JPH09940A - 光触媒装置及びその応用装置 - Google Patents

光触媒装置及びその応用装置

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JPH09940A
JPH09940A JP7151661A JP15166195A JPH09940A JP H09940 A JPH09940 A JP H09940A JP 7151661 A JP7151661 A JP 7151661A JP 15166195 A JP15166195 A JP 15166195A JP H09940 A JPH09940 A JP H09940A
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JP
Japan
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photocatalyst
light emitting
emitting diode
photocatalytic reaction
substrate
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Pending
Application number
JP7151661A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Sakai
和宏 酒井
Tadanobu Iwasa
忠信 岩佐
Osamu Yamanaka
修 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光触媒の光触媒反応を空気や水の浄化、殺菌
等に利用した光触媒装置であって、太陽光等が当たらな
い場所、狭い場所等にも適用可能なコンパクトな構造に
形成することができ、しかも消費電力も少ない光触媒装
置を提供する。 【構成】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持
し、光触媒反応表面を有する基体1と、その光触媒2を
照明可能に配置され、波長360〜400nmの紫外線
を主に放射する発光ダイオード3とを具備する。光触媒
2の活性化のための紫外線源として発光ダイオード3を
使用するため、装置全体をコンパクに形成することがで
きる。この装置は、脱臭装置、飲料水浄化装置、抗菌性
表面を有する抗菌装置等として具体化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二酸化チタンの薄膜から
なる光触媒による光触媒反応を利用した光触媒装置及び
その応用装置に関するもので、具体的には、脱臭、殺菌
(抗菌)、防汚、飲料水等の水の浄化等に応用可能な光
触媒装置(photo-catalitic devices)及びその応用装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、二酸化チタンTiO2 に代表され
る光半導体の微粒子による光触媒作用、特にその強い酸
化触媒作用に高い注目が集められている。
【0003】この光触媒作用は次のように一般に考えら
れている。即ち、二酸化チタン等の光半導性を有する粒
子状物質をそのバンドキャップエネルギ以上の光(二酸
化チタンの場合は400nm以下の光、即ち、紫外線)
で照射すると、価電子帯の電子が光励起されて伝導帯に
移り、伝導帯には自由電子が生成すると共に、価電子帯
には正の電荷を帯びた粒子(正孔)が生成する。これら
の正孔と電子とは半導体粒子内部を運動し、時間の経過
と共に再結合して消滅するが、その粒子外部に空気また
は水、或いはそれらの正孔や電子よりもエネルギの低い
空順位を有する化合物やイオンが存在すると、その粒子
表面を通してそれらの正孔と電子が移動する。つまり、
半導体粒子表面に移動した正孔は接触する化合物やイオ
ンを直接酸化し、或いは活性酸素の1つである水酸基ラ
ジカルを生成する。また、この酸化反応に対する電子に
よる還元反応は主に酸素の還元であり、電子が付加され
た酸化性のある酸素種が生成される。こうして、光半導
体微粒子は光が照射されることによって酸化性の活性表
面を形成し、有機化合物の分解等に触媒として作用する
(「季刊 化学総説 『光が関わる触媒化学』No.2
3,1994)。
【0004】このような光半導体微粒子による酸化触媒
作用は、光半導体の中でも二酸化チタンが特に高い。ま
た、二酸化チタンは安定性や安全性にも優れている。そ
こで、この二酸化チタンの微粉末を薄膜として基体表面
に担持して光触媒を形成し、紫外線照射時のその高い酸
化力を有機化合物等の分解に利用した種々の応用が既に
知られている。
【0005】その応用の最もよく知られた例は、海上に
流出した原油の分解である。中空のガラスビーズの表面
に、上記の二酸化チタンの薄膜からなる光触媒をコーテ
ィングによって担持させる。そして、このガラスビーズ
を原油が流出した海上に散布する。それによってガラス
ビーズの表面には原油が付着するが、この付着した原油
は、その光触媒が太陽光中の紫外線によって活性化し、
強い酸化触媒作用を発揮することによって、分解され
る。これは実際にはシャーレに水を入れて試験的になさ
れたものであるが、太陽光の下で2週間または1カ月ほ
どで完全に原油を分解できることが報告されている。
【0006】また最近では、室内空気の脱臭または消
臭、殺菌(抗菌)、タバコのヤニや油膜等の汚れの分解
にもその応用が試みられている。具体的には、これらの
例は窓ガラスや蛍光灯のガラスチューブ、或いはタイル
等の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を形成し
たものであり、自然光または蛍光灯の光に含まれる紫外
線を利用してその光触媒を活性化させ、それの酸化触媒
反応によって接触するメルカプタン等の臭気化合物、或
いはタバコのヤニ等の有機物を分解し、または、細菌等
の微生物を死滅させ、またはその繁殖を抑えるものであ
る。そして、これによる実際の効果も確認され、自動車
や高層ビル等の窓ガラス、或いは衛生用のタイルは既に
実用化段階に入っている。
【0007】更に、最近実用化された例として、二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒をコップ等のガラス容器の
表面に形成したものも知られている。これによれば、蛍
光灯の光に含まれる微弱な紫外線によってもその光触媒
が活性化されるため、水道水に含まれるカルキ臭を除去
し、また有機ハロゲン化合物、特に発ガン性物質のトリ
ハロメタンを分解することができる。また、その光触媒
は水のクラスタ(分子の集合体)を微細化する作用もあ
り、美味しい水ができる効果もある。
【0008】その他の応用例は、実用化には至っていな
いが、産業用排水等の排水の浄化、窒素酸化物等の大気
汚染物質の無害化または分解、更には医学的応用として
の癌細胞の死滅除去等である。そして、これらの排水処
理等の例では、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒をハ
ニカムやセラミックスウール等の表面積の大きい基体に
担持させると共に、光源としては強い太陽光、或いは強
い紫外線蛍光ランプ(ブラックライト)が用いられてい
る。
【0009】なお、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
において、その薄膜を形成する二酸化チタンの粒子径
は、十分に小さいほど「量子サイズ効果」等によって光
触媒作用が高いことが知られている。そのため、その薄
膜は、二酸化チタンのコロイドを基体表面に塗布し焼成
する等の方法によって、一般に0.3μm以下、好まし
くは0.2μm以下の膜厚の透明な薄膜として、または
そのような薄膜を多層化した薄膜として形成されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように二酸化チタ
ン(TiO2 )の薄膜からなる光触媒は、これに紫外線
が照射されることによって高い酸化触媒作用を生じ、有
機化合物等を分解させることができる。そのため、この
光触媒を適当な基体表面に担持させることによって、前
述のように、空気の脱臭または消臭、殺菌、タバコのヤ
ニ等の防汚、或いは水の浄化等に有効に利用することが
できる。
【0011】ただ、ここで問題となるのは、その二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒を活性化し、それによって
有機化合物等の分解等の触媒反応を生じさせるためには
紫外線が必要であることである。そして、この紫外線源
としては、従来では主に、太陽の自然光または蛍光灯の
光に含まれる紫外線が利用されている。しかしながら、
これらの光を利用することは新たな光源を必要としない
利点はあるが、その光触媒による触媒反応系の適用場所
等は自ずと限定されたものとなる。即ち、それらの光が
当たらないかまたは十分には当たらない場所には光触媒
を適用することはできず、光触媒を担持させる基体は、
それらの光を十分に受けることができる窓ガラスや蛍光
灯のカバー、またはそれらの光の下に置くことができる
ガラスコップ等に専ら限定される。また、光触媒の光触
媒反応によって有機化合物等を完全に分解するためには
ある程度の時間が必要であるが、夜間或いは消灯時には
その光触媒反応を生じさせることができない。
【0012】そのため、光触媒による触媒反応を生じさ
せるための紫外線源としては紫外線蛍光ランプ(ブラッ
クライト)の使用が考えられ、また、実際に従来におい
ても、特に試験等には紫外線蛍光ランプが使用されてい
る。しかし、このような紫外線蛍光ランプは、それを設
置するために比較的広い空間と場所とを要し、狭い空間
等には設置することができない。また、それの電力消費
量も、終日使用される場合にはかなり多いものとなる。
したがって、紫外線蛍光ランプの場合も、それが放射す
る紫外線には人体に有害な遠紫外線が多く含まれること
も合わせて、その具体的な適用場所等は限定されるもの
であった。
【0013】本発明は、このような実情に鑑み、脱臭等
の優れた効果を発揮できる二酸化チタンの薄膜からなる
光触媒の活用の拡大を図ったものであり、太陽光等が当
たらない場所にも適用することができ、また、狭い場所
等にも適用可能なコンパクトな構造に形成することがで
き、しかも消費電力も少ない光触媒装置の提供を課題と
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる光触媒
装置は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、
光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明可能
に配置され、波長360〜400nmの光(電磁波)、
即ち、紫外線を主に放射する発光ダイオードとを具備す
るものである。
【0015】請求項2にかかる光触媒装置は、請求項1
において、上記の基体が透明なガラス材料からなるもの
である。
【0016】請求項3にかかる光触媒装置は、請求項1
または請求項2において、上記の発光ダイオードがpn
接合された窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体
からなるものである。
【0017】請求項4にかかる空気の浄化(脱臭)装置
は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、空気
と接触する光触媒反応表面を有する基体と、この光触媒
を照明可能に配置され、波長360〜400nmの紫外
線を主に放射する発光ダイオードとを具備するものであ
る。
【0018】請求項5にかかる空気の浄化(脱臭)装置
は、請求項4において、上記の基体が透明なガラス材料
からなるものである。
【0019】請求項6にかかる空気の浄化(脱臭)装置
は、請求項4または請求項5において、上記の発光ダイ
オードがpn接合された窒化ガリウム(GaN)系光半
導体の結晶体からなるものである。
【0020】請求項7にかかる飲料水等の水の浄化装置
は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、その
水と接触する光触媒反応表面を有する基体と、この光触
媒を照明可能に配置され、波長360〜400nmの紫
外線を主に放射する発光ダイオードとを具備するもので
ある。
【0021】請求項8にかかる飲料水等の水の浄化装置
は、請求項7において、上記の基体が透明なガラス材料
からなるものである。
【0022】請求項9にかかる飲料水等の水の浄化装置
は、請求項7または請求項8において、上記の発光ダイ
オードがpn接合された窒化ガリウム(GaN)系光半
導体の結晶体からなるものである。
【0023】請求項10にかかる抗菌装置は、二酸化チ
タンの薄膜からなる光触媒を担持し、付着する細菌類に
対して抗菌性の光触媒反応表面を有する基体と、この光
触媒を照明可能に配置され、波長360〜400nmの
紫外線を主に放射する発光ダイオードとを具備するもの
である。
【0024】請求項11にかかる抗菌装置は、請求項1
0において、上記の基体が透明なガラス材料からなるも
のである。
【0025】請求項12にかかる抗菌装置は、請求項1
0または請求項11において、上記の発光ダイオードが
pn接合された窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結
晶体からなるものである。
【0026】
【作用】この発明においては、波長360〜400nm
の光(紫外線)を主に放射する発光ダイオードを備える
ので、太陽光等が当たらない場所であっても、それが放
射する紫外線によって基体に担持された二酸化チタンの
薄膜からなる光触媒を活性化し、有機化合物の分解等の
光触媒反応を生じさせることができる。また、発光ダイ
オードは非常に小さな発光素子であると共に、作動電圧
が小さいため、乾電池等によっても発光させることがで
きる。そのため、発光ダイオードは設置のための空間を
多く必要としないので、狭い場所等を含むあらゆる場所
に容易に適用することができ、また、光触媒を担持した
基体と合わせた光触媒装置全体を、コンパクトな構造に
形成することができる。更に、発光ダイオードによれ
ば、光触媒の活性化のための紫外線を比較的狭いスペク
トルで効率良く放射させることができると共に、その個
数を調整すること等によって光触媒反応に必要とされる
量に応じた紫外線容量を放射させることができる。その
ため、消費電力の少ない光触媒装置を形成することがで
きる。
【0027】そして、このような発光ダイオードを使用
した本発明の光触媒装置は、排水の浄化装置等の大型の
光触媒装置として具体化することもできるが、上記のよ
うに特にコンパクトな構造に形成することができ、また
人体に有害な遠紫外線を含まない発光ダイオードを使用
できることから、脱臭、殺菌、防汚、或いは飲料水の浄
化等の日常生活面での用途に特に好適に応用することが
できる。そのような応用の例としては、光触媒を担持さ
せた基体を空気と接触可能として形成した空気浄化装置
に関しては、例えば、室内空気清浄器(汎用脱臭器)、
衣類乾燥機や食器乾燥器の内部の脱臭装置、自動車の灰
皿装置、エアコン、ゴミ容器の脱臭装置、冷蔵庫消臭
器、靴脱臭器、脱臭器を兼ねた置物または装飾品、等が
挙げられ、また、光触媒を担持させた基体を水と接触可
能として形成した水浄化装置に関しては、温水ポット、
水差し、コースタ、水道水の浄水器、フロ水浄水器、観
賞魚水槽内の水の浄化装置、等が挙げられる。更に、光
触媒を担持させた基体を抗菌性表面の提供に利用した抗
菌装置に関しては、歯ブラシまたは歯ブラシ立て、箸立
て、衛生容器、アイロン、電話器、カラオケマイク、マ
スク、ドライヤ、足拭きマット、体重計、また便器等が
挙げられる。それらのうちの代表的な幾らかの例につい
て、より詳細に説明する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0029】〔第一実施例〕図1乃至図3は本発明の第
一実施例の脱臭器を示すもので、図1はその要部を原理
的に示す説明図、図2はその全体を一部を切欠いて示す
正面図、図3は図2のA−A線断面図である。なお、図
2は図3のB−B線断面図に対応するものである。
【0030】図1のように、全体を10で示す本実施例
の脱臭器は、基本的には、光触媒反応表面を有する基体
1と、その基体1の表面に担持された二酸化チタンの薄
膜からなる光触媒2と、この光触媒2を照射可能に配置
され、波長360〜400nmの光(紫外線)を主に放
射する発光ダイオード3とを備え、光触媒反応が可能な
光触媒装置として形成されている。つまり、二酸化チタ
ンは、一般に約420nm以下の波長の光(電磁波)、
即ち紫外線に対して吸収性を有し、特に380〜390
nmの波長の光に対して吸収スペクトルピークを有して
いる(理論値は388nm)。そのため、その二酸化チ
タンの薄膜からなる光触媒2は発光ダイオード3が放射
する紫外線によって活性化され、前述のように、強い酸
化力を持つ光触媒反応表面を形成する。そして、この光
触媒による酸化触媒作用によって、これに接触する空気
に含まれる有機化合物、例えば、硫化水素、メルカプタ
ンに代表される含硫黄有機化合物、トリメチルアミン、
プロピルアミンに代表される含窒素化合物、また、トル
エン、キシレンに代表される炭化水素化合物、アセトア
ルデヒド、酪酸、吉草酸等のアルデヒド、カルボン酸類
等の臭成分が酸化され、空気が浄化され、脱臭される。
【0031】なお、ここで、このような光触媒装置を形
成する基本的要素である基体1と、光触媒2及び発光ダ
イオード3について説明する。
【0032】〈基体〉基体1は、光触媒2を担持し、処
理すべき媒質(本実施例の場合は空気)と接触可能な光
触媒反応表面を提供するためのものである。したがっ
て、この基体1は、光触媒反応のために十分な広さの表
面積を確保することができる形状であればどのような形
状でもよく、本実施例では板状に形成されているが、そ
の他にも球状、柱状または筒状、或いは繊維状等の任意
の形状に形成することができる。なお、より広い光触媒
反応表面を得るために、その表面に更に凹凸を形成し、
或いは粗面を形成することもできる。
【0033】また、この基体1は、光触媒の光触媒作
用、特に酸化触媒作用に対して不活性な材料であれば、
プラスチック、セラミックス、金属、或いはガラス等の
任意の材料から形成することができる。しかし、金属材
料は、水分の存在下では酸化され易いため好ましくはな
く、またプラスチック材料も、長い間にはその酸化作用
によって分解されるので余り好ましくはない。そのた
め、基体1を形成する材料としては、化学的に安定な材
料であるセラミックスまたはガラスが好ましい。そのた
めまた、基体1は、これらのセラミックスまたはガラス
を表面層とする積層体とすることもできる。
【0034】更に、この基体1は、透明材料から形成す
ることが好ましい。そして、基材1を透明材料から形成
することによって、紫外線等の光を透過させ、光触媒2
をその背面側から照射することができる。具体的には、
本実施例において、基体1は透明なガラス材料から形成
され、また、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2がそ
の両側の表面に形成されている。そのため、発光ダイオ
ード3から放射された紫外線は、基体1の一方側の表面
に担持された光触媒2を照射してこれを活性化するが、
それの少なくとも一部はこの光触媒2を透過し、基体1
の他方側の表面に担持された光触媒2に当たり、これを
同様に活性化する。こうして、光触媒2と発光ダイオー
ド3との間に基体1が介在する場合であっても、基体1
をガラス等の光透過性の透明材料から形成することによ
って、その光触媒2を有効に活性化することができる。
なお、ガラス材料としては、石英ガラス、或いは高シリ
カガラスやホウケイ酸ガラスが強度等の点で好ましいも
のではあるが、通常のソーダ石灰ガラス等を好適に使用
することができる。
【0035】〈光触媒〉また、このような基体1に担持
される光触媒2は、光半導体である二酸化チタン(Ti
2 )の薄膜、具体的には、その微粒子のコーティング
からなっている。なお、同様な光触媒反応を生じる光半
導体としては、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドニウム
(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、チタン酸ストロンチ
ウム等の種々のものが知られているが、例えば、硫化亜
鉛は、光を受けると水中では亜鉛イオンとなって溶解す
る。これらに対して二酸化チタンは、光触媒反応性が高
いだけでなく、化学的に安定であって反応持続性があり
(永久的)、しかも人体に全く無害である。そして、そ
の光触媒2を形成する二酸化チタンの微粒子は、光触媒
反応を生じるためには、「量子サイズ効果」等により十
分に小さい必要があることが既に知られている。そのた
め、この二酸化チタンの薄膜は、一般に0.3μm以
下、好ましくは0.2μm以下の膜厚の透明な薄膜とし
て、または、そのような薄膜を多層化した薄膜(例え
ば、0.7μm程度の透明な薄膜)として形成される。
なお、このような薄膜は一般に淡い虹彩を呈する。
【0036】このような二酸化チタンの薄膜は、既に知
られた種々の方法によって、担持体としての基体の表面
に形成することができる。最も一般的な方法は、二酸化
チタンのコロイド(ゾル)を基体表面に薄く塗布し、或
いは電気泳動法によって沈着させ、次いで焼成する方法
である。この方法によれば、十分に小さな二酸化チタン
微粒子の薄膜を得ることができ、しかも、ガラス等の基
体に強固に被着された薄膜を形成することができる。ま
た、真空蒸着法、或いは気相反応による化学的析出法
(気相成長法)も、薄膜を形成することができる。な
お、仏具等の工芸用陶磁器に真珠様の光沢を付与するた
めに古くから用いられている「真珠ラスター」も、適宜
利用することもできる。これはチタンの樹脂石鹸の溶液
であり、これを塗布し、600℃程度で加熱焼成するこ
とによって、二酸化チタンの透明な薄膜を形成すること
ができる。
【0037】〈発光ダイオード〉また、光触媒2に紫外
線を照射してこれを活性化するための発光ダイオード
(LED)3は、ステムタイプやリードフレームタイプ
等の種類はあるが、pn接合された半導体の結晶体から
なる光を放射するチップ3aと、このチップ3aを封止
すると共に放射された光に指向性を与えるモールドレン
ズ3bとを主要部として備える小さな発光素子である。
なお、モールドレンズ3bは光透過性の透明材料からな
り、一般にエポキシ樹脂等から形成される。そして、こ
のような発光ダイオード3は、一般には赤や緑、或いは
青の光を放射し、パイロットランプやインジケータ、或
いは数字や文字の表示等の表示用に使用される。しか
し、本実施例において、この発光ダイオード3として
は、波長360〜400nmの光(電磁波)、即ち、紫
外線を主に放射するものを使用する。
【0038】ここで、この発光ダイオード3は、波長3
60〜400nmのスペクトル範囲内の光のみを放射す
るものであることが、発光効率及び電力消費の点では好
ましい。しかし、実際には、発光ダイオードの放射する
光は、半導体レーザの場合とは異なり、一般に少なくと
も50nmのスペクトル範囲を有するため、波長360
〜400nmのみの光を放射する発光ダイオードを得る
ことは困難である。そのため、ここで使用する発光ダイ
オード3としては、波長360〜400nmの紫外線を
十分に含む光(電磁波)を放射するものであれば、どの
ような発光ダイオードでも使用することができる。
【0039】しかし、この発光ダイオード3としては、
好ましくは、人体に有害な紫外線、即ち、320nm以
下の波長の遠紫外線を放射しないものが好ましい。更
に、より好ましいのは、そのような遠紫外線だけでな
く、日焼けを生じさせるような紫外線(Bランク紫外
線)も放射しない、即ち、350nm以下の波長の紫外
線を実質的に放射しない発光ダイオードである。そし
て、このような発光ダイオード3によれば、人体に全く
無害な光触媒装置を形成することができ、日常生活にお
ける用途にも安全に使用することができる。ただし、そ
のような有害な紫外線であっても、その少なくとも一部
は光触媒2によって吸収されることができる。
【0040】これに対して、可視光である400nm以
上の波長の光は人体に無害であるため、このような可視
光を含む光を放射する発光ダイオードは、何等問題なく
使用することができる。また、そのような発光ダイオー
ド3を使用することによって、その発光ダイオード3が
作動していることを容易に確認することができ、更に、
その可視光が明彩色である場合には照明や表示としての
効果を得ることができる。ただし、400nm以下の波
長の光(紫外線)であっても、380nm程度までの光
はぼんやりとした青色(暗い紫色)を呈するため、発光
ダイオード3が400nm以下の波長の光のみを放射す
る場合でも、その光は完全なブラック光ではなく、一般
に視認可能なものである。
【0041】なお、このような波長360〜400nm
の紫外線を主に放射する発光ダイオード3は、既に市販
されているものもあるが、チップ3aを形成する半導体
結晶体として窒化ガリウム(GaN)系、炭化ケイ素
(SiC)系、硫化亜鉛(ZnS)系、硫化セレン(S
eS)系等の半導体材料を用いて、一般に製造すること
ができる。しかし、これらの半導体材料の中でも、窒化
ガリウム(GaN)系半導体材料によれば、最もそのよ
うな光の発光効率が高い発光ダイオードを得ることがで
きる。
【0042】そして、この発光ダイオード3は、基体1
に担持された光触媒2を照射可能な配置において、その
光触媒2を十分に活性化することができる任意の個数だ
け設けることができる。この場合、具体的に使用する発
光ダイオード3は、どのような形状のものであってもよ
く、例えば、モールドレンズ3bが平板状に形成された
面実装用タイプの発光ダイオードも適宜使用することが
できる。また、複数の発光ダイオード3が必要とされる
場合には、その必要とする数のチップ3aを単一のモー
ルドレンズ3bで封止したものとして、その発光ダイオ
ードを形成することもできる。そして、発光ダイオード
3は小さな素子であり、それの設置のために広いスペー
スを必要としないので、多数個を設ける場合であって
も、あらゆる場所に容易に設置することができる。
【0043】なお、発光ダイオード3は低い電圧で作動
させることができ、またその消費電力も少ないため、そ
れの電源としては、乾電池、或いは充電池等の蓄電池を
用いることができる。そのため、電源配線のない場所で
も発光ダイオード3を発光させ、光触媒反応を生じさせ
ることができる。また、家庭用の交流電源を使用するこ
ともできる。そしてこの場合、例えば、単にシリコンダ
イオードを用いて半波整流するか、または、2つの発光
ダイオードを互いに逆方向接続して使用すればよいた
め、簡単にその電源を利用することができる。更に、そ
の電源回路にはスイッチ、タイマ等を設けることもで
き、それによって発光ダイオード3の不必要な作動をな
くし、消費電力の節約を図ることができる。
【0044】そして、これらの基体1、光触媒2、及び
発光ダイオード3を基本的要素として、本実施例の脱臭
器10は、図2及び図3のように具体的に形成されてい
る。なお、これらの図2及び図3において、図1におけ
る光触媒2を担持した基体1は、光触媒反応基体11と
して示されている。したがって、この光触媒反応基体1
1は、基体1と、その表面に担持された二酸化チタンの
薄膜からなる光触媒2とからなるものである。
【0045】図2及び図3のように、本実施例の脱臭器
10は、室内或いは冷蔵庫等において載置した状態で使
用できるように形成したものであり、少し縦長の箱状の
形状を有し、台座部12と、この台座部12の上に取付
けられる角筒状の側枠部13と、この側枠部13の上部
を閉塞する天板部14とを本体として備えている。そし
て、これらによって形成される本体内部に上記の光触媒
反応基体11が収容され、ガタ付かないように保持され
ている。また、発光ダイオード3は、この光触媒反応基
体11を照射可能に、天板部14に取付けられている。
【0046】ここで、光触媒反応基体11は、ガラス板
を井桁状に組付けたものを基体1とし、その全表面に二
酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持させたものか
らなり、具体的には、予め二酸化チタン微粒子をコーテ
ィングし、二酸化チタンの薄膜を形成したガラス板を、
無機接着剤(ケイ酸塩系)により接着し、組付けて形成
されている。そのため、この光触媒反応基体11は、単
に1枚の平板として形成された場合よりも、より広い面
積で空気と界面接触できるようになっている。なお、こ
の光触媒反応基体11には、空気を流通させるために、
多数の開口(丸穴)11aが設けられている。
【0047】これに対して、本体を形成する台座部12
と、側枠部13及び天板部14は、適宜に着色されたプ
ラスチック材料から形成されている。そして、台座部1
2は、脱臭器10を平坦面上に載置可能とするための台
座としてだけでなく、発光ダイオード3を発光させるた
めの電源である乾電池(または充電池)kを収納できる
ように形成されている。そのため、この台座部12に乾
電池kを収納することによって、脱臭器10を立てた状
態で安定的に載置できるようになっている。また、側枠
部13は、ガラス材料からなる破損し易い光触媒反応基
体11を保護すると共に、これをガタ付かないように保
持するためのものであり、その周りを取囲むように筒状
に形成され、また十分な強度で形成されている。そして
この側枠部13には、内部に空気を流入させ、また内部
から空気を流出させるために、多くの開口(長孔)13
aがその全周囲に形成されている。更に、この側枠部1
3の上端には、天板部14が接着されて取付けられ、ま
たこの天板部14には、本例では3個の発光ダイオード
3が、光触媒反応基体11に向けて取付けられている。
なお、本実施例では、側枠部13は台座部12に嵌合し
て取付けられるようになっており、それによって、光触
媒反応基体11と共に側枠部13及び天板部14を台座
部12から取外して、脱臭器10内部に蓄積した土埃等
の清掃を行うことができるようになっている。なおま
た、これらによって形成される光触媒反応基体11の収
容空間の内側面、即ち、台座部12の上面、側枠部13
の内面、及び天板部14の下面には、メタリック塗装等
によって、光を反射する反射面が形成されている。その
ため、発光ダイオード3から放射され、それらの表面に
当たる紫外線は、吸収されずに反射され、光触媒反応基
体11(光触媒2)の活性化に有効に利用される。
【0048】また本実施例においては、発光ダイオード
3の電源として台座部12に収納された乾電池kが使用
される。そのため、側枠部13には導電線15が埋設さ
れ、乾電池kの電流が適当なコネクタを介して発光ダイ
オード3に導かれるように配線されている。また、天板
部14には電気スイッチ16が備えられ、非使用時には
電源を切ることができるようになっている。
【0049】このように本実施例の脱臭器10は、光触
媒反応基体11、即ち、二酸化チタンの薄膜からなる光
触媒2を担持する基体1と、波長360〜400nmの
紫外線を主に放射する発光ダイオード3とを基本的に備
え、これに加えて、光触媒反応基体11を空気と接触可
能に保持すると共に発光ダイオード3を光触媒反応基体
11に対して照射可能に配置するための本体、即ち、台
座部12と側枠部13と天板部14とからなる本体、を
備えて形成されている。
【0050】したがって、特に、発光ダイオード3が小
さな発光素子であるので、脱臭器10を小型なものとし
て形成することができ、例えば、冷蔵庫等に用いる活性
炭を使用した脱臭器と同程度の大きさに形成することが
できる。しかも、消費電力量は少ないので、乾電池kに
よっても長い間使用することができる。そのため、光触
媒を利用した本実施例の脱臭器10は、自然光或いは蛍
光灯の光が届かない場所、或いは狭い場所等であっても
使用することができ、自動車または通常の室内、冷蔵
庫、ロッカ、下駄箱、トイレ、押入れ等のあらゆる場所
で使用することができる。また、光触媒反応基体11の
光触媒作用は、これが破損しない以上は失われることが
ないので、発光ダイオード3の電源として一般の家庭用
電源を使用するようにすれば、メンテナンスが殆ど不要
な脱臭器10とすることができる。
【0051】ところで、本実施例の脱臭器10は平坦面
上に載置可能な汎用性のある脱臭器として形成されてい
るが、使用場所等が特定される場合には、それに応じて
この脱臭器10を種々に変形または変更することができ
る。例えば、壁面等に取付けて使用される場合には、本
実施例の脱臭器10における台座部12を壁面取付部と
して形成し、またこの壁面取付部に発光ダイオード3を
取付けることができる。そしてこの場合、光触媒反応基
体11をその壁面取付部に保持させることによって、側
枠部13と、少なくとも天板部14は省くことができ
る。
【0052】また、自動車の室内等の太陽光が当たる場
所で使用される場合には、天板部14と、少なくとも側
枠部13を透明材料から形成することができる。これに
よって、昼間では太陽光が光触媒反応基体11(光触媒
2)に当たり、これを活性化するため、発光ダイオード
3を発光させないでも光触媒反応を生じさせることがで
きる。そのため、発光ダイオード3は夜間の必要時のみ
に作動させればよいので、電力の消費量を少なくするこ
とができる。なおこの場合、その透明材料から形成した
側枠部13等の表面に光触媒2を担持させれば、光触媒
反応をより高めることができる。
【0053】〔第二実施例〕図4は本発明の第二実施例
の脱臭装置(空気浄化装置)を示す断面図であり、ま
た、図5は図4のC−C線断面図である。
【0054】図2及び図3の第一実施例の脱臭器10は
空気の自然対流を利用してその空気を脱臭するものであ
るに対し、本第二実施例の脱臭装置は、エアコン等のダ
クト等に付設し、多量の空気を処理できるように形成し
たものである。そして、本実施例においては、第一実施
例におけるガラス板を基体とする光触媒反応基体11に
代えて、100μm程度の直径のガラス繊維を基体と
し、その表面に光触媒を担持させたものを使用してい
る。
【0055】即ち、図4及び図5のように、全体を20
で示す本実施例の脱臭装置は、エアコンのダクトd等に
組込まれて使用されるものであり、フィルタ状の光触媒
反応基体21を備えている。この光触媒反応基体21
は、図1のように、透光性のガラス繊維を基体1とし、
その全周囲の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
2を担持したものからなり、これをフィルタ状に集合し
たものである。また、透明のガラス細管の全周囲の表面
に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持したもの
でもよい。このため、この光触媒反応基体21は、空気
と接触可能な広い光触媒反応表面を有し、かつ、発光ダ
イオード3からの紫外線は深い個所まで届き、多量に流
れる空気に対して有効に作用することができる。
【0056】そして、この光触媒反応基体21は、ガラ
スからなる筒状の透明な保持体22内で、一対の網状の
端板23の間に適度な密度で収容されている。また、こ
の保持体22の周りを取囲むようにプラスチック材料か
らなる環状枠24が設けられ、この環状枠24に、適数
個の発光ダイオード3が環状に配列されて取付けられて
いる。そしてこれらの発光ダイオード3は、図示しない
配線によって適当な電源に接続されている。なお、環状
枠24の内周側表面には光を反射する反射面を形成する
ことが好ましく、また、ガラスの保持体22の内周側表
面には適宜光触媒を担持させることができる。
【0057】このように形成された本実施例の脱臭装置
20の作用は、第一実施例の場合と同じである。即ち、
発光ダイオード3が作動されると、それが放射する紫外
線は透明な保持体22を透過して光触媒反応基体21に
当たり、その光触媒2を活性化する。この場合、光触媒
反応基体21は透明なガラス繊維を基体1とするので、
その紫外線は、光触媒2に最終的に吸収されるまで、順
次その光触媒反応基体21を透過して全体に行き渡る。
そして、そのように活性化された光触媒2は、その光触
媒作用、特に、酸化触媒作用によって、空気中に含まれ
る臭成分を分解し、無臭化する。こうして、図示しない
ファン等により送気され、ダクトd内を通過する空気
は、本実施例の脱臭装置20によって、脱臭される。
【0058】なお、このような光触媒2の酸化触媒作用
は、臭成分の分解だけでなく、タバコのヤニ等の有機成
分の酸化分解にも同様に作用する。そのため、空気中に
含まれるそのような有機成分も、光触媒反応基体21に
吸着され、次いで分解される。更に、活性化された光触
媒2は、その酸化触媒作用によって殺菌力も有してい
る。そのため、空気中に含まれるカビ等細菌は、その活
性化された光触媒2に接触することによって死滅する。
したがって、本実施例の脱臭装置20は、脱臭だけでな
く、タバコの煙成分の分解除去や殺菌作用も有するた
め、空気の浄化装置としての機能を備えるものである。
【0059】このように、本実施例の脱臭装置(空気浄
化装置)20は、第一実施例と同様に、空気と接触可能
な光触媒反応基体21、即ち、二酸化チタンの薄膜から
なる光触媒2を担持する基体1と、波長360〜400
nmの紫外線を主に放射する発光ダイオード3とを基本
的に備えるものであるが、特に、その光触媒反応基体2
1として、ガラス繊維を基体1とするものをフィルタ状
に集合して用いたものである。そのため、空気と接触可
能な広い光触媒反応表面を提供することができるので、
多量の空気の脱臭(浄化)処理を行うことができる。そ
して、その光触媒反応基体21(光触媒2)を活性化す
るための紫外線源として、小さな発光素子である発光ダ
イオード3を使用しているので、装置全体をコンパクト
なものに形成することができる。したがって、本実施例
の脱臭装置(空気浄化装置)20は、自動車等の各種の
エアコンに容易に組込んで使用することができる。
【0060】〔第三実施例〕図6は本発明の第三実施例
の脱臭(消臭)装置を示す断面図である。また、図7は
それの光触媒反応基体の表面を拡大して示す断面図であ
る。
【0061】本実施例は自動車のダッシュボードに据付
けられた灰皿の脱臭(消臭)装置として具体化したもの
で、第一実施例及び第二実施例と同様に、光触媒2を担
持した基体1からなる光触媒反応基体と発光ダイオード
3とを備えるが、その光触媒反応基体は、そのような狭
い空間にも配置できるように、最も簡単に形成されてい
る。
【0062】図6のように、30で示す本実施例の脱臭
装置は、基体1の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光
触媒2を担持して形成した光触媒反応基体31と、適数
個の発光ダイオード3と、これらの発光ダイオード3を
取付ける基板32とから形成されている。そして、この
脱臭装置30は、自動車のダッシュボード33に据付け
られた灰皿、即ち、出入可能な灰皿容器34とこれを収
納可能な収納凹部35とからなる灰皿において、その収
納凹部35内の上部側に設けられている。
【0063】ここで、光触媒反応基体31の基体1は、
透明材料であるガラス板によって、基板32に取付けら
れた発光ダイオード3を覆うカバー状(皿状)に形成さ
れている。そして、このカバー状の基体1の外側表面、
即ち、灰皿容器34に対向する側の表面に、二酸化チタ
ンがコーティングされ、その薄膜からなる光触媒2が担
持されている。そのため、適当な電源、例えば、カーバ
ッテリによって発光ダイオード3が発光されると、その
紫外線は基体1を透過して、その外側表面に担持された
光触媒2を活性化する。それによって、灰皿容器34と
収納凹部35とによって形成される空間内に充満するニ
コチンやタールを含むタバコの煙は、その活性化された
光触媒2と接触して酸化分解される。なお、このような
灰皿は使用されない場合もあるので、例えば、灰皿容器
34が出入れされた際に作動するスイッチ手段とタイマ
手段とを設けて、発光ダイオード3が必要時のみに作動
されるようにすることが好ましい。
【0064】このように、本実施例の脱臭装置30は、
二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持した基体1
であるカバー状の光触媒反応基体31と、この光触媒反
応基体31内に配設された波長360〜400nmの紫
外線を主に放射する発光ダイオード3とを具備するもの
であり、悪臭の発生場所となる自動車の灰皿内を消臭化
することができる。そして、このような脱臭装置30
は、非常にコンパクトに形成することができるので、自
動車のダッシュボードに据付けられた灰皿だけでなく、
自動車のシート等に据付けられた開閉形の灰皿等、その
他の種々の収納形の灰皿に、同様に適用することができ
る。更に、このような脱臭装置30は、発光ダイオード
3が保護される構造でもあるため、冷蔵庫、食器乾燥
機、衣類乾燥機等の内壁面に適用して、その内部の脱臭
を図ることができる。また、便器或いは生ゴミ等のゴミ
容器内の脱臭にも適用することができ、この場合、その
脱臭装置30は蓋の裏側に設けることができる。また更
に特殊な応用として、靴内の脱臭にも適用することがで
き、この場合には、基板32を含む脱臭装置30は靴の
内部に挿入可能な形状に形成される。
【0065】ところで、本実施例のような脱臭装置30
の場合、光触媒反応基体31は板状の簡単な形状に形成
され、また、光触媒2はその一面のみに形成される。そ
のため、光触媒反応が可能な表面積は比較的少なくなる
傾向がある。そこで、図7のように、より広い面積の光
触媒反応表面が得られるように、光触媒2が形成される
側の基体1の表面は、凹凸化或いは粗面化されることが
好ましい。これによって、基体1が板状の簡単な形状の
場合でも、光触媒反応のための十分な広さの表面積を確
保することができる。なお、このような凹凸または粗面
は、例えば、機械的加工によって形成することができ
る。また、ガラスの粉体を基体1の表面に融着させる方
法によっても、同様に形成することができる。
【0066】〔第四実施例〕これまでの実施例は、光触
媒による光触媒作用を、空気中に含まれる臭成分等の有
機化合物の酸化分解に応用したものである。しかし、こ
の光触媒による光触媒作用は、飲料水等の水に含まれる
トリハロメタン等の有害物、或いはカルキ臭、カビ臭等
の臭成分等の分解除去にも応用することができる。
【0067】図8は本発明の第四実施例の飲料水の浄化
装置を示す断面図である。なお、同図において、これま
での実施例と同一または相当する部分には同一の符号を
使用している。
【0068】図8のように、全体を40で示す本実施例
の飲料水の浄化装置は、ポット41と、ポット受台42
との組合せからなっている。そして、このポット41
は、透明なガラス材料から形成された基体としての飲料
水容器43と、必要に応じて備えられた蓋44及び取手
45とからなり、その飲料水容器43の内側表面には、
そのほぼ全面に、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2
がコーティングによって形成され、担持されている。ま
た、ポット受台42は、アクリル樹脂等の透明な樹脂材
料から形成されたポット受部46と、テーブル等の平坦
面上に載置可能な基台部47とを備え、この基台部47
には適当な数の発光ダイオード3が取付けられている。
そして、これらの発光ダイオード3は適当な直流電源に
よって作動されるようになっている。なお、これらの光
触媒2及び発光ダイオード3に関する技術的詳細は第一
実施例の場合と同じであり、発光ダイオード3は波長3
60〜400nmの紫外線を主に放射するものである。
【0069】そして、このように形成された飲料水の浄
化装置40の作用は、基体の表面に担持された光触媒2
と接触する媒質が空気ではなく、水であるだけで、図1
の場合と実質的に同じである。即ち、発光ダイオード3
が作動されると、それが放射する紫外線は透明なポット
受部46を透過し、更に透明なガラス材料からなる飲料
水容器43の底部を透過して、その内側表面に担持され
た光触媒2に当たり、これを活性化する。そして、この
活性化された光触媒2による触媒作用、特に、高い酸化
触媒作用によって、水中に溶存するハロゲン化合物、或
いは各種の有機化合物が分解される。こうして、光触媒
2の光触媒反応によって、飲料水中に含まれるトリハロ
メタン等の有害物、カルキ臭或いはカビ臭の原因物質
(例えば、2−メチルイソボルネオール)等を分解する
ことができ、ポット41に入れた飲料水を浄化すること
ができる。また、この活性化された光触媒2は、水のク
ラスタ(水分子の集合体)を小さく細分化する作用も有
している。そのため、ポット41の飲料水は単に浄化さ
れるだけでなく、まろやかで美味しく、また健康に良い
水となって形成される。
【0070】このように、本実施例の飲料水の浄化装置
40は、処理すべき飲料水と接触可能な二酸化チタンの
薄膜からなる光触媒2を担持した光触媒反応基体と、こ
の光触媒2を照射可能に配置され、波長360〜400
nmの紫外線を主に放射する発光ダイオード3とを基本
的要素として備えたものであり、具体的には、その光触
媒反応基体は、内面に光触媒2を担持した透明なガラス
製の飲料水容器43(ポット41)として形成され、ま
た、発光ダイオード3は、その飲料水容器43を受ける
ポット受台42に取付けられている。そのため、コップ
等のガラス製の飲料水容器の内面に光触媒2を担持さ
せ、自然光または蛍光灯の照明光によってその光触媒2
を活性化するようにしたもの自体は既に知られている
が、本実施例では紫外線を放射する発光ダイオード3を
備えているので、そのような自然光または照明光が十分
でない場所においても、飲料水を有効に浄化することが
できる。
【0071】また、発光ダイオード3は非常に小さな発
光素子であるため、それを光触媒2に対して照射可能に
取付けたポット受台42も、厚さの薄いコンパクトなも
のとして形成することができる。そして、本実施例で
は、このポット受台42をポット受部46と基台部47
とから形成しているが、発光ダイオード3をそのポット
受部46に直接インサート成形するようにすれば、基台
部47は不要となり、そのポット受台42は、より厚さ
が薄く、通常のコースタと同程度の厚さのものとして形
成することができる。
【0072】更に、発光ダイオード3は少ない電圧で作
動することができ、また消費電力も少ないため、電源と
して乾電池或いは充電池を使用することができる。その
ため、ポット受台42に乾電池または充電池を組込むこ
とによって、厚さはその分多くなるが、任意の場所で使
用可能なポット受台42を形成することができる。
【0073】ところで、本実施例の飲料水の浄化装置4
0はポット41とポット受台42との組合せとして形成
したものであるが、このポット受台42はポット41に
対して一体化することも適宜可能である。また、このよ
うなポット受台42は、例えば、冷蔵庫のポット収納棚
等に据付けることもできる。それによって、ポット41
内の飲料水を冷却しつつ浄化することができる。更に、
本実施例の飲料水の浄化装置40は、ポット受台42を
形成することによって発光ダイオード3をポット41の
底部に配置するようにしたものであるが、この発光ダイ
オード3の配置場所はポット41の外周部、或いは蓋4
4の部分であることもできる。しかし、ポット41内に
入れられる飲料水は少ない場合もあることからすると、
飲料水をより効果的に浄化する上では、発光ダイオード
3をポット41の底部側に配置することが最も好まし
い。ただし、保温ポット等のように外側から紫外線を照
射できない場合には、発光ダイオード3はポットの蓋部
分或いは容器の内側に配設される。
【0074】〔第五実施例〕図9は本発明の第五実施例
の飲料水の浄化装置を概略的に示す断面図である。ま
た、図10はそれにおいて使用する光触媒反応基体を示
す平面図である。
【0075】本第五実施例の飲料水の浄化装置は、具体
的には、温水ポット(湯沸かしポット)に適用したもの
である。そして、温水ポットでは飲料水容器はステンレ
ス等の金属またはそれにフッ素樹脂加工を施したものか
ら形成され、その表面に光触媒を強固に担持させること
は困難であるため、本実施例においては、光触媒を担持
した基体からなる光触媒反応基体が容器自体とは別個に
形成されている。
【0076】即ち、図9のように、全体を50で示す本
実施例の飲料水の浄化装置(温水ポット)は、光触媒反
応基体51を備えている。この光触媒反応基体51は、
第一実施例の光触媒反応基体11と同様のものであり、
強度のあるガラス板からなる基体1の全表面に、二酸化
チタンの薄膜からなる光触媒2をコーティングによって
担持させたものである。より具体的にはこの光触媒反応
基体51は、図10のように、飲料水を収容する容器5
2の形状に従った円板状に形成され、また水を流通させ
るための開口51a(丸穴)と、短い柱状の脚部51b
とを備えている。したがって、この光触媒反応基体51
はその脚部51bによって容器52の底面から少しだけ
離された状態で配置されるので、容器52内の飲料水
を、光触媒反応基体51の開口51aを通ってそれの下
面側にも良好に流動させることができる。
【0077】なお、温水ポット自体は、飲料水容器52
の他に、その飲料水を外部に導くための流路53、また
その飲料水を加熱する電熱装置54等を備える本体55
と、空気ポンプ56を備える開閉蓋57とから形成さ
れ、空気ポンプ56の押込操作によって容器52内の飲
料水を取出すことができるようになっている。そして、
光触媒反応基体51(光触媒2)に紫外線を照射し、そ
れを活性化するための発光ダイオード3は、開閉蓋57
の部分に設けられている。具体的には、適数個の発光ダ
イオード3が、好ましくはこれを保護する透明カバーと
共に、開閉蓋57の裏側に下方に向けて取付けられてい
る。なお、その電源としては、例えば、電熱装置54の
電源である家庭用交流電源を半波整流したものを用いる
ことができる。
【0078】このように、本実施例の飲料水の浄化装置
50は温水ポットに具体的に適用したものであり、飲料
水容器52内に、飲料水と接触可能に配置された光触媒
反応基体51、即ち、二酸化チタンの薄膜からなる光触
媒2を担持した基体1と、開閉蓋57に取付けられ、そ
の光触媒反応基体51(光触媒2)を照射可能に配置さ
れた波長360〜400nmの紫外線を主に放射する発
光ダイオード3とを備えたものである。そのため、発光
ダイオード3を作動させると、それが放射する紫外線
は、飲料水を透過して光触媒反応基体51に当たり、こ
れを活性化する。したがって、第四実施例の場合と同様
に、飲料水中の有機成分等を分解し、これを浄化するこ
とができ、しかも水のクラスタが細分化されるため、美
味しくまた健康に良い飲料水を形成することができる。
【0079】また、発光ダイオード3は非常に小さな発
光素子であるため、温水ポットの開閉蓋57の下面のよ
うな狭い場所にも容易に配設することができる。そのた
め、本実施例の飲料水の浄化装置50は、小形の温水ポ
ットにも適用することができ、また保温ポット等にも適
用することができる。
【0080】ところで、光触媒反応基体51(基体1)
の形状は種々に変形することができ、板状だけでなく、
容易に破損しない形状であれば棒状、筒状、またはこれ
らを組合せた形状とすることができる。また、中空或い
は殻状のガラス玉のような形状とすることもでき、この
場合、その比重は適宜に調整され、または開口によって
中空内部が外部と連通するように形成される。そして、
光触媒反応基体51をこのような球形状に形成すれば、
汎用の光触媒反応基体51として使用することができ、
また使用する個数を調整することによって、所望の強さ
の光触媒反応を容易に得ることができる。また、このよ
うな球形状の光触媒反応基体51は外観性がよいので、
観賞魚等の水槽内の水の浄化のためにも好適に利用する
ことができる。
【0081】更に、この光触媒反応基体51(基体1)
の形状と発光ダイオード3の配置に関しては、処理する
媒質が異なるだけである第一実施例乃至第三実施例の技
術を適用することができる。例えば、図6の第三実施例
における光触媒反応基体31と発光ダイオード3とから
なる構造は、本実施例のような温水ポットの飲料水容器
52の内壁面に適用することができ、それによっても同
じ効果を得ることができる。
【0082】〔第六実施例〕図11は本発明の第六実施
例の水道水の浄化装置を示す断面図である。
【0083】図11のように、全体を60で示す本実施
例の水道水浄化装置は、水道の蛇口gに取付けて水道水
を浄化するためのものである。そして、ここでは、図4
及び図5の第二実施例の光触媒反応基体21と同様に、
ガラス繊維の基体1の表面に光触媒2を担持させたもの
をフィルタ状に集合した光触媒反応基体61を使用し、
連続して流れる多量の水を浄化できるようにしている。
【0084】具体的には、本実施例の水道水浄化装置6
0は、水道水の流路を形成する本体62を備え、クラン
プ63によって水道の蛇口gの先端部に装着されるよう
になっている。そして、この本体62の内部には、透明
材料であるガラス製の分流筒64が配設され、図中の矢
印のように、水道の蛇口gからの水がこの分流筒64に
よって環状に分流されて上方に流れ、次いで分流筒64
の上端からその内部を通って下方に流出するようにされ
ている。また、分流筒64の上方には、ガラス板からな
るカバー65を介して、これまでの実施例と同様に適数
個の発光ダイオード3が配設されている。更に、本実施
例においては、発光ダイオード3を発光させる電源とし
て乾電池k(または充電池)が用いられ、その上方に収
納されている。そして、この乾電池kと発光ダイオード
3とは、図示しない水圧または水流検出スイッチを介し
て接続され、水道水を出した時だけ発光ダイオード3が
作動されるようになっている。
【0085】また、上記のフィルタ状の光触媒反応基体
61は、分流筒64及びカバー65によって区画形成さ
れた本体62内の流路において、分流筒64の周り(環
状室)と内部との両方に、それぞれ下方側が網板66及
び67によって支持された状態で、充填されている。た
だし、その光触媒反応基体61の充填の程度は余り密で
はなく、その繊維が水流によって動かされない程度を限
度として、比較的粗に充填されている。そのため、発光
ダイオード3が作動されると、それの放射する紫外線は
カバー65を透過し、更には透明な分流筒64も透過し
て、その本体62内に充填された光触媒反応基体61の
全体に行き渡り、それを活性化する。なお、水道水と接
触するこれらの分流筒64の内外周面及びカバー65の
下面にも、必要に応じて、更に光触媒2を担持させるこ
とができる。
【0086】本実施例の水道水浄化装置60はこのよう
に形成されており、水道水の流路内に配置された光触媒
反応基体61、即ち、二酸化チタンの薄膜からなる光触
媒2を担持したガラス繊維の基体1(フィルタ状集合
体)と、この光触媒反応基体61(光触媒2)を照射可
能に配置され、波長360〜400nmの紫外線を主に
放射する発光ダイオード3とを基本的要素として備えて
いる。そして、その作用は第四実施例及び第五実施例と
同じであり、発光ダイオード3の放射する紫外線によっ
て活性化された光触媒反応基体61(光触媒2)は、こ
れに接触する水道水中の有機化合物等を分解し、これを
浄化する。また、それと共に、水のクラスタ(水分子の
集合体)を細分化して、美味しく健康に良い水を形成す
る。この場合、光触媒反応基体61は、水道水と接触可
能な広い光触媒反応表面を有しているため、多量に流れ
る水道水も有効に処理されることができる。
【0087】また、本実施例の水道水浄化装置60によ
れば、特に紫外線源として発光ダイオード3を使用して
いることにより、非常にコンパクトに形成することがで
きる。しかも、二酸化チタンは化学的に安定な化合物で
あるので、その光触媒反応は減少したり消失することが
なく、殆ど永久的に持続される。そのため、活性炭等を
用いた同様な水道水浄化装置では不可欠なメンテナンス
も、殆ど不要である。
【0088】なお、本実施例のような光触媒反応基体6
1と発光ダイオード3とからなる浄化装置は、特にコン
パクトに形成することができることから、適当な水の循
環装置と組合わせて、観賞魚等の水槽の水の浄化装置と
して適用することができる。そして、これによれば、そ
の水槽の水を常に清浄に保つことができる。
【0089】〔第七実施例〕紫外線を受けて活性化され
た光触媒は、酸化力のある活性表面を形成するため、有
機化合物の分解等だけでなく、接触する細菌等を死滅さ
せ、或いはその増殖を阻害する殺菌作用または抗菌作用
も有している。以下の例は、この光触媒による殺菌作用
または抗菌作用を利用したものである。
【0090】図12は本発明の第七実施例の箸立て(飲
食具用収容容器)を示す断面図である。なお、同図にお
いて、これまでの実施例と同一または相当する部分には
同一の符号を用いている。
【0091】図12のように、全体を70で示す本実施
例の箸立ては、これまでの実施例と同様に、光触媒反応
基体71、即ち、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2
を担持した基体1を備え、この光触媒反応基体71を、
細菌等が付着し易く、しかも箸やスプーン等の飲食具の
先端が接触する部分であるそれの底部に配設したもので
ある。
【0092】具体的には、本実施例の箸立て70は、合
成樹脂材料からなる一般に筒状の本体部72と、食卓等
に載置可能な基台部73とを備え、これらは、例えばネ
ジ結合によって、分解可能に結合されている。そして、
基台部73には適数個の発光ダイオード3が上方に向け
て取付けられ、また、その上方には、ガラスまたは透明
なプラスチック材料からなるカバー74を介して、上記
の光触媒反応基体71が配されている。
【0093】ここで、光触媒反応基体71は、図9及び
図10の第五実施例の光触媒反応基体51と同様なもの
であり、筒状の本体部72の内面形状に従った形状のガ
ラス板を基体1とし、その上面側に二酸化チタンの薄膜
からなる光触媒2をコーティングによって形成したもの
である。なお、本実施例では、この光触媒反応基体71
には、その表面上に水が溜まらないように、小さな孔7
1aが複数設けられ、またその下面側に短い柱状の脚部
51bが設けられている。そのため、光触媒反応基体7
1は、容器としての本体部72の底部分を本質的に形成
し、収容された箸h等の下端を受けるものであるが、本
実施例では、真の底部分はカバー74によって形成され
ている。
【0094】本実施例の箸立て70はこのように形成さ
れており、乾電池等の適当な電源により発光ダイオード
3が作動されると、それの放射する紫外線は透明なカバ
ー74を透過し、更に光触媒反応基体71の基体1内を
透過して、その上表面に担持された光触媒2に当たり、
これを活性化する。そして、このように活性化された光
触媒2は高い酸化力を有し、これに接触する細菌或いは
カビ等の微生物を死滅させる。こうして、光触媒反応基
体71の表面は抗菌性の表面として形成され、またこれ
に付着する有機物も酸化分解されるため、常に衛生的に
保たれる。そのため、通常の箸立ての場合では、空気中
の雑菌等が特にその底部分に付着しまた繁殖して、これ
に収容された箸等の飲食具を汚染するが、本実施例の箸
立て70によれば、光触媒反応基体71によってその底
に相当する部分が形成されているため、その抗菌性によ
って細菌等の繁殖が防止され、箸h等の飲食具を衛生的
に収容し、保持することができる。また、光触媒反応基
体71の酸化力により空気中の臭成分等も分解されるた
め、本体部72内の空気は常に清浄に保たれる。なお、
本実施例の箸立て70において、本体部72内での細菌
等の繁殖をより確実に防止するために、カバー74の上
側表面にも光触媒2を担持させることができる。更に
は、本体部72の内側の全表面に光触媒2を担持させ
て、抗菌性の表面を形成することもできる。
【0095】このように本実施例の箸立て70(飲食具
用収容容器)は、光触媒反応基体71、即ち、二酸化チ
タンの薄膜からなる光触媒2を担持した基体1と、この
光触媒反応基体71(光触媒2)を照射可能に配置さ
れ、波長360〜400nmの紫外線を主に放射する発
光ダイオード3とを基本的要素として備え、その光触媒
反応基体71(光触媒2)を、細菌等が付着しまた繁殖
し易い部分、具体的には本体部72の底に相当する部
分、に配設したものである。したがって、その光触媒反
応基体71の表面(光触媒2)は殺菌力を有する抗菌表
面として形成されるので、細菌等の繁殖を防止し、箸h
等の飲食具を衛生的に収容することができる。そしてこ
の場合、発光ダイオード3は小さな発光素子であり、そ
の設置のために場所を取らないため、その箸立てはコン
パクトに形成されることができる。
【0096】ところで、本実施例のような抗菌性表面を
有する光触媒反応基体71(光触媒2を担持した基体
1)と発光ダイオード3とから基本的に形成される光触
媒装置は、箸等の飲食具の収容容器である箸立てだけで
なく、衛生が重要であるその他の種々の物品の収容容器
にも同様に適用することができる。そのような容器とし
ては、医療用器具を収容するための蓋付のトレー状容
器、皿や茶碗等の食器の収納容器、調味料等の食卓用品
の収容容器、洗面用具用容器或いは歯ブラシ立て、また
はこれらの据付け形の容器或いは収納部、更には、冷蔵
庫等である。また特殊なものとして、便器等も挙げられ
る。そして、これらの場合、光触媒反応基体71(光触
媒2)は細菌等が付着しまた繁殖し易い場所に適用さ
れ、またこれを照射可能に発光ダイオード3が配置され
る。またこれらの場合、光触媒反応基体71(光触媒
2)は本実施例のように容器自体とは別体に形成される
ことができるが、本実施例においてカバー74の表面に
光触媒2を担持させた場合のように、或いは図6の場合
のように、その容器自体を形成する一部として形成する
こともできる。なお、本実施例の箸立て70の場合を含
めて、光触媒反応基体71(光触媒2)を抗菌性表面の
形成のために適用する場合には、発光ダイオード3を所
定時間の間隔で間欠的に作動させるように電源を制御す
ることが、消費電力の節約のために好ましい。
【0097】〔第八実施例〕図13は本発明の第八実施
例のマイク装置(マイクロホン)の先端要部を模式的に
示す断面図である。
【0098】なお、本実施例は、紫外線により活性化さ
れた光触媒(光触媒を担持する基体)が有する抗菌(殺
菌)表面をカラオケ等で使用するマイク装置に適用し、
それの清潔化を図ったものである。
【0099】図13のように、全体を80で示す本実施
例のマイク装置(マイクロホン)は、これまでの実施例
と同様に、光触媒反応基体81、即ち、二酸化チタンの
薄膜からなる光触媒2を担持した基体1と、発光ダイオ
ード3とを備えている。そして、この光触媒反応基体8
1は、マイク装置80の内枠として形成されている。
【0100】具体的には、本実施例のマイク装置80
は、把持部82と、その先端に設けられた音声を電気信
号に変える音声変換器83と、この音声変換器83を覆
うように設けられた半球状の内枠である上記の光触媒反
応基体81と、更にこの外周面を覆う金属の網体等から
なる外枠84とを備えている。なお、把持部82にはそ
のマイク装置のスイッチ85が設けられている。
【0101】そして、内枠としての光触媒反応基体81
は、透明材料である半球状のガラス板を基体1とし、そ
の外側の表面に二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を
コーティングにより担持させて形成されている。なおこ
の光触媒反応基体81には、音声が音声変換器83に十
分に届くように、1つのまたは複数の開口81aが設け
られている。また、発光ダイオード3は、音声変換器8
3と光触媒反応基体81との間の適当な場所に、その光
触媒反応基体81を照射可能に適数個取付けられてい
る。なおこの発光ダイオード3は、タイマを使用して、
例えばスイッチ85を入れた時から所定時間の間(例え
ば、10分間程度)作動されるようにすることができ
る。
【0102】このように、本実施例のマイク装置80
は、その内枠としての光触媒反応基体81、即ち、二酸
化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持したガラス材料
の基体1と、この光触媒反応基体81(光触媒2)を照
射可能に配置され、波長360〜400nmの紫外線を
主に放射する発光ダイオード3とを抗菌(殺菌)表面を
形成するための基本的要素として備えている。その作用
はこれまでの実施例と同じであり、発光ダイオード3が
作動されると、それの放射する紫外線は光触媒反応基体
81の基体1を透過し、その外側表面の光触媒2に当た
り、これを活性化する。そして、活性化された光触媒反
応基体81(光触媒2)はその酸化力により殺菌力(抗
菌力)を有するため、付着した細菌等を死滅させる。そ
のため、本実施例のマイク装置80によれば、発声時の
唾液と共に細菌等が付着して不潔になり易いマイク装置
の内部を、常に清潔に保つことができる。また、活性化
された光触媒反応基体81(光触媒2)は有機化合物の
酸化分解作用も有するため、そのマイク装置の内部を脱
臭し、また唾液成分による汚染を防止することができ
る。
【0103】また、本実施例では、光触媒反応基体81
(光触媒2)を活性化する紫外線源として、小さな素子
である発光ダイオード3を使用している。したがって、
その設置のために場所を取らないため、在来の構造のマ
イク装置であっても、その構造を変えることなく容易に
配設することができる。そのため、本実施例のマイク装
置81は、カラオケ用だけでなく、各種の用途のマイク
装置に適用することができる。また、電話におけるマイ
ク装置、即ち、送話器にも適用することができる。そし
てこれらの場合、内枠としての光触媒反応基体81は、
それぞれのマイク装置の具体的形状に従ったものとして
形成される。また、本実施例の場合も含めてこれらの場
合、そのマイク装置の外枠84は適宜省くことができ、
光触媒反応基体81を外枠として形成することもでき
る。
【0104】なお、このように発光ダイオードの設置の
ために場所を取らないため、光触媒を抗菌性(殺菌性)
表面の提供に利用した光触媒反応基体と発光ダイオード
とを基本的に備えた光触媒装置(抗菌装置)は、マイク
装置だけでなく、清潔さが求められるその他の種々の物
品と場所に適用することができる。そのような例として
は、例えば、前述のようなカラオケ等のマイク装置を支
持するマイク支持装置を挙げることができ、それにおけ
るマイクとの当接部にその光触媒装置を適用することが
できる。また、電話器においては、前述の送話部だけで
なく、受話部、及びこれらの送話部及び受話部が載置さ
れる本体側の部分等にも、その光触媒装置を適用するこ
とができる。
【0105】〔第九実施例〕図14は本発明の第九実施
例の履物脱臭装置を示す断面図である。
【0106】なお、本実施例は、これまでの実施例にお
いて種々の形態で用いられている光触媒反応基体、即
ち、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2を担持した基
体1を、更に特別な形状として履物の脱臭に適用したも
のである。
【0107】図14のように、全体を90で示す本実施
例の履物脱臭装置は、靴やスリッパ等の履物sの内部を
脱臭するためのもので、これまでの実施例と同様に、光
触媒2を担持した基体1、即ち、光触媒反応基体91
と、この光触媒反応基体91(光触媒2)を照射可能に
配置され、波長360〜400nmの紫外線を主に放射
する発光ダイオード3とを基本的要素とする光触媒装置
を備えている。ここで、この光触媒反応基体91は、具
体的には、靴sの底面に対応する平板状の底面部91a
と、靴sの先端の上皮部分に対応してフード状に形成さ
れたカバー部91bとを備え、したがって、その先端部
分は中空状に形成され、全体として小さなスリッパのよ
うな形状に形成されている。なお底面部91aは、靴s
の底面の一般的形状に従って先端に丸みを有する靴敷状
の平板形状に形成され、また、種々のサイズの靴sに対
応するように、少し小さ目の寸法で形成されている。そ
してこの光触媒反応基体91は透明材料であるガラス板
を基体1として形成され、それの靴sの内面と対向する
側の表面全体に、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒2
がコーティングによって形成され、担持されている。
【0108】そして、この光触媒反応基体91には、プ
ラスチック材料等から形成された把持部93を備える本
体92が、例えば、ネジ等を使用して固定されている。
また、この本体92には本実施例では2個の発光ダイオ
ード3が取付けられ、そのうちの1個は光触媒反応基体
91の先端部分を主に照射するように、またもう1個は
底面部91aの中央部分から後方部分の範囲を主に照射
するように、それぞれ取付けられ、配置されている。
【0109】本実施例の履物脱臭装置90はこのように
形成され、靴s等の履物内に挿入可能な光触媒反応基体
91、即ち、光触媒2を担持した基体1と、これに結合
された把持部93を有する本体92と、この本体92に
光触媒反応基体91(光触媒2)を照射可能に取付けら
れた発光ダイオード3とを備えている。したがって、本
実施例の履物脱臭装置90を靴s等の履物内に挿入し、
発光ダイオード3を作動すると、第一実施例乃至第三実
施例の場合と同様に、それの放射する紫外線によって光
触媒反応基体91(光触媒2)が活性化され、その光触
媒反応によりその履物内に充満する臭成分が分解され
る。そのため、靴s等の履物内の悪臭を消臭し、脱臭す
ることができる。またこの場合、活性化された光触媒反
応基体91(光触媒2)は殺菌作用も有するので、これ
が履物の内面に接触することによって、それに付着した
細菌等の少なくとも一部を死滅させることができる。
【0110】こうして、本実施例の履物脱臭装置90に
よれば、狭い空間に封じられ、それの発生自体を予防す
る以外に有効な方法のない履物内の悪臭も、容易に脱臭
することができる。そして、このように履物内に挿入可
能なコンパクトな脱臭装置90を得ることができるの
も、光触媒反応基体91(光触媒2)を活性化するため
の紫外線源として、小さな発光素子である発光ダイオー
ド3を使用しているからである。なお、この発光ダイオ
ード3を作動する電源としては、乾電池或いは家庭用電
源等の任意の電源を利用することができる。ただし、そ
の発光ダイオード3の作動は、履物脱臭装置90が履物
内に挿入されている時の所定時間の間だけなされるよう
に、スイッチ手段及びタイマ等を用いて制御されること
が好ましい。それによって、不必要な発光ダイオード3
の作動をなくし、消費電力を必要な最小限に止めること
ができる。
【0111】ところで、本実施例の履物脱臭装置90
は、履物の脱臭のためには、対で、即ち、2個必要であ
るが、この対の履物脱臭装置90は、それぞれ別個の同
じものであることができ、また、対として相互に実質的
に一体化されたものであることもできる。しかし、光触
媒反応基体91の底面部91aを、靴sのような対の履
物の左右の靴底形状に合致させて形成した場合には、後
者の態様となる。また、本実施例では、光触媒反応基体
91と発光ダイオード3とを所定の配置関係で組付ける
ための本体92を、把持部93を有するものとして形成
したが、この把持部93は適宜省くことができる。そし
て、履物がスリッパのようなものである場合には、その
本体92は、所謂、「スリッパ立て」のように形成する
ことができる。なおまた、履物がスリッパのような偏平
なものである場合には、光触媒反応基体91は、カバー
部91bを省いて実質的に底面部91aのみから形成す
ることもできる。ただしこの場合、その底面部91aの
上面側にも光触媒2を形成することが好ましい。
【0112】なお、以上に説明した実施例においては、
基体(光触媒反応基体)はいずれも変形しないものとし
て形成され、または変形しない状態で使用されている
(第二、第六実施例)が、この基体は屈曲変形可能な、
例えばガラス繊維の織物(布帛)として形成することも
できる。そして、このような基体は、これに光触媒反応
基体21を担持させて、例えば足拭き用抗菌マットを形
成するための基帛として利用することができる。
【0113】また、以上の実施例はいずれも日常生活に
関連したもので、特に小型の装置として具体化したもの
であるが、本発明の装置はこれらの例に限定されるもの
ではく、例えば工業的に利用可能な大型の装置としても
具体化することができ、更には、内燃機関の燃焼用空気
の処理装置またはその排気ガスの処理装置等としても具
体化することができる。
【0114】
【発明の効果】以上のように、請求項1の光触媒装置
は、二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担持し、光触
媒反応表面を有する基体と、この光触媒を照明可能に配
置され、波長360〜400nmの紫外線を主に放射す
る発光ダイオードとを具備するものである。
【0115】したがって、紫外線を放射する発光ダイオ
ードを備えるので、太陽光或いは蛍光灯等の照明光が当
たらない場所であっても、それが放射する紫外線によっ
て基体に担持された二酸化チタンの薄膜からなる光触媒
を活性化し、有機化合物の分解等の光触媒反応を生じさ
せることができる。また、発光ダイオードは非常に小さ
な発光素子であると共に、作動電圧が小さいため、乾電
池或いは簡単な発電手段等によっても発光させることが
できる。そのため、発光ダイオードは設置のための空間
を多く必要としないので、狭い場所等を含むあらゆる場
所に容易に適用することができ、また、光触媒を担持し
た基体と合わせた装置全体を、コンパクトな構造に形成
することができる。更に、発光ダイオードによれば、光
触媒の活性化のための紫外線を比較的狭いスペクトルで
効率良く放射させることができると共に、その個数を調
整すること等によって光触媒反応に必要とされる量に応
じた紫外線容量を放射させることができる。そのため、
消費電力の少ない装置を形成することができる。
【0116】故に、請求項1の光触媒装置は、あらゆる
場所に適用することができ、特に、請求項4にかかる空
気の浄化装置、請求項7にかかる水の浄化装置、請求項
10にかかる抗菌装置等のその応用装置は、光触媒によ
る空気または水の浄化、或いは抗菌(殺菌)等の光触媒
反応を種々の具体的用途に有効に利用することができ
る。
【0117】また、請求項2の光触媒装置、請求項5の
空気の浄化装置、請求項8の水の浄化装置、請求項11
の抗菌装置は、請求項1、請求項4、請求項7、請求項
10の前記基体を透明なガラス材料から形成したもので
あるから、発光ダイオードからの波長360〜400n
mの紫外線を高効率で照射することができ、必要に応じ
て表裏或いは全面を使用することができ、更には、積層
させたものに対しての透光性が確保できる。
【0118】そして、請求項3の光触媒装置、請求項6
の空気の浄化装置、請求項9の水の浄化装置、請求項1
2の抗菌装置は、請求項1、請求項4、請求項7、請求
項10の前記発光ダイオードを、pn接合された窒化ガ
リウム(GaN)系光半導体の結晶体としたものである
から、人体等に悪い影響をもたらす紫外線の発光量が僅
少な発光ダイオードとすることができ、人体に対し無害
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例の脱臭器の要部を
原理的に示す説明図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施例の脱臭器の全体
を、一部を切欠いて示す正面図であり、その切断面は図
3のB−B線に沿ったものである。
【図3】 図3は図2のA−A線断面図である。
【図4】 図4は本発明の第二実施例の脱臭装置(空気
浄化装置)を示す断面図である。
【図5】 図5は図4のC−C線断面図である。
【図6】 図6は本発明の第三実施例の脱臭(消臭)装
置(自動車の灰皿装置)を示す断面図である。
【図7】 図7は図6の光触媒反応基体の表面を拡大し
て示す断面図である。
【図8】 図8は本発明の第四実施例の飲料水の浄化装
置(ポットとポット受との組合せ)を示す断面図であ
る。
【図9】 図9は本発明の第五実施例の飲料水の浄化装
置(温水ポット)を概略的に示す断面図である。
【図10】 図10は図9の光触媒反応基体を示す平面
図である。
【図11】 図11は本発明の第六実施例の水道水の浄
化装置を示す断面図である。
【図12】 図12は本発明の第七実施例の箸立て(飲
食具用収容容器)を示す断面図である。
【図13】 図13は本発明の第八実施例のマイク装置
(マイクロホン)の要部を模式的に示す断面図である。
【図14】 図14は本発明の第九実施例の履物脱臭装
置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 光触媒(二酸化チタンの薄膜) 3 発光ダイオード 10,20,30,90 空気の浄化装置(脱臭装
置) 40,50,60 飲料水(水道水)の浄化装置 70,80 抗菌装置 11,21,31,41,51,61,71,81,9
1 光触媒反応基体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、光触媒反応表面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、波長360〜400
    nmの紫外線を主に放射する発光ダイオードと、を具備
    することを特徴とする光触媒装置。
  2. 【請求項2】 前記基体は、透明なガラス材料からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光触媒装置。
  3. 【請求項3】 前記発光ダイオードは、pn接合された
    窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体からなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒
    装置。
  4. 【請求項4】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、空気と接触する光触媒反応表面を有する基体と、
    前記光触媒を照明可能に配置され、波長360〜400
    nmの紫外線を主に放射する発光ダイオードとを具備す
    ることを特徴とする空気の浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記基体は、透明なガラス材料からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気の浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記発光ダイオードは、pn接合された
    窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体からなるこ
    とを特徴とする請求項4または請求項5に記載の空気の
    浄化装置。
  7. 【請求項7】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を担
    持し、水と接触する光触媒反応表面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、波長360〜400
    nmの紫外線を主に放射する発光ダイオードとを具備す
    ることを特徴とする水の浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記基体は、透明なガラス材料からなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の水の浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記発光ダイオードは、pn接合された
    窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体からなるこ
    とを特徴とする請求項7または請求項8に記載の水の浄
    化装置。
  10. 【請求項10】 二酸化チタンの薄膜からなる光触媒を
    担持し、付着する細菌類に対して抗菌性の光触媒反応表
    面を有する基体と、 前記光触媒を照明可能に配置され、波長360〜400
    nmの紫外線を主に放射する発光ダイオードとを具備す
    ることを特徴とする抗菌装置。
  11. 【請求項11】 前記基体は、透明なガラス材料からな
    ることを特徴とする請求項10に記載の抗菌装置。
  12. 【請求項12】 前記発光ダイオードは、pn接合され
    た窒化ガリウム(GaN)系光半導体の結晶体からなる
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の
    抗菌装置。
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