JP2020078344A - ベーカリー食品 - Google Patents

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Takuya Ozawa
拓也 小澤
美穂 櫻田
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美穂 櫻田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、しっとりとして、口どけのよい(口の中でのこなれがよい)食感のベーカリー食品を得るための、卵の配合量が多い、ベーカリー食品生地を提供することである。また、該生地を加熱焼成したベーカリー食品を提供することである。【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):(A)穀粉 100質量部、(B)卵 50〜150質量部、(C)糖類 50〜150質量部、(D)可塑性油脂組成物 50〜150質量部を含有するベーカリー食品生地であって、成分(D)が、次の構成(d1)、(d2)及び(d3)を満たすベーカリー食品生地。(d1)、(d2)及び(d3)は明細書に記載。【選択図】なし

Description

本発明は、卵を豊富に含んだベーカリー食品生地及び該生地を加熱焼成したベーカリー食品に関する。
ケーキ、クッキー、ビスケット等のベーカリー食品は、小麦粉を主とする穀粉に油脂(バター、マーガリン、ショートニング)、砂糖、卵、牛乳、香料等を加えて焼いた食品である。これらのベーカリー食品の中でも、卵の配合量が多いものは総じて、しっとり感があり、人気がある。
ベーカリー食品生地に多量の卵を使用する場合、油脂との馴染みがよくないと、分離しやすい。従来、ベーカリー食品生地の吸卵性を良くするためには、油脂に各種乳化剤を添加する試みがなされている(例えば、特許文献1〜4)。しかしながら、所望の吸卵性を得るためには、乳化剤を多量に使用する必要があり、風味が劣るという難点があった。
また、例えば特許文献5のように、ラード及び/又は分別ラードと、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステル交換して得られた油脂を使用する試みもなされている。しかしながら、吸卵性を向上させるために、油脂のSFC(固体脂含量)曲線をヨコ型にしているので、ベーカリー食品を食したときの崩壊感が乏しく、口どけにもたつきがある。バターを使用した場合の、しっとりとして、かつ、こなれのよい口どけとは全く異なり、優れないものであった。
特開2003−13086号公報 特開2003−49191号公報 特開2005−46039号公報 特開2011−205938号公報 特開平11−289976号公報
従って、しっとりとして、口どけのよい(口の中でのこなれがよい)食感のベーカリー食品を得るための、卵の配合量が多い、ベーカリー食品生地の開発が望まれていた。
本発明の課題は、しっとりとして、口どけのよい(口の中でのこなれがよい)食感のベーカリー食品を得るための、卵の配合量が多い、ベーカリー食品生地を提供することである。また、該生地を加熱焼成したベーカリー食品を提供することである。
本発明者らは、ベーカリー食品生地に使用する可塑性油脂組成物として、SFC曲線が縦型である特定の油脂を含む可塑性油脂組成物を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様の1つは、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)穀粉 100質量部、
(B)卵 50〜150質量部、
(C)糖類 50〜150質量部、
(D)可塑性油脂組成物 50〜150質量部
を含有するベーカリー食品生地であって、成分(D)が、次の構成(d1)、(d2)及び(d3):
(d1)成分(D)を構成する油脂全体のSFCが、
5℃で40〜60%、
25℃で5〜20%、
(d2)成分(D)を構成する油脂全体の構成脂肪酸中、炭素数14以下の脂肪酸が占める割合が10〜30質量%、
(d3)成分(D)を構成する油脂全体中、S2Uが占める割合が20〜40質量%、及び、SU2が占める割合が10〜30質量%、
を満たすベーカリー食品生地である。
ただし、S、U、S2U及びSU2は、次のものを示す。
S 炭素数16以上の飽和脂肪酸
U 炭素数16以上の不飽和脂肪酸
S2U 2分子のSと1分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロール
SU2 1分子のSと2分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロール
また、好ましい態様としては、上記成分(D)の構成(d3)において、成分(D)を構成する油脂全体中、SU2が占める割合に対するS2Uが占める割合(S2U/SU2)が1.0〜1.8である、ベーカリー生地である。
また、好ましい態様としては、上記成分(D)の構成(d3)において、S2Uに占めるSUSの割合(SUS/S2U)が0.6〜1.0である、ベーカリー生地である。
ただし、SUSは、次のものを示す。
SUS グリセロールの、2位にU及び1,3位にSが結合したトリアシルグリセロール
また、好ましい態様としては、生地比重が0.6〜1.2である、上記ベーカリー食品生地である。
本発明のまた別の態様の1つは、上記ベーカリー食品生地を焼成してなる、ベーカリー食品である。
本発明のまた別の態様の1つは、上記ベーカリー食品生地の製造方法であって、成分(C)と成分(D)とを混合する工程、混合物を攪拌しながら成分(B)を加える工程、その後、成分(A)を加えて混合する工程、を含む、ベーカリー食品生地の製造方法である。
本発明によると、しっとりとして、口どけのよい(口の中でのこなれがよい)食感のベーカリー食品を得るための、卵の配合量が多い、ベーカリー食品生地を提供することができる。また、該生地を加熱焼成したベーカリー食品を提供することができる。
また、本発明のベーカリー生地は作業性(起泡性及び吸卵性)がよく、ベーカリー食品は外観に優れたものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のベーカリー食品生地は、次の成分(A)穀粉を100質量部に対して、(B)卵を50〜150質量部、(C)糖類を50〜150質量部及び(D)可塑性油脂組成物を50〜150質量部含有する。また、本発明のベーカリー食品生地は、成分(A)を100質量部に対して、(B)を70〜130質量部、(C)を70〜130質量部及び(D)を70〜130質量部含有することが好ましい。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(A)の穀粉は、例として、小麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉、並びに、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、米澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、及びそれらの化工澱粉、等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。穀粉は、小麦粉と必要に応じて小麦粉以外の穀粉を使用することが好ましい。穀粉全体に占める小麦粉の割合は、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは70〜100質量%であり、更に好ましくは90〜100質量%である。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(B)の卵は、例として、全卵、卵白、卵黄、並びに、それらの殺菌卵、等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。また、しっとりとして、口どけのよい食感のベーカリー食品を得るために、ベーカリー食品生地全体に占める成分(B)の割合は、15〜35重量%であることが好ましく、20〜30量%であることがより好ましい。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(C)の糖類は、例として、ショ糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、オリゴ糖、酵素糖化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元澱粉糖化物、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖及びデキストリン等を挙げることができる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、次の構成(d1)である、成分(D)を構成する油脂全体のSFCが、5℃で40〜60%、25℃で5〜20%を満たす。成分(D)を構成する油脂全体のSFCは、好ましくは、5℃で45〜55%、25℃で7〜18%を満たす。また、成分(D)を構成する油脂全体のSFCは、5℃と25℃のSFCの差が、25〜45%であることが好ましく、30〜40%であることがより好ましい。
なお、油脂のSFC(固体脂含量)は、社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)に従って測定することができる。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、次の構成(d2)である、成分(D)を構成する油脂全体の構成脂肪酸中、炭素数14以下の脂肪酸が占める割合が10〜30質量%を満たす。炭素数14以下の脂肪酸が占める割合は、12〜27質量%であることが好ましく、14〜26質量%であることがより好ましい。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、次の構成(d3)である、成分(D)を構成する油脂全体中、S2Uが占める割合が20〜40質量%、及び、SU2が占める割合が10〜30質量%を満たす。ここで、Sは、炭素数16以上の飽和脂肪酸であり、好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。Uは、炭素数16以上の不飽和脂肪酸であり、好ましくは炭素数16〜18の不飽和脂肪酸である。S2Uは、2分子のSと1分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールである。SU2は、1分子のSと2分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールである。成分(D)を構成する油脂全体中、S2Uが占める割合は、好ましくは22〜36質量%であり、SU2が占める割合は、好ましくは12〜26質量%である。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、上記構成(d3)において、成分(D)を構成する油脂全体中、SU2が占める割合に対するS2Uが占める割合(S2U/SU2)が、好ましくは1.0〜1.8であり、より好ましくは1.1〜1.7であり、更に好ましくは1.2〜1.6である。また、本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、上記構成(d3)において、S2Uに占めるSUSの割合(SUS/S2U)が、好ましくは0.6〜1.0であり、より好ましくは0.7〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。ここで、SUSは、グリセロールの、2位にU及び1,3位にSが結合したトリアシルグリセロールである。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、さらに、成分(D)を構成する油脂全体中、U3が占める割合が、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは7〜22質量%である。また、成分(D)を構成する油脂全体中、S3が占める割合が、好ましくは1〜8質量%であり、より好ましくは1〜6質量%である。ここで、U3は、3分子のUを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールである。S3は、3分子のSを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールである。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、
好ましくは連続相が油脂であり、具体的には、いわゆる油相のみであるショートニング類や油中水型であるマーガリン類が該当する。本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、好ましくは油中水型であるマーガリン類であり、その油脂含量は60〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることが更に好ましい。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、成分(D)の油脂全体が、上記の(d1)、(d2)及び(d3)の構成を満たすと、油脂のSFC曲線が縦型であっても、ベーカリー食品生地の吸卵性が向上し、ベーカリー食品生地を加熱焼成したベーカリー食品が、しっとりとして、口どけのよい食感となる。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、成分(D)の油脂全体が、上記の(d1)、(d2)及び(d3)の構成を満たす限り、成分(D)中に使用される油脂は、特に制限されない。通常の食用油脂を1種または2種以上用いることができる。例としては、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、胡麻油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、乳脂や、これらの油脂の混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。特に、(X)構成脂肪酸として炭素数14以下の脂肪酸を含むヤシ油やパーム核油等のラウリン系油脂及びラウリン系油脂を含むエステル交換油脂、(Y)パーム油及びその分別油、及び、(Z)大豆油、菜種油、ひまわり油等の10℃で液体である油、を含むことが好ましい。成分(D)に使用される油脂中に、上記(X)は10〜60質量%含まれることが好ましく、15〜55質量%含まれることがより好ましい。上記(Y)は20〜70質量%含まれることが好ましく、30〜60質量%含まれることがより好ましい。上記(Z)は、10〜50質量%含まれることが好ましく、15〜45質量%含まれることがより好ましい。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、油脂以外の成分として、通常のマーガリン、ショートニング等に使用される成分を含有することができる。油脂以外の成分としては、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、脱脂粉乳やホエイパウダー等の乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、香辛料、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、マーガリン、ショートニング等の製造に通常用いられる方法により製造できる。例えば、油脂と必要に応じて油溶性成分を含む油相を溶解し、必要により水に水溶性成分を溶解乃至分散させた水相を混合乳化する。そして次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式であってもよく、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式であってもよい。次に、冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却し、可塑化させる。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せが挙げられる。
本発明のベーカリー食品生地に使用される成分(D)の可塑性油脂組成物は、健康上懸念されるトランス脂肪酸の含量を低減するという理由から、トランス脂肪酸含量が0〜5質量%であることが好ましく、0〜3質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることが更に好ましい。
本発明のベーカリー食品生地使用される上記成分(A)、(B)、(C)及び(D)以外の原料は、ベーカリー食品の種類によって様々であり、特に制限されるものではないが、通常ベーカリー食品生地に使用される、高甘味度甘味料、乳製品、膨張剤、水、食塩、乳化剤、香辛料、香料、着色料、調味料、チョコレート、ココア、ナッツ類、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、フルーツ、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、ハーブ、肉類、魚介類、保存料、日持ち向上剤などの公知の材料を適宜用いることができる。
上記乳製品としては、生乳、牛乳、山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、チーズ、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ヨーグルト、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等を用いることができる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。
本発明のベーカリー食品生地は、ベーカリー食品の種類によって様々であり、その製造方法は特に制限されるものではないが、本発明のベーカリー食品生地は、卵の配合量が多いので、いわゆるシュガーバッター法や後粉法で調製するのが好ましい。すなわち、成分(C)と成分(D)とを混合する工程、混合物を攪拌しながら成分(B)を加える工程、その後、成分(A)を加えて混合する工程、を含む生地の調製方法ある。成分(D)は、予め含気させておいても構わないし、成分(B)も予め含気させておいても構わない。本発明のベーカリー食品生地は、調製後の比重(g/ml)が、好ましくは0.6〜1.2であり、より好ましくは0.7〜1.0である。
本発明のベーカリー食品は、本発明のベーカリー食品生地を成型し、加熱焼成することにより得られる。成形は、型(モールド)成形や抜型による成形、絞り出し等、公知の方法で行うことができる。また、加熱焼成方法としては、直火、オーブン、電子レンジ、蒸し焼き等が挙げられる。本発明のベーカリー食品は、本発明のベーカリー食品生地を冷凍または冷蔵して保存した後、これを加熱焼成してもよいし、また、本発明のベーカリー食品を冷凍または冷蔵して、電子レンジで解凍調理することも可能である。
本発明のベーカリー食品の具体例としては、生地に卵を多く使用する、例えば、パウンドケーキ、カップケーキ、クレームダマンド等が挙げられる。特に、パウンドケーキが好ましい。また、チョコレート、クリーム、フラワーペースト等を包餡、サンド、被覆等した複合菓子も本発明のベーカリー食品の1つである。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例になんら制限されるものではない。
〔分析方法〕
油脂の固体脂含量は、社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定した。
油脂のトリアシルグリセロールは、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce5−86準拠)で分析した。
油脂の構成脂肪酸は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)で分析した。
〔可塑性油脂組成物の調製〕
可塑性油脂組成物として、以下のマーガリン1〜3を使用した。
マーガリン1(商品名:ロイヤルワイド100、油脂含有量83.3質量%、トランス脂肪酸含量0.7質量%、油脂SFC 27.3%(5℃)、14.2%(25℃)、油脂の構成脂肪酸中 炭素数14以下の脂肪酸含有量5.1質量%、油脂中 S2U含有量12.3質量%(S2U中のSUS含有量33.3質量%)、SU2含有量33.3質量%、U3含有量33.6質量%、S3含有量8.9質量%、日清オイリオグループ株式会社製)
マーガリン2(商品名:ベジバタ300、油脂含有量81.8質量%、トランス脂肪酸含量0.4質量%、油脂SFC 56.0%(5℃)、9.9%(25℃)、油脂の構成脂肪酸中 炭素数14以下の脂肪酸含有量2.6質量%、油脂中 S2U含有量46.3質量%(S2U中のSUS含有量80.6質量%)、SU2含有量28.8質量%、U3含有量13.4質量%、S3含有量5.6質量%、日清オイリオグループ株式会社製)
マーガリン3(試製造品、油脂含有量81.8質量%、トランス脂肪酸含量0.4質量%、油脂SFC 49.3%(5℃)、9.5%(25℃)、油脂の構成脂肪酸中 炭素数14以下の脂肪酸含有量24.4質量%、油脂中 S2U含有量24.0質量%(S2U中のSUS含有量82.1質量%)、SU2含有量16.3質量%、U3含有量10.7質量%、S3含有量4.6質量%、日清オイリオグループ株式会社内製品)
〔パウンドケーキの製造〕
表1の配合に基づいて、比較例1〜2及び実施例1のパウンドケーキ生地を以下の手順1〜3に従って調製した。調製した生地を手順4に従って焼成し、比較例1〜2及び実施例1のパウンドケーキを得た。

(パウンドケーキの製造手順)
1.マーガリンと上白糖を混合し、ミキサーにより比重を0.75にする。
2.1に、全卵を加えて混合する。
3.2に、薄力粉とベーキングパウダーを加え、均一に混合し、生地を調製する。
4.3の生地を1050ccのパウンド型に500g流し込み、185℃のオーブンで52分焼成する。
〔パウンドケーキの評価〕
上記で得られた、比較例1〜2及び実施例1のパウンドケーキ生地とパウンドケーキについて、パウンドケーキ生地については起泡性及び吸卵性を、また、パウンドケーキについては外観及び食感を、以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示した。

(パウンドケーキ生地の評価)

起泡性:比重0.75となるまでの時間
評点
3 ・・・ 3分未満で良好
2 ・・・ 3分以上7分未満
1 ・・・ 7分以上で悪い

吸卵性:吸卵後の生地の状態
評点
3 ・・・ 分離なく良好
2 ・・・ 分離気味
1 ・・・ 完全に分離

(パウンドケーキの評価)

焼成品の外観評価
評点
3 ・・・ 肌理が細かく揃っていて良好
2 ・・・ 肌理が細かく、良好
1 ・・・ 肌理が粗い

焼成品の食感評価(焼成日、焼成2日後及び焼成3日後に評価)
評点
5 ・・・ とてもしっとりとしており、口当たりがなめらかで、
口どけ良好
4 ・・・ しっとりとしており、口当たりがなめらかで口どけ良好
3 ・・・ ややしっとりとしていて口どけ良好
2 ・・・ 少しパサつきがあり、くちゃつきもある
1 ・・・ パサつきがあり、くちゃつきもある
Figure 2020078344

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)穀粉 100質量部、
    (B)卵 50〜150質量部、
    (C)糖類 50〜150質量部、
    (D)可塑性油脂組成物 50〜150質量部
    を含有するベーカリー食品生地であって、成分(D)が、次の構成(d1)、(d2)及び(d3):
    (d1)成分(D)を構成する油脂全体のSFCが、
    5℃で40〜60%、
    25℃で5〜20%、
    (d2)成分(D)を構成する油脂全体の構成脂肪酸中、炭素数14以下の脂肪酸が占める割合が10〜30質量%、
    (d3)成分(D)を構成する油脂全体中、S2Uが占める割合が20〜40質量%、及び、SU2が占める割合が10〜30質量%、
    を満たすベーカリー食品生地。
    ただし、S、U、S2U及びSU2は、次のものを示す。
    S 炭素数16以上の飽和脂肪酸
    U 炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    S2U 2分子のSと1分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロール
    SU2 1分子のSと2分子のUとを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロール
  2. 前記成分(D)の構成(d3)において、成分(D)を構成する油脂全体中、SU2が占める割合に対するS2Uが占める割合(S2U/SU2)が1.0〜1.8である、請求項1に記載のベーカリー生地。
  3. 前記成分(D)の構成(d3)において、S2Uに占めるSUSの割合(
    SUS/S2U)が0.6〜1.0である、請求項1または2に記載のベーカリー生地。
    ただし、SUSは、次のものを示す。
    SUS グリセロールの、2位にU及び1,3位にSが結合したトリアシルグリセロール
  4. 生地比重が0.6〜1.2である、請求項1〜3の何れか1項に記載のベーカリー食品生地。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のベーカリー食品生地を焼成してなる、ベーカリー食品。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載のベーカリー食品生地の製造方法であって、成分(C)と成分(D)とを混合する工程、混合物を攪拌しながら成分(B)を加える工程、その後、成分(A)を加えて混合する工程、を含む、ベーカリー食品生地の製造方法。
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