JP5312296B2 - 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 Download PDF

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本発明は、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録再生装置の一種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年1.5倍以上で増えており、今後もその傾向は続くと言われている。それに伴って高記録密度に適した磁気ヘッド及び磁気記録媒体の開発が進められている。
現在、市販されている磁気記録再生装置に搭載されている磁気記録媒体は、磁性膜内の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体である。垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にも、記録ビット間の境界領域における反磁界の影響が小さく、鮮明なビット境界が形成されるため、ノイズの増加が抑えられる。しかも高記録密度化に伴う記録ビット体積の減少が少なくて済むため、熱揺らぎ効果にも強い。このため、近年大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の構造が提案されている。
また、磁気記録媒体の更なる高記録密度化という要望に応えるべく、垂直磁性層に対する書き込み能力に優れた単磁極ヘッドを用いることが検討されている。このような単磁極ヘッドに対応するために、記録層である垂直磁性層と非磁性基板との間に、軟磁性材料からなる軟磁性下地層を設けることにより、単磁極ヘッドと磁気記録媒体との間における磁束の出入りの効率を向上させた、いわゆる2層磁気記録媒体が提案されている。
すなわち、この2層磁気記録媒体には、軟磁性下地層の鏡像効果により、磁気記録ヘッドの主磁極からの記録磁界を強め、記録磁界を空間的に集中させて記録磁界の勾配を増大させる働きがある。
しかしながら、単に軟磁性下地層を設けた磁気記録媒体を用いただけでは、記録再生時の記録再生特性や、熱揺らぎ耐性、記録分解能において満足できるものではなく、これらの特性に優れた磁気記録媒体が要望されている。
例えば、特許文献1には、非磁性基板上に軟磁性下地層を介して垂直磁化膜が設けられた垂直磁気記録媒体において、軟磁性下地層をスペーサ層を用いて反強磁性結合させることにより、軟磁性下地層の磁壁から発生する漏れ磁束が再生ヘッドに流入するのを防ぐとともに、軟磁性下地層中に存在する磁壁が容易に動かないように固定し、低ノイズ特性を持つ垂直磁気記録媒体を実現することが記載されている。
また、特許文献2には、軟磁性層を複数層から形成し、各軟磁性層の間に分離層を設けることにより、軟磁性層の透磁率を高め、磁気記録層の磁化遷移領域の漏れ磁場や磁気ヘッドからの磁場を軟磁性層に引き込み、磁気記録層に記録された磁気を安定化させ、また磁気ヘッドからの書き込み磁場をより効果的に引き出すことが記載されている。
特開2001−331920号公報 特開2001−250223号公報
上述した垂直磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置においては、軟磁性下地層の磁壁から発生する漏れ磁束が磁気ヘッドに流入することを防止し、軟磁性下地層中に存在する磁壁が容易に動かないように固定し、低ノイズ特性を実現するために、軟磁性下地層を複数層から構成し、各層を反強磁性結合させている。すなわち、スペーサ層を介して隣り合う軟磁性層を反強磁性結合させることで、複数の軟磁性層の残留磁化により磁気ヘッドが受ける磁界は軟磁性層全体で見れば弱くなり、単層の軟磁性層を用いる場合に比べて、ノイズの発生を低減できる。その際のスペーサ層の膜厚としては、周期的に反強磁性結合力がピークとなる膜厚のうちで最も薄い膜厚を選択すると、最も反強磁性結合を強くすることが可能となり上記の目的を達する上で優れている。
また軟磁性下地層は書込みヘッド機能の一部を担っている。この場合、軟磁性下地層に飽和磁束密度(Bs)の高い材料を用いて飽和磁化(Ms)と膜厚(t)の積Ms・tの値が大きくするほど書込み能力が高くなり、より高い保磁力の磁気記録媒体に情報を書き込むことが可能となる。しかしながらMs・tの値を高くしすぎると軟磁性下地層から発生するノイズが増加し、逆にMs・tを下げすぎると磁気記録媒体への十分な磁気記録ができなくなってしまう。加えて、軟磁性裏打層の膜厚tについては、生産性の観点、スクラッチ耐性、耐食性、磁気ヘッドとのスペースングロスの観点からも小さくするのが好ましい。すなわち、軟磁性下地層の膜厚が厚くなるとその成膜に時間がかかり磁気記録媒体の生産性が低下し、また軟磁性材料は一般的には硬度が低く軟磁性下地層が厚くなると磁気記録媒体表面のスクラッチ耐性が低下し、また軟磁性層の体積が増えることにより耐食性が低下し、また磁気ヘッドと軟磁性下地層との平均距離が長くなるためスペースングロスが大きくなる。
また軟磁性下地層についてはその透磁率を高めることも重要である。すなわち、磁気記録層の磁化遷移領域の漏れ磁場や磁気ヘッドからの磁場を軟磁性層に引き込み、磁気記録層に記録された磁気を安定化させ、また磁気ヘッドからの書き込み磁場をより効果的に引き出すためには、軟磁性下地層の透磁率を高める必要があるからである。ここで軟磁性材料としては一般的に鉄基合金やコバルト基合金が用いられるが、鉄基合金は高い飽和磁束密度を持つ反面透磁率が低く、コバルト基合金は透磁率は高いが飽和磁束密度は低い。
以上のように軟磁性下地層には多くの役割が求められるが、軟磁性層を反強磁性結合させる条件と、軟磁性下地層の透磁率を高める条件とは必ずしも一致せず、また同様に飽和磁束密度を高める条件とも一致しない。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、磁気ヘッドによる優れた書き込み特性と読み込み特性を有する磁気記録媒体を実現する軟磁性下地層の構成を提供することを目的とする。
本願発明者は上記課題を解決すべく検討した結果、軟磁性膜を構成する材料のBsを高めることにより軟磁性膜を薄膜化し、これによって高まる複数の軟磁性膜の結合力を最大結合力の30%〜70%の範囲内で反強磁性結合させることにより、磁気ヘッドによる磁気記録媒体の書き込み特性、および読み込み特性の両立がはかられること、特に高いBsの材料を用いることによる書き込み特性の向上と、反強磁性結合力を下げることによる高周波信号に対する透磁率の向上の両立可能となり、高周波信号に対する高い信号応答性と高記録密度化に適した磁気記録媒体が提供可能となることを見出した。加えて本願発明の磁気記録媒体は、生産性の観点、スクラッチ耐性、磁気ヘッドとのスペースングロスの観点からも優れた特性が得られることを見出し本願発明を完成させた。
すなわち本願発明は下記の構成を提供する。
(1)少なくとも非磁性基板の上に、複数の軟磁性層をスペーサ層によって反強磁性結合させた軟磁性下地層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層とが積層されてなる磁気記録媒体であって、前記軟磁性下地層は、飽和磁束密度(Bs)が1.8T以上の材料から構成され、反強磁性結合した複数の軟磁性層の飽和磁化(Ms)と合計層厚(t)との積(Ms・t)が2〜5(emu/cm2)の範囲内であり、前記複数の軟磁性層の間に挟まれるスペーサ層の厚みによって変化する反強磁性結合力の最大ピークの30%〜70%の範囲内で反強磁性結合されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)前記軟磁性層は、Fe:Coを40:60〜70:30(原子比)の範囲で含むことを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)前記軟磁性下地層の1層の層厚が10nm〜80nmの範囲内であることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)前記軟磁性層は、更にTa,Nb,Zr,Crからなる群から選ばれる何れか1種を1〜8原子%の範囲で含むことを特徴とする(2)または(3)に記載の磁気記録媒体。
(5)(1)〜(4)の何れか一項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
以上のように、本願発明の磁気記録媒体は、高記録密度、高速書き込み、優れた電磁変換特性が実現可能な効果を有する。また本願発明の磁気記録媒体は生産性、スクラッチ耐性、耐食性に優れる効果を有する。
軟磁性下地層のRu層の厚さと反強磁性結合力との関係を示す特性図である。 本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す断面図である。 磁性層と非磁性層との積層構造を拡大して示す断面図である。 磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。
以下、本発明を適用した磁気記録媒体及び磁気記録再生装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。
本願発明の磁気記録媒体は、少なくとも非磁性基板の上に、複数の軟磁性層をスペーサ層によって反強磁性結合させた軟磁性下地層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層とが積層されてなる磁気記録媒体であって、前記軟磁性下地層は、飽和磁束密度(Bs)が1.8T以上の材料から構成され、反強磁性結合した複数の軟磁性層の飽和磁化(Ms)と合計層厚(t)との積(Ms・t)が2〜5(emu/cm2)の範囲内であり、前記複数の軟磁性層の間に挟まれるスペーサ層の厚みによって変化する反強磁性結合力の最大ピークの30%〜70%の範囲内で反強磁性結合されていることを特徴とする。
上述したように、複数の軟磁性層を反強磁性結合させる条件と、軟磁性下地層の透磁率を高める条件とは必ずしも一致せず、また同様に飽和磁束密度を高める条件とも一致しない。すなわち、軟磁性層の反強磁性結合条件と軟磁性層の透磁率とは直接的な関係はなく、軟磁性層の反強磁性結合が強まれば、軟磁性層の透磁率が高まるわけではない。その結果、従来の磁気記録媒体の軟磁性下地層には、高い反強磁性結合性のみが考慮され、軟磁性層の透磁率や飽和磁束密度を高めることについては必ずしも考慮されていたわけではない。
そこで、本発明では、軟磁性下地層の特に高周波における応答性と磁気記録媒体の低ノイズ特性に着目し、高記録密度と高速書き込み、優れた電磁変換特性が実現可能な軟磁性下地層を実現した。すなわち本願発明では、軟磁性層を飽和磁束密度が1.8T以上の材料から構成することにより、適正な範囲のMs・tが得られる軟磁性層の薄膜化をはかって磁気記録媒体の低ノイズ化を実現する。加えて、これによって高まる反強磁性結合力を、スペーサ層の厚みによって変化する反強磁性結合力の最大ピークの30%〜70%の範囲内とすることにより軟磁性下地層の特に高周波における高速応答性を実現する。
先ず、軟磁性下地層の反強磁性結合について説明する。例えばRuからなるスペーサ層を、2層の46Fe−46Co−5Zr−3B(数字は原子%、以下同じ。)軟磁性層で挟み、このスペーサ層の層厚と軟磁性層の反強磁性結合力との関係を調べた結果を図1に示す。
図1に示すように、この軟磁性層の反強磁性結合力はRu層厚によって変化し、Ru層厚を徐々に厚くするに従って、反強磁性結合力が最も大きくなる第1ピーク(符号A)と、その後に第2ピーク(符号B)と、図示しないものの第3ピーク以降とが現れる。
通常、磁気記録媒体では、第1ピークの条件下で反強磁性結合力させた軟磁性下地層を使用するが、本発明では、軟磁性下地層の高周波応答性を高めるため、第1ピークの肩の部分(符号C1,C2)であって第1ピークの最大反強磁性結合力の30%〜70%の範囲内で軟磁性膜を反強磁性結合させることを特徴とする。ここで軟磁性膜の反強磁性結合力が70%より大きい場合は軟磁性下地層の高周波信号に対する透磁率が低くなり応答性が悪化し磁気記録媒体の書き込み特性が悪くなり、また反強磁性結合力が30%より小さい場合は軟磁性下地層からの漏れ磁界が大きくなり磁気記録媒体の読み込み特性が悪くなる。本が発明では、軟磁性下地層の反強磁性結合力を最大値に対して30%〜70%の範囲内とすることで、磁気ヘッドによる磁気記録媒体への優れた書き込み特性および読み込み特性を実現することができる。ここで第1ピークの肩の部分には、図1に示すように符号C1,C2の2箇所ある。本願発明では、この2箇所の何れの条件も使用することが可能であるが、一般的には符号C2側の方がRu膜厚変化に対する反強磁性結合力の変化量が小さく(図1のグラフの傾きが緩やかであり)、Ru膜厚の制御が容易となり、電磁変換特性の安定した磁気録媒体を製造しやすくなる。
本願発明では、軟磁性下地層を薄膜化し、かつ複数の軟磁性層が形成する反強磁性結合力を高めるために、軟磁性層を構成する軟磁性材料の飽和磁束密度を1.8T以上とする。本願発明で使用可能な軟磁性材料としては、FeCo系合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRuなど)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、FaTaCなど)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、またこれらの合金の微細結晶がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造とする公知のものが例示できる。この中で特に、Fe:Coを40:60〜70:30(原子比)の範囲で含む合金を用いることにより高い飽和磁束密度を実現可能となり、またこの材料を用いて反強磁性結合した複数の軟磁性層を構成すると、軟磁性層の薄膜化が可能となり、飽和磁化(Ms)と合計層厚(t)との積(Ms・t)を2〜5(emu/cm2)の適正範囲内とし、軟磁性下地層の高周波における応答性と磁気記録媒体の低ノイズ特性が得られる磁気記録媒体を実現できる。
特に本願発明では、軟磁性下地層の1層の層厚を10nm〜80nmの範囲内とすることにより上記の効果を最も高めることができる。
また本願発明では、FeCo合金系の軟磁性層に、更にTa,Nb,Zr,Crからなる群から選ばれる何れか1種を1〜8原子%の範囲で添加することにより軟磁性下地層の透磁率を高め、また耐食性を高めることができる。
図2は、本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示したものである。この磁気記録媒体は、図2に示すように、非磁性基板1上に、スペーサ層2bにより反強磁性結合させた2層の軟磁性層2aを含む軟磁性下地層2と、配向制御層3と、垂直磁性層4と、保護層5と、潤滑層6とを順次積層した構造を有している。
また、この磁気記録媒体の例においては、垂直磁性層4は、非磁性基板1側から下層の磁性層4aと、中層の磁性層4bと、上層の磁性層4cとの3層を含み、磁性層4aと磁性層4bの間、又は磁性層4bと磁性層4cの間に、非磁性層7a,7bを含むことで、これら磁性層4a〜4cと非磁性層7a,7bとが交互に積層された構造を有している。
非磁性基板1としては、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料からなる金属基板を用いてもよく、例えば、ガラスや、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。また、これら金属基板や非金属基板の表面に、例えばメッキ法やスパッタ法などを用いて、NiP層又はNiP合金層が形成されたものを用いることもできる。
ガラス基板としては、例えば、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどを用いることができ、アモルファスガラスとしては、例えば、汎用のソーダライムガラスや、アルミノシリケートガラスなどを用いることができる。また、結晶化ガラスとしては、例えば、リチウム系結晶化ガラスなどを用いることができる。セラミック基板としては、例えば、汎用の酸化アルミニウムや、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体、又はこれらの繊維強化物などを用いることができる。
非磁性基板1は、その平均表面粗さ(Ra)が2nm(20Å)以下、好ましくは1nm以下であるとことが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下。)であることが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、端面のチャンファー部の面取り部と、側面部との少なくとも一方の表面平均粗さ(Ra)が10nm以下(より好ましくは9.5nm以下。)のものを用いることが、磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。なお、微少うねり(Wa)は、例えば、表面荒粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
また、非磁性基板1は、Co又はFeが主成分となる軟磁性下地層2と接することで、表面の吸着ガスや、水分の影響、基板成分の拡散などにより、腐食が進行する可能性がある。この場合、非磁性基板1と軟磁性下地層2の間に密着層を設けることが好ましく、これにより、これらを抑制することが可能となる。なお、密着層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金など適宜選択することが可能である。また、密着層の厚みは2nm(30Å)以上であることが好ましい。
軟磁性下地層2は、上述したように、Fe:Coを40:60〜70:30(原子比)の範囲で含む材料を用いるのが好ましく、またその透磁率や耐食性を高めるためTa,Nb,Zr,Crからなる群から選ばれる何れか1種を1〜8原子%の範囲で含有させるのが好ましい。
また、本発明の軟磁性下地層2は、複数の軟磁性層2aの間に挟まれるスペーサ層2bの厚みによって変化する反強磁性結合力の第1ピークの肩の部分であって第1ピークの最大反強磁性結合力の30%〜70%の範囲内で軟磁性膜を反強磁性結合させたものである。さらに、この軟磁性下地層2の透磁率は、1000H/m以上であることが好ましく、より好ましくは1000〜3000H/mの範囲である。
スペーサ層2bとしては、Ru、Re、Cu等を用いることができるが、この中で特にRuを用いるのが好ましい。Ru膜の膜厚は、6Å(0.6nm)程度で最も強い反強磁性結合力(第1のピーク)となるため、本発明のように、第1ピークの肩の部分であって第1ピークの最大反強磁性結合力の30%〜70%の範囲内で軟磁性膜を反強磁性結合させるためには、Ru膜の膜厚を、図1に示した第1のピークの左側の肩(符号C1)を用いる場合は4.2Å〜4.9Å、右側の肩(符号C2)を用いる場合は7.1Å〜8.8Åとする。
軟磁性下地層2の保磁力Hcは、100Oe以下(好ましくは20Oe以下。)とすることが好ましい。なお、1Oeは79A/mである。この保磁力Hcが上記範囲を超えると、軟磁気特性が不十分となり、再生波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため好ましくない。
本発明では、上層(垂直磁性層4)側の軟磁性層2aをスパッタリング法で成膜する際に、非磁性基板1に−150〜−400Vの範囲で負バイアスを加えることが好ましい。非磁性基板1に負バイアスを加えると、スペーサ層2bのRu等が軟磁性層2aに僅かに拡散し、2層の軟磁性層2aの結合が強固になり、より安定したAFC結合を得ることができる。
軟磁性下地層2の最表面(配向制御層3側の面)は、この軟磁性下地層2を構成する材料が、部分的又は完全に酸化されて構成されていることが好ましい。例えば、軟磁性下地層2の表面(配向制御層3側の面)及びその近傍に、軟磁性下地層2を構成する材料が部分的に酸化されるか、若しくは上記材料の酸化物を形成して配されていることが好ましい。これにより、軟磁性下地層2の表面の磁気的な揺らぎを抑えることができるため、この磁気的な揺らぎに起因するノイズを低減して、磁気記録媒体の記録再生特性を改善することができる。
また、軟磁性下地層2上に形成される配向制御層3は、垂直磁性層4の結晶粒を微細化して、記録再生特性を改善することができる。このような材料としては、特に限定されるものではないが、hcp構造、fcc構造、アモルファス構造を有するものが好ましい。特に、Ru系合金、Ni系合金、Co系合金、Pt系合金、Cu系合金が好ましく、またこれらの合金を多層化してもよい。例えば、基板側からNi系合金とRu系合金との多層構造、Co系合金とRu系合金との多層構造、Pt系合金とRu系合金との多層構造を採用することが好ましい。
例えば、Ni系合金であれば、Niを33〜96原子%含む、NiW合金、NiTa合金、NiNb合金、NiTi合金、NiZr合金、NiMn合金、NiFe合金の中から選ばれる少なくとも1種類の材料からなることが好ましい。また、Niを33〜96原子%含み、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cのうち少なくとも1種又は2種以上を含む非磁性材料であってもよい。この場合、配向制御層3としての効果を維持し、磁性を持たない範囲とするため、Niの含有量は33原子%〜96原子%の範囲とすることが好ましい。
本実施形態の磁気記録媒体では、配向制御層3の厚みを、多層の場合は合計の厚みで、5〜40nm(好ましくは8〜30nm。)とすることが好ましい。配向制御層3の厚みが上記範囲であるとき、垂直磁性層4の垂直配向性が特に高くなり、且つ記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離を小さくすることができるので、再生信号の分解能を低下させることなく記録再生特性を高めることができる。
一方、配向制御層3の厚みが上記範囲未満であると、垂直磁性層4における垂直配向性が低下し、記録再生特性および熱揺らぎ耐性が劣化するため好ましくない。また、配向制御層3の厚さが上記範囲を超えると、垂直磁性層4の磁性粒子径が大きくなり、ノイズ特性が劣化するおそれがあるため好ましくない。また記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が大きくなるため、再生信号の分解能や再生出力の低下するため好ましくない。
配向制御層3の表面形状は、垂直磁性層4や保護層5の表面形状に影響を与えるため、磁気記録媒体の表面凹凸を小さくして、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを低くするためには、配向制御層3の表面平均粗さRaを2nm以下とすることが好ましい。これにより、磁気記録媒体の表面における凹凸を小さくし、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを十分に低くし、記録密度を高めることができる。
また、配向制御層3の成膜用のガスには、酸素や窒素などを導入してもよい。例えば、成膜法としてスパッタ法を用いる場合には、プロセスガスとしては、アルゴンに酸素を体積率で0.05〜50%(好ましくは0.1〜20%)程度混合したガス、アルゴンに窒素を体積率で0.01〜20%(好ましくは0.02〜10%)程度混合したガスが好適に用いられる。
また、配向制御層3は、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物中に金属粒子が分散した構造であってもよい。このような構造とするためには、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物を含んだ合金材料を使用することが好ましい。具体的には、酸化物として、例えば、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiOなど、金属窒化物として、例えば、AlN、Si、TaN、CrNなど、金属炭化物として、例えば、TaC、BC、SiCなどをそれぞれ用いることができる。さらに、例えば、NiTa−SiO、RuCo−Ta、Ru−SiO、Pt−Si、Pd−TaCなどを用いることができる。
配向制御層3中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量としては、合金に対して、1mol%以上12mol%以下であることが好ましい。配向制御層3中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲を超える場合、金属粒子中に酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が残留し、金属粒子の結晶性及び配向性を損ねるほか、配向制御層3の上に形成された磁性層の結晶性及び配向性を損ねるおそれがあるため好ましくない。また、配向制御層3中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲未満である場合、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の添加による効果が得られないため好ましくない。
また、配向制御層3と垂直磁性層4の間には、非磁性下地層8を設けることが好ましい場合がある。配向制御層3直上の垂直磁性層4の初期部には、結晶成長の乱れが生じやすく、これがノイズの原因となる。この初期部の乱れた部分を非磁性下地層8で置き換えることで、ノイズの発生を抑制することができる。
非磁性下地層8は、Coを主成分とし、さらに酸化物41を含んだ材料からなることが好ましい。Crの含有量は、25原子%(原子%)以上50原子%以下とすることが好ましい。酸化物41としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましく、その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。酸化物の含有量としては、磁性粒子を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましい。
また、非磁性下地層8は、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。さらに、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr−SiO、CoCr−TiO−Cr、CoCr−Cr−TiO−SiOなどを好適に用いることができる。また、結晶成長の観点からPtを添加してもよい。
非磁性下地層8の厚みは、0.2nm以上3nm以下であることが好ましい。3nmの厚さを超えると、Hc及びHnの低下が生じるために好ましくない。
磁性層4aは、Coを主成分とし、さらに酸化物41を含んだ材料からなり、この酸化物41としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましい。その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。また、磁性層4aは、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。
磁性層4aは、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)42が分散していることが好ましい。また、磁性粒子42は、図3に示すように、磁性層4a,4b、更には磁性層4cを上下に貫いた柱状構造を形成していることが好ましい。このような構造を有することにより、磁性層4aの磁性粒子42の配向及び結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)を得ることができる。
このような構造を得るためには、含有させる酸化物41の量及び磁性層4aの成膜条件が重要となる。すなわち、酸化物41の含有量としては、磁性粒子42を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましい。さらに好ましくは6mol%以上13mol%以下である。
磁性層4a中の酸化物41の含有量として上記範囲が好ましいのは、この磁性層4aを形成した際、磁性粒子42の周りに酸化物41が析出し、磁性粒子42の孤立化及び微細化が可能となるためである。一方、酸化物41の含有量が上記範囲を超えた場合には、酸化物41が磁性粒子42中に残留し、磁性粒子42の配向性及び結晶性を損ね、更には磁性粒子42の上下に酸化物41が析出し、結果として磁性粒子42が磁性層4a〜4cを上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。また、酸化物41の含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の分離及び微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
磁性層4a中のCrの含有量は、4原子%以上19原子%以下(さらに好ましくは6原子%以上17原子%以下)であることが好ましい。Crの含有量を上記範囲としたのは、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを下げ過ぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるからである。
一方、Crの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子42の結晶性及び配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。また、Crの含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが高いため、垂直保磁力が高くなり過ぎ、データを記録する際、磁気ヘッドで十分に書き込むことができず、結果として高密度記録に適さない記録特性(OW)となるため好ましくない。
磁性層4a中のPtの含有量は、8原子%以上20原子%以下であることが好ましい。Ptの含有量を上記範囲としたのは、8原子%未満であると、垂直磁性層4に必要な磁気異方性定数Kuが低くなるためである。一方、20原子%を超えると、磁性粒子42の内部に積層欠陥が生じ、その結果磁気異方性定数Kuが低くなる。したがって、高密度記録に適した熱揺らぎ特性及び記録再生特性を得るためには、Ptの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
また、Ptの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42中にfcc構造の層が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。一方、Ptの含有量が上記範囲未満である場合には、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るための磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。
磁性層4aは、Co、Cr、Pt、酸化物41の他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、上記元素の合計の含有量は、8原子%以下であることが好ましい。8原子%を超えた場合、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
磁性層4aに適した材料としては、例えば、90(Co14Cr18Pt)−10(SiO){Cr含有量14原子%、Pt含有量18原子%、残部Coからなる磁性粒子を1つの化合物として算出したモル濃度が90mol%、SiOからなる酸化物組成が10mol%}、92(Co10Cr16Pt)−8(SiO)、94(Co8Cr14Pt4Nb)−6(Cr)の他、(CoCrPt)−(Ta)、(CoCrPt)−(Cr)−(TiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)−(TiO)、(CoCrPtMo)−(TiO)、(CoCrPtW)−(TiO)、(CoCrPtB)−(Al)、(CoCrPtTaNd)−(MgO)、(CoCrPtBCu)−(Y)、(CoCrPtRu)−(SiO)などを挙げることができる。
磁性層4bは、Coを主成分とし、更に酸化物41を含んだ材料からなることが好ましい。酸化物41としては、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coの酸化物であることが好ましい。その中でも特に、TiO、Cr、SiOを好適に用いることができる。また、磁性層4bは、酸化物41を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。
磁性層4bは、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)42が分散していることが好ましい。この磁性粒子42は、図3に示すように、磁性層4a,4b、更には磁性層4cを上下に貫いた柱状構造を形成していることが好ましい。このような構造を形成することにより、磁性層4bの磁性粒子42の配向及び結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得ることができる。
磁性層4b中の酸化物41の含有量は、磁性粒子42を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の化合物の総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましい。さらに好ましくは6mol%以上13mol%以下である。
磁性層4b中の酸化物41の含有量として上記範囲が好ましいのは、この磁性層4bを形成した際、磁性粒子42の周りに酸化物41が析出し、磁性粒子42の孤立化及び微細化が可能となるためである。一方、酸化物41の含有量が上記範囲を超えた場合には、酸化物41が磁性粒子42中に残留し、磁性粒子42の配向性及び結晶性を損ね、更には磁性粒子42の上下に酸化物41が析出し、結果として磁性粒子42が磁性層4a〜4cを上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。また、酸化物41の含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
磁性層4b中のCrの含有量は、4原子%以上18原子%以下(さらに好ましくは8原子%以上15原子%以下。)であることが好ましい。Crの含有量が上記範囲としたのは、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを下げ過ぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。
一方、Crの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子42の結晶性及び配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。また、Crの含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが高いため、垂直保磁力が高くなり過ぎ、データを記録する際、磁気ヘッドで十分に書き込むことができず、結果として高密度記録に適さない記録特性(OW)となるため好ましくない。
磁性層4b中のPtの含有量は、10原子%以上22原子%以下であることが好ましい。Ptの含有量が上記範囲であるのは、10原子%未満であると、垂直磁性層4に必要な磁気異方性定数Kuが低くなるために好ましくない。また、22原子%を超えると、磁性粒子42の内部に積層欠陥が生じ、その結果磁気異方性定数Kuが低くなるために好ましくない。高密度記録に適した熱揺らぎ特性及び記録再生特性が得られるためには、Ptの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
また、Ptの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42中にfcc構造の層が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。一方、Ptの含有量が上記範囲未満である場合には、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るための磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。
磁性層4bは、Co、Cr、Pt、酸化物41の他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、上記元素の合計の含有量は、8原子%以下であることが好ましい。8原子%を超えた場合、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
磁性層4cは、Coを主成分とするとともに酸化物を含まない材料から構成することが好ましく、図3に示すように、層中の磁性粒子42が磁性層4a中の磁性粒子42から柱状にエピタキシャル成長している構造であることが好ましい。この場合、磁性層4a〜4cの磁性粒子42が、各層において1対1に対応して、柱状にエピタキシャル成長することが好ましい。また、磁性層4bの磁性粒子42が磁性層4a中の磁性粒子42からエピタキシャル成長していることで、磁性層4bの磁性粒子42が微細化され、さらに結晶性及び配向性がより向上したものとなる。
磁性層4c中のCrの含有量は、10原子%以上24原子%以下であることが好ましい。Crの含有量を上記範囲とすることで、データの再生時における出力が十分確保でき、更に良好な熱揺らぎ特性を得ることができる。一方、Crの含有量が上記範囲を超える場合には、磁性層4cの磁化が小さくなり過ぎるため好ましくない。また、Cr含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の分離及び微細化が十分に生じず、記録再生時のノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
また、磁性層4cは、Co、Crの他に、Ptを含んだ材料であってもよい。磁性層4c中のPtの含有量は、8原子%以上20原子%以下であることが好ましい。Ptの含有量が上記範囲にある場合には、高記録密度に適した十分な保磁力を得ることができ、更に記録再生時における高い再生出力を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性および熱揺らぎ特性を得ることができる。
一方、Ptの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性層4c中にfcc構造の相が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。また、Ptの含有量が上記範囲未満である場合には、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るための磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。
磁性層4cは、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Mnの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、上記元素の合計の含有量は、16原子%以下であることが好ましい。一方、16原子%を超えた場合には、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
磁性層4cに適した材料としては、特に、CoCrPt系、CoCrPtB系を挙げることできる。CoCrPtB系の場合、CrとBの合計の含有量は、18原子%以上28原子%以下であることが好ましい。
磁性層4cに適した材料としては、例えば、CoCrPt系では、Co14〜24Cr8〜22Pt{Cr含有量14〜24原子%、Pt含有量8〜22原子%、残部Co}、CoCrPtB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt0〜16B{Cr含有量10〜24原子%、Pt含有量8〜22原子%、B含有量0〜16原子%、残部Co}が好ましい。その他の系でも、CoCrPtTa系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta{Cr含有量10〜24原子%、Pt含有量8〜22原子%、Ta含有量1〜5原子%、残部Co}、CoCrPtTaB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta1〜10B{Cr含有量10〜24原子%、Pt含有量8〜22原子%、Ta含有量1〜5原子%、B含有量1〜10原子%、残部Co}の他にも、CoCrPtBNd系、CoCrPtTaNd系、CoCrPtNb系、CoCrPtBW系、CoCrPtMo系、CoCrPtCuRu系、CoCrPtRe系などの材料を挙げることができる。
垂直磁性層4の垂直保磁力(Hc)は、3000[Oe]以上とすることが好ましい。保磁力が3000[Oe]未満である場合には、記録再生特性、特に周波数特性が不良となり、また、熱揺らぎ特性も悪くなるため、高密度記録媒体として好ましくない。
垂直磁性層4の逆磁区核形成磁界(−Hn)は、1500[Oe]以上であることが好ましい。逆磁区核形成磁界(−Hn)が1500[Oe]未満である場合には、熱揺らぎ耐性に劣るため好ましくない。
垂直磁性層4は、磁性粒子の平均粒径が3〜12nmであることが好ましい。この平均粒径は、例えば垂直磁性層4をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、観察像を画像処理することにより求めることができる。
垂直磁性層4の厚みは、5〜20nmとすることが好ましい。垂直磁性層4の厚みが上記未満であると、十分な再生出力が得られず、熱揺らぎ特性も低下する。また、垂直磁性層4の厚さが上記範囲を超えた場合には、垂直磁性層4中の磁性粒子の肥大化が生じ、記録再生時におけるノイズが増大し、信号/ノイズ比(S/N比)や記録特性(OW)に代表される記録再生特性が悪化するため好ましくない。
保護層5は、垂直磁性層4の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を使用することができ、例えばC、SiO、ZrOを含むものを使用することが可能である。保護層5の厚みは、1〜10nmとすることがヘッドと媒体の距離を小さくできるので高記録密度の点から好ましい。
潤滑層6には、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を用いることが好ましい。
本発明では、非磁性基板1側の磁性層をグラニュラー構造の磁性層とし、保護層5側の磁性層を、酸化物を含まない非グラニュラー構造の磁性層とすることが好ましい。このような構成とすることにより、磁気記録媒体の熱揺らぎ特性、記録特性(OW)、S/N比等の各特性の制御・調整をより容易に行うことが可能となる。
また、本発明では、上記垂直磁性層4を4層以上の磁性層で構成することも可能である。例えば、上記磁性層4a,4bに加えて、グラニュラー構造の磁性層を3層で構成し、その上に、酸化物を含まない磁性層4cを設けた構成とし、また、酸化物を含まない磁性層4cを2層構造として、磁性層4a,4bの上に設けた構成とすることができる。
また、本発明では、垂直磁性層4を構成する3層以上の磁性層間に非磁性層7(図2では符号7a,7bで示す。)を設けることが好ましい。非磁性層7を適度な厚みで設けることで、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができる。その結果S/N比をより向上させることが可能である。
すなわち、非磁性層7の厚みは、垂直磁性層4を構成する各層の静磁結合を完全に切断しない範囲、具体的には0.1nm以上2nm以下(より好ましくは0.1以上0.8nm以下)とすることが好ましい。
本発明の3層以上の磁性層2aが強磁性結合(フェロ・カップリング結合、以下、FC結合と呼ぶ。)し、また、静磁結合が完全に切れた際には、M−Hループが2段階に反転するループになるために、容易に判別可能である。この2段ループが生じた場合は、磁気ヘッドからの磁界に対して磁気グレインが一斉に反転しないことを意味しており、その結果再生時のS/N比の著しい悪化や分解能の低下が生じるため好ましくない。
但し、Ru又はRu合金を用いた場合には、0.6nm以上1.2nm以下の範囲で反強磁性結合が生じる。本発明においては、反強磁性結合ではなく各磁性層2aがFCで静磁結合していることが好ましい。
垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7としては、hcp構造を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、Ru、Ru合金、CoCr合金、CoCrX合金(Xは、Pt、Ta、Zr、Re,Ru、Cu、Nb、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、W、Mo、Ti、V、Zr、Bの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す。)などを好適に用いることができる。
垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7として、CoCr系合金を用いる場合には、Coの含有量は、30〜80原子%の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、磁性層間のカップリングを小さく調整することが可能であるからである。
また、垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7として、hcp構造を有する合金として、Ru以外では、例えばRu、Re、Ti、Y、Hf、Znなどの合金も用いることができる。
また、垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7として、その上下の磁性層の結晶性や配向性を損ねない範囲で、他の構造をとる金属や合金などを使用することもできる。具体的には、例えば、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Ir、Mo、W、Ta、Nb、V、Bi、Sn、Si、Al、C、B、Cr又はそれらの合金を用いることができる。特に、Cr合金としては、CrX(Xは、Ti、W、Mo、Nb、Ta、Si、Al、B、C、Zrの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す。)などを好適に用いることが可能である。この場合のCrの含有量は60原子%以上とすることが好ましい。
また、垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7としては、上記合金の金属粒子が酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物中に分散した構造のものを用いることが好ましい。さらに、この金属粒子が非磁性層7を上下に貫いた柱状構造を有することがより好ましい。このような構造とするためには、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物を含んだ合金材料を使用することが好ましい。具体的には、酸化物として、例えば、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiOなど、金属窒化物として、例えば、AlN、Si、TaN、CrNなど、金属炭化物として、例えば、TaC、BC、SiCなどをそれぞれ用いることができる。さらに、例えば、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr、CoCrPt−Ta、Ru−SiO、Ru−Si、Pd−TaCなどを用いることができる。
垂直磁性層4を構成する磁性層間に設ける非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量としては、垂直磁性膜の結晶成長や結晶配向を損なわない含有量であることが好ましい。また、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量としては、合金に対して、4mol%以上30mol%以下であることが好ましい。
この非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲を超える場合には、金属粒子中に酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が残留し、金属粒子の結晶性や配向性を損ねるほか、金属粒子の上下にも酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が析出してしまい、金属粒子が非磁性層7を上下に貫く柱状構造となりにくくなり、この非磁性層7の上に形成された磁性層の結晶性や配向性を損ねるおそれがあるため好ましくない。一方、この非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲未満である場合には、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の添加による効果が得られないため好ましくない。
図4は、本発明を適用した磁気記録再生装置の一例を示すものである。この磁気記録再生装置は、上記図2に示す構成を有する磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50を回転駆動させる媒体駆動部51と、磁気記録媒体50に情報を記録再生する磁気ヘッド52と、この磁気ヘッド52を磁気記録媒体50に対して相対運動させるヘッド駆動部53と、記録再生信号処理系54とを備えている。また、記録再生信号処理系54は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド52に送り、磁気ヘッド52からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能となっている。また、本発明を適用した磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド52には、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
上記磁気記録再生装置によれば、上記磁気記録媒体50に本発明を適用した高記録密度、高速書き込み、優れた電磁変換特性の磁気記録媒体を採用することで優れた磁気記録再生装置とすることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、先ず、洗浄済みのガラス基板(コニカミノルタ社製、外形2.5インチ)をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3040)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した後、このガラス基板の上に、60Cr−50Tiターゲットを用いて層厚10nmの密着層を成膜した。また、この密着層の上に、46Fe−46Co−5Zr−3B{Fe含有量46原子%、Co含有量46原子%、Zr含有量5原子%、B含有量3原子%}のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で、層厚34nmの軟磁性層を成膜し、この上にRu層を層厚0.76nmで成膜した後、さらに46Fe−46Co−5Zr−3Bの軟磁性層を層厚34nm成膜して、これを軟磁性下地層とした。
また、上側の軟磁性下地層を成膜するに際しては、ガラス基板に−200Vの負バイアスを印加した。なお、この軟磁性材料の飽和磁束密度は1.9Tである。
また、この軟磁性下地層の透磁率が7000(H/m)であること、Ms・tが4.6(emu/cm)であること、並びに軟磁性下地層が反強磁性結合力の最大ピークの50%で反強磁性結合されていることを振動式磁気特性測定装置(VSM)で確認した。
次に、上記軟磁性下地層2の上に、Ni−6W{W含有量6原子%、残部Ni}ターゲット、Ruターゲットを用いて、それぞれ5nm、20nmの層厚で順に成膜し、これを配向制御層とした。
次に、配向制御層3の上に、多層構造の磁性層として、Co12Cr16Pt−16TiO(膜厚3nm)、Co5Cr22Pt−4SiO−3Cr−2TiO(膜厚3nm)、Ru47.5Co(膜厚0.5nm)、Co10Cr16Pt3Ru−4SiO−3Cr−2TiO(膜厚3nm)、Co6Cr16Pt6Ru−4SiO−3Cr−2TiO(膜厚3nm)、Ru47.5Co、Co11.5Cr13Pt10Ru−4SiO−3Cr−2TiO(膜厚3nm)、Co15Cr16Pt6B(膜厚3nm)を積層した。
次に、CVD法により層厚2.5nmの保護層を成膜し、次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を成膜し、実施例1の磁気記録媒体を得た。
(比較例1〜9、実施例2〜7)
実施例と同様に磁気記録媒体を製造したが、軟磁性下地層を表1のように構成した。
(電磁変換特性の評価)
上記方法で製造した磁気記録媒体の磁気記録再生特性を、リードライトアナライザ(型番:RWA1632;米国GUZIK社製)、及び、スピンスタンド(型番:S1701MP)を用いて測定した。この際、評価用の磁気ヘッドとして、書き込みようにはシングルポール磁極、読み込み用にはTuMRを用いた磁気ヘッドを使用した。
本実施例においては、S/N比については、記録密度750kFCIの信号を記録して測定した。また、記録特性(OW)については、まず、750kFCIの信号を書き込み、次いで100kFCIの信号を上書し、周波数フィルターによって高周波成分を取り出し、その残留割合によってデータの書き込み能力を評価した。
(耐食性評価)
耐食性評価は、磁気記録媒体を温度80℃、湿度85%の大気環境下に96時間保持し、その後この磁気記録媒体の表面に3%の硝酸水溶液を5箇所(100マイクロリットル/箇所)、純水を5箇所(100マイクロリットル/箇所)ずつ滴下し、1時間静置後これを回収し、この中に含まれるCo量をICP−MSで測定した。なお、ICP−MSでの測定は、Yを200ppt含んだ3%硝酸1ミリリットルを基準液とした。
(スクラッチ耐性評価)
磁気記録媒体のスクラッチ耐性評価を、クボタコンプス社製SAFテスター及びCandela社製光学式表面検査装置(OSA)を用いて行なった。この際の測定条件は、ディスクの回転数を5000rpm、気圧を100Torrとし、室温下の条件とした。また、測定方法としては、SAFテスターでヘッドをロードさせたままで2000秒保持し、その後、OSAにてスクラッチの本数を行なう方法
とした。
実施例1〜12、比較例1〜3で製造した磁気記録媒体の評価結果を表1に示す。なお電磁変換特性(S/N、OW)は、比較例1の値を基準として、この基準値からの変化量(dB)で評価した。この結果から、本願発明の磁気記録媒体は電磁変換特性に優れると共に、耐食性、スクラッチ耐性にも優れていた。
Figure 0005312296
A…第1ピーク
B…第2ピーク
C1…第1ピークの左肩の部分
C2…第1ピークの右肩の部分
1…非磁性基板
2…軟磁性下地層
2a…磁性層
2b…スペーサ層
3…配向制御層
4…垂直磁性層
4a…下層の磁性層
4b…中層の磁性層
4c…上層の磁性層
5…保護層
6…潤滑層
7…非磁性層
8…非磁性下地層
7a…下層の非磁性層
7b…上層の非磁性層
41…酸化物
42…磁性粒子(層7a,7bにおいては非磁性粒子)
50…磁気記録媒体
51…媒体駆動部
52…磁気ヘッド
53…ヘッド駆動部
54…記録再生信号処理系

Claims (5)

  1. 少なくとも非磁性基板の上に、複数の軟磁性層をスペーサ層によって反強磁性結合させた軟磁性下地層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層を積層する磁気記録媒体の製造方法であって前記軟磁性層で垂直磁性層側の軟磁性層をスパッタリング法で成膜し、前記成膜に際して非磁性基板に−150〜−400Vの範囲で負バイアスを印加し、前記軟磁性下地層は、飽和磁束密度(Bs)が1.8T以上の材料から構成し、反強磁性結合した複数の軟磁性層の飽和磁化(Ms)と合計層厚(t)との積(Ms・t)を2〜5(emu/cm)の範囲内とし、前記複数の軟磁性層の間に挟まれるスペーサ層の厚みによって変化する反強磁性結合力の最大ピークの30%〜70%の範囲内で、かつスペーサ層の厚い側で反強磁性結合させる、ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
  2. 前記軟磁性層は、Fe:Coを40:60〜70:30(原子比)の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法
  3. 前記軟磁性下地層の1層の層厚が10nm〜80nmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法
  4. 前記軟磁性層は、更にTa,Nb,Zr,Crからなる群から選ばれる何れか1種を1〜8原子%の範囲で含むことを特徴とする請求項2または3に記載の磁気記録媒体の製造方法
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法で製造した磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
JP2009255873A 2009-11-09 2009-11-09 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 Active JP5312296B2 (ja)

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