JP3900999B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直磁気記録媒体に関し、より詳細には、高記録密度においても良好な電磁変換特性を有しかつ熱安定性に優れさらに生産性に優れた垂直磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録の高密度化を実現する技術として、従来の長手磁気記録方式に代えて、垂直磁気記録方式が注目されつつある。垂直磁気記録媒体用の磁気記録層用材料としては、現在では主として、六方最密充填構造(hcp構造)をもつCoCr系合金結晶質膜が検討されており、そのc軸が膜面に垂直(すなわちc面が膜面に平行)になるように結晶配向を制御して垂直磁気記録させている。また、磁気記録媒体の今後の更なる高密度化に対応するために、このCoCr系合金結晶質膜を構成する結晶粒の微細化、粒径分布の低減、粒間の磁気的な相互作用の低減等に対する取り組みがなされている。
【0003】
一方、長手磁気記録媒体の高密度化のための磁性層構造制御の一方式として、一般にグラニュラー磁性層と呼ばれる、磁性結晶粒の周囲を酸化物や窒化物のような非磁性非金属物質で囲んだ構造をもつ磁性層が、例えば特開平8−255342号公報や米国特許5,679,473号明細書で提案されている。このようなグラニュラー磁性膜は、非磁性非金属の粒界相が磁性粒子を物理的に分離するため、磁性粒子間の磁気的な相互作用が低下し、記録ビットの遷移領域に生じるジグザグ磁壁の形成を抑制するので、低ノイズ特性が得られると考えられている。
【0004】
そして、これらの技術を組み合わせ、垂直磁気記録媒体の記録層として、グラニュラー磁性層を用いることが提案されている。例えば、IEEE Trans.,Mag.,Vol.36,2393(2000)には、Ruを下地層とし、グラニュラー構造をもつCoPtCrO合金を磁性層とした垂直磁気記録媒体が記載されており、グラニュラー磁性層の下地層であるRu層の膜厚を増加させるにしたがってc軸配向性が向上し、それに伴い、優れた磁気特性と電磁変換特性とが得られている。
【0005】
さらに、垂直磁気記録媒体の磁気記録層用材料としては、従来から光磁気ディスク等に用いられている、例えばTbFeCo合金などの希土類−3d遷移金属合金からなる非晶質膜も検討されている。
【0006】
このようなグラニュラー垂直磁気記録媒体においては、比較的良好な磁気特性と電磁変換特性とが得られているものの、さらなる高記録密度化のためには、結晶粒径を微細化し、かつ、粒界に析出される酸化物の量を増やすことによって磁性粒子間の磁気的な相互作用を極力低減してゆく必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、結晶粒径の微細化と粒間相互作用の低減を進めると、記録された信号の熱安定性が急激に劣化し、場合によっては、記録された信号が消失してしまうという、いわゆる「熱揺らぎ」の問題が急浮上してくる。
【0008】
一方、希土類−遷移金属合金非晶質膜は、非常に高い垂直磁気異方性Ku値を有し、かつ、非晶質であるために結晶粒界というものが存在せず、上述の熱安定性は非常に高いという特長の反面、結晶粒界が存在しないために書き込まれた信号をその場所に止めておくための核となるものが存在せず、信号がシフトしたり消失したりしてしまうことがある。特に、この現象は高い周波数での記録時に発生し易く、高記録密度化を目指す垂直磁気記録用材料としては好ましくない。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高記録密度においても良好な電磁変換特性を有し、かつ、熱安定性に優れ、さらに生産性に優れた垂直磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非磁性基体上に、少なくとも、中間層と、磁気記録層と、保護層と、液体潤滑剤層とが順次積層された垂直磁気記録媒体であって、前記磁気記録層は、強磁性を有する結晶粒とそれを取り巻く金属の酸化物からなる非磁性粒界とからなるグラニュラー磁性層からなる第1の磁気記録層と、非磁性粒界に金属の酸化物を含まない非グラニュラー構造の合金膜からなる第2の磁気記録層と、希土類−遷移金属合金非晶質膜からなる第3の磁気記録層の少なくとも3層の磁気記録層を順次積層した多層磁気記録層であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、前記第1の磁気記録層の強磁性を有する結晶粒を構成する材料が、CoCr系合金からなり、前記第2の磁気記録層が、CoCr系合金膜からなることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体において、前記非磁性基体と前記中間層との間に、シード層を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の垂直磁気記録媒体において、前記非磁性基体と前記シード層との間に、軟磁性裏打ち層を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の垂直磁気記録媒体において、前記非磁性基体と前記軟磁性裏打ち層との間に、1層または複数層の下地層と磁気制御層とを積層して備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の垂直磁気記録媒体の第1の構成例を説明するための断面図で、この垂直磁気記録媒体は、非磁性基体である非磁性基板1上に、中間層6と、第1の磁気記録層7と、第2の磁気記録層8と、第3の磁気記録層9と、保護層10とが順次積層され、さらに、保護層10の上に液体潤滑剤層11が設けられている。
【0019】
非磁性基板1としては、通常の磁気記録媒体に用いられるNiPメッキを施したAl合金や強化ガラス、あるいは、結晶化ガラス等を用いることができる。
【0020】
中間層6は、第1の磁気記録層7の結晶配向性、結晶粒径、および、粒界偏析を好適に制御するためのもので、第1の磁気記録層7の結晶配向を好適に制御するためには、その材料として、hcpの結晶構造を有するRuまたはRuを含む合金であることが特に望ましい。また、中間層6の膜厚に特に制限はないが、記録再生分解能と生産性の観点から、第1の磁気記録層7の結晶構造制御のために必要最小限の膜厚とすることが望ましい。
【0021】
第1の磁気記録層7は、強磁性を有する結晶粒とそれを取り巻く非磁性粒界とからなり、かつ、その非磁性粒界が、金属の酸化物または窒化物からなる、いわゆるグラニュラー磁性層である。このような構造の磁気記録層は、例えば、非磁性粒界を構成する酸化物を含有する強磁性金属をターゲットとするスパッタリングや、酸素を含有するArガス雰囲気中での強磁性金属をターゲットとする反応性スパッタリングにより成膜可能である。なお、この場合には、グラニュラー磁性層として良好な特性を得るために、成膜時のガス圧を10mTorr以上にすることが望ましい。
【0022】
第1の磁気記録層7の強磁性を有する結晶粒を構成する材料としては、CoCr系合金が好適に用いられ、特に、CoCr合金に、Pt、Ni、Ta、Bのうちの少なくとも1つの元素を添加した合金とすることが、優れた磁気特性と記録再生特性を得るためには望ましい。また、第1の磁気記録層7の非磁性粒界を構成する材料としては、Cr、Co、Si、Al、Ti、Ta、Hf、Zrのうちの少なくとも1つの元素の酸化物を用いることが、安定なグラニュラー構造を形成するためには望ましい。
【0023】
第1の磁気記録層7の膜厚は、10nm以上30nm以下であることが望ましい。膜厚が10nmよりも薄い場合には磁気記録層としての特性が充分に得られず、記録再生分解能を高めるためには30nmよりも薄くする必要があるためである。
【0024】
第2の磁気記録層8は、第3の磁気記録層9に含有される希土類元素が、第1の磁気記録層7中に含有されている酸素、窒素、あるいは酸化物、窒化物により酸化されるのを防止するとともに、第1の磁気記録層7と第3の磁気記録層9との間の磁気的結合を制御するために設けられる。第2の磁気記録層8は、第1の磁気記録層7で用いられているグラニュラー磁性層と異なり、非磁性粒界に金属の酸化物や窒化物を含まないCoCr系合金結晶質膜であり、その材料例としては、CoCr、CoCrTa、CoCrPt、CoCrPtTa、CoCrPtB等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
また、第2の磁気記録層8の膜厚は、垂直磁気記録媒体として良好な特性を得るためには、1nm以上5nm以下であることが望ましい。膜厚が1nmよりも薄い場合には希土類元素の酸化防止機能が充分に得られず、また、5nmよりも厚い場合には記録再生特性を劣化させてしまう結果となるためである。
【0026】
第3の磁気記録層9は、第1の磁気記録層7であるグラニュラー磁性層の熱安定性を向上させるために用いられるもので、垂直磁気異方性の大きな、希土類−遷移金属合金の非晶質膜である。この膜は、少なくともTbを含む希土類元素と、Fe、Coのうち少なくとも1種類の遷移金属を含むことが好ましく、その材料例としては、TbCo、TbFeCo、TbFe、TbGdCo等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
また、第3の磁気記録層9の膜厚は、2nm以上15nm以下であることが望ましい。膜厚が2nmよりも薄いとグラニュラー磁性層の熱安定性を向上させるための充分な特性が得られず、15nmよりも厚いと希土類−遷移金属合金非晶質膜としての特性が強くなり過ぎ、特に、高記録密度での記録再生特性が劣化してしまうためである。なお、第3の磁気記録層9を成膜する場合には、成膜時のガス圧を20mTorr以上100mTorrとすることが好ましい。
【0028】
保護層10は、従来から一般的に使用されている保護膜、例えば、カーボンを主体とする保護膜を用いることができ、その膜厚等の条件は、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそのまま用いることができる。
【0029】
液体潤滑剤層11もまた、従来より一般的に使用されている材料、例えば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができ、その膜厚等の条件は、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそのまま用いることができる。
【0030】
本発明の垂直磁気記録媒体では、少なくとも3層の磁気記録層で多層磁気記録層を構成し、第1の磁気記録層7をグラニュラー構造を有するCoCr系合金膜、第2の磁気記録層8を非グラニュラー構造を有するCoCr系合金膜、第3の磁気記録層9を希土類−遷移金属合金非晶質膜とし、これらの層の厚みを最適化することとしているので、第3の磁気記録層9に含有される希土類元素の酸化が防止されるとともに、第1の磁気記録層7と第3の磁気記録層9との間の磁気的結合が制御され、第1の磁気記録層7であるグラニュラー磁性層の熱安定性が向上し、その結果、高記録密度においても良好な電磁変換特性を示し、かつ、熱安定性に非常に優れた垂直磁気記録媒体が得られる。
【0031】
少なくとも3層の磁気記録層で多層磁気記録層を構成する本発明の垂直磁気記録媒体の構成は、図1に示した構成に限定されるものではなく多くのバリエーションが考えられる。
【0032】
以下に、図2〜図4を用いて、本発明の垂直磁気記録媒体の他の構成を例として示す。なお、理解を容易にするために、これらの図においては、磁気記録媒体を構成する各層について、図1で用いたのと同じ符号を用いることとする。
【0033】
図2は、本発明の垂直磁気記録媒体の第2の構成例を説明するための断面図で、磁気記録媒体は非磁性基板1上に、シード層5と、中間層6と、第1の磁気記録層7と、第2の磁気記録層8と、第3の磁気記録層9と、保護層10とが順次積層され、さらに、保護層10の上に、液体潤滑剤層11が設けられている。すなわち、この垂直磁気記録媒体は、図1に示した構成において、非磁性基板1と中間層6との間にシード層5をさらに備える構成とされている。
【0034】
シード層5は、中間層6の結晶配向性、結晶粒径、および、粒界偏析を好適に制御するために用いられるもので、その材料としては、面心立方(fcc)構造あるいは六方最密充填(hcp)構造を有する単金属膜あるいは合金膜が好ましい。特に、シード層5としてNiFe系合金のような軟磁性材料を用いることとすれば、2層垂直磁気記録媒体とした場合に、磁気記録ヘッドと軟磁性裏打ち層との距離を広げることなく中間層6の結晶構造制御が可能となるという利点がある。なお、シード層5の膜厚に特に限定はないが、中間層6の結晶構造制御のために必要最小限の膜厚とすることが好ましい。
【0035】
図3は、本発明の垂直磁気記録媒体の第3の構成例を説明するための断面図で、この垂直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層4と、シード層5と、中間層6と、第1の磁気記録層7と、第2の磁気記録層8と、第3の磁気記録層9と、保護層10とが順次積層されており、さらに、保護層10の上に液体潤滑剤層11が設けられている。すなわち、この垂直磁気記録媒体は、図2に示した構成において、非磁性基板1とシード層5との間に軟磁性裏打ち層4をさらに備える構成とされている。
【0036】
軟磁性裏打ち層4は、磁気ヘッドが発生する磁束を集中させ多層磁気記録層に急峻な磁場勾配を形成するためのもので、この軟磁性裏打ち層4には、NiFe系合金、センダスト(FeSiAl)合金等を用いることができるが、非晶質のCo合金、例えば、CoNbZr、CoTaZrなどを用いることにより良好な電磁変換特性を得ることができる。また、軟磁性裏打ち層4の膜厚の最適値は、磁気記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性に依存するが、生産性の観点からは、10nm以上300nm以下であることが望ましい。
【0037】
図4は、本発明の垂直磁気記録媒体の第4の構成例を説明するための断面図で、この垂直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、1層あるいは複数層の層を含む下地層2と、磁区制御層3と、軟磁性裏打ち層4と、シード層5と、中間層6と、第1の磁気記録層7と、第2の磁気記録層8と、第3の磁気記録層9と、保護層10とが順次積層され、保護層10の上に液体潤滑剤層11が設けられている。すなわち、この垂直磁気記録媒体は、図3に示した構成において、非磁性基板1と軟磁性裏打ち層4との間に、下地層2と磁区制御層3とをさらに備える構成とされ、この磁区制御層3を備えることにより、軟磁性裏打ち層4の磁壁形成に起因するスパイクノイズを抑制することが可能となる。
【0038】
磁区制御層3としては、Mnを含む合金系からなる反強磁性膜、あるいは、非磁性基板1の半径方向に磁化を配向させた硬質磁性膜を用いることができ、磁区制御層3の膜厚としては5〜300nm程度であることが好ましい。
【0039】
下地層2としては、磁区制御層3としてMn合金系の反強磁性膜を用いる場合には、fcc構造を有する非磁性単金属あるいは非磁性合金等を用いることが望ましい。この場合、非磁性基体1と下地層2との間に、下地層2の微細構造を制御するために図示しない下地層を更に設けてもよい。
【0040】
また、磁区制御層3として硬質磁性膜を用いた場合には、下地層2としてCr合金等を用いることができる。この場合にも、下地層2の微細構造を制御するために、非磁性基体1と下地層2との間に1層又は複数層の図示しない下地層をさらに設けてもよい。
【0041】
以下に、本発明の実施例を説明するが、以下の実施例は、本発明を好適に説明するための例に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。
【0042】
[実施例1]
図3に示した垂直磁気記録媒体の構成において、非磁性基板1として、表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えば、HOYA社製N‐5ガラス基板)を用い、これを洗浄後、スパッタ装置内に導入し、先ずCoZrNbターゲットを用いて軟磁性裏打ち層4を200nm成膜し、次にNiFeNbターゲットを用いてシード層5を10nm成膜後、さらに、Ruターゲットを用いて中間層6を30nm成膜した。
【0043】
この中間層6の上に、CoCrPt−SiO2ターゲットを用いて第1の磁気記録層7、CoCrPtターゲットを用いて第2の磁気記録層8、TbCoターゲットを用いて第3の磁気記録層9を連続してRFスパッタ法により成膜し、さらに、カーボンからなる保護層5nmを成膜後、真空装置から取り出した。
【0044】
その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑剤層2nmをディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。
【0045】
本実施例においては、第1の磁気記録層7の膜厚を5nm〜45nmまで変化させ、第2の磁気記録層8の膜厚を1nm〜8nmまで変化させ、さらに、第3の磁気記録層9の膜厚を1nm〜20nmまで変化させて垂直磁気記録媒体を作製した。なお、第1の磁気記録層7は20mTorr、第3の磁気記録層9は30mTorr、それ以外の層は全て5mTorrの条件下にて成膜を行なった。
【0046】
[比較例1]
実施例1において、第2の磁気記録層8および第3の磁気記録層9の成膜を行なわず、第1の磁気記録層7のみの単層磁気記録層としたこと以外は、実施例1に示したのと同様の条件で垂直磁気記録媒体を作製した。なお、この垂直磁気記録媒体の第1の磁気記録層7の膜厚は15nmとした。
【0047】
[比較例2]
実施例1において、第2の磁気記録層8を成膜せず、第1の磁気記録層7と第3の磁気記録層9からなる2層磁気記録層としたこと以外は、実施例1に示したのと同様の条件で垂直磁気記録媒体を作製した。なお、この垂直磁気記録媒体の第1の磁気記録層7の膜厚は15nm、第3の磁気記録層9の膜厚は5nmとした。
【0048】
多層磁気記録層の各層の膜厚を変化させて作製した実施例1の垂直磁気記録媒体(サンプル番号▲1▼〜○12)、および、比較例1と比較例2の垂直磁気記録媒体について、線記録密度400kFCIにおけるSNR(電磁変換特性での信号とノイズの比)と熱安定性を表1にまとめた。
【0049】
【表1】
【0050】
これらの垂直磁気記録媒体の電磁変換特性は、スピンスタンドテスターを用い、GMR素子を有する単磁極ヘッドにより測定を行なった。また、熱安定性の評価は、信号書込みを1回行なった後、再生波形の読込みを1000秒間連続して行ない、信号書込み直後の出力値に対する出力の変動分から算出した。
【0051】
比較例1に示した、第1の磁気記録層のみの単層磁気記録層構成の垂直磁気記録媒体は、SNRは10.2dBの良好な特性を示すが、熱安定性は2.1%/decadeであり熱減磁を生じている。
【0052】
また、比較例2に示した、第1の磁気記録層と第3の磁気記録層からなる2層磁気記録層構成の垂直磁気記録媒体は、第1の磁気記録層と第3の磁気記録層との界面付近において、第3の磁気記録層に含まれている希土類元素が酸化されてしまうため、希土類−遷移金属合金非晶質膜としての本来の特性が得られず熱安定性の向上が認められず、更に、SNRも比較例1の磁気記録媒体に比較して劣っている。
【0053】
これに対し、第1〜第3の磁気記録層からなる3層の多層磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体では、SNR、熱安定性共に良好であり、特に、熱安定性に関しては大幅な改善効果が見られ、熱減磁は殆ど観測されない。
【0054】
10dB以上のSNRと1.0%/decade以下の熱安定性を基準とし、SNRと熱安定性とが両立する磁気記録層の膜厚範囲は、第1の磁気記録層は10nm以上30nm以下、第2の磁気記録層は1nm以上5nm以下、第3の磁気記録層は2nm以上15nm以下である。
【0055】
[実施例2]
図2に示した垂直磁気記録媒体の構成において、非磁性基板1として、表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、NiFeCrターゲットを用いてシード層5を10nm、RuあるいはRu系合金ターゲットを用いて中間層6を30nm成膜した後、CoCrPt−SiO2ターゲットを用い第1の磁気記録層7を15nm、CoCrPtターゲットを用い第2の磁気記録層8を3nm、TbCoターゲットを用い第3の磁気記録層9を5nm、RFスパッタ法により連続して成膜を行ない、さらに、カーボンからなる保護層5nmを成膜後、真空装置から取り出した。
【0056】
その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑剤層2nmをディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。なお、第1の磁気記録層7は20mTorr、第3の磁気記録層9は30mTorr、それ以外の層は全て5mTorrの条件下にて成膜を行なった。
【0057】
[比較例3]
実施例2に示した垂直磁気記録媒体の構成において、シード層5を成膜せずに、非磁性基板1上に直接Ruの中間層6を成膜した以外は、実施例2に示したのと同様の条件で垂直磁気記録媒体を作製した。
【0058】
シード層を備える実施例2の垂直磁気記録媒体(サンプル番号▲1▼)およびシード層を備えない比較例3の垂直磁気記録媒体の各々に対する、保磁力(Hc)ならびにロッキングカーブの半値幅(Δθ50)の値を表2にまとめた。
【0059】
なお、保磁力Hcは、磁化曲線を振動試料型磁力計にて測定し算出した。また、CoCr系結晶粒の配向性は、X線回折法によりhcp(002)面からの回折線のロッキングカーブの半値幅Δθ50により評価した。
【0060】
【表2】
【0061】
シード層を備えない比較例3に示した層構成の垂直磁気記録媒体においては、Hcは、3170Oe、Δθ50は6.4度であるが、シード層を備える層構成の垂直磁気記録媒体では、Hcが4530Oe、Δθ50が5.0度となり、シード層がない場合に比較して特性が向上することが分かる。
【0062】
[比較例4]
実施例2に示した垂直磁気記録媒体の構成において、中間層6を成膜しなかった以外は、実施例2に示したのと同様の条件で垂直磁気記録媒体を作製した。
【0063】
表3は、実施例2に示した、中間層がRuあるいはRuWで構成されている垂直磁気記録媒体(サンプル番号▲1▼、▲2▼)、および、比較例4の垂直磁気記録媒体の各々の保磁力(Hc)ならびにロッキングカーブの半値幅(Δθ50)の値をまとめたものである。
【0064】
【表3】
【0065】
RuあるいはRuWの中間層を備える垂直磁気記録媒体では、Hcは4530Oeあるいは4360Oeという高い値が得られている。さらに、Δθ50も5.0度あるいは4.9度という比較的小さい値となっている。
【0066】
これに対して、中間層を備えない構成の垂直磁気記録媒体では、Δθ50が22.6度というかなり大きな値となっており、磁気記録層内の結晶配向性が低いことが分かる。そのため、Hcも2410OeとRuの場合と比較してかなり低い値となってしまっている。
【0067】
[実施例3]
図4に示した垂直磁気記録媒体の構成において、下地層2を第1の下地層と第2の下地層からなる2層の下地層構成とする垂直磁気記録媒体を作製した。具体的には、非磁性基板1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、軟磁性裏打ち層4を成膜する前に、第1の下地層としてTa膜を5nm、第2の下地層としてNiFeCrを5nm、磁区制御層3としてIrMnを10nm成膜した。これらの層以外は、実施例1と同様の条件で垂直磁気記録媒体を作製した。なお、この垂直磁気記録媒体において、第1の磁気記録層7の膜厚は15nm、第2の磁気記録層8の膜厚は3nm、第3の磁気記録層9の膜厚は5nmとした。
【0068】
図5は、このようにして作製した垂直磁気記録媒体をスピンスタンドテスターにより評価した1周分の出力波形である。また、比較のため、下地層と磁区制御層とを備えない構成の実施例1に示した垂直磁気記録媒体の出力波形も図中に示した。下地層と磁区制御層とを備えない場合には、全周に渡り不均一にスパイクノイズが発生しているのに対し、下地層と磁区制御層とを備えることによりスパイクノイズは全く発生していないことが分かる。これは、下地層2と磁区制御層3の存在により、軟磁性裏打ち層4に磁壁が形成されないためである。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、非磁性基板上に、少なくとも、中間層と、多層磁気記録層と、保護層及び液体潤滑剤層を順次積層し、この多層磁気記録層を、グラニュラー構造を有するCoCr系合金膜の第1の磁気記録層と、非グラニュラー構造を有するCoCr系合金膜の第2の磁気記録層と、希土類−遷移金属合金非晶質膜の第3の磁気記録層とを有する少なくとも3層の多層磁気記録層とし、これらの磁気記録層の膜厚を最適化したので、高記録密度においても良好な電磁変換特性を示し、かつ、熱安定性に非常に優れた垂直磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【0070】
ここで、中間層をRuあるいはRu系合金膜とすることにより、第1の磁気記録層の結晶配向を好適に制御することができ、また、中間層の下層にシード層を備えることにより、中間層の結晶配向を制御することが可能となる。
【0071】
また、非磁性基板とシード層との間に軟磁性裏打ち層をさらに備えることにより、磁気ヘッドが発生する磁束を集中させることができ、多層磁気記録層に急峻な磁場勾配を形成することができる。これにより、更に記録再生特性を良好なものとすることが可能である。
【0072】
また、非磁性基板と軟磁性裏打ち層の間に、1層あるいは複数層の下地層、および、磁区制御層をさらに備えることにより、軟磁性裏打ち層の磁壁形成に起因するスパイクノイズを完全に抑制することが可能となる。
【0073】
さらに、本発明の垂直磁気記録媒体は、既存の製造装置を用いて製造可能であるため、生産性に優れる大容量垂直磁気記録媒体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の垂直磁気記録媒体の第1の構成例を説明するための断面図である。
【図2】本発明の垂直磁気記録媒体の第2の構成例を説明するための断面図である。
【図3】本発明の垂直磁気記録媒体の第3の構成例を説明するための断面図である。
【図4】本発明の垂直磁気記録媒体の第4の構成例を説明するための断面図である。
【図5】本発明の垂直磁気記録媒体をスピンスタンドテスターにより評価した1周分の出力波形である。
【符号の説明】
1 非磁性基板
2 下地層
3 磁区制御層
4 軟磁性裏打ち層
5 シード層
6 中間層
7 第1の磁気記録層
8 第2の磁気記録層
9 第3の磁気記録層
10 保護層
11 液体潤滑剤層
Claims (5)
- 非磁性基体上に、少なくとも、中間層と、磁気記録層と、保護層と、液体潤滑剤層とが順次積層された垂直磁気記録媒体であって、
前記磁気記録層は、強磁性を有する結晶粒とそれを取り巻く金属の酸化物からなる非磁性粒界とからなるグラニュラー磁性層からなる第1の磁気記録層と、非磁性粒界に金属の酸化物を含まない非グラニュラー構造の合金膜からなる第2の磁気記録層と、希土類−遷移金属合金非晶質膜からなる第3の磁気記録層の少なくとも3層の磁気記録層を順次積層した多層磁気記録層であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 前記第1の磁気記録層の強磁性を有する結晶粒を構成する材料が、CoCr系合金からなり、前記第2の磁気記録層が、CoCr系合金膜からなることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性基体と前記中間層との間に、シード層を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性基体と前記シード層との間に、軟磁性裏打ち層を備えることを特徴とする請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性基体と前記軟磁性裏打ち層との間に、1層または複数層の下地層と磁気制御層とを積層して備えることを特徴とする請求項4に記載の垂直磁気記録媒体。
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