JP6109655B2 - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6109655B2
JP6109655B2 JP2013135408A JP2013135408A JP6109655B2 JP 6109655 B2 JP6109655 B2 JP 6109655B2 JP 2013135408 A JP2013135408 A JP 2013135408A JP 2013135408 A JP2013135408 A JP 2013135408A JP 6109655 B2 JP6109655 B2 JP 6109655B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic recording
nonmagnetic
perpendicular magnetic
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013135408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015011734A (ja
Inventor
岩崎 剛之
剛之 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013135408A priority Critical patent/JP6109655B2/ja
Priority to US14/035,582 priority patent/US9548075B2/en
Publication of JP2015011734A publication Critical patent/JP2015011734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6109655B2 publication Critical patent/JP6109655B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7379Seed layer, e.g. at least one non-magnetic layer is specifically adapted as a seed or seeding layer
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7369Two or more non-magnetic underlayers, e.g. seed layers or barrier layers
    • G11B5/737Physical structure of underlayer, e.g. texture
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/11Magnetic recording head
    • Y10T428/1164Magnetic recording head with protective film

Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置に関する。
コンピュータを中心に利用されている情報記録、再生を行う磁気記憶装置(HDD)は、その大容量、安価性、データアクセスの速さ、データ保持の信頼性などの理由により、家庭用ビデオデッキ、オーディオ機器、車載ナビゲーションシステムなど様々な分野で利用されている。HDDの利用の幅が広がるにつれ、その記憶容量の高密度化の要求も増し、近年HDDの高密度化開発はますます激しさを増している。
現在市販されているHDDの磁気記録方式として、いわゆる垂直磁気記録方式が近年主流となっている。垂直磁気記録方式は、情報を記録する磁気記録層を構成する磁性結晶粒子が、基板に対して垂直方向にその磁化容易軸を持つ。このため、高密度化の際にも記録ビット間の反磁界の影響が少なく、また高密度化においても静磁気的に安定である。垂直磁気記録媒体は、一般に、基板と、記録時に磁気ヘッドから発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性下地層と、垂直磁気記録層の磁性結晶粒を(00.1)面配向させ、かつその配向分散を低減する非磁性シード層及び/または非磁性下地層と、硬質磁性材料を含む垂直磁気記録層と、垂直磁気記録層の表面を保護する保護層から形成されている。
磁性結晶粒子が非磁性物質からなる粒界領域に取り囲まれた、いわゆるグラニュラ構造を有するグラニュラ型記録層は、磁性結晶粒子同士が非磁性粒界領域によって二次元的に、物理的に孤立化された構造となっているため、磁性粒子間に働く磁気的な交換相互作用が低減される。このため、記録・再生特性における遷移ノイズが低減でき、限界ビットサイズを低減することが可能となる。その反面、グラニュラ型記録層では粒子間の交換相互作用が低減されているため、粒子の組成、粒径の分散に伴う反転磁界の分散(SFD)が増大してしまう傾向があり、記録・再生特性における遷移ノイズやジッターノイズの増大を招く傾向がある。
また、記録ビットサイズの下限値はグラニュラ型記録層の磁性結晶粒径に強く依存しているため、HDDの高記録密度化には、グラニュラ型記録層の粒径微細化を行う必要がある。グラニュラ型記録層の粒径微細化法としては、微細な結晶粒径を有する下地層を用いて、その上に積層されるグラニュラ型記録層粒径を微細化する手法がある。下地層の粒径を微細化するために、例えば、シード層を工夫したり、下地層をグラニュラ化したりする等の方法が考えられる。
特開2003−123245号公報
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁性粒子の粒径分散を抑制して、良好な記録再生特性を有し、高密度記録を可能とする垂直磁気記録媒体、及びこれを用いた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
実施形態によれば、非磁性基板、
該非磁性基板上に形成された軟磁性下地層、
該軟磁性下地層上に形成され、fcc構造を持つ銀粒子と該銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、
該非磁性シード上に直接形成され、90原子%以上の銀を含み、2nm以下の厚さを有する反応バリア層、
該反応バリア層上に直接形成され、ルテニウム、またはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び
該非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
実施形態に係る磁気記録媒体の一例を模式的に表す断面図である。 比較の磁気記録媒体の一例を模式的に表す断面図である。 比較の磁気記録媒体の他の一例を模式的に表す断面図である。 比較の磁気記録媒体の他の一例を模式的に表す断面図である。 比較の磁気記録媒体の他の一例を模式的に表す断面図である。 比較の磁気記録媒体の他の一例を模式的に表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録再生装置の一例を模式的に表す断面図である。
実施形態に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基板と、非磁性基板上に形成された軟磁性下地層、軟磁性下地層上に形成され、fcc構造を持つAg粒子とAg粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層と、非磁性シード層上に形成され、Ru、またはRu合金からなる非磁性中間層、及び非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層とを含み、非磁性シード層と非磁性中間層との間に、90原子%以上のAgまたはAlを含有し、かつ2nm以下の厚さを有する反応バリア層がさらに設けられ、この反応バリア層は非磁性シード上に直接形成されている。
また、実施形態に係る磁気記録再生装置は、上記垂直磁気記録媒体と、垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、磁気ヘッドを垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備する。
例えば15%以下の粒径分散を持つAgGe膜からなる非磁性シード層とRuまたはRu合金からなる非磁性中間層を接触させると、その界面においてRu−Ge合金が形成され粒子構造の伝達が不十分となる傾向があるが、実施形態によれば、二元系状態図上でほぼGe合金を形成しないAgまたはAlを90原子%以上含む反応バリア層を、非磁性シード層と非磁性中間層の間に非磁性シード層と接触するように形成することでGeとRu間の反応が抑制され、非磁性シード層の粒子構造を垂直磁気記録層まで十分伝達させることが可能となる。結果として、垂直磁気記録層の磁性粒子の粒径分散が低減し、記録再生特性の良い垂直磁気記録媒体を提供することができる。
反応バリア層の厚みが厚いと粒径が肥大化して非磁性シード層の粒子構造の伝達がキャンセルされることから、実施形態に使用される反応バリア層の厚さは2nm以下であり、好ましくは1nm以下である。
反応バリア層には、反応バリア層の粒界を強調する目的で10原子%(またはモル%)未満の添加物を含有させることができる。添加物として、炭素、二酸化ケイ素、銅、及びネオジムから選択される少なくとも一つの材料を使用することができる。
反応バリア層にC、SiOを添加するとグラニュラを形成し得る。また、非磁性シード層のGeと合金を形成することで、反応バリア層のAg粒子またはAl粒子の周りをGe反応物で取り囲む目的で、反応バリア層にCuやNdを添加することが出来る。添加物を多く含有させると、Ag粒子またはAl粒子の結晶配向性が悪くなるため、添加物の配合量は10原子%(またはモル%)未満であり、さらには5原子%(またはモル%)未満であることすなわちAgまたはAlの含有量が95原子%以上あることが好ましい。
反応バリア層に使用される金属として好ましくはAgを使用することができる。
AgGe非磁性シード層に含まれるGe組成量は好ましくは55原子%以上70原子%以下である。
Ge組成量が55原子%未満であると、粒界形成物質であるGeの量が少なすぎて、Ag粒子同士が繋がってしまう傾向があり、70原子%を越えると、粒界形成物質であるGeが多すぎて、膜がアモルファス状となる傾向がある。
実施形態に使用可能な基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などがあげられる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが挙げられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層などの薄膜が形成されたものを用いることもできる。基板上への薄膜の形成方法としてスパッタリングのみならず、真空蒸着や電解メッキなどでも同様の効果を得ることができる。
非磁性基板と磁気記録層との間には、さらに、密着層や軟磁性下地層(SUL)、非磁性下地層を設けることができる。
密着層は、基板との密着性の向上のために設けられる。密着層の材料としては、非晶質構造を持つ、Ti、Ta、W、Cr、Ptやこれらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
密着層は例えば5ないし30nmの厚さを有し得る。
5nm未満では、充分な密着性を確保することができず膜が剥がれる現象が起きやすくなる傾向があり、30nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
SULは、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Co,FeまたはNiを含む材料を用いることができる。このような材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を挙げることができる。Co合金は80原子%以上のCoが含むことができる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。他の軟磁性下地層の材料として、CoFe系合金たとえばCoFe、CoFeVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラ構造を有する材料を用いることもできる。
軟磁性下地層は例えば10ないし100nmの厚さを有し得る。
10nm未満では、磁気ヘッドからの記録磁界を充分取り込めずに記録再生効率を向上させることができない傾向があり、100nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
さらに、スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmの非磁性分断層を挿入することで反強磁性結合させてもよい。その場合、Ru、Ru合金、Pd、Cu、Ptなどを用いることができる。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、非磁性分断層の上下に磁性膜たとえばCoなど、または非磁性膜たとえばPtなどを積層することができる。
実施形態に使用可能な磁気記録層は、鉄またはコバルトから選ばれるいずれか一種とプラチナを主成分とすることができる。また、基板に対して垂直方向に磁気異方性を持った垂直磁気記録層を用いることが望ましい。垂直磁気記録層を用いると、高密度化した場合に、記録ドットから出る外部磁界が周囲の記録ドットの信号を保つ方向に働くため、熱揺らぎによって信号が消えにくく、高密度化を達成しやすいという傾向を持っている。
磁気記録層の厚さは、例えば3ないし30nm、さらには5ないし15nmにすることができる。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。磁気記録層は二層以上の積層膜にすることもできるが、その際は、積層した合計を上述の範囲内にすることができる。磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることができる。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
Coを用いたグラニュラ型記録層の場合、磁気記録層のPt含有量は、10原子%以上25原子%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、磁気記録層に必要な一軸結晶磁気異方性定数(Ku)が得られ、さらに磁性粒子の結晶配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合も、上記範囲未満である場合も、どちらも高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られない傾向がある。
実施形態に使用可能な保護膜は、磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護膜の材料としては、たとえばCを含むものが挙げられる。保護膜の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録が可能である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの製膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはDLC(Diamond−like Carbon)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD法によるDLCの製膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
図7に、実施形態にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
実施形態にかかる磁気記録再生装置500において、実施形態にかかる情報を記録するための剛構成の磁気ディスク62はスピンドル63に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク62にアクセスして情報の記録再生を行う第4の実施形態にかかる磁気ヘッドを搭載したスライダー64は、薄板状の板ばねからなるサスペンション65の先端に取付けられている。サスペンション65は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム66の一端側に接続されている。
アーム66の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ67が設けられている。ボイスコイルモータ67は、アーム66のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
アーム66は、固定軸の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ67によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク62上におけるスライダー64の位置は、ボイスコイルモータ67によって制御される。なお、図7中、61は筐体を示している。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施例1及び比較例1
図1に、実施例1にかかる垂直磁気記録媒体を表す概略的な断面図を示す。
非磁性ガラス基板1(コニカミノルタ社製アモルファス基板MEL6、直径2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)の製膜チャンバー内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで製膜チャンバー内を排気した。この基板1上に、製膜チャンバー内に、ガス圧が0.7PaとなるようにArガスを導入して、密着層2として、Cr−25原子%TiをDC500Wで10nm形成した。
次いで、軟磁性層3として、Co−20原子%Fe−7原子%Ta−5原子%Zrを、Ar圧0.7Pa、DC500Wで、40nm形成した。
さらに、非磁性シード層4として、Ar圧0.1Pa、RF100Wで、Ag−60原子%Ge膜を5nm形成した。
その後、反応バリア層5として、Ag−5原子%Cを、Ar圧0.7Pa、DC500Wで1nm形成した。
次いで、非磁性中間層6として、Ruを、DC500W、Ar圧0.7Paで8nm形成した後、Ar圧を6.0Paに変更し、さらに8nm形成した。
さらに、垂直磁気記録層7として、Co−18原子%Pt−14原子%Cr−10モル%SiOを、Ar圧0.7Pa、DC500Wで12nm形成した。
次いで、CVD法により、2.5nmのDLC保護層8を形成した。
その後、ディッピング法により図示しない潤滑剤を塗布し、実施形態に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順で積層された構造を有する。
図2ないし図6に、比較の磁気記録媒体の一例を模式的に表す断面図を各々示す。
図2に示すように、反応バリア層5を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る垂直磁気記録媒体20を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/Ru非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
比較例2,3
図3に示すように、反応バリア層5を形成せずに、非磁性シード層4と非磁性中間層6の間に、Pdからなる非磁性下地層9をDC500W、Ar圧0.7Paで5nm形成した以外は、実施例1同様にして比較例2に係る垂直磁気記録媒体30を得た。
また、非磁性下地層9として、Pdの代わりに、NiWをAr圧0.7Paで5nm形成すること以外は比較例2と同様にして、比較例3に係る垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、いずれも非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/非磁性下地層9/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
比較例4
図4に示すように、非磁性シード層4を形成しない以外は、実施例1の媒体と同様にして比較例4に係る垂直磁気記録媒体40を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/反応バリア層5/Ru非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順で積層された構造を有する。
比較例5
図5に示すように、非磁性シード層4を形成せずに、軟磁性層3と非磁性中間層6の間にPdからなる非磁性下地層9をDC500W、Ar圧0.7Paで5nm形成した以外は、実施例1の媒体と同様にして垂直磁気記録媒体50を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性下地層9/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
比較例6
また、非磁性下地層9として、Pdの代わりに、NiWをAr圧0.7Paで5nm形成すること以外は、比較例5の媒体と同様にして作製し、比較例6に係る垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、比較例5と同様に、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性下地層9/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
比較例7
図6に示すように、非磁性シード層4と反応バリア層5との間にPdからなる非磁性下地層9をDC500W、Ar圧0.7Paで5nm形成した以外は、実施例1の媒体と同様にして比較例7にかかる垂直磁気記録媒体60を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/非磁性下地層9/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
比較例8
非磁性下地層9として、Pdの代わりに、NiWをAr圧0.7Paで5nm形成すること以外は、比較例7の媒体と同様にして作製し、比較例8に係る垂直磁気記録媒体60を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、比較例7と同様に非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/非磁性下地層9/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層された構造を有する。
得られた実施例1、及び比較例1ないし8にかかる垂直磁気記録媒体に対して、以下の通り、測定、評価を行なった。
まず、透過型電子顕微鏡(TEM)測定を用いて断面方向の粒子構造を観測した。さらにエネルギー分散型X線分光(TEM−EDX)を用いて組成分析も行った。
結果、実施例1の媒体について、AgGe非磁性シード層のAg粒子が4nm程度の粒径を持ち、Ge粒界が2nm程度の厚みを持っていることが分かった。さらに、AgGe非磁性シード層のAg粒子が基板に対して垂直方向に柱状に延びており、AgC反応バリア層を介して、非磁性中間層のRu粒子、垂直磁気記録層のCoCrPt粒子へとエピタキシャル成長をしていることが分かった。即ち、非磁性シード層のAg粒子と非磁性中間層のRu粒子および垂直磁気記録層のCoCrPt粒子が、それぞれ1対1成長していることが分かった。
一方、比較例1では、AgGe非磁性シード層とRu非磁性中間層の界面付近に1ないし2nm程度のアモルファス層が観測されていることが分かった。このアモルファス層をTEM−EDXで分析したところ、非磁性シード層のAg、Geおよび非磁性中間層のRuが観測されたものの、GeとRu成分が強く観測され、RuとGeによる合金相(反応層)が形成されている可能性が高いことが分かった。すなわち、比較例1の媒体では、このアモルファス層によりAgGe非磁性シード層からRu非磁性中間層への粒子構造の伝達が部分的に阻害され、結果として、非磁性シード層のAg粒子の位置に非磁性中間層のRu粒子の位置に対応せずに、Ag粒子とRu粒子の1対1成長ができていないことが分かった。
同様に、比較例2、3の媒体について、非磁性シード層と非磁性下地層(Pd、NiW)の界面に3nm程度のアモルファス状の反応層が観測されていることが分かった。このアモルファス層をTEM−EDXで分析したところ、非磁性シード層のAg、Geおよび非磁性下地層のPd(またはNiとW)が観測されたものの、GeとPd成分(またはNiとW成分)が強く観測され、Pd(またはNiとW)とGeによる合金相(反応層)が形成されていると考えられる。結果、このアモルファス層によって、非磁性シード層のAg粒子から非磁性中間層のRu粒子への1対1成長が阻害され、伝達が十分ではないことが分かった。
比較例4の媒体について、AgC反応バリア層の構造がアモルファス状に観測された。比較例4の媒体において、AgC反応バリア層は、1nmの薄い膜厚で軟磁性層上に形成されているが、軟磁性層は非晶質構造で粒子構造を持っていないために、AgC反応バリア層も非晶質化していることが分かった。
比較例5、6の媒体について、非磁性下地層であるPdやNiWが8〜12nm程度の結晶質の粒子を形成していることが分かった。その粒子構造はAgC反応バリア層を介して、Ru非磁性中間層、CoCrPt−SiO垂直磁気記録層へと伝達されているものの、元々の粒径が8〜12nmと大きいことが分かった。この時、非磁性下地層と反応バリア層や反応バリア層と非磁性中間層の間に、アモルファス状の反応層は観測されなかった。最後に、比較例7、8の媒体について、比較例2、3と同様に、AgGe非磁性シード層と非磁性下地層のPdやNiWとの界面に3nm程度の反応層が観測されていた。これは、非磁性シード層と反応バリア層が接触していないために、反応層の形成を抑制できなかったものと考えられる。これにより、非磁性シード層から非磁性中間層のRu粒子への1対1成長が阻害され、伝達が十分ではないことが分かった。
次に、実施例1の媒体および比較例1ないし8の媒体に対して、平面方向のTEM分析を行った。
実施例1の媒体および比較例1ないし3、7ないし8の媒体の非磁性シード層について、非磁性シード層のAgGe膜は粒径4nm程度の結晶質のAg粒子と、粒界幅2nm程度の非晶質のGe粒界からなることが分かった。この時、粒径分散は13%程度で低粒径分散であった。なお、粒径分散は平面TEM像をコンピュータを用いて画像解析することにより測定した。
一方、比較例5、6の媒体の非磁性下地層について、結晶粒子がPdまたはNiWからなり、粒径は8ないし12nm程度であり、結晶粒子同士が互いに接しており、粒界幅が実質的に0であった。この時、非磁性シード層の粒径分散は23〜24%であり、粒径分散の改善は見られなかった。続いて、実施例1の媒体および比較例1ないし8の媒体の垂直磁気記録層について、実施例1の媒体では、垂直磁気記録層の粒子の粒径分散は13〜14%程度と低粒径分散であった。一方、比較例1の媒体の垂直磁気記録層の粒子の粒径分散は20程度であった。比較例2ないし8の媒体の垂直磁気記録層では、粒径分散は22〜25%程度と改善効果が無いことが分かった。
続いて、これらの媒体において、記録再生特性を評価した。記録再生特性の評価は、米国GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。記録再生特性の評価には、書き込みにシールド付(シールドは、磁気ヘッドから出る磁束を収束させる働きを持つ)のシングルポール磁極であるシールディットポール磁極、再生部にTMR素子を用いたヘッドを用いて、記録周波数の条件を線記録密度2500kBPIとして測定した。結果を表1に示す。
実施例1にかかる媒体は、22.6dBと良好な記録再生特性を示すことが分かった。表1の通り、実施例1の媒体の方が比較例1ないし8の媒体より良好な記録再生特性を示すことが分かった。
Figure 0006109655
Ag−Cからなる反応バリア層をAgGe非磁性シード層に接触させるように形成することで、AgGe非磁性シード層とRu非磁性中間層の間に生成する反応層を抑制できた
AgC反応バリア層により、低粒径分散を持つAgGe非磁性シード層のAg粒子と非磁性中間層のRu粒子との1対1成長する確率が改善され、低粒径分散のAgGe非磁性シード層の粒子構造が、より正確にCoCrPt−SiO垂直磁気記録層まで伝達できた。結果として、転移ノイズが低減し、良好な記録再生特性を実現できる。
実施例2ないし8
反応バリア層5の材料を下記表2の通りに変化させた以外は、実施例1の媒体と同様にして、実施例2ないし8に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO2垂直磁気記録層7/DLC保護層8を順に積層した構成を有する。
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、記録再生特性を調査した。表2の通り、実施例1ないし8の本願の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
Figure 0006109655
実施例9ないし12、および比較例9ないし12
反応バリア層5のC添加量を下記表3の通りに変化させた以外は、実施例1の媒体と同様にして、実施例9ないし12および比較例9ないし12に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層した構成を有する。
これらの媒体に対して、まず断面方向のTEM分析を行った。結果、実施例1、9ないし12の媒体においては、AgGe非磁性シード層のAg粒子が基板に対して垂直方向に柱状に延びており、AgC反応バリア層を介して、非磁性中間層のRu粒子、垂直磁気記録層のCoCrPt粒子へとエピタキシャル成長をしていることが分かった。即ち、非磁性シード層のAg粒子と非磁性中間層のRu粒子および垂直磁気記録層のCoCrPt粒子が、それぞれ1対1成長していることが分かった。一方、比較例9ないし12の媒体では、AgC反応バリア層の構造がアモルファス状に観測されており、非磁性シード層から非磁性中間層のRu粒子への1対1成長が阻害され、伝達が十分ではないことが分かった。これは、Cの添加量が多すぎて、AgC反応バリア層のAg粒子の結晶性が維持できずに、アモルファス化したものと考えられる。続いて平面方向のTEM分析を行ったところ、実施例1、9ないし12の媒体においては、垂直磁気記録層の粒径分散が13〜15%程度と改善が見られるのに対し、比較例の媒体では、垂直磁気記録層の粒径分散が22〜25%程度と改善が見られなかった。続いて、実施例1と同様に記録再生特性を調査した。表3の通り、実施例9ないし12の本願の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
Figure 0006109655
実施例13ないし16、及び比較例13ないし16
反応バリア層5の材料を下記表4の通りに変化させた以外は、実施例1の媒体と同様にして、本発明の実施例13ないし16および比較例13ないし16に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8の順に積層した構造を有する。
これらの媒体に対して、まず断面方向のTEM分析を行った。結果、実施例5、13ないし16の媒体においては、AgGe非磁性シード層のAg粒子が基板に対して垂直方向に柱状に延びており、AlC反応バリア層を介して、非磁性中間層のRu粒子、垂直磁気記録層のCoCrPt粒子へとエピタキシャル成長をしていることが分かった。即ち、非磁性シード層のAg粒子と非磁性中間層のRu粒子および垂直磁気記録層のCoCrPt粒子が、それぞれ1対1成長していることが分かった。一方、比較例13ないし16の媒体では、AlC反応バリア層の構造がアモルファス状に観測されており、非磁性シード層から非磁性中間層のRu粒子への1対1成長が阻害され、伝達が十分ではないことが分かった。これは、Cの添加量が多すぎて、AlC反応バリア層のAl粒子の結晶性が維持できずに、アモルファス化したものと考えられる。また、平面方向のTEM分析を行ったところ、実施例5、13ないし16の媒体においては、垂直磁気記録層の粒径分散が13〜15%程度と改善が見られるのに対し、比較例の媒体では、垂直磁気記録層の粒径分散が22〜25%程度と改善が見られなかった。続いて、実施例1と同様に記録再生特性を調査した。表4の通り、実施例13ないし16の本願の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
Figure 0006109655
実施例17ないし20、比較例17、18
反応バリア層5の厚みを表5の通りに変化させた以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、本発明の実施例17ないし20および比較例17、18に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8順に積層した構成を有する。
これらの媒体に対して、実施例1と同様に記録再生特性を調査した。表5の通り、実施例17ないし20の本願の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
Figure 0006109655
実施例21ないし23、比較例19ないし24
非磁性シード層のGeの組成量を、40原子%ないし85原子%まで変更させたAg−Geターゲットを用いて、非磁性シード層4を形成した以外は、実施例1と同様にして作製し、実施例21ないし23、比較例19ないし24に係る垂直磁気記録媒体10を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/非磁性シード層4/反応バリア層5/非磁性中間層6/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層7/DLC保護層8を順に積層した構成を有する。
これらの媒体の非磁性シード層に対して、平面方向のTEM分析を行った。実施例1、21ないし23の媒体の非磁性シード層について、非磁性シード層のAgGe膜は粒径4〜6nm程度の結晶質のAg粒子と、粒界幅1〜2nm程度の非晶質のGe粒界からなることが分かった。この時、粒径分散は13〜15%程度で低粒径分散であった。一方、比較例19ないし21の媒体の非磁性シード層について、数個のAg粒子が繋がったような構造を取っていることが分かった。これは、粒界物質であるGe量が少なすぎて、Ag粒子間を十分に分断できていないためと考えられる。次に、比較例22ないし24の媒体の非磁性シード層について、AgGe非磁性シード層がアモルファス構造を取っていることが分かった。これは粒界物質であるGe量が多すぎて、粒子構造が壊されてしまったものと考えられる。これらの媒体に対して、実施例1と同様に記録再生特性を調査した。下記表6の通り、実施例21ないし23の本願の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
Figure 0006109655
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2…密着層、3…軟磁性層、4…非磁性シード層、5…反応バリア層、6…非磁性中間層、7…垂直磁気記録層、8…保護層、9…非磁性下地層、10,20,30,40,50,60…垂直磁気記録媒体

Claims (3)

  1. 非磁性基板、
    該非磁性基板上に形成された軟磁性下地層、
    該軟磁性下地層上に形成され、fcc構造を持つ銀粒子と該銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、
    該非磁性シード上に直接形成され、90原子%以上の銀を含み、2nm以下の厚さを有する反応バリア層、
    該反応バリア層上に直接形成され、ルテニウム、またはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び
    該非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 該反応バリア層は、炭素、銅、及びネオジムから選択される少なくとも一つの材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体
    前記垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構、
    前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッド、及び
    前記磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリを具備することを特徴とする磁気記録再生装置
JP2013135408A 2013-06-27 2013-06-27 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Expired - Fee Related JP6109655B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013135408A JP6109655B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
US14/035,582 US9548075B2 (en) 2013-06-27 2013-09-24 Magnetic recording medium and magnetic recording/reproduction apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013135408A JP6109655B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015011734A JP2015011734A (ja) 2015-01-19
JP6109655B2 true JP6109655B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=52115879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013135408A Expired - Fee Related JP6109655B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9548075B2 (ja)
JP (1) JP6109655B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015111482A (ja) * 2013-12-06 2015-06-18 株式会社東芝 垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置
JP2017079090A (ja) 2015-10-22 2017-04-27 株式会社東芝 磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2527616B2 (ja) 1989-06-09 1996-08-28 株式会社クボタ 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2953287B2 (ja) 1993-12-28 1999-09-27 日本板硝子株式会社 表面に凹凸形状を有する磁気記録媒体の製造方法
DE19601730A1 (de) 1995-01-23 1996-07-25 Fujitsu Ltd Nichtmagnetisches Substrat, magnetisches Aufzeichnungsmedium, magnetisches Aufzeichnungslaufwerk, Verfahren zum Herstellen derselben und Verfahren zum Umwandeln einer Oberfläche einer Schicht in eine rauhe Oberfläche
JPH09134518A (ja) 1995-11-09 1997-05-20 Kao Corp 磁気記録媒体
US6730421B1 (en) 1999-05-11 2004-05-04 Hitachi, Maxell, Ltd. Magnetic recording medium and its production method, and magnetic recorder
JP2002025030A (ja) 2000-07-06 2002-01-25 Hitachi Ltd 垂直磁気記録媒体とその製法および磁気記録装置
JP3472291B2 (ja) 2000-12-28 2003-12-02 日立マクセル株式会社 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記憶装置
US6677061B2 (en) * 2001-05-23 2004-01-13 Showa Denko Kabushiki Kaisha Magnetic recording medium, production process thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus
JP4083494B2 (ja) 2001-08-01 2008-04-30 昭和電工株式会社 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
US6682826B2 (en) 2001-08-01 2004-01-27 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium, method of manufacturing therefor, and magnetic read/write apparatus
AU2003221347A1 (en) 2002-03-15 2003-09-29 Canon Kabushiki Kaisha Functional device and method of manufacturing the device, vertical magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing device, and information processing device
US7083870B2 (en) 2002-07-12 2006-08-01 Showa Denko K. K. Magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic recording and reproduction apparatus
JP2004095074A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Toshiba Corp 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP4169663B2 (ja) 2003-07-25 2008-10-22 Hoya株式会社 垂直磁気記録媒体
JP2005276367A (ja) 2004-03-25 2005-10-06 Toshiba Corp 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2005276365A (ja) 2004-03-25 2005-10-06 Toshiba Corp グラニュラ薄膜、垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP4327710B2 (ja) * 2004-12-27 2009-09-09 株式会社東芝 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
US7901737B2 (en) * 2005-06-10 2011-03-08 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing magnetic recording medium
JP4642705B2 (ja) 2005-06-10 2011-03-02 キヤノン株式会社 磁気記録媒体の製造方法
US7670696B2 (en) 2007-05-01 2010-03-02 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Perpendicular magnetic recording medium with patterned magnetic islands and nonmagnetic trenches and manufacturing method for suppressing surface diffusion of trench material
JP5126674B2 (ja) 2008-06-10 2013-01-23 富士電機株式会社 垂直磁気記録媒体
JP2010065312A (ja) 2008-09-10 2010-03-25 Toyoshima Seisakusho:Kk スパッタリングターゲット
JP5797398B2 (ja) 2010-12-16 2015-10-21 山陽特殊製鋼株式会社 磁気記録用Ni系合金及びスパッタリングターゲット材ならびに磁気記録媒体
JP2011150783A (ja) * 2011-04-25 2011-08-04 Kobe Steel Ltd 熱アシスト記録用磁気記録媒体に用いられるAg合金熱拡散制御膜、及び磁気記録媒体
JP5894780B2 (ja) * 2011-12-13 2016-03-30 昭和電工株式会社 磁気記録媒体の製造方法
JP5665785B2 (ja) 2012-03-22 2015-02-04 株式会社東芝 垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015011734A (ja) 2015-01-19
US9548075B2 (en) 2017-01-17
US20150004436A1 (en) 2015-01-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4219941B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2006024346A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2004310910A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2008287829A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2006351058A (ja) 負異方性交換結合型磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
US9214177B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
JP2010176727A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体、並びに磁気記録再生装置
JP4557880B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4083494B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
US9595285B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
JP6284126B2 (ja) 垂直記録媒体、垂直記録再生装置
US20150206547A1 (en) Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic recording/reproduction apparatus
US9905258B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording and reproduction device
JP6109655B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP5232730B2 (ja) 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2019169220A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP4472767B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2005310356A (ja) ノイズ発生を抑えた軟磁性層を用いた垂直磁気記録媒体、およびそれを用いた垂直磁気記録装置
JP6124245B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP5312296B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP5244678B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP6566907B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2008192295A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
JP2012084197A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置
JP2009116975A (ja) 垂直磁気記録媒体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170308

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6109655

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees