JP3920064B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷気の流入制御により室内温度が10゜〜15゜に調整される貯蔵室を有した冷蔵庫に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
野菜、果物等の青果物の最適貯蔵温度は多くのものが約0゜Cであることから、近年、家庭用冷蔵庫の野菜用冷蔵室(通称、野菜室)も低温化するようになり、約2〜4゜Cの設定となっている。
ところで、青果物の中には、バナナ、キュウリ、ナスなど、冷しすぎると変色、軟化、水膨れなどのいわゆる低温障害を起こす低温感受性青果物が存在していることが知られている。これらの低温感受性青果物を低温保存するには、青果物の種類にもよるが7〜10゜C以上で低温保存するのが好ましく、青果物の種類を問わず低温保存できる汎用性を重視するならば、10゜C以上の保存温度が適している。このため、一般の青果物と低温感受性青果物とのそれぞれに適した温度に設定された2つの野菜用冷蔵室を有する家庭用冷蔵庫が提案されている。
【0003】
しかしながら、低温感受性青果物の最適貯蔵室温に合せて庫内温度を高めに設定すると、カビ等の雑菌が繁殖し易くなり、食品の保存性が悪くなるという欠点がある。
また、保存する低温感受性青果物が存在しない場合は、低温感受性青果物用の野菜用冷蔵室が空の状態となり、冷蔵庫の収納スペースの無駄となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、低温感受性青果物の鮮度を維持することができると共に、低温感受性青果物を効率よく収納することができる冷蔵庫を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内面が耐オゾン性材料から形成され、設定温度を切替可能に設けられた切替室を設け、この切替室の冷気流入側に、前記切替室に流入する冷気を抗菌処理するオゾン発生装置を設け、前記切替室の冷気流出側に、前記オゾン発生装置から発生したオゾンを分解処理するオゾン処理装置を設け、高温野菜室モードが選択された場合は、冷気の流入制御により前記切替室の室内温度を10℃〜15℃に調整すると同時に前記オゾン発生装置及び前記オゾン処理装置を駆動する制御装置を設けたものである(請求項1)。
このような構成によれば、制御装置は、高温野菜室モードが選択された場合は、冷気の流入制御により切替室の室内温度を10℃〜15℃に調整すると同時にオゾン発生装置及びオゾン処理装置を駆動する。これにより切替室内の室内温度は冷気の流入制御により10℃〜15℃に調整され、切替室に収納された低温感受性青果物の鮮度を維持することができる。このとき、切替室内の温度が比較的高めのために、雑菌が繁殖し易い環境であっても、オゾン発生装置から発生するオゾンにより切替室に流入する冷気を抗菌処理することができるので、切替室内で雑菌が繁殖してしまうことを抑制することができる。この場合、オゾンは人体に有害であるものの、オゾン処理装置によりオゾンを分解処理することができるので、オゾンを無害化することができる。また、切替室にオゾンが供給されるにしても、切替室の内面は耐オゾン性材料から形成されているので、切替室の内面がオゾンにより腐食してしまうことを防止できる。また、切替室から流出する冷気に含まれるオゾンはオゾン処理装置により無害化される。
しかも、このようにオゾン発生装置及びオゾン処理装置が駆動されるのは、高温野菜室モードが選択されている場合だけであるので、切替室を他の食品の貯蔵室として使用することができ、冷蔵庫の収納効率を高めることができる。
【0005】
上記構成において、前記貯蔵室は、設定温度を切替可能な切替室であるのが望ましい(請求項2)。
このような構成によれば、低温感受性青果物がない場合は、切替室に他の食品を収納することができるので、収納効率を高めることができる。
【0007】
また、前記オゾン発生装置は、放電によりオゾンを発生すると共に紫外線を発光する空間放電機構と、この空間放電機構から紫外線を照射された状態で脱臭・抗菌作用を呈する光触媒とからなるのが望ましい(請求項2)。
このような構成によれば、空間放電機構によりオゾンが発生すると同時に、紫外線が発光するので、光触媒に紫外線が照射されるようになる。これにより、光触媒が脱臭・抗菌作用を呈し、冷気に対する抗菌作用を高めることができる共に脱臭作用も同時に呈するので、オゾン発生装置の機能を高めることができる。
【0009】
また、前記切替室内のオゾン濃度は0.005ppm 以下に保持されるのが望ましい(請求項3)。
このような構成によれば、オゾンの濃度が0.005ppm 以下に保持されることにより、切替室が開放された際の人体への影響を回避することができる。
【0010】
また、前記オゾン発生装置は、前記切替室の開放中は動作停止するのが望ましい(請求項4)。
このような構成によれば、オゾン発生装置は切替室の開放中は動作を停止するので、使用者が切替室を開放するにしても、オゾンが切替室の外部に流れ続けてしまうことを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、ボトムフリーザタイプの冷蔵庫本体1の構成を概略的に示す断面図である。この図1において、冷蔵庫本体1は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体2内に、上段から順に、冷蔵室3、野菜用冷蔵室(以下、野菜室)4、切替室(貯蔵室に相当)5、冷凍室6を有して構成されていると共に、各貯蔵室3〜6は、ヒンジ開閉式の冷蔵室扉7、引出式の野菜室扉8、切替室扉9、冷凍室扉10によりそれぞれ閉鎖されている。尚、図1には図示していないが、切替室5に並んで製氷用冷凍室が設けられており、製氷用冷凍室扉により閉鎖されている。
【0012】
冷蔵室3及び野菜室4の間は仕切板11により上下に区画されており、野菜室4内には、野菜室扉8の裏面側に連結された野菜貯蔵容器12が出し入れ可能に収納されている。
野菜室4と切替室5及び図示しない製氷用冷凍室との間は、断熱箱体2に一体に設けられた断熱仕切壁13により上下に区画されている。
【0013】
切替室5及び製氷用冷凍室と冷凍室6との間は断熱仕切壁14によって上下に区画されていると共に、切替室5と製氷用冷凍室との間も図示しない断熱仕切壁によって左右に区画されており、これにより切替室5は他の室とは空間的及び熱的に独立した形態に構成されている。この切替室5内には、切替室扉9の裏面側に連結された貯蔵容器15が出し入れ可能に収納されている。
そして、冷凍室6内には、冷凍室扉10の裏面側に連結された貯蔵容器16が出し入れ可能に収納されている。
【0014】
切替室5は、設定温度が複数段階に切替可能に構成されており、具体的には、冷蔵室扉7に設けられた操作パネル17(図7参照)に対する使用者の操作により、切替室5を冷凍室、パーシャル室、チルド室、野菜室、高温野菜室、ソフト冷凍室、冷蔵室、ワイン室の何れかとして使用するのに最適な温度に選択的に切替えられるようになっている。この場合、高温野菜室とは、切替室が野菜室として切替えられた場合の設定温度よりも高い温度である10〜15゜Cの範囲に設定されたモードであり、本実施の形態では、例えば目標温度が13゜Cに設定されている。
【0015】
ここで、切替室5の冷気流入路には脱臭・抗菌装置(抗菌手段、オゾン発生装置に相当)18が設けられ、冷気流出路にはオゾン処理装置19が設けられており、これらの脱臭・抗菌装置18及びオゾン処理装置19を設けたことが、本実施の形態の特徴となっている。これらの脱臭・抗菌装置18及びオゾン処理装置19は、切替室5が高温野菜室として切替えられた状態で、後述する制御装置により駆動されるようになっている。
【0016】
また、切替室5の内面は、耐オゾン性材料であるオーステナイト系ステンレス、好ましくはSUS304、SUS316等から形成されている。これは、切替室5には、後述するように脱臭・抗菌装置18から酸化力の大きなオゾンが供給されることから、通常のプラスチック材料或いは金属料では、オゾンにより腐食してしまうからである。
【0017】
図2は脱臭・抗菌装置18の縦断面を模式的に示す概略図である。この図2において、脱臭・抗菌装置18は、ケース20内に光触媒ユニット21を収納して構成されており、ケース20の両側に形成されたスリット20aを通じて切替室5に流入する冷気が光触媒ユニット21を通過するようになっている。
【0018】
図3は光触媒ユニット21の斜視図である。この図3において、光触媒ユニット21の端子部22には昇圧トランス23が係合により接続されており、この昇圧トランス23から所定の高電圧が光触媒ユニット21に給電されるようになっている。この昇圧トランス23は、図示しない1次コイル、2次コイル、磁心等を合成樹脂によりモールド成形することにより構成されており、給電線24からの給電電圧を所定電圧に昇圧して2次側端子25から出力するようになっている。
【0019】
次に、光触媒ユニット21の構成について説明する。図4は光触媒ユニット21の分解斜視図である。この図4において、光触媒ユニット21は、第1ケース26と、このケース26内に収容された空間放電機構たる第1電極27及び第2電極28と、緩衝部材たるスペーサ29及び30と、光触媒モジュール31と、第1ケース26に装着される第2ケース34とから構成されている。
【0020】
第1電極27は、メッシュ状電極部27aと端子部27bとから構成されている。第2電極28は、メッシュ状電極部28aと端子部28bとから構成されており、メッシュ状電極部28aは第1電極27のメッシュ状電極部27aよりも目が粗く形成されている。
【0021】
スペーサ29,30は、いずれも難燃性のシリコンゴムから形成されており、2個の矩形状窓部29a,30aをそれぞれ連結した枠状に形成されている。
光触媒モジュール31は、多孔質状のセラミック(アルミナ、シリカ等)からなる矩形板状のコア材の表面に酸化チタン等の光触媒材料を塗布し、乾燥または焼結することにより形成されている。
【0022】
ここで、第1ケース26には収納凹部32が形成されており、その収納凹部32に、第1電極27のメッシュ状電極部27a、スペーサ29、光触媒モジュール31、スペーサ30、第2電極28のメッシュ状電極部28aが順に収容される。また、第1ケース26には、収納凹部32に連通した端子配置部32a及び32bが形成されており、その端子配置部32a及び32bに、第1電極27及び第2電極28の端子部27b及び28bがそれぞれ配置される。第1ケース26には窓部26aが形成されており、収納凹部32に第1電極27のメッシュ状電極部27aが収納された形態では、その窓部26aを介してメッシュ状電極部27aが外部を臨むようになっている。
【0023】
第2ケース34は第1ケース26に係合により装着可能に形成されており、第1ケース26に第1電極27、スペーサ29、光触媒モジュール31、スペーサ30、第2電極28が順に収容された状態で第2ケース34が装着されることにより光触媒ユニット21が組立てられる。この第2ケース34には窓部34aが形成されており、光触媒ユニット21が組立てられた状態で窓部34aを介して第2電極28のメッシュ状電極部28aが外部を臨むようになっている。
【0024】
そして、昇圧トランス23を光触媒ユニット21に装着することにより昇圧トランス23の2次側端子25が光触媒ユニット21の第1電極27及び第2電極28に電気的に接続され、昇圧トランスから光触媒ユニット21に対する高電圧の給電が可能となる。
【0025】
一方、図5はオゾン処理装置19を模式的に示す縦断面図である。この図5において、オゾン処理装置19は、ケース35内にオゾン分解触媒36と紫外線ランプ37とを収納して構成されている。
オゾン分解触媒36は、例えば酸化マンガンベースのセラミック製ハニカム (成形品)或は金属ハニカムを矩形板状に成形してコア材としたものに、触媒成分を固着して構成されており、ケース35の両側に形成されたスリット35aを通じて切替室5から流出する冷気が通過するようになっている。このようにハニカム構造とすることで、オゾン分解触媒36とオゾンや臭気成分との接触面積をより大きく確保することができ、分解効率を向上させるようにしている。このオゾン分解触媒36は、紫外線ランプ37から紫外線が照射されることによりオゾン分解触媒として機能するようになっている。
【0026】
一方、図1に示すように冷蔵庫本体1の背面部には冷凍サイクル装置38が組込まれている。つまり、野菜室4の背面側部分には、冷蔵室用蒸発器室(以下、Rエバ室)39が形成されており、このRエバ室39内には、冷凍サイクル装置38を構成する冷蔵室用蒸発器(以下、Rエバ)40が設けられていると共に、その上部に位置して可変速駆動可能(例えば1800〜2400rpm )な冷蔵室用送風ファン(以下、Rファン)41が設けられている。このRファン41が駆動された状態では、Rエバ40により生成された冷気が、冷蔵室3及び野菜室4に供給された後、再びRエバ室39内の下部に戻されるという循環が行われるようになっている。尚、Rエバ室39内には、Rエバ除霜ヒータ42が設けられている。
【0027】
また、切替室5及び図示しない製氷用冷凍室並びに冷凍室6の上下に跨がる背面側部分には、冷凍室用蒸発器室(以下、Fエバ室)43が形成されており、このFエバ室43内には、冷凍サイクル装置38を構成する冷凍室用蒸発器(以下、Fエバ)44が設けられていると共に、その上部に位置して可変速駆動可能(例えば1800〜2400rpm )な冷凍室用送風ファン(以下、Fファン)45が設けられている。尚、Fエバ44の下方部には、Fエバ除霜ヒータ46が設けられている。
【0028】
ここで、Fエバ室43に設けられたFファン45の下流側(冷気の吹出側)は、切替室5につながる冷気流路と、冷凍室6につながる冷気流路とに分岐され、そのうち切替室5につながる冷気流路内には、後述する制御装置により開閉制御される切替室用ダンパ47が設けられている。
【0029】
切替室用ダンパ47が閉塞された状態でFファン45が駆動された場合は、Fエバ44により生成された冷気が、冷凍室6及び図示しない製氷用冷凍室に供給された後、再びFエバ室43内の下部に戻されるという循環が行われるようになっている。これに対し、切替室用ダンパ47が開放(或いは一部開放)された状態でFファン45が駆動された場合は、冷気が冷凍室6及び製氷用冷凍室へ供給されるのに加えて、切替室5内にも脱臭・抗菌装置18を通じて供給された後、オゾン処理装置19を通じて再びFエバ室43内の下部に戻されるという循環が行われるようになっている。
【0030】
冷蔵庫本体1の下端部背面部には機械室48が形成されており、この機械室48内には、冷凍サイクル装置38を構成するコンプレッサ(圧縮機)49が設けられていると共に、コンプレッサ49及び後述するコンデンサ(凝縮器)50(図6参照)を冷却するための冷却ファン(以下、Cファン)51が設けられている。このコンプレッサ49は、インバータ制御により可変速で駆動(例えばインバータの運転周波数が30〜70Hz)されるようになっており、また、Cファン51も可変速駆動(例えば1800〜2000rpm )されるようになっている。
【0031】
図6は、冷凍サイクル装置38の構成を概略的に示している。この冷凍サイクル装置38は、コンプレッサ49、コンデンサ50、冷媒流路切替手段たる切替弁(三方弁)52、この切替弁52の第1出口52aに接続される第1キャピラリチューブ53、Rエバ40、Fエバ44を順に冷媒パイプにより閉ループに接続すると共に、切替弁52の第2出口52bに接続される第2キャピラリチューブ54をRエバ40とFエバ44との間に接続して構成されており、第2キャピラリチューブ54が第1キャピラリチューブ53及びRエバ40をバイパスした形態となっている。
【0032】
このような構成により、切替弁52が第1出口側52aに切替えられた状態では、コンプレッサ49の駆動により冷媒がコンデンサ50等を通った後、第1キャピラリチューブ53を通ってRエバ40及びFエバ44を順に流れてコンプレッサ49に戻されるようになっている。これに対し、切替弁52が第2出口側52bに切替えられた状態では、コンプレッサ49の駆動により冷媒がコンデンサ50等を通った後、第2キャピラリチューブ54を通ってFエバ44のみに供給された後、コンプレッサ49に戻されるようになっている。
【0033】
図7は、冷蔵室扉7の前面に設けられた操作パネル17を示している。この図7において、操作パネル17には、表示部55が設けられている。この表示部55には、その上段に位置して冷蔵室設定温度表示部55a及び状態表示部55bが左右に設けられ、中段に位置して、切替室5の現在の設定を示す切替室設定表示部55cが設けられ、下段に位置して冷凍室設定温度表示部55d及び時間等表示部55eが左右に設けられている。
【0034】
表示部55の左側には、上から順に、冷蔵室3及び野菜室4の温度設定を行なうための冷蔵室温度設定スイッチ56、切替室5の温度帯の選択を行なうための切替室設定スイッチ57、冷凍室6及び製氷用冷凍室の温度設定を行なうための冷凍室温度設定スイッチ58、一気冷凍,一気製氷の実行を指示するための一気冷凍スイッチ59が設けられている。この場合、切替室設定スイッチ57を1回操作する毎に、切替室設定表示部55cの表示が、冷凍、パーシャル、チルド、野菜、高温野菜、ソフト冷凍、冷蔵、ワインの順に切替わり、その温度帯に設定されるようになっている。
【0035】
図8は冷蔵庫本体1の電気的構成を示すブロック図である。この図8において、冷蔵庫本体1には、マイコンを主体として構成される制御装置60が設けられている。この制御装置60には、冷蔵室3に設けられた冷蔵室温度センサ61、切替室5に設けられた切替室温度センサ62、冷凍室6に設けられた冷凍室温度センサ63、切替室扉9の開閉を検出する扉センサ64等からの信号が入力されるようになっており、制御装置60は、それら入力信号に基づいて、コンプレッサ49、切替弁52、Rファン41、Fファン45、Cファン51、切替室用ダンパ47、各除霜ヒータ42,46、脱臭・抗菌装置18、オゾン処理装置19等を制御するようになっている。
【0036】
このとき、制御装置60は、切替弁52に対する切替制御により、冷媒をRエバ40に流して主として冷蔵室3及び野菜室4を冷却する冷蔵室冷却態様(通称、R−F流し)と、冷媒をFエバ44のみに流して冷凍室6(必要に応じて切替室5)を冷却する冷凍室冷却態様(通称、F流し)とを交互に切替えながら冷却運転を実行するようになっている。
【0037】
この場合、制御装置60は、冷蔵室3及び野菜室4、切替室5、冷凍室6の夫々について、設定温度に対して所定幅の温度帯を設定し、各温度センサ61〜63の検出温度に基づいて、各室4〜6がその設定温度帯を維持するように、切替弁52の切替制御や、切替室用ダンパ47の開閉制御を行ない、さらには、各ファン41,45,51やコンプレッサ49の回転数の制御も併せて行なうようになっている。具体的には、冷凍室6(図示しない製氷用冷凍室も)の設定温度帯は、例えば、その上限値(「ON温度」と称される)が−18℃とされ、その下限値(「OFF温度」と称される)が−21℃とされる。冷蔵室3及び野菜室4の設定温度帯は、例えば、その上限値(ON温度)が5℃とされ、その下限値 (OFF温度)が2℃とされる。
【0038】
また、切替室5にあっては、操作パネル17の切替室設定スイッチ57に対する切替操作に応じて選択されたモードに適した設定温度が設定されるようになっており、野菜室を選択することにより設定温度が例えば3℃となり、野菜室として使用するのに最適な温度に調整される。従って、通常の野菜室4が野菜で満杯となったときは、切替室5を野菜室として設定することにより貯蔵可能な野菜量の増大を図ることができる。
【0039】
ところで、バナナ、ナス、キュウリ等の低温感受性青果物は、冷しすぎると変色、軟化、水膨れなどのいわゆる低温障害を起こすことから、野菜室4或いは野菜室として設定された切替室5にバナナ、ナス、キュウリ等の低温感受性青果物を収納した場合は、これらの低温感受性青果物が低温障害を起こす虞がある。
【0040】
しかるに、このような場合は、操作パネル17の切替室設定スイッチ57に対する操作により切替室5を高温野菜室に切替えた状態で、切替室5に低温感受性青果物を収納する。
すると、制御装置60は、切替室用ダンパ47に対する開閉制御により切替室5を例えば13゜Cの目標温度となるように冷却制御すると共に、脱臭・抗菌装置18及びオゾン処理装置19に同時に通電して駆動する。これにより、脱臭・抗菌装置18の光触媒ユニット21においては、メッシュ状電極部27a及び28a間に昇圧トランス23を介して高圧電圧が印加されることに伴う放電が行われることによって、紫外線(波長380nm以下)が発光すると共にオゾンが発生する。このようにして発せられた紫外線が光触媒モジュール31に照射されると、酸化チタンがその紫外線の光エネルギーを受け活性を帯びて光触媒作用をなし、冷気に含まれているアンモニア等の臭気成分やエチレンガスを分解する。特に、本実施に形態では、メッシュ状電極部27a及び28a間に光触媒モジュール31を配置したので、電極間の放電により発生する紫外線を光触媒モジュール31に有効に作用させることができる。
【0041】
そして、高電圧放電によって発生したオゾンは、冷気に含まれた状態で切替室5内に供給されるので、切替室5内にはオゾンが充満する。このオゾンは、強い酸化力を示すことから、切替室5内の空気中或いは野菜の表面にカビ等の雑菌が繁殖することを防止でき、比較的高い冷蔵温度で保存されている低温感受性青果物の鮮度を維持することができる。この場合、切替室5内のオゾン濃度が0.005ppm 以下となるように脱臭・抗菌装置18のオゾン発生量が設定されており、切替室5の切替室扉9を開放した使用者に影響がないと共にオゾン臭を感じたりすることがないようになっている。
【0042】
また、切替室5から流出する冷気がオゾン処理装置19を通過する際に、冷気に含まれるオゾンはオゾン分解触媒36により分解されて無害化されるので、切替室5から冷蔵庫内の他の貯蔵室にオゾンが流出することはなく、使用者が他の貯蔵室の扉を開放した場合であっても、オゾンが外部に流出してしまうことはなく、安全性が高められている。
【0043】
さらに、制御装置60は、切替室5の扉9が開放されたときは、脱臭・抗菌装置18及びオゾン処理装置19に対する通電を停止するようになっている。これにより、使用者が切替室5の扉9を開放した場合は、脱臭・抗菌装置18からのオゾンの発生が停止するので、切替室5からオゾンが外部に流出し続けてしまうことを確実に防止できる。
【0044】
このような実施の形態によれば、切替室5の切替モードとして高温野菜室モードを設け、この高温野菜室モードが選択された状態では、切替室5の設定温度を通常の野菜室モードよりも高めに設定すると同時に脱臭・抗菌装置18からオゾンを切替室5に供給することにより当該切替室5内を抗菌するようにしたので、比較的高い冷蔵温度に設定された野菜室を単に設けただけの従来例のものと違って、低温感受性青果物を高温野菜室モードに設定された切替室5に収納することにより低温感受性青果物の鮮度を長期間にわたって維持することができる。
【0045】
しかも、このように機能する貯蔵室として切替室5を利用するようにしたので、高温野菜室を専用に設ける従来構成に比較して、低温感受性青果物を保存する必要がない場合は、切替室5を他の食品の貯蔵室として使用することができ、冷蔵庫の収納効率を高めることができる。
【0046】
また、脱臭・抗菌装置18に光触媒モジュール31を付加することにより当該光触媒モジュール31によっても切替室5に供給される冷気を抗菌することができるので、抗菌作用を高めることができる。
さらに、切替室5の壁面は耐オゾン性材料であるステンレスから形成されているので、切替室5に酸化力の強いオゾンが流入するにしても、切替室5の壁面がオゾンの強力な酸化力により腐食してしまうことはない。
【0047】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
切替室5の壁面として、アルミニウム、セラミックス或いはフッ素樹脂等の耐オゾン性材料を用いるようにしてもよい。
切替室5内のオゾン濃度を検出するオゾンセンサを設け、切替室5内の濃度が0.005ppm 以下となるように制御するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の冷蔵庫によれば、内面が耐オゾン性材料から形成され、設定温度を切替可能に設けられた切替室を設け、その切替室の冷気流入側に、切替室に流入する冷気を抗菌処理するオゾン発生装置を設け、前記切替室の冷気流出側に、前記オゾン発生装置から発生したオゾンを分解処理するオゾン処理装置を設け、高温野菜室モードが選択された場合は、冷気の流入制御により前記切替室の室内温度を10℃〜15℃に調整すると同時に前記オゾン発生装置及び前記オゾン処理装置を駆動する制御装置を設けるようにしたので、低温感受性青果物の鮮度を維持することができるという優れた効果を奏する。しかも、このような所蔵室として設定温度を切替可能な切替室に設定することにより低温感受性青果物を効率よく収納することができるという効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における冷蔵庫の縦断面図
【図2】脱臭・抗菌装置を模式的に示す縦断面図
【図3】光触媒ユニットの斜視図
【図4】光触媒ユニットの分解斜視図
【図5】オゾン処理装置を模式的に示す縦断面図
【図6】冷凍サイクル装置を示す概略図
【図7】操作パネルを示す正面図
【図8】冷蔵庫の電気的構成を示すブロック図
【符号の説明】
1は冷蔵庫本体、5は切替室(貯蔵室)、18は脱臭・抗菌装置(抗菌手段、オゾン発生装置)、19はオゾン処理装置、27は第1電極(空間放電機構)、28は第2電極(空間放電機構)、31は光触媒モジュールである。
Claims (4)
- 内面が耐オゾン性材料から形成され、設定温度を切替可能に設けられた切替室と、
この切替室の冷気流入側に設けられ、前記切替室に流入する冷気を抗菌処理するオゾン発生装置と、
前記切替室の冷気流出側に設けられ、前記オゾン発生装置から発生したオゾンを分解処理するオゾン処理装置と、
高温野菜室モードが選択された場合は、冷気の流入制御により前記切替室の室内温度を10℃〜15℃に調整すると同時に前記オゾン発生装置及び前記オゾン処理装置を駆動する制御装置とを備えたことを特徴とする冷蔵庫。 - 前記オゾン発生装置は、
放電によりオゾンを発生すると共に紫外線を発光する空間放電機構と、
この空間放電機構から紫外線を照射された状態で脱臭・抗菌作用を呈する光触媒とからなることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。 - 前記切替室内のオゾン濃度は0.005 ppm 以下に保持されることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
- 前記オゾン発生装置は、前記切替室の開放中は動作停止することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の冷蔵庫。
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