JP2005000156A - 玄米の粉体並びにその製造方法 - Google Patents

玄米の粉体並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】添加剤を加えることも化学処理や化学変化をさせること必要ない、また微粒子化する必要もない、消化吸収性の高い玄米の粉末を提供する。
【解決手段】本発明は、玄米を加熱しながら加圧して、急激に減圧することによって焼成膨張させた後、粉体化することによって短時間で水等に膨潤出来るようにし、玄米の消化吸収性を高めるものである。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄米の粉体並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、玄米、とりわけ発芽玄米が栄養・滋養食品として注目されており、粉末にして飲料や食品に混合させることが試みられている。
【0003】
玄米を粉末状にすることによって、体内での消化吸収が良好となるとされているが、玄米を粉体化するとベータ化して糊状になってしまうので、玄米の粉体は困難であった。
【0004】
また、玄米等の微粒子の舌ざわりを滑らかにする方法として、微粒子化してペースト状にする方法が提案されているが、特定の高速連続摺潰摺切装置を利用することが提案されているが、特殊な装置を使うこと及び作業が煩雑であるばかりでなく、他の食品と混合して用いることに際して、例えばジュースに混ぜる場合などは制限が多くなるなどの欠点があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また玄米を焙煎しての後、粉体化することが提案されている(例えば、特許文献2並びに特許文献3参照。)。
【0006】
これらは、玄米を変質硬化させることによって粉砕効率が向上し微粉末化が容易になることに着想したあものであるが、炭化させることによって表層の栄養価のより高い胚芽部分が変質してしまい、発ガン性が疑われる炭化物を作ることは、栄養価の高い玄米を供するという目的と粉体化するという手段とを取り違えているので、好ましく採用することは出来ない。
【0007】
更に、玄米を煎って後、粉末にしたものは水に溶けにくいために、浸透剤を併用するか、玄米粉の水溶性を向上させるための植物、例えば黒豆の粉末を混合することなどが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0008】
しかしながら、上記方法ではたとえ黒豆粉でも玄米粉にとっては増量剤となり、飲料や食品に対しての玄米成分の有効割合が低下するだけでなく、超微粒粉末にする作業がわずらわしいという欠点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−41594号公報
【特許文献2】
特公平3−56726号公報
【特許文献3】
特開2001−17124号公報
【特許文献4】
特開2003−70434号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上から明らかなごとく、従来の方法によると無添加で玄米の栄養分をそのまま生かし、用途が制限されずに、消化吸収性のよい玄米粉を得ることは出来ない。
【0011】
本発明は、前記の種々の課題を解決するためになされたもので、極めて簡便な方法で水に膨潤しやすくし、消化吸収性を良くした玄米の粉体並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の玄米の粉体は玄米を焼成膨張させた後、粉体化してなるものである。
【0013】
本発明は玄米を圧力釜で炊飯することによって消化吸収性が向上すること、更には玄米を加熱して加圧し、急激に減圧させることによって膨張させることも同様の作用を与えることに着目してなされた。
【0014】
また、本発明の粉体の製造方法は、玄米を加熱しながら加圧して、急激に減圧することによって焼成膨張させた膨張玄米は、容易に粉体化できるという現象を利用してなされたもので、膨張玄米を粉体化することによってなるものである。
【0015】
【発明の作用及び効果】
本発明は、発芽を加熱して膨張させているので、水膨潤性がよく、そのために消化吸収性が良く、水やジュースなどに混ぜたときに粒度が30メッシュ(粒径が約600ミクロン)程度でもきわめて短時間で膨潤する。
【0016】
しかも本発明の製品は粉体化しているので、水やジュースなどに混ぜたときに、分散性が良いために短時間で膨潤して粉特有のザラツキ感がなくなり、飲料用にも調理用にも、もちろん菓子用などの栄養補助食品材料として抵抗なく利用できる。
【0017】
浸透剤などを含むことなく、純粋の玄米を焼成して膨張させた粉末であるので、健康上も衛生上もまったく問題なく、健康増進の目的にそぐうものである。
【0018】
また、請求項2記載の発明のように構成した場合には、簡便な方法で消化吸収性の高い玄米及び発芽玄米粉末を製造することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
玄米を150℃〜200℃に加熱された釜に投入し、0.5〜2.0メガパスカルで1〜10分程度焼成し、急速に減圧して焼成膨張玄米を得る。
【0021】
膨張玄米の膨張率は3倍以上が好ましいが、上記条件にこだわるものではない。
【0022】
焼成膨張玄米を得るための装置としては、ポン菓子製造機や、ポン煎餅製造機などがあるが、これらにこだわるものではない。
【0023】
続いて、膨張玄米を粉砕機に投入して、600ミクロン(30メッシュ)以下の粉体を得る。
【0024】
請求項3において、玄米が発芽玄米である場合は、玄米を10℃〜40℃の水に含浸させて発芽させ、次いで発芽させた玄米の水切りを行ない、常温で乾燥させたものを用いる。
【0025】
以下に本発明の実施例について説明する。
【0026】
【実施例】
実施例をあげると、玄米を32℃の水に22時間含浸させて発芽させ、水切りを行ない、室温に放置して一昼夜自然乾燥させた後160℃に加熱された釜に投入し、1.1メガパスカルになるまで2分間かけて圧力をあげて焼成し、急速に減圧して4倍に膨張した焼成膨張発芽玄米を得、松下電器社製のハンドミキサー(ナショナルジューサーミキサーMJ−450G)で約2分間粉砕して、平均300ミクロンの粉体を得た。
【0027】
このようにして得られた発芽玄米粉体50グラムを1000ccのりんごジュースに混合したところ、玄米粉末が膨潤して該ジュースに分散して沈殿することなく、粉末のザラツキ感をまったく感じることなく飲用できた。

Claims (3)

  1. 玄米を焼成膨張させた後、粉体化してなることを特徴とする玄米の粉体。
  2. 玄米を加熱釜に入れて加圧して、急激に減圧することによって焼成膨張させた後、粉体化することを特徴とする玄米粉体の製造方法。
  3. 玄米が発芽玄米であることを特徴とする請求項1または2記載の玄米粉体並びに玄米粉体の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012034621A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Osaka Prefecture Univ 加工米
JP4991970B1 (ja) * 2012-01-23 2012-08-08 ミツレフーズ株式会社 穀物飲料および穀物飲料の製造方法
JP2014161244A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Yutaka Shokuhin:Kk 乾燥・塩蔵海藻を用いたふりかけ用・お茶漬け用の食品素材の製造方法

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