JP2007172704A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性結晶粒子の粒径を微細化し、かつ磁性結晶粒子の結晶配向性を向上せしめ、良好なSNR特性を有し、高密度記録が可能な磁気記録媒体を得る。
【解決手段】基板1上に形成された軟磁性層2と、面配向したCuからなる結晶粒子を含有する第1の下地層3と、Cu下地層3上にCuと窒素を主成分とする第2の下地層4とを含む多層下地層を設ける。該多層下地層上に形成され、コバルトを主成分とし、実質的に面配向下六方細密構造を持つ結晶粒子を含む垂直磁気記録層5を具備することを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置に関する。
コンピュータを中心に利用されている情報記録、再生を行う磁気記憶装置(HDD)は、その大容量、安価性、データアクセスの速さ、データ保持の信頼性などの理由により、家庭用ビデオデッキ、オーディオ機器、車載ナビゲーションシステムなど様々な分野で利用されている。HDDの利用の幅が広がるにつれ、その記憶容量の高密度化の要求も増し、近年、HDDの高密度化開発はますます激しさを増している。
現在、市販の磁気記録再生装置には、面内磁気記録方式が利用されている。この方式では、情報を記録する垂直磁気記録層を構成する磁性結晶粒子が、基板に対して平行方向にその磁化容易軸をもつ。ここで、磁化容易軸とは、磁化の方向が向きやすい軸のことであり、Co系合金の場合、Coの六方最密構造(hcp)の(0001)面の法線に平行な方向である。面内磁気記録媒体では、記録密度を高めるため記録ビットを小さくすることに対応して、磁性層の磁化反転単位径が小さくなりすぎ、その情報が熱的に消去されるいわゆる熱ゆらぎ効果によって、記録再生特性が悪化する可能性がある。さらに、高密度化につれ、記録ビット間の境界領域で発生する反磁界の影響により媒体から発生するノイズが増大する傾向がある。
これに対し、垂直磁気記録層中の磁化容易軸が、基板に対して略垂直方向に配向した、いわゆる垂直磁気記録方式は、高密度化の際にも記録ビット間の反磁界の影響が少なく、また高密度化においても静磁気的に安定である。このため、垂直磁気記録方式は、面内記録方式に変わる技術として、近年大きな注目を集めている。垂直磁気記録媒体は、一般に、基板と、垂直磁気記録層の磁性結晶粒子を(0001)面配向させ、かつその配向分散を低減する配向制御下地層と、硬質磁性材料を含む垂直磁気記録層と、垂直磁気記録層の表面を保護する保護層から形成されている。さらに、基板と配向制御下地層との間に、記録時に磁気ヘッドから発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性層が設けられる。
垂直磁気記録媒体においても、記録密度の高密度化には、熱安定性を保ちながら低ノイズ化を実現する必要がある。ノイズ低減法としては、記録層の磁性結晶粒子そのものの大きさを微細化する方法が一般に用いられている。
この磁気的相互作用を低減させる方策として、記録層にSiO等を添加することにより、磁性結晶粒子と、この磁性結晶粒子を取り囲むこれらの添加物からなる粒界領域とから構成されるグラニュラ構造を有する垂直磁気記録層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの手法のみでは記録層の磁性結晶粒子の微細化、及び磁気的分断が不十分である。このため、これらの手法に加えて、近年、下地層にもSiO等を添加し、下地層の結晶粒子径を微細化させることによって、垂直磁気記録層の結晶粒子径をさらに微細化させる技術が公開されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このような方法で下地層の結晶粒子を微細化させると、一般に、下地層結晶粒子の結晶性及び配向性が劣化するため、その影響で垂直磁気記録層の結晶粒子の結晶性、及び(0001)面配向性が劣化し、その結果、信号対ノイズ比(SNR)が低下してしまうという問題が生じていた。
特開2002−83411号公報 特開2003−36525号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁性結晶粒子の平均粒径を微細化せしめ、かつ磁性結晶粒子の結晶配向性を向上させることにより、良好な信号対ノイズ比(SNR)特性を有し、高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体、及びこれを用いた磁気記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、基板と、
該基板上に形成された軟磁性層と、
該軟磁性層上に形成され、銅を主成分とし、実質的に(111)面配向した面心立方格子構造をもつ結晶粒子を含有する第1の下地層、及び該第1の下地層上に形成された銅及び窒素を主成分とする第2の下地層を含む多層下地層と、
該多層下地層上に形成され、コバルトを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密構造をもつ結晶粒子を含む垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
本発明は、第2に、基板、
該基板上に形成された軟磁性層、
該軟磁性層上に形成され、銅を主成分とし、実質的に(111)面配向した面心立方格子構造をもつ結晶粒子を含有する第1の下地層、及び該第1の下地層上に形成された銅及び窒素を主成分とする第2の下地層を含む多層下地層、及び
該多層下地層上に形成され、コバルトを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密構造をもつ結晶粒子を含む垂直磁気記録層を具備する磁気記録媒体と、
記録再生ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
本発明によれば、垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の粒径が微細化され、さらに磁性結晶粒子の配向性が向上し、良好なSNR特性を示す磁気記録媒体が得られ、高密度記録が可能となる。
本発明の磁気記録媒体は、基板と、基板上に形成された軟磁性層と、軟磁性層上に形成された多層下地層と、多層下地層上に形成された垂直磁気記録層とを有し、
垂直磁気記録層は、Coを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密構造をもつ結晶粒子を含み、
多層下地層は、Cuを主成分とし、実質的に(111)面配向した面心立方格子構造をもつ結晶粒子を含有する第1の下地層、及び第1の下地層上に形成されたCu及び窒素を主成分とする第2の下地層を含む。
また、本発明の磁気記録再生装置は、上述の垂直磁気記録媒体と記録再生ヘッドとを有する。
なお、ここで、本発明で使用される主成分とは、その材料に含まれる成分のうち、最も含有量の多い成分、またはその含有量が上位を占める成分群をいう。
図1は、本発明に係る磁気記録媒体の第1の例を表す断面図を示す。
図示するように、この磁気記録媒体10は、基板1上に、軟磁性層2と、第1の下地層3及び第2の下地層4からなる多層下地層7と、垂直磁気記録層5とが順に積層された構造を有する。
下地層3は、Cuを主成分とし、実質的に(111)面配向した面心立方格子(fcc)構造をもつ結晶粒子を含む。第2の下地層4は、Cu及び窒素を主成分とする。垂直磁気記録層5は、Coを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密充填(hcp)構造を取る結晶粒子を含む。
本発明の垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層としては、各磁性結晶粒子を非磁性物質の粒界領域が取り囲んだ、いわゆるグラニュラ構造をもつものを用いることができる。垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の周囲に非磁性の粒界領域を形成させることで、磁性結晶粒子間の交換相互作用を低減させることができるため、記録・再生特性における遷移性ノイズを低減させることができる。
垂直磁気記録層の磁性結晶粒子材料としては、実質的に(0001)面配向した、Coを主成分とするhcp構造の合金材料が使用される。hcp構造のCo合金結晶粒子が(0001)面配向していると、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向に配向する。好ましくは、例えばCo−CrやCo−Pt系の合金材料を使用し得る。これらの合金は、高い結晶磁気異方性エネルギーを有しているため熱揺らぎ耐性が高くなる傾向がある。これらの合金材料に、磁気特性を改善する目的で、必要に応じて、Ta、Cu,B,Cr,及びNdといった添加元素を加えることができる。
より好ましくは、垂直磁気記録層の磁性結晶粒子材料として、CoCrPt,CoCrPtB,CoCrPtTa,CoCrPtNd,CoCrPtCu等を使用することができる。
粒界領域を構成する材料としては、酸化物、窒化物、及び炭化物等の化合物を好ましく使用し得る。これらの化合物は、上述の磁性結晶粒子材料とほとんど固溶しないため析出しやすい。具体的には、SiO,TiO,CrO,AlO,MgO,TaO,YO,TiN,CrN,SiN,AlN,TaN,SiC,TiC,TaC等が挙げられる。
粒界領域を構成する材料は、結晶質であっても、非晶質であっても構わない。
粒界領域を構成する材料は、磁性結晶粒子材料に対し、分子数比で1%ないし50%添加することが好ましい。1%未満であると、磁性結晶粒子間の磁気的分断が不十分となる傾向があり、50%を超えると、磁性結晶粒子の(0001)配向性が低下する傾向がある。
垂直磁気記録層が、グラニュラ構造を形成しているかどうかは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて垂直磁気記録層平面を観察することで確認できる。また、エネルギー分散型X線分析(EDX)を併用すれば、結晶粒子部及び粒界領域部の元素の同定及びその組成を評価することができる。
垂直磁気記録層は、必要に応じて二層以上の多層構造にすることができる。その場合、少なくとも一層が、Coを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密構造をもつ結晶粒子を含む磁性層であることが好ましく、より好ましくはグラニュラ構造を有する磁性層である。
垂直磁気記録層の結晶粒子径を微細化させる方法としては、前述したように、垂直磁気記録層に前述のSiO等を添加する方法に加え、下地層にもSiO等を添加し、下地層の結晶粒子径を微細化することにより、記録層の結晶粒子径をさらに微細化する手法が用いられているが、その微細化効果は現在、限界に達してきている。さらに、このような方法で下地層結晶粒子を微細化させると、一般に、下地層結晶粒子の結晶性、特に配向性が劣化するため、結果として垂直磁気記録層の(0001)面配向性が劣化し、磁気特性及び記録・再生特性が低下するという問題がある。
このようなことから、発明者らは種々検討した結果、Cuを主成分として含む(111)面配向した面心立方格子構造をもつ第1の下地層上に、第2の下地層として、Cu及び窒素を主成分とするCuを改質した層を薄く形成することにより、垂直磁気記録層の平均結晶粒子径を微細化でき、かつ垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の(0001)面配向性を向上させることができることを見出した。
本発明の手法は、第1の下地層のCu結晶粒子そのものを微細化する手法ではないため、Cu下地層の結晶性を劣化させることなく、その結果垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の(0001)面配向性を向上させることができる。このため、記録・再生特性を十分に向上させることが出来る。
各層の結晶粒子の配向面は、例えば一般的なX線回折装置(XRD)を用いて、いわゆるθ―2θ法によって評価することが出来る。また、その配向分散はロッキングカーブの半値幅△θ50によって評価することが出来る。
Cu下地層成膜前and/or成膜後に、基板加熱を行うと、Cu結晶粒子の(111)面配向性が向上し、好ましい場合がある。
Cu及び窒素を主成分とする第2の下地層をCu主成分とする第1の下地層上に形成する方法としては、Cu下地層を成膜後、Cu層表面を窒素プラズマや窒素ラジカル中に曝露することにより、Cu下地層の表面領域に、Cuに窒素を導入した改質層を形成する方法が挙げられる。この他、Cu層表面を窒素雰囲気中で軽くスパッタリングいわゆる逆スパッタリングすることもできる。
Cu下地層の表面領域に、Cuと窒素を主成分とする第2の下地層が存在しているかどうかは、例えばTEMを用いた媒体断面観察とEDXを併用することによって確認できる。このほか、二次イオン質量分析(SIMS)、ラザフォード後方散乱(RBS)、X線光電子分光(XPS)、及びオージェ電子分光(AES)や3次元アトムプローブ法などの分析手段でも確認することが出来る。
第2の下地層の厚さは、例えばTEMを用いて媒体断面を観察することによって確認できる。Cuと窒素を主成分とする第2の下地層が形成されると、例えば第1の下地層としてのCu下地層の部分と、第2の下地層としての改質層の部分とで、組成及び結晶性が異なることから、断面TEM像において両層間にコントラスト差が生じるため、Cuと窒素を主成分とする第2の下地層の部分の厚さを評価することが出来る。
また、第1の下地層と基板との間に、高透磁率な軟磁性層を設けることにより、軟磁性層上に垂直磁気記録層を有するいわゆる垂直二層媒体が構成される。この垂直二層媒体において、軟磁性層は、垂直磁垂直磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
このような軟磁性層に用いられる材料として、例えばCoZrNb,FeSiAl,FeTaC,CoTaC,NiFe,Fe,FeCoB,FeCoN,FeTaN,及びCoIr等があげられる。
軟磁性層は、二層以上の多層膜を使用することが出来る。その場合、材料、組成、膜厚が異なる層を使用することができる。また、例えば二層の軟磁性層の間に薄いRu層を挟んで積層させた三層構造とすることができる。
また、軟磁性層と基板との間に、例えば面内硬磁性膜及び反強磁性膜等のバイアス付与 層を設けることができる。
図2に、本発明に係る磁気記録媒体の第2の例を表す断面図を示す。
図示するように、この磁気記録媒体20は、基板1と、軟磁性層2との間にバイアス付与層8が設けられていること以外は、図1と同様の構造を有する。
軟磁性層は磁区を形成しやすく、この磁区からスパイク状のノイズが発生することから、バイアス付与層の半径方向の一方向に磁界を印加することにより、その上に形成された軟磁性層にバイアス磁界をかけて磁壁の発生を防ぐことができる。バイアス付与層を積層構造として異方性を細かく分散して大きな磁区を形成しにくくすることもできる。バイアス付与層材料としては、例えばCoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtTaNd、CoSm、CoPt、FePt,CoPtO、CoPtCrO、CoPt−SiO、CoCrPt−SiO、CoCrPtO−SiO、FeMn,IrMn,及びPtMn等があげられる。
非磁性基板として、ガラス基板、Al系の合金基板あるいは表面が酸化したSi単結晶基板,セラミックス,及びプラスチック等を使用することができる。さらに,それら非磁性基板表面にNiP合金などのメッキが施されている場合でも同様の効果が期待される。
垂直磁気記録層上には、保護層を設けることができる。
図3に、本発明に係る磁気記録媒体の第3の例を表す断面図を示す。
図示するように、この磁気記録媒体30は、垂直磁気記録層5上に、保護層6が設けられていること以外は、図1と同様の構成を有する。
保護層としては、例えばC,ダイアモンドライクカーボン(DLC),SiN,SiO,及びCN等があげられる。
各層の成膜法としては、真空蒸着法、各種スパッタ法、分子線エピタキシー法、イオンビーム蒸着法、レーザーアブレーション法及び化学気相蒸着法を用いることができる。
Cuと窒素を主成分とする第2の下地層は、0.1ないし4nmの厚さをもつことが好ましい。4nmより厚いと、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の(0001)面配向性が劣化する傾向があり、0.1nmより薄いと、磁性結晶粒子の粒径低減効果が顕著に現れ難い傾向がある。
また、第1の下地層は、0.5ないし100nmの厚さを有することが好ましい。0.5nm未満であると、磁性結晶粒子の(0001)配向性が低下する傾向があり、100nmを超えると、R/W特性における記録分解能が低下する傾向がある。
また、第1の下地層に含まれるCu金属粒子は、1nm以上の平均粒径をもつことが好ましい。Cu下地層の平均結晶粒径は、1nm以上であれば垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の(0001)面配向性を向上させることができ、好ましく、50nm以上であればより好ましい。第1の下地層は、さらに好ましくは結晶粒界が存在しない単結晶膜である。Cuの平均結晶粒径が1nm未満では、Cu結晶粒子の(111)配向性が低下し、その結果、垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の(0001)面配向性が低下する傾向がある。
各層の平均結晶粒径は、例えば、TEMを用いて各層平面を観察することで評価することが出来る。ここでは、平面TEM像から、結晶粒子200個について各結晶粒子の面積を評価し、それと同じ面積の円の半径をその結晶粒子の半径と近似し、その平均を平均結晶粒径とする。
また、Cuと窒素を主成分とする第2の下地層上に、第3の下地層として、第1の下地層のCu結晶粒子の粒径よりも小さい粒径を有する金属粒子が、島状に孤立した構造をもつ層を形成することが出来る。
図4に、本発明に係る磁気記録媒体の第4の例を表す断面図を示す。
図示するように、この磁気記録媒体40は、第2の下地層4と垂直磁気記録層5との間に、島状に孤立した構造をもつ第3の下地層9が形成されていること以外は、図1と同様の構成を有する。
金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層を形成すると、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の粒径をより微細化できるため好ましい。このような第3の下地層を少なくとも一層挿入すると、その上に形成される層の結晶粒子の粒成長が、金属粒子によって阻害されるため、結晶粒子径を微細化することが出来る。
このような第3の下地層を形成する方法としては、Cuと窒素を主成分とする第2の下地層上に、適当な金属元素を、極薄く堆積する方法が挙げられる。このような金属元素としては、具体的には、例えばAg,Au,Pt,Pd,Ir,Co,FeがCuと窒素を主成分とする第2の下地層上で島状に孤立した構造を形成しやすく、好ましく使用できることが分かった。
第3の下地層が島状に孤立した構造を形成しているかどうかは、例えばTEMを用いて媒体断面を観察することにより確認できる。
金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層の平均粒径は、0.1nmないし1nmであることが好ましい。0.1nm未満であると、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の粒径低減効果が顕著に現れない傾向があり、1nmを超えると、金属結晶粒子同士が凝集して連続膜となり、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の粒径が粗大化する傾向がある。
金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層は、TEMを用いて観察される断面が0.1nmないし1nmの高さを有することが好ましい。ここで、第3の下地層の高さとして、断面TEM観察から、島状の金属層20個について各々の膜面直方向の直径を高さとして計測し、その平均値を用いることが出来る。
金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層の高さは、0.1nmより小さいと、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の粒径低減効果が顕著に現れない傾向があり、1nmより大きいと、金属結晶粒子同士が凝集して連続膜となり、垂直磁気記録層中の磁性結晶粒子の粒径が粗大化する傾向がある。
さらに、多層下地層と垂直磁気記録層との間例えば金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層と垂直磁気記録層との間、あるいは改質層と垂直磁気記録層との間に、非磁性中間層をさらに挿入することにより、垂直磁気記録層の結晶配向性を向上させることが出来る。
図5に、本発明に係る磁気記録媒体の第5の例を表す断面図を示す。
図示するように、この磁気記録媒体50は、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層9と垂直磁気記録層5との間に、非磁性中間層11が形成されていること以外は図4と同様の構成を有する。
非磁性中間層の非磁性結晶材料としては、例えば(0001)面配向したRuまたはTiを用いることができる。これらの元素は、前述の磁性結晶材料との格子整合性が高く、垂直磁気記録層の結晶配向性を向上させ得る。
Cu下地層結晶粒子の(111)面配向性を向上させる目的で、軟磁性層とCu下地層との間に、シード層を設けると、より好ましい。シード層に使用される材料として、例えばPt,Pd,Ni,NiFe,Co,Ti,及びTiN等が挙げられる。これらの配向制御用下地層は、Cu下地層と直接接する層でなくても構わない。
図6に、本発明の磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
本発明に係る情報を記録するための剛構成の磁気ディスク61はスピンドル62に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク61にアクセスして情報の記録を行う記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー63は、薄板状の板ばねからなるサスペンション64の先端に取付けられている。サスペンション64は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム65の一端側に接続されている。
アーム65の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ66が設けられている。ボイスコイルモータ66は、アーム65のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
アーム65は、固定軸67の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ66によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク61上におけるスライダー63の位置は、ボイスコイルモータ66によって制御される。なお、図6中、68は蓋体を示している。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板(オハラ社製TS-10SX)を用意した。
ANELVA社製c−3010型スパッタリング装置の真空チャンバー内に導入した。
スパッタリング装置の真空チャンバー内を1×10−5Pa以下に排気した後、軟磁性層としてCo90ZrNbを100nm成膜し、赤外線ランプヒーターを用いて基板を180℃に加熱した。
その後、軟磁性層上に第1の下地層として、Cuを15nm成膜した。
Cu成膜後、Cu表面への逆スパッタを行い、Cu層の表面領域に窒素を導入し、第2の下地層を形成した。Cu表面への逆スパッタは、3Paの窒素雰囲気中で70WのRF電力を5秒間、Cu表面に印加して行った。
その後、垂直磁気記録層として(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiO膜を15nm成膜した。
続いて、保護層としてCを5nm、順次成膜した。
成膜後、保護層表面にディップ法によりパーフルオロポリエーテル(PFPE)潤滑剤を13Åの厚さに塗布して潤滑層を形成し、磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体は、潤滑層が図示されないこと以外は、図3と同様の構成を有する
なお、Co90ZrNb,Cu,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiO,Cの成膜時のAr圧力は、それぞれ0.7Pa,0,7Pa,5Pa,0.7Paで、ターゲットとしてそれぞれCo90ZrNb,Cu,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiO,Cターゲットを用い、DCスパッタリング法で成膜した。各ターゲットへの投入電力は全て1000Wで行った。
得られた磁気記録媒体の微細構造,及び垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMagは、加速電圧400kVで透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、平面及び断面について観察、測定した。
各磁気記録媒体のCu及び窒素原子の深さ方向の分布は、Csイオンを用いた二次イオン質量分析計(SIMS)にて測定した。
各層の結晶配向面の同定、及び垂直磁気記録層の結晶粒子の(0001)面の配向分散△θ50は、オランダPhilips社製 X線回折装置 X‘pert−MRDを用い、それぞれθ―2θ法及びロッキングカーブ測定にて測定した。
磁気記録媒体について、スピンスタンドを用いてR/W特性を調べた。磁気ヘッドとして、記録トラック幅0.3μmの単磁極ヘッドと、再生トラック幅0.2μmのMRヘッドを組み合わせたものを用いた。
測定条件は、半径位置20mmと一定の位置で、ディスクを4200rpmで回転させて行った。
媒体SNRとして、微分回路を通した後の微分波形の信号対ノイズ比(SNRm)(但し、Sは線記録密度119kfciの出力、Nmは716kfciでのrms(root mean square)値)の値を測定した。
垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、垂直磁気記録層の(0001)面の配向分散△θ50、及び垂直磁気記録媒体のR/W特性の結果を下記表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして、2.5インチハードディスク形状の非磁性ガラス基板上に、軟磁性層を形成した。
軟磁性層上に、Taを10nm、Ptを5nm、及びRuを20nm、順次成膜した。その後、垂直磁気記録層として(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiOを15nm,C保護層を5nm順次成膜した。成膜後、実施例1同様にして潤滑剤を塗布した。
なお、Co90ZrNb,Ta,Pt, Ru,Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiO、Cの成膜時のAr圧力は、それぞれ0.7Pa,0.7Pa,0.7Pa,5Pa,5Pa、0.7Paで、ターゲットとして、それぞれCo90ZrNb,Ta,Pt, Ru,Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiO,Cターゲットを用いたDCスパッタリング法で成膜を行った。各ターゲットへの投入電力はすべて1000Wとした。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例2
RuをRu−10モル%SiOに変更した以外は、比較例1と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
Ru−10モル%SiOの成膜は、Ru−10モル%SiOターゲットを用い、投入電力1000W,Ar圧5Paの条件でDCスパッタリング法で行った。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例3
第1の下地層としてのCu下地層を、Ru下地層15nmに変更した以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
軟磁性層上にRuを成膜後、実施例1と同様に逆スパッタ、垂直磁気記録層成膜、保護層成膜、及び潤滑剤塗布を順次行い、磁気記録媒体を得た。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例4
第1の下地層のCu表面への逆スパッタを行わないこと以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
実施例1、比較例1ないし4の磁気記録層の結晶粒子の平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、実施例1及び比較例4のCu下地層の平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
X線回折装置(XRD)による結果の評価
実施例1、比較例1ないし4のいずれの磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向すなわち垂直配向していることが分かった。
実施例1及び比較例4のCu下地層のCu結晶粒子は、いずれもfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
実施例1、比較例1ないし4のいずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果、実施例1の媒体のCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。これに対し、比較例1ないし4では、第2の下地層の形成は見られなかった。
SIMSの結果
実施例1の垂直磁気記録層とCu下地層の間に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。これに対し、比較例1ないし4では、他の媒体では確認できなかった。
表1に、各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す
Figure 2007172704
実施例1と、比較例1及び2との比較により、本発明の垂直磁気記録媒体は、従来媒体と比較して、垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMagの微細化、配向分散△θ50の低減、SNRの向上のいずれの点でも優れていることが分かった。
実施例1と、比較例3との比較により、Cu下地層をRu下地層に代えると、本発明のような平均結晶粒子径dMagの顕著な微細化効果及び、SNRの顕著な向上が見られないことが分かった。
実施例1と、比較例4及び5との比較により、Cu下地層上にCuとNを主成分とする第2の下地層が形成されないと、本発明のような平均結晶粒子径dMagの顕著な微細化効果及び、SNRの顕著な向上が見られないことが分かった。
実施例2
逆スパッタ時間を1秒から120秒の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様の方法で媒体を作製し、同様にして、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子もfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果
逆スパッタ時間によってCu下地層上の第2の下地層の厚さが0から14nmの範囲で変化することがわかった。
SIMSの結果
垂直磁気記録層とCu下地層の間に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
図7ないし図9に、CuとNを主成分とする第2の下地層の厚さとdMag、CuとNを主成分とする第2の下地層の厚さと△θ50、CuとNを主成分とする第2の下地層の厚さとSNRの関係を表すグラフを、各々示す。
図示するように、CuとNを主成分とする第2の下地層の厚さが0.1nmないし4nmの範囲の場合にSNRが顕著な向上を示すことがわかった。
実施例3
第2の下地層上に、第3の下地層としてAgを成膜し、その後、実施例1と同様に垂直磁気記録層を形成すること以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図を、図10に示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体60は、磁気記録層5上に、保護層6及び図示しない潤滑層が形成されていること以外は、図4と同様の構成を有する。
なお、Ag第3の下地層の成膜には、Agターゲットを用い、DCスパッタリング法で成膜した。Ag第3の下地層は、連続膜に換算して0.05nm/sの成膜速度で、4秒間の成膜を行った。
また、第3の下地層としてAgの代わりに、各々、Au,Pt,Pd,Ir,Co,及びFeを用いた媒体を作製した。
また、実施例1と同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例5
Ru層上に、実施例3と同様にして第3の下地層としてAgを成膜し、その後、磁気記録層を形成すること以外は比較例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
第3の下地層としてAgの代わりにAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feを用いた媒体も各々作製した。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例6
Ru―10モル%SiO層上に、実施例3と同様にして第3の下地層としてAgを成膜し、その後、磁気記録層を形成すること以外は比較例2と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
第3の下地層として、Agの代わりにAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feを用いた媒体も各々作製した。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例7
Ru層上に、実施例3と同様にして第3の下地層としてAgを成膜し、その後、磁気記録層を形成すること以外は比較例3と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
第3の下地層としてAgの代わりにAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feを用いた媒体も各々作製した。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例8
Cu層上に、実施例3と同様にして第3の下地層としてAgを成膜し、その後、磁気記録層を形成すること以外は比較例4と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
第3の下地層としてAgの代わりにAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feを用いた媒体も各々作製した。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
実施例3、比較例8の垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子は、いずれもfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果、実施例3の媒体のCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。他の媒体には見られなかった。
SIMSの結果
実施例3の媒体の記録層とCu下地層の間に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。他の媒体では確認できなかった。
断面TEM観察の結果
実施例3の媒体のCuとNを主成分とする第2の下地層と垂直磁気記録層の間に、厚さ0.3nmの島状に孤立したAg粒子からなる層が形成されていることが確認された。平面TEM観察の結果、Cu下地層の平均結晶粒径は、約12nmであることがわかった。このAg粒子の平均粒径が、Cu下地層の平均粒径よりも小さいことから、この層が金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層であると認められた。金属粒子がAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feの媒体でも同様の構造が確認された。一方、比較例5、6、7、8の媒体では第3の下地層は島状に孤立した構造を取らず、連続膜的な構造をしていることが分かった。
下記表2に、各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す。
Figure 2007172704
実施例3と実施例1との比較により、CuとNを主成分とする第2の下地層上に金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層を形成すると、垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRが向上することが分かった。
実施例3と比較例5及び6との比較により、RuまたはRu−SiO下地層上には金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層が形成されず、本発明のような平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRの顕著な向上は見られないことが分かった。
実施例3と比較例7との比較により、Cu下地層の代わりにRu下地層を用いると、CuとNを主成分とする第2の下地層、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層ともに形成されず、dMag、SNRの顕著な向上が見られないことが分かった。
実施例3と比較例8との比較により、Cu下地層上にCuとNを主成分とする第2の下地層が形成されないと金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層が形成されず、dMag、SNRの顕著な向上が見られないことが分かった。
実施例4
第3の下地層堆積量を、連続膜に換算して0.05nm/sの成膜速度で、成膜時間を0.5から25秒間の範囲で変化させた以外は、実施例3と同様の方法で種々の垂直磁気記録媒体を得た。
また、実施例1と同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子もfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果
いずれの媒体のCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。
SIMSの結果
いずれの媒体もCu下地層上に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
断面TEM観察の結果
第3の下地層材料がAgである媒体において、CuとNを主成分とする第2の下地層上に、島状に孤立したAg第3の下地層が形成されていることが確認された。
第3の下地層材料がAu,Pt,Pd,Ir,Co,Feの媒体でも同様の構造が確認された。
図11ないし図13に、各垂直磁気記録媒体の、Ag第3の下地層の厚さと平均結晶粒子径dMag、Ag第3の下地層の厚さと△θ50、Ag第3の下地層の厚さとSNRの関係を表すグラフを、各々示す。
図示するように、Ag第3の下地層の厚さが0.1乃至1nmの範囲の場合に、dMag、及びSNRが顕著に向上して好ましいことが分かった。同様の傾向は、第3の下地層がAu,Pt,Pd,Ir,Co,及びFeの媒体でも認められた。
実施例5
第2の下地層上に、非磁性中間層としてRuを20nm成膜し、その後、実施例1と同様に垂直磁気記録層を形成すること以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図を、図14に示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体70は、第2の下地層4と磁気記録層5との間に非磁性中間層11が形成され、保護層6上に図示しない潤滑層が形成されていること以外は、図3と同様の構成を有する。
なお、Ru中間層成膜にはRuターゲットを用い、DCスパッタリング法で成膜した。ターゲットへの投入電力は1000W、スパッタ中のAr圧は5Paで行った。同様にして、中間層としてRuの代わりに,Tiを用いた媒体も各々作製した。
また、実施例1と同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例9
中間層として、Ruの代わりにCrを20nm成膜する以外は、実施例5と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
また、Ru,Ti,Cr中間層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Ru,Ti中間層のRu,Ti結晶粒子は、いずれも六方最密充填構造を有していることが分かった。一方、Cr中間層のCr結晶粒子は体心立方構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
実施例5の垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層は、その磁性結晶粒子が、いずれもhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。一方、比較例9の垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子は、hcp構造を有するが、(0001)面配向していないことが分かった。
実施例5の垂直磁気記録媒体のRu,Ti結晶粒子は、いずれもhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
実施例5の垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子は、いずれもfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果、いずれの媒体もCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。
SIMSの結果、いずれの媒体もCu下地層上に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
表3に、各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す
Figure 2007172704
実施例5と実施例1とを比較すると、CuとNを主成分とする第2の下地層上にRu,Ti中間層を形成することにより、△θ50、及びSNRが顕著に向上することが分かった。
実施例5と比較例9とを比較すると、CuとNを主成分とする第2の下地層上にCr中間層を形成することにより、垂直磁気記録層が(0001)配向をしないことが分かった。
実施例6
島状に形成された第3の下地層と垂直磁気記録層との間に、実施例5と同様のRu中間層を形成すること以外は、実施例3と同様にして、種々の垂直磁気記録媒体を得た。また、中間層としてRuの代わりに,Tiを用いた媒体も各々作製した。
得られた垂直磁気記録媒体は、磁気記録層5上に、保護層6及び図示しない潤滑層が形成されていること以外は、図4と同様の構成を有する。
また、実施例1と同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
比較例10
中間層として、Ruの代わりにCrを20nm成膜する以外は、実施例6と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
また、同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
また、Ru,Ti,Cr中間層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Ru,Ti中間層のRu,Ti結晶粒子は、いずれも六方最密充填構造を有していることが分かった。一方、Cr中間層のCr結晶粒子は体心立方構造を有していることが分かった。
XRD評価の結果
実施例6のいずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。しかしながら、比較例10の磁性結晶粒子はhcp構造を有するが、(0001)面配向していないことが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のRu,Tiの非磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。しかしながら、比較例10のCr結晶粒子はhcp構造を持たず、(0001)面配向していないことが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子もfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を有することが分かった。
断面TEM観察の結果
いずれの媒体もCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。
SIMSの結果
いずれの媒体もCu下地層上に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
断面TEM観察の結果
いずれの媒体もCuとNを主成分とする第2の下地層上に、島状に孤立した第3の下地層が形成されていることが確認された。
下記表4に、得られた各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す。
Figure 2007172704
実施例6と実施例3とを比較すると、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層上にRu中間層またはTi中間層を形成することにより、△θ50、SNRが向上することが分かった。
実施例6と実施例5とを比較すると、CuとNを主成分とする第2の下地層と中間層の間に金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層を形成することにより、平均結晶粒子径dMag、及びSNRがより向上することが分かった。
また、実施例6と異なり、比較例10では、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層上にCr中間層を形成することにより、垂直磁気記録層が(0001)配向しないことが分かった。
実施例7
基板と軟磁性層との間に、シード層として、3nmの厚さを有するPd層を形成し、中間層としてRuを使用すること以外は実施例6と同様にして、各々垂直磁気記録媒体を得た。
Pdシード層成膜にはPdターゲットを用い、DCスパッタリング法で成膜した。ターゲットへの投入電力は1000W、スパッタ中のAr圧は0.7Paで行った。同様にして、シード層としてPdの代わりに、Pt,Ni,NiFe,Co,Ti,及びTiNを各々用いた媒体を作製した。
得られた垂直磁気記録媒体の構成を模式的に表す断面図を、図15に示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体80は、基板1と軟磁性層2との間に、シード層8が形成され、磁気記録層5上に、保護層6及び図示しない潤滑層が形成されていること以外は、図5と同様の構成を有する。
また、実施例1と同様に、TEM、SIMS、及びX線回折装置による測定、R/W特性試験を行い、さらにdMag、△θ50、及び媒体SNRを求めた。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
また、Ru中間層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Ru中間層のRu結晶粒子は、いずれも六方最密充填構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のRu結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子もfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を有することが分かった。
断面TEM観察の結果
いずれの媒体もCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。
また、いずれの媒体もCuとNを主成分とする第2の下地層上に、島状に孤立した第3の下地層が形成されていることが確認された。
SIMSの結果
いずれの媒体もCu下地層上に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
下記表5に、上述のようにして得られたAg第3の下地層、及びRu中間層を用いた各垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す
Figure 2007172704
実施例7と実施例6との比較により、Cu下地層の下にPd、Pt,Ni,NiFe,Co,Ti,またはTiNシード層を形成することにより、△θ50及びSNRがより向上することが分かった。また、同様の効果は、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層として、Au,Pt,Pd,Ir,Co,またはFe,及び中間層としてTiをそれぞれ用いた媒体でも認められた。
実施例8
垂直磁気記録層として(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiOの代わりに(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%TiO,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Cr,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Al,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Ta,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Y,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%MgOを用いた以外は実施例7と同様にして各々垂直磁気記録媒体を得た。
垂直磁気記録層の結晶粒子の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから格子間距離を評価した結果、磁気記録層の結晶粒子は六方最密充填構造を有していることが分かった。
また、Cu下地層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Cu下地層のCu結晶粒子は、面心立方格子構造を有していることが分かった。
また、Ru中間層の、平面及び断面TEMにおける制限視野電子線回折パターンから得られた各回折スポットから、格子間距離を評価した結果、Ru中間層のRu結晶粒子は、いずれも六方最密充填構造を有していることが分かった。
XRD測定の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のRu結晶粒子もhcp構造を有し、(0001)面配向していることが分かった。
いずれの垂直磁気記録媒体のCu下地層のCu結晶粒子もfcc構造を有し、(111)面配向していることが分かった。
平面TEM観察の結果
いずれの垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層も、グラニュラ構造を取っていることが分かった。
断面TEM観察の結果
いずれの媒体もCu下地層上に厚さ1nmのコントラストの異なる、第2の下地層が形成されていることが分かった。また、CuとNを主成分とする第2の下地層上に、島状に孤立した第3の下地層が形成されていることが確認された。
SIMSの結果
いずれの媒体もCu下地層上に、CuとNを主成分とする層が存在することが分かった。
下記表6に、得られた各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す得られた各磁気記録媒体の垂直磁気記録層の平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRを示す。
Figure 2007172704
垂直磁気記録層として(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%SiOの代わりに(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%TiO2,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Cr,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Al,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Ta,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%Y,(Co78−Cr10−Pt12)−10モル%MgOを用いた場合でも、従来媒体と比較して平均結晶粒子径dMag、△θ50、SNRともに顕著に向上することが分かった。同様の効果は、シード層として、Pd、Pt,Ni,Co,Ti,TiN、金属粒子が島状に孤立した構造を持つ第3の下地層として、Au,Pt,Pd,Ir,Co,Fe,中間層としてTiをそれぞれ用いた各媒体でも認められた。
本発明に係る磁気記録媒体の第1の例を表す断面図 本発明に係る磁気記録媒体の第2の例を表す断面図 本発明に係る磁気記録媒体の第3の例を表す断面図 本発明に係る磁気記録媒体の第4の例を表す断面図 本発明に係る磁気記録媒体の第5の例を表す断面図 本発明の磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図 第2の下地層の厚さとdMagの関係を表すグラフ 第2の下地層の厚さと△θ50の関係を表すグラフ 第2の下地層の厚さとSNRの関係を表すグラフ 本発明に係る磁気記録媒体の第6の例を表す断面図 第3の下地層の厚さと平均結晶粒子径dMagの関係を表すグラフ 第3の下地層の厚さと△θ50関係を表すグラフ 第3の下地層の厚さとSNR関係を表すグラフ 本発明に係る磁気記録媒体の第7の例を表す断面図 本発明に係る磁気記録媒体の第8の例を表す断面図
符号の説明
1…基板、2…軟磁性層、3,4,9…下地層、5…垂直磁気記録層、6…保護層、7…多層下地層、8…シード層、10,20,30,40,50,60,61,70,80…磁気記録媒体、11…中間層、、62…スピンドル、63…スライダー、64…サスペンション、65…アーム、66…ボイスコイルモータ、67…固定軸

Claims (9)

  1. 基板と、
    該基板上に形成された軟磁性層と、
    該軟磁性層上に形成され、銅を主成分とし、実質的に(111)面配向した面心立方格子構造をもつ結晶粒子を含有する第1の下地層、及び該第1の下地層上に形成された銅及び窒素を主成分とする第2の下地層を含む多層下地層と、
    該多層下地層上に形成され、コバルトを主成分とし、実質的に(0001)面配向した六方最密構造をもつ結晶粒子を含む垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記第2の下地層は、0.1ないし4nmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記多層下地層は、前記第2の下地層上に島状に形成された第3の下地層をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記第3の下地層は、銀,金,プラチナ,パラジウム,イリジウム,コバルト,及び鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属結晶粒子を含み、かつ前記金属結晶粒子は、その平均粒径が、前記第1の下地層の結晶粒子の平均結晶粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記第3の下地層は、0.1nmないし1nmの高さを有することを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記多層下地層と前記垂直磁気記録層との間に、ルテニウム及びチタンのうち少なくとも1種からなり、実質的に(0001)面配向した六方最密構造を有する結晶粒子を含有する非磁性中間層をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記多層下地層と前記軟磁性層の間に、プラチナ,パラジウム,ニッケル,ニッケル−鉄,コバルト,チタン,及びチタン窒化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するシード層をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記垂直磁気記録層は、Co−Cr、及びCo−Ptのうち少なくとも1種の合金を主成分とする磁性結晶粒子と、酸化物、窒化物及び炭化物のうち少なくとも1種を主成分とする粒界領域とから構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、記録再生ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
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