JP4382882B2 - 冷凍食品用調味料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍食品用調味料に関し、詳しくはホワイトソース、ブラウンソース、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング等の水中油型乳化脂の形態の冷凍食品用調味料に関し、更に詳しくは耐冷凍性、耐マイクロ波加熱性を有する水中油型乳化脂の形態の冷凍食品用調味料に関する。
【0002】
【従来技術】
食品の調味料には、例えばホワイトソース、ブラウンソース、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング、カスタードクリーム、フラワーペーストなどのように水中油型乳化脂の形態をとっているものが種々ある。ところで、近年冷凍技術が進歩したこと、また電子レンジが普及したことにより多種多様の冷凍食品が開発され、市販されている。これら冷凍食品の中には、予めマヨネーズ、タルタルソースなどの調味料を掛けた後に冷凍したり、食品中に内包させて冷凍したものがある。これらの調味料を予め添着した冷凍食品は電子レンジにかけ解凍・加熱処理処理して直ちに食することができるので、大変便利である。
【0003】
しかし、従来のマヨネーズ、各種ソース、ホワイトソース、カスタードクリームなどの水中油型乳化脂は冷凍し、解凍すると、乳化状態が破壊され、油脂分が分離する傾向があった。そのため、従来の水中油型乳化脂は冷凍処理される食品への適用は困難であるという問題点があった。この問題点を解消すべく冷凍処理に耐える水中油型乳化油が種々提案されている。例えば、油脂成分中に構成脂肪酸として一定のトランス酸を含む油脂を使用する方法(特公昭54−7870号公報)、油脂成分中に一部極度硬化油を使用する方法(特公昭62−25340号公報)、また油脂成分として構成脂肪酸中炭素数20以上の不飽和脂肪酸を3%以上含有する油脂を使用する方法(特開平5−64565号公報)が提案され、またECN(Equivalent Carbon Number)が42以下である油を45%以下にし、安定剤にラクトアルブミンを使用する方法(特開平8−322505号公報)が提案されている。
【0004】
しかし、上記公報に記載の方法のいずれにおいても、−20〜−40℃で凍結期間が2週間保管後の解凍では油分離は生じないものの、2週間以上の長期間冷凍では、解凍後に分離現象が生じ、そして冷凍期間が長くなればなるほどこの現象が顕著に表れて上記公報記載のマヨネーズ状乳化物はその物性を全く保持しえなくなり、物性、風味、食感に不都合を来し、ひいてはこの水中油型乳化脂を調味料に用いた食品の物性、風味、食感を劣化させる致命的な問題点があった。また、水中油型乳化脂を電子レンジにかけると、すなわちマイクロ波加熱すると、水中油型乳化脂特有のマックスウェル−ワグナー効果(誘電率の異なる油と水が混在しているとき界面電荷が誘発される。)や調味料として添加する食塩(NaCl)の影響から起こる変異分極(電荷を帯びているNa+、Cl~が電場の影響を受けて位置がずれる。)によって急激な品温上昇を起こす。この急激な品温上昇により、水分が急激に蒸発し、乳化脂はマヨネーズ様或いはクリーム様の性状を失ったり、更には炭化してしまう。また、急激な品温上昇による卵黄変性が原因となって卵黄の乳化剤機能が失われることに起因すると考えられる乳化破壊による油分離現象を生じるなど通常の加熱と比べて特異な現象を示す。この急激な昇温が、水中油型乳化脂の物性、風味、食感に不都合を来し、ひいては、この水中油型乳化脂を調味料に用いた食品の物性、風味、食感を劣化させる致命的な問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、長期間冷凍した後に解凍しても、乳化状態がこわれなく、また電子レンジにかけたときに食品の物性、風味、食感を損ねることのない水中油型乳化脂の形態の冷凍食品用調味料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子レンジで加熱する冷凍食品に用いる、水中油型乳化脂の形態の調味料であって、該水中油型乳化脂は、油相成分が、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有する油脂であり、酵素処理により部分加水分解した卵黄を乳化剤に用いて乳化され、油分が50重量%以下であり、水分が40重量%以上であることを特徴とする冷凍食品用調味料である。この炭素数20以上の飽和脂肪酸はアラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸が好ましい。また、乳化剤として酵素処理により部分加水分解された卵黄を用いて乳化させる。卵黄中の脂質や蛋白質が加水分解されることで、卵黄の熱凝固性を低下させ、加熱されても分離しにくい乳化剤とすることができる。また上記水中油型乳化脂中の油分は50重量%以下であり、水分は40重量%以上である。更にこれらの水中油型乳化脂は、pH5以下の酸性にできる。また、乳化物のエマルジョンはコロイドミル、ホモジナイザーなどの均質化機を通し平均粒子径は2μm以下にするのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
水中油型乳化脂は、水相に油相を乳化させて製造するが、本発明の水中油型乳化脂においては、油相として、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有する油脂を使用する。すなわち、トリグリセリドの構成脂肪酸残基が、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基及び不飽和脂肪酸2残基であるトリグリセリドを使用する。炭素数20以上の飽和脂肪酸としてはアラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などが用いられる。また、不飽和脂肪酸としてはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが用いられ特に制限はない。このときの炭素数20以上の脂肪酸残基の結合位置は、トリグリセリドのα位、β位のいずれでもよい。炭素数20以上の飽和脂肪酸を含有するトリグリセリドは、菜種油、落花生油、魚油、サル脂、からし油、マンゴ脂などであるが、これらの油脂には、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドは、高々1.1%程度しか含まれていない。本発明では、上記トリグリセリドを1.5重量%以上含まれた油脂を使用するものである。したがって、天然の油脂をそのまま使用することができない。
【0008】
そこで本発明を実施するに当たっては、菜種油、落花生油、魚油、サル脂、からし油、マンゴ脂を分別して低融点部分を使用するか、またはこれらの油脂をエステル交換するか、或いは合成により炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドの濃度を油脂中に1.5重量%以上、好ましくは3重量%以上にして使用する。もちろん、本発明では上記のような方法で製造された炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを含有する油脂のみを使用してもよいし、他の食用油脂と混合して炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを1.5%以上油脂中に含有させてもよい。この時混合する他の食用油脂に制限はなく、オリーブ油、大豆油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、パーム油、ラード、牛脂、乳脂等の動植物製油及びこれらの硬化油、分別油、エステル交換油等が挙げられる。
【0009】
このトリグリセリドの割合が1.5重量%未満の場合は、短期間の冷凍後の解凍のときには支障はないが、2週間以上の長期の凍結後の解凍により分離現象を生じ、本発明の効果が得られない。本発明では、水中油型乳化脂中の油分の量を50重量%以下、好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30〜40重量%にする。乳化脂中の油分の量が50重量%を超えると後述するように耐マイクロ波加熱性が劣るようになり好ましくない。また、本発明の上記の特定のトリグリセリドを含む油脂を油分に用いると、乳化脂中の油分の量が50重量%以下でも良好な水中油型乳化脂が得られるが、その量が20重量%未満では、乳化物としての粘性が低くなり、この点で好ましい物性が得られにくくなる。
【0010】
本発明の水相は水であるが、この中には所望に応じて種々の添加物を配合してもよい。本発明の水中油型乳化脂中の水分の割合は40重量%以上、好ましくは40〜80重量%である。更に好ましくは60〜70重量%である。ここでいう水分には、水中油型エマルジョンの水相の調合時に配合する添加物に由来する水分、例えば酢、卵黄中に含有する水分も含まれる。この水分の配合割合が40重量%未満であると後述するように耐マイクロ波加熱性が劣り、80重量%を超えると乳化物の粘性が低下し好ましい物性が得られにくくなる。
【0011】
必要に応じて水相中に配合する添加物は、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、リン酸等の有機、無機酸、或いは果汁、果肉、発酵乳等の酸味料、更には砂糖、ブドウ糖、液糖、還元糖類のほかアスパルテームなどのアミノ酸系甘味料などである。酸を用いて保存効果を期待する場合にはpHを5以下にするのが好ましい。その他に香辛料、調味料も適宜使用できる。これらの配合量は適宜である。また、本発明では糊料としてデンプン、化工デンプン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸塩等の多糖類を添加配合してもよい。この添加量は0.01〜5重量%である。乳化安定剤としてラクトアルブミン等の乳蛋白や大豆蛋白が挙げられ、この乳化安定剤は油相、水相のどちらに添加してもよい。
【0012】
本発明の水中油型乳化脂の製造の際に乳化剤を用いる。この乳化剤には乳化性能の点で、酵素処理した卵黄を使用する。酵素処理しない卵黄を用いると、耐マイクロ波加熱性が劣り、マイクロ波加熱により分離してしまうので好ましくない。この酵素処理した卵黄は、豚の膵臓から抽出したトリプシン、植物を起源とするパパイン、ブロメライン、ペプシンなどを用いて部分加水分解した卵黄である。もちろん、加塩酵素処理卵黄や加糖酵素処理卵黄も使用できる。酵素処理した卵黄の配合量は3〜15重量%が好ましく、更に好ましくは6〜10%である。3重量%より少ないと乳化が不安定であり、15重量%より多いと卵風味が強すぎるので好ましくない。
【0013】
乳化は常法で行う。すなわち、水相と油相を混合して予備乳化し、次いでコロイドミル又はホモジナイザーで均質化する。生成したエマルジョンの粒子の平均粒径は2μm以下が好ましい。2μmを超えると、冷凍、解凍時の乳化安定性が低下する。本発明の水中油型乳化脂は、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有する油脂を油相成分に用いるものであるが、この特定のトリグリセリドを含む油脂を使用することで乳化脂の乳化安定性を非常に高めることができる。炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドは、結晶が細かくしかも速く結晶化する。またこのトリグリセリドは温度の変動に対する乳化安定性が良く、所謂温度ショック耐性を高める。その結果、冷凍処理、解凍処理によって、油相中の油の結晶が大きくなったり、小さくなったりしないので乳化が崩れにくい。したがって、耐冷凍性のよい水中油型乳化脂が得られる。
【0014】
また、電子レンジはマイクロ波を利用して加熱するものであるが、マイクロ波は水より比熱の小さい油脂の方を早く加熱する。しかし、水と油脂が乳化状態で混在する場合は様子が変ってきて、実験によると、乳化脂中の油分(油脂)の量が50重量%以下であり、また水分(水)の量が40重量%以上であるときは、水の方がマイクロ波を吸収する力が大きく、油脂は殆ど昇温せず水の方が早く昇温する。そして、乳化脂中の油分(油脂)の量が50重量%を越え、また水分(水)の量が40重量%に満たないときは、油脂の方が先に昇温する。油脂が先に昇温し始めると100℃以上にどんどん上昇し、乳化状態は破壊され、油分離が生じ、更に周囲の食品のタンパクやデンプンを大きく変性してしまい、食感や風味を損ねる。このように、マイクロ波加熱のときには、水中油型乳化脂が100℃以上に昇温しないようにすることが肝要であるが、それには油脂が先に昇温しないようにする必要がある。そこで、本発明では、水中油型乳化脂において、乳化脂中の油分(油脂)の割合を50重量%以下とし、水分(水)の割合を40重量%以上にし、電子レンジにかけたとき、油脂より水の方を先に昇温させることができるようにし、もって上記の目的を達成したのである。
本発明の上記の水中油型乳化脂に刻んだ茹で卵や野菜を添加配合してタルタルソースにするなど加工しても、この乳化脂の上記耐冷凍性、耐マイクロ波加熱性は阻害されない。
【0015】
【実施例及び比較例】
次に本発明の実施例及び比較例を示す。各例において%は重量%を意味する。
実施例1
水40.3%に15%アルコール酢6%、食塩2%及びグルタミン酸ソーダ0.4%を溶解し、更にラクトアルブミン3%と10%加塩卵黄をトリプシンで加水分解した酵素処理卵黄6%を加えて水相を調製した。このときの水分は、アルコール酢由来の水分(5.1%)、加塩酵素処理卵黄由来の水分(2.7%)を含めると、40.3+5.1+2.7=48.1%であった。
一方、アラキン酸1残基とオレイン酸2残基からなるトリグリセリドを9%含有するサル脂の低融点分別油(融点10℃、ヨウ素価59)40%にα化加工澱粉2%、増粘多糖類0.3%を分散させた油相を調製した。
上記の水相を撹拌しながら、これに上記の油相を添加し予備乳化物を製造した。この予備乳化物をコロイドミルで均質化し、エマルジョン粒子径1〜2μmで、pH4.3のマヨネーズ様水中油型乳化物を得た。
この水中油型乳化物を−20℃で所定の日数保管し、室温で解凍したときの油分離について調べた。また、−20℃に凍結されている水中油型乳化物100gを、出力500Wの電子レンジで60秒間マイクロ波加熱したときの状態を調べた。その結果は表1の通りであった。
【0016】
【表1】
【0017】
比較例1
実施例1で、油相のサル脂の低融点分別油に替えて、アラキン酸、ベヘン酸のうちのいずれかの飽和脂肪酸1残基とオレイン酸、リノール酸、リノレン酸のうちのいずれかの不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリド0.9%含有する大豆サラダ油を使用し、そのほかは全て実施例1と同様にしてエマルジョン粒子径1〜2μmでPH4.3の水中油型乳化物を調製した。
この水中油型乳化物を−20℃で所定の日数保管し、室温で解凍したときの油分離について調べた。また、−20℃に凍結されている水中油型乳化物100gを、出力500Wの電子レンジで60秒間マイクロ波加熱したときの状態を調べた。その結果は表2の通りであった。
【0018】
【表2】
【0019】
比較例2
実施例1で調製した油脂〔アラキン酸1残基とオレイン酸2残基からなるトリグリセリドを9%含有するサル脂の低融点分別油(融点10℃、ヨウ素価59)〕60%にα化加工澱粉2%、増粘多糖類0.3%を分散させた油相を調製した。
水20.3%に15%アルコール酢6%、食塩2%及びグルタミン酸ソーダ0.4%を溶解し、更にラクトアルブミン3%と10%加塩卵黄をトリプシンで加水分解した酵素処理卵黄6%を加えて水相を調製した。このときの水分はアルコール酢由来の水分(5.1%)、加塩酵素処理卵黄由来の水分(2.7%)を含めると、20.3+5.1+2.7=28.1%であった。
上記の油相及び水相を用い、実施例1と同様にしてエマルジョン粒子径1〜2μmでPH4.2の水中油型乳化物を調製した。得られた水中油型乳化物を−20℃で所定の日数保管し、室温で解凍したときの油分離について調べた。また、−20℃に凍結されている水中油型乳化物100gを、出力500Wの電子レンジで60秒間マイクロ波加熱したときの状態を調べた。その結果は表3の通りであった。
【0020】
【表3】
【0021】
実施例2
水54.3%に10%の醸造酢10%、食塩2%、グルタミン酸ソーダ0.4%、及び10%加塩卵黄をトリプシンで加水分解した酵素処理卵黄6%を加えて水相を調製した。このときの水分は、醸造酢由来の水分(9%)、酵素処理卵黄由来の水分(2.7%)を含めると、54.3+9+2.7=66%であった。
大豆サラダ油23%とサル脂の低融点分別油2%にα化加工澱粉2%、増粘多糖類0.3%を分散させて油相を調製した。この油相の油脂には、アラキン酸1残基及びオレイン酸2残基からなるトリグリセリド、並びにベヘン酸1残基及びオレイン酸、リノール酸、リノレン酸のいずれかの不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドが合計で2%含まれていた。
上記した水相に油相を添加し予備乳化後、コロイドミルで均質化し、エマルジョン粒子の平均粒径が1〜2μmでpH4.3のマヨネーズ様水中油型乳化物を得た。
この乳化物は、−40℃で3週間凍結し、室温で解凍しても油分離がなかった。また、−40℃で3週間凍結し、これを電子レンジでマイクロ波加熱を行ってもクリーミー性を保ち極めて良好であった。
【0022】
実施例3
水62.7%に上白糖4%、脱脂粉乳5%、リン酸塩0.1%、及び30%加糖卵黄をトリプシンで加水分解した酵素処理卵黄6%を加えて溶解し、水相とした。大豆サラダ油95重量部及びナタネ極度硬化油(MP60℃)5重量部部の混合物を1,3−特異性リパーゼでエステル変換して得たエステル変換油20%にα化加工澱粉2%、増粘多糖類(キサンタンガム)0.2%を分散させて油相を調製した。なお、このときの水分は、酵素処理卵黄由来の水分を含めると、62.7+1.7=64.4であった。また、ベヘン酸1残基及びオレイン酸、リノール酸、リノレン酸のいずれかの不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドは3.2%であった。
上記の水相に油相を予備乳化させた後、コロイドミルで均質化し、エマルジョン粒子の平均粒子径が1〜2μmでpH6.4のカスタード様の水中油型乳化物を得た。
この乳化物は、−30℃で1ケ月凍結し、室温で解凍しても油の分離なく、また、−30℃で1ケ月凍結し、電子レンジでマイクロ波加熱を行ってもクリーミー性を保ち、極めて良好であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の水中油型乳化脂は、耐冷凍性に優れている。すなわち、2週間以上に渡って冷凍保存した後、解凍しても乳化が破壊され油分離を生じることがない。また、本発明の水中油型乳化脂は耐マイクロ加熱性に優れている。すなわち、電子レンジで加熱しても急激な温度上昇現象を発生することなく、水中乳化脂の物性を保持し、風味、食感も損なわれることがない。
Claims (3)
- 電子レンジで加熱する冷凍食品に用いる、水中油型乳化脂の形態の調味料であって、該水中油型乳化脂は、油相成分が、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを1.5重量%以上含有する油脂であり、酵素処理により部分加水分解した卵黄を乳化剤に用いて乳化され、油分が50重量%以下であり、水分が40重量%以上であることを特徴とする冷凍食品用調味料。
- 炭素数20以上の飽和脂肪酸が、アラキン酸、ベヘン酸又はリグノセリン酸である請求項1記載の冷凍食品用調味料。
- pHが5以下である請求項1又は2記載の冷凍食品用調味料。
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