JP2005326137A - 空気調和機 - Google Patents

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繁治 平良
Taro Kuroda
太郎 黒田
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、従来よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる空気調和機を提供することにある。
【解決手段】 空気調和機1,301は、樹脂部24,251,252,253,307および光触媒機能を有するアパタイトを備える。樹脂部は、空気配送路を構成する。そして、光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂部の少なくとも一部に設けられる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気を調和するための空気調和機に関する。
従来、空気調和機の室内機の空気吸い込み部、エアフィルタ、熱交換器、スクロール、ファン、および空気吹き出し口などの表面に光半導体触媒層を設け、室内機内部で臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−196399号公報
本発明の課題は、従来よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる空気調和機を提供することにある。
第1発明に係る空気調和機は、樹脂製管状体、光触媒機能を有するアパタイト、および透明部を備える。なお、ここにいう「空気調和機」には、エアコン、除湿機、加湿機、酸素富化機、全熱交換器、空気ダクトシステム等が含まれる。樹脂製管状体は、屋内に空気を配送するための部材である。また、ここにいう「樹脂製管状体」とは、例えば加湿空気供給ホース、酸素富化空気供給ホース、全熱交換器の給気管や排気管、および空気ダクトなどである。光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂製管状体の少なくとも一部に設けられる。なお、ここにいう「光触媒機能を有するアパタイト」とは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトなどである。また、この光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂部に配合されていてもよいし樹脂表面にコーティングされていてもよい。透明部は、樹脂製管状体の少なくとも一部に設けられる。
通常、二酸化チタンなどに代表される光半導体触媒は、菌やウィルスなどを積極的に捕集する能力に劣る。これに対して、この光触媒機能を有するアパタイトは、菌やウィルスなどを強力に吸着することによって、それらの増殖を阻止ないし抑制し得る。そして、このアパタイトに紫外線などの所定の波長領域の光が照射されれば、その菌やウィルスなどが分解除去される。
ここでは、光触媒機能を有するアパタイトが、樹脂部の少なくとも一部に設けられる。このため、この空気調和機では、従来の光半導体触媒を担持した空気調和機よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。また、ここでは、透明部が、樹脂製管状体の少なくとも一部に設けられる。このため、この空気調和機では、外光を利用することができる。
発明に係る空気調和機は、第1発明に係る空気調和機であって、加湿ユニットおよび室内ユニットをさらに備える。加湿ユニットは、空気を加湿する。室内ユニットは、屋内に配置される。そして、樹脂製管状体は、加湿ユニットにより加湿された空気を室内ユニットに供給するためのホース、パイプ、またはダクトである。
ここでは、樹脂製管状体が、加湿ユニットにより加湿された空気を室内ユニットに供給するためのホース、パイプ、またはダクトである。このため、この空気調和機では、加湿ホースや加湿ダクトなどを清潔に保つことができる。
発明に係る空気調和機は、第1発明または第2発明に係る空気調和機であって、光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂製管状体に配合されている。
ここでは、光触媒機能を有するアパタイトが、樹脂製管状体に配合されている。このため、樹脂部の製造方法をほとんど変更にすることなく清浄機能を有する樹脂製管状体を製造することができる。また、二酸化チタンなどの光半導体触媒は活性時に樹脂を浸食するため樹脂に配合される場合には特殊なバインダを必要としたが、光触媒機能を有するアパタイトは、菌やウィルスなどに対して二酸化チタンよりも高い分解能力を示すにもかかわらず、活性時に樹脂をほとんど浸食しない。このため、特殊なバインダを必要としない。したがって、より低コストで清浄機能を有する樹脂製管状体を製造することができる。
発明に係る空気調和機は、第1発明から第発明のいずれかに係る空気調和機であって、樹脂製管状体は、光触媒機能を有するアパタイトが設けられる部分が粗面加工されている。
ここでは、樹脂製管状体の光触媒機能を有するアパタイトが設けられる部分が粗面加工されている。このため、樹脂製管状体の表面により多くの光触媒機能を有するアパタイトを設けることができる。したがって、この空気調和機では、さらに高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。
発明に係る樹脂製管状体は、屋内に空気を配送するための樹脂製管状体であって、光触媒機能を有するアパタイトおよび透明部を備える。なお、ここにいう「樹脂製管状体」とは、例えば、加湿空気供給ホース、酸素富化空気供給ホース、全熱交換器の給気管や排気管、および空気ダクトなどである。なお、この光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂製管状体の内部に流れる空気と接触するように設けられる。また、ここにいう「光触媒機能を有するアパタイト」とは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトなどである。また、この光触媒機能を有するアパタイトは、樹脂製管状体そのものに配合されていてもよいし樹脂製管状体の内表面にコーティングされていてもよい。
通常、二酸化チタンなどに代表される光半導体触媒は、菌やウィルスなどを積極的に捕集する能力に劣る。これに対して、この光触媒機能を有するアパタイトは、菌やウィルスなどを強力に吸着することによって、それらの増殖を阻止ないし抑制し得る。そして、このアパタイトに紫外線などの所定の波長領域の光が照射されれば、その菌やウィルスなどが分解除去される。
ここでは、光触媒機能を有するアパタイトが、樹脂製管状体の内部に流れる空気と接触するように設けられる。このため、この樹脂製管状体では、従来の光半導体触媒を担持した樹脂製管状体よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。また、ここでは、樹脂製管状体に透明部が設けられている。このため、この樹脂製管状体では、外光を利用することができる。
第1発明に係る空気調和機では、従来の光半導体触媒を担持した空気調和機よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。また、この空気調和機では、外光を利用することができる。
発明に係る空気調和機では、加湿ホースや加湿ダクトなどを清潔に保つことができる。
発明に係る空気調和機では、樹脂製管状体の製造方法をほとんど変更にすることなく清浄機能を有する樹脂製管状体を製造することができる。
発明に係る空気調和機では、さらに高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。
第5発明に係る樹脂製管状体では、従来の光半導体触媒を担持した樹脂製管状体よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができる。また、この樹脂製管状体では、外光を利用することができる。
<第1実施形態>
〔空気調和機の全体構成〕
本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の外観を図1に示す。
この空気調和機1は、室内の壁面に取り付けられる壁掛け型の室内機2と、室外に設置される室外機3とを備える。
室内機2内には室内熱交換器が収納され、室外機3内には室外熱交換器が収納されており、各熱交換器が冷媒配管4により接続されることにより冷媒回路を構成している。
〔空気調和機の冷媒回路の構成概略〕
空気調和機1の冷媒回路の構成を図2に示す。この冷媒回路は、主として室内熱交換器20、アキュムレータ31、圧縮機32、四路切換弁33、室外熱交換器30及び電動膨張弁34で構成される。
室内機2に設けられている室内熱交換器20は、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内機2には、室内空気を吸い込んで室内熱交換器20に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するためのクロスフローファン21が設けられている。クロスフローファン21は、円筒形状に構成され、周面には回転軸方向に羽根が設けられているものであり、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。このクロスフローファン21は、室内機2内に設けられる室内ファンモータ22によって回転駆動される。室内機2の詳細な構成については後に説明する。
室外機3には、圧縮機32と、圧縮機32の吐出側に接続される四路切換弁33と、圧縮機32の吸入側に接続されるアキュムレータ31と、四路切換弁33に接続された室外熱交換器30と、室外熱交換器30に接続された電動膨張弁34とが設けられている。電動膨張弁34は、フィルタ35および液閉鎖弁36を介して配管41に接続されており、この配管41を介して室内熱交換器20の一端と接続される。また、四路切換弁33は、ガス閉鎖弁37を介して配管42に接続されており、この配管42を介して室内熱交換器20の他端と接続されている。この配管41,42は、図1の冷媒配管4に相当する。また、室外機3には、室外熱交換器30での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン38が設けられている。このプロペラファン38は、ファンモータ39によって回転駆動される。
〔室内機の構成〕
図3に室内機2の側面断面図を示す。
室内機2は、上述したクロスフローファン21や室内熱交換器20などと、これらを収容する室内機ケーシング23aとを備えている。
クロスフローファン21は、室内ファンモータ22によって中心軸周りに回転駆動されることにより、吸込み口251から取り込まれ室内熱交換器20を通り吹出し口252から室内へと吹き出す空気流を生成する。クロスフローファン21は、側面視において室内機2の概ね中央に位置している。
室内熱交換器20は、クロスフローファン21の前方、上方および後部上方を取り囲むように取り付けられている。室内熱交換器20は、クロスフローファン21の駆動により吸込み口251から吸い込まれた空気をクロスフローファン21側に通過させ、伝熱管の内部を通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器20は、側面視において概ね逆V字型の断面形状を有している。なお、この室内熱交換器20の下部には、ドレンパン29a,29bが設けられている。このドレンパン29a,29bは、冷房時に室内熱交換器20の表面に生じる露が室内に落下しないように受け止める役目を果たす。
(室内機ケーシング23aの構成)
室内機ケーシング23aは、主として、スクロール24、前面グリル25aおよびフロントパネル26aにより構成されている。
スクロール24は、室内機2の背面を構成しており、室内熱交換器20およびクロスフローファン21の後方を覆っている。
前面グリル25aは、室内機2の天面、側面、下面を覆うように形成されており、前面グリル25aの前部にはフロントパネル26aが取り付けられる(図3および図4参照)。前面グリル25aの天面には、複数のスリット状の開口からなる吸込み口251が設けられている。吸込み口251は、前面グリル25aの天面の略全体に亘って設けられている。前面グリル25aの下面の前側には、室内機2の長手方向に沿う開口からなる吹出し口252が設けられている。また、吹出し口252には、室内へと吹出す空気が案内される水平フラップ253が設けられている。この水平フラップ253は、室内機2の長手方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられている。水平フラップ253は、フラップモータ(図示せず)によって回動することにより、吹出し口252の開閉を行うことができる。
フロントパネル26aは、室内機2の前面に配置されている。フロントパネル26aは、前面グリル25aとは別体として形成されており、前面グリル25aの前面を覆うように取り付けられている。フロントパネル26aの表側は、水平に設けられた段差によって上下に分かれた2つの面によって構成されているが、各面は概ね平坦に形成されており、凹凸および穴やスリットなどの開口部のない滑らかな表面となっている。また、段差部分は平面的な開口となっており、この開口からも室内の空気が吸い込まれる(図3の白抜き矢印A1参照)。
前面グリル25aの前面には、図4に示すように開口254が設けられている。前面グリル25aの前面とフロントパネル26aとの間に各種のフィルタ50,51,52が取り付けられることにより、この開口254がフィルタ50,51,52に覆われる。このフィルタ50,51,52には、プレフィルタ50、空気清浄フィルタ51および光触媒フィルタ52がある。
プレフィルタ50は、塵や埃を通過する空気から除去することができる。プレフィルタ50は、前面グリル25aの前面から天面までを覆うように設けられている。プレフィルタ50のうち前面グリル25aの天面に位置する部分は、天面の吸込み口251のすぐ内側に位置している。
空気清浄フィルタ51は、前面グリル25aの前面上部であって、プレフィルタ50の内側に設けられる。空気清浄フィルタ51は、プレフィルタ50よりも細かい埃やタバコの煙、花粉などを通過する空気から除去することができる。
光触媒フィルタ52は、前面グリル25aの前面下部に設けられており、通過する空気から臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを除去することが出来る。臭気成分とは、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素などであり、タバコ、生ゴミ、建築材などから生じる悪臭の原因となる成分である。有害ガスとは、NOxやSOxなど、車の排気ガスなどに含まれている有害な成分である。光触媒フィルタ52は、ハニカム構造を有するシート状に形成されており、主としてチタンアパタイトを含有している。なお、このチタンアパタイトとは、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトである。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着する。さらに、このチタンアパタイトは、光触媒機能を有しており、光によって強力な酸化力を発揮し、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを分解して無害化することができる。
〔空気調和機のセルフクリーニング機能〕
この空気調和機1の室内機2を構成する部材であるクロスフローファン21、前面グリル25a(吸込み口251、吹出し口252、スクロール24、およびドレンパン29a,29bを含む)、フロントパネル26a、およびフラップ253は樹脂成形体であり、この樹脂には、チタンアパタイトが配合されている。なお、この樹脂成形体21,25a,26a,253は、表面がおおよそ平滑である。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。また、室内熱交換器20はアルミニウムなどの金属体であるが、その表面にはチタンアパタイトがコーティングされている。
上述したように、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着する。そして、これらのチタンアパタイトは、外光や、室内熱交換器20とクロスフローファン21との間に配置される紫外線ランプ60(図3参照)によって、強力な酸化力を発揮し、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを分解して無害化することができる。なお、吸込み口251、吹出し口252、およびスクロール24、フラップ253、フロントパネル26aの外面に存在するチタンアパタイトは、主に外光によって活性化される。
〔チタンアパタイトの菌およびウィルスに対する性能〕
チタンアパタイトのウィルス、菌、および毒素の不活化率を表1に示す。
Figure 2005326137
なお、これらの不活化率は、財団法人 日本食品分析センターにおいて、以下に示す方法で測定されている。
1.インフルエンザウィルスの不活化率
(1)試験概要
チタンアパタイトが塗布されているフィルタ(約30mm×30mm)にインフルエンザウィルス浮遊液を滴下し、室温にて暗条件(遮光)および明条件〔ブラックライト照射下(フィルタとブラックライトとの距離 約20cm)〕で保存し、24時間後のウィルス感染価を測定した。
(2)不活化率の計算
不活化率=100×(1−10B/10A
A:接種直後のウィルス感染価
B:光照射下24時間後のフィルタのウィルス感染価
(3)試験方法
A.試験ウィルス:インフルエンザウィルスA型(H1N1)
B.使用細胞:MDCK(NBL−2)細胞 ATCC CCL−34株〔大日本製薬株式会社〕
C.使用培地
a)細胞増殖培地
Eagle MEM(0.06mg/mlカナマイシン含有)に新生コウシ血清を10%加えたものを使用した。
b)細胞維持培地
以下の組成の培地を使用した。
Eagle MEM 1,000mL
10% NaHCO3 24〜44mL
L−グルタミン(30g/L) 9.8mL
100×MEM用ビタミン液 30mL
10% アルブミン 20mL
トリプシン(5mg/mL) 2mL
D.ウィルス浮遊液の調製
a)細胞の培養
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組織培養用フラスコ内に単層培養した。
b)ウィルスの接種
単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウィルスを接種した。次に、細胞維持培地を加えて37℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で2〜5日間培養した。
c)ウィルス浮遊液の調製
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、80%以上の細胞に形態変化(細胞変成効果)が起こっていることを確認した。次に培養液を遠心分離(3,000r/min、10分間)し、得られた上澄み液をウィルス浮遊液とした。
E.試料の調製
フィルタ(約30mm×30mm)を湿熱滅菌(121℃、15分間)後1時間風乾し、プラスチックシャーレに入れ、ブラックライト(ブラックライトブルー、FL20S BL−B 20 W、2本平行)を12時間以上照射したものを試料とした。
F.試験操作
試料にウィルス浮遊液0.2mLを滴下した。室温にて遮光およびブラックライト照射下(フィルタとブラックライトとの距離 約20cm)で保存した。また、ポリエチレンフィルムを対照試料として、同様に試験した。
G.ウィルスの洗い出し
保存24時間後、試験片中のウィルス浮遊液を細胞維持培地2mLで洗い出した。
H.ウィルス感染価の測定
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組織培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除き細胞維持培地を0.1mLずつ加えた。次に、洗い出し液およびその希釈液0.1mLを4穴ずつに接種し、37℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で4〜7日間培養した。培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変成効果)の有無を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して洗い出し液1mL当たりのウィルス感染価に換算した。
2.大腸菌(O−157)、黄色ブドウ球菌およびクロカワカビの不活化率
(1)試験概要
抗菌製品技術協議会 試験法「抗菌加工製品の抗菌力評価試験法III(2001年度版)光照射フィルム密着法」〔以下「光照射フィルム密着法(抗技協2001年度版)」という。〕を参考にして、フィルタの抗菌力試験を行った。
なお、試験は以下の通りに実施した。
試料に大腸菌、黄色ブドウ球菌およびクロカワカビの菌液を滴下し、その上に低密度ポリエチレンフィルムをかぶせ、密着させた。これらを室温(20〜25℃)、暗条件(遮光)および明条件〔ブラックライト照射下(フィルタとブラックライトとの距離 約20cm)〕で保存し、24時間後の生菌数を測定した。
(2)試験方法
A.試験菌株
細菌:
Escherichia coli IFO 3972(大腸菌)
Staphylococcus aureus subsp. aureus IFO 12732(黄色ブドウ球菌)
カビ:
Cladosporium cladosporioides IFO 6348(クロカワカビ)
B.試験培地
NA培地:普通寒天培地〔栄研化学株式会社〕
1/500NB培地:肉エキス0.2%を添加した普通ブイヨン〔栄研化学株式会社〕をリン酸緩衝液で500倍に希釈し、pHを7.0±0.2に調製したもの
SCDLP培地:SCDLP培地〔日本製薬株式会社〕
SA培地:標準寒天培地〔栄研器材株式会社〕
PDA培地:ポテトデキストロース寒天培地〔栄研器材株式会社〕
C.菌液の調製
細菌:
NA培地で35℃、16〜24時間前培養した試験菌株をNA培地に再度接種して35℃、16〜20時間培養した菌体を1/500NB培地に均一に分散させ、1mL当たりの菌数が2.5×105〜1.0×106となるように調製した。
カビ:
PDA培地で25℃、7〜10日間培養した後、胞子(分生子)を0.005%スルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液に浮遊させ、ガーゼでろ過後、1mL当たりの胞子数が2.5×105〜1.0×106となるように調製した。
D.試料の調製
フィルタ(約50mm×50mm)を湿熱滅菌(121℃、15分間)後1時間風乾し、プラスチックシャーレに入れ、ブラックライト(ブラックライトブルー、FL20S BL−B 20 W、2本平行)を12時間以上照射したものを試料とした。
E.試験操作
試料に菌液0.4mLを滴下し、その上に低密度ポリエチレンフィルム(40mm×40mm)をかぶせ、密着させた。これらを室温(20〜25℃)、遮光およびブラックライト照射下(フィルタとブラックライトとの距離 約20cm)で保存した。また、ポリエチレンフィルムを対照試料として、同様に試験した。
F.生菌数の測定
保存24時間後にSCDLP培地で試料から生残菌を洗い出し、この洗い出し液の生菌数を、細菌はSA培地(35℃、2日間培養)、カビはPDA培地(25℃、7日間培養)を用いた混釈平板培養法により測定し、試料1個当たりに換算した。また、接種直後の測定は対照試料で行った。
3.エンテロトキシンの不活化率
(1)試験概要
試料にブドウ球菌エンテロトキシンA(以下、「SET−A」と略す。)を接種し、室温(20〜25℃)、暗条件(遮光)および明条件(紫外線強度約1mW/cm2の光照射下)で保存し、24時間後のSET−A濃度を測定し、分解率を算出した。
(2)試験方法
A.標準原液の調製
SET―A標準品〔TOXIN TECHNOLOGY〕を0.5%ウシ血清アルブミン含有1%塩化ナトリウム溶液で溶解し、5μm/mLの標準原液を調製した。
B.検量線用標準溶液
標準原液をVIDAX Staph enterotoxin(SET)〔bioMerieux〕付属の緩衝液で希釈し、0.2、0.5および1ng/mLの標準溶液を調製した。
C.試料の調製
フィルタを50mm×50mmの大きさに切断し、約1cmの距離からブラックライトを24時間照射したものを試料とした。
D.試験操作
試料をプラスチックシャーレに入れ、SET―A標準原液0.4mLを接種した。これらを室温(20〜25℃)、遮光および紫外線強度約1mW/cm2の光照射下(ブラックライト、FL20S BL−B 20 W、2本平行)で保存した。
保存24時間後にVIDAX Staph enterotoxin(SET)〔bioMerieux〕付属の緩衝液10mLで試料からSET−Aを洗い出し試料溶液とした。
なお、試料を入れないプラスチックシャーレにSET−A標準原液0.4mLを接種して直ちにVIDAX Staph enterotoxin(SET)〔bioMerieux〕付属の緩衝液10mLを加えたものを対照とした。
E.検量線の作成
検量線用標準溶液について、VIDAX Staph enterotoxin(SET)〔bioMerieux〕を用いたELISA法で測定し、標準溶液の濃度と蛍光強度から検量線を作成した。
F.SET―A濃度の測定および分解率の算出
試料溶液について、VIDAX Staph enterotoxin(SET)〔bioMerieux〕を用いたELISA法で蛍光強度を測定し、E.で作成した検量線からSET−A濃度を求め、次式により分解率を算出した。
分解率(%)=(対照の測定値−試料溶液の測定値)/対照の測定値×100
〔空気調和機の特徴〕
(1)
第1実施形態に係る空気調和機1では、クロスフローファン21、前面グリル25a(吸込み口251、吹出し口252、スクロール24、およびドレンパン29a,29bを含む)、フロントパネル26a、およびフラップ253が、チタンアパタイトが配合された樹脂により成形されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、外光や紫外線ランプ60によって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機1は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(2)
第1実施形態に係る空気調和機1では、室内熱交換器20にチタンアパタイトがコーティングされている。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、外光や紫外線ランプ60によって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機1は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(3)
第1実施形態に係る空気調和機1では、チタンアパタイトが、樹脂成形体211,25a,26a,253に配合されている。従来、二酸化チタンなどの光半導体触媒はコーティングされることが多かった。しかし、光半導体触媒をコーティングするためには製造工程を増やさざるを得ないため、製造コストがかさむという問題があった。しかし、ここでは、光触媒機能を有するチタンアパタイトが樹脂成形体に配合されている。このため、樹脂成形工程後に製造工程を追加する必要がない。したがって、製造コストをできるだけ低く抑えることができる。
(4)
第1実施形態に係る空気調和機1では、チタンアパタイトが、樹脂成形体211,25a,26a,253に配合されている。チタンアパタイトは、図8に示されるように、アセトアルデヒドに対して、従来のアナターゼ型の二酸化チタンよりも優れた分解処理性能を発揮する。なお、図8のグラフにおいて、縦軸は二酸化炭素濃度であり、横軸は時間である。つまり、アセトアルデヒドの分解により生じる二酸化炭素の濃度を測定することにより間接的に分解処理性能を測定していることになる。なお、この測定は、チタンアパタイトの表面積と二酸化チタンの表面積とを一致させて行われている。また、図8のグラフから明らかなように、チタンアパタイトの方が二酸化チタンよりも高い分解処理性能を示す。また、チタンアパタイトは3時間が経過しても一定の反応速度でアセトアルデヒドを分解し続けるのに対し、二酸化チタンは3時間を経過するとその分解能力がほぼ飽和し、両者の分解処理性能の差が著しくなる。このため、この空気調和機1は、菌やウィルスなどに対して、従来のアナターゼ型の二酸化チタンを利用した空気調和機よりも優れた分解処理能力を実現することができる。
また、図9に示されるように、アナターゼ型の二酸化チタンが菌やウィルスだけでなく自身を担持する基材(ウレタン樹脂)をも浸食するのに対し、チタンアパタイトは、基材をほとんど浸食しない。このため、チタンアパタイトは、従来のアナターゼ型の二酸化チタンを有機物に担持する際に使用されていた高価な特殊バインダを使用する必要がない。したがって、このチタンアパタイトを利用すれば、菌やウィルスなどに対して、優れた分解処理能力を提供することができるだけでなく、安価に光触媒機能を有する繊維を製造することができる。
〔変形例〕
(A)
第1実施形態に係る空気調和機1では、樹脂成形体21,25a,26a,253は表面がおおよそ平滑であったが、樹脂成形体21,25a,26a,253は、粗面加工されていてもよい。このようにすれば、より多くのチタンアパタイトを樹脂成形体21,25a,26a,253の表面に設けることができる。
(B)
第1実施形態に係る空気調和機1では、チタンアパタイトがクロスフローファン21、前面グリル25a(吸込み口251、吹出し口252、スクロール24、およびドレンパン29a,29bを含む)、フロントパネル26a、およびフラップ253などの樹脂成形体に配合されていたが、チタンアパタイトがそれらの樹脂成形体にコーティングされていてもよい。なお、この場合、樹脂成形体21,25a,26a,253の表面が粗面加工されていてもよい。このようにすれば、より多くのチタンアパタイトを樹脂成形体21,25a,26a,253の表面に設けることができる。また、チタンアパタイトと従来の光半導体触媒との混合物などが樹脂成形体21,25a,26a,253にコーティングされてもよい。
(C)
第1実施形態に係る空気調和機1では、チタンアパタイトの光触媒機能を活性化するために光源として紫外線ランプ60を採用したが、これに代えてLEDなどを光源として採用してもかまわない。LEDは紫外線ランプ60よりも安価であるので、製造コストを低減することができる。
(D)
第1実施形態に係る空気調和機1では、チタンアパタイトの光触媒機能を活性化するために光源として紫外線ランプを採用したが、これに代えてプラズマ発生器(例えば、グロー放電器、バリア放電器、およびストリーマ放電器など)などを採用してもかまわない。プラズマが発生すると、同時に紫外線が生じる、したがって、その紫外線によりチタンアパタイトの光触媒機能を活性化することができる。また、プラズマが発生すると、高速電子、イオン、オゾン、ヒドロキシラジカルなどのラジカル種や、その他の励起分子(励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子)などの活性種が生成するため、さらに効率よく臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを分解、無害化することができる。
(E)
第1実施形態では、クロスフローファン21、前面グリル25a、フロントパネル26a、およびフラップ253にチタンアパタイトが配合されていたが、チタンアパタイトを配合する対象は上記のような空気調和機1の室内機2の構成部品には限られない。例えば、全熱交換器の給気管や排気管、あるいは空気ダクトシステムの空気ダクト等が樹脂から成形されている場合には、これらにチタンアパタイトを配合してもよい。
<第2実施形態>
〔空気調和機の全体構成〕
本発明の第2実施形態に係る空気調和機301の外観を図5に示す。
この空気調和機301は、室内の壁面などに取り付けられる室内機302と、室外に設置される室外機303とに分かれて構成されている。室外機303は、室外熱交換器やプロペラファンなどを収納する室外空調ユニット305と加湿給排気ユニット304とを備えている。室内機302内には室内熱交換器が収納され、室外機303内には室外熱交換器が収納されている。そして、各熱交換器およびこれらの熱交換器を接続する冷媒配管331,332(図6参照)が、冷媒回路を構成している。また、室外機303と室内機302との間には、加湿給排気ユニット304からの室外空気や加湿空気などを室内機302側に供給するときや室内の空気を室外に排気するときに用いられる給排気管307が設けられている。
〔冷媒回路の構成〕
図6は、空気調和機301で用いられる冷媒回路の系統図に空気の流れの概略を付加したものである。
室内機302には、室内熱交換器311が設けられている。この室内熱交換器311は、長さ方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管が挿通される複数のフィンとからなり、接触する空気との間で熱交換を行う。
また、室内機302内には、クロスフローファン312と、クロスフローファン312を回転駆動する室内ファンモータ313とが設けられている。クロスフローファン312は、円筒形状に構成され、周面には多数の羽根が設けられており、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。このクロスフローファン312は、室内空気を室内機302内に吸い込ませるとともに、室内熱交換器311との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出させる。
室外空調ユニット305には、圧縮機321と、圧縮機321の吐出側に接続される四路切換弁322と、圧縮機321の吸入側に接続されるアキュムレータ323と、四路切換弁322に接続された室外熱交換器324と、室外熱交換器324に接続された電動弁325とが設けられている。電動弁325は、フィルタ326および液閉鎖弁327を介して冷媒配管332に接続されており、この冷媒配管332を介して室内熱交換器311の一端と接続される。また、四路切換弁322は、ガス閉鎖弁328を介して冷媒配管331に接続されており、この冷媒配管331を介して室内熱交換器311の他端と接続されている。これらの冷媒配管331,332は、図5の冷媒配管306に相当する。
また、室外空調ユニット305内には、室外熱交換器324での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン329が設けられている。このプロペラファン329は、室外ファンモータ330によって回転駆動される。
〔室外機の構成〕
室外機303は、図5に示すように下部の室外空調ユニット305および上部の加湿給排気ユニット304が一体となって構成されている。
まず、図7に基づいて室外空調ユニット305の構成について説明する。
(室外空調ユニットに係る構成)
室外空調ユニット305は、前面パネル351、側板352,353、保護金網(図示せず)、金属製の底板354などのケーシング部材や内部に収容される冷媒回路構成部品などにより構成されている。
前面パネル351は、室外空調ユニット305の前面を覆う樹脂製の部材であり、室外熱交換器324に対して室外熱交換器324を通った空気の下流側に配置されている。前面パネル351には、複数のスリット状の開口からなる室外空調ユニット吹出口351aが設けられており、室外熱交換器324を通った空気は、室外空調ユニット305の内部からこの室外空調ユニット吹出口351aを通って室外機303の外部へと吹き出す。また、前面パネル351の後方には、ファン吹出口部材356と仕切板357とが取り付けられる。
側板352,353には右側板352および左側板353があり、これらは室外空調ユニット305の側方を覆う金属製の部材である。ここでは、室外機303の正面視において右側に右側板352、左側に左側板353が設けられている。なお、各側板352,353は、室外熱交換器324を通って室外空調ユニット吹出口351aから吹き出す空気の吹き出し方向に対して概ね平行に設けられている。また、右側板352には、液閉鎖弁327およびガス閉鎖弁328(図6参照)を保護するための閉鎖弁カバー355が取り付けられる。
冷媒回路構成部品には、室外熱交換器324、圧縮機321、アキュムレータ323、四路切換弁322、電動弁325など(図6参照)がある。
室外熱交換器324は、平面視において略L字形状を有し、室外空調ユニット305の背面を覆う保護金網の前方に配置される。
室外熱交換器324の前方であって、仕切板357と左側板353との間の通気スペースには、室外ファンモータ330とプロペラファン329とが設けられている。室外ファンモータ330は、プロペラファン329を回転させる。プロペラファン329は、室外空調ユニット305内に取り入れた空気を室外熱交換器324と接触させ室外空調ユニット吹出口351aから前面パネル351の前方に排気させる。
圧縮機321、アキュムレータ323、四路切換弁322、電動弁325などの他の冷媒回路構成部品は、仕切板357と右側板352との間の機械室に配置されている。
また、室外空調ユニット305の上部には、電装品ユニット358が取り付けられる。この電装品ユニット358は、電装品箱と各部を制御するための回路部品を搭載したプリント基板とにより構成されている。電装品ユニット358の上方には防炎板359が取り付けられる。
(加湿給排気ユニットに係る構成)
次に加湿給排気ユニット304の構成について、主として図7に基づいて説明する。
A.加湿給排気ユニットケーシング
加湿給排気ユニット304は、加湿給排気ユニットケーシング340を有している。加湿給排気ユニットケーシング340は、加湿給排気ユニット304の前方、後方および両側方を覆っており、室外空調ユニット305の上部に接するように配置される。
加湿給排気ユニットケーシング340の前面には、複数のスリット状の開口からなる吸着用空気吹出口340aが設けられており、空気がこの吸着用空気吹出口340aを通って室外機303の外部へと吹き出す。
また、加湿給排気ユニットケーシング340の背面には、吸着用空気吸込口340bおよび給排気口340cが左右方向に並んで設けられている。吸着用空気吸込口340bは、吸加湿ロータ341に水分を吸着させるために室外から取り込まれる空気が通る開口である。給排気口340cは、室内機302へと送られるために取り込まれる空気が通る、または、室内機302から取り込まれて室外へと排気される空気が通る開口である。
また、加湿給排気ユニットケーシング340の上部は、天板366により覆われている。
加湿給排気ユニットケーシング340内は、右側が吸加湿ロータ341などを収容する空間、左側が吸着用ファン346などを収容する吸着用ファン収納空間SP1となっている。この加湿給排気ユニットケーシング340内には、吸加湿ロータ341、ヒータ組立体342、ラジアルファン組立体343、切換ダンパ344、吸着側ダクト345、吸着用ファン346などが配置されている。
B.吸加湿ロータ
吸加湿ロータ341は、概ね円板形状を有するハニカム構造のセラミックロータであり、空気が容易に通過できる構造となっている。吸加湿ロータ341は、平面視において円形を有するロータであり、水平面で切った断面において細かいハニカム(蜂の巣)状になっている。そして、これらの断面が多角形である吸加湿ロータ341の多数の筒部分を、空気が通過する。
吸加湿ロータ341の主たる部分は、ゼオライト、シリカゲル、あるいはアルミナといった吸着剤から焼成されている。このゼオライトなどの吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着し、加熱されることによって吸着して含有する水分を離脱する性質を有している。
この吸加湿ロータ341は、加湿給排気ユニットケーシング340側に設けられた支持軸340dに、図示しないロータガイドを介して回動可能に支持される。吸加湿ロータ341の周面には、ギヤが形成されており、ロータ駆動モータ347の駆動軸に取り付けられるロータ駆動ギヤ348と歯合している。
C.ヒータ組立体
ヒータ組立体342は、ヒータカバー342aと、その内部に収容されたヒータ本体(図示せず)とにより構成されており、室外から取り込まれて吸加湿ロータ341へ送られる空気を加熱する。また、ヒータ組立体342は、吸加湿ロータ341の上面の略半分(右側の半分)を覆うように配置されている。ヒータ組立体342の下面には、空気を吸入するための吸入口と、ヒータ組立体342で加熱された空気を吸加湿ロータ341側へ排出するための排出口とが形成されている。このヒータ組立体342は、ヒータ支持板349を介して吸加湿ロータ341の上方に取り付けられる。
D.ラジアルファン組立体
ラジアルファン組立体343は、吸加湿ロータ341の側方に配置されており、ラジアルファン(図示せず)と、ラジアルファンを回転させるラジアルファンモータ(図示せず)とを有する。また、ラジアルファン組立体343は、上蓋(図示せず)を切換ダンパ344と共有しており、上蓋は、ラジアルファン組立体343の底面を閉じている。上蓋には、空気吹出し口と空気取入れ口とが設けられている。空気吹出し口は、ラジアルファン組立体343から切換ダンパ344内へと送られる空気が通る開口である。空気取入れ口は、切換ダンパ344内からラジアルファン組立体343へと送られる空気が通る開口である。ラジアルファン組立体343は、給排気口340cから吸加湿ロータ341および切換ダンパ344を経て室内へと到る空気の流れを生成して、室外から取り入れた空気を室内機302へと送る。また、ラジアルファン組立体343は、室内機302から取り入れた空気を室外へと排出することもできる。ラジアルファン組立体343は、切換ダンパ344が切り換わることにより、これらの動作を切り換える。
ラジアルファン組立体343は、室外から取り入れた空気を室内機302へと送る場合には、吸加湿ロータ341を通過して吸加湿ロータ341の右側の略半分の部分のうち手前側の部分から降りてきた空気を、切換ダンパ344を経て給排気ダクト361へと送り出す。給排気ダクト361は、給排気管307(図5参照)に接続されており、ラジアルファン組立体343は、給排気ダクト361と給排気管307とを介して空気を室内機302へと供給する。
ラジアルファン組立体343は、室内機302から取り入れた室内の空気を室外へと排出する場合には、給排気ダクト361から送られてきた空気を加湿給排気ユニットケーシング340の背面に設けられた給排気口340cから室外へと排出する。
E.切換ダンパ
切換ダンパ344は、ラジアルファン組立体343の下方に配置される回転式の空気流路切換手段であり、第1状態、第2状態及び第3状態に切り替わる。
第1状態においては、ラジアルファン組立体343から吹き出された空気は、給排気ダクト361を経て給排気管307を通って室内機302へと供給されるようになる。これにより、第1状態では、図6の実線矢印A2で示す矢印の向きに空気が流れ、加湿空気あるいは室外空気が給排気管307を通って室内機302へと供給されるようになる。
第2状態では、図6の破線矢印A3で示す矢印の向きに空気が流れ、室内機302から給排気管307及び給排気ダクト361を通ってきた空気が、ラジアルファン組立体343から給排気口340cを経て室外へと排気される。
第3状態では、切換ダンパ344と給排気ダクト361とを繋ぐ経路が閉じられ、室外機303と室内機302との間の空気の流れが遮断される。
F.吸着側ダクトおよび吸着用ファン
吸着側ダクト345は、吸加湿ロータ341の上面のうちヒータ組立体342が位置しない部分(左側の略半分の部分)を覆っている。この吸着側ダクト345は、後述する吸着側ベルマウス363とともに、吸加湿ロータ341の左半分の部分の上面から以下に説明する吸着用ファン収納空間SP1の上部へと通じる空気流路を形成する。
吸着用ファン収納空間SP1に収容される吸着用ファン346は、吸着用ファンモータ365によって回転する遠心ファンであり、上部に配置される吸着側ベルマウス363の開口部363aから空気を吸込むことで、吸着用空気吸込口340bから吸加湿ロータ341を介して、開口部363aへ流れる気流を生成する。そして、吸着用ファン346は、吸加湿ロータ341を通る際に水分を吸着された乾燥空気を吸着用空気吹出口340aから加湿給排気ユニットケーシング340の前方へ向けて排気する。吸着側ベルマウス363は、吸着用ファン収納空間SP1の上部に設けられており、吸着側ダクト345によって形成される空気流路を通ってくる空気を吸着用ファン346へと導く役割を果たす。
〔空気調和機のセルフクリーニング機能〕
給排気管307は樹脂成形体であり、この樹脂には、チタンアパタイトが配合されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。なお、この給排気管307の一部は透明であり、内部に外光が差し込むようになっている。
加湿給排気ユニット304を構成する部材である加湿給排気ユニットケーシング340(吸着用空気吹出口340a、吸着用空気吸込口340b、給排気口340c、および支持軸340dを含む。)、天板366、吸着用ファン346、ロータ駆動ギヤ348、ラジアルファン、切換ダンパ344、給排気ダクト361、吸着側ダクト345、吸着側ベルマウス363は樹脂成形体であり、この樹脂には、チタンアパタイトが配合されている。なお、この樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363は、表面がおおよそ平滑である。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。また、吸加湿ロータ341はセラミック体であるが、その表面にはチタンアパタイトがコーティングされている。また、ヒータカバー342aはアルミニウムなどの金属体であるが、その表面にはチタンアパタイトがコーティングされている。なお、この加湿給排気ユニット304には、図示しない紫外線ランプが設けられている。また、この加湿給排気ユニット304には、吸着用空気吹出口340a、吸着用空気吸込口340b、および給排気口340cから、外光が差し込むようになっている。
この空気調和機301の室内機302を構成する部材であるクロスフローファン312やケーシングなどは樹脂成形体であり、この樹脂には、チタンアパタイトが配合されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。また、室内熱交換器311はアルミニウムなどの金属体であるが、その表面にはチタンアパタイトがコーティングされている。なお、この室内機302には、紫外線ランプが設けられている。
そして、上記部品に配合またはコーティングされたチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着する。そして、このチタンアパタイトは、外光や紫外線ランプによって、強力な酸化力を発揮し、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを分解して無害化することができる。
〔加湿給排気ユニットの動作および制御内容〕
本実施形態にかかる空気調和機301における空気の流れを説明するために、以下、加湿給排気ユニット304の動作を説明する。また、ここでは、加湿運転などの制御内容に関する制御を説明する。
(加湿給排気ユニットの動作)
本実施形態にかかる空気調和機301において加湿運転を行うときには、上記の切換ダンパ344は第1状態に切り換えられる。以下、加湿運転や給気運転を行う際の加湿給排気ユニット304の動作について図6及び図7に基づいて説明する。
加湿給排気ユニット304は、吸着用ファン346を回転駆動することによって、室外からの空気を吸着用空気吸込口340bから加湿給排気ユニットケーシング340内に取り入れる。加湿給排気ユニットケーシング340内に入ってきた空気は、吸加湿ロータ341の左側の略半分の部分を通過して、吸着側ダクト345および吸着側ベルマウス363により形成される空気流路および吸着用ファン346を介して、吸着ファン収納空間SP1から吸着用空気吹出口340aを通って室外機303の前方へと排出される(図6の矢印A4及び図7参照)。加湿給排気ユニットケーシング340内に室外から取り入れられた空気が吸加湿ロータ341の左側の略半分の部分を通過する際に、吸加湿ロータ341は、空気中に含まれている水分を吸着する。
この吸着工程で水分を吸着した吸加湿ロータ341の左側の略半分の部分は、吸加湿ロータ341が回転することによって、吸加湿ロータ341の右側の略半分の部分となる。すなわち、吸着された水分は、吸加湿ロータ341の回転に伴い、ヒータ組立体342の下方に位置する吸加湿ロータ341の部分に移動してくる。そして、ここに移動してきた水分は、ヒータ組立体342からの熱により、ラジアルファン組立体343によって生成される空気流中に離脱していく。
ラジアルファン組立体343を駆動すると、給排気口340cから加湿給排気ユニットケーシング340内に室外の空気が取り込まれ、その空気が吸加湿ロータ341の右側の略半分の部分のうち奥の部分の下方から上方に向けて通過し、ヒータ組立体342の下面の吸入口からヒータ組立体342内に導入される。そして、ヒータ組立体342内に入った空気は、ヒータ組立体342の下面の排出口から排出され、吸加湿ロータ341の右側の略半分の部分のうち手前の部分を上方から下方に通過し、切換ダンパ344のケーシング側部開口から切換ダンパ344の内部を通ってラジアルファン組立体343へと至る(図6の矢印A5及び図7参照)。このような空気流は、ラジアルファン組立体343が生成するものである。ラジアルファン組立体343は、上記のように吸加湿ロータ341および切換ダンパ344を通り抜けてきた空気を、切換ダンパ344、給排気ダクト361及び給排気管307を介して室内機302へと送る。この室内機302へと送られる空気は、吸加湿ロータ341に吸着されていた水分を含むようになっている。
このようにして加湿給排気ユニット304から室内機302に供給された空気は、室内熱交換器311を経て室内に吹き出される。なお、この空気調和機301は、吸着用ファンモータ365やヒータ組立体342を作動させないことにより、加湿を行わずに室外の空気を取り入れて室内機302へと送る給気換気のみを行うこともできる。
(制御部による加湿給排気ユニットの制御)
次に、制御部による加湿給排気ユニット304の制御について説明する。制御内容としては、上述した加湿運転時の制御や給気運転、排気運転及び解凍運転に関する制御がある。
A.加湿運転
制御部は、リモコンからの加湿指令を受けた場合やリモコンからの加湿自動運転指令に応じて加湿運転の必要があると判断した場合に、加湿運転を行う。この加湿運転は、暖房運転とともに行われることも多い。加湿運転においては、加湿給排気ユニット304内のロータ駆動モータ347、ヒータ本体、ラジアルファンモータ、および吸着用ファンモータ365が駆動する。この加湿運転では、上述したように、吸着用ファン346の回転によって外部から加湿給排気ユニット304内に導入した空気中に含まれる水分を吸加湿ロータ341に吸着させるとともに、ヒータ本体により加熱された空気をラジアルファンの回転によって吸加湿ロータ341に通し、吸加湿ロータ341から離脱した水分を含む空気を給排気管307を介して室内機302へと供給させる。
B.給気運転及び排気運転
室内の換気を行う必要があると判断した場合に、制御部は、給気運転あるいは排気運転を行う。給気運転は、加湿給排気ユニット304に室外空気を取り込ませ、その室外空気を給排気ホース307から室内機302へと供給させる運転である。排気運転は、加湿給排気ユニット304のラジアルファン組立体343により給排気ホース307内の空気を吸い込ませ、すなわち室内空気を、室内機302を介して給排気ホース307へと吸い込ませ、それをラジアルファン組立体343から室外機303の外へと排出させる運転である。給気運転および排気運転における空気の流れは、切換ダンパ344の詳細構成と共に上述した第1状態および第2状態の説明にある通りである。給気運転時には、切換ダンパ344が第1状態とされ、室外空気が給排気ホース307を通って室内機302へと給気される。一方、排気運転時には、切換ダンパ344が第2状態とされ、室内機302から給排気ホース307を通ってきた空気が、ラジアルファン組立体343の空気吹出し口から切換ダンパ344のケーシング側部開口を通って機外へと排気される。なお、これらの給気運転および排気運転においては、加湿給排気ユニット304の吸着用ファン346やロータ駆動モータ347は作動させずに、ラジアルファンだけを回転させる。
また、空調しながら新鮮な室外の空気も取り入れて緩やかに換気を行いたい場合には、給気運転を選択することができる。
なお、空気調和機1の運転停止時には、制御部は、切換ダンパ344を、上記の第1状態及び第2状態とは異なる第3状態とする。第3状態では、室内と室外とが連通しない状態となる。
〔空気調和機の特徴〕
(1)
第2実施形態に係る空気調和機301では、給排気管307が、チタンアパタイトが配合された樹脂により成形されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、太陽光や紫外線ランプによって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機301は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(2)
第2実施形態に係る空気調和機301では、加湿給排気ユニット304を構成する部材である加湿給排気ユニットケーシング340(吸着用空気吹出口340a、吸着用空気吸込口340b、給排気口340c、および支持軸340dを含む。)、天板366、吸着用ファン346、ロータ駆動ギヤ348、ラジアルファン、切換ダンパ344、給排気ダクト361、吸着側ダクト345、吸着側ベルマウス363が、チタンアパタイトが配合された樹脂により成形されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、太陽光や紫外線ランプによって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機301は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(3)
第2実施形態に係る空気調和機301では、吸加湿ロータ341およびヒータカバー342aにチタンアパタイトがコーティングされている。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、紫外線ランプ60によって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機1は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(4)
第2実施形態に係る空気調和機301では、室内機302を構成する部材であるクロスフローファン312やケーシングなどが、チタンアパタイトが配合された樹脂により成形されている。また、そのチタンアパタイトの一部は、樹脂表面に露出している。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、太陽光や紫外線ランプによって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機301は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(5)
第2実施形態に係る空気調和機301では室内熱交換器311にチタンアパタイトがコーティングされている。そして、このチタンアパタイトは、臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを特異的に吸着し、紫外線ランプ60によって臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを強力に酸化分解して無害化することができる。このため、この空気調和機1は、従来の吸着能力に劣る二酸化チタンが配合された空気調和機よりも優れたセルフクリーニング性を発揮することができる。
(6)
第2実施形態に係る空気調和機301では、チタンアパタイトが、樹脂成形体307,340,340a,340b,340c,340d,344,345,346,348,361,363,366に配合されている。従来、二酸化チタンなどの光半導体触媒はコーティングされることが多かった。しかし、光半導体触媒をコーティングするためには製造工程を増やさざるを得ないため、製造コストがかさむという問題があった。しかし、ここでは、光触媒機能を有するチタンアパタイトが樹脂成形体に配合されている。このため、樹脂成形工程後に製造工程を追加する必要がない。したがって、製造コストをできるだけ低く抑えることができる。
(7)
第2実施形態に係る空気調和機301では、チタンアパタイトが、樹脂成形体307,340,340a,340b,340c,340d,344,345,346,348,361,363,366に配合されている。従来、二酸化チタンなどの光半導体触媒は、活性時に樹脂を浸食するため、樹脂に配合される場合には特殊なバインダを必要とした。しかし、チタンアパタイトは、菌やウィルスなどに対して二酸化チタンよりも高い分解能力を示すにもかかわらず、活性時に樹脂をほとんど浸食しない。このため、特殊なバインダを必要としない。したがって、低コストで清浄機能を有する樹脂成形体を製造することができる。
〔変形例〕
(A)
第2実施形態に係る空気調和機301では、樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363は表面がおおよそ平滑であったが、樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363は、粗面加工されていてもよい。このようにすれば、より多くのチタンアパタイトを樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363の表面に設けることができる。
(B)
第2実施形態に係る空気調和機301では、チタンアパタイトが給排気管307、加湿給排気ユニット304を構成する部材である加湿給排気ユニットケーシング340(吸着用空気吹出口340a、吸着用空気吸込口340b、給排気口340c、および支持軸340dを含む。)、天板366、吸着用ファン346、ロータ駆動ギヤ348、ラジアルファン、切換ダンパ344、給排気ダクト361、吸着側ダクト345、吸着側ベルマウス363、室内機302を構成する部材であるクロスフローファン312やケーシングなどの樹脂成形体に配合されていたが、チタンアパタイトがそれらの樹脂成形体にコーティングされていてもよい。なお、この場合、樹脂成形体の表面が粗面加工されていてもよい。このようにすれば、より多くのチタンアパタイトを樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363の表面に設けることができる。また、チタンアパタイトと従来の光半導体触媒との混合物などが樹脂成形体340,366,346,348,344,361,345,363にコーティングされてもよい。
(C)
第2実施形態に係る空気調和機301では、チタンアパタイトの光触媒機能を活性化するために光源として太陽光や紫外線ランプを採用したが、これに代えてLEDなどを光源として採用してもかまわない。
(D)
第2実施形態に係る空気調和機301では、チタンアパタイトの光触媒機能を活性化するために光源として太陽光や紫外線ランプを採用したが、これに代えてプラズマ発生器などを採用してもかまわない。プラズマが発生すると、同時に紫外線が生じる、したがって、その紫外線によりチタンアパタイトの光触媒機能を活性化することができる。また、プラズマが発生すると、高速電子、イオン、オゾン、ヒドロキシラジカルなどのラジカル種や、その他の励起分子(励起酸素分子、励起窒素分子、励起水分子)などの活性種が生成するため、さらに効率よく臭気成分や有害ガス、菌、ウィルスなどを分解、無害化することができる。
(E)
第2実施形態では、加湿機能を有する空気調和機301の樹脂成形体にチタンアパタイトが配合されていたが、酸素富化機能を有する空気調和機の樹脂成形体(例えば、酸素富化空気供給ホース等)にチタンアパタイトが配合されてもかまわない。
本発明に係る空気調和機は、従来の光半導体触媒を担持した空気調和機よりも高効率に臭気の元となる菌やウィルスなどを分解除去することができ、二次感染防止のためセルフクリーニングが必要な空気清浄機などの用途にも適用できる。
第1実施形態に係る空気調和機の外観図。 第1実施形態に係る空気調和機の冷媒系統図。 第1実施形態に係る室内機の側面断面図。 第1実施形態に係る室内機ケーシングの構成の一部を表す斜視図。 第2実施形態に係る空気調和機の外観図。 第2実施形態に係る空気調和機の冷媒系統図。 第2実施形態に係る空気調和機の室外機の分解斜視図。 二酸化チタンとチタンアパタイトとの光触媒活性の比較図。 二酸化チタンとチタンアパタイトとの樹脂浸食性の比較図。
符号の説明
1,301 空気調和機
21 クロスフローファン
24 スクロール(スクロール部)
29 ドレンパン
251 吸込み口
252 吹出し口
253 フラップ
304 加湿給排気ユニット(加湿ユニット)
307 給排気管(加湿空気配送路)

Claims (12)

  1. 屋内に空気を配送するための空気配送路を構成する樹脂部(24,251,252,253,307)と、
    前記樹脂部(24,251,252,253,307)の少なくとも一部に設けられる光触媒機能を有するアパタイトと、
    を備える、空気調和機(1,301)。
  2. 前記空気を前記屋内に供給するための羽根車(21)をさらに備え、
    前記樹脂部は、前記羽根車(21)が回転することにより発生する前記空気の流れを収束させるスクロール部(24)である、
    請求項1に記載の空気調和機(1)。
  3. 前記樹脂部は、前記屋内への前記空気の流れ方向を調節するフラップ(253)である、
    請求項1または2に記載の空気調和機(1)。
  4. 前記空気を加湿する加湿ユニット(304)と、
    前記屋内に配置される室内ユニット(302)と、
    をさらに備え、
    前記空気配送路は、前記加湿ユニット(304)により加湿された前記空気を前記室内ユニットに供給するための加湿空気配送路である、
    請求項1から3のいずれかに記載の空気調和機(301)。
  5. 屋内に空気を配送するための空気配送路に配置される樹脂部(29a,29b,21,304)と、
    前記樹脂部(29a,29b,21,304)の少なくとも一部に設けられる光触媒機能を有するアパタイトと、
    を備える、空気調和機(1,301)。
  6. 前記樹脂部は、前記空気を前記屋内に供給するための羽根車(21)である、
    請求項5に記載の空気調和機(1)。
  7. 前記空気を冷却するための冷却部(20)をさらに備え、
    前記樹脂部は、前記冷却部(20)により結露した水を受けるドレンパン(29a,29b)である、
    請求項5または6に記載の空気調和機(1)。
  8. 前記樹脂部は、前記空気を加湿する加湿ユニット(304)である、
    請求項5から7のいずれかに記載の空気調和機(301)。
  9. 前記光触媒機能を有するアパタイトは、前記樹脂部(24,29a,29b,21,251,252,253,304,307)に配合されている、
    請求項1から8のいずれかに記載の空気調和機(1,301)。
  10. 前記樹脂部(24,29a,29b,21,251,252,253,304,307)は、前記光触媒機能を有するアパタイトが設けられる部分が粗面加工されている、
    請求項1から9のいずれかに記載の空気調和機(1,301)。
  11. 屋内に空気を配送するための空気配送路を形成する空気配送路形成部材であって、
    樹脂から成形されており、
    前記空気配送路に流れる前記空気と接触するように設けられる光触媒機能を有するアパタイトを備える、
    空気配送路形成部材。
  12. 屋内に空気を配送するための空気配送路を形成する空気配送路形成部材であって、
    前記空気配送路の少なくとも一部を覆うように設けられる樹脂層と、
    前記樹脂層の少なくとも一部に設けられる光触媒機能を有するアパタイトと、
    を備える、空気配送路形成部材。
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