流量と冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを通過する流量が同一になるように調整されている。このときの冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａの開度は、あらかじめ試験等によって確認しておくことによって把握でき、例えば本実施の形態における冷蔵庫においては、この開度は４５°程度である。Ｓ５８にて庫内ファン１４が運転中かどうか判断し、停止中であればＳ５９にて庫内ファン１４の運転を開始させる。そしてＳ６０において冷蔵庫の運転を制御する制御手段内に設けられたマイコンなどに内蔵されたタイマにてカウントされた庫内ファン１４の運転時間が所定の運転時間に達したかどうかを判断する。
【００６６】
ここで、このタイマは庫内ファン１４の運転時間を制御するために設けられており、脱臭運転がスタートしてから庫内ファン１４が運転した時間を計測する。所定時間とは冷蔵室７と冷却器１３周りの空気の全てが脱臭装置２２を通過するのに所要する時間であり、例えば、冷蔵室７と冷却器１３周りの空気容積が０．３立方メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は１．５分程度であればよい。
【００６７】
このように短時間での脱臭が可能なのは、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを除くすべての室の冷気量調整ダンパを閉じるようにしているためであり、必要最小限の容積のみを脱臭するようにしているので、短時間で冷蔵室の脱臭を完了することができる。
【００６８】
そしてＳ６０において、所定時間運転していないと判断した場合はＳ５９に戻り時間をカウントしつづける。Ｓ６０において、庫内ファン１４が所定時間運転したと判断した場合は、Ｓ６１にて脱臭専用ダンパ１５Ｄを閉じて、タイマのカウントした時間をリセットする。本実施の形態の場合、所定時間とは冷却器１３が配置されている冷却器室内の空気が全て脱臭装置２２を通過するのに必要な時間であり、数秒〜数分程度である。例えば冷却器１３周辺の空気容積が０．０５立法メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は３０秒程度である。Ｓ６１においては脱臭専用ダンパ１５Ｄが閉じられると、Ｓ６２にて冷蔵室７の脱臭運転が終了する。
【００６９】
したがって、圧縮機１１が運転したときに各室への冷気量を調整する冷気量調整ダンパを開いたときに悪臭が冷蔵庫の各室に流れることが無くなるので、異臭のしない清潔感のある冷蔵庫が得られる。更に、除霜運転終了後に脱臭運転を行うと、除霜直後の冷却器室の温度上昇に伴う悪臭が冷蔵庫の各室に流れ込まないので、悪臭がしない冷蔵庫が得られる。また、圧縮機１１の運転中に脱臭装置２２に冷気を通過させないようにすれば、冷却性能の低下を防止することもできる。
【００７０】
また、本実施の形態では、庫内ファン１４により送風された冷気がバイパス流路２１を通過して冷却器１３に戻るようなショートサイクルを起こすように脱臭装置２２を有するバイパス流路２１を構成しているので、冷蔵庫の各室で発生した異臭が集まって蓄積されやすい冷却器１３の脱臭が効率よく行え、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００７１】
また、本実施の形態では、バイパス流路を通過する冷気量と開度調整可能ダンパが設けられた送風路を通過する冷気量とが同等となるように開度調整可能ダンパの開度調整を行うようにして、圧縮機１１の運転中（冷蔵室７や切替室８や野菜室９や冷凍室１０などの各室の冷却運転中）でも積極的に脱臭運転を行うようにしているので、冷却運転を行っているにもかかわらず、各室内の食品等のいやな臭いも脱臭され、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００７２】
また、各室へ冷気を供給する冷気量調整ダンパに開度調整機能をもたせたので、脱臭装置２２を通過する風量と冷蔵室７などの各室へ冷気を供給する風路を通過する風量を同じにすることができる。すなわち、冷蔵室７などの各室と冷却器１３まわりの空気が全て脱臭装置２２を通過するのに必要な時間を短縮でき、しかも、各室の冷却も行える冷蔵庫を提供できる。例えば、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを４５度の開度状態にした場合、冷蔵室７と冷却器１３周りの空気容積が０．３立方メートルである場合、庫内ファン１４の運転時間は１分程度であり、実施の形態２において説明した冷蔵庫と比べて短時間で脱臭運転が可能である。
【００７３】
実施の形態４．
図１２は本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の概略風路の構成を示した概略風路線図、図１３は実施の形態４を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図、図１４は本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の側断面図である。図１２、図１３、図１４において、実施の形態１〜実施の形態３と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。図において、７は冷蔵室、１０は冷凍室であり、１３Ａは冷蔵用冷却器、１３Ｂは冷凍用冷却器、１４Ａは冷蔵用庫内ファン、１４Ｂは冷凍用庫内ファンである。また、図１２に示すように比較的温度帯の高い冷蔵用の冷気が循環する冷蔵用風路部と、比較的温度帯の低い冷凍用の冷気が循環する冷凍用風路部とは、風路は完全に分離されており、それぞれ独立に制御される。
【００７４】
また、図１３に示すように冷蔵用冷却器１３Ａを有する冷蔵用風路部には冷蔵室用風路１９Ａや野菜室用風路などに設けられた冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａや野菜室用冷気量調整ダンパなどを有している。また、冷凍用冷却器１３Ｂを有する冷凍用風路部には冷凍室用風路２０Ａや切替室用風路２５や製氷室用風路２６などに設けられた冷凍室用冷気量調整ダンパ１５Ｃや切替室用冷気量調整ダンパ１５Ｂや製氷室用冷気量調整ダンパ１５Ｅなどが設けられている。
【００７５】
また、冷蔵用風路部には、冷蔵温度帯用脱臭装置２２Ａおよび冷蔵温度帯脱臭用ダンパ１５ＤＡが取りつけられた冷蔵用バイパス流路２１Ａが設けられており、また、冷凍用風路部には、冷凍温度帯用脱臭装置２２Ｂおよび冷凍温度帯脱臭用ダンパ１５ＤＢが取りつけられた冷凍用バイパス流路２１Ｂが設けられている。
【００７６】
また、図１４に示すように、７は冷蔵室、９は野菜室、８は野菜などを保存する比較的高温度な温度帯から冷凍食品などの比較的低温度の温度帯までの幅広い温度帯に切替可能な切替室、１０は冷凍室である。また、冷蔵用冷却器１３Ａは野菜室９の後方に断熱仕切り壁を介して配置されており、冷蔵用庫内ファン１４Ａおよび冷蔵バイパス流路２１Ａが設けられている。また、冷凍用冷却器１３Ｂは切替室８の後方に断熱仕切り壁を介して配置されており、冷凍用庫内ファン１４Ｂおよび冷凍バイパス流路２１Ａが設けられている。
【００７７】
また、各室へ冷気を供給する全ての風路にはそれぞれ冷気量調整ダンパ（たとえば冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａ、冷凍室用冷気量調整ダンパ１５Ｃ、切替室用冷気量調整ダンパ１５Ｂ、製氷室用冷気量調整ダンパ１５Ｅなど）が設けられており、独立してその開度調整が行われる。
【００７８】
したがって、冷却風路が冷蔵側と冷凍側で独立しており、脱臭装置を備えた脱臭用バイパス流路も独立して設けられている冷蔵側と冷凍側にそれぞれ設けているので、独立して脱臭運転が行える。特に冷蔵側の方が温度帯が高く、においが発生しやすいため、冷蔵側のみ脱臭運転の回数を増やしたり、脱臭運転時間を長くしたりしても、冷凍側の各室への温度上昇などの影響がなく、効率的に脱臭が行え、また、冷却不良の起こらない信頼性の高い冷蔵庫が得られる。
【００７９】
図１５は本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の制御フローを示す制御フローチャート図である。図において、Ｓ９０は脱臭運転を行う部屋を選択するステップで例えば冷蔵室７の脱臭運転を選択した場合の冷蔵室脱臭運転選択ステップである。Ｓ９１はＳ９０にて選択された部屋（冷蔵室７）の脱臭運転スイッチをオンにする脱臭運転スイッチオンステップ、Ｓ６２は冷蔵側の各室が除霜運転中かどうかを判断する除霜運転判断ステップである。
【００８０】
Ｓ１１１はＳ９２にて除霜運転中であると判断された場合に脱臭運転を拒否する脱臭運転拒否ステップ、Ｓ９３はＳ９２にて除霜運転中でないと判断された場合に冷蔵側が脱臭運転モードであるかどうかを判断する脱臭運転判断ステップ、Ｓ１２１はＳ９３にて脱臭運転モードであると判断された場合に脱臭運転を継続する脱臭運転継続ステップ、Ｓ９４はＳ９３にて脱臭運転モードでないと判断された場合に冷蔵室の脱臭運転をスタートさせる冷蔵室脱臭運転開始ステップである。
【００８１】
Ｓ９５は冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間をカウントするためにタイマをスタートさせるタイマ開始ステップ、Ｓ９６は冷蔵室用冷気調整ダンパ１５Ａのみを開度を調整しながら開く冷蔵室用ダンパ開ステップ、Ｓ９７は冷蔵用脱臭専用ダンパ１５ＤＡを開く冷蔵用脱臭専用ダンパ開ステップ、Ｓ９８は冷蔵用庫内ファン１４Ａが停止しているかどうかを判断する冷蔵用庫内ファン停止判断ステップである。
【００８２】
もし、Ｓ９８にて冷蔵用庫内ファン１４Ａが停止している場合に冷蔵用庫内ファン１４Ａを運転させる冷蔵用庫内ファン運転開始ステップ、Ｓ１００は冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間を計測しているタイマのカウントした時間が所定時間に達したかどうかを判断する冷蔵用庫内ファン運転時間確認ステップ、Ｓ１０１は冷蔵用脱臭専用ダンパ１５ＤＡを閉じる冷蔵用脱臭専用ダンパ閉ステップ、Ｓ１０２は冷蔵室脱臭運転終了ステップである。
【００８３】
まず、冷蔵室７の脱臭運転を行う要求があると、Ｓ９０にて冷蔵室７の脱臭運転を選択して、Ｓ９１にて脱臭運転スイッチをオンにする。脱臭運転スイッチは、冷蔵庫の正面などに設置された液晶などによる表示パネル上に設ければよい。また、脱臭したい室の選択する機能も該表示パネルに設けても構わない。そして、Ｓ９２にて冷蔵側の各室が除霜運転中であるかどうかを判断して、もし、除霜運転中である場合には、Ｓ１１１にて脱臭運転を行わないように脱臭運転を拒否して現在の運転を継続する。
【００８４】
このことは、除霜運転により冷蔵用冷却器１３Ａの温度上昇に伴い冷蔵用冷却器室内の温度が上昇し冷蔵用冷却器室内の温度上昇した空気が冷蔵室７に流れ込み冷却不足になるのを防止する効果がある。但し、冷却器室内のみの脱臭運転は可能である。Ｓ９２にて除霜運転中でない場合は、Ｓ９３にて冷蔵側のどこかの部屋が脱臭運転モードになっているかどうかを判断し、もし脱臭運転モードになっている場合には、Ｓ１２１にて脱臭運転を継続する。
【００８５】
Ｓ９３にて冷蔵側の各室が脱臭運転モードになっていない場合には、Ｓ９４にて冷蔵室７の脱臭運転をスタートさせて脱臭運転モードに入る。そして、Ｓ９５にて、冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間を計測するためにマイコンなどに内蔵されているタイマのカウントを開始する。このとき、冷蔵用庫内ファン１４Ａが停止している場合には、タイマのカウントは行われないようにしている。
【００８６】
その後、Ｓ９６にて冷蔵室７へ供給される冷気量を調整するための冷蔵室冷気量調節ダンパ１５Ａのみを開度を調整しながら開（例えば４５度）にし、Ｓ９７にて冷蔵用脱臭専用ダンパ１５ＤＡも開にする。ここで、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａの開度は脱臭装置２２Ａを通過する空気の流量と冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを通過する流量が同一になるように調整されている。
【００８７】
このときの冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａの開度は、あらかじめ試験等によって確認しておくことによって把握でき、例えば本実施の形態における冷蔵庫においては、この開度は４５°程度である。Ｓ９８にて冷蔵用庫内ファン１４Ａが運転中かどうか判断し、停止中であればＳ９９にて冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転を開始させる。そしてＳ１００において冷蔵庫の運転を制御する制御手段内に設けられたマイコンなどに内蔵されたタイマにてカウントされた冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間が所定の運転時間に達したかどうかを判断する。
【００８８】
ここで、このタイマは冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間を制御するために設けられており、脱臭運転がスタートしてから冷蔵用庫内ファン１４Ａが運転した時間を計測する。所定時間とは冷蔵室７と冷却器１３Ａ周りの空気の全てが脱臭装置２２Ａを通過するのに所要する時間であり、例えば、冷蔵室７と冷却器１３Ａ周りの空気容積が０．３立方メートルである場合、冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間は１．５分程度であればよい。
【００８９】
このように短時間での脱臭が可能なのは、冷蔵室用冷気量調整ダンパ１５Ａを除くすべての室の冷気量調整ダンパを閉じるようにしているためであり、必要最小限の容積のみを脱臭するようにしているので、短時間で冷蔵室の脱臭を完了することができる。
【００９０】
そしてＳ１００において、所定時間運転していないと判断した場合はＳ９９に戻り時間をカウントしつづける。Ｓ１００において、冷蔵用庫内ファン１４Ａが所定時間運転したと判断した場合は、Ｓ１０１にて冷蔵用脱臭専用ダンパ１５ＤＡを閉じて、タイマのカウントした時間をリセットする。本実施の形態の場合、所定時間とは冷蔵用冷却器１３Ａが配置されている冷却器室内の空気が全て脱臭装置２２Ａを通過するのに必要な時間であり、数秒〜数分程度である。例えば冷却器１３周辺の空気容積が０．０５立法メートルである場合、冷蔵用庫内ファン１４Ａの運転時間は３０秒程度である。Ｓ１０１においては冷蔵用脱臭専用ダンパ１５ＤＡが閉じられると、Ｓ１０２にて冷蔵室７の脱臭運転が終了する。
【００９１】
したがって、圧縮機１１が運転したときに各室への冷気量を調整する冷気量調整ダンパを開いても悪臭が冷蔵庫の各室に流れることが無くなるので、異臭のしない清潔感のある冷蔵庫が得られる。更に、除霜運転終了後に脱臭運転を行うと、除霜直後の冷却器室の温度上昇に伴う悪臭が冷蔵庫の各室に流れ込まないので、悪臭がしない冷蔵庫が得られる。また、圧縮機１１の運転中に脱臭装置２２に冷気を通過させないようにしているので、冷却性能の低下を防止することもできる。
【００９２】
また、本実施の形態では、冷蔵用庫内ファン１４Ａにより送風された冷気がバイパス流路２１Ａを通過して冷蔵用冷却器１３Ａに戻るようなショートサイクルを起こすように冷蔵用脱臭装置２２Ａを有する冷蔵用バイパス流路２１Ａを構成しているので、冷蔵庫の各室で発生した異臭が集まって蓄積されやすい冷蔵用冷却器１３Ａの脱臭が効率よく行え、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００９３】
また、本実施の形態では、圧縮機１１の運転中（冷蔵室７や野菜室９などの各室の冷却運転中）でも積極的に脱臭運転を行うようにしているので、各室内の食品等のいやな臭いも脱臭され、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００９４】
また、各室へ冷気を供給する冷気量調整ダンパに開度調整機能をもたせたので、冷蔵用脱臭装置２２Ａを通過する風量と冷蔵室７などの各室へ冷気を供給する風路を通過する風量を同じにすることができる。すなわち、冷蔵室７などの各室と冷蔵用冷却器１３Ａまわりの空気が全て冷蔵用脱臭装置２２Ａを通過するのに必要な時間を短縮でき、しかも、各室の冷却も行える冷蔵庫を提供できる。
【００９５】
また、冷蔵庫本体１内の冷気供給用風路内のほとんどの冷気が臭いとともに冷却器１３Ａ、１３Ｂを通過するが、冷却器１３Ａ，１３Ｂは着霜するため着霜した冷却器１３Ａ，１３Ｂの冷却フィン間に臭いが閉じ込められやすい。この閉じ込められた臭いが除霜運転などによる温度上昇により着霜した霜が溶けるとともに異臭となって冷却器室内に開放される。したがって、本実施の形態では、庫内ファン１４Ａ、１４Ｂにより送風された冷気がバイパス流路２１Ａ、２１Ｂを通過して冷却器１３Ａ、１３Ｂが配置されている冷却器室に戻るようなショートサイクルが起こるように脱臭装置２２Ａ、２２Ｂを有するバイパス流路２１Ａ、２１Ｂを構成しているので、冷蔵庫の各室で発生した異臭が集まって蓄積されやすい冷却器室の脱臭が効率よく行え、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。
【００９６】
本実施の形態では冷蔵側の脱臭運転についてのみ説明したが、冷凍側の冷凍室１０などの各室の脱臭運転（冷凍用バイパス流路２１Ｂに設けられた冷凍用脱臭装置２２Ｂや冷凍用冷気量調整ダンパ１５ＤＢなどの制御）についても同様の制御を行えば、同様の効果が得られる。
【００９７】
また、本実施の形態では、冷蔵庫本体の前面に配置され、食品などを貯蔵する複数の部屋と、冷蔵庫本体の後方に設けられた２つの独立した冷却器室に設けられ、複数の部屋内を冷却するために温度帯の異なる冷気を生成する２つの冷却器と、２つの冷却器により生成される温度帯の異なる冷気を冷却器ごとに独立して温度帯の異なる部屋へ送風するための独立した２つの送風路と、を備えた冷蔵庫において、２つの独立した送風路に臭気成分を吸着する脱臭用フィルタと、脱臭用フィルタに吸着した臭気成分を分解して脱臭用フィルタの寿命を延ばすためのリフレッシュ手段と、によって構成される脱臭装置を設けたので、温度帯の異なる部屋の温度調整を木目細かくでき、しかも、それぞれの温度帯の部屋の冷却や脱臭が独立に制御できる。
【００９８】
また、２つの独立した送風路にそれぞれバイパス流路を設け、バイパス流路に脱臭装置を設けるようにすれば、バイパス流路が独立しているため送風路の大きさや長さなど送風路の送風性能に影響を与えなくなるので、バイパス流路の設置の自由度が大きくなり、低コストな冷蔵庫が得られる。
【００９９】
また、本実施の形態では、冷蔵側の風路部と冷凍側の風路部にそれぞれ１つのバイパス流路と脱臭装置を２つ設ける一例を示したが、脱臭装置を１つ設けてもよい。脱臭装置を１つ設ける場合は、比較的冷却温度帯の高い冷蔵用風路部の方が臭いが発生しやすいため、冷蔵用風路部の方に設けるようにした方が良い。また、脱臭装置やバイパス流路は３つ以上設けても良く、その場合は、部屋ごとに個別制御の脱臭運転が行えるので、他室への温度上昇などの温度の影響を考える必要がなく、木目細かな脱臭運転および安定して各室の冷却が行える。
【０１００】
また、冷却器を３つ以上有する３冷却器システムの冷蔵庫においても、図１２〜図１４にて説明したような２つの冷却器を有する２冷却器システムの冷蔵庫と同様の効果が得られる。
【０１０１】
また、本発明の冷蔵庫は、脱臭運転の開始・終了を行わせる脱臭運転用スイッチを設けるようにしたので、ユーザーの意思により脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。さらに、脱臭可能な部屋を選択できる選択スイッチを設けるようにしたので、ユーザーの意思により脱臭したい室を選択でき、必要な部屋だけの脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
【０１０２】
実施の形態４で脱臭運転用スイッチや選択スイッチを設ける事について説明したが、実施の形態１〜実施の形態３にて説明した冷蔵庫に適用しても、ユーザーの意思により脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができ、さらにユーザーの意思により脱臭したい部屋を選択でき、必要な部屋だけの脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
【０１０３】
【発明の効果】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の前面に配置され、食品などを貯蔵する複数の部屋と、冷蔵庫本体の後方に配置された冷却器室に設けられ、複数の部屋内を冷却する冷気を生成する冷却器と、冷却器室に設けられ、冷却器により生成された冷気を複数の部屋に送風するための庫内ファンと、複数の部屋へ庫内ファンにより強制送風される冷気の流路である送風路と、送風路に設けられ、各室への冷気の供給を開放・遮断するダンパと、ダンパと冷却器との間の送風路に設けられ、冷却器により生成された冷気を冷却器に戻すためのバイパス流路と、バイパス流路内に設けられ、複数の部屋内へ供給される冷気の脱臭を行う脱臭装置と、前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路の冷気量を調整可能な脱臭専用ダンパと、を備え、冷却運転を行なう場合には前記脱臭専用ダンパを閉じて前記バイパス流路に冷気が供給されないようにし、脱臭運転を行なう場合には前記ダンパを遮断し前記脱臭専用ダンパを開放することによりダンパと冷却器との間の送風路内の冷気をバイパス流路に強制送風するようにしたので、ダンパによって閉じられた冷却室を含む閉空間内の冷気が全て庫内ファンによって強制的に脱臭装置を通過するようになり、短時間で脱臭効果が得られ、ダンパを開放してもいやな臭いが各室へ供給されることの無い不快感のない冷蔵庫を提供できる。また、バイパス流路に冷気量を調整可能な脱臭専用ダンパを設け、冷却運転中はバイパス流路に冷気が供給されないようにしたので、バイパス流路を通過する空気抵抗を脱臭専用ダンパで調整すればよくなり、バイパス流路の空気抵抗を大きくする必要がなくなり、脱臭装置やバイパス流路の簡易化が行え、設計の自由度が大きくなり、低コストで信頼性の高い冷蔵庫を得ることができる。
【０１０４】
本発明の冷蔵庫は、臭気成分を吸着する脱臭用フィルタと、脱臭用フィルタに吸着した臭気成分を分解して脱臭用フィルタの寿命を延ばすためのリフレッシュ手段と、によって脱臭装置を構成するようにしたので、フィルタの寿命を延ばすことができ、フィルタの交換の手間が少なくてよく、いやな臭いのしない低コストな冷蔵庫を提供できる。
【０１０５】
本発明の冷蔵庫は、光触媒である酸化チタンを有する脱臭用フィルタと紫外線を発光する発光ダイオードを有するリフレッシュ手段との組合せからなる脱臭装置を備えたので、構成が簡単で、信頼性の高い低コストな脱臭装置が得られるため、信頼性が高く、低コストでいやな臭いのしない冷蔵庫を提供できる。また、ブラックライトなどの他のリフレッシュ手段を用いるよりも小型化できる。
【０１０６】
本発明の冷蔵庫は、各室への冷気の供給を開放・遮断するダンパを開放している場合には冷気がバイパス流路に供給されにくくなるように脱臭装置の設けられたバイパス流路の空気抵抗を、各部屋へ冷気を供給する送風路の空気抵抗よりも大きくしたので、脱臭装置が冷却運転中の風路抵抗となることもないので、冷却能力の不足が発生しない脱臭効果を有する冷蔵庫を得ることができる。
【０１０７】
本発明の冷蔵庫は、冷却運転と脱臭運転を同時に行ないたい場合には、前記脱臭専用ダンパの開度を調整して冷却能力の低下が起こらない程度に前記バイパス流路に供給される冷気量調整するようにしたので、冷却運転と脱臭運転が同時に行なえる。
【０１０８】
本発明の冷蔵庫は、バイパス流路を他の送風路とは独立に設けたので、バイパス流路を独立して設けることができ、送風路の大きさや長さなど送風路の送風性能に影響を与えなくなるので、バイパス流路の設置の自由度が大きくなり、低コストな冷蔵庫が得られる。
【０１０９】
本発明の冷蔵庫は、複数の部屋に冷気を供給する送風路のうち少なくとも１つの送風路に冷気量を調整可能な開度調整可能ダンパを設け、バイパス流路を通過する冷気量と開度調整可能ダンパが設けられた送風路を通過する冷気量とが同等となるように開度調整可能ダンパの開度調整を行うようにしたので、冷却運転を行っているにもかかわらず、各室内の食品等のいやな臭いも脱臭され、悪臭のしない清潔感のある冷蔵庫を提供できる。また、冷蔵室などの各室と冷却器まわりの空気が全て脱臭装置を通過するのに必要な時間を短縮できる。
【０１１０】
本発明の冷蔵庫は、除霜運転中は冷却運転を行わない冷蔵庫において、除霜運転中あるいは除霜運転終了後にバイパス流路に冷気を供給することによって冷却運転開始前に脱臭運転を行うようにしたので、圧縮機が運転開始したときに各室への冷気量を調整する冷気量調整ダンパを開いても悪臭が冷蔵庫の各室に流れることが無くなるので、異臭のしない清潔感のある冷蔵庫が得られる。更に、除霜運転終了後に脱臭運転を行うと、除霜直後の冷却器室の温度上昇に伴う悪臭が冷蔵庫の各室に流れ込まないので、悪臭がしない冷蔵庫が得られる。
【０１１１】
本発明の冷蔵庫は、脱臭運転の開始・終了を行わせる脱臭運転用スイッチを設けるようにしたので、ユーザーの意思により脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
【０１１２】
本発明の冷蔵庫は、脱臭可能な部屋を選択できる選択スイッチを設けるようにしたので、ユーザーの意思により脱臭したい室を選択でき、必要な部屋だけの脱臭運転を行うことのできる使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
【０１１３】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の前面に配置され、食品などを貯蔵する複数の部屋と、冷蔵庫本体の後方に設けられ、複数の部屋内を冷却するために温度帯の異なる冷気を生成する２つの冷却器と、２つの冷却器により生成される温度帯の異なる冷気を冷却器ごとに独立して温度帯の異なる部屋へ送風するための独立した２つの送風路と、を備えた冷蔵庫において、２つの独立した送風路に臭気成分を吸着する脱臭用フィルタと、脱臭用フィルタに吸着した臭気成分を分解して脱臭用フィルタの寿命を延ばすためのリフレッシュ手段と、によって構成される脱臭装置を設けたので、温度帯の異なる部屋の温度調整を木目細かくでき、しかも、それぞれの温度帯の部屋の冷却や脱臭が独立に制御できる。
【０１１４】
本発明の冷蔵庫は、２つの独立した送風路にそれぞれバイパス流路を設け、バイパス流路に脱臭装置を設けたので、バイパス流路が独立して設けられているため送風路の大きさや長さなど送風路の送風性能に影響を与えなくなるので、バイパス流路の設置の自由度が大きくなり、低コストな冷蔵庫が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図２】本発明の実施の形態１を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図である。
【図３】実施の形態１を表す冷蔵庫の風路の概略構成を示す概略風路線図である。
【図４】本発明の実施の形態１を表すフィルタの構成について説明するための図である。
【図５】本発明の実施の形態１を表す脱臭装置２２の取付状態を表した図である
【図６】本発明の実施の形態１に表す冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。
【図７】本発明の実施の形態２の一例を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図８】本発明の実施の形態２を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図である。
【図９】本発明の実施の形態２を示す冷蔵庫の風路の概略構成を示す概略風路線図である。
【図１０】本発明の実施の形態２に示す冷凍冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。
【図１１】本発明の実施の形態３を表す冷蔵庫の脱臭装置の制御フローを示す制御フローチャート図である。
【図１２】本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の概略風路の構成を示した概略風路線図である。
【図１３】本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の風路の一部を示す要部正面図である。
【図１４】本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図１５】本発明の実施の形態４を表す冷蔵庫の制御フローを示す制御フローチャート図である。
【符号の説明】
１冷蔵庫本体、２断熱箱体、３冷蔵室用扉、４切替室用扉、５野菜室用扉、６冷凍室用扉、７冷蔵室、８切替室、９野菜室、１０冷凍室、１１圧縮機、１１ａ機械室、１２除霜用ヒータ、１３冷却器、１３Ａ冷蔵用冷却器、１３Ｂ冷凍用冷却器、１４庫内ファン、１５Ａ冷蔵室用冷気量調整ダンパ、１５Ｂ切替室用冷気量調整ダンパ、１５Ｃ冷凍室用冷気量調整ダンパ、１５Ｄ脱臭専用ダンパ、１５Ｅ製氷室用冷気量調整ダンパ、１５ＤＡ冷蔵温度帯脱臭用ダンパ、１５ＤＢ冷凍温度帯脱臭用ダンパ、１６冷蔵室吹出し口、１７切替室用吹出し口、１８冷凍室用吹出し口、１９Ａ冷蔵室用風路、１９Ｂ冷蔵室戻り風路、２０Ａ冷凍室用風路、２０Ｂ冷凍室戻り風路、２１バイパス流路、２１Ａ冷蔵用バイパス流路、２２Ｂ冷凍用バイパス流路、２２脱臭装置、２２Ａ冷蔵温度帯用脱臭装置、２２Ｂ冷凍温度帯用脱臭装置、２３脱臭フィルタ、２４リフレッシュ手段、２５切替室用送風路、２６製氷室用送風路、１１５ゼオライト、１１６銅マンガン、１１７活性炭、１１８繊維状のパルプ。

Claims

冷蔵庫本体の前面に配置され、食品などを貯蔵する複数の部屋と、前記冷蔵庫本体の後方に配置された冷却器室に設けられ、前記複数の部屋内を冷却する冷気を生成する冷却器と、前記冷却器室に設けられ、前記冷却器により生成された冷気を前記複数の部屋に送風するための庫内ファンと、前記複数の部屋へ前記庫内ファンにより強制送風される冷気の流路である送風路と、前記送風路に設けられ、各室への冷気の供給を開放・遮断するダンパと、前記ダンパと前記冷却器との間の送風路に設けられ、前記冷却器により生成された冷気を前記冷却器に戻すためのバイパス流路と、前記バイパス流路内に設けられ、前記複数の部屋内へ供給される冷気の脱臭を行う脱臭装置と、前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路の冷気量を調整可能な脱臭専用ダンパと、を備え、冷却運転を行なう場合には前記脱臭専用ダンパを閉じて前記バイパス流路に冷気が供給されないようにし、脱臭運転を行なう場合には前記ダンパを遮断し前記脱臭専用ダンパを開放することにより前記ダンパと前記冷却器との間の送風路内の冷気を前記バイパス流路に強制送風するようにしたことを特徴とする冷蔵庫。
臭気成分を吸着する脱臭用フィルタと、前記脱臭用フィルタに吸着した臭気成分を分解して前記脱臭用フィルタの寿命を延ばすためのリフレッシュ手段と、によって脱臭装置を構成するようにしたことを特徴とする請求項１に記載の冷蔵庫。
光触媒である酸化チタンを有する脱臭用フィルタと紫外線を発光する発光ダイオードを有するリフレッシュ手段との組合せからなる脱臭装置を備えたことを特徴とする請求項２に記載の冷蔵庫。
各室への冷気の供給を開放・遮断するためのダンパを開放している場合は冷気が前記バイパス流路に供給されにくくなるように脱臭装置の設けられたバイパス流路の空気抵抗を、各部屋へ冷気を供給する送風路の空気抵抗よりも大きくしたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のうちのいずれかに記載の冷蔵庫。
冷却運転と脱臭運転を同時に行ないたい場合には、前記脱臭専用ダンパの開度を調整して冷却能力の低下が起こらない程度に前記バイパス流路に供給される冷気量調整するようにしたことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の冷蔵庫。
バイパス流路を他の送風路とは独立に設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の冷蔵庫。
複数の部屋に冷気を供給する送風路のうち少なくとも１つの送風路に冷気量を調整可能な開度調整可能ダンパを設け、バイパス流路を通過する冷気量と前記開度調整可能ダンパが設けられた送風路を通過する冷気量とが同等となるように前記開度調整可能ダンパの開度調整を行うようにしたことを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の冷蔵庫。
除霜運転中は冷却運転を行わない冷蔵庫において、除霜運転中あるいは除霜運転終了後にバイパス流路に冷気を供給することによって冷却運転開始前に脱臭運転を行うようにしたことを特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の冷蔵庫。
脱臭運転の開始・終了を行わせる脱臭運転用スイッチを設けるようにしたことを特徴とする請求項１乃至請求項８のいずれかに記載の冷蔵庫。
脱臭可能な部屋を選択できる選択スイッチを設けるようにしたことを特徴とする請求項９に記載の冷蔵庫。