以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本実施形態は、以下の内容に何ら制限されず、本発明の要旨を損なわない範囲内で任意に変更して実施可能である。また、以下では、図1に示す方向を基準として説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る冷蔵庫を示す外観斜視図である。なお、以下では、6ドアの冷蔵庫1を例に挙げて説明するが、5ドア以下、7ドア以上の冷蔵庫に適用することもできる。
図1に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵室30、製氷室40、冷凍室50、上段切替室60(切替室)および下段切替室70(切替室)を備えた冷蔵庫本体10を有している。上段切替室60は、冷蔵温度帯(例えば、1℃〜6℃)から冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃)まで温度帯を切り替えることができるようになっている。下段切替室70も同様に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで温度帯を切り替えることができるようになっている。冷蔵室30は、冷蔵温度帯(例えば、6℃)に設定され、製氷室40および冷凍室50は、冷凍温度帯(例えば、約−20℃)に設定される。
また、冷蔵庫1は、冷蔵庫本体10の正面に、冷蔵室30を開閉する冷蔵室扉2,3と、製氷室40を開閉する製氷室扉4と、冷凍室50を開閉する冷凍室扉5と、上段切替室60を開閉する上段切替室扉6と、下段切替室70を開閉する下段切替室扉7と、を備えている。
冷蔵室扉2,3は観音開き可能に構成されている。製氷室扉4、冷凍室扉5、上段切替室扉6、および下段切替室扉7は、手前方向に引き出し可能に構成されている。冷蔵室扉2,3、製氷室扉4、冷凍室扉5、上段切替室扉6および下段切替室扉7は、断熱扉である。
図2は、第1実施形態の冷蔵庫の内部を示す縦断面図である。
図2に示すように、冷蔵庫本体10は、内箱11と外箱12とを組み合わせたものであり、その間に発泡断熱材や真空断熱材が挟まれ、断熱箱体を構成している。発泡断熱材は、硬質ウレタンフォームで形成されている。この硬質ウレタンフォームは、ウレタンフォーム原液(発泡断熱材の原料液)を発泡させた後、硬化させて形成されるものである。ちなみに、ウレタンフォーム原液としては、例えば、ポリエーテルポリオールに、シクロペンタン、水などの発泡剤、さらには触媒、整泡剤などの助剤をプレミックスした液と、イソシアネート液とを混合した液体が挙げられる。
外箱12は、薄い鋼板を門型に折り曲げて形成された天板1aおよび左右の側板1b,1c(図1参照)と、別部材で構成された背板1dと、別部材で構成された底板1eと、によって構成されている。天板1aには、後部に窪み部が設けられ、この窪み部に制御基板13が設けられている。制御基板13は、冷蔵庫1を統括的に制御するものである。
天板1a、背板1dの内壁面には、真空断熱材V1,V2が設けられている。内箱11の底面側には、真空断熱材V3が設けられている。左右の側板1b,1c(図1参照)の内壁面には、真空断熱材V7,V8(図3参照)が設けられている。
冷蔵室扉2,3には、真空断熱材V4が設けられている。上段切替室扉6には、真空断熱材V5が設けられている。下段切替室扉7には、真空断熱材V6が設けられている。
また、冷蔵庫本体10は、冷蔵室30と、製氷室40および冷凍室50とを上下に断熱区画する断熱仕切部材15を備えている。また、冷蔵庫本体10は、製氷室40および冷凍室50と上段切替室60とを断熱区画する断熱仕切部材16を備えている。また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60と下段切替室70とを断熱区画する断熱仕切部材17を備えている。また、断熱仕切部材16,17には、それぞれ真空断熱材V9,V10が設けられている。
冷蔵庫1は、製氷室40、冷凍室50、上段切替室60および下段切替室70の各室を所定の温度に冷却するために、上段切替室60および下段切替室70の背面側に、冷却器80A(EVP:エバポレータ)が設けられている。この冷却器80Aは、圧縮機81と、凝縮器(不図示)、キャピラリーチューブ(不図示)とによって、冷凍サイクルを構成している。冷却器80Aの上方には、この冷却器80Aにて冷却された冷気を製氷室40、冷凍室50、上段切替室60および下段切替室70の各室に循環させて所定の温度に保持する送風ファン90が配設されている。
また、冷却器80Aは、製氷室40、冷凍室50、上段切替室60および下段切替室70の背面側と内箱11との間に設けられた冷却器収納空間100に配置されている。この冷却器収納空間100は、機械室Qに設けられた圧縮機81の直上から送風ファン90の高さ位置まで延びている。
冷却器収納空間100には、冷却器80Aの下方に、除霜ヒータ82が設けられている。除霜ヒータ82によって除霜時に発生したドレン水は、樋(とい)83に一旦落下し、ドレン孔(不図示)を介して圧縮機81の上部に設けた蒸発皿(不図示)に溜められる。
冷却器80Aによって冷却された空気(冷気)は、製氷室40および冷凍室50に、ダンパ部材を介さずに直接に供給される。上段切替室60には、直接冷却用のダンパ部材120、後記する間接冷却用のダンパ部材140のダンパ部141(図4参照)を介して冷気が供給される。下段切替室70には、後記する、直接冷却用のダンパ部材130(図4参照)、間接冷却用のダンパ部材140のダンパ部142(図4参照)を介して冷気が供給される。なお、直接冷却とは、収納された食品に冷気を直接に供給して冷却する方式である。また、間接冷却とは、食品の乾燥を抑えるために、収納された食品に冷気が直接に当たらないように供給して冷却する方式である。
また、冷蔵庫1は、冷蔵室30を所定の温度に冷却するために、冷蔵室30の背側の下部に、冷却器80Bが設けられている。この冷却器80Bは、圧縮機81と、凝縮器(不図示)、キャピラリチューブ(不図示)とによって、冷凍サイクルを構成している。また、冷却器80Bの上方には、この冷却器80Bにて冷却された冷気を冷蔵室30に循環させて所定の温度に保持する送風ファン(不図示)が設けられている。
また、上段切替室60には、例えば、上段収納容器61と下段収納容器62が上下に配置されている。また、下段切替室70には、例えば、上段収納容器71と下段収納容器72が上下に配置されている。なお、各収納容器61,62,71,72の個数は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができ、それぞれ1段にしてもよく、3段以上にしてもよい。
図3は、冷蔵庫本体の庫内を示す正面図である。なお、図3は、冷蔵庫1から各扉2〜7および収納容器などを取り除いた状態を概略的に示している。
図3に示すように、冷蔵庫本体10は、上段切替室60および下段切替室70の庫内背面を構成する背面断熱仕切部材65を備えている。背面断熱仕切部材65の下端は、機械室Q(図2参照)の内側への出っ張りより上側に位置している。
背面断熱仕切部材65には、上段切替室60に対応する位置にケース部材112,113が設けられ、下段切替室70に対応する位置にケース部材114,115が設けられている。
ケース部材112には、上段切替室60が冷凍温度帯に設定されたときに冷気が吐出される複数の吐出口63a,63bが形成されているとともに、その内部空間には送風ファン90(図2参照)から送風された冷気の送風路となっている。吐出口63aは、上段切替室60の上部中央寄りに左右に離間して配置されている。吐出口63bは、吐出口63aの下方に左右に離間して配置されている。
吐出口63aは、上段収納容器61(図2参照)内に冷気を直接に供給できる位置に形成されている。また、吐出口63bは、下段収納容器62(図2参照)内に冷気を直接に供給できる位置に形成されている。
また、ケース部材112の後方投影上に真空断熱材V11(図2参照)の少なくとも一部が存している。これにより、真空断熱材V11の面積を大きくして高い断熱性能を確保できるとともに、ケース部材112の内部の送風路の広さを確保することができるため通風抵抗の減少を抑制できる。
真空断熱材V1〜V11は、その材質は特に限定されないが、一例を挙げると、多孔質構造のグラスウール等の芯材をラミネートフィルムで真空パックして内部を減圧して封止した断熱材から成る。気体熱伝導率が略ゼロであるため、優れた断熱性能を有している。
ケース部材113は、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定されたときに冷気が吐出される吐出口63cが形成されている。この吐出口63cは、吐出口63a,63bの側方(図3の左側方)に位置している。また、吐出口63cは、破線矢印で示すように、左側面の内箱11に向けて冷気が吐出されるように構成されている。これにより、上段収納容器61(図2参照)の外側および下段収納容器62(図2参照)の外側を冷気が通るように(食品を間接的に冷却するように)なっている。
ケース部材114は、下段切替室70が冷凍温度帯に設定されたときに冷気が吐出される複数の吐出口73a,73bが形成されている。吐出口73aは、下段切替室70の上部に左右に離間して配置されている。吐出口73bは、吐出口73aの下方に左右に離間して配置されている。
吐出口73aは、上段収納容器71(図2参照)内に冷気を直接に供給できる位置に形成されている。また、吐出口73bは、下段収納容器72(図2参照)内に冷気を直接に供給できる位置に形成されている。
ケース部材115は、下段切替室70が冷蔵温度帯に設定されたときに冷気が吐出される吐出口73cが形成されている。この吐出口73cは、吐出口73aの側方(図3の左側方)に位置している。また、吐出口73cは、破線矢印で示すように、左側面の内箱11に向けて冷気が吐出されるように構成されている。これにより、上段収納容器71(図2参照)の外側および下段収納容器72(図2参照)の外側を冷気が通るように(食品を間接的に冷却するように)なっている。
また、背面断熱仕切部材65には、吐出口73a,73b,73cから吐出された冷気を冷却器80A(図2参照)に戻す戻り口73dが形成されている。この戻り口73dは、吐出口73aを挟んで吐出口73cとは反対側(図3の右側方)に形成されている。
また、製氷室40および冷凍室50には、冷気が製氷容器(不図示)内および冷凍容器(不図示)内にそれぞれ直接に供給される吐出口40a,50aが形成されている。また、冷凍室50の背面には、吐出口40a,50aから吐出された冷気が戻る戻り口41aが形成されている。
図4は、冷気風路を背面から見たときの図である。なお、図4は、内箱11を取り除いて背面から見た状態を概略的に示している。
図4に示すように、冷却器80Aの上方には、送風ファン90が設けられている。送風ファン90は、ターボファンやシロッコファンなどの遠心ファンによって構成されている。
また、冷却器収納空間100の上方には、送風ファン90を収納するファンケーシング111が設けられている。このファンケーシング111には、送風ファン90と対向する位置に円形の開口111sが形成されている。送風ファン90によって開口111sを介して冷気が吸い込まれ、周方向から冷気がファンケーシング111内に吐出される。
ファンケーシング111には、ダンパ部材120,130,140が取り付けられている。ダンパ部材120は、上段切替室60に冷気を供給するものであり、送風ファン90より上側に設けられている。ダンパ部材130は、下段切替室70に冷気を供給するものであり、送風ファン90よりも下側かつ冷却器80Aの左側方(図4の右側方)に設けられている。ダンパ部材140は、ダンパ部141,142を備え、送風ファン90の左側方(図4の右側方)に設けられている。
図3に戻って、ケース部材112は、ダンパ部材120(図2参照)の前方を覆うように配置され、背面断熱仕切部材65から前方に突出して形成されている。ケース部材113は、ダンパ部141(図4参照)の前方を覆うように配置され、背面断熱仕切部材65から前方に突出して形成されている。
ケース部材114は、ダンパ部材130(図4参照)の前方を覆うように設けられ、背面断熱仕切部材65から前方に突出して形成されている。ケース部材115は、ダンパ部142から延びる流路116と連通し、背面断熱仕切部材65から前方に突出して形成されている。
図4に示すように、冷却器収納空間100は、前記戻り口41aから出る冷気を戻り口73dから出る冷気に合流させる戻り流路41bが形成されている。この戻り流路41bは、背面断熱仕切部材65の右側方(図4の左側方)において鉛直方向に流れるように構成されている。
吐出口63a,63b(図3参照)から吐出された冷気は、戻り口63dから冷却器80Aの下方に流れ、冷却器80A内を上昇した後に送風ファン90に再び吸い込まれる。また、吐出口63c(図3参照)から吐出された冷気も、同様にして、戻り口63dから冷却器80Aを通った後に送風ファン90に再び吸い込まれる。
また、吐出口73a,73b(図3参照)から吐出された冷気は、戻り口73dから冷却器80Aの下方に戻り、冷却器80A内を上昇した後に送風ファン90に再び吸い込まれる。また、吐出口73c(図3参照)から吐出された冷気も、同様にして、戻り口73dに戻り、冷却器80Aを通った後に送風ファン90に再び吸い込まれる。
なお、製氷室40および冷凍室50を冷却した後の冷気は、戻り口41aから戻り流路41bを通って、戻り口73dからの戻り流路と同様の流路を通って、冷却器80Aに戻る。
図5は、ファンケーシングを示す概略図である。
図5に示すように、ファンケーシング111は、ダンパ部材120に向けて冷気を案内する流路111a、ダンパ部材130に冷気を案内する流路111bと、を備えている。また、ファンケーシング111は、ダンパ部材140のダンパ部141に向けて冷気を案内する流路111cと、ダンパ部材140のダンパ部142に冷気を案内する流路111dと、を備えている。
流路111aの端部には、不図示のシール材を介してダンパ部材120が嵌め込まれている。流路111bの端部には不図示のシール材を介してダンパ部材130が嵌め込まれている。流路111cの端部には、不図示のシール材を介してダンパ部141が嵌め込まれている。流路111dの端部には、不図示のシール材を介してダンパ部142が嵌め込まれている。
図6は、図4のA−A線断面図である。なお、図6では、外箱12、内箱11と外箱12との間の断熱材、各扉4,6,7、各収納容器61,62,71,72の図示を省略している。
図6に示すように、冷蔵庫本体10は、製氷室40および冷凍室50(図3参照)と、上段切替室60とを断熱する断熱仕切部材16を備えている。また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60と下段切替室70とを断熱する断熱仕切部材17を備えている。また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60と、送風ファン90および冷却器80Aとを断熱する背面断熱仕切部材65を備えている。
送風ファン90は、ブラケット92を介して背面断熱仕切部材65に固定されている。なお、送風ファン90の取付手段は、背面断熱仕切部材65に固定する手段に限定されるものではなく、ファンケーシング111の冷気吸込み側にブラケットを設けて固定するようにしてもよい。
断熱仕切部材16,17は、いずれも真空断熱材V9,V10を含んで構成されている。背面断熱仕切部材65は、真空断熱材V11を含んで構成されている。
また、冷蔵庫本体10は、前記したように、上段切替室60の左右側面に、真空断熱材V7,V8(図3参照)が設けられている。上段切替室60を開閉する上段切替室扉6にも、前記したように真空断熱材V5(図2参照)が設けられている。このように、上段切替室60は、前後、左右および上下の6面が真空断熱材V5,V7,V8,V9,V10,V11によって囲まれている。これにより、製氷室40および冷凍室50が冷凍温度帯に設定され、背面に冷却器80Aが配置されている場合において、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定されたときのような条件が厳しい場合であっても、上段切替室60を冷蔵温度帯に設定することが可能になる。
また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60において、底面を構成する断熱仕切部材17の奥側に、冷却器80Aへの戻り口63dに連通する開口部63eが形成されている。この開口部63eは、左右方向に沿って細長く形成されている。
また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60の左側面に、上段収納容器61(図2参照)を前後方向にスライド自在に支持するレール部材11aが形成されている。上段切替室扉6(図2参照)には、下段収納容器62(図2参照)を保持するスライド部材(不図示)が設けられ、このスライド部材が上段切替室60に設けられたレール部材11bにスライド自在に支持されている。なお、上段切替室60の右側面にも同様な構成のレール部材が設けられている。
また、冷蔵庫本体10は、下段切替室70の左側面に、上段収納容器71(図2参照)を前後方向にスライド自在に支持するレール部材11cが形成されている。下段切替室扉7(図2参照)には、下段収納容器72(図2参照)を保持するスライド部材(不図示)が設けられ、このスライド部材が下段切替室70に設けられたレール部材11dにスライド自在に支持されている。なお、下段切替室70の右側面にも同様な構成のレール部材が設けられている。
図7は、上段切替室を冷凍温度帯に冷却するダンパ部材を示す斜視図、図8は、下段切替室を冷凍温度帯に冷却するダンパ部材を示す斜視図、図9は、上段切替室および下段切替室を冷蔵温度帯に冷却するダンパ部材を示す斜視図、図10は、図9の裏側を示す平面図である。
図7に示すように、ダンパ部材120(冷凍温度帯用ダンパ)は、フラッパ121(羽根部材)を開閉自在に支持するフラッパ支持部122と、フラッパ121に回転駆動力を与える駆動部123と、を備える。なお、駆動部123は、モータとギアを含む公知の技術によって、フラッパ121を開閉するようになっている。
フラッパ支持部122は、横方向(幅方向)に細長く形成された弁箱122aと、この弁箱122aの前面に形成される矩形状の開口122bと、を有している。開口122bには、この開口122bから奥側に向けて延びる環状の弁座部122cが形成されている。
フラッパ121の前側の全面には、シート状のシール材121aが貼り付けられている。フラッパ121の前面の周縁部が弁座部122cに当接することで、開口122bから冷気が漏れ出ないようになっている。
図8に示すように、ダンパ部材130(冷凍温度帯用ダンパ)は、フラッパ131(羽根部材)を開閉自在に支持するフラッパ支持部132と、フラッパ131に回転駆動力を与える駆動部133と、を備えている。
フラッパ支持部132は、略正方形状に形成された弁箱132aと、この弁箱132aの前面に形成される正方形状の開口132bと、を有している。開口132bには、この開口132bから奥側に向けて延びる環状の弁座部132cが形成されている。
フラッパ131の前側の全面には、シート状のシール材131aが貼り付けられている。フラッパ131の前面の周縁部が弁座部132cに当接することで、開口132bから冷気が漏れ出ないようになっている。
図9に示すように、ダンパ部材140は、ダンパ部141とダンパ部142との間に駆動部143を有している。ダンパ部141,142は、ダンパ部材120,130と同様に、フラッパ141a,142a、フラッパ支持部141b,142bを備えている。フラッパ支持部141b,142bは、弁箱141c,142c、開口部141d,142d、弁座部141e,142eを備えている。また、フラッパ141a,142aの前側の全面には、シール材141f,142fが貼り付けられている。
駆動部143は、単一のモータを備え、公知の技術によってダンパ部141のフラッパ141aとダンパ部142のフラッパ142aとを独立して開閉動作できるようになっている。つまり、ダンパ部材140は、ダンパ部141,142の双方を閉じ、またダンパ部141,142の双方を開くことができるように構成されている。また、ダンパ部材140は、ダンパ部141を開きかつダンパ部142を閉じ、またダンパ部141を閉じかつダンパ部142を開くことができるように構成されている。このように、ダンパ部141とダンパ部142とをまとめてダンパ部材140にすることで、製造コストを低減できる。なお、本実施形態では、ダンパ部141,142を一体にした場合を例に挙げて説明したが、ダンパ部141,142を別々に構成してもよい。
図10に示すように、ダンパ部材140のダンパ部141,142の裏側は、フラッパ141a,142aの周囲が裏側に向けて開放した形状になっている。すなわち、フラッパ支持部141b,142bは、後方に向けて開放した形状の弁箱141c,142cを有している。この弁箱141c,142cと弁座部141e,142e(図9参照)との間に溝状の隙間が形成され、換言するとフラッパ141a,142aの周囲に隙間S1,S2が形成されている。
なお、ダンパ部材120,130についても、ダンパ部材140と同様にして、裏側に向けて開放するとともにフラッパ121,131の周囲に隙間が形成された形状を有している。
また、フラッパ141aは、回動軸141gを有し、弁箱141cの内側において回動自在に支持されている。また、フラッパ142aは、回動軸142gを有し、弁箱142cの内側において回動自在に支持されている。回動軸141gと回動軸142gは、軸方向が互いに平行に配置されるとともに、軸方向において互いに重ならない位置に形成されている。また、フラッパ141a,142aは、軸方向に直交する向きに互いに逆向きに開くように構成されている。
また、駆動部143のケースの裏側には、制御用の雌コネクタ部143aが設けられている。この雌コネクタ部143aは、ダンパ部142側に向けて端子部143bが延びて形成され、雄コネクタ(不図示)が鉛直方向の下方から雌コネクタ部143aに挿入されることで電気的な接続が行われる。また、ダンパ部材140は、ファンケーシング111(図4参照)に鉛直方向の上側にダンパ部141、下側にダンパ部142が位置するように配置され、雌コネクタ部143aが下向きに配置される。よって、例えばダンパ部材140に発生した霜が溶けたときのドレン水が駆動部143のケース上を流れ落ちたとしても、端子部143bがドレン水に曝されるのを防止できる。
図11は、ダンパ部材の配置を示す断面図である。
ダンパ部材120は、図11(a)に示す配置において、フラッパ支持部122の弁箱122aの下部の内壁面に水Wが溜り易くなる。このような位置で水Wが凍結すると、フラッパ121が氷に引っ掛かって開かなくなる虞がある。そこで、図11(b)に示すように、ダンパ部材120を、弁箱122aが後側に向けて下るように傾斜させることで、フラッパ支持部122の裏側に水Wが溜るのを防止できる。なお、ダンパ部材130,140についても同様に傾斜して配置される。
また、ダンパ部材120を図11(b)に示す配置にした場合、弁座部122cとフラッパ121によって形成される凹部に水が溜ることになる。しかし、ダンパ部材120には後記するヒータH6(図19参照)が設けられるので、フラッパ121が開くことで水が後側に流れることになる。
また、ダンパ部材120の樹脂材料を、撥水性を有する樹脂または親水性を有する樹脂で構成するようにしてもよい。
図12は、本実施形態に係る冷蔵庫の冷気の流れを説明する模式図である。
図12に示すように、冷蔵庫1の冷蔵室30では、冷蔵室30専用に設けられた冷却器80Bで生成された冷気が送風ファン91に吸い込まれ、冷蔵室30内の背面に設けられた複数の吐出口(不図示)から吐出される。食品を冷却した後の冷気は、冷蔵室30の下部に設けられた戻り口(不図示)から冷却器80Bに戻る。
冷蔵庫1の製氷室40および冷凍室50では、冷却器80Aによって生成された冷気が送風ファン90によって製氷室40に設けられた吐出口40a(図3参照)および冷凍室50に設けられた吐出口50a(図3参照)から吐出される。そして、食品を冷却した後の空気は、冷凍室50の背面側に設けられた戻り口41aに吸い込まれ、戻り流路41bを通って、冷却器80Aに戻る。このように、製氷室40および冷凍室50では、冷却器80Aで生成された冷気が常時送られるようになっている。
上段切替室60が冷凍温度帯に設定された場合には、ダンパ部材120が開かれる。この場合、冷却器80Aによって生成された冷気がダンパ部材120を通過する。そして、冷気が上段切替室60に設けられた吐出口63aから上段収納容器61内の食品に直接に供給されるとともに、吐出口63bから下段収納容器62内の食品に直接に供給される。
また、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定された場合には、ダンパ部材140のダンパ部141が開かれる。この場合、冷却器80Aによって生成された冷気がダンパ部141を通過する。そして、上段切替室60に設けられた吐出口63cから上段収納容器61の外側および下段収納容器62の外側に冷気が流れることで食品が間接的に冷却される。これにより、上段収納容器61および下段収納容器62内の食品の乾燥を抑制できる。
下段切替室70が冷凍温度帯に設定された場合には、冷却器80Aによって生成された冷気がダンパ部材130を通過する。そして、下段切替室70に設けられた吐出口73aから上段収納容器71内の食品に直接に供給されるとともに、吐出口73bから下段収納容器72内の食品に直接に供給される。
また、下段切替室70が冷蔵温度帯に設定された場合には、ダンパ部材140のダンパ部142が開かれる。この場合、冷却器80Aによって生成された冷気がダンパ部142および流路116(図4参照)を通過する。そして、下段切替室70に設けられた吐出口73cから上段収納容器71の外側および下段収納容器72の外側に冷気が流れることで食品が間接的に冷却される。これにより、上段収納容器71および下段収納容器72内の食品の乾燥を抑制できる。
このように、第1実施形態の冷蔵庫1では、上段切替室60を冷蔵温度帯かつ下段切替室70を冷凍温度帯に設定することができる。また、冷蔵庫1では、上段切替室60を冷凍温度帯かつ下段切替室70を冷蔵温度帯に設定することができる。また、冷蔵庫1では、上段切替室60と下段切替室70の双方を冷凍温度帯に設定することができる。また、冷蔵庫1では、上段切替室60と下段切替室70の双方を冷蔵温度帯に設定することができる。
図13(a)は、第1実施形態の送風ファンとして遠心ファンを備えた冷蔵庫を示す断面図、図13(b)は比較例の送風ファンとしてプロペラファンを備えた冷蔵庫を示す断面図である。
図13(a)に示すように、冷蔵庫1は、送風ファン90として遠心ファン(ターボファンやシロッコファン)を備え、送風ファン90が背面断熱仕切部材65の後方に配置されている。このような送風ファン90は、径方向の中心側から冷気を吸込み、周方向に冷気が吐出されるので、送風ファン90の軸方向前方の空間を狭くでき、軸方向の後方(吸込側)の空間を確保するだけでよい。よって、第1実施形態では、上段切替室60の背面側に設けられる冷却器収納空間100の前後方向の寸法D1を小さくできる。
これに対して、図13(b)に比較例として示す冷蔵庫200は、送風ファン201としてプロペラファンを備え、送風ファン201が背面断熱仕切部材202の後方に配置されている。このような場合、送風ファン201が傾斜して配置され、後方と前方にそれぞれ吸込空間と吐出空間が必要になる。よって、上段切替室203の背面側に設けられる冷却流路の空間の前後方向の寸法D100(>D1)を大きく確保する必要がある。
このように、第1実施形態では、送風ファン90とした場合の上段切替室60の容積Q1を、比較例として送風ファン201とした場合の上段切替室203の容積Q100よりも大きく確保できる。これにより、上段切替室60の食品の収納量を増加させることが可能になる。
また、冷蔵室30用の冷却器80Bと、冷蔵室30より下側の冷却器80Aと、を分けることにより、冷却器80Aを小型(例えば、7段→5段)にすることができる。これにより、冷却器収納空間100の上下方向の寸法をコンパクトにできる。このため、製氷室40内および冷凍室50内の背面における前方への出っ張りの容積を削減することができ、製氷室40および冷凍室50内の容積を拡大することができる。
また、冷却器80Aの上方投影上に送風ファン90が設けられるとともに、送風ファン90の上方投影上にダンパ部材120(図6参照)の少なくとも一部が存する。更に、送風ファン90の軸方向とダンパ部材120の開口122bの前後方向とが略平行に設けられている。従って、送風ファン90から遠心方向に送風された冷気は、ダンパ部材120の開放状態のフラッパ121と接触し、開口122bの手前側に位置する上段切替室60に送風される。また、送風ファン90の支持部92b若しくは支持部92bと対向する保持パネル67の面(図20参照)と、ダンパ部材120の開口122bが設けられた前面部と、真空断熱材V11若しくは真空断熱材V11の背面部と対向する保持パネル67と、は略平行に配置されている。これらにより、冷却器収納空間100及び送風ファン90からの送風を案内する送風路の前後方向の寸法をコンパクトにでき、上段切替室60の容積を大きく確保できる。
図14は、断熱仕切部材を示す分解斜視図である。
図14に示すように、断熱仕切部材16は、下ケース161および上ケース162からなる合成樹脂製のケース160と、断熱材としての発泡ポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)163と、他の断熱材としての真空断熱材V9と、を備えて構成されている。なお、断熱仕切部材17は、断熱仕切部材16と同様な構成であるので、以下では、断熱仕切部材16についてのみ説明する。
下ケース161は、矩形状に形成され、外周縁部が立ち上がる側面部161aを有している。この側面部161aは、4辺の全体に形成されている。また、下ケース161は、側面部161aの外面の対向する辺に、係止爪161b,161bが形成されている。
上ケース162は、矩形状に形成され、外周縁部が下ケース161に向けて延びる側面部162aを有している。この側面部162aは、4辺の全体に形成されている。また、上ケース162は、側面部162aの外面の対向する辺に、前記係止爪161bが係合する係止孔162bが形成されている。
発泡ポリスチレン163は、下ケース161に嵌合する矩形状を呈している。また、発泡ポリスチレン163の厚みは、側面部161aの高さよりも低く形成されている。
真空断熱材V9は、前記した真空断熱材V1〜V8のものと同様に構成されたものであり、下ケース161に収容される矩形状に形成されている。また、真空断熱材V9は、下ケース161に発泡ポリスチレン163と一緒に収容したときに、真空断熱材V9の表面が側面部161aの上端に位置する厚みに設定されている。
また、真空断熱材V9の側面にはシール材164が貼り付けられている。このシール材164は、真空断熱材V9の外周面の全体に形成されている。このシール材164を設けることで、下ケース161と真空断熱材V9の外周面との隙間を埋めることができ、真空断熱材V9が下ケース161内で移動して損傷するのを防止できる。
このような断熱仕切部材16では、下ケース161に発泡ポリスチレン163と真空断熱材V9を収納した後に、上ケース162を被せる。この場合、上ケース162の側面部162aが下ケース161の側面部161aの外側に位置している。このため、上ケース162を下ケース161に被せる際に、側面部162aが真空断熱材V9に接触することがないので、真空断熱材V9が損傷するのを防止できる。
また、上ケース162の内面には、両面テープ162cが設けられている。両面テープ162cによって上ケース162と真空断熱材V9とを接着することで、上ケース162が下ケース161から剥がれるのを防止できる。また、両面テープ162cによって上ケース162と真空断熱材V9との間に隙間(空間)が形成されるのを抑制することができ、隙間内に霜や露が発生するのを抑制できる。
なお、本実施形態では、下ケース161と上ケース162とを、係止爪161bを係止孔162bに嵌合させることで固定する場合を例に挙げて説明している。しかし、このような構成に限定されるものではなく、下ケース161と上ケース162とをねじ固定してもよい。
図15は、断熱仕切部材の取付状態を示す断面図である。
図15に示すように、断熱仕切部材16を取り付ける場合には、断熱仕切部材16の上側に製氷室40と冷凍室50とを左右に区画する仕切壁18が設けられている。このため、断熱仕切部材16を、上側から取り付けることができず、仕切壁18の下側から取り付けることになる。
また、内箱11の左右側面には、内箱11と一体のリブ11eが突出して形成されるとともに、内側(裏側)に硬質ウレタンフォームが充填され、断熱性が確保されている。このリブ11eの下側から断熱仕切部材16の端部上面を押し当てて位置決めし、断熱仕切部材16の端部下面に対して下側から別部材で形成された固定部材11fを押し当てる。そして、断熱仕切部材16をリブ11eと固定部材11fとで挟み込んだ状態で、固定部材11fを内箱11に固定する。
ところで、真空断熱材V9は、製造上、外形寸法にバラツキが生じ易く、最大の真空断熱材と最小の真空断熱材とで差が開く。このような差の大きさによっては、断熱ができなくなり、またその場合に切替室(冷蔵温度帯室にした場合)の端部に霜が発生する虞がある。そこで、真空断熱材V9が最小寸法になる位置(外周端部P1)よりも、リブ11eのウレタン(硬質ウレタンフォーム)の先端部P2が左右方向(幅方向)の内側(内方)に位置している。換言すると、真空断熱材V9の端部と、ウレタンが充填されたリブ11eとが、上下方向において重なるように配置されている。このような配置にすることにより、左端では上段切替室60と製氷室40との間において、また右端では上段切替室60と冷凍室50との間において、断熱がされないリスクを抑えることができる。
また、上段切替室60と下段切替室70とを仕切る断熱仕切部材17を取り付ける場合には、断熱仕切部材17の上側には上段切替室60のみである。このため、断熱仕切部材16とは逆に、断熱仕切部材17を上側から取り付けることができる。断熱仕切部材17は、内箱11の左右側面に形成されたリブ11gに固定される。
断熱仕切部材17についても同様に、真空断熱材V10(図2参照)の最小寸法になる位置(外周端部P1)よりも、リブ11gのウレタン(硬質ウレタンフォーム)の先端部P2が左右方向(幅方向)の内側(内方)に位置している。換言すると、真空断熱材V10の端部と、ウレタンが充填されたリブ11gとが、上下方向において重なるように配置されている。このような配置にすることにより、上段切替室60と下段切替室70との間において、断熱がされないリスクを抑えることができる。
また、断熱仕切部材16及び断熱仕切部材17の左右端部の少なくとも一方と内箱11との間には隙間(図示せず)が設けられている。内箱11と外箱12との間には発泡断熱材が充填されており、製造上、発泡する工程において外形寸法にバラつきが生じやすく、例えば、内箱11が庫内側に膨らむように変形する場合がある。これに対し、断熱仕切部材16及び断熱仕切部材17は、その内部に発泡断熱材を充填しておらず、製造上の外形寸法のバラつきは生じにくい。従って、内箱11の所定の場所に断熱仕切部材16及び断熱仕切部材17を組み立て性を考慮し、内箱11内部の発泡断熱材の発泡後に生じる寸法公差を吸収するための隙間を設けることが望ましい。このとき、隙間の少なくとも一部に弾性を有するシール材(図示なし)を介在させてもよく、隙間が該シール材により埋められることでヒートブリッジの影響を抑制できる。
図16は、仕切断熱壁の変形例を示す断面図である。なお、図15に示す断熱仕切部材16,17と同様の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図16に示すように、断熱仕切部材16,17は、真空断熱材V9,V10の下部に設けられる発泡ポリスチレン(発泡スチロール)163aと、真空断熱材V9,V10の上部に設けられる発泡ポリスチレン(発泡スチロール)163bと、を備えている。このように、真空断熱材V9,V10の周囲全体を発泡ポリスチレン163a,163bで覆うように構成されている。このような構成によって、真空断熱材V9,V10の全体が覆われるので、真空断熱材V9,V10の損傷をより確実に抑えることができるとともに、前記した実施形態で用いたシール材164を不要にできる。また、断熱仕切部材16,17の左右端部についても、図15と同様な配置とすることで、断熱されないリスクを抑えることができる。
図17は、背面断熱仕切部材を示す断面図である。
図17に示すように、背面断熱仕切部材65は、真空断熱材V11と、この真空断熱材V11を収容する収容パネル66と、収容パネル66を保持する保持パネル67と、を有して構成されている。なお、本実施形態では、収容パネル66と保持パネル67とでケースが構成されている。
収容パネル66は、真空断熱材V11の一面が接する底面66aと、この底面66aから立ち上がる側面66bと、を有している。側面66bの外面には、係止爪66cが突出して形成されている。また、真空断熱材V11の外周面には、シール材66dが設けられている。これにより、真空断熱材V11の外周面と側面66bとの間の隙間が埋められ、真空断熱材V11が収容パネル66内で移動して、真空断熱材V11が損傷するのを防止できる。
保持パネル67は、上段切替室60と冷却器収納空間100とを区画する仕切板67aと、収容パネル66の上部を保持する上部保持部67bと、収容パネル66の下部を保持する下部保持部67cと、を有している。上部保持部67bは、凹面が下方に向けて開放するように凹状に形成されている。下部保持部67cには、前記した係止爪66cが係止される係止孔67dが形成されている。
真空断熱材V11が収容された収容パネル66を取り付ける場合には、真空断熱材V11を露出した面を保持パネル67側に向けた状態で取り付ける。この場合、収容パネル66の上部を上部保持部67bに先に挿入し、上部を支点として収容パネル66を仕切板67aに向けて回動させる。そして、収容パネル66を仕切板67aに押し当てることで、収容パネル66の係止爪66cが係止孔67dに嵌合し、収容パネル66が保持パネル67に保持される。このように、収容パネル66の上部を上部保持部67bによって覆うように構成することで、収容パネル66の上部から水が垂れてきたとしても、収容パネル66内に水が入るのを防止できる。また、収容パネル66を保持パネル67に取り付けたときに、下部保持部67cが側面66bの外側に位置するので、真空断熱材V11が損傷するのを防止できる。
ところで、上段切替室60を冷蔵温度帯にし、かつ、下段切替室70を冷凍温度帯にした場合、上段切替室60の上側、下側および奥側がすべて冷凍温度帯になるので、上段切替室60を冷蔵温度帯に維持することが厳しくなる。そこで、本実施形態では、上段切替室60および下段切替室70にヒータを配置したものである。以下、図18ないし図21を参照して詳細に説明する。図18は、上段切替室と下段切替室のヒータの配置を示す断面図である。図19は、背面側のヒータの配置を示す平面図である。図20は、送風ファンおよびファンケーシングに設けられるヒータの配置を示す断面図である。図21は、送風ファンに設けられるヒータの配置の変形例を示す断面図である。
図18に示すように、冷蔵庫本体10は、ヒータH1,H2,H3,H4,H5を備えている。これらのヒータH1〜H5は、面ヒータで構成され、温度を上げるため、または露付きを防止するめのものである。なお、本実施形態で示すヒータの配置や数は一例であって、上段切替室60や下段切替室70の熱収支に応じて適宜設定される。
ヒータH1は、上段切替室60の上面を構成する断熱仕切部材16の下面に設けられている。ヒータH2は、上段切替室60の下面を構成する断熱仕切部材17の上面に設けられている。ヒータH3は、上段切替室60の背面を構成する背面断熱仕切部材65の前面に設けられている。ヒータH4は、下段切替室70の上面を構成する断熱仕切部材17の下面に設けられている。ヒータH5は、下段切替室70の底面を構成する内箱11のウレタン側面に設けられている。
例えば、上段切替室60を冷蔵温度帯に設定し、下段切替室70を冷凍温度帯に設定する場合、上段切替室60の手前側(扉側)と左右側面側から熱の流入が想定され、上段切替室60の上面、下面および背面から熱の流出が想定される。そこで、上段切替室60が冷蔵温度帯の熱収支となるように、ヒータH1,H2,H3を通電して、上段切替室60を加温する。
また、上段切替室60を冷凍温度帯に設定し、下段切替室70を冷蔵温度帯に設定する場合、上段切替室60の手前側(扉側)と左右側面側と底面側から熱の流入が想定され、下段切替室70の上面側と背面側から熱の流出が想定される。そこで、下段切替室70が冷蔵温度帯の熱収支となるように、ヒータH4,H5を通電して、下段切替室70を加温する。
図19において太線で示すように、背面断熱仕切部材65には、ヒータH6,H7,H8,H9,H10,H11が設けられている。これらのヒータH6〜H11は、面ヒータで構成されている。
ヒータH6は、ダンパ部材120の周囲全体を囲むように設けられている。ヒータH7は、ダンパ部材130の周囲全体を囲むように設けられている。ヒータH8は、ダンパ部材140の周囲全体を囲むように設けられている。ヒータH6〜H8は、ダンパ部材120〜140に霜が付着して、フラッパ121,131,141a,142a(図6〜図8参照)が開かなくなるのを防止するためのものである。例えば、弁箱122a,132a,141c,142c(図6〜図8参照)に1周するように取り付けられる。
ヒータH9は、ファンケーシング111の壁面に設けられている。これにより、ファンケーシング111に霜や水が溜るのを防止できる。ヒータH10は、送風ファン90の近傍に設けられている。これにより、送風ファン90に霜が付着するのを防止できる。
ヒータH11は、戻り流路41bの壁面と戻り口41aに設けられている。これにより、戻り流路41b内に霜が付着するのを防止することができる。
図20に示すように、ヒータH9は、ファンケーシング111の内壁面111tに配置され、送風ファン90の外周に対向する壁面に沿って形成されている。
送風ファン90は、ブラケット92を介して背面断熱仕切部材65の仕切板67aに固定されている。ブラケット92は、仕切板67aの後面から離れる方向に延びる脚部92aと、仕切板67aと平行に延びる支持部92bと、この支持部92bと送風ファン90とを連結する連結部92cと、を有して構成されている。
送風ファン90用のヒータH10は、仕切板67aの送風ファン90側(庫外側、ファンケーシング111側)に設けられている。また、ヒータH10は、軸方向からの平面視において円板状または環状に構成されている。
なお、図21に示すように、ヒータH10を、背面断熱仕切部材65の仕切板67aの庫内側(上段切替室60側)に設けてもよい。例えば、仕切板67aは、送風ファン90に対向する位置において、送風ファン90側に凹む窪み部67eが形成され、この窪み部67eにヒータH10が設けられている。このように窪み部67eを設けて、ヒータH10を配置することにより、仕切板67aの前面側に設けられる収容パネル66(図17参照)を設置する際に邪魔になることがない。
図22は、温度帯を切り替える操作パネルを示す図である。なお、以下に示す構成は一例であって本実施形態に限定されるものではない。
図22に示すように、コントロールパネル(操作パネル)150は、例えば、冷蔵室扉2の表面に設けられ、制御基板13(図2参照)と電気的に接続されている。また、コントロールパネル150は、上段切替室60(切替室(上))を冷蔵温度帯と冷凍温度帯のいずれかに切り替える切替操作ボタン150aと、冷蔵温度帯か冷凍温度帯かを表示する温度帯表示部150bと、設定された温度帯の強度を表示する強度表示部150cと、を備えている。また、コントロールパネル150は、下段切替室70(切替室(下))の切替についても前記と同様に構成されている。
操作方法としては、例えば、切替操作ボタン150aを長押し(例えば、5秒)することで、冷蔵温度帯と冷凍温度帯を切り替えることができ、切り替えられた温度帯が表示される。例えば、冷蔵温度帯に設定された場合には、温度帯表示部150bに、「冷蔵」の文字が表示されるとともに、その文字が緑色に点灯する。また、温度帯を切り替えた後に切替操作ボタン150aを短押しすることで、短押し毎に強度表示部150cの「弱」、「中」、「強」が順番に点灯して、温度の調節ができる。例えば、「弱」に設定されることで5℃、「中」に設定されることで3℃、「強」に設定されることで1℃に設定される。また、冷凍温度帯に設定された場合には、温度帯表示部150bに、「冷凍」の文字が表示されるとともに、文字が青色に点灯する。このように、温度帯を切り替えるのに、ボタンを長押しさせることで、温度帯が間違って切り替えられるのを抑制できる。
なお、図示していないが、上段切替室扉6と下段切替室扉7にそれぞれ緑色を発する発光部と青色を発する発光部を設けてもよい。上段切替室60が冷蔵温度帯に設定された場合に、緑色の発光部を点灯させて、上段切替室扉6の表面を緑色に発光させる。また、冷凍温度帯に設定された場合に、青色の発光部を点灯させて、上段切替室扉6の表示を青色に発光させる。また、下段切替室扉7についても同様に構成できる。このような構成にすることで、使用者が上段切替室扉6や下段切替室扉7を開けなくても、現在の温度帯を確認できる。
また、切替室の温度帯の切り替えや強度の切り替えを、同一の切替操作ボタン150aの長押し及び短押しにより行うことができるため、コントロールパネルの基板構造を簡略化且つ安価にすることができる(例えば、静電容量等のスイッチ素子の個数を減らすことができる)とともに、コントロールパネルの簡略化により操作方法の煩雑化を抑制し、操作性を向上することができる。
また、切替操作ボタン150a、温度帯表示部150b、強度表示部150cは、冷蔵温度帯に設定された場合は暖色系若しくは中性色系の色で点灯させ、冷凍温度帯に設定された場合は寒色系の色で点灯させることで、使用者の視認性を向上することができる。
また、温度帯を変更する操作の場合、切替操作をしただけで温度帯が切り替わるのではなく、切替操作をした後にさらに変更後の設定でよいかの決定操作を使用者に促す操作を追加してもよい。これにより、温度帯が間違って設定されるのをより確実に抑制できる。
図23は、コントロールパネルの配置の変形例を示す図である。
図23に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵室30内にコントロールパネル150を備えている。このコントロールパネル150は、例えば、図22と同様のものであり、制御基板13(図2参照)と電気的に接続されている。なお、コントロールパネル150の位置は、内箱11の左側面に限定されず、内箱11の右側面であっても、冷蔵室扉2,3の内壁面であってもよく、適宜変更できる。
このように、コントロールパネル150を冷蔵室30などの庫内に設けることによって、コントロールパネル150が庫外に設けられる場合よりも、温度帯が間違って切り替えられるのを抑制できる。
図24は、温度帯を確認する他の手段を示す図である。
図24に示すように、冷蔵庫本体10は、制御基板13に無線通信用の基板13aを備え、スマートフォンなどの携帯端末MTと通信可能になっている。無線通信の規格としては、例えば、BlueTooth(登録商標)や、赤外線通信部、WiFi(登録商標)である。
また、冷蔵庫本体10は、上段切替室60に庫内の温度を検出する温度センサT1、下段切替室70に庫内の温度を検出する温度センサT2が設けられている。
温度センサT1によって検出された温度は、制御基板13に送られ、基板13aを介して、使用者の携帯端末MTに送られる。携帯端末MTの表示画面には、上段切替室60の現在の温度や下段切替室70の現在の温度などが表示される。このような構成にすることで、使用者が上段切替室扉6や下段切替室扉7を開けなくても、現在の温度や温度帯を確認できる。これにより、上段切替室扉6や下段切替室扉7を開けずに、温度帯を確認できる。
なお、上段切替室60や下段切替室70の現在の温度を、冷蔵室扉2の表面などに表示するようにしてもよく、冷蔵室30内(庫内)に表示するようにしてもよい。これにより、上段切替室扉6や下段切替室扉7を開けずに、温度帯を確認することができる。
図25は、温度帯を報知する手段を示す模式図である。
図25(a)に示すように、上段切替室60には、緑色(GREEN)の光を発する発光部68aと、青色(BLUE)の光を発する発光部68bと、を備えている。なお、発光部68a,68bは、例えばLEDによって構成される。発光部68aは、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定されている場合に発光する。発光部68bは、上段切替室60が冷凍温度帯に設定されている場合に発光する。
下段切替室70にも同様に、緑色(GREEN)の光を発する発光部78aと、青色(BLUE)の光を発する発光部78bと、を備えている。なお、発光部78a,78bは、例えばLEDによって構成される。発光部78aは、下段切替室70が冷蔵温度帯に設定されている場合に発光する。発光部78bは、下段切替室70が冷凍温度帯に設定されている場合に発光する。
例えば、上段切替室60が冷蔵温度帯(野菜室)に設定され、下段切替室70が冷凍温度帯(冷凍室)に設定されている場合、上段切替室扉6を開けることで発光部68aが発光し、庫内が緑色に照らされる。これにより使用者が緑色を認識することで、上段切替室60が冷蔵温度帯(野菜室)であることを直ちに認識することができる。また、下段切替室扉7を開けることで発光部78bが発光し、庫内が青色に照らされる。使用者が青色を認識することで、下段切替室70が冷凍温度帯(冷凍室)であることを直ちに認識することができる。
また、図25(b)に示すように、上段切替室60が冷凍温度帯に設定され、下段切替室70が冷蔵温度帯(野菜室)に設定されている場合、上段切替室扉6を開けることで発光部68bが発光し、庫内が青色に照らされる。使用者が青色を認識することで、上段切替室60が冷凍温度帯(冷凍室)であることを直ちに認識することができる。また、下段切替室扉7を開けることで発光部78aが発光し、庫内が緑色に照らされる。使用者が緑色を認識することで、下段切替室70が冷蔵温度帯(野菜室)であることを直ちに認識することができる。
以上説明したように、第1実施形態の冷蔵庫1は、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り替えられる上段切替室60および下段切替室70(複数の切替室)を有する。上段切替室60および下段切替室70は、それぞれ、冷蔵温度帯に設定された場合に間接冷却とし、冷凍温度帯に設定された場合に直接冷却としたものである。これによれば、冷蔵温度帯にした場合には間接冷却とし、冷凍温度帯にした場合には直接冷却にすることで、各温度帯に適した冷却を行うことが可能である。
また、第1実施形態では、冷蔵温度帯から冷凍温度帯まで切り替えられる上段切替室60および下段切替室70(複数の切替室)を有する。上段切替室60は、冷凍温度帯に設定されたときに開くダンパ部材120(冷凍温度帯用ダンパ)と、冷蔵温度帯に設定されたときに開くダンパ部141(冷蔵温度帯用ダンパ)と、を備える。また、上段切替室60は、ダンパ部材120から導入された冷気を上段収納容器61および下段収納容器62の内側に供給する吐出口63a,63b(冷凍温度帯用吐出口)を備える。また、上段切替室60は、ダンパ部141(冷蔵温度帯用ダンパ)から導入された冷気を上段収納容器61および下段収納容器62の外側に供給する吐出口63c(冷蔵温度帯用吐出口)を備える。また、下段切替室70は、冷凍温度帯に設定されたときに開くダンパ部材130(冷凍温度帯用ダンパ)と、冷蔵温度帯に設定されたときに開くダンパ部142(冷蔵温度帯用ダンパ)と、を備える。また、下段切替室70は、ダンパ部材130から導入された冷気を上段収納容器61および下段収納容器62の内側に供給する吐出口73a,73b(冷凍温度帯用吐出口)を備える。また、下段切替室70は、ダンパ部142(冷蔵温度帯用ダンパ)から導入された冷気を上段収納容器61および下段収納容器62の外側に供給する吐出口63c(冷蔵温度帯用吐出口)を備える。これにより、冷蔵温度帯にした場合には間接冷却とし、冷凍温度帯にした場合には直接冷却にすることができ、各温度帯に適した冷却を行うことが可能になる。
また、第1実施形態では、吐出口63c,73c(冷蔵温度帯用吐出口)は、内箱11の壁面に向けて形成されている。これによれば、吐出口63c,73cから出た冷気を上段収納容器61,71の外側、下段収納容器62,72の外側に供給し易くなる。
また、第1実施形態では、ダンパ部材120,130(冷凍温度帯用ダンパ)は、背面が開放した弁箱122a,132aと、弁箱122a,132aの前面に形成された開口122b,132bと、開口122b,132bを背面側から開閉するフラッパ121,131と、を備える(図7および図8参照)。この場合、弁箱122a,132aは、後方に向けて下るように傾斜して配置されている(図11(b)参照)。これによれば、フラッパ支持部122の裏側に水が溜るのを防止して、水の凍結によってフラッパ121,131が開かなくなるのを防止できる。
また、第1実施形態では、冷蔵庫本体10は、上方に製氷室40および冷凍室50(冷凍温度帯の貯蔵室)が配置された上段切替室60と、上段切替室60の下方に配置される下段切替室70と、を備える(図1ないし図3参照)。これによれば、利用者の好みに応じて上段切替室60と下段切替室70を冷蔵温度帯または冷凍温度帯に切り替えることができ、使い勝手が向上する。
また、第1実施形態では、ダンパ部材140(冷蔵温度帯用ダンパ)は、上段切替室60に冷気を導入する際に開くダンパ部141(上段切替室用ダンパ)と、下段切替室70に冷気を導入する際に開くダンパ部142(下段切替室用ダンパ)と、を備える(図9参照)。また、ダンパ部材140は、ダンパ部141とダンパ部142を独立して開閉する駆動部143と、を備える。また、ダンパ部材140は、駆動部143を挟んで上部にダンパ部141が位置し、下部にダンパ部142が位置するように配置されている。これによれば、ダンパ部材140を左右方向の一方に配置できるので、間接冷却用の吐出口63c,73cを配置し易くなる。また、直接冷却用の吐出口63a,63b,73a,73bを配置し易くなる。
また、第1実施形態では、駆動部143は、外面に電気的に接続される雌コネクタ部143aを備え、雌コネクタ部143aは、鉛直方向下向きに形成されている(図10参照)。これによれば、フラッパ141aに付着した水が垂れて駆動部143に付着したとしても、雌コネクタ部143aの端子部143bに水が付着するのを抑制できる。
また、第1実施形態では、上段切替室60および下段切替室70(切替室)に冷気を導入する送風ファン90を備え、送風ファン90が遠心ファンである(図4参照)。これによれば、送風ファン90が収納される空間の前後方向の寸法D1を、送風ファンをプロペラファンとしたときの寸法(D100)に比較して短くすることができる(図13(a)参照)。
また、第1実施形態では、冷蔵庫本体10が、上段切替室60および下段切替室70の背面側に背面断熱仕切部材65を備える。この背面断熱仕切部材65は、真空断熱材V11と、真空断熱材V11を収容する収容パネル66および保持パネル67と、を備える(図17参照)。これによれば、冷却器収納空間100からの冷気を断熱できる。
また、第1実施形態では、送風ファン90が、保持パネル67(仕切板67a)に固定されている(図20参照)。これによれば、送風ファン90を、保持パネル67側とは前後方向の逆側に固定する場合よりも部品点数を減らすことができる。また、送風ファン90を保持パネル67側に取り付けることで内箱11に振動が伝わるのを抑制できる。
また、第1実施形態では、背面断熱仕切部材65が、ヒータH3を備える(図18参照)。これによれば、温度を上げにくい条件でも温度を上げやすくなり、また露付きを防止することができる。
また、第1実施形態では、上段切替室60(切替室)の上面側および下面側に設けられる断熱仕切部材16,17を備える。断熱仕切部材16,17は、真空断熱材V9,V10と、真空断熱材V9,V10を収容するケース160と、真空断熱材V9,V10の周囲に設けられ、真空断熱材V9,V10とケース160との隙間を埋めるシール材164とを、備える(図14参照)。これによれば、真空断熱材V9,V10がケース160内で移動するのを抑制できるので、真空断熱材V9,V10の損傷を抑制できる。
また、第1実施形態では、断熱仕切部材16,17は、ヒータH1,H2,H4を備える(図18参照)。これによれば、温度を上げにくい条件でも温度を上げやすくなり、また露付きを防止することができる。
また、第1実施形態では、断熱仕切部材16,17の端部が接するリブ11e,11gを備え、リブ11e,11g内に充填される硬質発泡ウレタンの先端部P2が、真空断熱材V9,V10の外周端部P1よりも内方に位置している(図15参照)。これによれば、断熱仕切部材16,17の端部において断熱されないリスクを抑えることができる。
また、第1実施形態では、上段切替室60および下段切替室70は、緑色光を発する発光部68a,78a(第1発光部)と、青色光を発する発光部68b,78b(第2発光部)と、を備える(図25参照)。そして、冷蔵温度帯に設定された上段切替室60および/または下段切替室70が開かれたときに発光部68a,78aが発光し、冷凍温度帯に設定された上段切替室60および/または下段切替室70が開かれたときに発光部68b,78bが発光する。これによれば、視覚的に認識させることで、利用者に冷蔵温度帯であるか冷凍温度帯であるかを認識させ易くできる。
また、第1実施形態では、上段切替室60は、上下、左右および前後のそれぞれの面に真空断熱材V5,V7,V8,V9,V10,V11を備える(図2および図3参照)。これによれば、上段切替室60が、製氷室40および冷凍室50と、冷凍温度帯の下段切替室70とによって挟まれている場合において、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定されたときに、冷蔵温度帯に設定し易くなる。
また、第1実施形態では、冷蔵温度帯から前記冷凍温度帯を切り替えるコントロールパネル150(操作パネル)を備え、コントロールパネル150は、庫内に設けられている(図23参照)。これによれば、コントロールパネル150を庫外(例えば、冷蔵室扉2の表面)に設ける場合よりも、温度帯が間違って設定されるのをより確実に防止できる。
また、第1実施形態では、ダンパ部材130が、ダンパ部材120と前後逆向きに取り付けられている(図4参照)。ダンパ部材130のフラッパ131が庫内側に開くようにすることで、逆向きに開く場合に比べて、ダンパ部材130が凍結によってロックするリスクを低減できる。
(第2実施形態)
図26は、第2実施形態の冷蔵庫を示す断面図である。
図26に示すように、冷蔵庫1Aは、切替室60Aと、切替室60Aに収納される上段収納容器61Aおよび下段収納容器62Aと、を備えている。
切替室60Aは、冷気が吐出される吐出口63a,63bを備えている。吐出口63aは、切替室60Aの上端部に設けられている。吐出口63bは、吐出口63aの下方に位置している。
上段収納容器61Aは、矩形状の底壁61aと、前後方向の一端において上方に延びる側壁61bと、前後方向の他端において上方に延びる側壁61cと、を有している。側壁61cは、側壁61bよりも高さが低く、換言すると吐出口63aよりも低い位置となるように形成されている。なお、図示していないが、左右の側壁は、それぞれ側面を形成するように構成されている。
下段収納容器62Aは、矩形状の底壁62aと、前後方向の一端において上方に延びる側壁62bと、前後方向の他端において上方に延びる側壁62cと、を有している。側壁62cは、側壁62bよりも高さが低く、換言すると吐出口63bよりも低い位置となるように形成されている。なお、図示していないが、左右の側壁は、それぞれ側面を形成するように構成されている(他の実施形態についても同様)。
このように構成された冷蔵庫1Aは、図26の左図に示すように、切替室60Aが冷凍温度帯に設定された場合には、上段収納容器61Aを、側壁61cが前後方向の奥側、側壁61bが前後方向の手前側(第1収納位置)となるように、切替室60Aに収納される。また、下段収納容器62Aを、側壁62cが前記方向の奥側、側壁62bが前後方向の手前側(第1収納位置)となるように、切替室60Aに収納される。これにより、吐出口63aから吐出された冷気が上段収納容器61Aの内側に供給され、直接冷却が行われる。同様に、吐出口63bから吐出された冷気が下段収納容器62Aの内側に供給され、直接冷却が行われる。
また、図26の右図に示すように、切替室60Aが冷蔵温度帯に設定された場合には、上段収納容器61Aの前後を入れ替えて、側壁61bが前後方向の奥側、側壁61cが前後方向の手前側(第2収納位置)となるように、切替室60Aに収納される。また、下段収納容器62Aの前後を入れ替えて、側壁62bが前後方向の奥側、側壁62cが前後方向の手前側(第2収納位置)となるように、切替室60Aに収納される。これにより、吐出口63aから吐出された冷気が上段収納容器61Aの外側に供給され、間接冷却が行われる。同様に吐出口63bから吐出された冷気が下段収納容器62Aの外側に供給され、間接冷却が行われる。
このように、第2実施形態の冷蔵庫1Aでは、冷凍温度帯に設定されたときに、収納容器(上段収納容器61Aおよび下段収納容器62A)が、吐出口63a,63bからの冷気を当該収納容器の内側に供給する第1収納位置と、冷蔵温度帯に設定されたときに収納容器が吐出口63a,63bからの冷気を当該収納容器の外側に供給する第2収納位置と、を備える。これによれば、直接冷却用の吐出口と間接冷却用の吐出口の双方を設ける必要がなくなり、冷蔵庫本体10の構成を簡略化できる。
(第3実施形態)
図27は、第3実施形態の冷蔵庫を示す断面図である。
図27に示すように、第3実施形態の冷蔵庫1Bは、第2実施形態の上段収納容器61Aおよび下段収納容器62Aを、上段収納容器61Bおよび下段収納容器62Bにしたものである。その他の構成は、第2実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。
上段収納容器61Bは、底壁61aと、底壁61aの一端において上方に延びる側壁61bと、底壁61aの他端において上方に延びる側壁61cと、側壁61cの上端において連結される可動壁61dと、側壁61cと可動壁61dとを回動自在に連結するヒンジ61eと、を有している。可動壁61dは、ヒンジ61eを介して、側壁61cと重なるように折り畳み可能に構成されている。可動壁61dが折り畳まれることで、上段収納容器61Bの他端の高さが吐出口63aよりも低くなり、可動壁61dが起き上がることで、上段収納容器61Bの他端の高さが吐出口63aよりも高くなる。なお、下段収納容器62Bも同様にして、底壁62a、側壁62b,62c、可動壁62dおよびヒンジ62eを備えて構成されている。
このように構成された冷蔵庫1Bは、図27の左図に示すように、切替室60Aが冷凍温度帯に設定された場合には、上段収納容器61Bを、側壁61cが前後方向の奥側かつ可動壁61dを折り畳んだ状態とし、側壁61bが前後方向の手前側(第1形態)となるように、切替室60Aに収納される。また、下段収納容器62Bを、側壁62cが前記方向の奥側かつ可動壁62dを折り畳んだ状態とし、側壁62bが前後方向の手前側(第1形態)となるように、切替室60Aに収納される。これにより、吐出口63aから吐出された冷気が上段収納容器61Bの内側に供給され、直接冷却が行われる。同様に、吐出口63bから吐出された冷気が下段収納容器62Bの内側に供給され、直接冷却が行われる。
また、図27の右図に示すように、切替室60Aが冷蔵温度帯に設定された場合には、側壁61cが前後方向の奥側かつ可動壁61dを起立した状態とし、側壁61bが前後方向の手前側(第2形態)となるように、切替室60Aに収納される。また、側壁62cが前後方向の奥側かつ可動壁62dを起立した状態とし、側壁62bが前後方向の手前側(第2形態)となるように、切替室60Aに収納される。これにより、吐出口63aから吐出された冷気が上段収納容器61Bの外側に供給され、間接冷却が行われる。同様に吐出口63bから吐出された冷気が下段収納容器62Bの外側に供給され、間接冷却が行われる。
このように、第3実施形態の冷蔵庫1Bでは、冷凍温度帯に設定されたときに、収納容器(上段収納容器61Bおよび下段収納容器62B)が、吐出口63a,63bからの冷気を当該収納容器の内側に供給する第1形態と、冷蔵温度帯に設定されたときに収納容器が吐出口63a,63bからの冷気を当該収納容器の外側に供給する第2形態と、を備える。これによれば、直接冷却用の吐出口と間接冷却用の吐出口の双方を設ける必要がなくなり、冷蔵庫本体10の構成を簡略化できる。
なお、第3実施形態では、折り畳み式の可動壁61dを備えた上段収納容器61Bと、可動壁62dを備えた下段収納容器62Bを備えた冷蔵庫1Bを例に挙げて説明したが、このような構成に限定されない。例えば、可動壁61d,62dを回動可能に構成したが、可動壁61d,62dを上下方向にスライド可能に支持する構成であってもよく、または、可動壁61d,62dを着脱式にしてもよい。
(第4実施形態)
図28は、第4実施形態の冷蔵庫を示す断面図である。
図28に示すように、第4実施形態の冷蔵庫1Cは、冷蔵温度帯から冷凍温度帯に切り替えられる上段切替室60と下段切替室70(複数の切替室)を備える。上段切替室60には収納容器64(冷凍温度帯用収納容器)が収納される。下段切替室70には収納容器74(冷蔵温度帯用収納容器)が収納される。また、上段切替室60は、冷気が吐出される吐出口63bを備える。下段切替室70は、冷気が吐出される吐出口73bを備える。
収納容器64は、冷凍温度帯専用の容器であり、底壁64aと、この底壁64aの前後方向の前端において上方に延びる側壁64bと、後端において上方に延びる側壁64cと、を有している。側壁64cは、吐出口63よりも低く形成されている。
収納容器74は、冷蔵温度帯専用の容器であり、底壁74aと、この底壁74aの前後方向の前端において上方に延びる側壁74bと、後端において上方に延びる側壁74cと、を有している。側壁74cは、吐出口73bよりも高く形成されている。
このように構成された冷蔵庫1Cは、図28の左図に示すように、上段切替室60が冷凍温度帯に設定され、下段切替室70が冷蔵温度帯に設定された場合には、収納容器64を上段切替室60に収納し、収納容器74を下段切替室70に収納する。これにより、吐出口63bから吐出された冷気が収納容器64の内側に供給され、直接冷却が行われる。また、吐出口73bから吐出された冷気が収納容器74の外側に供給され、間接冷却が行われる。
また、図28の右図に示すように、上段切替室60が冷蔵温度帯に設定され、下段切替室70が冷凍温度帯に設定された場合には、収納容器64を下段切替室70に収納し、収納容器74を上段切替室60に収納する。これにより、吐出口63bから吐出された冷気が収納容器64の外側に供給され、間接冷却が行われる。また、吐出口73bから吐出された冷気が収納容器74の内側に供給され、直接冷却が行われる。
このように、第4実施形態の冷蔵庫1Cでは、冷蔵温度帯に設定されたときに吐出口73b(または吐出口63b)からの冷気を容器外側に供給する収納容器74と、冷凍温度帯に設定されたときに吐出口63b(または吐出口73b)からの冷気を容器内側に供給する収納容器64と、を備える。これによれば、直接冷却用の吐出口と間接冷却用の吐出口の双方を設ける必要がなくなり、冷蔵庫本体10の構成を簡略化できる。
以上、本実施形態について図面を参照しながら説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、一つの切替室を備え、その切替室を、冷蔵温度帯から冷凍温度帯に切り替えられるようにした冷蔵庫であってもよい。