JP4327710B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体、及びそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
ハードディスク装置の大容量化が求められている中で、記録密度の向上に伴い、媒体ノイズの増大が問題となっている。媒体ノイズの主たる原因は、ビット境界部のジグザグ状の磁壁に起因すると考えられている。これは、ビットの形状がヘッドの書き込み磁場や、媒体を構成する磁性結晶粒子のサイズなどいろいろな要因が係わって決定される。特に、粒子サイズのばらつきなどのために、ビット境界部が形成される位置が不確定であることに起因する。ノイズ低減のためには、記録ビット境界部の凹凸を可能な限り小さくする必要がある。記録ビット境界部の凹凸低減のためには、磁気記録層を形成する磁性結晶粒子を微細化する方法がある。
しかしながら、磁性結晶粒子の微細化を進めていくと、同時に磁気記録層の熱ゆらぎ耐性が劣化してしまうという問題が生じていた。磁性結晶粒子の熱ゆらぎ耐性を保ちつつ、記録ビットの境界部の凹凸を低減させるためには、粒子の粒径分布を均一化することが有効である。しかしながら、結晶粒子の粒径を現状レベルの約10nm以下に維持しながら、さらに粒径分布を均一化することは困難であった。
また一方で、磁性結晶粒子を微細化するために、磁性結晶粒子を分断するための粒界相を構成する物質を磁気記録層中に添加すると、粒界相を構成する物質の拡散によって磁性結晶粒子の配向性は悪化する。よって、磁性結晶粒子の配向性の悪化を改善するために、下地層あるいは磁気記録層の膜厚を厚くする必要がある。このことは、特に、二層膜垂直磁気記録媒体においては、磁気記録ヘッドとヘッド磁界を還流させる軟磁性裏打ち層との間の距離を広げて、磁気ヘッドからの実質的な磁界を弱めること(スペーシングロス)につながり、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を悪化させる。このため、磁性結晶粒子の微細化及び均一化する際には、磁気記録層の膜厚をより薄くし、磁性結晶粒子のより良好な結晶性を得る必要がある。
単電子トランジスタや単電子メモリなどの量子電子デバイス分野で、微細で均一な膜を得る技術として、AlとSiで形成された微細で均一なナノ構造体を作製する技術が開示されている。この技術によると、基板上にAlを優先的に成長させるための規則的領域を形成し、その後、Si又は/及びGeの総量が20at%ないし70at%の割合で含まれたAlとSi又は/及びGeとを主成分とした混合膜を形成することにより、直径が1nmないし30nmであり、間隔が30nm以下であるAlを主成分とした複数のシリンダーと、複数のシリンダーを取り囲むSi又は/及びGeを主成分としたマトリックス領域とを有する混合膜を作製することができる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、規則的領域を形成するために、陽極酸化法の技術を元にしたウェットプロセスおよびFIB(Focused Ion Beam)を用いたハニカム配列の微小凹部の形成を必要としている。このウェットプロセスやFIB法の利用は、製造コストが高く、また、真空中での成膜を主とする磁気記録媒体の製造工程に、容易に応用することはできない。さらに、AlSi膜に含まれるSiが拡散しやすいため、AlSi膜を直接磁気記録媒体に導入すると、隣接する層に悪影響を及ぼす。また、より薄い膜厚で良好な結晶配向を維持することは困難である。このようなことから、上述のナノ構造体は、磁気記録分野に直接応用できるものではなかった。
また、基板上に軟磁性裏打ち層、配向制御層、粒径制御層と、下地層と、垂直磁気記録層と持つ垂直磁気記録媒体において、粒径制御層が、銀、アルミニウム、タンタル、銅およびガドリニウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を主に含むことにより、その磁性結晶粒子の配向性と粒径を制御し、熱揺らぎ耐性を改善し、SN、分解能が向上する技術がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、より高密度な記録例えば100Gbits/inch2を越える高密度記録を達成するには、まだ十分とはいえない。このため、磁性結晶粒子のさらなる微細化及び均一化が望まれている。
特開2004−193523号公報 特開2004−30767号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、微細で均一な下地層を利用し、スペーシングロスの増加や粒径分布の広がり、及び結晶性低下等を生じることなく、微細で粒径分布が小さく、結晶性の良好な磁気記録層を形成して、SNRが良好で、高密度記録が可能な磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板と、該非磁性基板上に形成され、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta,Zr,Mg,およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第1の下地層と、該第1の下地層上に接触して形成され、MgまたはAlを主成分として含有する結晶粒子、及びSiを主成分として含有し、該結晶粒子を取り囲む結晶粒界相を含む第2の下地層と、該第2の下地層上に形成され、Pt,Pd,Ru,Rh,Co,及びTiからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第3の下地層と、該第3の下地層上に形成された垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする。
また、本発明の磁気記録再生装置は、非磁性基板と、該非磁性基板上に形成され、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta,Zr,Mg,およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第1の下地層と、該第1の下地層上に接触して形成され、MgまたはAlを主成分として含有する結晶粒子、及びSiを主成分として含有し、該結晶粒子を取り囲む結晶粒界相を含む第2の下地層と、該第2の下地層上に形成され、Pt,Pd,Ru,Rh,Co,及びTiからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第3の下地層と、該第3の下地層上に形成された垂直磁気記録層とを有する垂直磁気記録媒体、及び再生ヘッドを具備することを特徴とする。
本発明によれば、スペーシングロスの増加や粒径分布の広がり、及び結晶性低下等を生じることなく、微細で粒径分布が小さく、結晶性の良好な磁気記録層を形成することにより、熱揺らぎ耐性を悪化させることなく、垂直磁気記録層の転移ノイズを低減し、低ノイズ化できるので、高密度記録が可能な磁気記録媒体が得られる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、非磁性基板上に、少なくとも3層の下地層を介して磁気記録層を形成することにより、微細で粒径分布が小さく、結晶性の良好な磁性結晶粒子を有し、転移ノイズが小さくより薄い膜厚で高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、第1の下地層、第2の下地層、及び第3の下地層、及び磁気記録層を順に積層した構成を有する。
第1の下地層は、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta,Zr、Mg,およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する。
第2の下地層は、結晶粒子とこれを取り囲む結晶粒界層を含み、結晶粒子はMgまたはAlを主成分として含有し、結晶粒界層はSiを主成分として含有する。
第3の下地層は、Pt,Pd,Ru,Rh,CoおよびTiからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する。
ここでは、主成分とは、物質を構成する成分の中で成分比が一番多い元素または元素群をいう。
本発明では、第1の下地層を用いて、主に第2の下地層の結晶粒子の配向性を改善することができる。また、第2の下地層を用いて、その柱状に成長した結晶粒子と、それを取り囲む結晶粒界相とから、主に垂直磁気記録層の粒径及び粒径分布を決定することができる。さらに、第3の下地層を用いて、第2の下地層からの不純物の拡散を防止し、かつ主に第2の下地層の結晶粒子の粒径および配向性を垂直磁気記録層まで伝えることができる。
本発明によれば、この第3の下地層の上に垂直磁気記録層を形成することで、結晶性のよい、均一で微細な磁性結晶粒子が得られ、これにより、熱揺らぎ耐性を悪化させることなく、垂直磁気記録層の転移ノイズを低減し、低ノイズ化が可能となるので、より高密度な垂直磁気記録が可能となる。
以下、図面を参照し、本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図である。
図1において、垂直磁気記録媒体10は、非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層2、第1の下地層3、第2の下地層4、第3の下地層5、垂直磁気記録層6、および保護膜7が順に積層されている。また、保護層7表面には、例えばディップ法等によりパーフルオロポリエーテル等の潤滑剤を塗布し、図示しない潤滑層を形成することができる。
本発明では、まず、非磁性基板上に、軟磁性裏打ち層を形成する。高透磁率な軟磁性裏打ち層を設けることにより、軟磁性裏打ち層上に垂直磁気記録層を有するいわゆる二層膜垂直磁気記録媒体が構成される。この二層膜垂直磁気記録媒体において、軟磁性裏打ち層は、垂直磁磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド、例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという、磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
軟磁性裏打ち層として用いる軟磁性材料としては、飽和磁束密度が高く、軟磁気特性が良好なCoZrNb、CoTaZr、FeCoB、FeCoN、FeTaC、FeTaN、FeNi、及びFeAlSiなどが用いられる。
次に、軟磁性裏打ち層上に第1の下地層となる膜を成膜する。
この第1の下地層は、主に第2の下地層の結晶配向性を改善する目的で設けられる。この第1の下地層は、その上に形成される第2の下地層の結晶配向を制御する機能を有し、さらに、その上に形成される第3の下地層、垂直磁気記録層の垂直配向性を向上し得る。通常、下地層の厚さが薄いと、磁気記録層の垂直配向性が低下する傾向があるけれども、本発明によれば、第1の下地層を設けることにより、例え下地層の厚さが比較的薄い場合でも垂直磁気記録媒体の垂直配向性を改善することができる。第1の下地層に主成分として用いられる物質は、それ自身が薄い膜厚で良い配向性を持つことが望ましい。加えて、その直上に設けられる第2の下地層の結晶粒子と強く結合することが望ましい。
ここで、第1の下地層を構成する物質を選択する目安として、合金形成熱エネルギー(ΔH)を利用する。第1の下地層の主成分となる物質と第2の下地層の結晶粒子の主成分となる物質との合金形成熱エネルギー(ΔH)が、−5kJ/mol以下であることが好ましい。より好ましくは−50kJ/molないし−300kJ/molである。これにより、第1の下地層と第2の下地層の結晶粒子は、その界面において強く結合され、一般に、初期層と呼ばれる、結晶成長初期部に見られる格子欠陥を多く含む層を、低減、または発生させないことが可能となる。この初期層の低減により、第2の下地層の比較的薄い膜厚における良好な配向性をもたらすことができる。ΔHが−5kJ/molより大きいと界面結合が不十分で、第2の下地層に初期層が発生し、配向性の改善が不十分となる傾向がある。ΔHが−300kJ/molより小さいと界面結合が強力すぎて、第2の下地層の結晶粒子が肥大化する傾向がある。
第1の下地層を構成する物質は、例えば、第2の下地層の結晶粒子がAlから構成される場合、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta,Zr,Mg,およびAlから選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する合金が好適となる。このとき、Alとこれらの物質との形成熱エネルギーは、次のようになる。Ag(-21 kJ/mol),Hf(-150 kJ/mol),Ir(-113 kJ/mol),Ni(-96 kJ/mol),Pd(-174 kJ/mol),Pt(-164 kJ/mol),Re(-62 kJ/mol),Rh(-124 kJ/mol),Ru(-83 kJ/mol),Ti(-137 kJ/mol),Ta(-75 kJ/mol),Zr(-169 kJ/mol) ,Mg(-7 kJ/mol)(A.R. Miedema et al., CALPHAD, vol.1 No.4, pp.341 Pergamon Press, (1977)参照)好ましくは、Ti,Pd,Pt,Zr,RhおよびHfから選ばれる少なくとも1種類を主成分として含有する合金を用いる。
また、第1の下地層の好ましい厚さは、1nmないし20nmである。より好ましくは、5nmないし10nmである。第1の下地層の膜厚が、1nmより薄いと第1の下地層の配向性が不十分となり、第2の下地層の配向性が悪化する傾向がある。また、膜厚が20nmより厚いと、磁気ヘッドから軟磁性裏打ち層までの距離が増大し、スペーシングロスにより、磁気記録媒体の記録再生特性が低下する傾向がある。第1の下地層として、軟磁気特性をもつ膜を利用した場合は、スペーシングロスが発生しないという利点がある。
次に、第2の下地層を、第1の下地層の直上に粒径を制御する目的で形成する。第2の下地層は、2種類以上の物質からなり,面心立方構造、または六方最密構造からなる結晶粒子と、それを取り囲む結晶粒界相から構成される。この第2の下地層は、粒径が微細または粒径分布が小さいことが望まれる。また、比較的薄い膜厚で、良い結晶性を持つことが望まれる。そのためには、第1の下地層に主成分として含まれる物質と強固な結合をすることが望ましい。このため、本発明では、結晶粒子としてMg,Alから選ばれる少なくとも一種を主成分とし、それを取り囲む結晶粒界相としてSiを使用することができる。これらの物質は互いにほとんど固溶しないため、比較的容易に結晶粒子と結晶粒界相に分離させることができる。
好ましくは、膜の面内方向における結晶粒子の配列が二次元的に規則性を有する。例えば膜面内方向断面における結晶粒子の配列が六方対称の規則性を有する。
また、結晶粒界相を構成する物質は、結晶粒子を主成分とする物質と実質的にほとんど固溶しない物質であることが望ましく、主成分としてSiを用いることができる。その他Si、Ti、Al、Mgを初めとする酸化物、窒化物、炭化物、硼化物などの一種類以上の化合物を用いることができる。
結晶粒界相を構成する物質は、その含有量が、第2の下地層の全組成に対し、20at%ないし80at%であることが好ましい。20at%より少ないと、粒界による粒子同士の分断が不十分となる傾向がある。80at%より多いと、第2下地層の結晶配向性が低下する傾向がある。また、第2下地層の膜厚としては、0.1nmないし20nmが好ましい。さらに好ましくは1nmないし10nmである。0.1nmより薄いと、膜全体を充分に覆うことが困難となる傾向がある。また、20nmより厚いと、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層との距離が広がり、いわゆるスペーシングロスにより、磁気記録媒体としての記録再生特性が低下する傾向がある。
また、第2の下地層として、上記結晶粒子と上記結晶粒界相を構成する物質2種類以上との組み合わせが同じであって、かつ互いにその組成比の異なる2以上の層を積層した多層体を使用することができる。このとき、第2の下地層は、第1の下地層側に接する層と第3の下地層に接する層の2つ層から形成される。結晶粒界層を形成するSiの含有量は、第1の下地層に接する側の層のSi量より、第3の下地層に接する側の層のSi量の方が少ないことが好ましい。第2の下地層は結晶粒界相を構成する物質の影響で、結晶粒子の配向性が悪化しやすい。第1の下地層上に形成された第1層は、第2の下地層中の初期層に相当し、この層に結晶粒子を構成する物質がより多く含まれていると、第2の下地層全体の配向性を改善することが可能となる。第1の下地層上に形成された第1層は、0.1nmないし2nmであることが好ましい。0.1nmより薄いと、配向性を改善しにくい傾向があり、2nmより厚いと、結晶粒子が大きくなりすぎる傾向がある。
第2の下地層において、第1層のSi含有量は、5at%ないし30at%であることが好ましく、さらに好ましくは、10at%ないし15at%である。
第1層のSi含有量が30at%より多いと、第3の下地層に接する側の層のSi含有量との差があまりないために、配向性を改善しにくい傾向があり、一方、5at%より多い場合、結晶粒子が大きくなりすぎる傾向がある。また、第2層のSi含有量は、30at%ないし80at%であることが好ましい。80at%より多いと、結晶配向性が低下する傾向があり、30at%より少ないと、第1層のSi含有量との差があまりないために、配向性を改善しにくい傾向がある。
第2の下地層の結晶粒径を均一でかつ微細に形成することにより、垂直磁気記録層の結晶粒子を均一でかつ微細にすることができる。
得られた第2の下地層上に、第3の下地層が形成される。
この第3の下地層は、第2の下地層の粒径および配向性を磁気記録層まで伝える機能を持っている。また、前記第3の下地層は、第2の下地層からの不純物の拡散を防ぐ機能ももっている。第3の下地層は、磁気記録層がエピタキシャル成長できるような結晶面を持つことが重要である。
そのような物質として、下地層表面に、面心立方格子や六方最密構造などの最密面が出ていることが望ましい。第3の下地層を構成する物質として、好ましくはPt,Pd,Ru,Rh,Co及びTiを少なくとも一種含む。これらの金属は、薄い膜厚でも結晶性が良いという利点をもっている。このような利点を有する合金として、例えばRuCr,Rh,Re,Hfを含む合金やCoCr,CoCrPtおよびCoCrPtBなどを使用することができる。これらの物質は、その上に磁気記録層がエピタキシャル成長しやすいという利点をもつ。
また第3の下地層は、上記金属物質に、酸化物、窒化物および炭化物を含有させ、グラニュラ構造にすることができる。すなわち、上記金属からなる結晶粒子を、酸化物、窒化物および炭化物から構成される結晶粒界相が取り囲むことで、粒子粒界構造が明確になり、その上に構成される磁気記録層の粒子分断を促進することができる。
垂直磁気記録層は、第3の下地層の上にエピタキシャル的に成長させることで、これらの下地層において得られた均一でかつ微細な結晶粒径の構造を垂直磁気記録層に導入することができる。
本発明に使用される垂直磁気記録層は、CoとPtを主成分として含有し得る。また、垂直磁気記録層は、異なった組成の磁気記録層を2層以上積層させることもできる。また、成膜前後に加熱・冷却過程を入れてもよい。
垂直磁気記録層を構成する物質として、例えばCoPt合金、CoCr合金、CoCrPt合金、CoCrPtB合金、CoCrPtTa合金、CoCrPt−SiO2合金、CoCrPtO合金およびCoCrPt−TiO2合金等を使用することができる。好ましくは、CoCrPt−SiO2合金、CoCrPtO合金、CoCrPt−TiO2合金を使用することができる。これらの合金は、結晶配向性が良好で、磁気異方性が大きく、かつ熱ゆらぎ耐性に優れているという利点を有する。酸素を含んだ磁気記録層は、結晶粒界相が明確になり、より磁気的相互作用を分断することができる。
垂直磁気記録層上には、少なくとも1層の保護膜を設けることができる。保護膜としては、例えばC,ダイアモンドライクカーボン(DLC),SiNx,SiOx,CNx、およびCHxが挙げられる。
軟磁性裏打ち層、第1の下地層、第2の下地層,第3の下地層、垂直磁気記録層、および保護膜はいずれもスパッタリング法などの磁気記録媒体の分野で通常用いられる様々な成膜技術によって形成することが可能である。例えば、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法を用いることが出来る。
また、2種類以上の物質を混合させる場合、コンポジットターゲットを用いた単元のスパッタリング法、および、それぞれの物質のターゲットを用いた、多元同時スパッタリング法を用いることもできる。
垂直磁気記録媒体の表面、例えば磁気記録層表面、あるいは保護層表面の上には、
例えばディップ法、スピンコート法等によりパーフルオロポリエーテル等の潤滑剤を塗布し、潤滑層を形成することができる。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図である。
図2に示す垂直磁気記録媒体20は、軟磁性裏打ち層2と非磁性基板1との間に、例えば面内硬磁性膜及び反強磁性層等のバイアス付与層8が設けられていること以外は、図1と同様の構成を有する。
軟磁性裏打ち層2は磁区を形成しやすく、この磁区からスパイク状のノイズが発生することから、バイアス付与層8の半径方向の一方向に磁界を印加することにより、その上に形成された軟磁性裏打ち層2にバイアス磁界をかけて磁壁の発生を防ぐことができる。バイアス付与層8を積層構造として異方性を細かく分散して大きな磁区を形成しにくくすることもできる。
バイアス付与層8に用いるバイアス付与層材料としては、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtC、CoCrPtCuB、CoCrRuB、CoCrPtWC、CoCrPtWB、CoCrPtTaNd、CoSm、CoPt、CoPtO、CoCrPtO、CoPt−SiO、及びCoCrPtO−SiOが挙げられる。
バイアス付与層は、いずれも例えばスパッタ法などの成膜方法により形成することができる。
本発明に用いられる非磁性基板として、アルミノケイ酸ガラス、化学強化ガラス、AlMg基板などのAl系の合金基板や、より高い耐熱温度を有する非磁性基板例えば結晶化ガラス基板、Si基板、C基板、Ti基板、表面が酸化したSi基板、セラミックス,及びプラスチック等を使用することができる。さらに,それら非磁性基板表面にNiP合金などのメッキが施されている場合でも同様の効果が期待される。
図3は、本発明の磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
図3に示されるように、本発明の垂直磁気記録装置30は、上面の開口した矩形箱状の筐体31と、複数のねじにより筐体31にねじ止めされる筐体の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
筐体31内には、本発明に係る垂直磁気記録媒体32、この垂直磁気記録媒体32を支持及び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ33、磁気記録媒体32に対して磁気信号の記録及び再生を行う磁気ヘッド34、磁気ヘッド34を先端に搭載したサスペンションを有し且つ磁気ヘッド34を垂直磁気記録媒体32に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ35、ヘッドアクチュエータ35を回転自在に支持する回転軸36、回転軸36を介してヘッドアクチュエータ35を回転及び位置決めするボイスコイルモータ37、ヘッドアンプ回路38が収納されている。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
2.5インチ磁気ディスク用のガラス基板からなる非磁性基板を用意した。
この非磁性基板を1×10-5Paの真空度の真空チャンバー内に設置し、基板温度を250℃まで加熱して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングを行った。
まず、非磁性基板をターゲットに対向するように配置し、DC500Wをターゲットに放電し、裏打ち非磁性層として、Cr層を厚さ40nm形成した。
その上に厚さ25nmになるようにバイアス付与層として、CoCrPt強磁性層を成膜した。
得られたCoCrPt強磁性層上に、厚さ150nmのCoZrNb軟磁性裏打ち層を形成した。
その後、室温まで冷却し,CoZrNb軟磁性裏打ち層上に、第1下地層としてTiターゲットを用いて、500Wで放電し、厚さ10nmになるように成膜してTi第1下地層を形成した。
次に、第2下地層として、Al−Siコンポジットターゲットを用いて、DC500Wで放電し、第1下地層上に、膜中においてAl−45at%Siの組成比でかつ厚さ10nmになるように成膜してAlSi層を形成した。
ここで、膜中組成は、透過型分析電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光装置(TEM−EDX)や、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)、質量分析(ICP−MS)などの分析法で調べることが出来る。
次に、第2下地層上に、Ruターゲットを用意し、Ru第3下地層を厚さ15nmで成膜した。
さらに、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiO2のコンポジットターゲットを用意し、Ru第3下地層上に、CoPtCr−SiO2垂直磁気記録層を15nm成膜した。
最後に、C保護膜を7nm成膜した。
このように真空容器内で連続して成膜した基板を大気中に取り出した後、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル系潤滑膜を1.5nmの厚さに形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
図4に、得られた垂直磁気記録媒体の構成を表す概略断面図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体40は、非磁性基板1上に、Cr非磁性膜19、CoCrPt強磁性層18、CoZrNb軟磁性裏打ち層12、Ti第1下地層13、Al−Si第2下地層14、Ru第3下地層15、CoPtCr−SiO2垂直磁気記録層16、C保護膜17、及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
まず、得られた垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層に対して透過型分析電子顕微鏡(TEM)測定を行い、第2の下地層、第3の下地層および垂直磁気記録層の結晶粒子の粒径分布を調べた。それぞれの層での粒径分布の評価は、以下の手順で行った。
まず、倍率50〜200万倍の平面TEM像の中から,粒子数が少なく見積もっても100個以上ある任意の像をコンピュータに画像情報として取り込んだ。この画像情報を画像処理することにより、個々の結晶粒子の輪郭を抽出して輪郭で囲まれた内部の画素数を調べた。得られた画素数を単位面積当りの画素数で除して面積に変換することで,各結晶粒子が占める面積を得た。次に、結晶粒子が円形であると見なした場合の直径を,各結晶粒子の面積から計算してこれを結晶粒径とし、この結晶粒径の平均値および標準偏差を求めた。また、結晶粒子間には、1ないし2nm程度の厚さを持った結晶粒界相を観測することができた。この粒界相厚を考慮して、結晶粒子間の平均粒子間距離を求めた。
その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は、それぞれおよそ4nmの平均粒径を有する結晶粒子から形成されており、その粒径分布は標準偏差で0.5nm以下であった。また、第2下地層と第3下地層の結晶粒子の平均粒子間距離との差は±10%以下であった。
次に、上記と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価した。第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層のそれぞれの変換前の実空間像において,六方対称の規則性があることは明らかであった。変換後のスペクトル像においても,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
次に、第2下地層に対して、X線回折測定を行ったところ、Al(111)ピークを観測した。このAl(111)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は7°であった。また、この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測した。このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は5°であり、垂直磁気記録層が良好な結晶性を有することがわかった。
得られた垂直磁気記録媒体に対し、電磁石を備えた着磁装置を用いて、円板上基板の半径方向外向きに1185A/m(15000Oe)の磁界を印加し、バイアス付与層の強磁性層の面内半径方向への磁化を行った。
着磁された垂直磁気記録媒体について、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。記録再生ヘッドは、記録部に単磁極、再生素子に磁気抵抗効果を利用した、記録トラック幅0.25μm、再生トラック幅0.15μmのヘッドを用いた。また、測定はディスクの回転数は4200rpmで、中心より半径位置22.2mmと一定の位置で行った。
その結果、媒体のSNRm(再生信号出力S : 線記録密度119kFCIにおける出力、Nm : 716kFCIにおけるrms値(root mean square))が27.5dBという良好な媒体を得ることができた。さらに、熱揺らぎ耐性の指標となる、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.005dB/decadeという良好な値であった。
[比較例1]
比較の垂直磁気記録媒体として、第1下地層を形成しない以外は、実施例1の垂直磁気記録媒体と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、第1下地層を形成していないこと以外は、図3に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
第2下地層に対して、X線回折測定を行ったが、Al(111)ピークを観測することができなかった。
また、この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測したが、このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は15°という値を得た。
また、得られた垂直磁気記録媒体の第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層に対してTEM測定を行い、それぞれの結晶粒子の粒径分布を調べた。その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層において、10ないし30nmの粒径分布を持つことがわかった。
実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが12.8dBであった。さらに、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.25dB/decadeという値であった。
よって、第1下地層を形成しない比較例1の従来の媒体よりも、Ti第1下地層を用いた実施例1の本発明の媒体の方が、また、第2下地層、第3下地層、及び垂直磁気記録層の結晶粒子が微細でかつ粒径が均一であり、結晶性が良好であった。また、実施例1の本発明の媒体の方が、その記録再生特性が良好であった。
[比較例2]
比較の垂直磁気記録媒体として、Alターゲットを用い、第2下地層としてAl層を10nmの厚さで形成した以外は、実施例1の垂直磁気記録媒体と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、第2下地層が異なること以外は、図3に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測したが、このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は12°という値を得た。
また、得られた垂直磁気記録媒体の第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層に対してTEM測定を行い、それぞれの結晶粒子の粒径分布を調べた。その結果、垂直磁気記録層および第2下地層、第3下地層において、15ないし30nmの粒径分布を持つことがわかった。
実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが11.8dBであった。さらに、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.15dB/decadeという値であった。
よって、第2下地層として、Alを用いた比較例2の従来の媒体よりも、Al−Siを用いた実施例1の本発明の媒体の方が、第2下地層、第3下地層、及び垂直磁気記録層の結晶粒子が微細でかつ粒径が均一であり、結晶性が良好であった。また、実施例1の本発明の媒体の方が、その記録再生特性が良好であった。
実施例2
第2下地層として、様々な組成比を持つAl−xat%Siターゲット(0at%≦x≦90at%)を用意した。
Al−Siコンポジットターゲットの代わりに、様々な組成比を持つAl−x at%Siコンポジットターゲットを使用し、様々に組成比を変化させた以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第2下地層の組成が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた様々な垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒径測定および記録再生特性評価を行った。
その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層において、4ないし10nmの粒径分布を持つことがわかった。また、粒径分布は標準偏差で0.5nmないし1.5nmであり、良好な結果が得られた。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。 また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
図5に、Al−x at%Si第2下地層に関する、Si組成比とSNRmとの関係、及びSi組成比と結晶粒径との関係を表すグラフ図を各々示す。
曲線101は、Si組成比がx at%(0≦x≦90)のときのSNRmのグラフを、曲線111は、Si組成比がx at%(0≦x≦90)のときの平均粒径のグラフを各々表す。
グラフから分かるように、第2下地層の結晶粒界相を構成するSiの組成比を20at%ないし80at%の範囲で用いた方が、第2下地層の平均粒径が微細となり、その結果、良好なSNRmを示すことがわかった。
また、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.005ないし−0.05dB/decadeという良好な値であった。
実施例3
様々な組成比を持つMg−xat%Siターゲット(0at%≦x≦90at%)を用意した。
Mg−Siコンポジットターゲットの代わりに、様々な組成比を持つMg−x at%Siコンポジットターゲットを使用し、第2下地層の組成比を様々に変化させた以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第2下地層の材料、組成が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた様々な垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒径測定および記録再生特性評価を行った。その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層において、4ないし10nmの粒径分布を持つことがわかった。また、粒径分布は標準偏差で0.5nmないし2.0nmであり、良好な結果が得られた。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Mgを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
次に、第2の下地層に対して、X線回折測定を行ったところ、Mg(00.2)ピークを観測した。このMg(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は8°という値を得た。
また、この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測した。このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は5°という良好な結晶性を得た。
図6に、Mg−x at%Si第2下地層に関する、Si組成比とSNRmとの関係、及びSi組成比と結晶粒径との関係を表すグラフ図を各々示す。
曲線121は、Si組成比がx at%(0≦x≦90)のときのSNRmのグラフを、曲線131は、Si組成比がx at%(0≦x≦90)のときの平均粒径のグラフを各々表す。
グラフから分かるように、第2下地層の結晶粒界相を構成するSiの組成比を20at%ないし80at%の範囲で用いた方が、第2下地層の平均粒径が微細となり、その結果、良好なSNRmを示すことがわかった。さらに、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.006ないし−0.04dB/decadeという良好な値であった。
実施例4
第2の下地層として、Al−Siコンポジットターゲットを用意した。Al−Siコンポジットターゲットを使用し、膜中組成比でAl−45at%Siでかつ、様々に膜厚を変化させた以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第2の下地層の膜厚が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
得られた様々な垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒径分布測定および記録再生特性評価を行った。その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層において、5ないし10nmの粒径分布を持つことがわかった。また、粒径分布は標準偏差で0.5ないし1nmであり、良好な結果が得られた。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。 また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
図7及び図8に、Al−Si第2下地層に関する、膜厚とSNRmとの関係、及び膜厚と結晶平均粒径との関係を表すグラフ図を示す。
図7は、膜厚を0ないし50nmに変化させた場合のグラフ、及び図8は、図7における膜厚0ないし2nmの範囲のグラフをより詳細に表すグラフである。
また、図中、曲線141は膜厚がx nm(0≦x≦30)のときのSNRmのグラフ図、曲線151は、膜厚がx nm(0≦x≦30)のときの第2下地層の結晶平均粒径のグラフ図を各々表す。
グラフから分かるように、第2下地層の膜厚を0.1nmないし20nmの範囲で用いた方が、第2下地層の結晶平均粒径が微細となり、そのSNRmが良好であることがわかった。また、さらに好ましくは、第2下地層の膜厚を1nmないし10nmの範囲で用いたほうが良いことがわかった。さらに、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.005ないし−0.01dB/decadeという良好な値であった。
実施例5
第1の下地層として、Pdターゲットを用意した。Tiターゲットの代わりに、上記Pdターゲットを使用する以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第1下地層が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層に対するTEM観察および画像処理を行い、それぞれの層の結晶粒子の粒径分布を調べた。その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は5nmないし7nmの粒径の結晶粒子から形成されており、その粒径分布は標準偏差で0.9nm以下であった。また、結晶粒子間には、1ないし2nm程度の厚さを持った粒界相を観測することができた。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
次に、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。第2の下地層に対して、X線回折測定を行ったところ、Al(111)ピークを観測した。このAl(111)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は7°という値を得た。
また、この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測した。このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は5°という良好な結晶性を得た。
実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが27.4dBであった。さらに、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.007dB/decadeという良好な値であった。
また、同様にして、第1下地層として、Ag,Ir,Ni,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ta,Zr,Mg,およびAlターゲットを各々用意し、Pdターゲットの代わりに、これら種々のターゲットを各々使用する以外は実施例1と同様にして、種々の垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして、第2下地層のTEMによる粒径観察および記録再生特性評価を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 0004327710
上記表1から、第1下地層を構成する物質として、Ag,Ir,Ni,Pt,Pd,Rh,Hf,Re,Ru,Ta,Zr,Mg,およびAlより選ばれる少なくとも一種を用いると、得られた第2下地層の平均粒径は5ないし9nmであり、そのSNRmは、22.7dBないし27.4dBという良好な値であることわかった。これらの結果は、比較例1及び比較例2の媒体よりも、十分に良好であった。
上記表1より、第1下地層として、Ti,Pd,Pt,Rh,ZrおよびHfから選ばれる少なくとも一種を主成分として用いると、さらによい特性を示すことがわかった。
また、粒径分布は標準偏差で1.1nmであり、良好な結果が得られた。
実施例6
第1の下地層として、Ptターゲットを、第2の下地層として、Mg−30at%Siを用意した。Tiターゲットの代わりに、上記Ptターゲットを、Al−Siターゲットの代わりに、上記Mg−30at%Siを使用した以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第1下地層および第2下地層が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層に対するTEM観察および画像処理を行い、それぞれの層の結晶粒子の粒径分布を調べた。その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は5nmないし8nmの粒径の結晶粒子から形成されており、その粒径分布は標準偏差で1.2nm以下であった。 また、結晶粒子間には、2nm程度の厚さを持った粒界相を観測することができた。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
次に、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Mgを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
また、第2の下地層に対して、X線回折測定を行ったところ、Mg(00.2)ピークを観測した。このMg(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は7°という値を得た。
また、この垂直磁気記録層に対して、X線回折測定を行ったところ、CoCrPt−SiO2(00.2)ピークを観測した。このCoCrPt−SiO2(00.2)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、ピークの半値幅は5°という良好な結晶性を得た。
実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが25.6dBであった。さらに、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.01dB/decadeという良好な値であった。
また、同様にして、第1下地層として、Ag,Ir,Ni,Pd,Rh,Hf,Re,Ru,Ta,Zr,Mg,およびAlターゲットを各々用意し、Ptターゲットの代わりに、これら種々のターゲットを各々使用する以外は実施例1と同様にして、種々の垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして、第2下地層のTEMによる粒径観察および記録再生特性評価を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 0004327710
上記表2から、第1下地層を構成する物質として、Ag,Ir,Ni,Pt,Pd,Rh,Hf,Re,Ru,Ta,Zr,Mg,およびAlより選ばれる少なくとも一種を用いると、得られた第2下地層の平均粒径は5ないし9nmであり、そのSNRmは、21.2dBないし6.0dBという良好な値であることわかった。これらの結果は、比較例1及び比較例2の媒体よりも、十分に良好であった。
実施例7
Al−Siコンポジットターゲットを用意し、Ti第1下地層上に、DC500Wで放電し、膜中組成比においてAl−10at%Siとなり、かつ膜厚が1nmになるように、第1のAlSi膜を形成すること、及びその後、第1のAlSi層上に、実施例1の第2下地層と同様にして、DC500Wで放電し、第1のAlSi膜上に、膜中においてAl−45at%Siの組成比でかつ厚さ10nmになるように第2のAlSi膜を形成し、第2の下地層として、第1のAlSi膜及び第2のAlSi膜の積層を設けたこと以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
図9に、得られた垂直磁気記録媒体の構成を表す概略断面図を示す。図示するように、この垂直磁気記録媒体は、Ti第1下地層13とRu第3下地層15との間に、第1のAl−10at%Si膜21及び第2のAl−45at%Si膜13からなる第2の下地層22が形成されていること以外は、図4と同様の構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして粒径分布測定を行った。
その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は、それぞれおよそ5nmの粒径の結晶粒子から形成されており、その粒径分布は標準偏差で0.6nm以下であった。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。 次に、記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが27.6dBと良好な特性を示すことがわかった。さらに、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.007dB/decadeという良好な値であった。
また、Al−10at%Siの膜厚を0.1nmないし2nmまで変化させても、同等の特性が得られることがわかった。
実施例8
様々な組成比を持つAl−x at%Siコンポジットターゲット(1at%≦x≦50at%)を用意した。
第1の下地層上に、第1のAlSi膜として、Al−x at%Siコンポジットターゲットを使用し、膜厚1nmで様々に組成比を変化させ、第2のAlSi膜として、実施例1の第2下地層と同様のAl−45at%Si層を形成したこと以外は実施例7と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第1のAlSi膜の膜中組成比が異なること以外は、図9に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒径分布測定および記録再生特性評価を行った。
その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は、それぞれおよそ5nmの粒径の結晶粒子から形成されていることが分かった。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。 次に、得られた垂直磁気記録媒体について、第2の下地層に対して、X線回折測定を行い、Al(111)ピークを観測した。このAl(111)ピークに対してロッキングカーブ測定を行ったところ、Siの組成比を5at%ないし30at%(Al:70at%ないし95at%)の範囲において、ピークの半値幅が4°ないし5°と結晶性改善の効果が見られた。
下記表3に、第1のAl−Si膜に関する、膜中組成比、結晶配向性を表すAl(111)におけるロッキングカーブの半値幅、及びSNRmを示す。
Figure 0004327710
上記表3から、第1のAl−Si膜の結晶粒界相を構成するSi組成比を5at%ないし30at%(Al組成比70at%ないし95at%)の範囲で、さらに望ましくはSi組成比を10at%ないし15at%(Al組成比85at%ないし90at%)の範囲で、用いた方が、SNRmおよび結晶配向性が良好であることがわかった。
低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.006dBないし−0.012dB/decadeという良好な値であった。
実施例9
様々な組成比を持つAl−x(y)at%Siコンポジットターゲット(1at%≦x(y)≦80at%)を用意した。
第1のAlSi膜として、Al−x at%Siコンポジットターゲット(1at%≦x≦80at%)を使用し、膜厚1nmで様々に組成比を変化させ、さらに、第2のAlSi膜として、Al−y at%Siコンポジットターゲット(1at%≦y≦80at%)を使用し、膜厚10nmで様々に組成比を変化させた以外は実施例7と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第1のAlSi膜及び第2のAlSi膜の膜中組成比が異なること以外は、図9に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた様々な垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒径分布測定および記録再生特性評価を行った。
その結果、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層は、5nmないし7nmの粒径の結晶粒子から形成されていることが分かった。さらに、実施例1と同様にしてコンピュータに取り込んだ平面TEM像を画像処理することにより,2次元高速フーリエ変換を行って、第2下地層、第3下地層および垂直磁気記録層の粒子配列の周期性を評価したところ,4つの明瞭なピークが観察された。このことから、粒子配列には2次元的な規則性があり、そのピークの配置から粒子配列は六方対称であるという裏付けが得られた。
また、TEM−EDXを用いて、第2下地層の局所的な元素濃度分布を調べた。これにより、Alを主成分とした結晶粒子と、各結晶粒子の周りにSiを主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。 下記表4に、Al−xat%Siで表される第1のAlSi膜及びAl−y at%Siで表される第2のAlSi膜に関する、膜中組成比、及びSNRmを示す。
上記表4から分かるように、第1のAlSi膜のSi含有量が、第2のAlSi膜のSi含有量より少ない方が特性が良いことが分かった。
また、第2のAlSi膜の結晶粒子を構成するSiの組成比を30at%ないし80at%(Al組成比20ないし70at%)の範囲で用いると、SNRmがより良好であることがわかった。
Figure 0004327710
実施例10
第3下地層として、Rhターゲットを用意し、膜厚が15nmになるように、Rh第3下地層を形成した以外には、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、第3下地層が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。 得られた垂直磁気記録媒体に対して、垂直磁気記録層のTEMによる粒径観察および記録再生特性評価を行った。
その結果を表5に示す。
また、同様にして、第3下地層として、Pt,Pd,Ti,及びCo−40at%Crターゲットを用意し、Rhターゲットの代わりに、これら様々な物質からなるターゲットを使用する以外は実施例1と同様にして、種々の垂直磁気記録媒体を作製した。 その結果、得られた垂直磁気記録媒体に対して、垂直磁気記録層のTEMによる粒径観察および記録再生特性評価を行った。
垂直磁気記録層の平均粒径は5ないし6nmと微細であり、また、粒径分布の標準偏差は、0.6nmであった。また、そのSNRmは27.0ないし27.4dBと良好であった。
その平均粒径とSNRmを表5に示す。
Figure 0004327710
上記表5より、第3下地層を構成する物質として、Pt,Pd,Ti,RhおよびCoより選ばれる少なくとも一種を用いると、第3の下地層および垂直磁気記録層の結晶粒径が微細となり、そのSNRmが良好であることがわかった。
また、低域出力50kFCIにおける減衰値は、−0.005dBないし−0.12dB/decadeという良好な値であった。
実施例11
垂直磁気記録媒体として、軟磁性裏打ち層成膜後に、室温まで冷却することなしに、第1の下地層、第2の下地層、第3の下地層、垂直磁気記録層および保護層を形成し、その際、垂直磁気記録層として、CoPtCr−SiO2垂直磁気記録層の代わりに、Co−18at%Cr−16at%Pt−1at%Bターゲットを用意し、CoCrPtB垂直磁気記録層を厚さ15nmで形成した以外は、実施例1と同様にして本発明の垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層が異なること以外は、図4に示す垂直磁気記録媒体と同様の構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして記録再生特性評価を行ったところ、SNRmが26.7dBと良好な特性を示すことがわかった。
本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図 本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図 本発明の磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図 本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図 AlSi第2下地層中のSi組成比に対する、SNRm及び結晶粒径の関係を表すグラフ図 MgSi第2下地層中のSi組成比に対する、SNRm及び結晶粒径の関係を表すグラフ図 AlSi第2下地層の膜厚に対する、SNRm及び結晶平均粒径の関係を表すグラフ図 AlSi第2下地層の膜厚に対する、SNRm及び結晶平均粒径の関係を表すグラフ図 本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図
符号の説明
1,11…非磁性基板、2,12…軟磁性裏打ち層、3,13…第1の下地層、4,14,22…第2の下地層、5,15…第3の下地層、6,16…垂直磁気記録層、7,17…保護膜、10,20,40,50,32…垂直磁気記録媒体、8,18…バイアス付与層、19…非磁性裏打ち層、30…磁気記録再生装置、31…筐体、33…スピンドルモータ、34…磁気ヘッド、35…ヘッドアクチュエータ、36…回転軸、37…ボイスコイルモータ、38…ヘッドアンプ回路

Claims (21)

  1. 非磁性基板と、
    該非磁性基板上に形成され、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta,Zr,Mg,およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第1の下地層と
    該第1の下地層上に接触して形成され、MgまたはAlを主成分として含有する結晶粒子と、Siを主成分として含有し、該結晶粒子を取り囲む結晶粒界相とを含む第2の下地層と、
    該第2の下地層上に形成され、Pt,Pd,Ru,Rh,Co,及びTiからなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含有する第3の下地層と、
    該第3の下地層上に形成された垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記第2の下地層は、Alを主成分として含有する結晶粒子と、Siを主成分として含有し、該結晶粒子を取り囲む結晶粒界相を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記第2の下地層は、そのSiの含有量が20at%ないし80at%であることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記第2の下地層は、該第2の下地層の面内方向における結晶粒子の配列が規則性を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記第2の下地層は、0.1nmないし20nmの膜厚を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記第2の下地層は、1nmないし10nmの膜厚を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記第1の下地層は、Ag,Ir,Ni,Pd,Pt,Rh,Hf,Re,Ru,Ti,Ta及びZrから選ばれる少なくとも1種を主成分として含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記第1の下地層は、Ti、Pd、Pt、Zr、Rh、及びHfから選ばれる少なくとも1種を主成分として含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記第2の下地層は、同じ元素の組み合わせを含み、かつその組成比が異なる2層から構成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 前記第2の下地層は、Siを含有し、前記第1の下地層に接する側の層のSi含有量が、前記第3の下地層に接する側の層のSi含有量より、少ないことを特徴とする請求項9に記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 前記第2の下地層において、前記第1の下地層に接する側の層は、そのSi含有量が5at%ないし30at%であることを特徴とする請求項9または10に記載の垂直磁気記録媒体。
  12. 前記第2の下地層において、前記第1の下地層に接する側の層は、そのSi含有量が10at%ないし15at%であることを特徴とする請求項11に記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 前記第2の下地層において、前記第1の下地層に接する側の層は、0.1nmないし2nmの膜厚を持つことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  14. 前記第2の下地層において、前記第3の下地層に接する側の層は、そのSi含有量が30at%ないし80at%であることを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  15. 前記第3の下地層は、その結晶粒子の平均粒子間距離と、前記第2の下地層の結晶粒子の平均粒子間距離との差が10%以内であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体
  16. 前記磁気記録層は、CoPt合金を主成分として含有する磁性結晶粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  17. 前記磁気記録層は、該磁気記録層の面内方向におけるその磁性結晶粒子の配列が規則性を有することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  18. 前記非磁性基板と前記第1の下地層との間に、軟磁性裏打ち層をさらに有する請求項1ないし17のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  19. 前記磁気記録層上に、保護層をさらに有する請求項1ないし18のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  20. 請求項1ないし19のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、記録再生ヘッドを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
  21. 前記記録再生ヘッドは、単磁極であることを特徴とする請求項20に記載の磁気記録再生装置。
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