JP2017195817A - 包餡生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状の、風味良好なシュー菓子を得ることができる包餡生地、及び、該特徴を有するシュー菓子の製造方法を提供すること。
【解決手段】外生地としてシュー生地を、内生地として酸性水中油型乳化油脂組成物を使用した包餡生地。及び包餡生地を加熱したシュー菓子。
【選択図】なし

Description

保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状の、風味良好なシュー菓子を得ることができる包餡生地、及び、該特徴を有するシュー菓子の製造方法に関する。
シューケースを製造する際には、シュー生地の配合や製法によって、その容積、外観や食感が大きく異なることが知られている。ここで、容積が大きいシューケースを安定して得るためには、シュー生地を製造する際に小麦粉等のデンプン類を十分に糊化させ、シュー生地に十分な伸展性があることが必要である。
この目的のため、通常、シュー生地の配合には糖分が含まれない。これは、糖分が多い生地であると上記糊化工程で十分な糊化が行われず、そのため焼成時の膨張性が劣り、容積の小さなシューケースとなってしまうためである。
そのため焼成後、シューケース内部の空洞部分に甘味度の高いクリーム、例えばカスタードクリームやホイップクリーム等のフィリングクリームを充填し、甘味のあるシュー菓子とすることとなる。
一方、パンやクッキーなどの通常のベーカリー製品であればアンパンやジャムパンなどの菓子パンをはじめ、生地の中心にフィリング材料をあらかじめ充填、すなわち包餡してから焼成することがよく行われる。
しかし、シュー菓子の場合は、上記カスタードクリームやホイップクリーム等のフィリングクリームをあらかじめシュー生地で包餡してから焼成すると、シュー生地が全く膨張しなくなってしまい、焼成後に充填した場合と全く異なる商品価値の低いシュー菓子となってしまう。
このシュー生地の特性を逆手にとって、シュー生地の頂部にカスタードクリーム等のフィリングクリームを積載して中心部の膨化を抑えて焼成した「壺シュー」(例えば特許文献1〜3参照)などの特異的外観のシュー菓子がみられるが、反対に、フィリングをあらかじめシュー生地中に包餡してから焼成したシュー菓子でありながら、保形性が良好で表面に凹凸がない通常の形状・外観のシュー菓子は今まで見られなかった。
一方、シュー菓子においても目新しい風味を求め、シュー菓子に甘味ではなく、他の風味、例えば酸味を求める場面もみられるようになってきている。
しかし、酸性の食品、たとえばマヨネーズやドレッシングを、その風味を感じることができる量を練り込むと、やはり容積の減少をもたらすことが問題になっていた。
特開昭57―155951号公報 特開昭58―193659号公報 実開昭59−055490号公報
したがって、本発明の目的は、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状の、風味良好なシュー菓子を得ることができる包餡生地、及び、該特徴を有するシュー菓子の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、シュー生地を外生地とし、マヨネーズやドレッシングなどの酸性水中油型乳化油脂組成物を内生地とした包餡生地を使用した場合、上記問題を解決可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、外生地がシュー生地、内生地が酸性水中油型乳化油脂組成物からなる包餡生地を提供するものである。
また本発明は、該包餡生地を加熱したシュー菓子を提供するものである。
また本発明は、該包餡生地を加熱することを特徴とするシュー菓子の製造方法を提供するものである。
本発明の包餡生地を加熱することで、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状の、風味良好なシュー菓子を得ることができる。
本発明のシュー菓子の製造方法によれば、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状の、風味良好なシュー菓子を安定して得ることができる。
以下、本発明の包餡生地について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明の包餡生地は、外生地としてのシュー生地と内生地としての酸性水中油型乳化油脂組成物からなるものである。
先ず、本発明で使用するシュー生地について述べる。
本発明に用いられるシュー生地としては、澱粉類、油脂類、卵類及び水を主体とし、澱粉の糊化作用を利用して得られる従来のシュー生地を、特に制限なく用いることができる。
上記シュー生地で使用する澱粉類の例としては、強力粉・薄力粉・フランス粉・全粒粉等の小麦粉、米粉、とうもろこし粉、大麦粉、粟粉等の穀粉をはじめ、小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ等の澱粉、これらに対し糊化、リン酸架橋等の処理を施した加工穀粉や加工澱粉が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記シュー生地で使用する油脂類としては、バター、マーガリン、ショートニング、液状油、ラード、ヘット、クリーム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、上記シュー生地で使用する卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵白、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記シュー生地中の水は、その一部又は全部を、例えば、牛乳、クリーム、部分脱脂乳、脱脂乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、加工乳、果汁、コーヒー、紅茶等の、水を多く含む食品や食品素材で置換してもよい。
また、上記シュー生地には、本発明の目的の範囲内で所望により上記成分以外の任意の食品や添加物を配合することが出来る。上記のシュー生地に使用できる上記成分以外の食品や添加物としては、例えば、上白糖・グラニュー糖・粉糖・液糖・ブドウ糖・果糖・ショ糖・麦芽糖・乳糖・酵素糖化水飴・還元澱粉糖化物・異性化液糖・ショ糖結合水飴・オリゴ糖・還元糖ポリデキストロース・還元乳糖・ソルビトール・トレハロース・キシロース・キシリトール・マルチトール・エリスリトール・マンニトール・フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・ガラクトオリゴ糖・乳果オリゴ糖・ラフィノース・ラクチュロース・パラチノースオリゴ糖等の糖類、チーズ・濃縮ホエイ・濃縮乳・脱脂濃縮乳・無糖練乳・無糖脱脂練乳・加糖練乳・加糖脱脂練乳・全粉乳・脱脂粉乳・クリームパウダー・ホエイパウダー・蛋白質濃縮ホエイパウダー・バターミルクパウダー・加糖粉乳・調製粉乳等の乳や乳製品、岩塩・精製塩・天塩等の食塩、カゼインカルシウム・カゼインナトリウム・カゼインカリウム等の乳蛋白、アミラーゼ・プロテアーゼ・アミログルコシダーゼ・プルラナーゼ・ペントサナーゼ・セルラーゼ・ヘミセルラーゼ・リパーゼ・ホスフォリパーゼ・カタラーゼ・リポキシゲナーゼ・アスコルビン酸オキシダーゼ・スルフィドリルオキシダーゼ・ヘキソースオキシダーゼ・グルコースオキシダーゼ等の酵素、グリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・レシチン・ショ糖脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、重炭酸アンモニウム・重曹・ベーキングパウダー・イスパタ等の膨張剤、アスコルビン酸・シスチン等の酸化剤や還元剤、トコフェロール・茶抽出物・アスコルビン酸脂肪酸エステル等の酸化防止剤、β―カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、塩化カリウム等の呈味剤、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、デキストリン類、野菜類・肉類・酒類・魚介類等の食品素材、着香料等が挙げられる。
上記シュー生地中における各成分の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、澱粉類100質量部に対し、油脂類50〜150質量部、卵類100〜300質量部(ただし卵類として乾燥品を使用する場合は乾燥前質量に換算するものとする)、水80〜250質量部、任意の食品や添加物(合計量)100質量部以下が適当である。
上記シュー生地の製造方法は、通常のシュー生地の製造方法でよく、特に限定されない。例えば、水、油脂類を大きめの鍋、ボール等の容器に入れ煮沸させ、澱粉類を加え練り上げて十分糊化させ、これに卵類を数回に分けて加え、均一に混合することによって得ることができる。なお、任意の食品や添加物のうち、糖類については、糊化前に添加すると糊化抑制作用によりシューケースの容積が低下するため、澱粉類の糊化後の添加混合が好ましい。また、澱粉類として糊化澱粉や糊化穀粉を使用する場合は、特に加熱することなく上記原材料を混合した、いわゆるインスタントシュー生地としてもよい。
次に本発明で使用する酸性水中油型乳化油脂組成物について述べる。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物の油相に使用する油脂としては、食用に適する油脂であればよく、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油等の動植物性油脂が挙げられ、更に、これらの油脂に硬化、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理を施した油脂を使用することもできる。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物における油分含有量は特に制限はないが、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。5質量%より小さいと得られるシュー菓子の表面の改良効果が見られなくなるおそれがある。また、60質量%を超えると、酸性水中油型乳化油脂組成物の乳化安定性が低下してしまう問題があることに加え、得られるシュー菓子の保形性が大きく低下してしまう。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物は、酸や酸味料、必要に応じ水を使用して、水相のpHを酸性とする。また乳酸発酵によりpHを酸性としてもよい。
上記のpHの調整に用いる酸や酸味料としては、乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、食酢(酢酸)、果汁、発酵乳等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができるが、風味の点で、乳酸及び/又は食酢(酢酸)を使用することが好ましく、とくに好ましくは食酢(酢酸)を使用する。
ここで、上記酸性水中油型乳化油脂組成物の水相のpHは、好ましくは2.0〜5.5、より好ましくは2.5〜5.0、最も好ましくは2.8〜4.5の範囲である。pHが2.0未満であると、得られるシュー菓子の酸味が強すぎるおそれがあり、また、pHが5.5を超えると、フィリングとして酸味が弱く、また、得られるシュー菓子の表面に凹凸が表れやすい。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物において、上記の酸や酸味料の使用量及び水の使用量は、水相のpHが酸性、好ましくはpHが2.0〜5.5となるように、使用する酸の種類等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは、酸や酸味料の使用量は0.1〜20質量%、水の使用量は20〜70質量%の範囲からそれぞれ選択する。
また上記酸性水中油型乳化油脂組成物では、卵黄類を好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜15質量%含有するものであることが好ましい。
卵黄類の含有量が20質量%より大きいと、得られる酸性水中油型乳化油脂組成物の粘度が上昇しやすく、また、1質量%より小さいと、酸性水中油型乳化油脂組成物の水中油型乳化が不安定となってしまうおそれがある。
上記の卵黄類としては、全卵、卵黄、加塩卵黄、加塩全卵、加糖全卵、加糖卵黄、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。なお、上記卵黄類に糖分が含まれる場合は、該糖分は、下記糖類の含有量に算入する。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物では、糖類を好ましくは2〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%含有するものであると、加熱後もフィリングとして好ましい風味と物性となる点で好ましい。
なお、上記酸性水中油型乳化油脂組成物に使用する糖類は、上述のシュー生地に使用する糖類と同様のものを使用することが好ましい。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物には、マヨネーズ、タルタルソース、乳化型サラダドレッシング等に使用されることが知られている副原料を、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができる。該副原料としては、増粘安定剤、澱粉、加工澱粉、トマト、チーズ、カレー粉、胡椒、辛子粉等の香辛料や香辛料抽出物といった風味原料や、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、香料、食塩、蛋白質、着色料、酸化防止剤、ピクルス等の野菜類等が挙げられる。
上記増粘安定剤としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ペクチン、グアーガム、タラガントガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ゼラチン、微小繊維状セルロース等が挙げられる。
上記加工澱粉としては、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、馬鈴薯、甘薯、小麦、米等の澱粉を起源とし、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、酸やアルカリ、エステル化、リン酸架橋化、加熱、湿熱処理等の物理的、化学的処理を行ったものが挙げられ、更に、これら加工澱粉を、水に溶解し易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させたものが挙げられる。
また、上記蛋白質としては、カゼイン、ホエイ蛋白質、乳脂肪球被膜蛋白質等の乳蛋白質、卵白粉末、グルテン、大豆蛋白質等が挙げられる。
上記副原料の使用量は、使用目的等に応じて適宜選択することができるが、上記酸性水中油型乳化油脂組成物において好ましくは合計で30質量%以下とする。
上記酸性水中油型乳化油脂組成物は、例えば以下の様にして得ることができる。まず、水に、食酢等の酸や酸味料、加塩卵黄等の卵黄類、食塩、水飴等の糖類、辛子粉等の香辛料等の水溶性成分を分散溶解させた水相を調製し、また、大豆油等の油脂に、油溶性成分や、必要により増粘安定剤等を分散させた油相を調製する。次いで、水相を撹拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得る。該水中油型予備乳化物をコロイドミル等の乳化機、ホモゲナイザー等の均質化機で処理し仕上げ乳化を行ない、上記酸性水中油型乳化油脂組成物が得られる。
また、上記酸性水中油型乳化油脂組成物中の油粒子の平均粒径は、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。20μmを超えると、酸性水中油型乳化油脂組成物の乳化安定性が低下しやすく、保存時に油分分離等が発生する危険性もあるので好ましくない。なお、上記平均粒径は、例えば、島津製作所のレーザー回折式粒度分布測定機(SALD-2100型)や光学顕微鏡で測定することができる。
本発明の包餡生地は、上記シュー生地を外生地とし、上記酸性水中油型乳化油脂組成物を内生地として、包餡成形した包餡生地である。
ここで、包餡時の外生地の厚さ、すなわち被覆層の厚さは好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上である。
包餡方法は特に限定されず、例えば、上記シュー生地を絞り袋等に充填して天板(展板)等の上に絞り、その上面に酸性水中油型乳化油脂組成物を積置し、その上面にさらにシュー生地を積置する方法、あるいは、手成形又は自動包餡機により、シュー生地を外生地、酸性水中油型乳化油脂組成物を内生地として包餡成形する方法等が挙げられる。なお、包餡成形の際に、シュー生地は製造後に冷蔵して生地温度を好ましくは15℃、より好ましくは5℃以下とすることにより包餡成形時の作業性が容易になる点で好ましい。また、酸性水中油型乳化油脂組成物は手成形の際には包餡成形が容易とする目的で、上記増粘安定剤により固化したもの、あるいは冷凍固化したものであってもよい。
なお、上記自動包餡機としては、例えばレオン自動機製のCN200、CN208、CN500等が挙げられる。
ここで外生地と内生地の生地質量比は、好ましくは50:50〜95:5、より好ましくは60:40〜90:10である。
包餡生地の形状は特に限定されず、球状、棒状、平板状など、好みの形状を選択可能である。
なお、包餡生地の質量は、包餡生地が球状の場合、好ましくは10g〜150g、より好ましくは20g〜100gである。包餡生地が棒状の場合、好ましくは10g〜300g、より好ましくは20g〜250gである。包餡生地が平板状の場合、好ましくは20g〜500g、より好ましくは20g〜250gである。
本発明の包餡生地は、必要に応じ、冷凍することも可能である。
次に本発明のシュー菓子について述べる。本発明のシュー菓子は、上記の包餡生地を加熱して得られるものである。
加熱方法としては焼成するのが一般的であるが、蒸しやフライでもよく、また、これらの加熱方法を組み合わせてもよい。
焼成する際は、通常、天板(展板)上あるいはコンベア上に積置するが、金属製や紙製、シリコン製などの焼型に入れて焼成してもよい。焼成する際の温度は、通常のシューケース同様、好ましくは160℃〜250℃、より好ましくは170℃〜220℃である。160℃未満であると火どおりが悪く、焼成時間が延びてしまうことに加え、窯落ちが発生するおそれがある。また250℃を超えると、焦げを生じ、食味が悪く、また容積も劣ったものになってしまうおそれがある。また、包餡生地に蓋をかぶせる等の方法で蒸気圧を高めた状態で焼成することで、さらに容積の大きなシュー菓子とすることも可能である。
以上のようにして得られた本発明のシュー菓子は保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状であり、風味も良好なものである。
以下に本発明の詳細を実施例によって例示する。また、本発明は実施例によって限定されるものではない。
<酸性水中油型乳化油脂組成物の製造>
〔製造例1〕
大豆液状油25質量%、パーム油20質量%及び、パーム油:パーム極度硬化油=70:30の質量比で混合した配合油脂のランダムエステル交換油脂5質量%からなる混合油脂を40℃に加温し、タピオカ由来の加工澱粉(糊化リン酸架橋デンプン)2質量%、卵白粉末1質量%を添加分散して、油相を調製した。一方、水28質量%を40℃に加温し、食塩2質量%、還元水飴5質量%、乳酸0.5質量%、ゼラチン5質量%、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形29質量%)6質量%、及びシーズニング0.5質量%を添加溶解して、水相を調製した。こうして調製した水相に、上記油相を添加攪拌し、コロイドミルにより均質化し、平均粒径が3μm以下の水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物を10cmの立方体の成形型に入れ、その後10℃まで冷却して固化させ、pH3.7である糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Aを得た。
〔製造例2〕
水35質量部、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖分70質量%、水分30質量%)10質量部、食酢(酢酸含量15質量%)7質量部、食塩3質量部、グルタミン酸ナトリウム1質量部、からし粉0.4質量部、粉末ゼラチン2質量部、アルギン酸0.5質量部及び、酵素処理(ホスホリパーゼA処理)10%加塩卵黄7質量部を混合して水相を調製した。別に、菜種サラダ油20質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油10質量部、ワキシーコーンスターチをリン酸架橋後に糊化した糊化化工澱粉3質量部、卵白粉末1質量部、及びキサンタンガム0.1質量部を混合して油相を調製した。次いで、上記水相を撹拌しつつ上記油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをホモゲナイザーにて均質化し、油粒子の平均粒径が3μm以下、pHが4.0である糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Bを得た。
〔製造例3〕
製造例2における砂糖混合果糖ブドウ糖液糖10質量部を、還元水飴(糖分70質量%、水分30質量%)10質量部に置換した以外は製造例2と同様の配合・製法で、油粒子の平均粒径が3μm以下、pHが4.0である糖類含有酸性水中油型乳化油脂組成物Cを得た。
<シュー生地の製造>
水140質量部、シューマーガリン140質量部をミキサーボウルに投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉100質量部を加え、木へらで2分練りながら、十分に糊化させた。たて型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)210質量部を3回に分けて投入し、投入毎に中低速で2分ミキシングし、シュー生地を得た。なお、重炭安1質量部を、3回目の全卵投入の際に、該全卵に溶解して加えた。
<包餡生地及びシュー菓子の製造>
〔実施例1〕
5℃の冷蔵庫で一晩冷却した上記シュー生地を外生地、上記酸性水中油型乳化油脂組成物Aを内生地とし、手成形で、外生地:内生地(質量比)=75:25、合計質量が40gの包餡生地とし、本発明の包餡生地Aを得た。210℃に設定した固定オーブンで25分(13分経過後は上火カット)焼成し、シュー菓子Aを得た。
得られたシュー菓子Aは、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状であり、風味も良好なものであった。
〔実施例2〕
5℃の冷蔵庫で一晩冷却した上記シュー生地を外生地、上記酸性水中油型乳化油脂組成物Bを内生地とし、自動包餡機(レオン自動機製)を用いて、外生地:内生地(質量比)=75:25、合計質量が40gの包餡生地とし、本発明の包餡生地Bを得た。210℃に設定した固定オーブンで25分(13分経過後は上火カット)焼成し、シュー菓子Bを得た。
得られたシュー菓子Bは、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状であり、風味も良好なものであった。
〔実施例3〕
実施例2で使用した酸性水中油型乳化油脂組成物Bを酸性水中油型乳化油脂組成物Cに変更した以外は実施例2と同様の配合及び製法で本発明の包餡生地C及びシュー菓子Cを得た。
得られたシュー菓子Cは、保型性が良好で、表面に凹凸がない良好な形状であり、風味も良好なものであった。
〔比較例1〕
実施例2で使用した酸性水中油型乳化油脂組成物Bを市販のあんパン用粒あんに変更した以外は実施例2と同様の配合及び製法で本発明の包餡生地D及びシュー菓子Dを得た。
得られたシュー菓子Dは、保形性、風味は良好であるが、容積がやや小さく、表面にやや凹凸が見られない形状であった。
〔比較例2〕
実施例2で使用した酸性水中油型乳化油脂組成物Bを市販の製菓用カスタードクリームに変更した以外は実施例2と同様の配合及び製法で本発明の包餡生地E及びシュー菓子Eを得た。
得られたシュー菓子Eは、容積が小さく、表面が凹状となった。また、焼きが甘く、風味が不良であった。

Claims (5)

  1. 外生地がシュー生地、内生地が酸性水中油型乳化油脂組成物からなる包餡生地。
  2. 上記酸性水中油型乳化油脂組成物の油分含有量が5〜60質量%であることを特徴とする請求項1記載の包餡生地。
  3. 上記酸性水中油型乳化油脂組成物の糖類含有量が2〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の包餡生地。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の包餡生地を、加熱したシュー菓子。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の包餡生地を、加熱することを特徴とするシュー菓子の製造方法。
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