JP5413389B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は各種磁気記録装置に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。より詳細には、コンピューター、AV機器等の外部記憶装置として用いられるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。
HDDの高記録密度化に対する要求が急速に増加した結果、磁気記録方式は従来の面内磁気記録方式から高密度化に対して有利な垂直磁気記録方式に移り変わっている。垂直磁気記録に用いられる垂直磁気記録媒体(以下、略して垂直媒体とも呼ぶ。)は、硬質磁性材料の磁気記録層と、磁気記録層の記録磁化を垂直方向に配向させるための下地層、磁気記録層の表面を保護する保護層、そしてこの記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料の裏打ち層から主に構成される。
磁気記録層の微細構造としては、グラニュラー構造と呼ばれる強磁性の結晶粒子を非磁性の粒界成分が取り囲んで磁気的に分離した構造が一般的に用いられる。なお、以下の記述では、強磁性の結晶粒子を略して強磁性粒子と呼ぶこともある。グラニュラー構造の具体例としては強磁性粒子がCo、Pt、Crからなり、非磁性粒界成分を酸化物SiO2としたCoPtCr−SiO2等が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
磁気記録媒体にまず求められる特性は、いかに多くの信号を書き込めるかという記録密度の高さであり、高記録密度を実現するためには、磁気記録層の強磁性粒子の微細化、あるいは強磁性粒子間の磁気的な相互作用を低減することが有効である。ただし、強磁性粒子の微細化を推し進めると、いわゆる熱揺らぎによる熱安定性の劣化が起こるため、強磁性粒子のもつ垂直磁気異方性エネルギーKuを増加させる必要がある。垂直媒体においては、従来の面内媒体で用いられてきた材料であるCoPtCrBに比して、酸化物を添加したCoPtCr−SiO2の方が、粒間相互作用の低減と、高Kuの両特性に優れていることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。このことから、酸化物や窒化物を非磁性粒界成分とした硬質磁性材料の方が、垂直媒体の高記録密度化に有利であると考えられる。
一方、HDDにおいて、磁気記録媒体に記録を行なう磁気ヘッドが発生する磁界強度に関しては、必要な磁界強度がKuに比例することが知られている。従って、Kuを大きくする場合には、磁気ヘッドの磁界強度も増加することが必要である。しかし、磁界強度には限界があるため、Kuを高くすると磁気記録層の磁化を全て所望のある一方向に向ける飽和記録が困難になるという問題が生じる。また、強磁性粒子の粒径の微細化を進めると、強磁性粒子にかかる反磁界が低減し、これも磁化反転磁界の増大を招く。すなわち、高記録密度化に向けた強磁性粒子の微細化とKuの増加は、磁気記録媒体の書き込み性能を劣化させるという、トレードオフの関係にある。以上のような背景から、書き込み性能を維持したまま、磁気記録媒体の信号品質や安定性を向上させる方法が求められている。
このような課題に対して、磁気記録層を2層以上の磁性層および磁性層間に結合力を制御する層を挿入した多層構造とし、磁性層間の交換結合力を弱めることで、熱安定性をほとんど劣化させずに反転磁界を低減させる方法が提案されている。このような媒体を交換結合制御媒体と呼んでいる。2層の磁性層の直接積層の場合は交換結合力が無限大であるが、2層の磁性層間に交換結合制御層を挿入して交換結合力を制御できる。交換結合制御層により交換結合力を弱めてゆくと、ある最適な交換結合力で反転磁界は極小値を取る。さらに交換結合力を弱めて、交換結合力0に近づけると再度反転磁界が増加する結果が示されている(例えば、非特許文献2参照。)。これは、2層の磁性層が弱い交換結合を保ちつつも、各々異なる磁化反転(即ち、インコヒーレントな磁化反転)を行うために起こる。これを発展させた形として、交換結合制御層の上部の磁性層を2層化し、計3層の磁性層を有し、かつ上部から徐々にKuが増加する構造が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2003−178412号公報 特開2008-287853公報
T.Oikawa他、アイイーイーイー トランザクション オン マグネティックス (IEEE Trans. on Magn.)、(米国)、2002年、第38巻、5号、p.1976−1978 J.Magn.Soc.Jpn.,2007年、第31巻、p.178
提案されている交換結合制御媒体では、磁気ヘッドに最も近い部分にKuの低い層が配される。発明者が鋭意研究した結果、このような構造の交換結合制御媒体は、トラックピッチを狭くすることに対しては不利であることが判明した。磁気ヘッドの記録磁界は、ダウントラック方向のみに強い磁界を発生することが理想である。しかし、実際にはクロストラック方向へも弱い記録磁界が発生している。このため、既に信号を書き込まれた隣接トラックに対して、記録磁界のクロストラック方向成分が影響をおよぼすこととなり、書き込まれた信号強度を低減させることになるためである。
以上のように、良好な書き込み性能、信号の品質及び安定性を備えた垂直媒体として有効と考えられている交換結合制御媒体には、トラックピッチを狭くすることに限界が有ることが判明した。
上記の問題に鑑みて、発明者は鋭意検討した結果、磁気記録層を特定の構成とすることによって上述の問題が解決されることを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、非磁性基体上に磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、第1磁性層、交換結合制御層、第2磁性層、第3磁性層および第4磁性層をこの順に備えることを特徴とする。
前記第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層および第4磁性層の垂直磁気異方性定数をそれぞれKu1、Ku2、Ku3およびKu4としたときに、Ku4>Ku3>Ku2、かつKu1>Ku3>Ku2の関係を満たすことが好ましい。
さらに、上記の構造に、交換結合層を追加した構造とすることもできる。すなわち、磁気記録層の構造を、第1磁性層、第1交換結合制御層、第2磁性層、第2交換結合制御層、第3磁性層、第4磁性層を順次積層した構造や、第1磁性層、第1交換結合制御層、第2磁性層、第3磁性層、第2交換結合制御層、第4磁性層を順次積層した構造や、第1磁性層、第1交換結合制御層、第2磁性層、第2交換結合制御層、第3磁性層、第3交換結合制御層、第4磁性層を順次積層した構造とすることを特徴とする。
磁気記録層を上述のように構成することにより、ダウントラック方向については良好な書き込み性能、信号の低雑音性能及び熱的な安定性を備えながら、同時にクロストラック方向においては隣接トラックへの不要な書き込みを防止して高トラック密度を可能とする垂直磁気記録媒体が実現される。
本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図である。 本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図である。 本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図である。 本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の垂直磁気記録媒体の構成例を説明するための断面模式図である。垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1上に、軟磁性裏打ち層2、シード層3、下地層4、磁気記録層5及び保護層6が順次積層され、更に、保護層6の上には液体潤滑層7が形成されている。磁気記録層5は、図1に示すように、第1磁性層51、交換結合制御層56、第2磁性層52、第3磁性層53、第4磁性層54をこの順に有している。
さらに好ましい構成においては、磁気記録層5の最表面部である磁気ヘッドに最も近い位置に配置される第4磁性層54のKuを高くして、下層の第3磁性層53、第2磁性層52の順にKuを徐々に低減する。さらに、結合層を挟んで最も下層に配置される第1磁性層51は再びKuを高くする。このように磁気記録層5を構成することにより、現に記録を行なっているトラックに隣接している両サイドのトラックに対する意図せざる書き込みを防止することができる。
この作用は次のように説明される。磁気記録層5の最表面部に高いKuを有する第4磁性層54を配置することにより、磁気ヘッドが発生するクロストラック方向への比較的弱い磁界が原因となる隣接トラックへの書き込みに対する耐性を高めることができる。さらに、磁気ヘッドが発生する記録磁界は、磁気ヘッドから遠ざかるにつれて低下することになるため、クロストラック方向への比較的弱い磁界は、磁気記録層5の下層の第3磁性層53、第2磁性層52等へ影響を及ぼすことがない。上述の効果により、磁気記録層全体の磁化反転を防ぐことができる。
一方、ダウントラック方向においては、磁気ヘッドは強い記録磁界を発生しており、磁気記録層5の比較的深い位置まで記録磁界が影響を及ぼす。記録磁界は、まず、Kuの最も低い第2磁性層52の磁化反転を促し、第2磁性層52の磁化反転は、第3磁性層53、第4磁性層54の磁化反転を誘起する。さらに、第2磁性層52、第3磁性層53、第4磁性層54の磁化反転に引きずられるようにして第1磁性層51が反転することで、磁気記録層全体の磁化が反転する。この効果により、ダウントラック方向については、十分な記録性能を確保することができる。
このようにして、良好な書き込み性能、信号の高い品質及び高い熱安定性を備え、かつ高トラック密度を実現する垂直磁気記録媒体が実現される。
本発明の垂直磁気記録媒体において、非磁性基体1(非磁性基板と呼ばれる場合も有る。)の材料としては、通常の磁気記録媒体用に用いられるNiPメッキを施したAl合金、化学強化ガラス或いは結晶化ガラス等を用いることができる。基体の加熱温度を100℃以内に抑える場合は、ポリカーボネイト、ポリオレフィン等の樹脂からなるプラスチック基体を用いることもできる。その他、Si基体を用いることもできる。
軟磁性裏打ち層2は、磁気記録に用いる磁気ヘッドからの磁束を制御して記録・再生特性を向上するために形成することが好ましい層である。軟磁性裏打ち層2を省略することも可能である。軟磁性裏打ち層2としては、結晶質のNiFe合金、センダスト(FeSiAl)合金、CoFe合金等、微結晶質のFeTaC、CoFeNi、CoNiP等、非磁性成分であるTa、Zr、Nb、Bなどを計8at%以上含んだ非晶質のCoFeTaZr等を用いることができる。記録能力を向上するためには、軟磁性裏打ち層2の飽和磁化は大きい方が好ましい。また、軟磁性裏打ち層2の膜厚の最適値は、磁気記録に用いる磁気ヘッドの構造や特性によって変化するが、他の層と連続成膜で形成する場合などは、生産性との兼ね合いから10nm以上500nm以下であることが望ましい。
シード層3は、下地層4の配向性を向上するため、或いは粒径を微細化するために、下地層直下に形成することが好ましい層で、シード層3は省略することも可能である。シード層3は非磁性材料、軟磁性材料を用いることができる。記録能力の観点からは、磁気ヘッドと軟磁性層間の距離は小さくすることが望ましい。従って、シード層3が軟磁性裏打ち層と同様に機能するように、軟磁性材料がより好ましく用いられ、非磁性材料とする場合はできるだけ薄くすることが望ましい。軟磁気特性を示すシード層3の材料としては、NiFe、NiFeNb、NiFeSi、NiFeB、NiFeCrなどのNi基合金を用いることができる。また、Co単体、或いはCoB、CoSi、CoNi、CoFe等のCo基合金、或いはCoNiFe、CoNiFeSiなどを用いることができる。結晶構造としては、hcp若しくはfcc構造が好ましい。Feを含有する場合には、含有量が多いとbcc構造になり易いため、Feの含有量は20%以下とすることが好ましい。非磁性を示すシード層3の材料としては、NiP等のNi基合金や、CoCr等のCo基合金の他、Pt、Ta、Tiなども用いることができる。
下地層4は、磁気記録層5の結晶配向性、結晶粒径、粒径分布、粒界偏析を好適に制御するために磁気記録層5の直下に形成することが好ましい層である。結晶構造は、磁気記録層5にあわせて適宜変更することができる。磁気記録層5がhcp若しくはfcc構造をとる場合、下地層4も同様にhcp若しくはfccの結晶構造を取ることが好ましい。下地層4の材料としては、Ru、Rh、Os、IrまたはPtがなど好適に用いられる。また、Ru、Rh、Os、IrまたはPtを主成分とする合金も好ましく用いられる。また、磁気記録層5と軟磁性裏打ち層2との磁気的な相互作用を分断するために、下地層4は非磁性とすることが好ましい。なお、シード層3が軟磁性材料を用いる場合はシード層3も含めて磁気的な相互作用を考慮する必要がある。磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層2の間の磁気スペーシングを低減する意味で、下地層4の膜厚は薄いほうが好ましく、3〜30nmの膜厚が好ましく用いられる。
磁気記録層5は、少なくとも、第1磁性層51、交換結合制御層56、第2磁性層52、第3磁性層53、第4磁性層54が順次積層された構成とする。各磁性層のKuの値に関しては、第1磁性層51をKu1、第2磁性層52をKu2、第3磁性層53をKu3、第4磁性層54をKu4とすると、Ku4>Ku3>Ku2、かつ Ku1>Ku3>Ku2の関係を満たすことが好ましい。
第1磁性層51は、磁気記録層5全体の熱安定性を担うことが主な役割の層である。Ku値としては、1×106erg/cm3以上が好ましく用いられる。磁化容易軸が基体面に対して垂直な材料で、このような性能を示す材料として、強磁性粒子が酸化物の非磁性粒界成分によって分離された構造であるグラニュラー構造を用いることが好ましい。例えば、CoPtCr−SiO2、CoPt−SiO2など、少なくともCoPtを含む強磁性材料に、酸化物を添加した材料が好ましく用いられる。添加する酸化物の例としては、上記SiO2の他に、C酸化物(例えばCr23)やTi酸化物(例えばTiO2)、Ta酸化物(例えばTa25)、Cu酸化物(例えばCuO)、Co酸化物(例えばCoO)などが挙げられる。なお、これらの酸化物は一種類でも可能だが、複数種類を添加することも可能である。強磁性粒子の分離構造や結晶配向性が最適になるよう、適宜選択することができる。結晶構造は、六方細密充填構造の結晶構造(hcp構造)を主体とする結晶構造をとることができる。膜厚は、磁気スペーシングの関係上、必要なKuを確保できる範囲で、できるだけ薄くすることが好ましく、20nm以下、さらに好ましくは5〜10nmとすることができる。第1磁性層51は単層のみならず積層した多層構成としてもよく、多層構成とする場合は総膜厚を上述の範囲とすることが好ましい。
交換結合制御層56は、非磁性、若しくは弱磁性である材料を用いる。非磁性材料としては例えばRu、Ptを主成分とする合金を用いることができる。弱磁性材料としては、少なくともCo、Fe、Niの磁性元素に例えばCr、Ta、Ru、Mo、Wなどの非磁性元素を添加して磁化量を制御した合金を用いることができる。例としては、CoCr、CoCrTa、CoRuCr、CoCrW、CoW、CoNiCr、CoNiFeCrなどが挙げられる。ここで、飽和磁化量としては100emu/cc以下が好ましく、磁性元素−非磁性元素の比率は、そのような値となるように選ばれることが好ましい。なお、弱磁性材料として例示した材料でも、非磁性元素量を高く設定して、飽和磁化が0となっても、先に述べた非磁性材料と同じ扱いで、交換結合制御層として適用することが可能である。例えば、CoCrでは、Co42Crでは非磁性、Co33Crでは弱磁性といった性質となるが、いずれも適用することが可能である。交換結合制御層56には粒界成分として、酸化物を添加することができる。例えば、酸化物がSiO2として例示すると、Ru−SiO2、Pt−SiO2、CoCr−SiO2などとなり、先に述べた非磁性若しくは弱磁性の合金が結晶成分に、酸化物が粒界成分となる。酸化物を添加することにより、下層の第1磁性層51からの連続的な粒子成長を促進することが可能となる。上下の第1磁性層51と第2磁性層52との交換結合力の強さは、交換結合制御層56の膜厚や磁化量を変化させることにより、制御することができる。
図1では、交換結合制御層が1層のみの場合を示したが、交換結合制御層は、複数層適用することができる。図2は、本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図であり、図1と異なる点は、第2磁性層52と第3磁性層53の間に交換結合制御層57をさらに設けた点である。図3は、本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図であり、図1と異なる点は、第3磁性層53と第4磁性層54の間に交換結合制御層58をさらに設けた点である。
図4は、本発明に係る、垂直磁気記録媒体の断面模式図であり、図1と異なる点は、第2磁性層52と第3磁性層53の間に交換結合制御層57をさらに設けた、第3磁性層53と第4磁性層54の間に交換結合制御層58をさらに設けた点である。
第2磁性層52は、磁化反転磁界を低減させる役割を主に担うため、磁気記録層5を構成する磁性層の中で、Kuは最も小さいものとする。使用する材料としては、第1磁性層51と同様な材料を用いることができ、例えば、CoPtCr−SiO2等を用いることができる。Kuを適切な範囲に制御するために組成を適宜選択する。例えば、比較的Crの添加量が多い材料を用いることができる。また、Kuが比較的小さな値であることを必要とする層であるため、Pt含有量が小さな材料を用いることができ、全くPtを含まないCoCr−SiO2などを用いることも可能である。
第3磁性層53は、第2磁性層52と第4磁性層54の中間的な、Kuを有するものとし、第2磁性層52で開始される磁化反転を、スムーズに第4磁性層54に伝える役割を担う。使用する材料としては、第1磁性層51と同様な材料を用いることができ、例えば、CoPtCr−SiO2等を用いることができる。CrやPtの添加量を第2磁性層52と第4磁性層54の中間的なものを用いることによりKuを適切に制御可能となる。また、SiO2などの酸化物が添加されていない材料を用いることも可能である。
第4磁性層54は、第1磁性層51と同様、高いKuを有するものとする。記録層表面でのクロストラック方向の磁界への耐性を確保する役割を担う。使用する材料としては、第1磁性層51と同様な材料を用いることができ、例えば、CoPtCr−SiO2等を用いることができる。SiO2などの酸化物が添加されていない材料を用いることも可能である。
なお、磁性層51、52、53、54ではCoPtCrを主体とする材料を例示したが、粒径制御や結晶配向度向上のために、B、Ta、W、Mo、Ru、Geなどの添加元素を加えたものを用いることも可能である。
保護層6は、従来使用されている保護層材料を用いて形成でき、例えば、カーボンを主体とする保護層材料を用いて形成することができる。単層ではなく、例えば異なる性質の2層カーボンや、金属膜とカーボン膜、酸化膜とカーボンの積層構成とすることもできる。
液体潤滑層7も、従来使用されている潤滑材を用いて形成でき、例えばパーフルオロポリエーテル系の潤滑材を用いて形成することができる。
以下に本発明の垂直磁気記録媒体の実施例について説明する。なお、これらの実施例は、本発明の磁気記録媒体を好適に説明するための代表例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
非磁性基体1として表面が平滑な円盤状のガラス基体を用い、これを洗浄後、スパッタリング装置内に導入して各層を成膜した。始めに軟磁性裏打ち層2を3層の積層構成にて形成した。まず、Co54Fe9Ta6Zrターゲットを用いてArガス圧3mTorrにてCoFeTaZr層を15nm形成した。ここで、組成表記の大文字の数字は、直後の元素の含有量を表す。例えば、Co54Fe9Ta6Zrの場合は、Feを54原子%、Taを9原子%、Zrを6原子%含有し、残部がCoであることを示す。以下同様である。引き続いてRuターゲットを用いてArガス圧3mTorrにてRu層を1.2nm形成し、続いてCo54Fe9Ta6Zrターゲットを用いてArガス圧3mTorrにてCoFeTaZr層を15nm形成することで、CoFeTaZr/Ru/CoFeTaZr軟磁性裏打ち層2を形成した。続いて、Ni20Cr2Siターゲットを用いArガス圧10mTorrにてNiCrSiシード層3を膜厚5nmで成膜した。さらに、Ruターゲットを用いArガス圧50mTorrにてRu下地層4を膜厚20nmで成膜した。
引き続いて、Arガス圧50mTorrにて、93モル%(Co22Pt3Cr)−7モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−SiO2第1磁性層51を5nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrにてRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、95モル%(Co22Cr10Pt)−5モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2第2磁性層52を6nmの厚さで形成した。次に、Co19Cr16Ptターゲットを用いて、CoCrPt第3磁性層53を2nmの厚さで形成した。次に、Co20Pt10Crターゲットを用いて、CoPtCr第4磁性層54を1.5nmの厚さで形成した。なお、ここまでの各層の成膜は、ターゲット材にSiO2を含むものはパルスDCマグネトロンスパッタリング法、それ以外のものは全てDCマグネトロンスパッタリング法により行った。次に、CVD法によりカーボンからなる保護層6を2.5nm成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑層7をディップ法により1nm形成し、磁気記録媒体とした。
[比較例1]
磁気記録層5の成膜工程を次のように変更したこと以外は、全て実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
下地層4の成膜に引き続いて、Arガス圧50mTorrにて、93モル%(Co22Pt3Cr)−7モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−SiO2第1磁性層51を5nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、95モル%(Co22Cr10Pt)−5モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2第2磁性層52を7.2nmの厚さで形成した。次に、Co20Pt10Crターゲットを用いて、CoPtCr第3磁性層53を2.3nmの厚さで形成して磁気記録層5とした。
すなわち、本比較例1における磁気記録層5は、交換結合制御層を除いた磁性層は3層の構成である。
[比較例2]
磁気記録層5の成膜工程を次のように変更したこと以外は、全て実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
下地層4の成膜に引き続いて、Arガス圧50mTorr下で、93モル%(Co22Pt3Cr)−7モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−SiO2第1磁性層51を5nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、95モル%(Co22Cr10Pt)−5モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2第2磁性層52を5.7nmの厚さで形成した。次に、Co19Cr16Ptターゲットを用いて、CoCrPt第3磁性層53を3.8nmの厚さで形成して磁気記録層5とした。
すなわち、本比較例2における磁気記録層5は、交換結合制御層を除いた磁性層は3層の構成である。
[比較例3]
磁気記録層5の成膜工程を次のように変更したこと以外は、全て実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
下地層4の成膜に引き続いて、Arガス圧50mTorr下で、93モル%(Co22Pt3Cr)−7モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−SiO2第1磁性層51を5nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、95モル%(Co17Cr16Pt)−5モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2第2磁性層52を4.9nmの厚さで形成した。次に、Co22Cr5Ptターゲットを用いて、CoCrPt第3磁性層53を4.6nmの厚さで形成して磁気記録層5とした。
すなわち、本比較例3における磁気記録層5は、交換結合制御層を除いた磁性層は3層の構成である。
[比較例4]
Ru交換結合制御層56を成膜しないこと以外は、全て実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体とする。
以下、本実施例の垂直媒体の性能評価結果について述べる。
まず、事前検討として、実施例、各比較例に用いられた各磁性層に関して、各々単膜10nmでの磁気異方性をトルクメーターで測定した。その結果は、93モル%(Co22Pt3Cr)−7モル%(SiO2)はKu=8.2×106erg/cc、95モル%Co22Cr10Pt−5モル%(SiO2)はKu=2.0×106erg/cc、Co19Cr16PtはKu=4.2×106erg/cc、Co20Pt10CrはKu=8.0×106erg/cc、95モル%Co17Cr16Pt−5モル%(SiO2)はKu=4.2×106erg/cc、Co22Cr5PtはKu=2.0×106erg/ccであった。
次に、本発明の実用性能を明らかにするために、実施例1と比較例1〜4の電磁変換特性の測定を行った。なお、電磁変換特性評価は、スピンスタンドテスターにて行った。使用した磁気ヘッドの記録トラック幅は100nm、再生トラック幅は80nmであった。
表1に、各磁性層のKuと電磁変換特性評価結果をまとめて示す。電磁変換特性の項目としては、SNR(信号対雑音比)、重ね書きOW(Over Write)特性、斜め磁界耐性を示した。SNRは、線記録密度600kFCIで測定した値で、信号品質、すなわち記録密度の指標である。OWは、線記録密度500kFCIの信号上に70kFCIの信号を重ね書きした時の値で、媒体への書き込み易さの指標となる。斜め磁界耐性の評価は次のようにして行った。斜め磁界耐性の評価を行なう評価トラックに記録および再生を行ない、この再生信号出力をS1とする。次に、評価トラックの両側に隣接するトラックにそれぞれ50回書き込みを行なった後に、再度評価トラックの再生を行い、このときの信号出力をS2とする。この評価で得られた結果から、斜め磁界耐性をS2/S1と定義する。この値が高いほど、ヘッドの斜め磁界への耐性が高くなり、トラックピッチを狭めることができる。すなわち、トラック密度が高められることを意味する。
Figure 0005413389
表1を参照すると、実施例1および比較例1〜3は、OW特性はほぼ等しく、SNRと斜め磁界耐性に差があることが分かる。斜め磁界耐性を詳細に比較すると、磁気記録層5の最表面部に配置される磁性層、即ち第3磁性層53または第4磁性層54のKu値と斜め磁界耐性の大きさに相関が見られる。最表面部の磁性層のKuが高いほど斜め磁界耐性が高いことがわかる。比較例1〜3の中で最も斜め磁界耐性の高い比較例1と実施例1を比べると、SNRに大きな差はないものの、斜め磁界耐性は0.05の差で実施例1の方が優れていることが分かる。第1磁性層51〜第4磁性層54のKuを本発明のように構成することで、優れたSNRと斜め磁界耐性を実現できることがわかった。また、実施例1と比較例4を比比べると、交換結合制御層56を形成しない比較例4では、書き込み能力が大幅に劣化することで、OW特性が大幅に低下し、SNRも大幅に低下してしまうことがわかる。第1磁性層51と第2磁性層52の間に交換結合制御層56を設ける構成とすることで、優れたSNRとOW特性を実現できることがわかった。
本実施例は、実施例1と同様に図1の構成に対応するものである。実施例1と異なる主な点は、磁性層51がさらにTiO2を含む点、磁性層52がPtを含まない点、である。
非磁性基体1として表面が平滑な円盤状のガラス基板を用い、これを洗浄後、スパッタリング装置内に導入し、Fe25Co15Taターゲットを用いてArガス圧3mTorr下でFeCoTaを12m形成し、続いてRuターゲットを用いてArガス圧3mTorr下でRuを1.2nm形成し、続いてFe25Co15Taターゲットを用いてArガス圧3mTorr下でFeCoTaを12m形成することで、FeCoTa/Ru/FeCoTa軟磁性裏打ち層2を形成した。続いて、Ni20Cr5Fe2Siターゲットを用いArガス圧10mTorr下でNiCrFeSiシード層を膜厚4.5nmで成膜する。さらに、Ruターゲットを用いArガス圧50mTorr下でRu下地層を膜厚13nmで成膜する。
引き続いて、Arガス圧50mTorr下で、89モル%(Co24Pt2Cr)−8モル%(TiO2)−3モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−TiO2−SiO2磁性層51を5.5nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.12nmの厚さで形成した。次に、94モル%(Co17Cr)−6モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCr−SiO2磁性層52を1.5nmの厚さで形成した。次に、91モル%(Co16Cr17Pt)−7モル%(SiO2)−2モル%(Cr23)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2−Cr23磁性層53を4.5nmの厚さで形成した。次に、Co22Pt5Cr5Bターゲットを用いて、CoPtCrB磁性層54を2.5nmの厚さで形成した。なお、ここまでの各層の成膜は、ターゲット材に酸化物を含むものはパルスDCマグネトロンスパッタリング法、それ以外のものは全てDCマグネトロンスパッタリング法により行った。次に、CVD法によりカーボンからなる保護層6を2.2nm成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層7をディップ法により1nm形成し、磁気記録媒体とした。
磁気記録層5を下記のように形成すること以外は全て実施例2と同様にして、垂直磁気記録媒体とした。本実施例は、図2に対応するものである。
Arガス圧50mTorr下で、89モル%(Co24Pt2Cr)−8モル%(TiO2)−3モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−TiO2−SiO2磁性層51を6.0nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、94モル%(Co17Cr)−6モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCr−SiO2磁性層52を1.0nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層57を0.05nmの厚さで形成した。91モル%(Co16Cr17Pt)−7モル%(SiO2)−2モル%(Cr23)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2−Cr23磁性層53を4.5nmの厚さで形成した。次に、Co22Pt5Cr5Bターゲットを用いて、CoPtCrB磁性層54を2.5nmの厚さで形成した。
磁気記録層5の形成を下記のように実施すること以外は全て実施例2と同様にして、垂直磁気記録媒体とした。本実施例は、図3に対応するものである。
Arガス圧50mTorr下で、89モル%(Co24Pt2Cr)−8モル%(TiO2)−3モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−TiO2−SiO2磁性層51を5.7nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.12nmの厚さで形成した。次に、94モル%(Co17Cr)−6モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCr−SiO2磁性層52を1.5nmの厚さで形成した。次に、91モル%(Co16Cr17Pt)−7モル%(SiO2)−2モル%(Cr23)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2−Cr23磁性層53を4.3mの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層58を0.10nmの厚さで形成した。次に、Co22Pt5Cr5Bターゲットを用いて、CoPtCrB磁性層54を2.5nmの厚さで形成した。
磁気記録層5の形成を下記のように実施すること以外は全て実施例2と同様にして、垂直磁気記録媒体とした。本実施例は、図4に対応するものである。
Arガス圧50mTorr下で、89モル%(Co24Pt2Cr)−8モル%(TiO2)−3モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoPtCr−TiO2−SiO2磁性層51を6.2nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層56を0.10nmの厚さで形成した。次に、94モル%(Co17Cr)−6モル%(SiO2)ターゲットを用いて、CoCr−SiO2磁性層52を1.0nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層57を0.05nmの厚さで形成した。91モル%(Co16Cr17Pt)−7モル%(SiO2)−2モル%(Cr23)ターゲットを用いて、CoCrPt−SiO2−Cr23磁性層53を4.7nmの厚さで形成した。次に、Ruターゲットを用いて、Arガス圧10mTorrでRu交換結合制御層58を0.10nmの厚さで形成した。次に、Co22Pt5Cr5Bターゲットを用いて、CoPtCrB磁性層54を2.5nmの厚さで形成した。
[比較例5]
Ru交換結合制御層56を成膜しないこと以外は、全て実施例2と同様にして垂直磁気記録媒体とする。
以下、本実施例2、3、4の垂直媒体の性能評価結果について述べる。
まず、事前検討として、実施例、各比較例に用いられる磁性層に関して、各々単膜10nmでの磁気異方性をトルクメーターで測定した。その結果、89モル%(Co24Pt2Cr)−8モル%(TiO2)−3モル%(SiO2)はKu=8.3×106erg/cc、94モル%(Co17Cr)−6モル%(SiO2)はKu=2.0×106erg/cc、91モル%(Co16Cr17Pt)−7モル%(SiO2)−2モル%(Cr23)はKu=4.0×106erg/cc、Co22Pt5Cr5BはKu=8.9×106erg/ccであった。
次に、本発明の実用的な効果を明らかにするために、実施例2、3、4,5と比較例5の電磁変換特性の測定を行った。評価条件などは、前記実施例1で述べたものと同様である。表2に、交換結合制御層の有無と電磁変換特性評価結果をまとめて示す。
Figure 0005413389
表2を参照すると、実施例2、3、4及び5は比較例5に対して、OW特性およびSNRが著しく向上しており、交換結合制御層の効果に関して、前記実施例1と同様であることが確認される。実施例2、3、4,5を比較すると、交換結合制御層の層数を増した方が、OW特性は向上し、SNRが向上している。斜め磁界耐性はほぼ同等であった。この結果から、交換結合制御層を複数層適用し、かつ各層の膜厚を最適化することで、効果的に書き込み能力を向上できることがわかる。
以上のように、本発明は優れた効果を有することが明らである。
1 非磁性基体
2 軟磁性裏打ち層
3 シード層
4 下地層
5 磁気記録層
51 第1磁性層
52 第2磁性層
53 第3磁性層
54 第4磁性層
56、57、58 交換結合制御層
6 保護層
7 液体潤滑層

Claims (4)

  1. 非磁性基体上に磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、第1磁性層、第1交換結合制御層、第2磁性層、第3磁性層および第4磁性層をこの順に備え
    前記第1磁性層、第2磁性層、第3磁性層および第4磁性層の垂直磁気異方性定数をそれぞれKu 、Ku 、Ku およびKu としたときに、Ku >Ku >Ku 、かつKu >Ku >Ku の関係を満たすことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記第2磁性層と前記第3磁性層の間に第2交換結合制御層を備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記第3磁性層と前記第4磁性層の間に第2交換結合制御層を備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記第2磁性層と前記第3磁性層の間に第2交換結合制御層を備え、前記第3磁性層と前記第4磁性層の間に第3交換結合制御層を備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
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