JP2747974B2 - 電子レンジ加熱食品及びその食感改良方法 - Google Patents
電子レンジ加熱食品及びその食感改良方法Info
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Description
食品である電子レンジ加熱食品及びその食感改良方法に
関するものである。
と、掛けた直後は蒸した様に柔らかいが、急速に硬く成
り、ゴワゴワとして独特の食感となる事が知られてい
る。ベーカリー製品に関しては、特にその傾向が顕著で
ある。電子レンジ用食品が数多く市場に出されていなが
ら、ベーカリー製品について電子レンジ用製品が市場に
定着していないのはこの為である。
する粉末油脂を食品に添加する事により、電子レンジで
加熱した際に起こるゴワゴワしたゴム様の食感を防ぐ事
を目的とする。
ジで加熱する食品に関して鋭意研究を重ねた結果、起泡
性を有する粉末油脂を添加する事により、電子レンジで
加熱してもゴワゴワせず良好な食感の食品が得られる事
を見出した。
良方法は、電子レンジで加熱する食品に対して起泡性を
有する粉末油脂組成物を使用することを特徴とする。
レンジで加熱する食品において、0.1〜10重量%の
起泡性を有する粉末油脂組成物を含有し食感が改良され
たことを特徴とする。
品に対して有効であるが、小麦粉を原料とするベーカリ
ー製品、麺類、餃子等の皮物、蛸焼き等のスナック類や
卵を原料とする卵焼き、茶碗蒸し、薩摩芋加工品等電子
レンジで加熱すると硬く成り易い食品に特に有効であ
る。
品がスポンジケーキ、ムース、ホイッピングクリーム等
のチルドデザート類、ハンペン等の水産畜肉製品等幅広
い用途があり、その内容組成についても様々である。
は、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、食用油脂、重合燐酸塩等を
主成分とし、糖類、カゼインソーダ、デキストリン等の
基剤として粉末化したものを言う。
は、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪
酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリ
ン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン琥珀酸脂肪酸エステ
ル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリ
セリンクエン酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル等の食品衛生法でグリセリン脂肪酸エステルの
範疇に入るものを言う。
ン、卵黄レシチンとそれらの分別品又は酵素分解品の事
を言う。
エステルとは、プロピレングリコールのモノ又はジ脂肪
酸エステルの事である。
る油脂で、大豆油、綿実油、菜種油、ラード、牛脂等に
代表されるが、特に制限はない。
トリウム、ピロ燐酸ナトリウム、ポリ燐酸カリウム、メ
タ燐酸カリウム、ピロ燐酸カリウムの事を言う。
前記の主成分を1種又は2種以上混合し、基剤となる糖
類、カゼインナトリウム、デキストリン1種又は2種以
上と混合して粉末化を行う。粉末化の方法は、噴霧乾燥
法が一般的であるが、これに限定されず、凍結乾燥やエ
クストルーダー等の方法によっても粉末化は可能であ
る。
加量は全体の生地重量に対し0.1重量%以上であれば
良く、好ましくは0.5重量%〜10重量%である。
量%を越える場合では添加量の増加に見合った効果は見
られず、実用的でない。
許願(特開昭62−96032、特開昭62−9603
3、特開昭62−96034、特開昭62−9603
5)が出ているが、これに使用されている乳化剤は、パ
ン、ケーキ類のソフト化を目的としており、本発明とは
目的が異なる。
成る原因としては、次の3つの要因が考えられる。 澱粉粒の崩壊又は澱粉粒からの短鎖のアミロースの溶
出による澱粉の老化。 蛋白質の加熱による凝集。 水分の飛散による乾燥。
セリンモノ脂肪酸エステルが有効である事は公知の事実
であり、の乾燥については、ラップ等で包装する事に
より防ぐ事が可能である。しかしながら、の蛋白質の
凝集こそが電子レンジ加熱によるゴム様の食感の原因で
あり、これに対して有効な方法は今まで見付かっていな
かった。
品中の蛋白質と結合して蛋白質の構造を強化し、電子レ
ンジ加熱による凝集を防ぐ為にゴム様の食感とならない
ものと推定される。食品の起泡は一般的に蛋白質の膜で
あり、起泡性を有するという事は、蛋白質との反応性に
優れている事を示している。
粉質が空間を埋める形で配位し、その接着剤的な役割を
脂質が行っていると言われている。この時、過酷な条件
で加熱が行われると、蛋白質が非常に密な状態で骨格構
造を作り、食べた時に中々噛み切れないゴム様の食感を
呈する。電子レンジで加熱すると、分子レベルの運動で
発熱させるので、過酷条件下で加熱されたのと同様に蛋
白質は疑集して密な状態で骨格を作る事になり、ゴム様
の食感を呈する。
あり、起泡性を有すると言う事は、蛋白質との反応性に
優れている事を示している。従って、起泡性を有する粉
末油脂を食品に添加すると、蛋白質の膜構造に配位して
蛋白質の膜構造を安定化させる事になる。これを加熱し
た際、蛋白質は熱凝固するが、密な状態には成り難い。
これは、構造的に安定している事、蛋白質の間に配位し
ている起泡性粉末油脂が緩衝剤的な役割を果たしている
事、起泡性粉末油脂と結合する事により、蛋白質の未反
応活性基の数が減少し、蛋白質同志の分子間結合の数が
減少する等の為と考えられる。
細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定され
るものではない。特に断りのない限り「部」は「重量
部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
部、カゼインナトリウム3部、重合燐酸塩1部を185
部の水に加熱溶解し、油側としてグリセリンモノステア
レート5部、ジグリセリンモノステアレート20部、大
豆レシチン3部を加熱溶解後混和する。これを、高圧ピ
ストンホモジナイザーを通して乳化液とし、噴霧乾燥し
て起泡性を有する粉末油脂のサンプルを調整した。
カゼインナトリウム10部、油側成分として椰子硬化油
39部、グリセリン乳酸ステアリン酸エステル10部、
プロピレングリコールモノステアリン酸エステル10
部、酵素分解レシチン1部を用い、実施例1に従い、起
泡性を有する粉末油脂のサンプルを調整した。
部、ゼラチン5部、カゼインナトリウム10部、油側成
分としてグリセリン酢酸ステアリン酸エステル15部、
酵素分解レシチン1部、パーム硬化油44部を用い、実
施例1に従い、起泡性を有する粉末油脂のサンプルを調
整した。
カゼインナトリウム10部、油側成分としてグリセリン
モノステアリン酸エステル11部、グリセリンクエン酸
ステアリン酸エステル5部、プロピレングリコールモノ
ステアリン酸エステル22部、大豆レシチン4部、重合
燐酸塩3部を用い、実施例1に従い、起泡性を有する粉
末油脂のサンプルを調整した。
リウム3部、重合燐酸塩1部を粉体混合し、更に溶解し
たグリセリンモノステアレート5部、ジグリセリンモノ
ステアレート20部、大豆レシチン3部を均一に粉体に
吸着させる。二軸エクストールダーに連続的に供給し、
品温120℃、圧力150kg/cm2、スクリュー回
転数150rpmで処理し、起泡性を有する粉末油脂の
サンプルを調整した。
ウム10部、油側成分としてグリセリンモノステアリン
酸エステル80部を用い、実施例1に従い粉末油脂のサ
ンプルを調整した。
グリコールモノステアリン酸エステル8部、大豆レシチ
ン1部を大豆白鯨油86部に加えて、75℃まで加熱溶
解した後、30℃まで急冷した。その後、45℃まで加
熱して1時間維持した後、室温まで放冷して起泡性を有
する流動ショートニングのサンプルを調整した。
として大豆白絞油40部、大豆レシチン5部をそれぞれ
75℃まで加熱し、ホモミキサーを使用して乳化し、乳
化油脂のサンプルを調整した。
ム10部、油側成分として、大豆白絞油69部、大豆レ
シチン1部を用い、実施例1に従い、粉末油脂のサンプ
ルを調整した。
較例サンプルについて、その起泡性について確認試験を
行った。実施例1、実施例2、実施例4についてはスポ
ンジケーキ、実施例3、実施例5についてはホイッピン
グクリームでその起泡性を試験した。
4分混合する。 生地比重を測定する。
分高速2分混合する。 生地比重を測定する。
例1で調整した起泡性を有する粉末油脂の評価を行っ
た。比較例としては、パン用として一般的に使用されて
いる粉末モノグリセライド比較例1を使用した。 [配合] (中種) 強力粉 70部 イースト 3部 イーストフード 0.1部 サンプル 別記 水 41部
入)L2分H3分〜4分 捏上温度 27℃ フロアー時間 20分 分割重量 60g ベンチ時間 15分 成型 モルダー使用 焙炉 38℃ 85%RH 60分 焼成 200℃ 8分 冷却→背割り→トッピング→包装→冷凍→レンジアップ
(650W、2分〜3分) 注 L:大 M:中 H:小
の食感 実施例1(2%)+比較例1(0.5%)添加 レンジアップ後の食感:◎非常に柔らかく引きの無い良
好な食感 実施例1を添加する事により、電子レンジで加熱しても
引きの無い良好な食感のホットドッグが得られた。
引きを防ぐ事はできなかったが、パン自体を柔らかくす
る効果は認められ、実施例1と併用する事により、更に
優れた品質のホットドッグが得られた。
調整した起泡性を有する粉末油脂の評価を行った。比較
例としては、パン用として一般的に使用されている粉末
モノグリセライド比較例1を使用した。 [配合] 強力粉 20部 薄力粉 80部 イースト 3部 イーストフード 0.5部 サンプル 別記 上白糖 10部 食塩 1.2部 ベーキングパウダー 1部 ショートニング 5部 水 45部
動機社製) 分割重量 100g(フィリング:生地=
4:6) 焙炉 40℃ 60%RH 50分 蒸し 110℃ 20分 冷却→包装→冷凍→レンジアップ(650W、2分〜3
分)
の食感 実施例1(2%)+比較例1(0.5%)添加 レンジアップ後の食感:◎非常に柔らかく引きの無い良
好な食感 実施例1を添加する事により、電子レンジで加熱しても
引きの無い良好な食感の中華饅頭が得られた。
引きを防ぐ事はできなかったが、中華饅頭自体を柔らか
くする効果は認められ、実施例1と併用する事により、
更に優れた品質の中華饅頭が得られた。
した起泡性を有する粉末油脂の評価を行った。比較例と
しては、ケーキ用として一般的に使用されている流動シ
ョートニング比較例2を使用した。 [配合] ホットケーキミックス 100部(日精
DCA社製#503) 正味卵 25部 牛乳 75部 サンプル 5部
混ぜ合わせる。 ホットプレートで焼く。 冷却後、パック詰めして冷凍する。 電子レンジで加熱する。(650W、2分〜3分)
ム様の食感 実施例2を添加する事により、電子レンジで加熱しても
引きの無い良好な食感のホットケーキが得られた。比較
例2は、気泡性を有する流動ショートニングであるが、
電子レンジ加熱による引きを防ぐ効果は認められなかっ
た。
性を有する粉末油脂の評価を行った。比較例としては、
粉末油脂として一般的な比較例4を使用した。 [配合] 正味卵 100部 サンプル 別記 かつおちゃん 1部(理研
ビタミン社製) 水 200部 具材 100部(鶏
肉、椎茸、竹の子、蒲鉾、その他)
ジにかける。(650W、2分〜3分)
ても内相にスの入らない良好な食感の茶碗蒸しが得られ
た。
醗酵社製) 正味卵 50部 水 100部 具材 50部(キャ
ベツ、肉類、その他) サンプル 5部
る迄混ぜ合わせる。 具材を入れて、軽く合わせる。 ホットプレートで焼く。 冷却後、パック詰めして冷凍する。 電子レンジで加熱する。(650W、2分〜3分)
引きの無いソフトで軽い食感のお好み焼きが得られた。
る粉末油脂の評価を行った。比較例としては、麺、餃子
類に一般に用いられる乳化油脂比較例3を使用した。 [配合] 準強粉 100部 サンプル 別記 食塩 0.4部 水 36部
製、横型ミキサー使用) ねかし 2時間 圧延 最終厚0.6mmまで圧延 型抜き 包餡 蒸し焼き フライパン使用 冷却→包装→冷凍→レンジアップ(650W、1分〜2
分)
食感 実施例5を添加する事により、電子レンジで加熱しても
引きの無い良好な食感の餃子が得られた。
添加することによって、電子レンジで加熱してもゴワゴ
ワしたゴム様の食感を防ぎ、ソフトで口溶けの良い食感
の食品が得られた。
Claims (2)
- 【請求項1】電子レンジで加熱する食品に対して起泡性
を有する粉末油脂組成物を使用することを特徴とする電
子レンジ加熱食品の食感改良方法。 - 【請求項2】電子レンジで加熱する食品において、0.
1〜10重量%の起泡性を有する粉末油脂組成物を含有
し食感が改良された電子レンジ加熱食品。
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JP6119492A JP2747974B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 電子レンジ加熱食品及びその食感改良方法 |
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