JP4761224B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は各種磁気記録装置に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。より詳細には、コンピューター、AV機器等の外部記憶装置として用いられるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。
1997年以降、HDDの記録密度は年率60〜100%の割合で急速に増加してきた。このような著しい成長の結果、これまで用いられてきた面内記録方式が高密度化の限界に近づこうとしている。このような状況から、近年、高密度化が可能な垂直記録方式が注目を浴び、盛んにその研究開発がなされてきた。そしていよいよ2005年より、一部の機種で垂直記録方式を採用したHDDの製品化が始まっている。
垂直磁気記録媒体は、主に、硬質磁性材料の磁気記録層と、磁気記録層を目的の方向に配向させるための下地層、磁気記録層の表面を保護する保護膜、および磁気記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料の裏打ち層から構成される。
媒体の基本的な特性を向上させるには、信号出力−ノイズ比(S/N)を向上させることが必要である。つまり、媒体からの信号出力を向上させ、ノイズを低減することが必要となる。信号出力低下およびノイズ増加の原因の1つに、磁気記録層の配向分散(結晶配向のバラツキ)の増大がある。垂直磁気記録媒体では磁気記録層の磁化容易軸を媒体面と垂直に配向させる必要があるが、その磁化容易軸の配向分散が大きくなると、垂直方向の磁束の低下から信号出力が低下する。また、本発明者らの検討では、配向分散の大きな媒体では、結晶粒の磁気的な分離性が低下して磁気クラスタサイズが増加し、ノイズが増加するという結果が得られている(非特許文献1参照)。
また、磁気特性の向上および軟磁性裏打ち層に起因するノイズの低減による電磁変換特性の向上を目的として、磁気記録層と軟磁性裏打ち層との間に配設する下地層あるいは中間層として、従来は、Fe、Cr、Co合金とRuとの2層の下地層を使用すること(特許文献1参照)、軟磁性裏打ち層をCoFe合金としてRuの下地層を使用すること(特許文献2参照)が提案されている。
また、軟磁性パーマロイ系材料を下地層とし、RuまたはRu基合金を比較的に厚い膜厚を有する非磁性中間層として用いることで、磁気記録層における配向分散の減少、初期成長層の低減、結晶粒径の低減などを行うことが提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。さらに、軟磁性パーマロイ系材料の下地層ならびにRuまたはRu基合金材料の中間層を用いる場合に、下地層と中間層の間に軟磁性Co層または軟磁性Co基合金層を挿入することで、中間層の膜厚を低減させると同時に、磁気記録層の保磁力および角型比を増大させ、従来用いられている記録密度における記録信号のS/Nを向上させることが提案されている(特許文献5参照)。
しかしながら、さらなる高記録密度化に向けて、高密度記録時においても高い信号出力と低いノイズとを実現し、高いS/Nを達成することができる垂直磁気記録媒体に対する要求が依然として存在する。
特開2002−100030号公報 特開2002−298323号公報 特開2002−358617号公報 特開2003−123239号公報 特開2004−288348号公報 竹野入俊司、酒井泰志、榎本一雄、渡辺貞幸、上住洋之,「CoPtCr-SiO2垂直媒体の開発と課題」、応用磁気学会第135回研究会予稿集(2004)
垂直磁気記録媒体の信号出力の増大およびノイズの低減によって高いS/Nを実現するためには、磁気記録層の配向分散を可能な限り小さくする必要がある。
上記の点に加え、磁気記録媒体の低ノイズ化のためには、磁気記録層の結晶粒径を縮小することが必要である。磁気記録層の結晶粒径が大きくなると、ビットの遷移領域がギザギザになり、遷移ノイズが増加する。そのため、遷移ノイズを低下させるためには、結晶粒径を低減し、ビットの遷移領域を直線的にすることが必要となる。
さらに、垂直磁気記録媒体の記録密度向上の観点からも、ビットの遷移領域におけるノイズを低減する必要がある。そのためには、急峻な記録磁界を確保して、遷移をできる限り直線的にすることが有効である。ここで、急峻な記録磁界を得るためには軟磁性裏打ち層と磁気ヘッド間の距離を、できる限り小さくする必要がある。また、記録密度が向上するにつれて磁気ヘッドの記録磁界が低下するため、十分な記録磁界を確保するためにも軟磁性裏打ち層と磁気ヘッド間の距離を低減する必要がある。一般に、磁気記録層と軟磁性裏打ち層との間には、非磁性の下地層あるいは中間層が設けられるが、現時点においてこの非磁性下地層・中間層の膜厚は20〜30nm程度と厚く、軟磁性裏打ち層−磁気ヘッド間距離を増加させる要因となっている。実際、前述のように現在提案されている構成においては、非磁性下地層・中間層の膜厚が大きく(たとえば、特許文献1および特許文献2に記載の構成において35nm以上)、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層との間の距離を短縮して、高密度記録時に高いS/Nを得るという点では不十分であった。
さらに、下地層または中間層は、その上に形成される磁気記録層の結晶性、配向性および結晶粒径などを制御する機能を有し、磁気記録層の特性に影響を及ぼすことが知られている。特に、下地層または中間層の上にエピタキシャル成長によって磁気記録層を形成する場合、磁気記録層材料の結晶粒径が下地層または中間層の材料の結晶粒径に従うことがよく知られている。したがって、磁気記録層材料の結晶粒径を低減させるためには、下地層または中間層の結晶粒径を低減させることが有効である。しかしながら、下地層または中間層の膜厚を減少させた場合、磁気記録層材料の結晶配向性の低下、磁性結晶粒間の磁気的分離の阻害が起こり、磁気記録層の磁気特性が低下することが知られている。以上の点を考慮すると、下地層または中間層は、単に膜厚を減少させるのではなく、磁気記録層の磁気特性を維持ないし向上させると同時に、膜厚の減少を行う必要がある。
したがって、本発明の課題は、磁気記録層の配向分散低減および結晶粒径微細化と同時に、下地層または中間層の膜厚の低減を可能とし、それによって低ノイズ化、S/N向上、記録容易性(Write-ability)向上といった性能向上を可能とする垂直磁気記録媒体を提供することである。
このような状況を鑑み、本発明者らは鋭意検討を進めた結果、第1下地層、第1非磁性中間層、第2下地層、および第2非磁性中間層を順次積層して非磁性中間層を2層に分割するとともに、第1および第2下地層材料としてfcc構造を有する軟磁性材料を用いることによって、第2非磁性中間層の膜厚を0.1nm以上20nm以下に低減して急峻な記録磁界を確保し、垂直磁気記録媒体の低ノイズ化、S/N向上、記録容易性向上といった媒体性能の向上を同時に実現できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基体上に軟磁性裏打ち層、第1下地層、第1非磁性中間層、第2下地層、第2非磁性中間層、磁気記録層、保護膜、液体潤滑材層を順次積層してなる垂直記録媒体であって、第1下地層が少なくともNiおよびFeを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成され、第2下地層が少なくともCoを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成されていることを特徴とする。本発明における第1下地層は、30at%以上88at%以下のNi、および0.1at%以上22at%以下のFeを含有することが望ましい。さらに、第1下地層は、Co、Si、B、Nb、N、Ta、Al、Pd、Cr、Moから選択される1種または複数種の材料をさらに含んでもよい。本発明における第1非磁性中間層が、V、Cr、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、ReおよびIrからなる群から選択される金属、または前記金属を主成分とする合金から構成されていてもよい。ここで、第1非磁性中間層の膜厚が0.1nm以上2nm以下であることが望ましい。また、本発明における第1非磁性中間層は、少なくともCoを含む非磁性の合金から構成されていても良い。この場合、第1非磁性中間層の膜厚が3nm以上15nm以下であることが望ましい。本発明における第2下地層は、Fe、B、Al、Zr、Mg、およびSiからなる群から選択される1種または複数種の材料をさらに含んでもよい。ここで、第2下地層は、第2下地層を構成する全原子数を基準として、10at%以下のFe、50at%以下のB、40at%以下のAl、15at%以下のZr、52at%以下のMg、または33at%以下のSiを含むことが望ましい。また、第2下地層は、OおよびNから成る群から選択される1種の材料を含んでもよい。本発明における第2非磁性中間層はRuまたはRu基合金から構成することができる。また、第2非磁性中間層の膜厚が0.1nm以上20nm以下であることが好ましい。本発明における磁気記録層が、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料からなってもよい。
前述のような構成を採ることによって、第2非磁性中間層の膜厚を0.1nm以上20nm以下に低減して、磁気記録層の配向分散と結晶粒径を低減し、磁気記録層における磁性結晶粒の磁気的な分離を促進することが可能となる。その結果、媒体ノイズの低減およびS/Nの向上と、軟磁性膜−磁気ヘッド間距離の低減による記録容易性の向上が同時に達成される。また、非磁性中間層の薄膜化により、コストダウンも同時になされる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい形態について説明する。図1は本発明に係る垂直記録媒体を説明するための断面模式図である。図1に示すように、本発明に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1、軟磁性裏打ち層2、第1下地層3、第1非磁性中間層4、第2下地層5、第2非磁性中間層6、磁気記録層7、保護膜8、液体潤滑層9を有する。
非磁性基体1としては、当該技術において知られている、表面が平滑である様々な基体を用いることができる。例えば、磁気記録媒体用に用いられる、NiPメッキを施したAl合金または強化ガラス、結晶化ガラス等を、非磁性基体1として用いることができる。
軟磁性裏打ち層2としては、FeTaC、センダスト(FeSiAl)合金などの結晶性材料、またはCoZrNb、CoTaZrなどのCo合金を含む非晶質材料を用いることができる。軟磁性裏打ち層2の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、おおむね10nm以上500nm以下程度であることが、生産性との兼ね合いから望ましい。
第1下地層3は、少なくともNiおよびFeを含む面心立方(fcc)構造を有する軟磁性材料を用いて形成することができる。NiおよびFeに加え、Co、Si、B、Nb、N、Ta、Al、Pd、Cr、Moから選択される1種または複数種の材料をさらに含む軟磁性材料を使用することで、第1下地層3の軟磁気特性を向上させ、かつ結晶粒径を微細化することができる。第1下地層3は軟磁性裏打ち層と同様に、磁気ヘッドが発生する磁界を磁気記録層7へと誘導する機能を有するため、厚膜としても機能上は特に問題がない。しかしながら、膜厚の増大に伴って結晶粒径が増大するため、遷移ノイズなどの磁気記録媒体性能を考慮すると、膜厚を1nm以上20nm以下にすることが望ましい。好ましくは3nm以上10nm以下とすることがさらに望ましい。本発明における第1下地層は、30at%以上88at%以下のNi、および0.1at%以上22at%以下のFeを含有することが望ましい。
第1非磁性中間層4は、V、Cr、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、ReおよびIrからなる群から選択される金属、またはこれら金属を主成分とする合金を用いて形成することができる。第1非磁性中間層4を設けることで、磁気記録層7の結晶性および配向性が向上するだけではなく、非磁性材料を使用しているにもかかわらず、その膜厚を小さくすることによって媒体の記録容易性がほとんど阻害されないという特徴を有する。このような特徴を最大限に発揮するために、第1非磁性中間層4の膜厚を0.1nm以上2nm以下とすることが好ましい。
また、第1非磁性中間層4は、少なくともCoを含む非磁性の合金を用いて形成することもできる。たとえば、CoCr、CoCrMn、CoNiFeMn、CoCrFeB−Nなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。Coを含む非磁性合金からなる第1非磁性中間層4を設けることで、磁気記録層7の結晶性および配向性が向上することは上記と同様であるが、この場合、3nm以上の膜厚とすることで、その効果をより高めることが出来る。第1非磁性中間層の膜厚が厚くなると、媒体の記録容易性が阻害されることが懸念されるが、高密度記録時に第2下地層が軟磁性裏打ち層の役割を果たすことで、記録密度が高い場合には媒体の記録容易性がほとんど阻害されないという特徴を有する。しかしながら、高密度記録媒体においても、サーボ信号のような低密度の記録をする際の記録容易性も考慮する必要があることから、Coを含む非磁性の合金を用いて第1非磁性中間層4を形成する場合には、その膜厚を3nm以上15nm以下とすることが好ましい。
第2下地層5は、Coを含むfcc構造を有する軟磁性材料を用いて形成することができる。六方最密充填(hcp)構造を有する場合には一軸異方性が発現し、軟磁気特性が得られないからである。また、体心立方(bcc)構造を有する場合には、上に形成される第2非磁性中間層のエピタキシャル成長が困難となる。Coに加えて、Fe、B、Al、Zr、Mg、およびSiからなる群から選択される1種または複数種の材料をさらに含む軟磁性材料を用いることによって、第2下地層5の軟磁気特性を向上させ、同時に結晶粒径を微細化することができる。fcc構造を維持して軟磁性を発現させるために、これらの材料のそれぞれについて好ましい添加量が存在し、第2下地層5を構成する全原子数を基準として、Fe:10at%以下、B:50at%以下、Al:40at%以下、Zr:15at%以下、Mg:52at%以下、およびSi:33at%以下とすることが好ましい。また、第2下地層5は、OおよびNから成る群から選択される1種の材料を含んでもよい。第2下地層5がOまたはNを含むことによって、第2下地層5の結晶粒径を微細化することができる。第2下地層5にOまたはNを添加するためには、成膜時に酸素または窒素を添加することが効果的である。酸素を添加する場合には、成膜ガス中に含まれる酸素量を5%以下、より好ましくは1%程度とすることが望ましい。窒素を添加する場合には、成膜ガス中に含まれる窒素量を10%以下、より好ましくは5%程度とすることが望ましい。第2下地層5の膜厚は、磁気記録層の磁気特性および電磁変換特性が最適になるように調整することが望ましい。加えて、膜厚が増加するにつれ結晶粒径が大きくなる点および生産性を考慮して、第2下地層5の膜厚を2nm以上15nm以下とすることが望ましい。
第2非磁性中間層6は、Ru、もしくはRuを主成分とする合金を用いて形成することができるが、これらに限定されるものではない。第2非磁性中間層6は、0.1nm以上20nm以下、より好ましくは1nm以上10nm以下の範囲内の膜厚を有する。このような範囲内の膜厚とすることによって、磁気記録層7の磁気特性や電磁変換特性を劣化させることなしに、高密度記録に必要な特性を磁気記録層7に付与することが可能となる。
磁気記録層7は、好適には、少なくともCoとPtを含む合金の強磁性材料を用いて形成することができる。本発明の磁気記録媒体を垂直磁気記録媒体として用いるためには、磁気記録層7の材料の磁化容易軸(六方最密充填(hcp)構造のc軸)が非磁性基体1表面に垂直方向に配向していることが必要である。たとえば、CoPt、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaなどの合金材料の単層膜、あるいは[Co/Pt]n、[Co/Pd]nなどの多層積層膜を、磁気記録層7として使用することができる。
あるいはまた、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料を用いて、単層または多層からなる磁気記録層7を形成することがさらに好ましい。用いることができるグラニュラー構造を有する材料は、CoPt−SiO2、CoCrPtO、CoCrPt−SiO2、CoCrPt−Al23、CoPt−AlN、CoCrPt−Si34などを含むが、これらに限定されるものではない。本発明においては、グラニュラー構造を有する材料を用いることによって、磁気記録層7内で近接する磁性結晶粒間の磁気的分離を促進し、ノイズの低減、SNRの向上および記録分解能の向上といった媒体特性の改善を図ることができる。
磁気記録層7の膜厚は、特に限定されるものではない。しかしながら、生産性と高密度記録の観点から、磁気記録層7は、好ましくは30nm以下、より好ましくは15nm以下の膜厚を有することができる。
保護膜8は、下にある磁気記録層7以下の各構成層を保護するための層であり、たとえば、カーボンを主成分とする薄膜を用いることができる。その他にも、当該技術において磁気記録媒体保護膜用の材料として知られている種々の薄膜材料を使用して、保護膜8を形成してもよい。
液体潤滑材層9は、記録/読み出し用ヘッドが磁気記録媒体上を浮上または接触する際の潤滑を付与するための層であり、たとえば、パーフルオロポリエーテル系の液体潤滑剤、または当該技術において知られている種々の液体潤滑剤材料を使用して形成することができる。
非磁性基体1の上に積層される各層は、磁気記録媒体の分野で通常用いられる様々な成膜技術によって形成することが可能である。軟磁性裏打ち層2から保護膜8に至る各層の形成には、たとえば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法などを用いることが出来る。また、カーボンを主成分とする保護膜8の形成においては、前記の方法に加えてプラズマCVD法を用いることもできる。一方、液体潤滑材層9の形成には、たとえば、ディップ法、スピンコート法などを用いることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体においては、第1下地層3としてfcc構造を有する材料を使用することによって、その上に形成される非磁性中間層などにおける結晶の配向性を向上させると同時に、結晶粒径を微細化することが可能となる。この効果によって、非磁性中間層の膜厚を小さくした場合であっても、磁気記録層7の磁気特性および電磁変換特性を維持することが可能となる。
加えて、非磁性中間層を第1非磁性中間層4および第2非磁性中間層6に分割し、その間に第2下地層5を介在させる構造を採ることによって、本発明の磁気記録媒体においては以下の3つの効果を得ることが可能となる。
第1に、成膜を連続的に行わずに、断続的に行うことで結晶成長を抑制することができる。本発明においては、第1非磁性中間層4/第2下地層5/第2非磁性中間層6の3つの層を形成することによって、これら各層における結晶成長を抑制して結晶粒径を微細化することが可能となる。この効果は、前述の第1下地層3による結晶粒径を微細化する効果と相乗的に作用して、磁気記録層7の結晶粒径を微細化して、高密度記録を可能にする。
第2に、第2下地層5をfcc構造を有する軟磁性材料とすることによって、第2非磁性中間層6のエピタキシャル成長を行うことが可能となる。これに対して、bcc構造を有する材料を第2下地層5として使用した場合には、前述のエピタキシャル成長は困難である。エピタキシャル成長を行うことによって、第2下地層5の挿入は、結晶成長の観点からは、非磁性中間層の膜厚を増大させるのと同一の効果を示し、これによって磁気記録層の配向分散を低減することが可能となる。配向分散の低減によって磁気記録層の磁化容易軸が1方向(非磁性基体1表面と垂直方向)に整列するので、得られる信号出力を増大させることが可能である。また、配向分散を低減させることは、磁気記録層の磁性結晶粒が1つの方向に向かって成長することに相当し、それによって隣接する磁性結晶粒が接合する頻度を低下させ、磁性結晶粒の磁気的分離を促進する。磁気記録層7中の磁性結晶粒間の磁気的分離を促進することによって、媒体ノイズを低減することが可能となる。
第3に、fcc構造の材料を用いて第2下地層5を形成することによって、第2下地層5に軟磁気特性を付与することが容易になる。これに反して、たとえばhcp構造を有する材料を用いた場合には、一軸磁気異方性が発現し、軟磁気特性を得ることが困難となる。第1非磁性中間層4と第2非磁性中間層との間に軟磁気特性を有する第2下地層5を挿入することによって、軟磁性膜−磁気ヘッド間の距離(本発明においては軟磁性裏打ち層3−磁気ヘッド間の距離ではなく、第2下地層5−磁気ヘッド間の距離)を短縮して、磁気記録媒体の記録容易性を向上させるとともに、ビット遷移領域における急峻な記録磁界を実現して同領域における遷移ノイズを低減することが可能となる。そして、本発明の構成によれば、磁気記録媒体の他の構成層の薄膜化による問題点(たとえば、保護層薄膜化による信頼性低下、磁気記録層薄膜化による熱安定性の低下、非磁性中間層薄膜化による媒体特性の低下など)の発生を伴うことなしに、上述の効果を得ることが可能となる。
以上の効果によって、本発明の垂直磁気記録媒体は、高密度記録時においても高い信号出力と低いノイズとを実現し、高いS/Nおよび高い記録容易性を達成することが可能となる。
[実施例1]
非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(HOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後DCマグネトロンスパッタ装置内に導入し、圧力0.67PaのArガス中にてCo3Zr5Nb(全原子を基準として、3at%のZr、5at%のNbおよび残余のCoで構成される。以下同様。)ターゲットを用いて、膜厚60nmのCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層2を成膜した。次に、圧力0.67PaのArガス中にてCo35Ni4Fe2Siターゲットを用いて、膜厚6nmのCoNiFeSi第1下地層3を成膜した。得られたCoNiFeSi膜はfcc構造を有した。引き続いて、圧力0.67PaのArガス中にてRuターゲットを用いて、膜厚0.7nmのRu第1非磁性中間層4を成膜した。次に、圧力0.67PaのAr−4%N2ガス中にてCo4Feターゲットを用いて、膜厚6nmのCoFe−N第2下地層5を成膜した。得られたCoFe−N膜はfcc構造を有した。引き続いて、圧力4.0PaのArガス中にてRuターゲットを用いて、膜厚8nmのRu第2非磁性中間層6を成膜した。引き続いて、2層構成の磁気記録層7を成膜した。最初に、圧力5.3Paにて90(Co12Cr16Pt)−10SiO2ターゲットを用いて、膜厚8nmのCoCrPt−SiO2第1磁気記録層を成膜し、次いで、圧力1.2Paにて96(Co20Cr12Pt)−4SiO2ターゲットを用いて膜厚8nmのCoCrPt−SiO2第2磁気記録層を成膜し、総膜厚16nmの磁気記録層7を得た。次に、圧力0.13Paにおいて、エチレンを材料ガスとするプラズマCVD法により、膜厚4nmのカーボンからなる保護膜8を成膜後、真空装置から取り出した。最後に、ディップ法を用いて膜厚2nmのパーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層9を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
[実施例2]
Ni12Fe4Siターゲットを用いて膜厚6nmのNiFeSi第1下地層3を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。ここで、得られたNiFeSi膜はfcc構造を有した。
[実施例3]
Ruターゲットを用いて膜厚1.6nmのRu第1非磁性中間層4を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[実施例4]
Cuターゲットを用いて膜厚0.6nmのCu第1非磁性中間層4を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[実施例5]
圧力0.89PaのAr−1%O2ガス中にてCo6Bターゲットを用い、膜厚6nmのCoB−O第2下地層5を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。得られたCoB−O膜はfcc構造を有した。
[実施例6]
圧力1.3PaのArガス中にてCo25Cr30Mnターゲットを用いて、膜厚5nmのCoCrMn第1非磁性中間層4を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[実施例7]
圧力0.67PaのArガス中にてCo17Ni2Fe50Mnターゲットを用いて、膜厚10nmのCoNiFeMn第1非磁性中間層4を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[実施例8]
圧力2.6PaのAr−1.8%N2ガス中にてCo32Cr4Fe2Bターゲットを用いて、膜厚10nmのCoCrFeB−N第1非磁性中間層4を成膜したことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[比較例1]
第1下地層3を成膜しなかったことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[比較例2]
第1非磁性中間層4を成膜しなかったことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[比較例3]
第1非磁性中間層4および第2下地層5を成膜せず、Ru第2非磁性中間層6の膜厚を15nmとしたことを除いて実施例1と同一の方法を繰り返して、垂直磁気記録媒体を作製した。
[評価]
上記の実施例および比較例で得られた垂直磁気記録媒体について、Kerr効果測定装置を用いて保磁力Hcを測定した。さらに、リード・ライトテスタを用いて、媒体ノイズ、S/N、オーバーライト特性(OW)を測定した。なお、媒体ノイズおよびS/Nの評価は、記録密度510kfciにて行った。媒体ノイズは、信号出力に対して規格化した値を示す。OWは、最初に、トラックに記録密度510kfciの第1信号を記録し、その信号の信号出力(T1)を測定し、次いで、同一トラックに記録密度68kfciの第2信号を上書きし、上書き後の第1信号の消し残り信号出力(T2)を測定し、以下の式(「log」は常用対数を示す)によって得られる値として評価した。
OW=20×log(T2/T1) [単位:dB]
このように高密度記録信号上に低密度記録信号を上書きするOWはリバースオーバーライトと呼ばれ、垂直磁気記録媒体における記録容易性を明確に評価できる指標となっている。
さらに、磁気記録層7の結晶粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて平面を観察した画像から評価した。また、X線回折(XRD)装置を用いて、磁気記録層7中のCoCrPt(002)のロッキングカーブを測定し、そのピークの半値幅を配向分散(Δθ50)と規定した。
第1表に、実施例1〜5および比較例1〜3に係る垂直磁気記録媒体の層構成を示す。第2表に、実施例1〜5および比較例1〜3に係る垂直磁気記録媒体のHc、電磁変換特性(S/N、媒体ノイズ(規格化値)、OW)、磁気記録層7の結晶粒径、Δθ50を示す。
Figure 0004761224
Figure 0004761224
最初に、第1下地層を有する実施例1〜5および比較例2,3と、第1下地層のない比較例1とを比較する。第2表に示すように、比較例1に係る垂直磁気記録媒体では、磁気記録層の配向分散(Δθ50)が大幅に増大し、かつ磁気記録層の結晶粒径も同様に増大している。そして、比較例1においては、磁気記録媒体の保磁力Hcが著しく減少し、S/Nの低下、媒体ノイズの増加など電磁変換特性の劣化が顕著である。以上の結果から、第1下地層が、磁気記録層の配向分散の減少ならびに結晶粒径の微細化に重要であり、垂直磁気記録媒体の電磁変換特性の向上に有効であることが明らかとなった。また、実施例1および2に係る垂直磁気記録媒体は、第1下地層の材料の差異にかかわらず、磁気記録層の結晶構造は同等であり、かつ垂直磁気記録媒体としても同等の保磁力および電磁変換特性を示している。この比較から、第1下地層の材料としてNiおよびFeを用いることが重要であることが分かる。
次に、比較的薄い第1非磁性中間層を有する実施例1〜5と、第1非磁性中間層のない比較例2とを比較する。比較例2に係る垂直磁気記録媒体は、実施例1〜5と比較して同等ないし若干低い程度の保磁力Hcおよび若干増大した配向分散(Δθ50)を有する。しかしながら、媒体ノイズが増大しS/Nが低下している。この原因の1つとして、磁気記録層の結晶粒径の増大が考えられる。比較例2の磁気記録層の結晶粒径は、実施例1〜5の結晶粒径と比較して10%程度増大しており、これによって媒体ノイズが増大したものと考えられる。また、別の原因として、軟磁性を有する第1下地層の上に、軟磁性を有する第2下地層を直接積層したことが考えられる。図2に、記録密度510kfciの信号を記録した際の実施例1および比較例2に係る垂直磁気記録媒体の周波数スペクトルの低周波部分を示す。周波数スペクトルとは、信号出力をフーリエ変換して周波数に対してプロットしたものであり、120MHz(510kfciに相当する)およびその整数倍の周波数成分以外の出力は全てノイズである。なお実施例2〜5の垂直磁気記録媒体は、実施例1と同等の周波数スペクトルを示した。図2から明らかなように、比較例2の垂直磁気記録媒体は、実施例1と比較して低周波数域のノイズが増大している。また、当該技術において、低周波数のノイズは軟磁性層に起因することが知られている。実施例1と比較例2の層構成の差を考慮すると、軟磁性を有する第1下地層および第2下地層を直接接触して積層したことがノイズ増大の原因の1つであると考えられる。以上の結果から、第1非磁性中間層が磁気記録層の結晶粒径の微細化に有効なだけではなく、軟磁性を有する第1下地層と第2下地層を離間することによって、媒体ノイズの低減およびS/Nの向上などの電磁変換特性の向上に有効であることが分かる。
次に、比較的厚い第1非磁性中間層を有する実施例6〜8と、薄い第1非磁性中間層を有する実施例1〜5および第1非磁性中間層のない比較例2とを比較する。実施例6〜8に係る垂直磁気記録媒体は、実施例1〜5と比較して同等の保磁力HcおよびΔθ50を有する。また比較例2と比較すると、若干高い保磁力Hcと若干低いΔθ50を有する。実施例6〜8において比較例2よりも低い媒体ノイズと高いS/Nが得られる理由は、前述の実施例1〜5の場合と全く同様に、結晶粒径の低減や軟磁性裏打ち層起因のノイズ低減にあると考えられる。ここで、実施例6〜8と実施例1〜5を比較すると、結晶粒径およびΔθ50は同等であるにも係らず、実施例6〜8では媒体ノイズが低く、より高いS/Nが得られている。この理由は、磁性層結晶粒の粒径は変らないものの、磁気的な孤立化がより促進されたことによるものであると推測している。また、OWの値に着目すると、実施例6〜8では、実施例1〜5および比較例2と比べて若干低下しているが、その低下量は小さく、−30dBを下回る値が得られていることから、十分な書込み容易性が実現されているものと判断できる。以上の結果から、比較的厚い第1非磁性中間層を用いても、書込み容易性を阻害することなく、媒体ノイズの低減やS/N増加といった、媒体特性の向上を実現できることが明らかとなった。
次に、第2下地層を有する実施例1〜5と、第2下地層を有さない比較例3とを比較する。比較例3に係る垂直磁気記録媒体は、実施例1〜5と同等の保磁力Hcを有しており、その磁気記録層の結晶粒径および配向分散(Δθ50)も同程度である。比較例3の垂直磁気記録媒体は、第2下地層によって分割されておらず、実施例1〜5の第1非磁性中間層、第2下地層、第2非磁性中間層の膜厚の総和に相当する膜厚を有する単一の非磁性中間層(第2非磁性中間層)を有する。非磁性中間層の膜厚を増大させることで垂直磁気記録媒体の磁気特性(Hc)および該媒体の磁気記録層の結晶性(結晶粒径および配向分散)が改善されていることはよく知られている。しかしながら、比較例3の垂直磁気記録媒体においては、実施例1〜5の垂直磁気記録媒体と比較してOWが著しく劣化しており、これに伴って媒体ノイズが増大し、同時にS/Nが0.5〜1dB程度低下している。この結果は、記録容易性(OW)の低下によって、媒体ノイズの増加およびS/Nの低下が起こったことを示す。以上の結果から、第2下地層を設けて第2非磁性中間層を薄膜化することによって、膜厚の大きな単一の非磁性中間層を有する垂直磁気記録媒体と同等の磁気特性、ならびに記録容易性の改善によって向上した電磁変換特性を有する垂直磁気記録媒体が得られることが明らかとなった。また、Ruに代表される非磁性中間層材料は、下地層に用いられる軟磁性層材料に比較して高価であるため、本発明における非磁性中間層の薄膜化によって、垂直磁気記録媒体のコストダウンも同時に達成することができる。
さらに、比較的厚い第1非磁性中間層を有しかつ第2下地層も有する実施例6〜8と、比較例3とを比較して考える。比較例3に係る垂直磁気記録媒体は、実施例6〜8と同等の保磁力Hcを有しており、磁気記録層のΔθ50はやや大きいものの、結晶粒径は同等である。また、実施例6〜8における非磁性中間層の総膜厚(第1非磁性中間層と第2非磁性中間層の和)は、13nm(実施例6)、18nm(実施例7、8)であり、比較例3の15nmと同等か、むしろ厚くなっている。しかしながら、実施例6〜8は比較例3と比べてOWが6dB程度良好であり、S/Nも1dB以上高くなっている。これは、第1非磁性中間層と第2非磁性中間層の間に軟磁性を有する第2下地層が設けられている効果であり、第2下地層が高密度記録時に軟磁性裏打ち層の役割を果たすためOWが劣化していないものと考えられる。以上の結果から、第1非磁性中間層の膜厚を比較的厚くしても、第2下地層を設けることで、媒体の書込み容易性が損なわれないことが明らかとなった。また、非磁性中間層の総膜厚は厚いものの、高価なRuを厚く使うのではなく、Ruの膜厚は寧ろ薄くでき、その分を安価なCo系の合金で代替する形になるため、媒体のコストダウンも同時に達成することが出来る。
以上のように、本発明に係る媒体構成を用いて、磁気記録層の配向分散を低減して磁気記録層中の磁性結晶粒の磁気的な分離を促進するとともに、磁性結晶粒の結晶粒径を微細化することで、ノイズを低減し、S/Nを向上させることができた。また、非磁性中間層膜厚を低減して、軟磁性膜−ヘッド間の距離を低減し、垂直磁気記録媒体の記録容易性を向上させることができた。また、非磁性中間層の薄膜化により、コストダウンも同時に達成することができる。
本発明に係る垂直二層磁気記録媒体の断面模式図である。 実施例1および比較例2に係る垂直二層磁気記録媒体の周波数スペクトルを示す図である。
符号の説明
1 非磁性基体
2 軟磁性裏打ち層
3 第1下地層
4 第1非磁性中間層
5 第2下地層
6 第2非磁性中間層
7 磁気記録層
8 保護膜
9 液体潤滑剤層

Claims (9)

  1. 非磁性基体上に軟磁性裏打ち層、第1下地層、第1非磁性中間層、第2下地層、第2非磁性中間層、磁気記録層、保護膜、液体潤滑材層を順次積層してなる垂直記録媒体であって、
    第1下地層が少なくともNiおよびFeを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成され、
    第1非磁性中間層が、CuおよびRuからなる群から選択される金属から構成されており、
    第2下地層が、Coと、0at%以上10at%以下のFe、0at%以上50at%以下のB、0at%以上40at%以下のAl、0at%以上15at%以下のZr、0at%以上52at%以下のMg、および0at%以上33at%以下のSiからなる群から選択される1種の金属とを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成され、ここで、at%の値は第2下地層を構成する全原子数を基準とし、
    第2非磁性中間層がRuまたはRu基合金から構成されており、
    前記磁気記録層が、hcp構造を有する強磁性材料を含む
    ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 第1非磁性中間層の膜厚が0.1nm以上2nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 非磁性基体上に軟磁性裏打ち層、第1下地層、第1非磁性中間層、第2下地層、第2非磁性中間層、磁気記録層、保護膜、液体潤滑材層を順次積層してなる垂直記録媒体であって、
    第1下地層が少なくともNiおよびFeを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成され、
    第1非磁性中間層が、Coを主成分とする非磁性の合金から構成されており、
    第2下地層が、Coと、0at%以上10at%以下のFe、0at%以上50at%以下のB、0at%以上40at%以下のAl、0at%以上15at%以下のZr、0at%以上52at%以下のMg、および0at%以上33at%以下のSiからなる群から選択される1種の金属とを含むfcc構造を有する軟磁性材料で構成され、ここで、at%の値は第2下地層を構成する全原子数を基準とし、
    第2非磁性中間層がRuまたはRu基合金から構成されており、
    前記磁気記録層が、hcp構造を有する強磁性材料を含む
    ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 第1非磁性中間層の膜厚が3nm以上15nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 第1下地層が、30at%以上88at%以下のNi、および0.1at%以上22at%以下のFeを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 第1下地層が、Co、Si、B、Nb、N、Ta、Al、Pd、Cr、Moから選択される1種または複数種の材料をさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 第2下地層が、OおよびNからなる群から選択される1種の材料をさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 第2非磁性中間層の膜厚が0.1nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記磁気記録層が、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中にhcp構造を有する磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
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