JP6511255B2 - スポンジケーキ生地の製造方法、その方法により得られるスポンジケーキ生地、及びスポンジケーキ - Google Patents

スポンジケーキ生地の製造方法、その方法により得られるスポンジケーキ生地、及びスポンジケーキ Download PDF

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本発明は、ケーキ用起泡性乳化剤を用いたスポンジケーキ生地の製造方法、その方法により得られるスポンジケーキ生地、及びスポンジケーキに関する。
スポンジケーキは古来愛されてきた食品であり、水分が多く、ソフトでしっとりした食感が特徴である。その基本的な生地配合は、卵類、穀粉類、糖類を等量混合するものであり(三同割り)、その基本的な製造方法は、卵類と糖類を混合し、この混合物を、卵類の起泡力によりホイップして得られた起泡物に、小麦粉等の穀粉類を、その泡を潰さないように添加しさっくりと混合する後粉法である。
なお、卵類の起泡力としては卵白のみを使用する別立て法と、全卵を使用する共立て法があり、別立て法は大きな気泡の内相で軽い食感が特徴であり、共立て法はやや大きな気泡の内相でしっとりした食感が特徴である。
ここで、近年はスポンジケーキについて食用油脂を添加することで、さらにソフト感やしとり感を向上させることが多くなってきている。
しかし、スポンジケーキ生地の油分含量を高めるということは、気泡安定性を低下させることであるため、小麦粉等の穀粉類を添加する際に気泡構造が破壊され、荒れた不均一な内相のケーキや比重の重いケーキになってしまい、はなはだしい場合はシンを生じる結果となってしまう。
そこで、このような食用油脂を含有するスポンジケーキを、比重が重くなることなく製造可能な方法として、食用油脂を含む全スポンジケーキ原料を、ケーキ用起泡性乳化剤を使用して、同時に混合し、起泡させるオールインミックス法が考えられた。しかし、このオールインミックス法では、生地の気泡安定性は良好であるが、得られるスポンジケーキは、内相の気泡が細かくなってしまい、また、軽くしっとりした食感が得られにくい。
そのため、食用油脂を含有するスポンジケーキにおける食感改良方法が各種検討されてきた。
例えば、起泡したクリームを添加する方法(例えば特許文献1参照)や、特定のデンプン粒を含有する水中油型乳化物として添加する方法(例えば特許文献2参照)などの方法が提案されている。また、食用油脂を可食性高分子でカプセル化して添加する方法(例えば特許文献3参照)、あらかじめケーキ原料を加熱したペースト状組成物を添加する方法(例えば特許文献4参照)、などが提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、生地状態は良好であるが、焼成時には流動性が増してしまい、得られるスポンジケーキも内相が不均質でシンのあるものになりやすいという欠点があり、特許文献2に記載の方法では、後添加の場合、粒径の大きなデンプン粒による気泡破壊がおこりやすく、また食感の変化が大きいという問題があった。
また、特許文献3に記載の方法は、油脂を完全にゲルで封じ込めるために乾燥する工程が必要で、極めて工程が煩雑で長時間かかるため一般的ではないという問題があり、特許文献4に記載の方法は小麦粉の糊化の制御が難しく、安定してスポンジケーキを得ることができないという問題があった。
このように、気泡安定性、すなわち生地安定性が良好であり、且つ、得られるスポンジケーキの内相が粗い気泡で、軽く、しっとりした食感とすることができる、簡単なスポンジケーキ生地の製造方法が求められていた。
特開2001−286256号公報 特開2003−000137号公報 特開昭59−130124号公報 特開昭61−025434号公報
したがって、本発明の目的は、気泡安定性が高く、得られるスポンジケーキの内相が粗い気泡で、食感が良好となるスポンジケーキ生地の簡単な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、スポンジケーキ生地の澱粉類の添加方法を工夫することにより、上記の従来技術の問題を解決可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、ケーキ用起泡性乳化剤を用いたスポンジケーキ生地の製造の際に、澱粉類を2回以上に分けて添加、混合することを特徴とするスポンジケーキ生地の製造方法を提供するものである。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法によれば、粗い気泡の内相で、軽く、しっとりした食感のスポンジケーキを、簡単に安定して製造することができる。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法について詳細に述べる。
本発明で用いる澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉が挙げられる。本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上使用する。
本発明で用いるケーキ用起泡性乳化剤としては、例えばα結晶ゲル構造の乳化剤を有効成分とするものを挙げることができ、α結晶ゲル構造の乳化剤を含有し、油脂を含有しない起泡剤(以下、起泡剤という)、またはα結晶ゲル構造の乳化剤を含有し、油脂を含有する起泡性乳化油脂(以下、起泡性乳化油脂という)等を使用することができる。
より具体的には、起泡剤としては、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム等の乳化剤の1種又は2種以上を使用して得られたα結晶ゲル構造の乳化剤を含むものである。起泡性乳化油脂としては、上記α結晶ゲル構造の乳化剤、及び、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂を含むものである。これらの中でも、よりソフトでしっとりした食感のケーキが得られる点で、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド及びポリグリセリン脂肪酸エステルの中から選ばれた1種又は2種以上のα結晶ゲル構造の乳化剤を、糖液や糖アルコール液中で安定化させた水相と、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油などの常温で液状の油脂を使用した油相とからなる水中油型乳化型の起泡性乳化油脂が好ましい。
また、α結晶ゲル構造の乳化剤の代替品である、各種動物・植物タンパク質を使用したケーキ用起泡性乳化剤も使用することができる。
なお、本発明のスポンジケーキ生地の製造方法では、澱粉類を2回以上に分けて添加、混合する以外は、一般的なスポンジケーキ原料を使用して製造することができる。
すなわち、本発明のスポンジケーキ生地の製造方法で使用することのできるケーキ原料としては、上記澱粉類、ケーキ用起泡性乳化剤に加え、例えば、卵類、糖類や甘味料、油脂類、水、増粘安定剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、ケーキ用起泡性乳化剤以外の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イースト、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、抹茶、紅茶、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
上記卵類としては、全卵、生卵黄、殺菌全卵、殺菌卵黄、加塩全卵、加塩卵黄、加糖全卵、加糖卵黄、生卵白、殺菌卵白等を用いることができる。
上記の糖類や甘味料としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記油脂類としては、マーガリン、ショートニング、バター、粉末油脂、液状油等を用いることができるが、スポンジケーキ生地の消泡性が比較的低いこと、及び、得られるスポンジケーキの口溶けや耐老化性の点で液状油を使用することが好ましい。
上記増粘安定剤としては、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、タマリンドシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、ファーセルラン、タラガム、カラヤガム、トラガントガム、ジェランガム、大豆多糖類などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、上記の澱粉類、卵類、糖類や甘味料、ケーキ用起泡性乳化剤の配合は、一般的なスポンジケーキ生地と同様であるが、好ましくは、澱粉類100質量部に対して、卵類を100〜270質量部、糖類や甘味料を100〜150質量部、ケーキ用起泡性乳化剤を2〜40質量部配合する。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法は、ケーキ用起泡性乳化剤を用いたスポンジケーキ生地の製造の際に、澱粉類を2回以上に分けて添加、混合することを特徴とするものである。
従来の一般的なスポンジケーキ生地の製造方法では、後粉法は、卵類、糖類や甘味料、必要に応じその他の原料を混合、起泡し比重を低めたところに、澱粉類を添加し、軽く混合することによって得られ、オールインミックス法では、澱粉類、卵類、糖類や甘味料、必要に応じその他の原料を混合し、ケーキ用起泡性乳化剤と共に起泡し比重を低めることによって得られる。すなわち、澱粉類の添加は生地製造の最後又は最初の1回のみである。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法は、澱粉類の添加、練り込みが複数回である点において、上記の従来の製造方法とは異なっている。
ここで、具体的な澱粉類の添加時期について述べると、例えば以下のような方法を挙げることができる。
(1)澱粉類の一部、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは33〜66質量%を、卵類、糖類や甘味料、必要に応じその他の原料と混合し、ケーキ用起泡性乳化剤と共に起泡し比重を低めた後、残余の澱粉類を添加、軽く混合する方法。
(2)卵類、糖類や甘味料、必要に応じその他の原料を、ケーキ用起泡性乳化剤と共に起泡し比重を低めた後、澱粉類の一部、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは33〜66質量%を添加し、さらに起泡した後、残余の澱粉類を添加、軽く混合する方法。
(3)澱粉類の一部、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは33〜66質量%を、卵類、糖類や甘味料、必要に応じその他の原料と混合し、ケーキ用起泡性乳化剤と共に起泡し比重を低めた後、残余の澱粉類を添加、さらに起泡する方法。
上記の中でも、本発明においては(1)の方法であることが好ましい。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法における、澱粉類の添加回数は、2回であることが特に好ましい。これは澱粉類の添加回数が3回以上であると、混合時に脱泡がおこり、生地比重が重くなってしまうおそれがあること、及び、得られるスポンジケーキの内相が詰まった感じになり、重い、ねちゃついた食感になってしまうおそれがあるためである。なお、澱粉類の添加回数の上限は、特に制限はないが、5回以下であることが好ましい。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法における、1回目の澱粉類の添加量は、好ましくは全澱粉類中の25〜75質量%、より好ましくは33〜66質量%である。1回目の澱粉類の添加量が25質量%未満であると、スポンジケーキ生地の安定化効果が低く、本発明の効果が得られないおそれがある。また、1回目の澱粉類の添加量が75質量%を超えると、良好な内相が得られにくく、また、軽くしっとりした食感が得られなくなるおそれもある。
1回目に添加する澱粉類と2回目以降に添加する澱粉類は、同一の澱粉類であっても、異種の澱粉類であってもよい。
例えば、1回目に添加する澱粉類としてグルテンタンパク質含量が低い薄力粉やグルテンタンパク質を含有しない澱粉を使用し、2回目に添加する澱粉類としてグルテンタンパク質含量の高い強力粉を使用すると、しっとりとしていながら歯切れのよい食感のスポンジケーキを得ることができる。
また、1回目に添加する澱粉類としてグルテンタンパク質含量の高い強力粉を使用し、2回目に添加する澱粉類として、グルテンタンパク質含量が低い薄力粉やグルテンタンパク質を含有しない澱粉、アーモンド粉などを使用すると、特にしっとりした食感でありながら、体積が大きく、焼き落ちしにくいという特徴のスポンジケーキを得ることができる。
本発明のスポンジケーキ生地の油分含量は、特に限定されるものではないが、ソフト感やしとり感をより向上させる点で、澱粉類100質量部に対し10〜60質量部であることが好ましい。なお、本発明において、油分含量とは、ケーキ原料として使用する油脂類に含まれる純油分含量に加え、起泡性乳化油脂に含まれる油分含量や、澱粉類以外のその他のケーキ原料に含まれる油分含量の合計値と定義される。
本発明のスポンジケーキ生地の製造方法において油脂類を使用する場合、その添加時期は、ケーキ用起泡性乳化剤を使用した起泡開始以降のどの段階で添加することも可能であり、例えば起泡操作の最初から添加してもよく、起泡操作の途中や起泡操作終了後に添加してもよい。また、澱粉類の添加時期との関係で言えば、1回目の澱粉類の添加の直前や直後、あるいは同時であってもよく、さらには、最後の澱粉類の添加の直前や直後、あるいは同時であってもよい。ただし、最も好ましい食感(ソフト性としとり感)が得られる点で、起泡操作終了後且つ最後の澱粉類の添加後であることが好ましい。
次に、本発明のスポンジケーキ生地について述べる。
本発明のスポンジケーキ生地は、上記スポンジケーキ生地の製造方法によって得られたものであり、油分含量が高いスポンジケーキ生地であっても生地安定性が改善されていることから脱泡が抑制されており、安定したスポンジケーキの製造が可能であるという特徴を有するものである。
次に、本発明のスポンジケーキについて述べる。
本発明のスポンジケーキは、上記の本発明のスポンジケーキ生地を、焼成又は蒸成することにより得られたものであり、粗い気泡の内相で、軽く、しっとりした食感であるという特徴を有するものである。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
薄力粉50質量部、全卵(正味)130質量部、上白糖100質量部、下記の配合及び製法で得られたケーキ用起泡性乳化油脂A15質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホイッパーを使用して、低速10秒混合後、高速で比重が0.40となるまでホイップした。
ここで、薄力粉50質量部、ベーキングパウダー1質量部を添加し、低速30秒混合した後、中速10秒混合後、菜種液状油20質量部を添加して、低速30秒混合した後、中速10秒混合し、本発明のスポンジケーキ生地A(比重は0.45、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Aを、底紙と側紙をあてた6号スポンジケーキ型に350g流し込み、180℃に設定した固定オーブンで30分間焼成することによりスポンジケーキAを得た。
得られたスポンジケーキAは、良好なボリュームを有し、粗い気泡の内相で、軽く、しっとりした食感を示した。
(ケーキ用起泡性乳化油脂A)
菜種油20質量%に、α結晶ゲル構造となる乳化剤であるグリセリンモノステアレート4質量%、テトラグリセリンモノステアレート3質量%、ヘキサグリセリンモノステアレート1質量%を添加、混合し、65℃に調温し、油相とした。一方、水21.5質量%、70%ソルビトール水溶液46質量%、デカグリセリンモノステアレート3.5質量%を混合し、65℃に調温し、水相とした。そして、上記の65℃に調温した油相と65℃に調温した水相とを、65℃に保持しつつ混合、均質化後、室温に冷却してケーキ用起泡性乳化油脂Aを得た。
(実施例2)
実施例1の1回目に添加する薄力粉50質量部を強力粉50質量部に変更し、2回目に添加する薄力粉50質量部をアーモンド粉50質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のスポンジケーキ生地B(比重は0.45、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Bを実施例1と同様に焼成してスポンジケーキBを得た。
得られたスポンジケーキBは、良好なボリュームを有し、粗い気泡の内相で、軽く、極めてしっとりした食感を示した。
(実施例3)
実施例1の1回目に添加する薄力粉50質量部を30質量部に変更し、2回目に添加する薄力粉50質量部を70質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のスポンジケーキ生地C(比重は0.46、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Cを実施例1と同様に焼成してスポンジケーキCを得た。
得られたスポンジケーキCは、良好なボリュームを有し、ややばらつきはあるが粗い気泡の内相で、軽く、しっとりした食感であった。
(実施例4)
実施例1の1回目に添加する薄力粉50質量部を70質量部に変更し、2回目に添加する薄力粉50質量部を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明のスポンジケーキ生地D(比重は0.44、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Dを実施例1と同様に焼成してスポンジケーキDを得た。
得られたスポンジケーキDは、良好なボリュームを有し、粗い気泡の内相であるが、スポンジケーキAに比べて若干気泡は細かく、しっとりした食感が若干弱いものであった。
(比較例1)
薄力粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部、菜種液状油20質量部、全卵(正味)130質量部、上白糖100質量部、実施例1で使用したケーキ用起泡性乳化油脂A15質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホッパーを使用して、低速10秒混合後、高速で比重が0.45となるまでホイップし、通常のオールインミックス法の比較例のスポンジケーキ生地E(比重は0.45、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Eを実施例1と同様に焼成してスポンジケーキEを得た。
得られたスポンジケーキEは、スポンジケーキAに比べて、ボリュームはやや小さく、気泡は細かく、しっとり感も明らかに弱いものであった。
(比較例2)
全卵(正味)130質量部、上白糖100質量部、実施例1で使用したケーキ用起泡性乳化油脂A15質量部をミキサーボウルに投入し、これをたて型ミキサーにセットし、ワイヤーホッパーを使用して、低速10秒混合後、高速で比重が0.40となるまでホイップした。
ここで、薄力粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部を添加し、低速30秒混合した後、中速10秒混合後、菜種液状油20質量部を添加して、低速30秒混合した後、中速10秒混合し、通常の後粉法の比較例のスポンジケーキ生地F(比重は0.46、油分含量は澱粉類100質量部に対し24.5質量部)を得た。このスポンジケーキ生地Fを実施例1と同様に焼成してスポンジケーキFを得た。
得られたスポンジケーキFは、スポンジケーキAに比べて、ボリュームはやや小さく、荒れた不均一な内相であった。

Claims (5)

  1. ケーキ用起泡性乳化剤を用いたスポンジケーキ生地の製造の際に、澱粉類(ただし、熱処理バッター、小麦粉及び澱粉の一部又はすべてを熱水によりα化又は変性させたもの、化工澱粉及び全脂大豆粉を除く)を2回以上に分けて添加、混合するスポンジケーキ生地の製造方法であって、
    1回目に添加する澱粉類の添加量が、全澱粉類中の25〜75質量%であることを特徴とするスポンジケーキ生地の製造方法
  2. 1回目に添加する澱粉類及び2回目以降に添加する澱粉類が薄力粉であることを特徴とする請求項1に記載のスポンジケーキ生地の製造方法。
  3. 1回目に添加する澱粉類と、2回目以降に添加する澱粉類が異なるものであることを特徴とする請求項に記載のスポンジケーキ生地の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって得られたスポンジケーキ生地。
  5. 請求項4に記載のスポンジケーキ生地を使用して得られたスポンジケーキ。
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