JPS60138723A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、形状記憶合金層を設けた磁気記録媒体に関す
るものである。

磁気記録媒体は、従来から例えばオーディオ用磁気テー
プ、パーソナルコンピュータ用フロッピーディスク等と
して使われてきた。従来から磁気記録媒体としては、い
わゆる塗布型媒体と金属薄膜型磁気記録媒体とがある。

塗布型媒体は、高分子フィルムなどの非磁性基体上に磁
性粉を塗布したものである。一方、金属薄膜型磁気記録
媒体は、非磁性基体上に磁性金属薄膜を真空蒸着、スパ
ッタリングあるいはイオンブレーティング等の薄膜形成
法により形成したものである。金属薄膜型磁気記録媒体
の中でも特にＧ。

−Ｃｒ合金等の薄膜を用いた垂直磁気記録媒体は、ＶＴ
Ｒ信号などの高密度記録に適しており、研究開発が進ん
でいる。

高密度記録には、磁気ヘッドと磁気記録媒体とのスペー
シングロスか大きな影響を及ぼす。高密度記録を達成す
るためには、スペーシングロスを極力減少させることが
不可欠である。

従来の磁気記録媒体は、第１図に示すように非磁性基体
１と磁気記録層２によって構成されている。

以下、非磁性基体ｌにおいて、磁気記録層２を設ける面
１ａをおもて面、おもて面と反対側の面ｌｂを裏面と称
する。

一般に非磁性基体１には、ポリエチレンテレフタレート
、ポリイミド、ポリアミド等の高分子フィルムが使用さ
れている。高分子フィルムの非磁性基体１上に磁気記録
層２を形成すると、第１図に示すように磁気記録媒体６
にカールが発生する。カールの発生原因には、磁気記録
層２のもつ内部応力、高分子フィルムの吸湿にょる膨潤
が考えられる。また、真空蒸着法では蒸発源からの輻射
熱によって、非磁性基体ｌが熱的歪を起すことがカール
の主な原因と考えられている。そして、スパッタリング
法では非磁性基体１へ電子が衝突することによって非磁
性基体ｌが熱的歪を起すことがカールの主な原因と考え
られている。

第１図では、非磁性基体ｌのおもて面１ａが凸となるカ
ールを示したが、裏面１ｂが凸となるようにカールする
場合もある。非磁性基体ｌがどちら側にカールするかは
、非磁性基体ｌ及び磁気記録層２に使用する材料や磁気
記録層２の生成条件、特に生成温度によって左右される
。

磁気記録媒体にカールが生ずると、走行性が不安定とな
る。このため、従来の磁気記録媒体ではヘッドタッチが
とりにくくなり、出方レベルが変動することが多かった
。すなわち、カールの生じた磁気テープでは、不安定な
走行９巻き乱れ等の問題が生じ、カールの生じた磁気デ
ィスク（フレキシブルディスク）ではへラドタッチがと
れなくなり、十分な磁気記録、再生ができなくなった。

従来から塗布型の磁気テープや磁気ディスクにおいては
、塗布、乾燥、硬化後のカールは主に塗布液（有機へイ
ンター）の調合によりほぼ解決されていた。しかし、薄
膜型の磁気テープや磁気ディスク、特に真空蒸着、スパ
ッタ等で形成されたものはカールの発生が抑えにくかっ
た。この欠点を解消するために、非磁性基体のおもて面
及び裏面に磁気記録層を形成することが考えられるが、
手間がかかりしかも高度な技術を必要とするため磁気記
録媒体としては不向きである。

また、カールの発生しないハードディスクタイプのもの
もあるが、テープとしては使えず、ディスク装置に使用
する場合でも装置精度が要求された。しかも、ハードデ
ィスクタイプのものは、媒体の表面仕上げを必要とし、
手間がかかる上にヘッドとして浮動型ヘッドしか使えな
いので、スペーシングロスを生じ、記録密度に限界があ
った。こうしたカールの問題が、従来のフレキシブルデ
ィスクやテープの普及を妨げていた。

本発明は上記の実情に鑑みてなされたもので、カールの
発生を防止してスペーシングロスヲ極力抑え、安定した
記録再生ができる磁気記録媒体を提供することを目的と
する。

本発明の磁気記録媒体は、非磁性基体上に一層又は多層
の磁気記録層を設けたもので、非磁性基体に形状記憶合
金層を設けたことを特徴とするものである。

形状記憶合金とは、熱処理をすることによって所望の形
状を記憶することができる合金のことで、負荷により形
状が変化しても、熱処理あるいは負荷を除くことによっ
て、記憶した形状に戻すことができる。

形状記憶合金としては、例えばＴｉ　−Ｎｉ合金やＣｕ
−ＡＭ−Ｎｉ合金、Ｃｕ−Ａｎ−Ｚｎ合金、Ｃｕ−Ｓｎ
合金、Ｃｕ−Ｚｎ合金、　Ｃｕ−Ｚｎ−Ｘ　（Ｘ＝Ｓｉ
、　Ｓｎ、　Ｇａ。

Ａ１合金等（７）Ｃｕ系合金、Ａｇ−Ｃｄ合金、Ａｕ−
Ｃｄ合金、Ｉｎ−Ｔ１合金、Ｎｉ−Ａ１合金、Ｆｅ−Ｐ
ｔ合金。

Ｆｅ−Ｐｄ合合金９ヰη〇ｕ金合金のＭｎ系合金等が挙
げられる。

本発明の磁気記録媒体に設ける形状記憶合金は、真空蒸
着法やスパッタリング法、あるいはイオンプレイティン
グ法などの物理的方法によって得ることができ、形状記
憶効果を示す薄膜として形成される。形状記憶合金層を
設けた本発明の磁気記録媒体は、形状が変化しても熱処
理によって元の状態に戻すことができる。本発明におい
て、形状記憶合金が記憶する形状は、形状記憶合金層形
成後熱処理時の形状である。

本発明において、形状記憶合金層の厚さは、０．１〜１
０ｐｍの範囲が望ましい。形状記憶合金層の厚さが薄す
ぎるとカールを完全に除去することができない。また形
状記憶合金層の厚さが厚すぎると磁気記録媒体の剛性が
大きくなりすぎて望ましくない。

実際に磁気記録媒体として使用する場合には、形状記憶
合金層の厚さは０．１〜５ＩＬｆｆｌの範囲が望ましい
が、生産性を考慮すると０．３〜Ｌｇｍの厚さが最適で
ある。

以下、実施例を掲げて、本発明の磁気記録媒体をより具
体的に説明する。

〈実施例１〉 第２図に示す本発明の磁気記録媒体は、ディスクタイプ
の垂直磁気記録媒体で、非磁性基体ｌのおもて面ｌａ側
に形状記憶合金層３が設けられている。すなわち形状記
憶合金層３は、非磁性基体１のおもて面１ａと磁気記録
層７の間に設けられている。形状記憶合金としてはＴｉ
　−Ｎｉ合金を使用した。本実施例においては磁気記録
層７がパーマロイの軟磁性層７ａとＧｏ−Ｃｒ膜の垂直
磁気記録層７ｂとで構成されている。この実施例では非
磁性基体ｌとして厚さ３６　ｐ、ｍのポリイミドを使用
した。

本実施例では、本発明の磁気記録媒体を次のようにして
製造した。

まず、非磁性基体ｌのおもて面１ａにＴｉ−旧舎金を形
状記憶合金層３として蒸着した。このときの真空度は２
．５　Ｘ　１０−’Ｐａ以下であった。Ｔｉ−Ｎｉ合金
は粉末状のものを使用した。形状記憶合金層３の厚さは
０．５　ｐ−ｒｉであった。次に形状記憶合金層３の上
にスパッタリングによりパーマロイの軟磁性層７ａを形
成した。軟磁性層７ａの厚さは０．５ｇｍであった。軟
磁性層７ａは、パーマロイ以外にアモルファス金属でも
かまわない。スパッタリングは、到達真空度２．５Ｘ　
１０−４Ｐａ以下でＡｔを導入し、スパッタ圧０．５Ｐ
ａにおいて行なった。

続いて軟磁性層７ａ上にＧｏ−Ｃｒ膜の垂直磁気記録層
７ｂをスパッタリングにより形成した。垂直磁気記録層
７ｂの厚さは０．５ＪＬ１１であった。このときのスパ
ッタ圧は０．３Ｐａであった。モして成膜を終えて大気
中にとりだした磁気記録媒体を厚手のガラスにはさんで
２５０〜３００℃で約１時間熱処理を施し、熱処理後は
徐冷を行なった。

このようにして製造された本発明の一磁気記憶媒体は、
従来の磁気記録媒体に比べて大幅にカールが改善され、
はとんどカールが見られなかった。

本発明の磁気記録媒体は保存状態が悪かったり、使用後
などでカールが発生する事がある。その場合カールした
磁気記録媒体を７０〜８０℃の温度で５分間熱処理する
と、本発明の磁気記録媒体のｐ−ルは再びほぼなくなり
、ヘッドタッチ及び走行性の両面で大変優れた性能を示
した。

次に本発明の磁気記録媒体について、保磁力Ｈｃを測定
した。その結果、本発明による磁気記録媒体の保磁力は
約７５０〜９００エルステツドで、従来の磁気記録媒体
の保磁力が約４５０〜６００エルステツドであるのに比
較して約３００エルステツドの増加をみた。これは、形
状記憶合金の下地金属としての効果（下地効果）が寄与
しているものと考えられる。

また、形状記憶合金の下地効果によって、磁気記録媒体
及び磁気ヘッドの寿命が延びた。すなわち、本発明の磁
気記録媒体は、磁気記録層３や非磁性基体ｌに生じた傷
によって悪影響を受けず、従来のものに比較して約１．
２〜１．８倍寿命が延びた。

〈実施例２〉 第３図に示す本発明の磁気記録媒体も垂直磁気記録媒体
である。第３図に示す磁気記録媒体では、非磁性基体１
の裏面ｌｂ側に形状記憶合金層３が設けられている。す
なわち、実施例２では非磁性基体ｌのおもて面１ａに磁
気記録層７を設け、非磁性基体ｌの裏面１ｂに形状記憶
合金層３を設けた。本実施例においても磁気記録層７は
、実施例１と同様に、パーマロイの軟磁性層７ａとＧｏ
−Ｃｒ膜の垂直磁気記録層７ｂとで構成されている。こ
の実施例では非磁性基体１として厚さ５０ｇｍのポリエ
ーテルエーテルケトンを使用した。

本実施例では、本発明の磁気記録媒体を次のように製造
した。

まず、非磁性基体１の裏面１ｂにＣｕ−ＡＭ−Ｎｉ合金
を形状記憶合金層３として蒸着した。このときの真空度
は２．５Ｘ　１０−４Ｐａ以下であった。Ｃｕ　−Ａｌ
−旧合金は粉末状のものを使用した。形状記憶合金層３
の厚さは０．５　ｐ、　ｍであった。

そして、非磁性基体ｌのおもて面１ａにパーマロイ軟磁
性層７ａをスパッタリングにより形成した。パーマロイ
軟磁性層７ａの厚さはＱ、５　ｇ　ｍであった。スパッ
タリングは到達真空度２．５Ｘ１０−４Ｐａ以下でＡｒ
を導入し、スパッタ圧０．５Ｐａにおいて行なった。続
いて軟磁性層７ａ上にＧｏ−Ｃｒ膜の垂直磁気記録層７
ｂをスパッタリングにより形成した。垂直磁気記録層７
ｂの厚さはＱ、５　ｇ　ｒｎであった。このときのスパ
ッタ圧はＱ、３Ｐａであった。そして成膜径大気中にと
りだした磁気記録媒体を厚手のガラスにはさんで２２０
〜２８０℃で約１時間熱処理を施し熱処理後は徐冷を行
なった。

このようにして製造された本発明の磁気記録媒体は、従
来の磁気記録媒体に比べて大幅にカールが改善され、は
とんどカールかなくなっていた。

さらに、保存状態が悪かったり、使用後などでカールの
発生した本発明の磁気記録媒体を、７０〜１２０℃の温
度で５分間熱処理した。その結果、カールのほとんどな
い本発明の磁気記録媒体にもどった。

以上実施例１．実施例２によって本発明の磁気記録媒体
を具体的に説明したが、非磁性基体１として厚み８〜５
０ｇａ＋のポリイミドあるいは厚みｌＯ〜５０　ｐ、ｍ
のポリエーテルエーテルケトンを用い、それぞれの非磁
性基体ｌにＴｉ−Ｎｉ合金の薄膜を０．２〜８ｐｍの厚
さに形成して本発明の磁気記録媒体を製造しても同様の
効果が得られた。

また、第４図に示すように、非磁性基体１のおもて面ｌ
ａ側において、軟磁性層７ａと垂直磁気記録層７ｂの間
に形状記憶合金層３を設けてもカールがなく安定した記
録再生ができる。

なお、上述した実施例はこの発明を限定するものではな
く、この発明の趣旨及び特許請求の範囲内において、種
々のバリエーションが可能である。例えば、この発明は
塗布型の磁気テープ並びに磁気ディスクにも適用できる
。また、例えば成膜法も実施例の他にスパッタ法、イオ
ンブレーティング法、メッキ法等の方法を常法の条件に
従って実施しても形成でき、形状記憶合金層には形状記
憶効果を示すものであれば実施例の他に、前述した種々
の形状記憶合金でも可能である。さらに、本発明の磁気
記録層は、上部に保護層を設けたものでもかまわない。

以上の説明から明らかなように、本発明の磁気記録媒体
は、形状記憶合金層を設けて熱処理することによって、
カールをほとんど除去することができる。このため、本
発明の磁気記録媒体はへラドタッチが非常に良く、出力
レベルの変動が非常に少ない。また形状記録合金層の下
地効果によって、媒体の磁気特性及び寿命が延び大変工
業的価値が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気記録媒体の例を示す断面図、第２図
は本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図、第３図は
本発明による磁気記録媒体の他の例を示す断面図、第４
図は本発明による磁気記録媒体の更に他の例を示す断面
図である。 ｌ−一一一非磁性基体　２−一一一磁気記録層３−−−
−形状記憶合金層　６−−−−磁気記録媒体７−−−−
磁気記録層 出願人　キャノン株式会社

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）非磁性基体上に一層又は多層の磁気記録層を設け
   た磁気記録媒体において、前記非磁性基体に形状記憶合
   金層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）形状記憶合金層の厚さが０．１−１０　ｐ、ｍの
   範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の磁気記録媒体。