JP7109720B2 - O/w/o型食品、食品及びo/w/o型食品の製造方法 - Google Patents
O/w/o型食品、食品及びo/w/o型食品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7109720B2 JP7109720B2 JP2021056010A JP2021056010A JP7109720B2 JP 7109720 B2 JP7109720 B2 JP 7109720B2 JP 2021056010 A JP2021056010 A JP 2021056010A JP 2021056010 A JP2021056010 A JP 2021056010A JP 7109720 B2 JP7109720 B2 JP 7109720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- oil
- plastic
- type food
- fat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
Description
(1)乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品と、最外油相に可塑性油脂組成物とを含む、O/W/O型食品であって、前記可塑性油脂組成物は、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含むことを特徴とする、O/W/O型食品、
(2)前記O/W型食品と前記可塑性油脂組成物との質量比が、9:1~4:6であることを特徴とする、(1)のO/W/O型食品、
(3)(1)又は(2)のO/W/O型食品を含む食品、
(4)乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品と、可塑性油脂組成物を含む最外相用油脂とを乳化させる乳化工程を含み、前記可塑性油脂組成物は、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含むことを特徴とする、O/W/O型食品の製造方法、
である。
本発明の一態様に係るO/W/O型食品は、乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種(以下「乳等」ということもある。)を含むO/W型食品と、最外油相に可塑性油脂組成物とを含むO/W/O型食品であって、前記可塑性油脂組成物は、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含む。
本発明において、O/W/O型食品は、乳等を含む水中油(O/W)型の食品を分散相として、連続相となる最外油相に分散相を均一に分散させた油中水中油(O/W/O)型の食品が意図される。
本発明の一態様に係るO/W/O型食品は、最外油相に可塑性油脂組成物を含む。本発明の一態様における可塑性油脂組成物は、乳化剤を含有しなくても、容易にO/W/Oに乳化した状態を作ることができる。換言すれば、最外油相に乳化剤を実質的に含まないO/W/O型食品も本発明の一態様である。当該O/W/O型食品の態様によれば、健康志向が高い消費者のニーズを満たす、乳化剤を含まない食品を提供することができる。
本発明において、可塑性油脂組成物は可塑性を有する油脂組成物が意図される。本発明の一態様における、可塑性油脂組成物の態様としては、例えば、油脂のみの態様、油脂に加えて水系原料を含むW/O乳化物の態様のものが挙げられる。可塑性油脂組成物の油脂のみの態様としては例えばショートニングが挙げられ、可塑性油脂組成物のW/O乳化物の態様としては例えばマーガリンが挙げられる。また、本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、油脂を、可塑性油脂組成物の総量に対して、例えば65質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは95質量%以上含む。
本発明において、「液油」は、品温20℃で、液状でかつ油脂結晶が析出しない油脂が意図される。本発明の一態様に係るO/W/O型食品において、可塑性油脂組成物に含まれる液油は、特定の液油に制限されない。例えば、菜種油、オリーブ油、ごま油、えごま油、大豆油、グレープシードオイル、コーン油、亜麻仁油、米油、綿実油、サフラワー油、落花生油、パーム分別油等の植物性油脂であって前記「液油」の定義に該当するもの;魚油、肝油等の動物性油脂であって前記「液油」の定義に該当するものが挙げられる。液油は、粗油、半精製油、精製油、又はサラダ油であってよい。所望の可塑性油脂組成物が得られるように、各液油の特性を考慮して適切な液油を選択すればよい。液油は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用して用いてもよい。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含む。可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対する液油の含有量が50質量%未満であると、可塑性油脂組成物が硬くなる。そのため、O/W/O型食品も硬くなることから、O/W/O型食品の食感が悪くなる。また、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対する液油の含有量が95質量%を超えると、油脂組成物の可塑性が損なわれ、O/W/O型食品が含有するО/W型食品のみずみずしさが得られない。さらに、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対する液油の含有量が95質量%を超える場合、5℃での固体脂含量を5質量%以上にするためには、可塑性油脂組成物に含有させる後述の液油以外の油脂としてできるだけ硬い油脂を使用する必要が生じる。結果として5℃での固体脂含量と25℃での固体脂含量との差が小さくなる。その結果、O/W/O型食品の呈味性が劣るおそれがある。複数種の液油を併用して含有する場合は、液油の総含有量が前述の範囲となるように液油を含有すればよい。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物に含まれる液油の含有量は、O/W/O型食品をより柔らかくし、滑らかにする観点から、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、好ましくは60質量%以上である。また、当該含有量は、O/W/O型食品においてより良好な撥水性及び呈味性を実現する観点から、好ましくは92質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、液油以外の油脂を含む。本発明において、「液油以外の油脂」は、品温20℃で固体の油脂、及び品温20℃で油脂結晶が析出している油脂が意図される。液油以外の油脂としては、例えば、パーム油、パーム軟質油、パーム核油、ヤシ油等の植物性油脂であって、前記「液油以外の油脂」の定義に該当するもの;ラード、牛脂、乳脂等の動物性油脂であって、前記「液油以外の油脂」の定義に該当するものが挙げられる。液油以外の油脂は、水素添加油、分別油、エステル交換油等の加工油脂であってよい。液油以外の油脂の種類及び含有量は、可塑性油脂組成物の固体脂含量(Solid Fat Content:SFC)が後述の範囲となる範囲であれば、特に制限はない。所望の可塑性油脂組成物が得られるように、各油脂の特性を考慮して適切な液油以外の油脂を選択すればよい。液油以外の油脂は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用して用いてもよい。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、5℃での固体脂含量(Solid Fat Content:SFC)が、5.0質量%以上、15質量%以下である。また、本発明の一態様に係るO/W/O型食品において、可塑性油脂組成物は、25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少ない。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、より良好な撥水性及び呈味性を実現する観点から、5℃でのSFCが好ましくは5.0質量%以上である。また、可塑性油脂組成物は、より良好な呈味性を実現する観点から、5℃でのSFCが好ましくは12質量%以下である。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロール(以下、「C54以上の飽和TAG」ということがある。)を10質量%以下含む。換言すれば、本発明の一態様において、可塑性油脂組成物は、可塑性油脂組成物の全油脂中のC54以上の飽和TAG量が前述の範囲となるように液油と液油以外の油脂とを含有すればよい。
本発明の一態様において、可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対するC54以上の飽和TAGの量は、O/W/O型食品の撥水性をより良くする観点から、好ましくは2.5質量%以上、10質量%以下である。特に、本発明の一態様において、O/W/O型食品が冷菓の態様である場合には、当該飽和TAGの量が2.5質量%以上であることは、O/W/O型食品が室温で融解しにくくなるため、より好ましい。
本発明の一態様において、最外油相は可塑性油脂組成物以外の成分を含んでもよい。可塑性油脂組成物以外の成分は、最外油相に含まれた際に最外油相の乳化安定性、撥水性及び、食用とする場合の呈味性を損なわない範囲であれば、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。可塑性油脂組成物以外の成分は例えば、水、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類、甘味料、着色料、酸化防止剤、植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、及び香辛料等を含有することができる。
本発明の一態様に係るO/W/O型食品において、O/W型食品と可塑性油脂組成物との質量比は、9:1~4:6であることが好ましい。O/W型食品と可塑性油脂組成物との質量比が前述の範囲内であることにより、O/W型食品のみずみずしさを示し、より良好な呈味を有するO/W/O型食品を得ることができる。
本発明の一態様に係るO/W/O型食品は、乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品を含む。本発明の一態様に係るO/W/O型食品に含まれるO/W型食品は、油相を分散相とし、水相を連続相として油相を均一に分散させた乳化物である。なお、乳等を含むO/W型食品は、乳化剤を含んでいてもよい。本発明では、前述の通り最外油相に含まれる可塑性油脂組成物が前述の組成を有していることによって、良好な撥水性と呈味性とを両立したO/W/O型食品を提供することができるため、O/W型食品に含まれる乳等は特に限定されず、どのような乳等であっても本発明の効果を得られる。
本発明の一態様において、O/W型食品は、乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。O/W型食品が含む乳等は、1種であってもよいし、2種以上を混合してもよい。乳等の種類は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
乳等を含むO/W型食品の具体例としては、例えば、乳等を含む食品、食品の材料であって乳等を含むもの等が挙げられる。食品としては、例えば、アイスクリーム等の冷菓が挙げられる。食品の材料には、例えば、調味及び/又は装飾に用いる材料も含まれる。具体的には、食品の材料としては、生クリーム、カスタードクリーム、チーズクリーム、ホイップクリーム、野菜又は果物を使用したクリーム、コーヒークリーム、キャラメルクリーム、ガナッシュ等の製菓用又は製パン用クリームが挙げられる。また、野菜又は果物を使用したクリームの具体例は前述した通りである。
O/W型食品は、乳等以外の成分を含んでもよい。O/W型食品における乳等以外の成分は、水相に含まれていてもよく、油相に含まれていてもよい。水相に含まれる成分として、例えば、水、酸味料、食塩、調味料、糖類、香辛料、着色料、着香料、増粘剤、有機酸、酸化防止剤、保存料、静菌剤等が挙げられる。油相に含まれる成分としては、植物油脂、動物油脂、鉱物油、合成油等が挙げられる。これらは、単独で含まれていてもよく、2種以上を組み合わせて含まれていてもよい。
本発明の一態様に係るO/W/O型食品を含む食品もまた、本発明の範疇に含まれる。当該食品としては、例えば、本発明のO/W/O型食品が前述の食品の材料である態様において、当該材料から得られる食品が挙げられる。また、例えば、本発明の一態様に係るO/W/O型食品が前述の製菓用又は製パン用のクリームである形態においては、本発明の一態様に係る食品として、当該クリームを用いて得られる製菓、製パンが挙げられる。より具体的には、シュークリーム、タルト、ウエハース、クッキーサンドが挙げられる。本発明の一態様に係るO/W/O型食品の一態様である製菓用又は製パン用のクリームは撥水性が高い。よって、当該クリームを用いれば、当該クリームから、菓子の生地、パン生地、クリームに混合する食材(例えば、クッキー類、ナッツ類等)に水分が移行することを抑制できる。よって、当該クリームを用いれば、菓子の生地、パン生地、クリームに混合する食材のクリスピーな食感が保たれる。また、例えば、本発明のO/W/O型食品がアイスクリームである態様においては、本発明の一態様に係る食品として、アイスクリーム用のコーン及びクッキー等の焼成された食品、又は、ナッツ類等と、アイスクリームとが接触している食品が挙げられる。より具体的には、本発明のO/W/O型食品の一態様であるアイスクリームに、クッキー、クラッカー、ナッツ等を混ぜたもの、コーンアイス、アイス最中、アイスビスケットサンド、アイスどら焼き等が挙げられる。本発明の一態様に係るO/W/O型食品の一態様であるアイスクリームは撥水性が高い。よって、当該アイスクリームを用いれば、当該アイスクリームから、焼成された食品又はナッツ類等に水分が移行することを抑制できる。よって、焼成された食品又はナッツ等の良好な食感が保たれる。つまり、当該焼成された食品又はナッツ類等のクリスピーな食感が保たれた食品を提供できる。
食品中に含まれているO/W/O型食品の含有量は特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができる。
本発明の一態様にかかるO/W/O型食品の製造方法は、乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品と、可塑性油脂組成物を含む最外相用油脂とを乳化させる乳化工程を含み、前記可塑性油脂組成物は、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含む。
本発明の一態様に係る乳化工程は、乳等を含むO/W型食品と、可塑性油脂組成物を含む最外相用油脂とを乳化させる工程である。乳等を含むO/W型食品と、可塑性油脂組成物を含む最外相用油脂とを乳化させる方法は、O/W型食品を分散相とし、可塑性油脂組成物を連続相としてエマルションを形成すればよく、特に限定されない。例えば、可塑性油脂組成物とO/W型食品とを、従来公知の撹拌機を用いて撹拌混合すればよい。
本発明の一態様にかかるO/W/O型食品の製造方法において用いられる可塑性油脂組成物は、前述の範囲の組成となるように液油と液油以外の油脂とを含有すればよく、特に限定されない。例えば、液油と液油以外の油脂とを混合する工程の後に、得られた混合物を急冷可塑化する工程を経て製造された可塑性油脂組成物を用いてもよい。
液油と液油以外の油脂とを混合する工程では、液油と液油以外の油脂とを混合することができればよく、混合方法は特に限定されない。例えば、従来公知の撹拌機を用いて撹拌混合すればよい。油脂は加温され、融解されて撹拌混合されることが好ましい。
液油と液油以外の油脂とを混合する工程後に必要により油脂結晶が析出しない程度に混合物を予備冷却した後、急冷可塑化する工程を行なう。急冷可塑化は、従来公知の冷却機を用いて行うことができる。従来公知の冷却機としては、コンビネーター、ボテーター、パーフェクター、及びケムテーター等の密閉型連続式掻き取りチューブチラー冷却機(Aユニット)、プレート型熱交換機等を用いて行ってもよく、また開放型冷却機のダイヤクーラーとコンプレクターとの組み合わせにより行ってもよい。急冷可塑化を行なうことにより、可塑性を有する油脂組成物が得られる。また、急冷可塑化の際には、冷却機に加えて、ピンマシン等の捏和装置(Bユニット)、レスティングチューブ、又はホールディングチューブ等を使用してもよい。
(液油)
菜種油:市販品を用いた。
パーム油:市販品を用いた。
可塑性油脂の固体脂含量は、基準油脂分析試験法2.2.9-2013に記載の方法で定量した。
(ガスクロマトグラフィーの条件)
カラム:Ultra ALLOY-1(MS/HT)(FRONTIER LAB製)
移動相:ヘリウムガス
注入温度:380℃
カラム温度:280℃で1分間、その後に400℃で10分間(昇温速度10℃/分)
検出器:FID
検出器温度:400℃
(定量方法)
トリウンデカノイン及びC54~C66の飽和トリアシルグリセロールをクロロホルムに溶解し、標準溶液を用意した。
表1に示す配合量にした以外は製造例1と同様にして、製造例2~5、9~11、参考製造例1~3、及び比較製造例1~3の可塑性油脂組成物を作製した。
<O/W型食品>
乳等を含むO/W型食品として、以下に示す配合で原料を混合し、鍋で加熱撹拌(70℃達温まで)して、カスタードクリームを調製した。
卵黄 12質量%
上白糖 15質量%
薄力粉 5質量%
牛乳(森永乳業製) 68質量%
製造例1の可塑性油脂組成物をホバートミキサーで600秒間撹拌し、可塑性油脂組成物を含気させた。次いで、O/W型食品と可塑性油脂組成物との比(質量比)が7:3となる量で、O/W型食品を投入し、ホイッパーを用いて軽く撹拌することによって両者を混合して、実施例1のO/W/O型食品を作製した。
可塑性油脂組成物として、製造例2~5、9~10、参考製造例1~3、及び比較製造例1~3の可塑性油脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5、9~10、参考例1~3、及び比較例1~3のO/W/O型食品を作製した。
実施例1で用いたO/W型食品と製造例11の可塑性油脂組成物との比(質量比)が7:3となる量で、O/W型食品を投入し、ホイッパーを用いて軽く撹拌することによって両者を混合して、実施例26のO/W/O型食品を作製した。すなわち、実施例26のO/W/O型食品は、可塑性油脂組成物を含気させずに作製された。
<O/W型食品>
乳等を含むO/W型食品として、以下に示す配合で原料を混合して、生クリーム調製物を調製した。尚、生クリーム調製物とは、泡立てていない、液状の状態の生クリームをいう。
生クリーム(森永乳業株式会社製 大雪原45) 80質量%
上白糖 20質量%
<O/W/O型食品の製造方法>
可塑性油脂組成物として、製造例1~5、9~10、及び比較製造例1~3の可塑性油脂組成物を使用したこと、及びO/W型食品として、調製した生クリーム調製物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11~17、及び比較例4~6のO/W/O型食品を作製した。
O/W型食品として、調製した生クリーム調製物を使用したこと以外は、実施例26と同様にして、実施例27のO/W/O型食品を作製した。
<O/W型食品>
乳等を含むO/W型食品として、以下に示す配合で原料を混合して、アイスクリームミックスを調製した。得られたアイスクリームミックス全体に占める乳脂肪分は、約15質量%であった。
卵黄 12質量%
グラニュー糖 26質量%
生クリーム(森永乳業株式会社製 大雪原45) 31質量%
牛乳(森永乳業株式会社製) 31質量%
可塑性油脂組成物として、製造例1~5、及び比較製造例1~2の可塑性油脂組成物を使用したこと、及びO/W型食品として、調製したアイスクリームミックスを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例18~22、及び比較例7~8のO/W/O型食品を作製した。
O/W型食品として、調製したアイスクリームミックスを使用したこと以外は、実施例26と同様にして、実施例28のO/W/O型食品を作製した。
実施例1~5、9~22、26~28、参考例1~3、及び比較例1~8の各O/W/O型食品を平板上に薄く塗り広げ、その上にスポイト(Kartell S.p.A.製、パスツールピペット3ml非無菌)で水を1滴(0.03g)落とし、撥水性の有無を下記評価基準により目視で評価した。その水滴の形が丸く球状になっている場合、撥水性有りと判断した。撥水できていない場合は、水滴が球状にならず、滲む、又は水が白濁した。撥水性の評価は、O/W/O型食品を袋(PE/NYラミネート勢、無地)に入れ、-20℃の冷凍庫で4週間保管することによって凍結させた後のO/W/O型食品、及び凍結前のO/W/O型食品について行なった。
○:十分撥水した。具体的には、水滴の形状が、球状、又は、少し扁平して水平方向から見たときに楕円となる形状で維持された。
△:○よりは弱いが、撥水した。具体的には、水滴の形状が○より扁平したが、白濁したり、濁ったりはしなかった。
×:撥水しなかった。具体的には、水滴が球状を維持せずに広がり、白濁したり濁ったりした。
パネラーが実施例1~5、9~22、26~28、参考例1~3、及び比較例1~8の各O/W/O型食品を喫食して、下記評価基準により呈味性を評価した。呈味性の評価は、O/W/O型食品を撥水性の評価と同様の条件で凍結させた後のO/W/O型食品、及び凍結前のO/W/O型食品について行なった。
◎:О/W型食品のみずみずしい風味を最も強く感じた。
○:◎よりも弱いが、О/W型食品のみずみずしい風味を強く感じた。
△:穏やかに感じた。
×:感じなかった。
なお、撥水性の評価が「×」であった比較例7及び8については、呈味性の評価を行わず、評価は「-」とした。
各実施例、参考例及び比較例の評価の結果を表2~表4に示す。
製造例5の可塑性油脂組成物とサラダ油とを1:1(質量比)で混合し、ホバートミキサーで10分間撹拌して含気させ、比重0.50の油脂Aを得た。得られた油脂Aを最外相用油脂として用いた。油脂A30質量%と、実施例11と同じ方法で調製した生クリーム調製物(O/W型食品)70質量%とを混合し、ホイッパーを用いて撹拌して、実施例23のO/W/O型食品を作製した。実施例23で得られたO/W/O型食品では、O/W型食品と最外油相との質量比は、7.0:3.0であった。
製造例5の可塑性油脂組成物を最外相用油脂として用い、実施例11と同じ方法で調製した生クリーム調製物(O/W型食品)と製造例5の可塑性油脂組成物とを7.5:2.5(質量比)で混合したこと以外は実施例11と同様にして実施例24のO/W/O型食品を作製した。
製造例5の可塑性油脂組成物を最外相用油脂として用い、実施例11と同じ方法で調製した生クリーム調製物(O/W型食品)と製造例5の可塑性油脂組成物とを5.2:4.8(質量比)で混合したこと以外は実施例11と同様にして実施例25のO/W/O型食品を作製した。
Claims (4)
- 乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品と、最外油相に可塑性油脂組成物とを含む、O/W/O型食品であって、
前記可塑性油脂組成物は、
前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、
5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、
25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、
前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含むことを特徴とする、O/W/O型食品(ただし、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を90重量%以上含むものを除く)。 - 前記O/W型食品と前記可塑性油脂組成物との質量比が、9:1~4:6であることを特徴とする、請求項1に記載のO/W/O型食品。
- 請求項1又は2に記載のO/W/O型食品を含む食品。
- 乳及び乳製品からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むO/W型食品と、可塑性油脂組成物を含む最外相用油脂とを乳化させる乳化工程を含み、
前記可塑性油脂組成物は、
前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を50質量%以上、95質量%以下含み、
5℃での固体脂含量が、5.0質量%以上、15質量%以下であり、
25℃での固体脂含量が、前記5℃での固体脂含量より0.50質量%以上、8.0質量%以下少なく、
前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、総炭素数54以上の飽和トリアシルグリセロールを10質量%以下含むことを特徴とする、O/W/O型食品の製造方法(ただし、前記可塑性油脂組成物に含まれる油脂の総量に対して、液油を90重量%以上含むものを除く)。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020198926 | 2020-11-30 | ||
JP2020198926 | 2020-11-30 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022086969A JP2022086969A (ja) | 2022-06-09 |
JP7109720B2 true JP7109720B2 (ja) | 2022-08-01 |
Family
ID=81894609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021056010A Active JP7109720B2 (ja) | 2020-11-30 | 2021-03-29 | O/w/o型食品、食品及びo/w/o型食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7109720B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004016165A (ja) | 2002-06-19 | 2004-01-22 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 流動状二重乳化油脂組成物 |
JP2005350660A (ja) | 2004-05-10 | 2005-12-22 | Asahi Denka Kogyo Kk | 可塑性油脂組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03290152A (ja) * | 1990-04-04 | 1991-12-19 | Tsukishima Shokuhin Kogyo Kk | 二重乳化型フィリングクリーム |
-
2021
- 2021-03-29 JP JP2021056010A patent/JP7109720B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004016165A (ja) | 2002-06-19 | 2004-01-22 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 流動状二重乳化油脂組成物 |
JP2005350660A (ja) | 2004-05-10 | 2005-12-22 | Asahi Denka Kogyo Kk | 可塑性油脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022086969A (ja) | 2022-06-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7114650B2 (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP5913121B2 (ja) | 油脂組成物及び当該油脂組成物を用いたベーカリー食品、並びに当該ベーカリー食品を用いた複合食品の各製造方法 | |
JP6635268B2 (ja) | 塩味増強油脂の製造方法 | |
JP7237528B2 (ja) | 乳化油脂組成物 | |
JP2010220579A (ja) | 可塑性油中水型乳化油脂組成物 | |
JP7109720B2 (ja) | O/w/o型食品、食品及びo/w/o型食品の製造方法 | |
JP6836320B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物およびバタークリーム用油脂組成物 | |
JP2018166417A (ja) | 油中水型乳化油脂組成物 | |
JP7150397B2 (ja) | ホワイトソース用油脂組成物 | |
JP2020078344A (ja) | ベーカリー食品 | |
JP6717729B2 (ja) | 可塑性油脂組成物とそれを用いたマーガリン、スプレッド、バタークリーム | |
JP6705166B2 (ja) | スポンジ菓子及びそれを使用した複合菓子 | |
JP2019004875A (ja) | 可塑性油脂組成物 | |
JP6906880B1 (ja) | 焼き菓子用生地及び焼き菓子 | |
JP6966610B1 (ja) | 可塑性油脂組成物、o/w/o乳化組成物及び食品 | |
JP7515269B2 (ja) | フィリング用油脂組成物、ならびに、それを含む冷菓用フィリングおよび複合冷菓 | |
JP6974674B1 (ja) | O/w/o型酸性乳化液状食品、食品及びo/w/o型酸性乳化液状食品の製造方法 | |
JP7503397B2 (ja) | 焼菓子用油脂組成物、ならびに、それを含む冷菓用焼菓子および複合冷菓 | |
JP7519189B2 (ja) | 乳化油脂組成物 | |
JP6727389B1 (ja) | 焼き菓子用生地及び焼き菓子 | |
JP7109195B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP6704221B2 (ja) | ベーカリー食品 | |
JP2024097687A (ja) | 焼菓子の製造方法 | |
JP2023130188A (ja) | クリーム | |
JP2023135380A (ja) | クリーム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210409 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210409 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210409 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210824 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211011 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220301 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220517 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20220609 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220609 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20220609 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7109720 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |