JP2011123976A - 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い信頼性を有し、更なる高記録密度化を可能とした磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなる低ガス圧層3aを形成する工程と、低ガス圧層3a上にスパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が低ガス圧層3aの層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層3bを形成する工程とを備え、垂直磁性層4を積層する工程が、配向制御層3を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶S1、S2、S3を形成するように結晶粒子を結晶成長させる工程を備える製造方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録再生装置の一種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率50%以上増えており、今後も増加傾向が続くと言われている。それに伴って高記録密度化に適した磁気ヘッド及び磁気記録媒体の開発が進められている。
現在市販されている磁気記録再生装置には、磁気記録媒体として、磁性膜内の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体が搭載されている。垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にも記録ビット間の境界領域における反磁界の影響が小さく、鮮明なビット境界が形成されるため、ノイズの増加が抑えられる。しかも、垂直磁気記録媒体は、高記録密度化に伴う記録ビット体積の減少が少なくて済むため、熱揺らぎ特性優れている。
また、磁気記録媒体の更なる高記録密度化という要望に応えるべく、垂直磁性層に対する書き込み能力に優れた単磁極ヘッドを用いることが検討されている。具体的には、記録層である垂直磁性層と非磁性基板との間に、裏打ち層と称される軟磁性材料からなる層を設けることにより、単磁極ヘッドと磁気記録媒体との間の磁束の出入りの効率を向上させた磁気記録媒体が提案されている。
また、垂直磁気記録媒体の記録再生特性、熱揺らぎ特性を向上させるために、配向制御層を用い、多層の磁性層を形成して、それぞれの磁性層の結晶粒子を連続した柱状晶とし、これにより磁性層の垂直配向性を高めることが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、配向制御層をスパッタリング法により形成するに際し、スパッタガス圧力を10Pa以上とすることにより、磁性層の垂直磁気異方性を高めることが記載されている。
配向制御層としてはRuを用いることが提案されている(特許文献2参照)。また、Ruは、柱状晶の頂部にドーム状の凸部が形成されるものであるため、この凸部上に磁性層等の結晶粒子を成長させ、成長した結晶粒子の分離構造を促進し、結晶粒子を孤立化させて、磁性粒子を柱状に成長させる効果を有することが知られている(特許文献3参照)。
一方、配向制御層として2つのRu層を使用し、基板側のRu層を低ガス圧(0.6Pa)、磁性層側のRu層を高ガス圧(10Pa)で成膜することにより、Ru層の配向性を高め、その上に成長する垂直磁性層の配向性を高め、また磁性粒子を微細化することが知られている(特許文献4参照)。
特開2004−310910号公報 特開平7−244831号公報 特開2007−272990号公報 特開2002−197630号公報
しかしながら、磁気記録媒体の記録密度を高めるために、低ガス圧でのスパッタリングと高ガス圧でのスパッタリングとをこの順で行う2段成膜を行って、配向制御層を構成する結晶を微細化し、配向制御層の上に形成される垂直磁性層の柱状構造の磁性粒子を微細化する場合、以下に示すように、高ガス圧でのスパッタリングによって形成された膜の硬度を十分に高くできなかった。
すなわち、高ガス圧でスパッタリングを行うと、スパッタ粒子の平均自由行程が短くなり、エネルギーが低下することと、成長結晶内にガス分子が混入し易くなることとによって、形成される膜の結晶性が低下するので、高硬度の膜を形成することは困難である。しかし、高ガス圧でのスパッタリングにおける圧力を低下させると、配向制御層を構成する柱状晶の頂部にドーム状の凸部が形成されにくくなり、配向制御層の上に成長される垂直磁性層の結晶粒子を分離して、垂直磁性層の磁性粒子を微細化する効果が十分に得られなくなる。このため、2段成膜を用いて配向制御層を形成する場合には、配向制御層を構成する柱状晶の頂部にドーム状の凸部を形成するために、膜の硬度を犠牲にせざるを得なかった。
このように、従来、2段成膜を用いて配向制御層を形成してなる磁気記録媒体は、高ガス圧でのスパッタリングによって形成された膜の硬度が低いものとなるため、磁気記録媒体の硬度が不十分であり、磁気記録媒体の表面に傷が付きやすく、十分な信頼性が得られなかった。このため、2段成膜を用いて配向制御層および柱状構造の磁性粒子を微細化することにより記録密度を高めることができ、しかも、緻密で高硬度な膜からなる配向制御層が形成されることにより、表面の傷付き耐性に優れ、高い信頼性の得られる磁気記録媒体を製造できる製造方法が要求されている。
本発明は、上記事情に鑑みて提案されたものであり、高い信頼性が得られ、更なる高記録密度化を可能とした磁気記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、本発明の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造された信頼性の高い磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、配向制御層を形成するための2段成膜の条件について、鋭意検討を行った。その結果、低ガス圧でのスパッタリングおよび高ガス圧でのスパッタリングを、それぞれ所定のスパッタリングガス圧、層厚、材料で行うとともに、高ガス圧でのスパッタリングにおいてグラニュラー構造を有する層を形成し、配向制御層を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させることで、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)、記録特性(OW)、及び熱揺らぎ特性が得られ、しかも、表面の傷付き耐性に優れ、高い信頼性の得られる磁気記録媒体を製造できることを見出した。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1)非磁性基板の上に軟磁性下地層を形成する工程と、直上の層の配向性を制御する配向制御層を形成する工程と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層を形成する工程とを、少なくとも備える磁気記録媒体の製造方法であって、前記配向制御層を積層する工程が、スパッタリング法により、スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなる低ガス圧層を形成する工程と、前記低ガス圧層上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が前記低ガス圧層の層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層を形成する工程とを備え、前記垂直磁性層を積層する工程が、前記配向制御層を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させる工程を備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(2)前記垂直磁性層を積層する工程が、スパッタリング法により垂直磁性層を形成する工程であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3)(1)または(2)に記載の製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、配向制御層を積層する工程が、スパッタリング法により、スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなる低ガス圧層を形成する工程と、前記低ガス圧層上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が前記低ガス圧層の層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層を形成する工程とを備え、前記垂直磁性層を積層する工程が、前記配向制御層を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させる工程を備えるので、2段成膜を用いて配向制御層および配向制御層の上に成長される垂直磁性層の磁性粒子を微細化することができ、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)、記録特性(OW)、及び熱揺らぎ特性が得られる磁気記録媒を製造できる。
しかも、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、低ガス圧層上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が前記低ガス圧層の層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層を形成する工程を備えるので、従来の2段成膜を用いた場合と比較して、高ガス圧層を形成する工程におけるスパッタリングガス圧を低くすることができ、従来の2段成膜を用いた場合と比較して、膜の硬度を高めることができる。したがって、本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、表面の傷付き耐性に優れ、高い信頼性の得られる磁気記録媒体を製造できる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えるものであるので、表面の傷付き耐性に優れ、更なる高記録密度化を可能とした信頼性の高い磁気記録媒体を備えた優れたものとなる。
図1は、本発明を適用して製造される磁気記録媒体の一例を示したものである。 図2は、配向制御層と垂直磁性層との積層構造を説明するための拡大模式図であり、各層の柱状晶が基板面に対して垂直に成長した状態を示す断面図である。 図3は、垂直磁性層を構成する磁性層と非磁性層との積層構造を拡大して示した断面図である。 図4は、本発明を適用した磁気記録再生装置の一例を示すものである。
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明は、非磁性基板の上に、軟磁性下地層を形成する工程と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層とを、少なくとも積層してなる磁気記録媒体の製造方法である。
図1は、本発明の磁気記録媒体の製造方法を適用して製造される磁気記録媒体の一例を示したものである。以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例として、図1に示す磁気記録媒体の製造方法を例に挙げて説明する。
図1に示す磁気記録媒体は、非磁性基板1の上に、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、非磁性下地層8と、垂直磁性層4と、保護層5と、潤滑層6とが順次積層された構造を有している。このうち、軟磁性下地層2と配向制御層3とが下地層を構成している。
「非磁性基板」
非磁性基板1としては、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料からなる金属基板を用いてもよいし、ガラスや、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。また、非磁性基板1としては、これら金属基板や非金属基板の表面に、例えばメッキ法やスパッタ法などを用いて、NiP層又はNiP合金層が形成されたものを用いてもよい。
ガラス基板としては、例えば、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどを用いることができ、アモルファスガラスとしては、例えば、汎用のソーダライムガラスや、アルミノシリケートガラスなどを用いることができる。また、結晶化ガラスとしては、例えば、リチウム系結晶化ガラスなどを用いることができる。セラミック基板としては、例えば、汎用の酸化アルミニウムや、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体、又はこれらの繊維強化物などを用いることができる。
非磁性基板1は、その平均表面粗さ(Ra)が2nm(20Å)以下、好ましくは1nm以下であることが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下)であることが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、端面のチャンファー部の面取り部と側面部との少なくとも一方の表面平均粗さ(Ra)が10nm以下(より好ましくは9.5nm以下)のものを用いることが、磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。なお、微少うねり(Wa)は、例えば、表面荒粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
また、非磁性基板1は、Co又はFeが主成分となる軟磁性下地層2と接することで、表面の吸着ガスや、水分の影響、基板成分の拡散などにより、腐食が進行する可能性がある。この場合、非磁性基板1と軟磁性下地層2の間に密着層を設けることが好ましく、これにより、これらを抑制することが可能となる。なお、密着層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金など適宜選択することが可能である。また、密着層の厚みは2nm(30Å)以上であることが好ましい。また、密着層は、スパッタリング法などを用いて形成できる。
「軟磁性下地層」
非磁性基板の上には、軟磁性下地層2が形成される。軟磁性下地層2の形成方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。
軟磁性下地層2は、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするために、また情報が記録される垂直磁性層4の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために設けられている。この作用は、特に記録再生用の磁気ヘッドとして垂直記録用の単磁極ヘッドを用いる場合に、より顕著なものとなる。
軟磁性下地層2としては、例えば、Feや、Ni、Coなどを含む軟磁性材料を用いることができる。具体的な軟磁性材料としては、例えば、CoFe系合金(CoFeTaZr、CoFeZrNbなど)、FeCo系合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、FeTaC、FeTaNなど)、FeMg系合金(FeMgOなど)、FeZr系合金(FeZrNなど)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金などを挙げることができる。
また、軟磁性下地層2としては、Feを60at%(原子%)以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造、又は微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることができる。
その他にも、軟磁性下地層2としては、Coを80at%以上含有し、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo等のうち少なくとも1種を含有し、アモルファス構造を有するCo合金を用いることができる。この具体的な材料としては、例えば、CoZr、CoZrNb、CoZrTa、CoZrCr、CoZrMo系合金などを好適なものとして挙げることができる。
軟磁性下地層2の保磁力Hcは、100(Oe)以下(好ましくは20(Oe)以下)とすることが好ましい。なお、1Oeは79A/mである。軟磁性下地層2の保磁力Hcが上記範囲を超えると、軟磁気特性が不十分となり、再生波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため好ましくない。
軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bsは、0.6T以上(好ましくは1T以上)とすることが好ましい。軟磁性下地層2のBsが上記範囲未満であると、再生波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため好ましくない。
また、軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bs(T)と軟磁性下地層2の層厚t(nm)との積Bs・t(T・nm)は、15(T・nm)以上(好ましくは25(T・nm)以上)であることが好ましい。軟磁性下地層2のBs・tが上記範囲未満であると、再生波形が歪みを持つようになり、OW(OverWrite)特性(記録特性)が悪化するため好ましくない。
軟磁性下地層2は、2層の軟磁性膜から構成されていることが好ましく、2層の軟磁性膜の間にはRu膜が設けられていることが好ましい。Ru膜の膜厚を0.4〜1.0nm、又は1.6〜2.6nmの範囲で調整することで、2層の軟磁性膜をAFC構造とすることができる。軟磁性下地層2が、このようなAFC構造を採用したものである場合、いわゆるスパイクノイズを抑制できる。
軟磁性下地層2の最表面(配向制御層3側の面)は、磁性下地層2を構成する材料が、部分的又は完全に酸化されて構成されていることが好ましい。例えば、軟磁性下地層2の表面(配向制御層3側の面)及びその近傍に、軟磁性下地層2を構成する材料が部分的に酸化されるか、若しくは上記材料の酸化物を形成して配されていることが好ましい。これにより、軟磁性下地層2の表面の磁気的な揺らぎを抑えることができ、磁気的な揺らぎに起因するノイズを低減して、磁気記録媒体の記録再生特性を改善することができる。
「配向制御層」
軟磁性下地層2の上には、配向制御層3が形成される。配向制御層3は、垂直磁性層4の結晶粒を微細化し、記録再生特性を改善するものである。図1に示すように、配向制御層3は、軟磁性下地層2側に配置された低ガス圧層3aと、低ガス圧層3a上に配置された高ガス圧層3bとを備えており、配向制御層3を積層する工程は、低ガス圧層3aを形成する工程と、高ガス圧層3bを形成する工程とを備えている。
低ガス圧層3aは、配向制御層3の核発生密度を高めるためのものであり、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなるものである。低ガス圧層3aは、スパッタリング法により、スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で形成する(低ガス圧層を形成する工程)。
本実施形態においては、低ガス圧層3aの層厚が8nm〜12nmの範囲内であるので、記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が小さく、再生信号の分解能を低下させることなく記録再生特性を高めることができる。
低ガス圧層3aの層厚が上記範囲未満であると、垂直磁性層4の配向性を高め、垂直磁性層4を構成する磁性粒子42を微細化する効果が不十分となり、良好なS/N比が得られない。低ガス圧層3aの層厚が上記範囲を超えると、記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が大きくなり、磁気ヘッドと軟磁性下地層2との磁気結合が弱まり高密度記録に適さない記録特性(OW)となる。
また、本実施形態においては、低ガス圧層3aがRu又はRuを主成分とする材料からなるものであるので、低ガス圧層3aを構成する柱状晶の頂部にドーム状の凸部が形成され、この凸部上に高ガス圧層3bおよび垂直磁性層4の結晶粒子を成長させ、成長した結晶粒子の分離を促進し、結晶粒子を孤立化させて柱状に成長させることができ、優れた配向性を有する配向制御層3が得られる。低ガス圧層3aを構成するRuを主成分とする材料としては、Ru系合金が挙げられる。
低ガス圧層3aをスパッタリング法で成膜する際に用いるスパッタリングガスとしては、Ar、Kr又はXeのいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、低ガス圧層3aを成膜する際に用いるスパッタリングガスとして、Ar、Kr又はXeから選ばれる2種以上を用いる場合、例えば、Arに対してKrを40体積%以上、Xeを30体積%以上含有させたスパッタリングガスを用いることできる。なお、Kr及びXeは、Arに比べてイオン化ポテンシャルが低いため低ガス圧でも電離し易く、原子量が大きいため高エネルギーのスパッタ粒子を形成できる。さらに、上記効果は、KrよりXeの方が大きい。したがって、スパッタリングガスとして、Ar、Kr又はXeから選ばれる2種以上を用いる場合、Kr又はXeは、スパッタリングガス中になるべく多く含有させることが好ましく、最も好ましくは、Xeを100%で使用する。
本実施形態においては、低ガス圧層3aを形成する際のスパッタリングガス圧が0.6Pa〜1.2Paの範囲内であるので、垂直磁性層4を構成する磁性粒子42を微細化する効果が十分に得られ、なおかつ、十分に高い硬度を有するものとなる。
低ガス圧層3aのスパッタリングガス圧が上記範囲未満であると、形成する膜の配向性が低下し、垂直磁性層4を構成する磁性粒子42を微細化する効果が不十分となる。また、低ガス圧層3aのスパッタリングガス圧が上記範囲を超えると、形成する膜の結晶性が低下し、膜の硬度が低くなり、磁気記録媒体の信頼性が低下する。
次いで、低ガス圧層3a上に高ガス圧層3bを形成する(高ガス圧層を形成する工程)。高ガス圧層3bは、低ガス圧層3aを構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させたものである。
高ガス圧層3bは、層厚が低ガス圧層3aの層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有するものであり、低ガス圧層3a上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で形成する。
本実施形態においては、高ガス圧層3bがSiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内(上記酸化物の合計を体積%で表現する場合は、好ましくは1体積%〜10体積%の範囲内)で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有するものであるので、優れた配向性を有する配向制御層3が得られる。高ガス圧層3bに含まれる酸化物が2種類以上の酸化物からなる複合酸化物である場合、Cr−SiO、Cr−WOなどを好適に用いることができる。
高ガス圧層3b中の酸化物の含有量が上記範囲を超える場合、金属粒子中に酸化物が残留し、金属粒子の結晶性及び配向性を損ねるほか、配向制御層3上に形成された磁性層の結晶性及び配向性を損ねるおそれがあるため好ましくない。また、高ガス圧層3b中の酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、酸化物の添加による下記効果が十分に得られないため好ましくない。
すなわち、高ガス圧層3bは、上記のいずれか1種以上の酸化物を上記範囲内で含むものであるため、スパッタリング法により高ガス圧層3bを形成する際におけるスパッタリングガス圧を従来よりも低い4Pa〜12Paの範囲内としても、頂部にドーム状の凸部を有する柱状晶からなる高ガス圧層3bが得られ、従来と同等に結晶粒子が分離されたものが得られる。したがって、本実施形態においては、スパッタリングガス圧を高くすることによる硬度の低下を抑制でき、信頼性を向上させることができる。
高ガス圧層3bのスパッタリングガス圧が上記範囲未満であると、高ガス圧層3bの頂部に形成されるドーム状の凸部の形状が不良となり、静磁気特性が低下するため、配向制御層3の上に成長される垂直磁性層4の結晶粒子を分離して、垂直磁性層の磁性粒子を微細化する効果が十分に得られなくなり、良好なS/N比および熱揺らぎ特性が得られない。
また、高ガス圧層3bのスパッタリングガス圧が上記範囲を超えると、配向制御層3の配向の劣化による静磁気特性の低下が起こり、高ガス圧層3bの硬度が不十分となるとともに、良好な熱揺らぎ特性が得られない。
なお、高ガス圧層3bをスパッタリング法で成膜する際に用いるスパッタリングガスとしては、低ガス圧層3aをスパッタリング法で成膜する際に用いるスパッタリングガスと同様のものを用いることができる。
また、高ガス圧層3bは、上記のいずれか1種以上の酸化物を上記範囲内で含むものであるため、高ガス圧層3bの厚みを従来と比較して薄い4nm〜12nmの範囲内としても、頂部にドーム状の凸部を有する柱状晶からなる高ガス圧層3bが得られ、従来と同等に結晶粒子が分離されたものが得られる。したがって、本実施形態においては、高ガス圧層3bの厚みが薄く、記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が小さいものとなり、高密度記録に適した記録再生特性が得られる。
高ガス圧層3bの層厚が上記範囲未満であると、高ガス圧層3bの頂部に形成されるドーム状の凸部の形状が不良となり、高ガス圧層3bの結晶粒子の分離も不十分となり、結晶粒子の中に粒界へ出るべき酸化物等の不純物が残ってしまい、結晶磁気異方性(Ku)が低下して静磁気特性が低下するため、良好なS/N比および熱揺らぎ特性が得られない。
また、高ガス圧層3bの層厚が上記範囲を超えると、記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が大きくなり、高密度記録に適さない記録特性(OW)となる。また、高ガス圧層3bの層厚が上記範囲を超えると、高ガス圧層3bの配向が劣化して静磁気特性が低下し、熱揺らぎ特性が低下する。また、高ガス圧層3bの層厚が低ガス圧層3aの層厚を超えると、良好な傷付き耐性が得られない。
ここで、本実施形態の磁気記録媒体において、配向制御層を構成する結晶粒子と垂直磁性層を構成する磁性粒子との関係について図面を用いて説明する。
図2は、配向制御層と垂直磁性層との積層構造を説明するための拡大模式図であり、各層の柱状晶が基板面に対して垂直に成長した状態を示す断面図である。なお、図2においては、配向制御層を構成する低ガス圧層および高ガス圧層と垂直磁性層以外の部材の記載を省略して示している。
図2に示すように、低ガス圧層3a上には、低ガス圧層3aを構成する柱状晶S1の頂部をドーム状の凸とする凹凸面S1aが形成されている。低ガス圧層3aの凹凸面S1a上には、凹凸面S1aから厚み方向に高ガス圧層3bを構成する結晶粒子が柱状晶S2となって成長している。なお、高ガス圧層3bは、グラニュラー構造を有するものであるので、高ガス圧層3bを構成する柱状晶S2の周囲には酸化物15が形成されている。そして、高ガス圧層3bを構成する柱状晶S2の上には、垂直磁性層4の結晶粒子が柱状晶S3となって厚み方向に成長している。
このように、本実施形態の磁気記録媒体においては、低ガス圧層3aの柱状晶S1上に高ガス圧層3bの柱状晶S2と垂直磁性層4の柱状晶S3とが連続した柱状晶となってエピタキシャル成長する。なお、本実施形態においては、垂直磁性層が多層化されており、垂直磁性層の各層を構成する結晶粒子は、配向制御層から最上層の垂直磁性層に至るまで連続した柱状晶となってエピタキシャル成長を繰り返している。したがって、本実施形態においては、低ガス圧層3aを構成する結晶粒子を微細化し、柱状晶S1を高密度化することで、柱状晶S1の頂部から厚み方向に柱状に成長する高ガス圧層3bの柱状晶S2および垂直磁性層4の柱状晶S3も高密度化される。
「非磁性下地層」
本実施形態の磁気記録媒体においては、配向制御層3と垂直磁性層4の間に、非磁性下地層8が設けられている。なお、以下に示すように、配向制御層3と垂直磁性層4の間には、非磁性下地層8が設けられていることが好ましいが、非磁性下地層8が設けられていなくてもよい。すなわち、配向制御層3直上の垂直磁性層4の初期部には、結晶成長の乱れが生じやすく、これがノイズの原因となる。非磁性下地層8を設けることで、ノイズの発生を抑制できる。
また、非磁性下地層8は、スパッタリング法を用いて形成することが好ましい。このことにより、配向制御層3の低ガス圧層3aおよび高ガス圧層3bの柱状晶と連続した柱状晶として、非磁性下地層8を配向制御層3の高ガス圧層3b上に容易にエピタキシャル成長させることができる。
非磁性下地層8は、Crと酸化物とを含んだ材料からなるものであることが好ましい。Crの含有量は、25at%(原子%)以上50at%以下とすることが好ましい。酸化物としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましく、その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。酸化物の含有量としては、磁性粒子を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましい。
また、非磁性下地層8は、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。さらに、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr−SiO、CoCr−TiO−Cr、CoCr−Cr−TiO−SiOなどを好適に用いることができる。また、結晶成長の観点からPtを添加してもよい。
非磁性下地層8の厚みは、0.2nm以上3nm以下であることが好ましい。非磁性下地層8の厚さが3nmを超えると、Hc及びHnの低下が生じるために好ましくない。
「垂直磁性層」
非磁性下地層8の上には、垂直磁性層4が形成される。図1に示すように、垂直磁性層4は、非磁性基板1側から、下層の磁性層4aと、中層の磁性層4bと、上層の磁性層4cとの3層を含むものである。本実施形態の磁気記録媒体では、磁性層4aと磁性層4bとの間に下層の非磁性層7aを含み、磁性層4bと磁性層4cとの間に上層の非磁性層7bを含むことで、これら磁性層4a〜4cと非磁性層7a,7bとが交互に積層された構造を有している。各磁性層4a〜4c及び非磁性層7a,7bを構成する結晶粒子は、配向制御層3を構成する結晶粒子と共に、厚み方向に連続した柱状晶を形成している。
垂直磁性層4(磁性層4a〜4cおよび非磁性層7a,7b)は、スパッタリング法を用いて形成することが好ましい。このことにより、配向制御層3の低ガス圧層3aおよび高ガス圧層3bの柱状晶と連続した柱状晶として、垂直磁性層4を非磁性下地層8上に容易にエピタキシャル成長させることができる。
図3は、垂直磁性層を構成する磁性層と非磁性層との積層構造を拡大して示した断面図である。図3に示すように、垂直磁性層4を構成する磁性層4aは、グラニュラー構造の磁性層であり、Co、Cr、Ptを含む磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)42と、酸化物41とを含むものであることが好ましい。
酸化物41としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましい。その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。また、磁性層4aは、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。
磁性粒子42は、磁性層4a中に分散していることが好ましい。また、磁性粒子42は、磁性層4a,4b、更には磁性層4cを上下に貫いた柱状構造を形成していることが好ましい。このような構造を有することにより、磁性層4aの配向及び結晶性が良好なものとなり、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られる。
柱状構造の磁性粒子42を有する垂直磁性層4を得るためには、磁性層4aに含まれる酸化物41の含有量及び磁性層4aの成膜条件が重要となる。磁性層4aに含まれる酸化物41の含有量は、磁性粒子42を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましく、6mol%以上13mol%以下であることがより好ましい。
磁性層4a中の酸化物41の含有量として上記範囲が好ましいのは、磁性層4aを形成した際に磁性粒子42の周りに酸化物41が析出し、磁性粒子42の孤立化及び微細化が可能となるためである。一方、酸化物41の含有量が上記範囲を超えた場合には、酸化物41が磁性粒子42中に残留し、磁性粒子42の配向性及び結晶性を損ねたり、磁性粒子42の上下に酸化物41が析出して、磁性粒子42が磁性層4a〜4cを上下に貫いてなる柱状構造が形成されなくなったりするため好ましくない。また、酸化物41の含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の分離及び微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
磁性層4a中のCrの含有量は、4at%以上19at%以下(さらに好ましくは6at%以上17at%以下)であることが好ましい。磁性層4a中のCrの含有量を上記範囲とした場合、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを下げ過ぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られる。
一方、磁性層4a中のCrの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが小さくなるため、熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子42の結晶性及び配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。また、Crの含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが高くなるため、垂直保磁力が高くなり過ぎてデータを記録する際に、磁気ヘッドで十分に書き込むことができず、結果として高密度記録に適さない記録特性(OW)となるため好ましくない。
磁性層4a中のPtの含有量は、8at%以上20at%以下であることが好ましい。Ptの含有量が8at%未満であると、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るために垂直磁性層4に必要な磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。Ptの含有量が20at%を超えると、磁性粒子42の内部に積層欠陥が生じ、その結果、磁気異方性定数Kuが低くなる。また、Ptの含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子42中にfcc構造の層が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。したがって、高密度記録に適した熱揺らぎ特性及び記録再生特性を得るためには、磁性層4a中Ptの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
磁性層4aの磁性粒子42には、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素が含まれていてもよい。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、磁性粒子42中に含まれるCo、Cr、Ptの他の上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。上記元素の合計の含有量が8at%を超えると、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
磁性層4aに適した材料としては、例えば、90(Co14Cr18Pt)−10(SiO){Cr含有量14at%、Pt含有量18at%、残部Coからなる磁性粒子を1つの化合物として算出したモル濃度が90mol%、SiOからなる酸化物組成が10mol%}、92(Co10Cr16Pt)−8(SiO)、94(Co8Cr14Pt4Nb)−6(Cr)の他、(CoCrPt)−(Ta)、(CoCrPt)−(Cr)−(TiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)−(TiO)、(CoCrPtMo)−(TiO)、(CoCrPtW)−(TiO)、(CoCrPtB)−(Al)、(CoCrPtTaNd)−(MgO)、(CoCrPtBCu)−(Y)、(CoCrPtRu)−(SiO)などを挙げることができる。
図3に示すように、垂直磁性層4を構成する磁性層4bも磁性層4aと同様に、グラニュラー構造の磁性層であり、Co、Cr、Ptを含む磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)42と、酸化物41とを含むものであることが好ましい。
酸化物41は、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coの酸化物であることが好ましい。中でも特に、TiO、Cr、SiOを酸化物41として好適に用いることができる。また、磁性層4bを構成する酸化物41は、2種類以上の酸化物からなる複合酸化物であることが好ましい。中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどからなる複合酸化物を酸化物41として好適に用いることができる。
磁性層4bを構成する磁性粒子42は、磁性層4b中に分散していることが好ましい。磁性粒子42は、磁性層4a,4b、更には磁性層4cを上下に貫いた柱状構造を形成していることが好ましい。このような構造を形成することにより、磁性層4bの磁性粒子42の配向及び結晶性が良好なものとなり、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られる。
磁性層4b中の酸化物41の含有量は、磁性粒子42を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の化合物の総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましく、さらに好ましくは6mol%以上13mol%以下である。磁性層4b中の酸化物41の含有量として上記範囲が好ましい理由は、垂直磁性層4を構成する磁性層4a中の酸化物41の含有量と同じである。
磁性層4b中のCrの含有量は、4at%以上18at%以下(さらに好ましくは8at%以上15at%以下)であることが好ましい。Crの含有量を上記範囲としたのは、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを下げ過ぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。
一方、磁性層4b中のCrの含有量が上記範囲を超えた場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが小さくなるため、熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子42の結晶性及び配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。また、Crの含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが高くなるため、垂直保磁力が高くなり過ぎてデータを記録する際に、磁気ヘッドで十分に書き込むことができず、結果として高密度記録に適さない記録特性(OW)となるため好ましくない。
磁性層4b中のPtの含有量は、10at%以上22at%以下であることが好ましい。Ptの含有量が10at%未満であると、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るために垂直磁性層4に必要な磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。Ptの含有量が22at%を超えると、磁性粒子42の内部に積層欠陥が生じ、その結果、磁気異方性定数Kuが低くなる。また、Ptの含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子42中にfcc構造の層が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。したがって、高密度記録に適した熱揺らぎ特性及び記録再生特性を得るためには、磁性層4b中Ptの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
磁性層4bの磁性粒子42には、磁性層4aの磁性粒子42と同様に、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素が含まれていてもよい。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、磁性層4bの磁性粒子42中に含まれるCo、Cr、Ptの他の上記元素の合計の含有量は、磁性層4aの磁性粒子42と同様の理由により、8at%以下であることが好ましい。
垂直磁性層4を構成する磁性層4cは、図3に示すように、Co、Crを含む磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)42を含み、酸化物41を含まないものであることが好ましい。磁性層4c中の磁性粒子42は、磁性層4a中の磁性粒子42から柱状にエピタキシャル成長しているものであることが好ましい。この場合、磁性層4a〜4cの磁性粒子42が、各層において1対1に対応して、柱状にエピタキシャル成長することが好ましい。また、磁性層4bの磁性粒子42が磁性層4a中の磁性粒子42からエピタキシャル成長していることで、磁性層4bの磁性粒子42が微細化され、さらに結晶性及び配向性が向上したものとなる。
磁性層4c中のCrの含有量は、10at%以上24at%以下であることが好ましい。Crの含有量を上記範囲とすることで、データの再生時における出力を十分確保でき、更に良好な熱揺らぎ特性を得ることができる。一方、Crの含有量が上記範囲を超える場合、磁性層4cの磁化が小さくなり過ぎるため好ましくない。また、Cr含有量が上記範囲未満である場合には、磁性粒子42の分離及び微細化が十分に生じず、記録再生時のノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
また、磁性層4cを構成する磁性粒子42が、Co、Crの他にPtを含んだ材料である場合、磁性層4c中のPtの含有量は、8at%以上20at%以下であることが好ましい。Ptの含有量が上記範囲である場合、高記録密度に適した十分な保磁力を得ることができ、更に記録再生時における高い再生出力を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性および熱揺らぎ特性が得られる。一方、磁性層4c中のPtの含有量が上記範囲を超えると、磁性層4c中にfcc構造の相が形成され、結晶性及び配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。また、Ptの含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るための磁気異方性定数Kuが得られないため好ましくない。
磁性層4cを構成する磁性粒子42は、非グラニュラー構造の磁性層であり、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Mnの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子42の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
また、磁性層4cの磁性粒子42中に含まれるCo、Cr、Ptの他の上記元素の合計の含有量は、16at%以下であることが好ましい。上記元素の合計の含有量が16at%を超えると、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
磁性層4cに適した材料としては、特に、CoCrPt系、CoCrPtB系を挙げることできる。CoCrPtB系としては、CrとBとの合計の含有量が18at%以上28at%以下であるものが好ましい。
磁性層4cに適した材料としては、例えば、CoCrPt系では、Co14〜24Cr8〜22Pt{Cr含有量14〜24at%、Pt含有量8〜22at%、残部Co}、CoCrPtB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt0〜16B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、B含有量0〜16at%、残部Co}が好ましい。その他の系としては、CoCrPtTa系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、残部Co}、CoCrPtTaB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta1〜10B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、B含有量1〜10at%、残部Co}の他にも、CoCrPtBNd系、CoCrPtTaNd系、CoCrPtNb系、CoCrPtBW系、CoCrPtMo系、CoCrPtCuRu系、CoCrPtRe系などの材料を挙げることができる。
垂直磁性層4の垂直保磁力(Hc)は、3000[Oe]以上とすることが好ましい。保磁力が3000[Oe]未満である場合には、記録再生特性、特に周波数特性が不良となり、また、熱揺らぎ特性も悪くなるため、高密度記録媒体として好ましくない。
垂直磁性層4の逆磁区核形成磁界(−Hn)は、1500[Oe]以上であることが好ましい。逆磁区核形成磁界(−Hn)が1500[Oe]未満である場合には、熱揺らぎ耐性に劣るため好ましくない。
垂直磁性層4を構成する磁性粒子42の平均粒径は3〜12nmであることが好ましい。磁性粒子42の平均粒径は、例えば垂直磁性層4をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、観察像を画像処理することにより求めることができる。
垂直磁性層4の厚みは、5〜20nmとすることが好ましい。垂直磁性層4の厚みが上記未満であると、十分な再生出力が得られず、熱揺らぎ特性も低下する。また、垂直磁性層4の厚さが上記範囲を超えると、垂直磁性層4中の磁性粒子42の肥大化が生じ、記録再生時におけるノイズが増大し、信号/ノイズ比(S/N比)や記録特性(OW)に代表される記録再生特性が悪化するため好ましくない。
本発明では、垂直磁性層4を構成する複数の磁性層4a,4b、4cのうち、非磁性基板1側の磁性層4aをグラニュラー構造の磁性層とし、保護層5側の磁性層4cを、酸化物を含まない非グラニュラー構造の磁性層とすることが好ましい。このような構成とすることにより、磁気記録媒体の熱揺らぎ特性、記録特性(OW)、S/N比等の各特性の制御・調整をより容易に行うことが可能となる。
また、本発明では、上記垂直磁性層4を4層以上の磁性層で構成することも可能である。例えば、上記磁性層4a,4bに加えて、さらにグラニュラー構造の磁性層を形成し、これら3層のグラニュラー構造の磁性層の上に、酸化物を含まない磁性層4cを設けた構成としてもよいし、酸化物を含まない磁性層4cを2層構造として、磁性層4a,4bの上に設けた構成としてもよい。
また、本発明では、垂直磁性層4を構成する複数の磁性層間に非磁性層7(図1および図3では符号7a,7bで示す)を設けることが好ましい。非磁性層7を適度な厚みで設けることで、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができる。その結果S/N比をより向上させることが可能である。
非磁性層7の厚みは、垂直磁性層4を構成する各層の静磁結合を完全に切断しない範囲、具体的には0.1nm以上2nm以下(より好ましくは0.1以上0.8nm以下)とすることが好ましい。
本発明の3層以上の磁性層4a,4b,4cが強磁性結合(フェロ・カップリング結合、以下、FC結合と呼ぶ。)し、また、静磁結合が完全に切れた際には、M−Hループが2段階に反転するループになるために、容易に判別可能である。この2段ループが生じた場合は、磁気ヘッドからの磁界に対して磁気グレインが一斉に反転しないことを意味しており、その結果再生時のS/N比の著しい悪化や分解能の低下が生じるため好ましくない。
非磁性層7としてRu又はRu合金を用いた場合には、0.6nm以上1.2nm以下の範囲でAFC結合が生じる。本発明においては、AFC結合ではなく各磁性層4a,4b,4cがFCで静磁結合していることが必須である。
垂直磁性層4を構成する磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7としては、hcp構造を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、Ru、Ru合金、CoCr合金、CoCrX合金(Xは、Pt、Ta、Zr、Re,Ru、Cu、Nb、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、W、Mo、Ti、V、Zr、Bの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す)などを好適に用いることができる。
垂直磁性層4を構成する磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7として、CoCr系合金を用いる場合には、Coの含有量は、30〜80at%の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、磁性層間のカップリングを小さく調整することが可能であるからである。
また、磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7として、hcp構造を有する合金を用いる場合、例えばRu、Re、Ti、Y、Hf、Znなどの合金も用いることができる。
また、垂直磁性層4を構成する磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7として、その上下の磁性層の結晶性や配向性を損ねない範囲で、他の構造をとる金属や合金などを使用することもできる。具体的には、例えば、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Ir、Mo、W、Ta、Nb、V、Bi、Sn、Si、Al、C、B、Cr又はそれらの合金を用いることができる。特に、Cr合金としては、CrX(Xは、Ti、W、Mo、Nb、Ta、Si、Al、B、C、Zrの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す。)などを好適に用いることが可能である。Cr合金中のCrの含有量は60at%以上とすることが好ましい。
また、垂直磁性層4を構成する磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7としては、上記合金の金属粒子が酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物中に分散した構造のものを用いることが好ましい。さらに、この金属粒子が非磁性層7を上下に貫いた柱状構造を有することがより好ましい。このような構造とするためには、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物を含んだ合金材料を使用することが好ましい。具体的には、酸化物として、例えば、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiOなど、金属窒化物として、例えば、AlN、Si、TaN、CrNなど、金属炭化物として、例えば、TaC、BC、SiCなどをそれぞれ用いることができる。さらに、例えば、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr、CoCrPt−Ta、Ru−SiO、Ru−Si、Pd−TaCなどを用いることができる。
垂直磁性層4を構成する磁性層4a,4b,4c間に設ける非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量としては、垂直磁性膜4の結晶成長や結晶配向を損なわない含有量であることが好ましく、非磁性層7を構成する合金に対して、4mol%以上30mol%以下であることが好ましい。
この非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲を超える場合、合金の金属粒子中に酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が残留し、金属粒子の結晶性や配向性を損ねるほか、金属粒子の上下にも酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が析出してしまい、金属粒子が非磁性層7を上下に貫く柱状構造となりにくくなり、この非磁性層7の上に形成された磁性層の結晶性や配向性を損ねるおそれがあるため好ましくない。一方、この非磁性層7中の酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の含有量が上記範囲未満である場合には、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の添加による効果が得られないため好ましくない。
「保護層」
垂直磁性層4上には保護層5が形成される。保護層5は、垂直磁性層4の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが磁気記録媒体に接触したときの媒体表面の損傷を防ぐためのものである。保護層5としては、従来公知の材料を使用することができ、例えばC、SiO、ZrOを含むものを使用することが可能である。保護層5の厚みは、1〜10nmとすることが、磁気ヘッドと磁気記録媒体との距離を小さくできるので高記録密度の点から好ましい。保護層5は、例えば、CVD(化学気相成長)法などを用いて形成される。
「潤滑層」
保護層5上には潤滑層6が形成される。潤滑層6には、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を用いることが好ましい。潤滑層6は、例えば、ディッピング法などを用いて形成される。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、配向制御層3を積層する工程が、スパッタリング法により、スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなる低ガス圧層3aを形成する工程と、低ガス圧層3a上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が低ガス圧層3aの層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層3bを形成する工程とを備え、垂直磁性層4を積層する工程が、配向制御層3を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させる工程を備えるので、2段成膜を用いて配向制御層3および配向制御層3の上に成長される垂直磁性層4の磁性粒子を微細化することができ、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)、記録特性(OW)、及び熱揺らぎ特性が得られる磁気記録媒を製造できる。
しかも、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、従来の2段成膜を用いた場合と比較して、高ガス圧層を形成する工程におけるスパッタリングガス圧を低くすることができるので、従来の2段成膜を用いた場合と比較して、膜の硬度を高めることができる。したがって、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、表面の傷付き耐性に優れ、高い信頼性を有する磁気記録媒体が得られる。
(磁気記録再生装置)
図4は、本発明を適用した磁気記録再生装置の一例を示すものである。
この磁気記録再生装置は、図1に示す構成を有する磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50を回転駆動させる媒体駆動部51と、磁気記録媒体50に情報を記録再生する磁気ヘッド52と、この磁気ヘッド52を磁気記録媒体50に対して相対運動させるヘッド駆動部53と、記録再生信号処理系54とを備えている。
記録再生信号処理系54は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド52に送り、磁気ヘッド52からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能となっている。本発明を適用した磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド52には、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
図4に示す磁気記録再生装置は、本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された図1に示す磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッド52とを備えるものであるので、更なる高記録密度化を可能とした信頼性の高い磁気記録媒体50を備えた優れたものとなる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1〜5、比較例1〜26)
以下に示す製造方法により、実施例1〜5、比較例1〜26の磁気記録媒体を作製し、評価した。
まず、洗浄済みのガラス基板(コニカミノルタ社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3040)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した後、このガラス基板の上に、Crターゲットを用いて層厚10nmの密着層を成膜した。
このようにして得られた密着層の上に、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Fe含有量20at%、Zr含有量5at%、Ta含有量5at%、残部Co}のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で、層厚25nmの軟磁性層を成膜し、この上にRu層を層厚0.7nmで成膜し、さらにCo−20Fe−5Zr−5Taの軟磁性層を層厚25nmで成膜し、これを軟磁性下地層とした。
次に、軟磁性下地層の上に配向制御層として、低ガス圧層と高ガス圧層とを形成した。
まず、軟磁性下地層の上に、表1および表2に示すスパッタリングガス圧(ガス圧)で、表1および表2に示す層厚のRuからなる低ガス圧層を形成した。
次に、低ガス圧層の上に、表1および表2に示すスパッタリングガス圧(ガス圧)、表1および表2に示す層厚で、表1および表2に示す含有量で表1および表2に示す添加物を含むRuからなる高ガス圧層を形成した。
Figure 2011123976
Figure 2011123976
その後、配向制御層上に、垂直磁性層を形成した。
まず、配向制御層の高ガス圧層上に、(Co15Cr16Pt)91−(SiO)6−(TiO)3{Cr含有量15at%、Pt含有量18at%、残部Coの合金を91mol%、SiOからなる酸化物を6mol%、Crからなる酸化物を3mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}の組成の磁性層を、スパッタリングガス圧を2Paとして層厚9nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、(Co30Cr)88−(TiO)12からなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、(Co11Cr18Pt)92−(SiO)5−(TiO)3からなる磁性層を、スパッタリングガス圧を2Paとして層厚6nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、Ruからなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、Co20Cr14Pt3B{Cr含有量20at%、Pt含有量14at%、B含有量3at%、残部Co}からなるターゲットを用いて、スパッタリングガス圧を0.6Paとして磁性層を層厚7nmで成膜した。
次に、CVD法により層厚3.0nmの保護層を成膜し、次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を成膜し、実施例1〜5、比較例1〜26の磁気記録媒体を作製した。
このようにして得られた実施例1〜5、比較例1〜26の磁気記録媒体について、米国GUZIK社製のリードライトアナライザRWA1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性として信号/ノイズ比(S/N比)、記録特性(OW)、及び熱揺らぎ特性の各評価を行った。その結果を表1および表2に示す。
なお、磁気ヘッドには、書き込み側にシングルポール磁極を用い、読み出し側にTMR素子を用いたヘッドを使用した。
信号/ノイズ比(S/N比)については、記録密度750kFCIとして測定した。
記録特性(OW)については、先ず、750kFCIの信号を書き込み、次いで100kFCIの信号を上書し、周波数フィルターにより高周波成分を取り出し、その残留割合によりデータの書き込み能力を評価した。
熱揺らぎ特性については、70℃の条件下で記録密度50kFCIにて書き込みを行った後、書き込み後1秒後の再生出力に対する出力の減衰率(%)を、下記(式1)を用いて算出した。
(So−S)×100/(So)…(式1)
なお、(式1)中において、Soは書き込み後、1秒経過時の再生出力、Sは10000秒後の再生出力を表す。
また、実施例1〜5、比較例1〜26の磁気記録媒体について、配向制御層を構成する膜の硬度の評価として、磁気記録媒体の傷付き(スクラッチ)耐性を評価した。具体的には、クボタコンプス社製のSAFテスター及びCandela社製の光学式表面検査装置(OSA)を用い、ディスクの回転数5000rpm、気圧100Torr、室温という測定条件にて、SAFテスターでヘッドをロードさせたまま2000秒保持し、その後に、OSAにてスクラッチの本数をカウントした。その結果を表1および表2に示す。
表1に示すように実施例1〜5の磁気記録媒体は、いずれもS/N比が16.4dB以上、記録特性(OW)が36.8dB以上、熱揺らぎが0.5%以下であり、良好であった。また、実施例1〜5の磁気記録媒体は、いずれもスクラッチ数が1000以下であり、傷付き耐性が高かった。
これに対し、表2に示すように比較例1〜8の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれておらず、高ガス圧層がグラニュラー構造を有していない。このため、比較例1〜4、6〜8の磁気記録媒体は、低ガス圧層の層厚およびガス圧、高ガス圧層の層厚およびガス圧が本発明の範囲内であっても、S/N比、OW、熱揺らぎ、スクラッチ数のいずれかが不良であった。また、比較例5の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれておらず、高ガス圧層のガス圧が低すぎるため、OWおよび傷付き耐性は良好であったが、S/N比および熱揺らぎが不良であった。
また、比較例1〜5より、低ガス圧層の層厚およびガス圧、高ガス圧層の層厚が同じであり、高ガス圧層がグラニュラー構造を有していない場合、高ガス圧層のガス圧を低くすると、S/N比および熱揺らぎが不良となり、高ガス圧層のガス圧を高くすると、OWおよび傷付き耐性が不良になることが分かる。
また、比較例1、6〜8より、低ガス圧層の層厚およびガス圧、高ガス圧層のガス圧が同じであり、高ガス圧層がグラニュラー構造を有していない場合、高ガス圧層の層厚を薄くすると、S/N比および熱揺らぎが不良となり、高ガス圧層の層厚を厚くすると、OWおよび傷付き耐性が不良になることが分かる。
また、比較例9〜12の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれているが、高ガス圧層のガス圧が低すぎるため、OWおよび傷付き耐性は良好であったが、S/N比および熱揺らぎが不良であった。しかし、比較例9〜12の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれていない比較例5と比較して、S/N比および熱揺らぎが良好であり、比較例9〜12より、高ガス圧層に含まれている添加物の含有量が多いものほど、S/N比および熱揺らぎが良好となっている。
比較例13および比較例14の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれているが、比較例13の磁気記録媒体は、高ガス圧層の層厚が厚いため、高ガス圧層3bの配向が劣化して静磁気特性が低下し、熱揺らぎが不良になっているとともに、傷付き耐性が不良となっている。また、比較例14の磁気記録媒体は、高ガス圧層の層厚が薄いため、S/N比および熱揺らぎが不良であった。
比較例15の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれているが、高ガス圧層のガス圧が高いため、配向の劣化による静磁気特性の低下が起こり、OW、熱揺らぎおよび傷付き耐性が不良となった。
比較例16および比較例17の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれているが、比較例16の磁気記録媒体は、低ガス圧層の層厚が厚いため、OWが不良となった。
比較例17、18の磁気記録媒体は、低ガス圧層の層厚が薄いため、配向制御層を構成する低ガス圧層の割合が少なく、S/N比、傷付き耐性が不良となった。
また、比較例19の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれておらず、低ガス圧層の層厚が厚いため、OWおよび傷付き耐性が不良となった。
比較例20の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれておらず、低ガス圧層のガス圧が高いため、低ガス圧層を構成するRu(001)配向が劣化し、OWおよび傷付き耐性が不良となった。
比較例21の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれておらず、低ガス圧層に添加物としてSiOが含まれているため、配向制御層の配向が劣化し、OWは良好であったが、静磁気特性が劣化してS/N比が不良となり、熱揺らぎおよび傷付き耐性も不良となった。
比較例22〜26の磁気記録媒体は、高ガス圧層に添加物が含まれているが、高ガス圧層のガス圧が低いため、OWおよび傷付き耐性は良好であったが、静磁気特性が劣化してS/N比および熱揺らぎが不良となった。
また、比較例22と比較例5とを比較すると、比較例22は高ガス圧層に含まれる添加物の量が少ないため、高ガス圧層に添加物が含まれていない比較例5とのS/N比、OW、熱揺らぎ、スクラッチ数の差が小さかった。
また、比較例23、24に示すように、高ガス圧層に含まれる添加物の量が多くても、高ガス圧層のガス圧が低いと、S/N比および熱揺らぎが不良となる。
また、比較例25、26に示すように、高ガス圧層に含まれる添加物を代えても、高ガス圧層のガス圧が低い場合、S/N比および熱揺らぎが不良となる。
1…非磁性基板、2…軟磁性下地層、3…配向制御層、3a…低ガス圧層、3b…高ガス圧層、4…垂直磁性層、4a…下層の磁性層、4b…中層の磁性層、4c…上層の磁性層、5…保護層、6…潤滑層、7…非磁性層、7a…下層の非磁性層、7b…上層の非磁性層、8…非磁性下地層、15…酸化物、S1、S2、S3…柱状晶、S1a…凹凸面、41…酸化物、42…磁性粒子、50…磁気記録媒体、51…媒体駆動部、52…磁気ヘッド、53…ヘッド駆動部、54…記録再生信号処理系。

Claims (3)

  1. 非磁性基板の上に軟磁性下地層を形成する工程と、直上の層の配向性を制御する配向制御層を形成する工程と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層を形成する工程とを、少なくとも備える磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記配向制御層を積層する工程が、スパッタリング法により、スパッタリングガス圧0.6Pa〜1.2Paの範囲内で、層厚8nm〜12nmの範囲内のRu又はRuを主成分とする材料からなる低ガス圧層を形成する工程と、
    前記低ガス圧層上にスパッタリング法により、スパッタリングガス圧4Pa〜12Paの範囲内で、層厚が前記低ガス圧層の層厚以下で4nm〜12nmの範囲内であり、SiO、Cr、WO、Al、TiO、Taの何れか1種以上の酸化物を合計で0.5mol%〜3mol%の範囲内で含むRuを主成分とする材料からなるグラニュラー構造を有する高ガス圧層を形成する工程とを備え、
    前記垂直磁性層を積層する工程が、前記配向制御層を構成する結晶粒子と共に厚み方向に連続した柱状晶を形成するように結晶粒子を結晶成長させる工程を備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記垂直磁性層を積層する工程が、スパッタリング法により垂直磁性層を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の製造方法により製造された磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
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