JP5828620B2 - 加工米 - Google Patents

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本発明は加工米に関する。
米は古来より日本人の主食であるので、米に何らかの生活習慣病予防効果のある機能を付与すれば、生活習慣病を予防するための素材として理想的な食材である。これまで、様々なイネ突然変異体が作製・単離されており、例えば、非特許文献1には、野生種のうるち米からアミロース合成酵素I(GBSSI)とアミロペクチン枝作り酵素IIb(BEIIb)の双方を欠失した二重変異体米(wx/ae米)が開示されている。このwx/ae米は、GBSSIを欠失したwx変異体とBEIIbを欠失したae変異体を交配して得られたイネ交配株の中から選抜されたものである。
この二重変異体米は、胚乳断面のヨウ素染色や米粒のX線回折の結果、アミロペクチンの分子構造が野生種やwx変異体のそれとは異なっていることが示されている。また、特許文献1には、この二重変異体米から得られるデンプンは難消化性であって、このデンプンの特性を利用すれば、摂食後の血糖上昇が穏やかな加工米食品が提供されることが示されている。そして、非特許文献2において、当該デンプンを中期間摂取すると、血中の中性脂肪が低下し、内臓における脂肪蓄積が防止されることが明らかにされている。
この二重変異体米以外にも、米を利用した血中の中性脂肪を低減させる成分が知られている。例えば、特許文献2には米糠を耐熱性のα−アミラーゼで分解処理した後濾過して得られた米タンパク質が示されている。特許文献3には米から得られた特定の分子量を有する米タンパク質が示されている。特許文献4には米をデンプン分解酵素及びタンパク質分解酵素で処理して得られた難消化性の素材が開示されている。特許文献5や特許文献6、特許文献7には発芽処理した玄米が血清脂質の低下効果を示すことが示されている。同じ特許文献7には発芽処理した玄米の他に、玄米又は発芽玄米の抽出物、タンパク分解酵素や脂肪分解酵素などを使って処理した処理物が血中の中性脂肪を低減させることが示されている。特許文献8にはアミロース含量が30重量%以上の米デンプンあるいはその誘導体を熱処理して得られた食物繊維含有デンプン素材が開示されている。特許文献9には脱脂米糠の熱水抽出物及びそれを加熱処理して得られたリパーゼ阻害物質が開示されている。また、特許文献10には米糠を圧搾処理した脱脂米糠及び精製米糠油からなる組成物が開示されている。
さらに、特許文献11には、発芽玄米を加圧後の減圧処理により膨化させた膨化米の粉を利用した食品が記載されている。この食品は、γ−アミノ酸に富む発芽玄米の高脂血症の改善効果を期待して開発されたものである。
一方、特許文献11にも記載されているようにエクストルーダーなどを用いて米を膨化させる技術は公知であって、特許文献12には、アミロペクチン中の短鎖グルカンの全アミロペクチン鎖に対する割合が20%以下である突然変異体米からなる膨化米が開示されている。この膨化米は、突然変異体米の血糖上昇抑制効果を維持しつつ、米の食感を向上させたものである。特許文献13には、籾殻又は籾米に炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムなどの炭酸アルカリ剤を加えてエクストルーダーを用いた膨化処理により得られた抗酸化性を有する食用粉が示されている。また、特許文献14には、高アミロース米やae米(アミロペクチン枝作り酵素を欠失した米)、あるいはそれらの発芽米をエクストルーダー処理することにより澱粉が糊化した米粉が、特許文献15にはエクストルーダーを用いて得られた米の膨化物を1次乾燥させ、その後冷却を行うかあるいは行わずに2次乾燥して得られた膨化米菓子が記載されている。さらに、特許文献16には、洗米した玄米を常圧下で10分以内の短時間にて180〜200℃に急速加熱して得られた加工米が開示されている。
特開2009−254265号公報 特開平06−197699号公報 特開2008−266289号公報 特開2008−189625号公報 特開2003−9810号公報 特開2006−158343号公報 特開平7−165595号公報 特開平10−279487号公報 特開2001−97880号公報 特開2009−291187号公報 特開2006−034237号公報 特開2006−217813号公報 特開2001−211843号公報 特開2008−141957号公報 特開2005−027586号公報 特開2006−174756号公報
Kubo, A., et al., Journal of Cereal Science (2007), doi:10.1016/j.jcs.2007.08.005 北村進一ら、日本農芸化学会2010年度講演要旨集、p175
特許文献1に記載されたwx/ae米デンプンやそれを含む米(炊飯米)の味が好ましくないので、日常的にそれらを摂取することは困難であり、さらに好味で食べやすい形態の食品が求められていた。また、特許文献2〜4や特許文献7に開示されたデンプン分解酵素やタンパク分解酵素などで処理した加工品ではその処理に手間がかかる。特許文献5や6、特許文献11に開示された玄米の加工米でも玄米を発芽させる手間が必要となる。さらに、特許文献8〜10に開示された加工米や加工した米デンプンにおいても熱処理を行わなければならないなどその製造に手間がかかっていた。また、これらの各加工品は米の形態からはかけ離れたものとなっているだけでなく、血中の中性脂肪の低下や脂肪蓄積の抑制効果が現れるまでにはある程度の期間、継続的に摂取しなければならない。
一方、特許文献12に開示された食品(膨化米)はいわゆるポン菓子と称される食品であって、米の形態としてなじみのある形態であり非常に食べやすい形態であるが、得られた食品は血糖値の上昇を抑制するものであって、脂質の吸収を抑制することについては知られていない。
また、特許文献12〜15に開示されたように、エクストルーダーなどを用いて米を膨化させることにより、比較的なじみがあり食べやすい形態の加工米にすることもよく知られたことであるが、このような膨化処理を行うことによって、ヒトの健康状態に関係する薬理活性が失活することが予想されても、本発明における脂肪吸収抑制効果のように、新たな活性や機能、効果が付与されるとは予想だにできなかった。さらに特許文献16に開示された膨化米は、急速加熱により得られた膨化米であり、減圧による膨化が行われておらず、膨化も不完全なものである。それだけでなく、当該膨化米が脂質吸収抑制効果を有するかどうかは明らかではない。
本願発明者らは、特許文献1や非特許文献1に記載されたwx/ae米について、さらに研究を重ねたところ、膨化処理したwx/ae米と脂質を含む食餌とを同時摂取すると、血中の中性脂質濃度の上昇が抑制されることを見いだし、本願発明を完成するに至った。
本発明の加工米は、アミロペクチン枝作り酵素(BEIIb)及びアミロース合成酵素I(GBSSI)の両者が欠損したwx/ae米などの玄米を加熱、加圧した後に急激に減圧して得られる、脂質吸収抑制効果を有する加工米である。
本発明の加工米を食することにより、食餌中の脂質の吸収を抑制する。
試験食を摂取した後における血中中性脂肪(上昇値)の推移を示す図である。 試験食を摂取した後における血糖値の推移を示す図である。
本発明の加工米は、玄米を加熱、加圧した後、急激に減圧して得られる加工米である。以下本明細書においては、この加熱・加圧処理及び減圧処理を「膨化処理」と言う場合がある。この本発明のwx/ae米などの加工米の膨化度は3以下であって、下記の膨化処理条件においては膨化度が3を超えることはない。他のうるち米やもち米の膨化度は6〜10あるいはこれ以上であるが、本発明の加工米の原料米を同じ膨化処理条件で処理した場合の膨化度がこれに比べて小さく、このような膨化度の小さい米は知られていない。本明細書において、膨化度とは膨化処理前の米の体積に対する膨化処理後の加工米の体積の比をいう。
加熱・加圧処理及び減圧処理はほとんどの米粒、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、望ましくは95%以上の米粒が米の形を保つ条件下で行われる。この膨化処理には、例えば穀類膨張機やエクストルーダーが用いられる。穀類膨張機は回転式の圧力釜を備えた装置である。穀類膨張機を使用する場合には、公知であるいわゆるポン菓子の製造と同様な条件で加工米の製造が行われる。具体的には穀類膨張機の圧力釜に原料米を投入した後、釜内部の圧力が10気圧以上になるまで加熱した後、圧力釜の開放弁又は蓋を開けて釜内部を急激に減圧する。加熱は釜内部の圧力が10気圧以上300気圧以下になる範囲で行えばよく、加熱温度は概ね80〜150℃である。
エクストルーダーは、筒状のバレル部とその中心に配置された1軸若しくは2軸のスクリューを有し、その一端に原料を供給するフィーダーが配置され、他端には処理した原料を吐出させるノズルを有するダイ部が配置された装置である。バレル部に供給された原料はバレル部内において加圧、加熱が加えられ、ノズルから大気中に急激に押し出すことにより減圧される。加圧・加温条件も前記穀類膨張機を使用する場合と変更なく、10〜300気圧、80〜150℃程度であり、バレル部内の圧力が10気圧以上になるまで加熱された後ノズルから押し出される。
本発明の加工米は脂質の吸収抑制効果を有する。本発明において、脂質の吸収抑制効果とは、食後数時間内に認められる血中の中性脂肪の上昇を抑制する効果であり、同時に摂取した食餌中に含まれる脂質の吸収を抑制することによる。つまり、非特許文献2における中長期投与による、血中の中性脂質の抑制効果や肝臓の脂肪蓄積抑制効果とは異なるものである。
本発明の加工米に用いられる米は、膨化度が3以下であり、膨化処理により脂質吸収抑制効果が発揮される米であれば特に限定されない。このような米として、特許文献1や非特許文献1に開示されたwx/ae米が例示される。この米は特許文献1に記載されているように、その米に含まれるデンプンの構造に特色を有するものであるが、この米から得られる生デンプンや米粉を食することでは、本発明の脂質吸収抑制効果は発揮されない。また、wx/ae米の精白米を膨化処理しても脂質吸収抑制効果は発揮されず、玄米や精白米を焙煎して加熱するだけでは脂質吸収抑制効果は発揮されない。このように、これまでのところ、デンプンの構造と、低い膨化度や膨化処理による脂質吸収抑制効果の発揮との関係は見いだされておらず、膨化処理によって脂質吸収抑制効果が発揮される理由は明らかではない。
膨化処理により得られた本発明の加工米はほぼ米の形を維持している。この加工米はうるち米から得られるいわゆるぽん菓子ほどの柔らかさはないが、そのままで十分に食することができる適度な硬さと香ばしさを有し、これまでにない食感や味を有する。当該加工米はその食感から、おかき類似のお菓子やチョコレート菓子、クッキーなどの原料として好ましく用いられる。さらに、膨化処理により得られた加工米を粉砕し、あるいは粉末にしたものを用いることもできる。このような粉砕物や粉末を用いて、加工米を原料とした種々の加工食品を製造できる。
特にこの加工米は脂質吸収抑制効果を有するために、脂質を含む食品とともに食することが望まれる。また、脂質を含む食材と共に種々の加工食品に加工される食材として好ましく用いられる。脂質を含む食材としては、バターや乳、カカオバター、卵などが例示され、これらの1種若しくは2種以上の脂質を含む食材が用いられる。脂質を含む食材を用いた加工食品はおいしいが、摂取カロリーが多くなる。しかしながら、本発明の加工米をこれらの食材と同時に摂取することにより、実質的に摂取カロリーを抑えることができるからである。
加工食品としては、例えば、カカオバターを原料としたチョコレート菓子、バターや卵、牛乳などを原料としたケーキやクッキーなどの焼き菓子、パンケーキを含むホットケーキ類、パン、アイスクリームなどの氷菓、ドーナツなどの揚げ菓子、揚げパン、麺類、油で揚げた各種フライ食品、水産練り製品、畜肉ソーセージが例示される。さらに具体例を挙げると、本発明の加工米はピーナツやアカデミアンナッツなどの代替として用いられ、粉砕されていない加工米や粉砕された加工米が0.01〜50%程度配合されたチョコレート菓子やアイスクリームが提供される。また、当該加工米の米粉が小麦粉の代替として用いられ、この粉が0.01〜50%程度配合されたパンや焼き菓子が提供される。こうした洋菓子だけでなく、鶏肉や豚肉、牛肉、魚肉を使ったフライや天ぷらなどのフライ食品において、粉砕された加工米がこれらの衣に使われる粉(衣中に0.1〜40%程度)として利用される。また、揚げ麺や生麺のような麺類において当該加工米の米粉が主原料又は小麦粉の代替(麺中に0.1〜50%程度)として、畜肉ソーセージや揚げ蒲鉾のような水産練り製品においては、粉砕されていない加工米や粉砕された加工米がその副原料に使われる粉(製品中に0.1〜40%程度)として利用される。さらに、油による炒め物などにおいて本発明の加工米をゴマのようなトッピング材として利用することもできる。また、本発明の加工米を、脂質を含まないか脂肪含量の極めて低い食材と一緒に用いて加工食品を製造することもできる。もっとも、上記で挙げた加工米の配合量は目安であり、加工食品における食感や製造条件などに合わせて適宜変更される。
本発明の加工米は、同時摂取した食餌中に存在する脂質の吸収を抑制する効果を有するので、脂質吸収抑制効果ないし脂肪蓄積抑制効果を標榜した特定保健用食品としての利用や、医薬組成物若しくはいわゆる健康食品組成物としての利用が期待される。特定保健用食品や医薬組成物、健康食品組成物としての利用において、その形態は、例えば錠剤、顆粒剤、ドリンク剤など経口摂取可能な形態であれば特に制限を受けるものではない。加工米は、膨化処理された米粒そのもの、若しくはその粉砕物や粉末として、デンプンなどの賦形剤、CMCなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤等の各種添加剤とともに常法により製剤化される。各組成物中への加工米ないしその粉砕物及び粉末の配合量は0.01〜99.9%である。
特定保健用食品や医薬組成物、健康食品組成物として利用する場合には、脂質吸収抑制効果が得られる量の加工米が摂取され、その摂取量は1回の食事に対して加工米として0.1〜400g、好ましくは1〜200g、さらに好ましくは1〜50g程度である。
このように、日常の食餌としては、食感や香味の点で好ましいものとはいえなかったwx/ae米が、膨化処理によって香ばしく適度な歯ごたえのある食品に変化し、食品としての利用価値が高まり、それに加えて膨化処理により脂質吸収抑制効果が付加される。従って、高脂肪食の摂取による血中中性脂肪の増加が抑えられ、本発明の加工米は高脂血症や動脈硬化などいわゆる成人病の予防に寄与できる。
下記の実施例に基づき、本発明につきさらに詳細に説明する。もっとも、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔膨化処理〕
穀類膨張機(有限会社橘機工製、吉村式穀類膨張機)を用いて、野生種のうるち米からアミロース合成酵素I(GBSSI)とアミロペクチン枝作り酵素IIb(BEIIb)の双方を欠失した二重変異体(wx/ae)米の玄米を膨化処理した。玄米100gを圧力釜に入れ、10気圧になるまで加熱した後、釜の蓋を開放して常圧まで急激に減圧した。得られた加工米は、原料の玄米に比べて表面が褐変しており、香ばしい香りがした。また、その食感はせんべいのような歯ごたえであり、そのままで食べても十分においしいものであった。また、加工米の体積を計るとその単位質量当たりの体積(嵩体積)は3.2ml/gであって、玄米の1.3ml/gに対して約2.5倍に膨化していた(膨化度2.5)。なお、うるち米を同様に処理したところ、その加工米(膨化米)の嵩体積は9.5ml/gであって、玄米の1.1ml/gに対して約8.6倍(膨化度8.6)であった。
〔脂質吸収抑制効果〕
下記の試験食を摂取してもらい、食後の血中トリグリセライド(血中TG)及び血糖値を測定した。測定には市販のTG測定用試薬(アクトレンドGCT:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)及び血糖値測定用試薬(グルテストNeo:株式会社三和化学研究所製)を用いた。
(試験食)
・試験食1 市販のカップアイスクリーム100g入り(脂質含量40g)2個と商品名エビアン水330ml
・試験食2 市販のカップアイスクリーム100g入り(脂質含量40g)2個と、うるち米玄米の膨化処理米10g、商品名エビアン水330ml
・試験食3 市販のカップアイスクリーム100g入り(脂質含量40g)2個と、二重変異体米玄米の膨化処理米10g、商品名エビアン水330ml
(試験方法)
アイスクリームと膨化処理米をかき混ぜ、水と交互に約10分間で完食した。摂食前と摂食後6時間までの1時間おきに血中TGを測定し、各測定回において±5mg/dl範囲内にある2回の平均値を求めた。また、摂食前と摂食後6時間まで、摂食直後(0分)、摂食後15分、同30分、同45分、同1時間、以下1時間おきに血糖値を測定した。なお、摂取後は絶食としたが、喉の渇きが著しい場合に少量の水を取った。
(結果)
血中中性脂肪の測定結果を図1に、血糖値の測定結果を図2に示す。wx/ae体米玄米の加工米を摂取した場合には、高脂肪食による脂肪上昇が抑制され、脂質の吸収抑制効果が確認された。その一方、うるち米玄米を膨化処理した加工米では脂質吸収抑制効果が見られなかった。一方、いずれの試験食においても血糖値の上昇はわずかであって、加工米の摂取による影響はほとんど見られなかった。
次に実施例1で得られた加工米を利用して各種加工食品を試作した。試作した加工食品はいずれも良好に食べることができた。
(チョコレート菓子)
ミルクチョコレート150g、カカオバター50g、加工米250g、フィアンティーヌ(ラングドシャよりも軽くて薄いクッキーのような生地)150gを用いてチョコレート菓子を試作した。ミルクチョコレートとカカオバターを湯煎で溶かし、それと加工米、フィアンティーヌを混ぜ合わせた。これを型に流して、冷蔵庫で固め、適当な大きさにカットした。
(せんべい)
卵25g、砂糖15g、味噌3g、二重変異体米の玄米粉16g、加工米25gを用いてせんべいを試作した。割った卵に砂糖、味噌を混ぜ合わせ、玄米粉及び加工米を加えてざっくりと混ぜる。クッキングシートを敷いた天板に、得られた生地を薄くのばして、190℃のオーブンにて約8分焼き、その後裏返して170℃で約6分焼いた。
(パン)
加工米を粉にしたもの200g、強力粉400g、水300ml、牛乳200ml、砂糖30g、塩10g、イースト12g、発酵バター40gを用いてパンを試作した。材料をよく混ぜたのち、1次発酵及び2次発酵を行い、握りこぶし大ぐらいの大きさに生地をとりまとめ、180℃のオーブンにて約15分焼いた。
(油揚げ麺)
小麦粉(中力粉)425g、加工米を粉にしたもの75g、粉末状小麦蛋白15gを予め混合し、その後、食塩2.5gと粉末かん水1gを、水190mlに十分に溶解した捏ね水を加えながらミキサーでそぼろ状になるまで混合する。そぼろ状になった生地をローラーで圧延し麺帯(最終麺厚1.4mm程度)を作成し、丸刃20番の切り刃で麺線として切り出す。麺線を蒸した(100℃、1.5分)後、フライ(油温150℃、1.5分)及び放冷して揚げ麺を作製した。
(卵入り麺)
小麦粉(準強力粉)425g、加工米を粉にしたもの75g、粉末状小麦蛋白15gを予め混合し、その後、食塩5gと粉末かん水5gと全卵50gを、水140mlに十分に溶解した捏ね水を加えながらミキサーでそぼろ状になるまで混合する。そぼろ状になった生地をローラーで圧延し麺帯(最終麺厚1.4mm程度)を作成し、角刃20番の切り刃で麺線として切り出し、打ち粉をして卵入り麺を作製した。
(米粉入り畜肉ソーセージ)
豚肉(脂肪量約20%)60質量部、加工米を粉にしたもの10質量部、豚脂10質量部、カゼインナトリウム1質量部、加工タピオカ澱粉3質量部、粉末状小麦蛋白2質量部、「食塩・砂糖・香辛料・調味料類・塩漬剤・発色剤・保存料・着色料等」5質量部、氷水30質量部を用いてソーセージを試作した。
豚肉をサイレントカッターで高速カッティングしながら「食塩・砂糖・香辛料・調味料類・塩漬剤・発色剤・保存料・着色料等」、カゼインナトリウムを混合する。練肉がペースト状になったら氷水、加工米粉末、小麦蛋白、豚脂を添加してカッティングを行なう。最後に澱粉を添加して混合されるまでカッティングを行ない、カッターの蓋裏に付着した肉を落として均一なペーストにする。練肉は45mm幅ケーシングに充填後、加熱(78℃、40分)し、流水で冷却する。
(米粉入り揚げ蒲鉾)
魚肉すり身100質量部、加工米を粉にしたもの10質量部、澱粉10質量部、食塩3質量部、砂糖3質量部、調味料類・みりん4質量部、氷水50質量部を用いて揚げ蒲鉾を試作した。
魚肉すり身をサイレントカッターでカッティングし、すり身が細かくなったら食塩、砂糖、調味料(みりんは除く)を入れて高速でカッティングする。十分粘りのあるペースト状の練肉になったら、氷水を半分入れ、みりんを入れ、カッティングをする。残りの水に澱粉と加工米粉末を分散させて練肉に加え、均一になるまでカッティングをする(練上がり温度は10〜12℃位にあわせる)。練肉を、真空ミキサーに通して気泡を取る。出来上がった練肉を金型に流して楕円形に成型し、170℃のフライヤーで4分間反転しながら両面を揚げる。油を切り、冷却する。
(ドーナツ)
小麦粉(薄力粉)120g、小麦粉(強力粉80g、加工米を粉にしたもの20g、ベーキングパウダー10gを混ぜて篩いを通す。バター40gは室温で柔らかくしておく。ボウルにバターを入れてホイッパーで練り、砂糖60gを3回程度に分けて混ぜ合わせる。更に溶いた卵60g(M1個程度)を3回程度に分けて入れ、良く混ぜ合わせる。続けて牛乳50mlとバニラエッセンス少量を入れ、良く混ぜ合わせる。この生地に篩いを通しておいた粉類を3回程度に分けてさっくりと混ぜ合わせる。生地が一つに纏ったら、ラップで包んで冷蔵庫で30〜40分間休ませる。冷蔵後、生地を1.5mm厚のシート(20cm×15cm)に麺棒で延ばす。リング状に型抜きし、170℃で4分間程度両面をフライする。油を切り、放冷する。
(トンカツ)
バッターミックス粉100gと加工米を粉にしたもの20gを混ぜて篩いを通す。水250gを加えて混合器でダマが消えるまでよく混ぜてバッター液を作る。筋切りした豚肉に塩・胡椒で味付けし、バッター液に漬け、全体に均一な衣が着く様にする。パン粉を付けて180℃の油でフライする。
本発明によると、脂質吸収抑制効果のある加工米が提供され、そのままおやつとして食することができるだけでなく、チョコレート菓子などの加工食品の食品素材として利用される。

Claims (5)

  1. アミロペクチン枝作り酵素(BEIIb)及びアミロース合成酵素I(GBSSI)の両者が欠損した二重変異体米(wx/ae米)の玄米を加熱・加圧した後に急激に減圧して得られた加工米を有効成分とする食後数時間における脂質吸収を抑制する脂質吸収抑制剤。
  2. 請求項1に記載の脂質吸収抑制剤を含む加工食品。
  3. 請求項1に記載の脂質吸収抑制剤と、脂質を含む食材を含む加工食品。
  4. 前記脂質を含む食材は、バター、カカオバター、乳、卵、植物油脂、動物性油脂、豚肉、牛肉の少なくとも1種又は2種以上である請求項3に記載の加工食品。
  5. 前記加工食品は、チョコレート菓子、焼き菓子、パン、氷菓、麺類、畜肉ソーセージ、フライ食品、揚げ菓子、揚げパン類、水産練り製品の何れかである請求項3又は4の何れか1項に記載の加工食品。
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