JP2022022753A - 水中油型乳化食品及びその製造方法 - Google Patents

水中油型乳化食品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乳化安定性に優れており、かつ、風味が良好な水中油型乳化食品の提供。【解決手段】本発明は、殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品であって、可溶性γ-リベチン量が、210μg/ml以上400μg/ml以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化食品に関し、詳細には、殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品に関する。また、本発明は、当該水中油型乳化食品の製造方法に関する。
従来、マヨネーズ等の水中油型乳化食品の製造には、乳化剤として卵黄を用いることが一般的である。卵黄の殺菌は、「液卵の製造等に係る衛生確保について」という厚生省の通知の「四 殺菌、冷却及び充てん」の項目では、「加糖又は加塩した液卵」に関して、10%加塩卵黄の場合、63.5℃で3.5分間というような特定の温度及び時間で加熱することが推奨されている。例えば、特許文献1では、液状卵組成物の長期保存のために、溶存酸素濃度を3%O未満、好ましくは1%O未満にまで減らし、さらに多量の塩及び/又は糖を加えて、殺菌することが提案されている。
ここで、卵黄には、水溶性タンパク質で鶏の免疫グロブリンであるγ-リベチン(IgY)が多く含まれている。γ-リベチンは、上記した加塩卵黄の殺菌条件に近い温度の加熱により急激に変性してしまうため、卵黄の変性度合の指標となる。すなわち、殺菌済卵黄中のγ-リベチンの残存量は、殺菌時の温度及び時間により左右されるが、従来、殺菌済卵黄中の菌の残存数には注目していても、卵黄の変性度合までは十分に検討されていなかった。
特公昭53-91165号公報
本発明者らは、卵黄の殺菌について検討を重ねた結果、特許文献1のように卵黄を十分に殺菌することで長期保存を行うことができるが、その一方で、卵黄の変性が進み、殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品の乳化安定性や風味に影響を及ぼすという知見を得た。
したがって、本発明の目的は、殺菌済卵黄を用いて、乳化安定性に優れており、かつ、風味が良好な水中油型乳化食品を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品において、可溶性γ-リベチン量を特定の範囲内に調節することで、乳化安定性に優れており、かつ、風味が良好な水中油型乳化食品が得られることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、
殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品であって、
可溶性γ-リベチン量が、210μg/ml以上400μg/ml以下であることを特徴とする、
水中油型乳化食品が提供される。
本発明の態様においては、前記食用油脂の含有量が、前記水中油型乳化食品全体に対して60質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記殺菌済卵黄の含有量が、生換算で、前記水中油型乳化食品全体に対して11質量%以上19質量%以下であることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、
上記の水中油型乳化食品の製造方法であって、
前記殺菌済卵黄の殺菌温度が、63.5℃以上69℃以下であることを特徴とする、
水中油型乳化食品の製造方法が提供される。
本発明の別の態様においては、前記殺菌済卵黄の25℃での溶存酸素濃度が6%O以上16%O以下であることが好ましい。
本発明によれば、乳化安定性に優れており、かつ、風味が良好な水中油型乳化食品を提供することができる。また、水中油型乳化食品の製造方法を提供することができる。このような水中油型乳化食品は消費者の食欲を惹起することができ、水中油型乳化食品のさらなる市場拡大が期待できる。
<水中油型乳化食品>
本発明の水中油型乳化食品は、少なくとも、殺菌済卵黄及び食用油脂を含有するものであり、増粘剤、酸材、及び他の原料等をさらに含んでもよい。
ここで、水中油型乳化食品とは、油脂が油滴として水相中に略均一に分散し、水中油型に乳化された食品である。本発明の水中油型乳化食品は、特に限定されず、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられ、マヨネーズが好ましい。なお、日本農林規格(JAS)では、油脂含量が65質量%以上のものがマヨネーズであるが、本発明の水中油型乳化食品は、JAS規格で定めるマヨネーズと類似の性状を有しながら成分組成がJAS規格に合致しない類似商品群でもよい。
(可溶性γ-リベチン量)
本発明の水中油型乳化食品は、卵黄由来の可溶性γ-リベチンを含んでいる。水中油型乳化食品中の可溶性γ-リベチンの含有量は、210μg/ml以上400μg/ml以下であり、下限値は好ましくは213μg/ml以上であり、より好ましくは220μg/ml以上であり、また、上限値は好ましくは300μg/ml以下であり、より好ましくは280μg/ml以下であり、さらに好ましくは240μg/ml以下である。水中油型乳化食品中の可溶性γ-リベチンの含有量が210μg/ml未満の場合、卵黄の変性度が高すぎて、水中油型乳化食品の乳化安定性が悪化する。一方、水中油型乳化食品中の可溶性γ-リベチンの含有量が400μg/ml超の場合、卵黄の変性度が低すぎて、水中油型乳化食品の味なじみが悪く、風味が劣る。なお、水中油型乳化食品中の可溶性γ-リベチンの含有量は、下記の方法により測定することができる。
<可溶性γ-リベチン量の測定方法>
水中油型乳化食品を遠心分離し乳化相と水相に相分離させ、水相を回収、この水相を用いた酵素免疫定量(ELISA)法によって、可溶性γ-リベチン量を測定することができる。
(殺菌済卵黄)
水中油型乳化食品に配合する殺菌済卵黄は、一般的に流通している卵黄を原料として用いて、生卵黄(液卵黄)に特定の処理を行ったもの等が挙げられる。なお、液卵黄とは、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵白を分離したものをいい、割卵及び分離後、所定期間冷蔵保存したもの並びに凍結後解凍させたものを含むものとする。
(処理条件)
液卵黄の特定の処理の例としては、まず、液卵黄を脱気して、溶存酸素濃度を好ましくは6%O以上16%O以下、より好ましくは9%O以上16%O以下の範囲内に調節しながら、食塩を液卵黄に対して好ましくは5質量%以上20質量%以下、より好ましくは8質量%以上15質量%以下添加する。続いて、加塩後の液卵黄を凝固しないように好ましくは70℃未満、より好ましくは63.5℃以上69℃以下の温度で、好ましくは1分以上10分以下、より好ましくは3分以上8分以下の時間で殺菌処理を施す。このような溶存酸素濃度および加塩量を調節した液卵黄に上記の低温・短時間の殺菌処理を施すことで、液卵黄の変性度合を調整し、可溶性γ-リベチン量を調節することができる。
水中油型乳化食品中の殺菌済卵黄の含有量は、生換算で、水中油型乳化食品全体に対して、好ましくは11質量%以上19質量%以下であり、下限値はより好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは13質量%以上であり、また、上限値はより好ましくは18質量%以下であり、より好ましくは16質量%以下である。水中油型乳化食品中の殺菌済卵黄の含有量が上記数値範囲内であれば、多量の食用油脂を含有していても乳化安定性を維持することができる。なお、乳化安定性を維持する限り、水中油型乳化食品中に殺菌済卵白や殺菌済全卵が含まれていてもよいが、殺菌済卵黄の含有量に卵白部分の含有量は含まれないものとする。
(可溶性γ-リベチン量/殺菌済卵黄量)
水中油型乳化食品中に含まれる可溶性γ-リベチン量(μg)/殺菌済卵黄量(mg)の比率の下限値は、好ましくは0.0011以上であり、より好ましくは0.0012以上であり、最も好ましくは0.0016以上である。また同様に、水中油型乳化食品中に含まれる可溶性γ-リベチン量/殺菌済卵黄量の比率の上限値は、好ましくは0.0038以下であり、より好ましくは0.0023以下であり、最も好ましくは0.0021以下である。水中油型乳化食品中に含まれる可溶性γ-リベチン量/殺菌済卵黄量の比率が上記数値範囲内であれば、多量の食用油脂を含有していても乳化安定性を維持することができ、かつ水中油型乳化食品の味なじみがよく、風味の良いものを得ることができる。
(食用油脂)
水中油型乳化食品に用いる食用油脂は、特に限定されず従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、又はこれらの混合油を用いることが好ましい。
水中油型乳化食品中の食用油脂の含有量は、水中油型乳化食品の全量に対して、好ましくは60質量%以上80質量%以下であり、下限値は好ましくは62質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上であり、また、上限値は好ましくは78質量%以下であり、より好ましくは75質量%以下である。食用油脂の含有量が上記範囲内であれば、風味が良好な水中油型乳化食品の乳化状態を維持し易い。
(増粘剤)
本発明の水中油型乳化食品には、増粘剤を配合することもできるが、増粘剤を配合しない方が好ましい。増粘剤を配合しなくても、乳化安定性に優れており、かつ、風味が良好な水中油型乳化食品を得ることができる。なお、増粘剤を配合する場合には、例えば、キサンタンガム、コンニャクガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等の増粘多糖類や、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉等の加工澱粉が挙げられる。
(酸材)
本発明の水中油型乳化食品は、酸材を配合することで、酸性水中油型乳化食品にすることができる。酸性水中油型乳化食品のpHは、特に限定されないが、例えば、2.7以上4.6以下であり、下限値は好ましくは3.5以上であり、より好ましくは3.7以上であり、上限値は好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.0以下である。水中油型乳化食品のpHが上記範囲内であれば、水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。なお、水中油型乳化食品のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
酸材としては、例えば、食酢(酢酸)、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの塩、燐酸、塩酸等の無機酸及びそれらの塩、レモン果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、乳酸発酵乳等を用いることができる。
酸材の配合量は、目的とするpHに応じて適宜調節することができる。例えば、酸材として食酢を用いる場合、水中油型乳化食品の水相部の酢酸酸度が好ましくは1質量%以上5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以上4質量%以下となるような量で配合することが好ましい。食酢の配合量が上記範囲内であれば、水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。
(他の原料)
本発明の水中油型乳化食品は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で水中油型乳化食品に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、醤油、みりん、食塩、胡麻、グルタミン酸ナトリウム、ブイヨン等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
<水中油型乳化食品の製造方法>
本発明の水中油型乳化食品の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、液卵黄を脱気して、溶存酸素濃度を好ましくは6%O以上16%O以下、より好ましくは9%O以上16%O以下の範囲内に調節しながら、食塩を液卵黄に対して好ましくは5質量%以上20質量%以下、より好ましくは8質量%以上15質量%以下添加する。続いて、加塩後の液卵黄を凝固しないように好ましくは70℃未満、より好ましくは63.5℃以上69℃以下の温度で、好ましくは1分以上10分以下、より好ましくは3分以上8分以下の時間で殺菌処理を施して、殺菌済卵黄を得る。
次に、水、殺菌済卵黄、食酢、食塩、増粘剤、及び調味料等の他の水相原料を均一になるように混合して水相を調整する。続いて、上記で調整した水相をミキサー等で撹拌しながら、油相原料である食用油脂を注加して粗乳化し、次にせん断力に優れた処理機等で均質化して、水相中に油相を乳化分散させた水中油型乳化食品を得ることができる。
本発明の水中油型乳化食品の製造には、通常の水中油型乳化食品の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<殺菌済卵黄>
以下の手順により、殺菌済卵黄A~Jを準備した。まず、脱気下で液卵黄に表1に記載の量で食塩を添加した。脱気は、表1に記載の溶存酸素濃度となるように調整した。続いて、食塩を添加した卵黄を表1に記載の温度に昇温させてから、表1に記載の時間で加熱した。続いて、氷冷し粗熱を取り、殺菌済卵黄を得た。また、大気圧下で液卵黄に表1に記載の食塩を添加して、未殺菌卵黄Kを準備した。
Figure 2022022753000001
<水中油型乳化食品の製造>
[実施例1~5及び比較例1~6]
表2に記載の配合量となるように水中油型乳化食品を調整した。具体的には、まず、卵黄及び食塩を加え、さらに水中油型乳化食品の水相部の酢酸酸度が2%となるように食酢と清水を加えた後、均一になるように混合して水相を調整した。その後、調整した水相に食用油脂(大豆油)を注加し、乳化処理を行って、水中油型乳化食品を製造した。なお、実施例1~5及び比較例1~6には、上記の卵黄A~Kを用いた。
Figure 2022022753000002
(可溶性γ-リベチン量の測定)
上記で得られた実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品について、遠心用チューブに水中油型乳化食品を10g分注し、210000×g、60分、5℃で遠心分離した。水相を回収し、小型遠心機で10000×g、15分、室温で遠心分離した。この操作を繰り返し、水相のみを回収した。さらに、0.45μmメンブレンフィルターを通液し、この水相を用いて酵素免疫定量(ELISA)法によって、可用性γ-リベチン量を測定した。測定結果を表3に示した。
(可溶性γ-リベチン量/殺菌済卵黄量の算出)
上記で得られた実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品の比重0.95を考慮し、水中油型乳化食品1ml中の「可溶性γ-リベチン量リベチン(μg)/殺菌済卵黄(mg)の比」を算出した。
(pH測定)
上記で得られた実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品のpHは全て3.7以上4.0以下の範囲内であった。
(物性評価)
上記で得られた実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品について、複数の訓練されたパネルにより、以下の物性評価を行った。評価が2点以上であれば、良好な結果であると言える。なお、点数は平均値を小数点以下で四捨五入した。
(乳化安定性評価1)
ストマッカー袋に水中油型乳化食品を100g入れて、ストマッカー機を用いて260rpmで60秒間振とうさせた。これを1セットとして、同様の操作をさらに2セット繰り返して行い、計180秒間振とうさせた(合計3セット)。その際に、1セットごとに水中油型乳化食品を目視で外観確認を行い、下記の評価基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
3:水中油型乳化食品は3セットの振とう後に分離していなかった。
2:水中油型乳化食品は2セットの振とう後に僅かに分離していたが、実用上問題無かった。
1:水中油型乳化食品は1セットの振とう後に分離していた。
(乳化安定性評価2)
50ml遠沈管に水中油型乳化食品を30g入れて、-20℃で2日間静置した。その後、水中油型乳化食品を目視で外観確認を行い、下記の評価基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
3:水中油型乳化食品は分離していなかった。
2:水中油型乳化食品は僅かに分離していたが、実用上問題無かった。
1:水中油型乳化食品は分離していた。
(風味評価1)
ポリエチレン/ナイロン製の袋に水中油型乳化食品を100g空気が入らないように充填して、35℃で1週間静置した。その後、水中油型乳化食品の酸味を下記の評価基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
3:水中油型乳化食品の酸味や塩味が普通であった。
2:水中油型乳化食品の酸味や塩味が多少強かったが、実用上問題無かった。
1:水中油型乳化食品の酸味や塩味が強く、味なじみが悪かった。
(風味評価2)
ポリプロピレン容器に水中油型乳化食品を200g入れて、35℃で15週間静置した。その後、水中油型乳化食品の酸化臭を下記の評価基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
3:水中油型乳化食品の酸化臭が普通であった。
2:水中油型乳化食品の酸化臭が多少強かったが、実用上問題無かった。
1:水中油型乳化食品の酸化臭が強かった。
(風味評価3)
ポリエチレン/ナイロン製の袋に水中油型乳化食品を100g空気が入らないように充填して、35℃で1週間静置した。その後、水中油型乳化食品の酸味を下記の評価基準で評価した。評価結果を表3に示した。
[評価基準]
3:水中油型乳化食品の卵の生臭さが普通であった。
2:水中油型乳化食品の卵の生臭さが多少強かったが、実用上問題無かった。
1:水中油型乳化食品の卵の生臭さ強かった。
実施例1~6の水中油型乳化食品は、いずれも、可溶性γ-リベチン量の値が適正な値であり、卵黄の変性が適度なため、乳化安定性に優れているか実用上問題がなく、かつ、風味が良好であるか実用上問題がなかった。
比較例1~5の水中油型乳化食品は、いずれも、可溶性γ-リベチン量の値が低く、卵黄の変性が進行し過ぎているため、乳化安定性に劣っていた。
比較例6の水中油型乳化食品は、可溶性γ-リベチン量の値が高く、卵黄が変性していないため、水中油型乳化食品の卵の生臭さ強く風味が悪いものであった。また、殺菌を施していないものであるため、流通に適さないものであった。
Figure 2022022753000003
(可溶性γ-リベチン量/殺菌済卵黄量の算出)
上記で得られた実施例1~5及び比較例1~6の水中油型乳化食品の比重0.95を考慮し、水中油型乳化食品1ml中の「可溶性γ-リベチン量(μg)/殺菌済卵黄(mg)の比」を算出した。

Claims (5)

  1. 殺菌済卵黄及び食用油脂を含む水中油型乳化食品であって、
    可溶性γ-リベチン量が、210μg/ml以上400μg/ml以下であることを特徴とする、
    水中油型乳化食品。
  2. 前記食用油脂の含有量が、前記水中油型乳化食品全体に対して60質量%以上80質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の水中油型乳化食品。
  3. 前記殺菌済卵黄の含有量が、生換算で、前記水中油型乳化食品全体に対して11質量%以上19質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の水中油型乳化食品。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の水中油型乳化食品の製造方法であって、
    前記殺菌済卵黄の殺菌温度が、63.5℃以上69℃以下であることを特徴とする、
    水中油型乳化食品の製造方法。
  5. 前記殺菌済卵黄の殺菌前の溶存酸素濃度が6%O以上16%O以下であることを特徴とする、
    請求項4に記載の水中油型乳化食品の製造方法。
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