JP2011234660A - バターケーキ生地 - Google Patents

バターケーキ生地 Download PDF

Info

Publication number
JP2011234660A
JP2011234660A JP2010107907A JP2010107907A JP2011234660A JP 2011234660 A JP2011234660 A JP 2011234660A JP 2010107907 A JP2010107907 A JP 2010107907A JP 2010107907 A JP2010107907 A JP 2010107907A JP 2011234660 A JP2011234660 A JP 2011234660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
dough
mass
butter
water emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010107907A
Other languages
English (en)
Inventor
Chie Okamoto
千恵 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2010107907A priority Critical patent/JP2011234660A/ja
Publication of JP2011234660A publication Critical patent/JP2011234660A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】ぱさつきが抑制されしっとりした食感の油分含量の高いバターケーキ、とくに、生地安定性が高く、良好な品質の軽い食感のバームクーヘンを得ることができる、バターケーキ生地を提供すること。
【解決手段】油分含量が60質量%以上である高油分水中油型乳化物を使用したケーキ生地であって、ケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%以上が、該高油分水中油型乳化物由来であることを特徴とするバターケーキ生地。
【選択図】なし

Description

本発明は、バターケーキ生地、詳しくはバームクーヘン生地に関する。
パウンドケーキ、マドレーヌ、マフィン、バームクーヘンに代表されるバターケーキは、小麦粉、油脂、卵、砂糖を主要原料とし、ここに、膨張剤、香料、フルーツピューレやチョコ原料などの風味成分や、果実やチョコチップなどの固形物等の副原料を使用した生地を焼成して得られる。
その基本配合は、小麦粉、油脂、卵、砂糖の4種の主要原料を等量含む生地(4同割)であり、求める食感や甘味、あるいは風味に応じて卵や油脂の配合を増減させるが、通常、油脂の量が小麦粉の半分量を超える含量となっている。
その製造方法としては、油脂のクリーミング性を利用する方法と、卵のホイップ性を利用する方法があるが、一般的には前者の方法が使用される。
その具体的な製造方法としては、油中水型マーガリンやショートニングと砂糖を混合し、クリーミングし、ここに卵、小麦粉を混合するシュガーバッター法、ショートングと小麦粉を混合し、クリーミングし、ここに卵、砂糖を混合するフラワーバッター法が主に行なわれる。
一方、後者の方法を用いる場合、バターケーキは卵の起泡力を阻害する油分含量が高いことから、製菓用起泡剤や流動ショートニングを使用したオールインミックス法あるいは後粉法や、軽い比重を必要としない生地の場合は、小麦粉、卵、砂糖を混合し、起泡した生地に、溶解した油脂を添加する後油法、小麦粉、卵、砂糖を使用して混合した生地に100℃程度に加温した油脂を添加して、小麦粉を強制的に糊化するアルファ化法などがある。
しかし、シュガーバッター法やフラワーバッター法では、使用する油脂が固形脂であることや、油中水型油脂、あるいはショートニングを使用することから、得られるケーキがややぱさついた食感になってしまう問題があり、オールインミックス法や後粉法では、得られるバターケーキの気泡が細かく弾力のあるクラムにならない問題と、ぱさついた食感になってしまう問題があり、後油法では、添加する油脂の溶解に手間がかかることに加え、気泡がつぶれやすいため硬い食感のケーキになりやすく、アルファ化法では、後油法に比べさらに油脂の溶解に手間がかかることに加え、もちもちした弾力のある食感になってしまうという問題や、アルファ化の制御が難しいため食感の揃ったケーキを得ることが難しいという問題、さらには比重の軽いバターケーキを得ることができないという問題があった。
そこで、これらの問題を解決する方法として、ケーキ生地にマヨネーズを練り込む方法(例えば特許文献1参照)、生地に使用する糖類の一部を乳化させた油中水型乳化組成物を使用する方法(例えば特許文献2参照)や、特定の乳化剤を2種使用した水中油型乳化物を使用する方法(例えば特許文献3参照)が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法は、マヨネーズで使用する酸や卵の風味が付与されてしまうという問題に加え、酸による食感のぱさつき感の増加が問題となる。また、特許文献2の油脂組成物を使用する方法は、気泡が詰まった食感が重いケーキになってしまうという問題があり、特許文献3に記載の水中油型乳化物を使用する方法は、気泡膜が薄くバターケーキにしては軽すぎる食感になってしまうという問題があった。
ここで、バターケーキ生地の中でも特殊な生地としてバームクーヘン生地がある。バームクーヘンは、流動性の高い生地を加温して保持し、心棒に付着させては焼成し、さらにその上から同一生地を付着させて焼成する、という工程を繰り返すため、中心部から周辺部まで一定の食感のバームクーヘンを得るためには、バームクーヘン生地は長時間にわたって加温した状態での生地の状態が一定であること、すなわち、生地の安定性が高いことが必要である。
さらに、焼成の工程を繰り返すことから、バームクーヘンの中心部は周辺部に比べて、乾いたぱさついた食感になりやすい問題があった。
また、バームクーヘン生地を製造する際に、安定性の悪い生地を使用すると、得られたバームクーヘンの層剥れが生じやすいという問題があった。
なお、最近では、上記伝統的な断面が年輪状のバームクーヘン以外にも、展板上に生地を流し込んでは焼成する、という工程を繰り返すことで得られる平面状のバームクーヘンもあるが、上記の生地の安定性、食感の均質性、及び、層剥れについての課題は全く同様である。
そのためバームクーヘン生地は、一般のバターケーキ生地と異なり、比重をやや重くすることで、生地の脱泡に起因する生地安定性の問題発生を根本的に除き、火抜けを抑えることで食感と層剥れの問題を解決している。そのため、バームクーヘンは重い食感になっていて、それが特徴となっている。
しかし、最近では、通常のバターケーキ同様の軽い食感のバームクーヘンも求められている。
ここで、バームクーヘン生地を通常のバターケーキ生地同様の軽い比重とすると、当然、上記バームクーヘン生地特有の生地安定性の問題、食感の問題、層剥れの問題が発生する。
そして、上記特許文献1〜3に記載の方法を用いたとしても、上記軽い比重のバームクーヘン生地で生じる問題を解決できるものではなかった。
特開2007−222009号公報 特開2009−153477号公報 特開平04−79834号公報
従って、本発明の目的は、ぱさつきが抑制されしっとりした食感の油分含量の高いバターケーキ、とくに、生地安定性が高く、良好な品質の軽い食感のバームクーヘンを得ることができる、バターケーキ生地を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、従来のバターケーキ製造で使用している油中水型マーガリンやショートニングではなく、逆の乳化形態である水中油型乳化型であって油分含量が高い水中油型乳化物を使用し、バターケーキ生地に含まれる油分の大部分をこの水中油型乳化物由来のものとすることで、上記問題を解決することが可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、油分含量が60質量%以上である高油分水中油型乳化物を使用したバターケーキ生地であって、バターケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%以上が、該高油分水中油型乳化物由来であることを特徴とするバターケーキ生地を提供するものである。
本発明のバターケーキ生地を使用すると、ぱさつきが抑制されしっとりした食感の油分含量の高いバターケーキ、とくに、良好な品質の軽い食感のバームクーヘンを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明で使用する、高油分水中油型乳化物について述べる。
上記高油分水中油型乳化物に使用する油脂としては特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記油脂として、常温(30℃)で液状である油脂を使用することが好ましい。
上記高油分水中油型乳化物における油分含量は、高油分水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる油分も含め、60質量%以上であることが必要であり、好ましくは70質量%以上とする。60質量%未満であると本発明の効果は得られない。なお、上限については、90質量%である。90質量%超であると高油分水中油型乳化物が安定に製造できない可能性がある。
上記高油分水中油型乳化物に使用する水としては特に制限されず、例えば、水道水、ミネラル水、地下水等が挙げられる。本発明においては、これらの水を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、卵、クリーム、液糖など、水分を含有する食品素材に含まれる水分を、該水として使用することもできる。
上記高油分水中油型乳化物における水分含量は、高油分水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる水分も含め、好ましくは35質量%以下である。35質量%超であると本発明の効果は得られないおそれがある。なお、下限については、8質量%である。8質量%未満であると高油分水中油型乳化物が安定に製造できない可能性がある。
上記高油分水中油型乳化物は、上記油脂と上記水を乳化するために乳化剤を使用する。本発明では、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルの中から選ばれた1種又は2種以上の乳化剤を含有するのが好ましい。さらに好ましくはソルビタン脂肪酸エステル1種以上とグリセリン脂肪酸エステル1種以上を含有するのがよい。
上記のソルビタン脂肪酸エステルは、好ましくはHLBが2〜10、さらに好ましくは2〜8のソルビタン脂肪酸エステルを用いるのがよい。上記ソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基としては特に制限はなく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の残基が挙げられる。上記ソルビタン脂肪酸エステルの含有量は上記高油分水中油型乳化物中、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%である。
上記のグリセリン脂肪酸エステルとしては、好ましくはHLBが0〜6、さらに好ましくは0〜4のグリセリン脂肪酸エステルを用いるのがよい。また上記のグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、グリセリン脂肪酸エステルとしてモノグリセリン脂肪酸エステル及び/またはポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。
上記グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基としては特に制限はなく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の残基が挙げられる。上記グリセリン脂肪酸エステルの含有量は上記高油分水中油型乳化物中、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%である。
また、乳化剤の合計量は、上記高油分水中油型乳化物中、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜20質量%、最も好ましくは1〜10質量%である。
上記有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、酢酸グリセリン脂肪酸エステル、乳酸グリセリン脂肪酸エステル、コハク酸グリセリン脂肪酸エステル、ジアセチル酒石酸グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するグリセリン残基としては特に制限はないが、重合度が1〜10のものが好ましい。
上記高油分水中油型乳化物には、糖類を配合してもよい。上記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
上記高油分水中油型乳化物には増粘安定剤を配合してもよい。上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に制限はないが、上記高油分水中油型乳化物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%、最も好ましくは0.001〜3質量%である。
上記高油分水中油型乳化物は必要により、蛋白質、穀類、無機塩及び有機酸塩、カカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、着香料、果汁、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、pH調整剤、酸化防止剤等を用いることができる。
次に、上記高油分水中油型乳化物の製造方法を説明する。上記高油分水中油型乳化物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、油脂、必要によりソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、油溶性物質を添加した油相を用意する。これを必要により水溶性物質を添加した水相に添加し、水中油型に乳化する。そして必要により殺菌処理を行う。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、これを容器に入れ、冷却固化し高油分水中油型乳化物を得る。また、上記高油分水中油型乳化物を製造する際の何れかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
本発明のバターケーキ生地は、主要原料として小麦粉、卵類、油脂、糖類を含有し、上記高油分水中油型乳化物を、バターケーキ生地に使用する澱粉類100質量部に対し、好ましくは、50〜200質量部、より好ましくは60〜150質量部、さらに好ましくは60〜100質量部含有し、バターケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%以上、好ましくは95質量%以上が、該高油分水中油型乳化物由来であることを特徴とする。ここで、本発明のバターケーキ生地における上記高油分水中油型乳化物の含有量が澱粉類100質量部に対し50質量部未満であると、しっとりとしたバターケーキが得られないおそれがあり、200質量部超であると、油性感の強すぎる脂ぎった食感のバターケーキとなってしまうことに加え、目の詰んだ重い食感のバターケーキとなってしまうおそれがある。
また、本発明のバターケーキ生地において該高油分水中油型乳化物由来の油分含量が、バターケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%未満であると、目の詰んだ、油性感の強いバターケーキとなるという問題や、生地の乳化安定性が悪化するという問題が生じる。
本発明で使用することのできる小麦粉は特に制限されず、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に薄力粉が好ましく用いられる。
本発明のバターケーキ生地で使用することのできる卵類は特に制限されず、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明において、バターケーキ生地における卵類の含有量は、上記高油分水中油型乳化物に含まれる卵分も含め、バターケーキ生地に使用する澱粉類100質量部に対し、全卵(正味)の場合、好ましくは、30〜250質量部、より好ましくは70〜200質量部、さらに好ましくは80〜200質量部である。30質量部未満であると、生地の流動性が低く扱いにくいことに加え、しっとりした食感のバターケーキが得られないことがあり、250質量部を超えると、生地の流動性が高くなりすぎて扱いにくいことに加え、焼成時に膨張性が高すぎてしっとりした食感のバターケーキが得られにくいという問題が生じる。
本発明のバターケーキ生地で使用することのできる油脂は、上記高油分水中油型乳化物に使用する油脂については上述のとおりであるが、バターケーキ生地において該高油分水中油型乳化物由来の油分含量が、バターケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%未満とならない範囲内で使用することのできる油脂についても同様の油脂を使用することができる。本発明において、バターケーキ生地における油脂の含有量は、上記高油分水中油型乳化物に含まれる油分や下記その他の成分に含まれる油分も含め、バターケーキ生地に使用する澱粉類100質量部に対し、50質量部以上、好ましくは60〜120質量部、より好ましくは60〜100質量部である。50質量部未満であると、油分が少ないためしっとりしたバターケーキ特有の食感がまったく得られない。
本発明のバターケーキ生地で使用することのできる糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつの中から選ばれた1 種又は2種以上を使用することができる。本発明において、バターケーキ生地における糖類の含有量は、上記高油分水中油型乳化物に含まれる糖分や、下記その他の成分に含まれる糖分も含め、バターケーキ生地に使用する澱粉類100質量部に対し、好ましくは、糖の固形分として、50〜150質量部、より好ましくは70〜120質量部である。50質量部未満であると、ケーキに必要な甘味が得られず、またしっとりとした食感とならない。また、150質量部を超えると、べとついた食感のバターケーキになってしまうという問題が生じる。
本発明では、通常のバターケーキに使用することのできるその他の成分を使用することができる。該その他の成分としては、例えば、水、でんぷん、乳化剤、増粘安定剤、イースト、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物および動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
なお、上記「澱粉類100質量部に対し」という部分における「澱粉類」とは、上記小麦粉に加え、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、アルファ化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉を含むものとする。ただし、本発明のバターケーキ生地では、澱粉類中、好ましくは小麦粉を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上使用することが、良好なボリュームのバターケーキが得られる点で好ましい。
なお、本発明のバターケーキ生地の好ましい比重は0.4〜1.0、より好ましくは0.5〜1.0である。
本発明のバターケーキ生地は、パウンドケーキ生地をはじめ、チーズケーキ生地、チョコレートケーキ生地、オレンジケーキ生地、ばななケーキ生地、マフィン生地、フィナンシェ生地、マドレーヌ生地、バームクーヘン生地等、各種のバターケーキ生地として使用することができるが、とくに、比重の重いケーキであっても良好な口溶けが求められるマフィン生地又はバームクーヘンクーヘン生地であることが好ましく、より好ましくは、とくに生地安定性が高く、良好な品質の軽い食感のバームクーヘンを得ることができる点で、バームクーヘン生地であることが好ましい。
次に本発明のバターケーキ生地の製造方法について述べる。
本発明のバターケーキ生地の製造方法は特に制限されるものではなく、上記高油分水中油型乳化物を練り込み使用する以外は一般的なバターケーキ生地の製造法を適用することができる。例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。ただし、本発明では、オールインミックス法であることが、生地の乳化安定性が高い点で好ましい。なお、上記高油分水中油型乳化物は起泡性を有するため、とくに製菓用起泡剤の別途添加は必要ない。
次に、本発明のバターケーキについて説明する。
本発明のバターケーキは、上記本発明のバターケーキ生地を焼成することにより、得られるものである。
バターケーキの種類としては、上述のように、パウンドケーキをはじめ、チーズケーキ、チョコレートケーキ、オレンジケーキ、ばななケーキ、マフィン、フィナンシェ、マドレーヌ、バームクーヘン等が挙げられる。
焼成の際に使用する焼型については特に制限はなく、金属製や紙製、シリコン製など各種焼型を使用することができる。また、バームクーヘンの場合に、断面が年輪状のバームクーヘンを得る場合に使用する心棒に使用する材質についても特に制限されず、木製、金属製、紙製、プラスティック製、樹脂製のものを適宜使用することができ、また、可食性の食品素材、たとえばクッキー、パンなどの焼菓子や、牛蒡、ばなな、花梨などの野菜や果物を使用することもできる。
焼成方法は、通常のバターケーキ同様、好ましくは120℃〜250℃、より好ましくは160℃〜220℃で行なう。120℃未満であると火抜けが悪く、焼成時間が延びてしまいやすく、その場合、ソフトでしっとりした食感が得られないものとなってしまうおそれがある。また250℃を超えると焦げを生じ、食味が悪くなりやすく、またぱさつきが抑制されしっとりした食感が得られないおそれがある。
以下、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例などによって何ら制限を受けるものではない。なお、文中の「部」または、「%」とあるのは、断りのない限り質量基準である。
<高油分水中油型乳化物の調製>
〔製造例1〕
菜種液状油100%に、ソルビタンステアリン酸エステル(HLB7)2.0%、グリセリン脂肪酸エステル(HLB4)2.0%を添加、加温溶解し油相を得た。水のみからなる水相20質量部に、上記油相76質量部を徐々に添加しながら乳化させ、冷却固化し、油分含量が73質量%である高油分水中油型乳化物Aを得た。
〔製造例2〕
上記製造例1における水相20質量部を40質量部に、油相76質量部を60質量部に変更した以外は製造例1と同様にして、油分含量が57.6質量%である高油分水中油型乳化物Bを得た。
<バームクーヘン生地及びバームクーヘンの調製>
〔実施例1〕
全卵(正味)170質量部、砂糖100質量部、転化糖液糖25質量部、コーンスターチ20質量部、ベーキングパウダー1質量部、食塩1質量部、上記高油分水中油型乳化物A80質量部をミキサーボウルに投入し、タテ型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速30秒混合した。ついで、薄力粉80質量部を添加し、低速1分混合後、比重が0.55になるまで中速でホイップし、オールインミックス法による、バターケーキ生地に含まれる油分含量の100質量%が、高油分水中油型乳化物A由来であるバームクーヘン生地を得た。
250mm×330mmの鉄製の展板に、上記バームクーヘン生地を均質に160g流し込み、上火200℃、下火150℃に設定した固定オーブンで7分焼成した。続けて上記バームクーヘン生地を同様に160g流し込み同様に焼成し、これを3回繰り返し、合計4層である平板状のバームクーヘンを得た。
得られたバームクーヘンは、ぱさつきが抑制されしっとりした軽い食感のバームクーヘンであった。
なお、最終の焼成段階においてもバームクーヘン生地に脱泡や離水や油分分離は見られず、安定な生地であった。
〔比較例1〕
実施例1における、高油分水中油型乳化物A80質量部に代えて高油分水中油型乳化物B80質量部を使用し、バームクーヘン生地に、菜種液状油を別途11.7質量部添加した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、バターケーキ生地に含まれる油分含量の80質量%が、高油分水中油型乳化物B由来であるバームクーヘン生地、及び、合計4層であるバームクーヘンを得た。
得られたバームクーヘンは、実施例1で得られたバームクーヘンに比べて、やや目の詰んだ、油性感の強いバームクーヘンであった。
なお、最終の焼成段階において、バームクーヘン生地に若干の油分分離が見られた。
〔比較例2〕
実施例1における、高油分水中油型乳化物A80質量部に代えて流動ショートニング(グリセリンモノステアリンエステル2質量%、プロピレングリコール脂肪酸エステル10質量%を菜種液状油88質量%中に分散溶解したもの)58.4質量部を使用した以外は、実施例1の配合・製法と同様にして、高油分水中油型乳化物を含有しないバームクーヘン生地、及び、合計4層であるバームクーヘンを得た。
得られたバームクーヘンは、実施例1で得られたバームクーヘンに比べて、目の詰んだ、きわめて油性感の強いバームクーヘンであった。
なお、最終の焼成段階において、バームクーヘン生地にかなりの油分分離が見られた。
<マフィン生地及びマフィンの調製>
〔実施例2〕
全卵(正味)60質量部、砂糖60質量部、ソルビトール液糖(固形分70%)50質量部、ベーキングパウダー3質量部、上記高油分水中油型乳化物A70質量部をミキサーボウルに投入し、タテ型ミキサーにセットし、ビーターを使用して、低速30秒混合した。ついで、薄力粉80質量部及び薄力粉20質量部を添加し、低速1分混合後、比重が0.98になるまで中速でホイップし、オールインミックス法による、バターケーキ生地に含まれる油分含量の100質量%が、高油分水中油型乳化物A由来であるマフィン生地を得た。
直径50mm、深さ80mmの紙製のマフィンカップ型に、上記マフィン生地を80g流し込み、上火200℃、下火180℃に設定した固定オーブンで20分焼成しマフィンを得た。
得られたマフィンは、ぱさつきが抑制されしっとりした軽い食感のマフィンであった。

Claims (4)

  1. 油分含量が60質量%以上である高油分水中油型乳化物を使用したバターケーキ生地であって、バターケーキ生地に含まれる油分含量の90質量%以上が、該高油分水中油型乳化物由来であることを特徴とするバターケーキ生地。
  2. オールインミックス法で得られたことを特徴とする請求項1に記載のバターケーキ生地。
  3. バームクーヘン生地であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバターケーキ生地。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のバターケーキ生地から得られたバターケーキ。
JP2010107907A 2010-05-10 2010-05-10 バターケーキ生地 Pending JP2011234660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010107907A JP2011234660A (ja) 2010-05-10 2010-05-10 バターケーキ生地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010107907A JP2011234660A (ja) 2010-05-10 2010-05-10 バターケーキ生地

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011234660A true JP2011234660A (ja) 2011-11-24

Family

ID=45323347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010107907A Pending JP2011234660A (ja) 2010-05-10 2010-05-10 バターケーキ生地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011234660A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014045718A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Kaneka Corp シフォン風バウムクーヘン
JP2015065929A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ
JP2015195777A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 日東富士製粉株式会社 バームクーヘンの製造方法及びバームクーヘン
JP2019050823A (ja) * 2018-11-26 2019-04-04 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ
CN110637862A (zh) * 2019-09-12 2020-01-03 浙江金旺达食品有限公司 年轮蛋糕及其制作方法
JP2021103990A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 日油株式会社 液種生地用水中油型乳化油脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014045718A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Kaneka Corp シフォン風バウムクーヘン
JP2015065929A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ
JP2015195777A (ja) * 2014-04-03 2015-11-09 日東富士製粉株式会社 バームクーヘンの製造方法及びバームクーヘン
JP2019050823A (ja) * 2018-11-26 2019-04-04 日清オイリオグループ株式会社 ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ
CN110637862A (zh) * 2019-09-12 2020-01-03 浙江金旺达食品有限公司 年轮蛋糕及其制作方法
JP2021103990A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 日油株式会社 液種生地用水中油型乳化油脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5851169B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP5855370B2 (ja) ロールイン用油中水型乳化組成物
JP2011234660A (ja) バターケーキ生地
JP2010252668A (ja) ベーカリー生地
JP2014161247A (ja) 層状ベーカリー生地
JP4578429B2 (ja) 焼菓子生地
JP5859292B2 (ja) チルドパンの製造方法
JP2015073474A (ja) ベーカリー上掛け用バッター生地
JP7248389B2 (ja) 風味成分含有水中油型ロールイン油脂組成物
JP5460433B2 (ja) フラワーペースト類
JP2013085483A (ja) パン生地
JP2020078344A (ja) ベーカリー食品
JP2013215163A (ja) パン生地及びパン類
JP7321118B2 (ja) ケーキ生地用起泡組成物、ケーキ生地の製造方法、ケーキの製造方法、菓子類の製造方法
JP7157553B2 (ja) シュー用油脂組成物
JP2019092458A (ja) 水中油型乳化油脂組成物
JP2018166417A (ja) 油中水型乳化油脂組成物
JP6511255B2 (ja) スポンジケーキ生地の製造方法、その方法により得られるスポンジケーキ生地、及びスポンジケーキ
JP6989362B2 (ja) フレンチトースト様食品
JP2018000137A (ja) 水種生地
JP2016198063A (ja) スフレケーキ生地
JP7051285B2 (ja) 製パン練り込み用油脂組成物
JP2014057551A (ja) シュー生地および複合菓子生地
JP6704221B2 (ja) ベーカリー食品
JP2024040709A (ja) デポジッター用ロールインフラワーペースト