JP2002083411A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2002083411A
JP2002083411A JP2000259630A JP2000259630A JP2002083411A JP 2002083411 A JP2002083411 A JP 2002083411A JP 2000259630 A JP2000259630 A JP 2000259630A JP 2000259630 A JP2000259630 A JP 2000259630A JP 2002083411 A JP2002083411 A JP 2002083411A
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magnetic
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oxide
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atomic
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JP2000259630A
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Susumu Haga
進 芳賀
Hiroshi Uchiyama
浩 内山
Takahiro Igari
孝洋 猪狩
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温程度の基板温度で製造可能であり、高S
N比及び高保磁力を実現し、高密度記録に適する。 【解決手段】 基板上にCo−Pt又はCo−Pt−C
rを主体とし酸化物Mxyを含有する磁性薄膜が磁性層
として形成されてなり、上記磁性薄膜における上記酸化
物Mxyの含有量は、当該酸化物を構成する構成元素M
の比率がCo−Pt又はCo−Pt−Crに対して4原
子%以上、8原子%以下となるような量とされ、且つ上
記磁性層の厚さは、10nm以上、25nm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
により基板上に磁性層を成膜してなる磁気記録媒体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の外部記憶装置として、
アルミニウムやガラス等からなる基板上に磁性層が形成
されてなる磁気ディスクと、スライダに搭載された磁気
ヘッドとを備える、いわゆる磁気ディスクドライブが多
用されている。この磁気ディスクドライブは、磁気ディ
スク表面に対して微少間隙を有して磁気ヘッドを対向、
浮上させた状態で、磁気ディスクに対して信号の記録再
生を行う。
【0003】近年のコンピュータの多機能化及び高性能
化に伴い、磁気ディスクドライブに対して高密度記録化
の要望が高まっている。磁気ディスクドライブの高密度
記録を実現する手法の1つとして、磁気ヘッドと磁気デ
ィスク間の間隙を極力狭めることが挙げられる。
【0004】磁気ディスクドライブでは、磁気ヘッドを
搭載したスライダが磁気ディスクの表面上を例えば50
nm程度にて浮上して信号の書き込み及び/又は読み出
しを行う。この場合、磁気ディスクの表面に存在する高
さ50nm以上の突起は、ヘッドクラッシュの原因とな
る。したがって、磁気ディスクは、表面に存在する突起
の高さが50nm未満とされるような厳しい表面平滑性
が要求される。
【0005】アルミニウム基板では、以下のような方法
により50nm以上の高さを有する突起が除去され、平
滑なディスク表面を得ている。先ず、アルミニウムから
なる母材から基板形状のアルミニウムを切り出す。次に
この切り出したアルミニウム基板に対して高精度な研磨
を施す。すなわち、この研磨工程によってヘッドクラッ
シュの原因となる高さ50nm以上の突起をアルミニウ
ム基板の表面から除去する。具体的には、アルミニウム
基板の表面に高い表面平滑性を付与するために、アルミ
ニウム基板に対する研磨と洗浄とを繰り返すとともに、
研磨を繰り返す毎に研磨に用いる砥粒の粒径を小さくす
ることによって、最終的に高さ50nm以上の突起を皆
無とする。
【0006】また、ガラス基板も、上記のアルミニウム
基板と同様にして研磨と洗浄とが繰り返されることによ
って、平滑な表面を得ている。
【0007】しかしながら、このようにして作製した基
板を使用して磁気ディスクを製造すると、作業が複雑で
あるため、製造コストも高価となってしまう。
【0008】上述のように、アルミニウムやガラスから
なる基板を用いた磁気ディスクは、基板の表面平滑性を
得るための工程が煩雑であるために、製造コストが高い
という問題がある。
【0009】このため、磁気ディスク用の基板として、
プラスチックからなる基板が提案されている。射出成形
法等によって作製されるプラスチック基板の表面粗さ
は、射出成形に用いられる金型又はスタンパの表面粗さ
に対応する。このため、高精度に平滑化された金型又は
スタンパを用いることで、上記のような突起が存在しな
い、優れた表面平滑性を有する基板を製造できる。した
がって、プラスチック基板を用いることで、基板に対す
る研磨、洗浄の工程が不要となり、磁気ディスクを製造
する際の作業が簡略化され、製造コストを安価に抑える
ことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にスパ
ッタリング法によりCo系合金薄膜からなる磁性層を基
板上に成膜する場合には、200℃程度或いはそれ以上
の温度に基板を加熱している。
【0011】スパッタリング法においては、基板温度が
高いときの移動度、すなわち基板表面に飛来した原子が
結晶軸を揃えて密に並ぶまでに有する運動エネルギー
は、基板温度が低いときよりも大きい。このため、基板
を加熱することにより、Co系合金薄膜の磁気異方性が
高められるものと考えられる。
【0012】しかしながら、上述したようなプラスチッ
ク基板は、ガラス転移温度が低いため、当該プラスチッ
ク基板上に磁性層を成膜する際には、200℃以上とい
う高い温度に基板を加熱することができない。このた
め、プラスチック基板を用いた磁気ディスクは、磁気異
方性に劣るといった不都合がある。
【0013】したがって、プラスチック基板を磁気ディ
スクに採用するにあたっては、室温程度の基板温度で磁
性層の成膜を行っても、磁気記録媒体として充分な磁気
異方性を磁性層に付与できるようにすることが望まれ
る。
【0014】また、磁気記録媒体においては、磁性層の
磁気異方性を高めるだけでなく、記録再生に使用する磁
気ヘッドの特性等を考慮して、磁気異方性以外の磁気特
性についても最適なものとすることが望まれる。
【0015】すなわち、磁気記録の分野においては、高
記録密度化が要求されているとともに、信号形態もアナ
ログ信号からデジタル信号に変わりつつある。そのた
め、高記録密度化とともに、信号形態に合わせた媒体設
計も重要となっている。そして、磁気記録媒体を設計す
るにあたっては、磁気異方性以外の磁気特性について
も、記録再生に使用する磁気ヘッドの特性等によって考
慮しなければならない要素が多数ある。
【0016】そして、磁気記録媒体の磁気特性のうち、
再生用磁気ヘッドの再生能力によって制限される磁気特
性が残留磁化厚みである。磁性層の残留磁化厚みは、磁
性層の残留磁化Mrと、磁性層の厚さtとの積Mr・t
で表される。この残留磁化厚みは、ヘッドアンプのノイ
ズを無視できる程度に再生出力が大きくなるように、一
定の値以上である必要がある。そこで、ヘッドアンプの
ノイズを無視できる程度に再生出力が大きくなるように
するという観点から、残留磁化厚みの最低値が決定され
る。
【0017】また、磁気記録媒体の磁気特性のうち、記
録用磁気ヘッドの書き込み能力によって制限される磁気
特性が保磁力である。磁性層の保磁力は、記録用磁気ヘ
ッドの書き込み能力の範囲内である必要がある。そこ
で、記録用磁気ヘッドの書き込み能力の範囲内にすると
いう観点から、保磁力の最大値が決定される。
【0018】さらに、高記録密度(特に高線記録密度)
を実現するには、分解能を高め、高周波信号を記録再生
しても再生出力が小さくならないようにすることが必要
である。分解能を示す指標としては、保磁力に対する残
留磁化厚みの比(Mr・t/Hc)がある。この値が小
さいほど、分解能が高まり、周波数特性が向上する。し
たがって、分解能を高めるという観点からは、保磁力を
大きくし、且つ残留磁化厚みを小さくすることが望まれ
る。
【0019】また、高密度記録化の研究は、磁気記録媒
体のみならず、情報の記録再生を行う磁気ヘッドの分野
でも盛んである。中でも磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
従来の薄膜ヘッド等に比べて感度が高いため、極めて微
少な信号を検出することができる一方で、雑音も検出し
やすい。したがって、磁気ヘッドの高性能化に伴い、磁
気記録媒体のノイズを低減すること、すなわち高いSN
比を得ることが重要となる。
【0020】そこで本発明はこのような従来の実状に鑑
みて提案されたものであり、室温程度の基板温度で製造
可能であり、高SN比及び高保磁力を実現し、高密度記
録に適する磁気記録媒体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる磁気記録媒体は、基板上にCo−
Pt又はCo−Pt−Crを主体とし酸化物Mxyを含
有する磁性薄膜が磁性層として形成されてなり、上記磁
性薄膜における上記酸化物Mxyの含有量は、当該酸化
物を構成する構成元素Mの比率がCo−Pt又はCo−
Pt−Crに対して4原子%以上、8原子%以下となる
ような量とされ、且つ上記磁性層の厚さは、10nm以
上、25nm以下であることを特徴とする。
【0022】以上のように構成された磁気記録媒体で
は、磁性層中のCo−Pt又はCo−Pt−Crの結晶
粒が、適量の酸化物によって囲まれた状態となり、当該
結晶粒の結晶間相互作用が小さくなる。また、磁性層が
適度な厚さとなされている。これにより、磁気記録媒体
は、低ノイズ化し高SN比が得られるとともに、高保磁
力が得られる。
【0023】また、本発明にかかる磁気記録媒体の製造
方法は、基板上にCo−Pt又はCo−Pt−Crを主
体とし酸化物Mxyを含有する磁性薄膜が磁性層として
形成されてなり、上記磁性薄膜における上記酸化物Mx
yの含有量は、当該酸化物を構成する構成元素Mの比
率がCo−Pt又はCo−Pt−Crに対して4原子%
以上、8原子%以下となるような量とされる磁気記録媒
体の製造方法であって、スパッタリング法によりチャン
バー内で上記基板上に上記磁性層を成膜するに際し、上
記チャンバー内のガス圧を、1mTorr以上、20m
Torr以下とし、且つ上記磁性層を、10nm以上、
25nm以下の厚さで成膜することを特徴とする。
【0024】以上のような磁気記録媒体の製造方法で
は、磁性層の成膜時に、基板温度を室温程度とすること
が可能であるとともに、ガス圧を最適にすることによ
り、高SN比及び高保磁力を実現する磁気記録媒体を製
造できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる磁気記録媒
体及びその製造方法の具体的な実施の形態について、図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】なお、以下の説明で用いる図面は、各部の
特徴をわかりやすく図示するために特徴となる部分を拡
大して示している場合があり、各部材の寸法の比率が実
際と同じであるとは限らない。
【0027】また、以下では、磁気記録媒体を構成する
各層の構成や材料等について例示するが、本発明は例示
する磁気記録媒体に限定されるものではなく、所望とす
る目的や性能に応じて各層の構成や材料等を選択すれば
よい。
【0028】本発明にかかる磁気記録媒体は、基板上に
強磁性体であるCo−Pt又はCo−Pt−Crを主体
とした磁性薄膜が形成されてなる、いわゆる金属薄膜型
の磁気記録媒体である。図1に示すように、磁気記録媒
体1は、基板2と、基板2上に形成された下地層3と、
下地層3上に形成された中間層4と、中間層4上に形成
された磁性層5と、磁性層5上に形成された保護層6と
を有している。
【0029】磁性層5は、Co−Pt又はCo−Pt−
Crを主体とし、酸化物Mxyを含有している。そし
て、磁性層5における酸化物Mxyの含有量は、当該酸
化物を構成する構成元素Mの比率がCo−Pt又はCo
−Pt−Crに対して4原子%以上、8原子%以下とな
るような量とされている。また、磁性層5の厚さは、1
0nm以上、25nm以下とされている。
【0030】この磁性層5は、磁性層5を構成するCo
−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒間に、酸化物Mx
yが島状に分散せしめられた構造となっている。すな
わち、Co−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒が酸化
物Mxyによって囲まれ孤立化し、当該結晶粒の結晶間
相互作用が分断される。したがって、磁化遷移部分の磁
化のばらつきに起因するノイズを低減することができ
る。それとともに、各結晶粒の磁化の回転が容易とな
り、保磁力が向上する。すなわち、磁気記録媒体1は、
高SN比及び高保磁力を実現することが可能となる。
【0031】磁性層における酸化物Mxyの含有量が、
Co−Pt又はCo−Pt−Crに対する酸化物Mxy
を構成する構成元素Mの比率として換算したときに、当
該構成元素Mが4原子%未満とされるような量である場
合、Co−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒を囲んで
孤立化させる効果が不充分となり、高SN比及び高保磁
力を得られない。
【0032】一方、磁性層における酸化物Mxyの含有
量が、Co−Pt又はCo−Pt−Crに対する酸化物
xyを構成する構成元素Mの比率として換算したとき
に、構成元素Mが8原子%を上回るような量である場
合、磁性層中のCo−Pt又はCo−Pt−Crの含有
量が相対的に減少するため、逆にSN比及び保磁力の低
下を招く。
【0033】したがって、磁性層5における酸化物Mx
yの含有量が、当該酸化物を構成する構成元素Mの比
率がCo−Pt又はCo−Pt−Crに対して4原子%
以上、8原子%以下となるような量とされることによっ
て、Co−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒と当該結
晶粒を囲む酸化物Mxyとの比率が適正となる。このた
め、Co−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒の結晶間
相互作用が効率よく分断され、高SN比及び高保磁力を
得ることができる。
【0034】また、磁性層5の厚さが10nm未満であ
る場合、磁性層における結晶配向性が乱れた初期成長層
の影響が大きくなるため、結晶磁気異方性の劣化が起こ
り、SN比及び保磁力が低下してしまう。一方、磁性層
5の厚さが25nmを上回る場合、垂直方向の反磁界が
小さくなり、磁化の垂直成分が増加するため、SN比及
び保磁力が低下してしまう。なお、磁性層5の厚さは、
15nm以上、20nm以下の範囲であることが特に好
ましい。これにより、SN比及び保磁力のさらなる向上
が図られ、磁気記録媒体1は高性能の磁気ヘッドに対し
ても記録再生が可能となり、高密度記録に好適なものと
なる。
【0035】また、詳細は後述するが、磁性層5の材料
としてCo−Pt又はCo−Pt−Crを用いること
で、スパッタリング法により磁性層5を成膜する際に、
基板2を加熱しなくとも、充分な磁気異方性を付与する
ことができる。したがって、基板2として、耐熱性の低
いプラスチック材料を採用することが可能となる。
【0036】また、磁性層5は、Co−Pt又はCo−
Pt−Crと酸化物Mxyを構成する構成元素Mとの総
和を100原子%としたとき、Ptが12原子%〜20
原子%であり、Crが10原子%以下であり、酸化物を
構成する元素Mが4原子%〜8原子%であり、残部がC
oであるような組成であることが好ましい。磁性層5を
構成する元素の組成が上記の範囲とされることで、優れ
た保磁力が磁気記録媒体1に付与されるとともに、高い
SN比を示し、媒体ノイズを顕著に抑えられる。
【0037】ここで、磁性層5中のCo−Pt又はCo
−Pt−Crの結晶粒を孤立化させる酸化物Mxyとし
て、SiOxで表される酸化物を用いることが好まし
い。SiOxとしては、具体的にはSiO2、SiO等が
挙げられる。酸化物MxyとしてSiOxを用いること
により、Co−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒の結
晶間相互作用をより効率的に分断することができる。し
たがって、SN比及び保磁力のさらなる向上を図ること
ができる。
【0038】また、磁性層5中のCo−Pt又はCo−
Pt−Crの結晶粒を孤立化させる酸化物Mxyとし
て、SiOxとともに、さらにCr23、TiO2、Zr
2、Y23等の酸化物を併用することが好ましい。磁
性層5は、後述するように、スパッタリング法により基
板2上に成膜される。このとき、ターゲットの組成と磁
性層の組成とが化学量論的組成から外れることがあり、
所望の特性を有する磁性層を得られないことがある。具
体的には、酸化物Mxyとして例えばSiO2を含有さ
せたターゲットをスパッタリングしたとき、SiO2
SiとO2とに分離した状態となってターゲットからは
じき飛ばされ、基板上に被着する際にO原子が不足気味
となり、単独のSiが生ずることがある。
【0039】このような単独のSiは、Co−Pt又は
Co−Pt−Crの結晶粒を囲むことができず、当該結
晶粒の結晶間相互作用を分断することができない。すな
わち、磁性層5において、Co−Pt又はCo−Pt−
Crの結晶粒の結晶間相互作用の分断に寄与しないSi
2が存在することになり、この結果、SiO2を磁性層
5に用いることから期待されるほどのSN比及び保磁力
の向上効果が得られていなかった。
【0040】そこで、磁性層5中に含有させる酸化物M
xyとして、SiOxとともに、Cr23、TiO2、Z
rO2、Y23等を積極的に用いることにより、これら
のCr23、TiO2、ZrO2、Y23等が、磁性層5
中のSiOxに、不足気味のO原子を補う。すなわち、
磁性層5において、Co−Pt又はCo−Pt−Crの
結晶粒の結晶間相互作用の分断に寄与しないSiOx
確率、すなわち単独のSiの存在する確率を低減するこ
とができる。したがって、SiOxとともに、Cr
23、TiO2、ZrO2、Y23等を磁性層5に含有さ
せることにより、SN比及び保磁力の大幅な向上を図る
ことができる。
【0041】なお、図1に示す磁気記録媒体1の基板
2、下地層3、中間層4、保護層6は、以下のような構
成となっている。
【0042】基板2は、プラスチック材料からなること
が好ましい。これにより、研磨、洗浄等の煩雑な工程を
省略することができ、良好な表面平滑性を容易に得るこ
とができる。なお、基板2に用いるプラスチック材料と
しては、具体的には、ポリメチルメタクリレートや、ポ
リカーボネート等が好適である。
【0043】また、基板2の表面平均粗さは2nm以下
であり、最大突起高さが25nm以下であることが好ま
しい。これにより、基板2の表面平滑性を上記のように
良好とすることにより、磁気記録媒体1と磁気ヘッドと
の間の間隙が極めて小とされた場合であっても、磁気記
録媒体1と磁気ヘッドとの接触・衝突が防止され、記録
再生が安定して行われる。
【0044】なお、基板2の材料としては、プラスチッ
ク材料に限定されず、磁気記録媒体1用の基板2として
用いられる従来公知の材料を用いることも可能である。
具体的には、アルミニウム、ガラス等が挙げられる。
【0045】下地層3は、例えばCr、Cr−W合金等
を用いることができる。基板2上に下地層3を成膜する
ことにより、磁性層5の表面平滑性を良好なものとする
ことができる。
【0046】中間層4は、例えばCo−Cr、Ti、T
i−Crを用いることができる。磁性層5の下に中間層
4を形成することにより、磁性層5の結晶配向を良好な
ものとし、磁気特性を向上させることができる。この理
由について、例えば中間層4としてTiを用いた場合に
ついて説明する。中間層4に用いられるTiの面間隔
は、磁性層5に用いられるCoの面間隔より15%〜1
7%大である。磁性層5ではCo中に大きな原子である
Ptが加えられているため、実際の磁性層5の面間隔
は、Coの面間隔よりも大となされる。したがって、中
間層4を構成するTiと磁性層5との面間隔が近似する
ようになり、磁性層5の結晶配向が良好となる。なお、
中間層4としてCo−Cr、Ti−Crを用いた場合で
あっても、中間層4としてTiを用いた場合と同様に、
磁性層5の結晶配向を良好なものとすることができる。
【0047】また、保護層6上に、潤滑剤を含有する潤
滑剤層を形成することも可能である。保護層6上に潤滑
剤層を形成することにより、磁気記録媒体1の表面の摩
擦係数を低減し、磁気記録媒体1の走行性や耐久性を向
上させることができる。
【0048】以上のように構成された磁気記録媒体1
は、磁性層5がCo−Pt又はCo−Pt−Crを主体
とし、酸化物Mxyを含有している。そして、磁性層5
における酸化物Mxyの含有量は、当該酸化物を構成す
る構成元素Mの比率がCo−Pt又はCo−Pt−Cr
に対して4原子%以上、8原子%以下となるような量と
されている。また、磁性層5の厚さは、10nm以上、
25nm以下とされている。これにより、磁性層5のC
o−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒が酸化物Mxy
によって囲まれ、当該結晶粒の結晶間相互作用が低減さ
れる。したがって、磁気記録媒体1は、高SN比及び高
保磁力を実現し、高密度記録に好適なものとなる。
【0049】以下、図1に示すような磁気記録媒体1の
製造方法について説明する。
【0050】まず、マスタリング工程により、プラスチ
ックからなる基板2の原盤となるスタンパ13を作製す
る。
【0051】このマスタリング工程では、先ず、図2に
示すような、ガラス原盤11を用意し、アルカリ、酸、
流水超音波等によってその表面を洗浄・研磨する。
【0052】次に、このガラス原盤11上に、例えばス
ピンコーター等の方法により、フォトレジスト溶液を塗
布する。フォトレジスト溶液を塗布後、1000℃以下
の温度でベーク処理し、図3に示すような、所定の膜厚
を有するフォトレジスト層12を形成する。
【0053】次に、図4に示すように、例えば波長44
2nmのHe−Cdレーザーや、波長412nmのKr
レーザー等を用いて、カッティングデータに対応した溝
のパターン露光を、フォトレジスト層12に施す。パタ
ーン露光を受けたフォトレジスト層12は、露光部12
aとされる。
【0054】次に、図5に示すように、フォトレジスト
層12に対して、アルカリ性の現像液等を用いて現像処
理を施す。これにより、フォトレジスト層12の露光部
12aが溶出し、これにより、グルーブやサーボパター
ン等に対応した所定の凹凸パターンが形成される。
【0055】次に、所定の凹凸パターンが形成されたフ
ォトレジスト層12上に、導電化層を形成し、さらにN
i等のメッキを施す。これにより、図6に示すように、
フォトレジスト層12の上にスタンパ13が形成され
る。
【0056】その後、スタンパ13をガラス原盤11及
びフォトレジスト層12から剥離し、剥離したスタンパ
13をアルカリ溶液や有機溶剤等を用いて洗浄し、凹凸
パターンが転写された面に残存しているフォトレジスト
を除去する。そして、凹凸パターンが形成されていない
面側を研磨し、スタンパ13を所望の厚みとすることに
より、図7に示すように、凹凸パターンが転写された射
出成形用のスタンパ13が得られる。
【0057】なお、基板2としてグルーブやサーボパタ
ーン等の凹凸パターンを有していない平板上の基板2を
作製する場合には、上記工程のうち、パターン露光及び
現像処理を行わないようにする。この場合、フォトレジ
スト溶液の塗布及びベーク処理だけを行い、その上にN
i等のメッキを施す。これにより、表面に凹凸パターン
のない、平板状のスタンパが得られる。
【0058】基板2は、以上のように作製されたスタン
パ13を用いて、プラスチック材料を射出成形すること
で作製される。このとき得られる基板2の表面の粗さ
は、フォトレジスト層12の表面の粗さに対応したもの
となる。そして、実際に以上のようにして基板2を作製
したところ、基板2の表面平均粗さが2nm以下、最大
突起高さが25nm以下となった。このように、射出成
形により基板2を作製することで、基板2の表面の突起
を取り除く研磨工程や洗浄工程を施すことなく、表面平
滑性に優れた基板2を作製することができる。
【0059】磁気記録媒体1は、以上のように作製され
た基板2の上に磁性層5を含む積層膜を成膜することで
作製される。磁性層5を含む積層膜は、例えば図8に示
すようなインライン型スパッタリング装置21を用いて
成膜される。
【0060】インライン型スパッタリング装置21は、
1列に並んだチャンバー23a,チャンバー23b,チ
ャンバー23c,チャンバー23d及びチャンバー23
eを有している。各チャンバー23a〜eは、それぞれ
チャンバー23内部を高真空に保つ排気装置22a〜e
と、スパッタガスをチャンバー23a〜e内部に導入す
るガス導入孔26a〜eとを有している。スパッタリン
グを行う際には、先ず、チャンバー23a〜e内は、排
気装置22a〜eによって大気を排出され高真空状態に
保たれ、成膜時にガス導入孔26a〜eからArガス等
のスパッタガスが導入される。
【0061】チャンバー23aは、内部にターゲット電
源より整合回路を通じて電力が供給されるカソード24
aと、カソード24aに接触した状態で保持されている
バッキングプレートと、バッキングプレート上に保持さ
れるターゲットとを備えている。なお、後述する実施例
の磁気ディスク1を作製する際には、チャンバー23a
の内部に設置するターゲットとして、Cr−W合金から
なる下地層3用のターゲットを用いた。
【0062】チャンバー23bは、チャンバー23aと
同様に、内部にターゲット電源より整合回路を通じて電
力が供給されるカソード24bと、カソード24bに接
触した状態で保持されているバッキングプレートと、バ
ッキングプレート上に保持されるターゲットとを備えて
いる。なお、後述する実施例の磁気ディスクを作製する
際には、チャンバー23bの内部に設置するターゲット
として、Co−Crからなる中間層4用のターゲットを
用いた。
【0063】チャンバー23cは、チャンバー23aと
同様に、内部にターゲット電源より整合回路を通じて電
力が供給されるカソード24cと、カソード24cに接
触した状態で保持されているバッキングプレートと、バ
ッキングプレート上に保持されるターゲットとを備えて
いる。なお、後述する実施例の磁気ディスクを作製する
際には、チャンバー23cの内部に設置するターゲット
として、Co−Pt又はCo−Pt−Crを主体とし、
酸化物Mxyを含有する磁性層5用のターゲットを用い
た。
【0064】チャンバー23dは、チャンバー23aと
同様に、内部にターゲット電源より整合回路を通じて電
力が供給されるカソード24dと、カソード24dに接
触した状態で保持されているバッキングプレートと、バ
ッキングプレート上に保持されるターゲットとを備えて
いる。なお、後述する実施例の磁気ディスクを作製する
際には、チャンバー23dの内部に設置するターゲット
として、Cからなる保護層6用のターゲットを用いた。
【0065】また、インライン型スパッタリング装置2
1は、基板2を保持するパレット25を備えている。こ
のパレット25は、チャンバー23a〜eの内部で、パ
レット25が保持した状態の基板2が各ターゲットと対
向するように配置され、且つ各チャンバー23a〜eの
間を移動可能となされている。
【0066】以上のようなインライン型スパッタリング
装置21で基板2上に磁性層5等の積層膜を成膜する際
には、先ず、基板2をパレット25によって保持して、
これをチャンバー23eの内部に導入する。次に、排気
装置22a〜eが、各チャンバー23a〜eの内部を排
気して、高真空状態に保持する。次に、ガス導入孔26
a〜eから、Arガス等のスパッタガスをチャンバー2
3a〜eの内部に導入し、各チャンバー23毎に所定の
ガス圧とする。
【0067】そして、基板2を保持したパレット25
を、成膜する薄膜に対応したチャンバー内へと移動さ
せ、基板2をターゲットと対向させた状態で、ターゲッ
トをスパッタリングする。これにより、基板2上に薄膜
が成膜される。そして、基板2上に磁性層5を含む所定
の積層膜が形成されるように、このような成膜を各チャ
ンバー23a〜e内で行う。
【0068】以上のようにして、基板2を保持したパレ
ット25を各チャンバー23間を移動させることによっ
て、基板2上に磁性層5を含む積層膜を形成する。これ
により、基板2上に磁性層5を含む積層膜が形成されて
なる磁気記録媒体1が得られる。
【0069】そして、本発明では、基板2上に磁性層5
を成膜する際に、チャンバー23c内のガス圧を、1m
Torr以上、20mTorr以下の範囲内とする。こ
れにより、高SN比及び高保磁力を実現し、優れた磁気
特性を有する磁気記録媒体1を作製することが可能とな
る。チャンバー内のガス圧を1mTorr未満とした場
合、SN比及び保磁力の向上が不充分となる。一方、チ
ャンバー内のガス圧を20mTorrより大とすると、
チャンバー内のガス圧を1mTorrとした場合よりも
SN比及び保磁力が低下してしまう。
【0070】
【実施例】以下、本発明を適用した磁気記録媒体とし
て、図8に示したインライン型スパッタリング装置を用
いて実際に金属薄膜型の磁気ディスクを作製し、それら
の磁気特性等を調べた結果について説明する。
【0071】〈実験1〉まず、磁性層中のSiO2の含
有量について検討した。
【0072】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt−C
rとSiO2とからなる磁性層と、Cからなる保護層と
を順次成膜した。次に、保護層の表面にフッ素系潤滑剤
を塗布し、サンプル磁気ディスクを得た。
【0073】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてS
iO 2を混合し、焼成することにより得た。なお、これ
らCo、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCr
とSiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原
子%としたとき、Coを100−(14+6+x)原子
%、Ptを14原子%、Crを6原子%、SiO2を構
成する構成元素Siをx原子%となるような比率で混合
した。
【0074】なお、基板のプラスチック材料としては、
日本ゼオン社製のZEONEX(商品名)を用いた。
【0075】また、スパッタリング前のチャンバー内圧
力は、2×10-7Torrとした。また、スパッタリン
グ時のArガスの圧力は、下地層の成膜時は30mTo
rrとし、中間層の成膜時は47mTorrとし、磁性
層の成膜時は8.6mTorrとし、保護層の成膜時は
12mTorrとした。また、スパッタリング時のそれ
ぞれの成膜速度は、下地層の成膜時は2nm/secと
し、中間層の成膜時は2nm/secとし、磁性層の成
膜時は2nm/secとし、保護層の成膜時は0.5n
m/secとした。
【0076】また、これらの薄膜を成膜する際、基板を
保持するパレットは室温に保った。
【0077】そして、以上のように作製された磁性層中
のSiO2含有量が異なる複数のサンプルディスクにつ
いて、それらの保磁力HcをRMM(Remanent Moment
Magnetorometer)で測定した。また、線速度12.9m
/sec、波長0.5μm(約100kFCI)とした
ときのSN比を、電磁変換測定器「GUZIK−163
2A」で測定した。
【0078】なお、SN比の測定に用いる磁気ヘッドに
は、インダクティブ型磁気ヘッドからなる記録用磁気ヘ
ッドと、シールド型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドからな
る再生用磁気ヘッドとを組み合わせたものを使用した。
ここで、記録用磁気ヘッドについては、記録トラック幅
を2.7μmとし、ギャップ長を0.35μmとした。
また、再生用磁気ヘッドについては、磁気抵抗効果素子
の磁界検出に寄与する部分の幅(いわゆる再生MR幅)
を2.3μmとし、磁気抵抗効果素子を狭持するシール
ドの間隔を0.26μmとした。また、これらの磁気ヘ
ッドは、いわゆる50%ナノスライダに搭載した。
【0079】各サンプル磁気ディスクについて、保磁力
及びSN比を測定した結果を、図9に示す。なお、図9
において、横軸は、磁性層におけるSiO2の含有量を
Co−Pt−Crに対するSiO2の構成元素Siの比
率として示したものであり、右縦軸は、サンプル磁気デ
ィスクの保磁力の大きさを示しており、左縦軸は、サン
プル磁気ディスクに対して記録再生を行ったときのSN
比を示している。
【0080】図9から明らかなように、磁性層における
SiO2の含有量が、Co−Pt−Crに対するSiO2
を構成する構成元素Siの比率が4原子%以上、8原子
%以下となるような量である場合、2.3kOe〜2.
5kOeと高い保磁力が得られるとともに、35dB以
上の高いSN比が得られた。しかし、磁性層におけるS
iO2の含有量が、Co−Pt−Crに対するSiO2
構成する構成元素Siの比率が4原子%未満となるよう
な量である場合には、媒体ノイズが増加し、保磁力及び
SN比ともに急激に低下してしまった。一方、磁性層に
おけるSiO 2の含有量が、Co−Pt−Crに対する
SiO2を構成する構成元素Siの比率が8原子%を上
回るような量である場合には、特に保磁力の低下が著し
く、現行の磁気ヘッドによる記録が困難となる虞があ
る。これらの結果から、磁性層におけるSiO2の含有
量を、Co−Pt−Crに対するSiO2を構成する構
成元素Siの比率が4原子%以上、8原子%以下となる
ような量とすることで、Co−Pt−Crの結晶粒の結
晶間相互作用を分断し、高SN比と高保磁力とを兼ね備
えた優れた磁気特性を得られることがわかった。
【0081】〈実験2〉つぎに、実験1で明らかになっ
た最適な磁性層の組成を適用して、実際に磁気ディスク
を作製し、磁性層の最適な厚さについて検討した。
【0082】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt−C
rとSiO2とからなる磁性層と、Cからなる保護層と
を順次成膜した。次に、保護層の表面にフッ素系潤滑剤
を塗布し、サンプル磁気ディスクを得た。
【0083】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてS
iO 2を混合し、焼成することにより得た。なお、これ
らCo、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCr
とSiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原
子%としたとき、Coを74原子%、Ptを14原子
%、Crを6原子%、SiO2を構成する構成元素Si
を6原子%となるような比率で混合した。それととも
に、磁性層の厚さを変化させたこと以外は、実験1と同
様にして複数のサンプル磁気ディスクを作製した。
【0084】そして、磁性層の厚さがそれぞれ異なる複
数のサンプル磁気ディスクについて、実験1と同様の手
法にて、保磁力及びSN比を測定した。各サンプル磁気
ディスクについて保磁力を測定した結果を、図10に示
す。また、各サンプル磁気ディスクについてSN比を測
定した結果を、図11に示す。なお、図10において、
横軸は磁性層の厚さを示しており、縦軸はサンプル磁気
ディスクの保磁力の大きさを示している。また、図11
において、横軸は磁性層の厚さを示しており、縦軸はサ
ンプル磁気ディスクに対して記録再生を行ったときのS
N比を示している。
【0085】図10から明らかなように、磁性層の厚さ
を10nm以上、25nm以下の範囲内としたときに
は、2.5kOe以上の高い保磁力が得られた。特に、
磁性層の厚さを15nm以上、20nm以下の範囲内と
することにより、2.8kOe以上の極めて高い保磁力
を得られることがわかった。一方、磁性層の厚さが10
nm未満である場合には、保磁力は2.5kOeを下回
る低い値を示した。また、磁性層の厚さが25nmを上
回る場合も、保磁力は2.5kOeを下回る低い値を示
した。これらの結果から、磁性層の厚さを10nm以
上、25nm以下の範囲内とすることで、高保磁力を得
られることがわかった。
【0086】また、図11から明らかなように、磁性層
の厚さを10nm以上、25nm以下の範囲内としたと
きには、30dB以上の高いSN比が得られた。特に、
磁性層の厚さを15nm以上、20nm以下の範囲内と
することにより、約35dBの極めて高いSN比を得ら
れることがわかった。一方、磁性層の厚さが10nm未
満である場合、SN比は30dBを下回る低い値を示し
た。また、磁性層の厚さが25nmを上回る場合も、S
N比は30dBを下回る低い値を示した。これらの結果
から、磁性層の厚さを10nm以上、25nm以下の範
囲内とすることで、高SN比を得られることがわかっ
た。
【0087】以上の実験2の結果から、磁性層の厚さを
10nm以上、25nm以下の範囲内に規定すること
で、高保磁力と高SN比とを兼ね備えた優れた磁気特性
を得られることがわかった。さらに、磁性層の厚さを1
5nm以上、20nm以下の範囲内とすることにより、
磁気ディスクは、極めて優れた磁気特性を有することが
明らかとなった。
【0088】〈実験3〉つぎに、磁性層を成膜する際の
最適なガス圧について検討した。
【0089】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt−C
rとSiO2とからなる磁性層と、Cからなる保護層と
を順次成膜した。次に、保護層の表面にフッ素系潤滑剤
を塗布し、サンプル磁気ディスクを得た。
【0090】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてS
iO 2を混合し、焼成することにより得た。なお、これ
らCo、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCr
とSiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原
子%としたとき、Coを74原子%、Ptを14原子
%、Crを6原子%、SiO2を構成する構成元素Si
を6原子%となるような比率で混合した。それととも
に、磁性層を成膜する際のチャンバー内のArガスの圧
力を変化させたこと以外は、実験1と同様にして複数の
サンプル磁気ディスクを作製した。
【0091】また、インライン型スパッタリング装置
の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるターゲ
ットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてSi
2を混合し、焼成することにより得た。なお、これら
Co、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCrと
SiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原子
%としたとき、Coを72原子%、Ptを14原子%、
Crを6原子%、SiO 2を構成する構成元素Siを8
原子%となるような比率で混合した。それとともに、磁
性層を成膜する際のチャンバー内のArガスの圧力を変
化させたこと以外は、実験1と同様にして複数のサンプ
ル磁気ディスクを作製した。
【0092】そして、以上のように作製された複数のサ
ンプル磁気ディスクについて、実験1と同様の手法に
て、保磁力及びSN比を測定した。各サンプル磁気ディ
スクについて保磁力を測定した結果を、図12に示す。
また、各サンプル磁気ディスクについてSN比を測定し
た結果を、図13に示す。なお、図12において、横軸
は磁性層を成膜する際のArガスの圧力を示しており、
縦軸はサンプル磁気ディスクの保磁力の大きさを示して
いる。また、図13において、横軸は磁性層を成膜する
際のArガスの圧力を示しており、縦軸はサンプル磁気
ディスクに対して記録再生を行ったときのSN比を示し
ている。
【0093】また、図12及び図13中、丸(○)は、
SiO2の含有量が、Co−Pt−Crに対するSiO2
の構成元素Siの比率が6原子%とされたサンプル磁気
ディスクの評価結果を表す。また、図12及び図13
中、三角(△)は、SiO2の含有量が、Co−Pt−
Crに対するSiO2の構成元素Siの比率が8原子%
とされたサンプル磁気ディスクの評価結果を表す。
【0094】図12から明らかなように、磁性層成膜時
のArガスの圧力を1mTorr以上、20mTorr
以下の範囲内としたときには、SiO2の含有量にかか
わらず、2.5kOe以上の高い保磁力が得られた。し
かし、Arガスの圧力を1mTorr未満とした場合、
例えば磁性層におけるSiO2の含有量が、Co−Pt
−Crに対するSiO2を構成する構成元素Siの比率
が8原子%となるような量とされたサンプル磁気ディス
クの保磁力は、2.49kOeであり、現在使用されて
いる磁気ヘッドの記録能力を考慮すると、不充分な値で
あった。一方、Arガスの圧力が20mTorrを上回
る場合、Arガスを1mTorrとした場合よりもSN
比及び保磁力が低下してしまった。これらの結果から、
磁性層成膜時のスパッタガスの圧力を、1mTorr以
上、20mTorr以下の範囲内とすることで高保磁力
を得られることがわかった。
【0095】また、図13から明らかなように、磁性層
成膜時のArガスの圧力を1mTorr以上、20mT
orr以下の範囲内としたときには、SiO2の含有量
にかかわらず、35dB以上の極めて高いSN比が得ら
れた。しかし、Arガスの圧力を1mTorr未満とし
た場合、例えば磁性層におけるSiO2の含有量が、C
o−Pt−Crに対するSiO2を構成する構成元素S
iの比率が6原子%となるような量とされたサンプル磁
気ディスクのSN比は、34.2dBであり、現在使用
されている磁気ヘッドの記録能力を考慮すると、不充分
な値であった。一方、Arガスの圧力が20mTorr
を上回る場合、Arガスを1mTorrとした場合より
もSN比及び保磁力が低下してしまった。これらの結果
から、磁性層成膜時のスパッタガスの圧力を、1mTo
rr以上、20mTorr以下の範囲内とすることで高
SN比を得られることがわかった。
【0096】以上の実験3の結果から、磁性層成膜時の
スパッタガスの圧力を1mTorr以上、20mTor
r以下の範囲内に規定することで、高保磁力と高SN比
とを兼ね備え、高密度記録に好適な磁気ディスクを製造
できることがわかった。
【0097】〈実験4〉つぎに、磁性層中の強磁性体と
してCo−Ptを用いる場合、及び磁性層が含有する酸
化物MxyとしてSiO2とともにCr23を併用する
場合の効果について検討した。
【0098】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt及び
SiO 2、若しくはCo−Pt−Cr、SiO2及びCr
23とからなる磁性層と、Cからなる保護層とを順次成
膜した。次に、保護層の表面にフッ素系潤滑剤を塗布し
て、サンプル磁気ディスクを得た。
【0099】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt及び酸化物MxyとしてSiO2
を混合し、焼成することにより得た。なお、これらC
o、Pt及びSiO2は、CoとPtとSiO2を構成す
る構成元素Siとの総和を100原子%としたとき、C
oを72原子%、Ptを20原子%、SiO2を構成す
る構成元素Siを8原子%となるような比率で混合し
た。それとともに、磁性層の厚さを変化させたこと以外
は、実験1と同様にして複数のサンプル磁気ディスクを
得た。
【0100】また、インライン型スパッタリング装置
の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるターゲ
ットは、Co、Pt、Cr並びに酸化物MxyとしてS
iO2及びCr23を混合し、焼成することにより得
た。なお、これらCo、Pt、Cr、SiO2及びCr2
3は、CoとPtとCrとSiO2を構成する構成元素
SiとCr23を構成する構成元素Crとの総和を10
0原子%としたとき、Coを73原子%、Ptを14原
子%、Crを6原子%、SiO2を構成する構成元素S
iを6原子%、Cr23を構成する構成元素Crを1原
子%となるような比率で混合した。それとともに、磁性
層の厚さを変化させたこと以外は、実験1と同様にして
複数のサンプル磁気ディスクを得た。
【0101】そして、以上のように作製された複数のサ
ンプル磁気ディスクについて、実験1と同様の手法に
て、保磁力及びSN比を測定した。各サンプル磁気ディ
スクについて保磁力を測定した結果を、図14に示す。
また、各サンプル磁気ディスクについてSN比を測定し
た結果を、図15に示す。なお、図14において、横軸
は磁性層の厚さを示しており、縦軸はサンプル磁気ディ
スクの保磁力の大きさを示している。また、図15にお
いて、横軸は磁性層の厚さを示しており、縦軸はサンプ
ル磁気ディスクに対して記録再生を行ったときのSN比
を示している。
【0102】また、図14及び図15中、四角(□)
は、SiO2の含有量が、Co−Ptに対するSiO2
構成元素Siの比率が8原子%とされたサンプル磁気デ
ィスクの評価結果を表す。また、図14及び図15中、
三角(△)は、SiO2の含有量が、Co−Pt−Cr
に対するSiO2の構成元素Siの比率が6原子%とさ
れ、Cr23の含有量が、Co−Pt−Crに対するC
23の構成する構成元素Crの比率が1原子%とされ
たサンプル磁気ディスクの評価結果を表す。
【0103】図14から明らかなように、磁性層の強磁
性体としてCo−Ptを含有するサンプル磁気ディスク
は、磁性層の厚さが10nm以上、25nm以下の範囲
内で、2.5kOe以上の高保磁力を得られることがわ
かった。また、Co−Pt−CrとSiO2とともに、
Cr23を含有するサンプル磁気ディスクも、磁性層の
厚さが10nm以上、25nm以下の範囲内で、2.5
kOe以上の高保磁力を得られることがわかった。
【0104】一方、図15から明らかなように、Co−
Pt−CrとSiO2とともに、Cr23を含有するサ
ンプル磁気ディスクは、磁性層の強磁性体としてCo−
Ptを含有するサンプル磁気ディスクに比べて、高SN
比を得られることがわかった。また、図11中に示すよ
うな、磁性層におけるSiO2の含有量が、Co−Pt
−Crに対するSiO2を構成する構成元素Siの比率
が6原子%となるような量とされたサンプル磁気ディス
クのSN比との比較から明らかなように、Co−Pt−
CrとSiO2とともに、Cr23を含有するサンプル
磁気ディスクは、SN比が向上することがわかった。こ
れは、酸化物MxyとしてSiO2とともにCr23
併用することで、単独のSiにO原子が補給され、Co
−Pt−Crの結晶粒の結晶間相互作用が低下するため
と考えられる。
【0105】以上の実験4の結果から、磁性層中に、酸
化物MxyとしてSiOxとともに、Cr23を併用す
ることで、磁気特性をさらに向上させられることが明ら
かとなった。
【0106】〈実験5〉つぎに、上述のような酸化物を
含有する磁性層中の、Crの最適な含有量を検討した。
【0107】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt又は
Co−Pt−CrとSiO2とからなる磁性層と、Cか
らなる保護層とを順次成膜した。次に、保護層の表面に
フッ素系潤滑剤を塗布して、サンプル磁気ディスクを得
た。
【0108】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてS
iO 2を混合し、焼成することにより得た。なお、これ
らCo、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCr
とSiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原
子%としたとき、Coを100−(16+x+6)原子
%、Ptを16原子%、Crをx原子%、SiO2を構
成する構成元素Siを6原子%となるような比率で混合
した。また、Crの含有量は、4原子%、6原子%、1
0原子%、12原子%と変化させた。それとともに、残
留磁化Mrと磁性層厚さtとの積Mr・tの値を変化さ
せた、それら以外は、実験1と同様にして複数のサンプ
ル磁気ディスクを作製した。
【0109】そして、以上のように作製された複数のサ
ンプル磁気ディスクについて、実験1と同様の手法にて
保磁力を測定した。各サンプル磁気ディスクについて保
磁力を測定した結果を、図16に示す。なお、図16に
おいて、横軸は残留磁化Mrと磁性層厚さtとの積Mr
・tを示し、縦軸はサンプル磁気ディスクの保磁力の大
きさを示している。
【0110】図16から明らかなように、Co−Pt−
CrとSiO2を構成する構成元素Siとの総和を10
0%としたときのCrの含有量が10原子%以下である
場合に、Mr・tの広い範囲に亘って、高い保磁力が得
られることがわかった。特にCo−Pt−CrとSiO
2を構成する構成元素Siとの総和を100%としたと
きのCrの含有量が4原子%〜10原子%である場合、
2600Oeを上回る優れた保磁力を示した。
【0111】したがって、Co−Pt−CrとSiO2
を構成する構成元素Siとの総和を100原子%とした
ときのCrの含有量は、10原子%以下であることが好
ましく、特に4原子%〜10原子%が好ましいことが明
らかとなった。
【0112】〈実験6〉つぎに、上述のような酸化物を
含有する磁性層中の、Ptの最適な含有量を検討した。
【0113】上述のようにプラスチック材料を射出成形
してなる基板上に、Cr88−W12合金からなる下地層
と、Co58−Cr42からなる中間層と、Co−Pt又は
Co−Pt−CrとSiO2とからなる磁性層と、Cか
らなる保護層とを順次成膜した。次に、保護層の表面に
フッ素系潤滑剤を塗布して、サンプル磁気ディスクを得
た。
【0114】このとき、インライン型スパッタリング装
置の、磁性層を成膜するチャンバー内に設置されるター
ゲットは、Co、Pt、Cr及び酸化物MxyとしてS
iO 2を混合し、焼成することにより得た。なお、これ
らCo、Pt、Cr及びSiO2は、CoとPtとCr
とSiO2を構成する構成元素Siとの総和を100原
子%としたとき、Coを100−(x+6+6)原子
%、Ptをx原子%、Crを6原子%、SiO2を構成
する構成元素Siを6原子%となるような比率で混合し
た。
【0115】そして、下記の図17に示すように、Pt
の含有量を変化させたこと以外は、実験1と同様にして
複数のサンプル磁気ディスクを作製した。
【0116】そして、以上のように作製された複数のサ
ンプル磁気ディスクについて、実験1と同様の手法にて
保磁力及びSN比を測定した。各サンプル磁気ディスク
について、保磁力及びSN比を測定した結果を、図17
に示す。なお、図17において、横軸は、Ptの含有量
を、Co−Pt−CrとSiO2を構成する構成元素S
iとの総和を100%としたときの比率として示したも
のであり、右縦軸はサンプル磁気ディスクの保磁力の大
きさを示しており、左縦軸はサンプル磁気ディスクに対
して記録再生を行ったときのSN比を示している。
【0117】図17から明らかなように、Co−Pt−
CrとSiO2を構成する構成元素Siとの総和を10
0%としたときのPtの含有量を12原子%より多くす
ると、2.5kOeを上回る優れた保磁力を得られるこ
とがわかった。
【0118】また、Co−Pt−CrとSiO2を構成
する構成元素Siとの総和を100%としたときのPt
の含有量が12原子%〜20原子%であるとき、33d
Bを上回るSN比を示した。特に、Co−Pt−Crと
SiO2を構成する構成元素Siとの総和を100%と
したときのPtの含有量が13原子%〜16原子%であ
るとき、SN比が35dBを上回り、媒体ノイズを顕著
に抑えられることがわかった。したがって、Co−Pt
−CrとSiO2を構成する構成元素Siとの総和を1
00%としたときのPt含有量は、12原子%〜20原
子%であることが好ましく、特に13原子%〜16原子
%であることが好ましいことが明らかとなった。
【0119】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、例えば磁性層の厚さを最適化し、適量の酸
化物MxyがCo−Pt又はCo−Pt−Crの結晶粒
間に分散することによって、磁性層におけるCo−Pt
又はCo−Pt−Crの結晶粒の結晶間相互作用を低減
できる。したがって、高保磁力及び高SN比を実現し、
高密度記録に好適な磁気記録媒体を提供することが可能
である。
【0120】また、本発明にかかる磁気記録媒体の製造
方法によれば、磁性層の成膜時に最適なガス圧とするこ
とで、高保磁力及び高SN比を実現し、高密度記録に好
適な磁気記録媒体を製造することができる。特に、本手
法によれば、基板加熱を行うことなく磁気特性に優れた
磁性層を成膜することができるため、基板としてプラス
チック材料を採用することができる。したがって、本手
法によれば、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を低
コストにて製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の要部概略断面
図である。
【図2】図1に示す磁気記録媒体の製造方法を説明する
ための図であり、ガラス原盤を示す概略断面図である。
【図3】同方法を説明するための図であり、ガラス原盤
上に形成されたフォトレジスト層を示す概略断面図であ
る。
【図4】同方法を説明するための図であり、フォトレジ
スト層の露光部を示す概略断面図である。
【図5】同方法を説明するための図であり、露光部が溶
出されたフォトレジスト層及びガラス原盤を示す概略断
面図である。
【図6】同方法を説明するための図であり、ガラス原盤
及びフォトレジスト層上に形成されたスタンパを示す概
略断面図である。
【図7】同方法を説明するための図であり、スタンパを
示す概略断面図である。
【図8】インライン型スパッタリング装置の概略構成を
示す図である。
【図9】実験1で作製した各サンプル磁気ディスクにつ
いて、保磁力及びSN比を測定した結果を示す図であ
る。
【図10】実験2で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、保磁力を測定した結果を示す図である。
【図11】実験2で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、SN比を測定した結果を示す図である。
【図12】実験3で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、保磁力を測定した結果を示す図である。
【図13】実験3で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、SN比を測定した結果を示す図である。
【図14】実験4で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、保磁力を測定した結果を示す図である。
【図15】実験4で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、SN比を測定した結果を示す図である。
【図16】実験5で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、保磁力を測定した結果を示す図である。
【図17】実験6で作製した各サンプル磁気ディスクに
ついて、保磁力及びSN比を測定した結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 基板、3 下地層、4 中間
層、5 磁性層、6 保護層、11 ガラス原盤、12
フォトレジスト層、12a 露光部、13 スタン
パ、21 インライン型スパッタリング装置、22 排
気装置、23 チャンバー、24 カソード、25 パ
レット、26 ガス導入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/851 G11B 5/851 H01F 10/16 H01F 10/16 10/26 10/26 41/18 41/18 (72)発明者 猪狩 孝洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA11 BA02 BA06 BA07 BA13 BA17 BA21 BA35 BA43 BA46 BA48 BB02 BD11 CA05 DC09 EA01 EA03 EA05 5D006 BB01 BB07 CB01 CB07 5D112 AA05 BB01 FA04 FB12 FB20 5E049 AA04 AA09 BA06 DB06 GC01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にCo−Pt又はCo−Pt−C
    rを主体とし酸化物M xyを含有する磁性薄膜が磁性層
    として形成されてなり、 上記磁性薄膜における上記酸化物Mxyの含有量は、当
    該酸化物を構成する構成元素Mの比率がCo−Pt又は
    Co−Pt−Crに対して4原子%以上、8原子%以下
    となるような量とされ、 且つ上記磁性層の厚さは、10nm以上、25nm以下
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記Co−Pt又はCo−Pt−Crと
    上記酸化物を構成する構成元素Mとの総和を100原子
    %としたときに、Ptが12原子%〜20原子%であ
    り、Crが10原子%以下であり、酸化物を構成する構
    成元素Mが4原子%〜8原子%であり、残部がCoであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記酸化物Mxyは、SiOxであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記酸化物Mxyは、SiOxと、Cr2
    3、TiO2、ZrO 2、Y23のうち少なくとも1種
    類以上との混合体であることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記基板は、プラスチックよりなること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記基板の表面に、凹凸パターンが形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 上記基板の表面平均粗さが2nm以下で
    あり、最大突起高さが25nm以下であることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 基板上にCo−Pt又はCo−Pt−C
    rを主体とし酸化物M xyを含有する磁性薄膜が磁性層
    として形成されてなり、 上記磁性薄膜における上記酸化物Mxyの含有量は、当
    該酸化物を構成する構成元素Mの比率がCo−Pt又は
    Co−Pt−Crに対して4原子%以上、8原子%以下
    となるような量とされる磁気記録媒体の製造方法であっ
    て、 スパッタリング法によりチャンバー内で上記基板上に上
    記磁性層を成膜するに際し、 上記チャンバー内のガス圧を、1mTorr以上、20
    mTorr以下とし、 且つ上記磁性層を、10nm以上、25nm以下の厚さ
    で成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記Co−Pt又はCo−Pt−Crと
    上記酸化物を構成する構成元素Mとの総和を100原子
    %としたときに、Ptが12原子%〜20原子%であ
    り、Crが10原子%以下であり、酸化物を構成する構
    成元素Mが4原子%〜8原子%であり、残部がCoであ
    ることを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 上記酸化物Mxyは、SiOxである
    ことを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 上記酸化物Mxyは、SiOxと、C
    23、TiO2、ZrO2、Y23のうち少なくとも1
    種類以上との混合体であることを特徴とする請求項8記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記基板は、プラスチックよりなるこ
    とを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 スパッタリング法により、チャンバー
    内で上記基板上に上記磁性層を成膜するに際し、 上記基板を、非加熱状態とすることを特徴とする請求項
    10記載の磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記基板として、表面に凹凸パターン
    が形成されているものを用いることを特徴とする請求項
    8記載の磁気記録媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記基板の表面平均粗さが2nm以下
    であり、最大突起高さが25nm以下であることを特徴
    とする請求項8記載の磁気記録媒体の製造方法。
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