JPH09134518A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09134518A
JPH09134518A JP29142495A JP29142495A JPH09134518A JP H09134518 A JPH09134518 A JP H09134518A JP 29142495 A JP29142495 A JP 29142495A JP 29142495 A JP29142495 A JP 29142495A JP H09134518 A JPH09134518 A JP H09134518A
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JP
Japan
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magnetic
convex portion
layer
recording medium
magnetic recording
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Application number
JP29142495A
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English (en)
Inventor
Isao Kobayashi
功 小林
Takashi Ishii
たかし 石井
Takeshi Sato
毅志 佐藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より一層の低ノイズ化を達成し得る磁気記録
媒体の提供。 【解決手段】 非磁性基板上に、第1凸部、該第1凸部
の上方に形成された第2凸部及び該第2凸部の上方に形
成された磁性層を備えた磁気記録媒体であって、上記磁
性層の平均結晶粒径a、上記第1凸部の形状を円近似し
たときの平均直径b、上記第2凸部の形状を円近似した
ときの平均直径c、及び隣り合う上記第1凸部間の距離
dが下記の関係を満たすと共に、80kfci以上の高
記録密度を有し、且つ上記第2凸部は上記非磁性基板の
面方向において連続していることを特徴とする磁気記録
媒体。 2nm≦a≦30nm ,30nm≦b≦400nm
,4a≦2c≦b ,0<d

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
るものであり、更に詳しくは、高記録密度での記録時に
おけるノイズが低減された磁気記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
磁気記録媒体の低ノイズ化の手法としては、主に下記の
手法(1)〜(5)が用いられてきた。 (1)磁性層の効果 CoCrを含む、磁性層を形成する合金中のCr濃度を
増加させたり、該合金にTa、B、酸化物等を添加す
る。 (2)下地層の効果 下地層における柱状構造を制御することにより磁性層の
平均結晶粒径を微細にしたり、下地層の結晶配向を制御
することによりc軸面内配向を制御する。 (3)加熱温度の効果 基板加熱、あるいは熱処理によりCr等の非磁性物質の
磁性結晶粒界への偏析を促進させ、磁性結晶粒間の磁気
的な結合を弱める。 (4)Arガス圧の効果 スパッタリングによって磁性層を形成するに際して、高
Arガス圧下で磁性層を形成することにより、磁性結晶
粒間に物理的な空隙を作り、磁性結晶粒間の磁気的な結
合を弱める。 (5)磁性多層膜の効果 磁性層の間に非磁性の中間層を介在せしめることによ
り、磁性結晶粒間の磁気的な結合を弱める。
【0003】上記(1)〜(5)の手法を組み合わせて
用いることにより、ノイズは低下する。しかしながら、
更なる高記録密度化に伴い、より一層の低ノイズ化が要
求されている。
【0004】従って、本発明の目的は、より一層の低ノ
イズ化を達成しうる磁気記録媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の低
ノイズ化の手法に加え、低ノイズ化を実現する新たな手
法を鋭意検討した結果、非磁性基板の表面上に凸部(以
下、「第1凸部」という)を形成し、この上に別の凸部
(以下、「第2凸部」という)を形成し、更にこの上に
磁性層を形成すると共に、該第1凸部、該第2凸部及び
該磁性層を特定の構造とすることにより、高記録密度時
(特に80kfci以上)のノイズを、凸部が形成され
ていない磁気記録媒体に比べて極めて低下させ得ること
を知見した。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あり、非磁性基板上に、第1凸部、該第1凸部の上方に
形成された第2凸部及び該第2凸部の上方に形成された
磁性層を備えた磁気記録媒体であって、上記磁性層の平
均結晶粒径a、上記第1凸部の形状を円近似したときの
平均直径b、上記第2凸部の形状を円近似したときの平
均直径c、及び隣り合う上記第1凸部間の距離dが下記
の関係を満たすと共に、80kfci以上の高記録密度
を有し、且つ上記第2凸部は上記非磁性基板の面方向に
おいて連続していることを特徴とする磁気記録媒体を提
供することにより、上記目的を達成したものである。 2nm≦a≦30nm 30nm≦b≦400nm 4a≦2c≦b 0<d
【0007】本発明の磁気記録媒体は、例えば、磁気ド
ラムや磁気テープとしても有用であるが、特に固定ディ
スク等の磁気ディスクとして有用である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて、図面に基づき説明する。ここで、図1は、本発明
の磁気記録媒体の構造を示す模式図であり、図2は、本
発明の磁気記録媒体の他の構造を示す模式図(図1相当
図)であり、図3は、本発明の磁気記録媒体の好ましい
実施形態の構造を示す模式図である。
【0009】図1及び図2に示すように、本発明の磁気
記録媒体10は、非磁性基板14上に、第1凸部12、
該第1凸部12の上方に形成された第2凸部13及び該
第2凸部13の上方に形成された磁性層16を備えたも
のである。そして、上記磁気記録媒体10においては、
図1及び図2に示すように、上記磁性層16の平均結晶
粒径a、上記第1凸部12の形状を円近似したときの平
均直径b、上記第2凸部13の形状を円近似したときの
平均直径c、及び隣り合う上記第1凸部間の距離dが下
記の関係を満たすと共に、80kfci以上の高記録密
度を有することを特徴とする。 2nm≦a≦30nm 30nm≦b≦400nm 4a≦2c≦b 0<d 更に、上記磁気記録媒体10においては、上記第2凸部
13は、図1及び図2に示すように、上記非磁性基板1
4の面方向において連続しているを特徴とする。
【0010】磁気記録媒体の基板上に凹凸を形成するこ
とは、例えば、特開平3−73419号公報等にも記載
されているが、該公報では凹凸を形成することにより磁
気記録媒体のCSS耐久性を向上させることを意図とし
ており、本発明のように、磁気記録媒体のノイズを低減
化することは意図されていない。
【0011】図1及び図2に示す本発明の磁気記録媒体
10について更に説明すると、図1及び図2中、符号1
4で示される非磁性基板としては、例えば、Al基板、
NiPめっきAl合金基板、強化ガラス基板、結晶化ガ
ラス基板、セラミックス基板、Si合金基板、Ti基
板、Ti合金基板、プラスチック基板、カーボン基板、
及びこれらの複合材料から成る基板等が使用できる。特
に、カーボン基板、就中ガラス状カーボン基板は、小径
/薄板化に有利であり、耐熱性に優れ、しかも導電性も
有しているので、本発明において好ましく用いられる。
【0012】上記非磁性基板14上に形成される上記第
1凸部12は、上記の関係を満たす形状のものである。
上記第1凸部12は、かかる条件を満たすものであれ
ば、その形成方法に特に制限は無い。例えば、上記非磁
性基板14とは別個に形成してもよく、また、上記非磁
性基板14の表面を加工する等、上記非磁性基板14と
一体的に形成してもよい。
【0013】上記第1凸部12の形成方法について更に
説明すると、まず、上記第1凸部12を上記非磁性基板
14と別個に形成する方法としては、例えば、所定の平
均表面粗さRaを有する非磁性基板上に、無電解めっき
法等の湿式めっき手段;蒸着法、イオンプレーティング
法若しくはスパッタリング法等の物理的気相成長法(P
VD);又は化学的気相成長法(CVD)等によって第
1凸部12を形成する方法が挙げられる。この場合、上
記第1凸部12を構成する材料としては、融点が110
0℃以下である低融点金属を含有する材料、例えば、A
l、Cu、Zn、Ga、Ge、Ag、Cd、In、S
n、Au等を含有する材料が好ましく挙げられる。本発
明において特に好ましくは,上記第1凸部12は、物理
的気相成長法によって形成されたAl−M−O(Mはカ
ーバイド形成能を有する金属)系合金からなる層、温度
1500℃以上で初めて蒸気圧が0.1Pa以上となる
遷移金属又は該遷移金属を主とする材料からなる層、及
び温度1500℃以下の任意の温度で蒸気圧が0.1P
a以上である遷移金属又は該遷移金属を主とする材料か
らなる層が順次形成された3層の積層膜(以下、それぞ
れ最下層、中間層及び最上層という)からなる。
【0014】上記積層膜を構成する各層について詳述す
ると、該積層膜における最下層はAl−M−O系合金か
らなる。ここで金属Mはカーバイド形成能を有する金属
であり、例えば、Si、Cr、Ta、Ti、Zr、Y、
Mo、W及びVが好ましく用いられ、特に好ましくはS
iが用いられる。この場合Mとしては、上記金属の1種
又は2種以上を用いることができる。特に、非磁性基板
としてカーボン基板を用いた場合には、該カーボン基板
と該第1凸部との密着性が極めて向上するので好まし
い。上記Al−M−O系合金における金属Mの濃度(重
量基準)は、使用する金属の種類にもよるが、1〜10
%であることが好ましい。一方、Oの濃度は、1〜10
%であることが好ましい。かかるAl−M−O系合金か
らなる層は真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ
リング等のPVDで形成され、特にAl−M系合金を
(Ar+O2 )ガス雰囲気下でスパッタリングして形成
することが好ましい。スパッタリングの条件としては、
Arガスの圧力は、2〜30mTorrであることが好
ましく、O2 ガスの圧力は、Arガス圧力の1〜50%
であることが好ましい。また、スパッタリング時の上記
非磁性基板14の温度は、最終的に形成される第1凸部
12が稠密な凹凸形状を形成しないような温度以下とす
ることが好ましく、具体的には室温〜300℃であるこ
とが好ましい。
【0015】次に、上記積層膜における中間層について
説明すると、該中間層は温度1500℃以上で初めて蒸
気圧が0.1Pa以上となる遷移金属又は該遷移金属を
主とする材料からなる。該遷移金属としては、例えば、
Ti、V、Nb、Ta、Pt、W、Mo等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上が用いられる。また該遷移金
属を主とする材料は、これらの遷移金属を好ましくは5
0〜99.9重量%、更に好ましくは80〜99.9重
量%含有するものであり、該遷移金属以外に、Si、
C、Al、B、P等を含有するものである。
【0016】次に、上記積層膜における最上層について
説明すると、該最上層は温度1500℃以下の任意の温
度で蒸気圧が0.1Pa以上である遷移金属又は該遷移
金属を主とする材料からなる。該遷移金属としては、例
えば、Cr、Cu、Ag、Au、Pd、Gd等が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上が用いられる。また該遷
移金属を主とする材料は、これらの遷移金属を好ましく
は50〜99.9重量%、更に好ましくは80〜99.
9重量%含有するものであり、該遷移金属以外に、S
i、C、Al、B、P等を含有するものである。
【0017】上記中間層及び上記最上層も、上記最下層
と同様に、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、
スパッタリング等のPVDで形成される。
【0018】上記第1凸部12が上記3層の積層膜から
なる場合、上記最下層の厚さは、2〜100nmである
ことが好ましく、また上記中間層の厚さは、2〜100
nmであることが好ましく、また最上層の厚さは、2〜
100nmであることが好ましい。
【0019】また、上記第1凸部12が上記3層の積層
膜(上記最下層、中間層及び最上層)からなる場合、上
記最下層と上記非磁性基板との間に、遷移金属材料から
なる層を設けることも好ましい。かかる層を設けること
により、上記最下層と上記非磁性基板との密着性が向上
すると共に、上記第1凸部12の個々の凸状形状を稠密
乃至離散的な種々の形状に制御し易くなるので好まし
い。そのような遷移金属材料からなる層を構成する遷移
金属としては、具体的には、Tiが好ましい。
【0020】また、上記第1凸部12を上記非磁性基板
14と一体的に形成する方法としては、例えば、上記非
磁性基板14の表面を化学エッチングする方法が挙げら
れる。また、上記非磁性基板14としてカーボン基板を
用いる場合には、該カーボン基板の表面を酸化させるこ
とにより、上記第1凸部12を形成することができる。
【0021】このようにして形成された上記第1凸部1
2は、上述の通り、その形状を円近似したときの平均直
径bが、30nm≦b≦400nmである。該平均直径
bが30nmに満たないと磁性層において不連続な凸状
部が形成し難くなり、該平均直径bが400nmを超え
ると媒体と磁気ヘッドとの間のスペーシングロスが大き
くなり過ぎる。上記平均直径bの好ましい範囲は、50
nm≦b≦300nmであり、更に好ましい範囲は、5
0nm≦b≦200nmである。なお、上記平均直径b
は、例えば、上記第1凸部12までが形成された非磁性
基板14を所定の形状に切り出した後、AFM(原子間
力顕微鏡)像を観察することにより測定することができ
る。
【0022】隣り合う上記第1凸部12間の距離dは、
上述の通り、0<dであり、好ましくは0.1μm≦d
≦50μmである。即ち、該第1凸部は間隔を置いて実
質的に不連続な状態で配置されている。かかる実質的に
不連続な状態には、具体的に、以下の2つの場合があ
る。
【0023】一つめの場合は、図1に示すように、上記
第1凸部12が、上記非磁性基板14の面方向において
連続して形成されており、且つ個々の第1凸部12間に
平坦な部分が存在する場合である。即ち、該第1凸部1
2は、個々の第1凸部12とそれらの間の平坦な部分と
からなり、該平坦な部分の長さが上記dに相当する。従
って、非磁性基板14の表面は、すべて上記第1凸部を
構成する材料によって被覆されているが、個々の上記第
1凸部は、上記平坦な部分が存在することにより所定の
間隔dを置いて不連続に存在している。かかる第1凸部
12は、上述した3層の積層膜から好ましく形成され
る。
【0024】もう一つの場合は、図2に示すように、個
々の第1凸部12間が、上記非磁性基板14の表面にお
いて連続して形成されておらず、該第1凸部12がいわ
ゆる島状構造をなしている場合である。即ち、上記非磁
性基板14の表面には、上記第1凸部を構成する材料に
よって被覆されて島状構造を形成する部分と、該材料に
よって被覆されておらずその表面が露出している部分と
が存在しており、該第1凸部は所定間隔dを置いて不連
続に存在している。かかる第1凸部12は、上述した融
点が1100℃以下である低融点金属を含有する材料か
ら好ましく形成される。
【0025】また、上記第1凸部12の平均表面粗さR
aに特に制限は無いが、磁気ヘッドとのスペーシングを
下げ高記録密度を達成する点から、1〜30nmである
ことが好ましく、1〜20nmであることが一層好まし
い。なお、上記平均表面粗さRaは、上記平均直径bと
同様に、上記第1凸部12までが形成された非磁性基板
14を所定の形状に切り出した後、AFM像を観察する
ことにより測定することができる。
【0026】また、上記第1凸部12の突起高さに特に
制限はないが、磁気ヘッドの低浮上量化の点から、5〜
100nmであることが好ましい。なお、本発明におい
て「突起高さ」とは、最大表面粗さRmax をいう。
【0027】次に、上記第1凸部12の上方に形成され
る上記第2凸部13について説明すると、該第2凸部1
3は、上記の関係を満たす形状のものである。上記第2
凸部13は、かかる条件を満たすものであれば、その形
成方法に特に制限は無い。
【0028】上記第2凸部13の形成方法について更に
説明すると、所定の平均表面粗さRa等を有する上記第
1凸部の上方に、無電解めっき法等の湿式めっき手段;
蒸着法、イオンプレーティング法若しくはスパッタリン
グ法等のPVD;又はCVD等によって第2凸部13を
形成する方法が挙げられる。この場合、上記第2凸部1
3を構成する物質としては、例えば、Ag、Al、A
u、Cu、Sn及びIn並びにこれらの合金等の低融点
金属;カーバイト形成能を有する金属;Al−M 2 (M
2 はカーバイド形成能を有する金属)系合金;シリカ
〔Si(O)〕等を用いることができる。なお、上記カ
ーバイド形成能を有する金属M2 としては、例えば、S
i、Cr、Ta、Ti、Zr、Y、Mo、W及びV等が
挙げられる。この場合、上記第2凸部13の厚さ(即
ち、上記第2凸部13の高さに相当)は、5〜60nm
であることが好ましい。
【0029】このようにして形成された上記第2凸部1
3は、上述の通り、その形状を円近似したときの平均直
径cが、上述の関係を満たすような範囲にあるものであ
る。上記平均直径cの好ましい範囲は、4nm≦c≦2
00nmであり、更に好ましい範囲は、20nm≦c≦
100nmである。該平均直径cが4nmに満たないと
上記磁性層において不連続な凸状部が形成し難くなる可
能性があり、該平均直径cが200nmを超えると媒体
と磁気ヘッドとの間のスペーシングロスが大きくなり過
ぎる可能性があるので、上記範囲とすることが好まし
い。なお、上記平均直径cは、上記平均直径bと同様
に、上記第2凸部13までが形成された非磁性基板14
を所定の形状に切り出した後、AFM像を観察すること
により測定することができる。
【0030】また、上記第2凸部13は、上述の通り、
上記非磁性基板14の面方向において連続している。即
ち、上記第2凸部13は、上記第1凸部12の上方にお
いて互いに隣接しており、個々の第2凸部間には実質的
に不連続領域が存在していない。従って、例えば、上記
第2凸部13が上記第1凸部12の上方に形成されたA
l−M2 系合金からなり、上記第1凸部12が、図1に
示すように、上記非磁性基板14の面方向において連続
して形成されており、且つ個々の第1凸部12間に平坦
な部分(即ち、距離d)が存在する場合には、該第1凸
部12は、すべて該Al−M2 系合金からなる上記第2
凸部によって被覆されており、該第1凸部12が実質的
に露出しているところは存在しておらず、しかも、該第
2凸部間には平坦な部分や分断されている部分は存在し
ていない。本発明の磁気記録媒体において、上記第2凸
部13を上記非磁性基板14の面方向において連続させ
ることにより、該第2凸部13とその上方に形成される
層、例えば磁性層16等との膜密着強度が増すという効
果が生じる。
【0031】また、上記第2凸部13の平均表面粗さR
aは、磁気ヘッドとのスペーシングを下げ、高記録密度
を達成する点から、1〜30nmであることが好まし
く、1〜20nmであることが一層好ましい。なお、上
記平均表面粗さRaは、上記平均直径bと同様に、上記
第2凸部13までが形成された非磁性基板14を所定の
形状に切り出した後、AFM像を観察することにより測
定することができる。
【0032】次に、上記第1凸部12及び上記第2凸部
13が形成された非磁性基板14上に形成される磁性層
16について、引き続き図1及び図2に基づき説明す
る。図1及び図2に示すように、上記磁性層16は、上
記第1凸部12及び上記第2凸部13が形成された非磁
性基板14上に形成されるものであり、該第2凸部13
の形状に対応する凹凸形状を有する。また、上記磁性層
16は、好ましくは、図1及び図2に示すように、上記
非磁性基板14の面方向において、上記第2凸部13に
対応する不連続な凸状部18の集合体である。即ち、隣
り合う該凸状部18間には、実質的に不連続な領域が存
在した状態にある。上記磁性層16が、かかる不連続な
凸状部18の集合体であることによって、隣り合う凸状
部18どうしが磁気的に非常に弱い結合状態となる結
果、媒体ノイズが一層低減化される。このとき、上記磁
性層16の平均結晶粒径aは、後述するように2nm≦
a≦30nmであることが必須であるが、かかる平均結
晶粒径を有する磁性層は、例えば、磁性層を形成する金
属(合金)の種類や磁性層成膜時の条件をコントロール
することで容易に形成することができる。
【0033】この場合、隣り合う上記磁性層間の距離
(つまり、上記凸状部18間の距離)xは、0.2≦x
≦30nmであることが好ましい。該距離xが0.2n
mに満たないと、隣り合う凸状部どうしの磁気的な結合
状態が強まり、媒体ノイズの増加を招く可能性があり、
該距離xが30nmを超えると、単位面積当たりの磁束
数が減少するため出力が低下する可能性があるので、上
記範囲内とすることが好ましい。上記距離xは、0.2
≦x≦10nmであることが一層好ましい。なお、上記
距離xは、例えば、上記磁性層16が形成された磁気記
録媒体の縦断面及び面内のTEM(透過型電子顕微鏡)
像を観察することにより測定することができる。また、
上記距離xの範囲は、上記第2凸部13の形状を制御す
ることによりコントロールすることができる。また、上
記磁性層16(即ち、上記凸状部18の高さに相当)の
厚さは、5〜50nmであることが好ましい。
【0034】上記磁性層16について更に説明すると、
上述の通り、上記磁性層の平均結晶粒径aは、2nm≦
a≦30nmである。該平均結晶粒径aが2nmに満た
ないと磁性結晶粒の磁化が不安定となる可能性があり、
該平均結晶粒径aが30nmを超えると高記録密度時に
不利となる。ここで、上記平均結晶粒径aとは、上記磁
性層16の個々の凸状部18中における磁性結晶粒の平
均粒径のことである(従って、該凸状部18は、該磁性
結晶粒の集合体である)。なお、図1及び図2に示す磁
気記録媒体10における磁性層16では、上記磁性結晶
粒20は、PVD等の薄膜形成手段によって形成された
一般的な磁性層における磁性結晶粒と同様に、柱状構造
を有しており、その平均粒径は、該柱状構造における横
断面の径に相当する。上記平均結晶粒径aは、例えば、
AFM像、HR−SEM(高分解能走査型電子顕微鏡)
像やTEM像を観察することにより測定することができ
る。
【0035】また、上記磁性層16における上記平均結
晶粒径a、上述した上記第1凸部12の平均直径b及び
上記第2凸部13の平均直径cの間には、4a≦2c≦
bなる関係がある。即ち、上述した通り、該平均結晶粒
径a及び該平均直径bは、それぞれ特定の数値範囲内に
あるが、これに加えて、該平均結晶粒径a、該平均直径
b及び該平均直径cの間に相対的な関係を有する。そし
て、これらの間に、かかる関係があることによって、凸
部が形成されていない媒体に比べ高記録密度時のノイズ
が低くなるという効果が奏される。
【0036】本発明の磁気記録媒体は、80kfci以
上の高記録密度媒体において特にその効果を発現する。
特に90kfci以上、就中100kfci以上の高記
録密度媒体では、連続した磁性層を形成している媒体と
比べたときのノイズが格段に低くなる。
【0037】上記磁性層16は、公知の薄膜形成手段、
例えば、蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーテ
ィング法のようなPVDや、CVDにより形成すること
ができる。また、上記磁性層16を構成する材料として
は、例えばCoCr、CoNi、CoCrX、CoCr
PtX、CoSm、CoSmX、CoNiX及びCoW
X(ここで、Xは、Ta、Pt、Au、Ti、V、C
r、Ni、W、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Li、Si、B、Ca、As、Y、Zr、Nb、
Mo、Ru、Rh、Ag、Sb及びHf等からなる群よ
り選ばれる1種又は2種以上の金属を示し、組成物中同
一元素の組合せは除く)等で表されるCoを主成分とす
るCo系の磁性合金や、Ba−フェライト、Sr−フェ
ライト、γ−フェライト及びCo−γ−フェライト等の
フェライト系磁性体等を好ましく挙げることができる。
使用に際しては、これらを単独で又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0038】次に、本発明の磁気記録媒体を、図3に示
すその好ましい実施形態に基づき説明する。なお、図3
において、図1及び図2と同じ点については特に詳述し
ないが、図1及び図2に関して詳述した説明が適宜適用
される。また、図3において図1及び図2と同じ部材に
ついては、図1及び図2と同じ符号を付した。
【0039】図3に示す磁気記録媒体10は、非磁性基
板14上に、Al−M−O系合金からなる層4、温度1
500℃以上で初めて蒸気圧が0.1Pa以上となる遷
移金属又は該遷移金属を主とする材料からなる層6、及
び温度1500℃以下の任意の温度で蒸気圧が0.1P
a以上である遷移金属又は該遷移金属を主とする材料か
らなる層8が順次形成された3層の積層膜からなる第1
凸部12が設けられている。そして、該第1凸部12上
には、上記非磁性基板14の面方向において連続してい
る第2凸部13が設けられている。そして、該第2凸部
13上には、アモルファス層24が設けられ、該アモル
ファス層24上には、第1下地層26及び第2下地層2
8が順次設けられている。更に、該第2下地層28上に
は、磁性層16が設けられ、該磁性層16上には、保護
層(図示せず)及び潤滑剤層(図示せず)が順次設けら
れている。
【0040】図3に示す磁気記録媒体について更に詳述
すると、符号24で示されるアモルファス層は、好まし
くは3B〜5B元素を含有するものであり、例えば、
B、C、Si、P等から構成されている。該アモルファ
ス層24は、上記第2凸部13の表面状態の影響を上層
に及ぼさない作用を有する。これにより、上記第2凸部
13を構成する材料と磁性層制御用の材料(即ち、後述
する下地層を構成する材料)とを独立に設計することが
容易となる。
【0041】上記アモルファス層24は、上述の作用を
有するものであるから、上記第2凸部13と上記磁性層
16との間に形成されることが好ましく、特に図3に示
すように、上記第2凸部13の上(就中、Al−M2
合金からなる上記第2凸部13の上)に直接形成される
ことが、角型比の一層の向上の点から好ましい。
【0042】上記アモルファス層24の形成方法には特
に制限は無く、例えば、該アモルファス層24としてア
モルファスカーボン層を用いる場合には、炭素材をター
ゲットとしたPVDにより形成することができる。該炭
素材としては、黒鉛のような結晶性炭素材を使用するこ
ともできるが、ガラス状の炭素材を使用することが好ま
しい。また、上記炭素材が、Si、Ti、W、Zr、C
r、Nb、Mo、Ta又はAl等の炭化物、窒化物、ホ
ウ化物又は酸化物、或いはBN又はB4 C等のセラミッ
クス粒子を含有することも好ましい。上記アモルファス
層の厚さは、一般に5〜50nmであることが好まし
い。
【0043】次に、上記アモルファス層24上に順次設
けられる上記第1下地層26及び第2下地層28につい
てそれぞれ説明すると、該第1下地層26は、媒体ノイ
ズを一層低減化せしめる目的で設けられるものであり、
Ti又はTi合金から構成されるものであることが好ま
しい。一方、上記第2下地層28は、上記磁性層16の
静磁気特性の向上を目的として設けられるものであり、
この目的のために、その材質としては該磁性層16を構
成する物質の格子定数に近いものを用いることが好まし
い。特に、該第2下地層28は、Cr又はCrを含む二
元合金からなることが静磁気特性の向上と共に媒体ノイ
ズの低減化の点から好ましい。該Crを含む二元合金の
例としては、CrTi、CrMo、CrW、CrNb、
CrSi、CrCo、CrTa等を挙げるこができる。
上記第1下地層26及び第2下地層28の厚さは、それ
ぞれ5〜200nm及び5〜150nmであることが好
ましい。なお、上記第1下地層26及び第2下地層28
は、共に、例えばPVD等により形成することができ
る。
【0044】次に、上記磁性層16上に設けられる上記
保護層(図示せず)について説明すると、該保護層は、
耐摩耗性の観点から力学的強度の高い材料で形成されて
いることが好ましく、具体的な材質としては、例えば、
Al、Si、Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、W
等の金属の酸化物(酸化ケイ素、酸化ジルコニウム
等);該金属の窒化物(窒化ホウ素等);該金属の炭化
物(炭化ケイ素、炭化タングステン等);ダイヤモンド
ライクカーボン等のカーボン(炭素)及びボロンナイト
ライド等からなる群より選択される一種以上が用いられ
ることが好ましい。また、上記材料の中でも、カーボ
ン、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化ケイ素、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素又はこれらの複合材料が好ま
しく、更に好ましくはカーボンであり、中でも特にダイ
ヤモンドライクカーボン及びガラス状カーボンが好まし
い。なお、カーボンの保護層の成膜時にガスとして水素
やメタン等の炭化水素を混入させ、水素化カーボンの保
護層となしてもよい。上記保護層の厚さは、一般に5〜
25nmであることが好ましい。なお、上記保護層は、
PVD等により形成することができる。
【0045】次に、上記保護層上に設けられる上記潤滑
剤層(図示せず)について説明すると、該潤滑剤層は、
磁気記録媒体の走行性及び耐久性を向上させるために用
いられるものであり、例えば厚さが5〜100Å程度に
なるように潤滑剤をスピンコーティング、ディップコー
ティング、スプレーコーティング等の塗布手段で塗布す
る方法や、フッ化炭素系化合物と酸素とを気相重合(特
に光CVD)する方法(例えば、特願平6−28694
0号記載の方法等)により形成することができる。該潤
滑剤としては、フッ素系高分子を好適に用いることがで
きる。該フッ素系高分子としては、分子中に極性基を有
するもの及び極性基を有しないものの双方を単独で又は
組み合わせて用いることができる。分子中に極性基を有
する上記フッ素系高分子としては、分子量が2000〜
4000のパーフロロポリエーテル系の高分子であっ
て、末端に芳香族環又はOH基を有するものが好ましく
用いられる。より詳細には、−(CF2 CF2 O)n−
(CF2 O)m−骨格を有し、末端に芳香族環又はOH
基を有し、且つ分子量が2000〜4000であるもの
が好ましい。具体例としては、フォンブリンAM200
1、フォンブリンZ−dol(アオジモント社)等が挙
げられる。一方、分子中に極性基を有しない上記フッ素
系高分子としては、分子量が2000〜10000のパ
ーフロロポリエーテル系の高分子であって、末端にパー
フルオロアルキル基を有するものが好ましく用いられ
る。より詳細には、CF3 −(CF2 CF2 O)n−
(CF2 O)m−CF3 で表わされ、分子量が2000
〜10000であるものが好ましい。具体例としては、
フォンブリンZ03(アオジモント社)等が挙げられ
る。
【0046】以上、本発明の磁気記録媒体をその好まし
い実施形態に基づいて説明したが、本発明の磁気記録媒
体はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々の
変更形態が可能である。例えば、図3に示す実施形態の
磁気記録媒体において、上記第2凸部13の上に直接ア
モルファス層24を形成した後に、第1下地層26を設
けることなく第2下地層28、磁性層16、保護層及び
潤滑剤層を順次形成してもよい。また、上記第2凸部1
3の上に、アモルファス層24を設けることなく直接第
1下地層26を形成した後に第2下地層28、磁性層1
6、保護層及び潤滑剤層を順次形成してもよく、或い
は、上記第2凸部13の上に、アモルファス層24及び
第1下地層26を設けることなく直接第2下地層28、
磁性層16、保護層及び潤滑剤層を順次形成してもよ
い。
【0047】また、図3に示す実施形態の磁気記録媒体
においては、上記第1凸部12が、上記非磁性基板14
の面方向において連続して形成され、且つ個々の第1凸
部12間に平坦な部分が存在する構造を有しており、か
かる構造は図1に示す磁気記録媒体における第1凸部の
構造と同様のものであるが、かかる構造の第1凸部に代
えて、上記第1凸部12が、上記非磁性基板14の表面
において連続して形成されておらず、該第1凸部12が
いわゆる島状構造をなしている構造、即ち、図2に示す
磁気記録媒体における第1凸部の構造を用いてもよい。
この場合、上記第1凸部12の構造以外は図3に示す磁
気記録媒体と同様の構造を有するものであり、図3に関
して詳述した説明が適宜適用される。
【0048】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体を具体的な実施
例により、詳細に説明する。
【0049】〔実施例1〕図3に示す構成の磁気記録媒
体を、下記の手順により作製した。即ち、密度1.5g
/cm3 のアモルファスカーボン基板(サイズ2.
5”)を研磨し、その平均表面粗さRaを0.5〜1.
0nmにした。該カーボン基板を精密洗浄した後、4カ
ソードを有するバッチ式スパッタリング装置内にセット
した。カソードには、5”φ×3mmtのAlSi10
at%、Ti、Cr及びCのターゲットをそれぞれ設置
した。上記カーボン基板を上記スパッタ装置内にセット
した後、スパッタチャンバー内を排気し3×10-7To
rrまで真空にした。次いで、下記の順に各層の形成を
行った。
【0050】(1)第1凸部形成層(最下層、中間層及
び最上層の3層の積層膜) (i) 最下層 ・材料 :AlSi10at% ・ガス :ArとO2 との混合ガス(Ar:O2 =9:1) ・ガス圧 :全圧10mTorr ・基板温度 :120℃ ・基板バイアス電圧:0V ・膜厚 :AlSiOx 60nm (ii)中間層 ・材料 :Ti ・ガス :Ar ・ガス圧 :10mTorr ・基板温度 :200℃ ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :30nm (iii) 最上層 ・材料 :Cr ・ガス :Ar ・ガス圧 :10mTorr ・基板温度 :200℃ ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :60nm
【0051】(2)第2凸部形成層 ・材料 :AlSi10at% ・ガス :Ar ・ガス圧 :5mTorr ・基板温度 :200℃ ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :12nm (3)アモルファス層 ・材料 :C ・ガス :Ar ・ガス圧 :5mTorr ・基板温度 :200℃ ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :15nm
【0052】上記アモルファス層までが設定膜厚となっ
たところ上記シャッターを閉じ、蒸着を終えた。上記ガ
スを止め、1時間以上水冷を継続した後、上記チャンバ
ー内をN2 リークし、上記アモルファス層までが形成さ
れたカーボン基板を取り出した。
【0053】次に、4カソードを有するバッチ式スパッ
タリング装置内のカソードに、5”φ×3mmtのT
i、Cr、CoCr12Pt8 4 at%及びCのターゲ
ットを設置した。上記アモルファス層までが形成された
カーボン基板を上記装置内にセットした後、スパッタチ
ャンバー内を排気し3×10-7Torr以下まで真空に
した。Arガスを5mTorrまで導入した後、上記カ
ーボン基板をヒーターにより240℃まで加熱し、下記
の順に各層の形成を行った。
【0054】(4)第1下地層 ・材料 :Ti ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :50nm (5)第2下地層 ・材料 :Cr ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :40nm
【0055】(6)磁性層 ・材料 :CoCr12Pt8 4 at% ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :30nm (7)保護層 ・材料 :C ・基板バイアス電圧:−100V ・膜厚 :15nm
【0056】上記保護層形成後、Arガスを止め、上記
カーボン基板温度が50℃以下になるまで放置した。そ
の後、上記スパッタチャンバー内をN2 リークし、上記
保護層までが形成されたカーボン基板を取り出した。更
に、テープバーニッシュ、続いて潤滑剤フォンブリンA
M2001(アオジモント社製)を2nmの膜厚になる
ように塗布し、図3に示す構成の磁気記録媒体を得た。
【0057】得られた磁気記録媒体について、以下の評
価を行った。このとき磁気記録媒体の記録密度は、90
kfci(最短記録ビット長を318nm)とした。そ
の結果を表1に示す。
【0058】<第1凸部の平均直径b、及び第1凸部間
の距離d>第1凸部までが形成されたカーボン基板を約
8×8mmの形状に切り出した後、AFM像により、1
0×10μmのサイズにて測定を行った。
【0059】<第2凸部の平均直径c、及び平均表面粗
さRa>第2凸部までが形成されたカーボン基板を約8
×8mmの形状に切り出した後、AFM像により、10
×10μmのサイズにて測定を行った。
【0060】<磁性層の平均結晶粒径a、及び凸状部間
の距離x>平均結晶粒径aは、磁性層までが形成された
カーボン基板を、AFM像及びHR−SEM像により測
定した。凸状部間の距離xは、磁性層までが形成された
カーボン基板の縦断面のTEM像により測定したした。
【0061】<磁気記録媒体の静磁気特性及びノイズ>
磁気記録媒体の静磁気特性は、上記磁気記録媒体を約8
×8mmの形状に切り出した後、VSM(振動試料型磁
力計)にて、最大印加磁界10kOeにて測定を行っ
た。また、磁気記録媒体のノイズの測定は、インダクテ
ィブヘッドを用い、Guzik(記録再生評価装置)、
オシロスコープ、スペクトラムアナライザーにより測定
を行った。
【0062】〔実施例2〕実施例1で得られた磁気記録
媒体の記録密度を100kfci(最短記録ビット長を
254nm)とした以外は、実施例1と同様の測定を行
った。その結果を表1に示す。
【0063】〔実施例3〕第1凸部形成層における最下
層のAlSiOx の膜厚を100nmとし、第2凸部形
成層のAlSi10at%の膜厚を17nmとした以外
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。こ
の磁気記録媒体について、実施例1と同様の測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0064】〔実施例4〕実施例3で得られた磁気記録
媒体の記録密度を100kfci(最短記録ビット長を
254nm)とした以外は、実施例1と同様の測定を行
った。その結果を表1に示す。
【0065】〔比較例1〕第1凸部及び第2凸部を形成
しなかった以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。この磁気記録媒体について実施例と同様の
測定を行った。その結果を表1に示す。
【0066】〔比較例2〕比較例1で得られた磁気記録
媒体の記録密度を100kfci(最短記録ビット長を
254nm)とした以外は、実施例1と同様の測定を行
った。その結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜4で得られた本発明の磁気記録媒体では、記録密
度100kfci(最短記録ビット長254nm)にお
けるノイズが2.0〜2.2μVrmsと極めて低減化
されていることがわかる。これに対して、凸部が設けら
れていない磁気記録媒体(比較例1及び2)では、同記
録密度におけるノイズが4.1と極めて大きいことがわ
かる。
【0069】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の磁気記録
媒体においては、非磁性基板の表面上に第1凸部を形成
し、この上に第2凸部を形成し、更にこの上に磁性層を
形成すると共に、該第1凸部、該第2凸部及び該磁性層
を特定の構造とすることにより、高記録密度時のノイズ
を、凸部が形成されていない磁気記録媒体に比べて極め
て低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の構造を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の磁気記録媒体の他の構造を示す模式図
(図1相当図)である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の好ましい実施形態の構
造を示す模式図である。
【符号の説明】
4 Al−M−O系合金からなる層 6 温度1500℃以上で初めて蒸気圧が0.1Pa以
上となる遷移金属又は該遷移金属を主とする材料からな
る層 8 温度1500℃以下の任意の温度で蒸気圧が0.1
Pa以上である遷移金属又は該遷移金属を主とする材料
からなる層 10 磁気記録媒体 12 第1凸部 13 第2凸部 14 非磁性基板 16 磁性層 18 凸状部 20 磁性結晶粒 24 アモルファス層 26 第1下地層 28 第2下地層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、第1凸部、該第1凸部
    の上方に形成された第2凸部及び該第2凸部の上方に形
    成された磁性層を備えた磁気記録媒体であって、上記磁
    性層の平均結晶粒径a、上記第1凸部の形状を円近似し
    たときの平均直径b、上記第2凸部の形状を円近似した
    ときの平均直径c、及び隣り合う上記第1凸部間の距離
    dが下記の関係を満たすと共に、80kfci以上の高
    記録密度を有し、且つ上記第2凸部は上記非磁性基板の
    面方向において連続していることを特徴とする磁気記録
    媒体。 2nm≦a≦30nm 30nm≦b≦400nm 4a≦2c≦b 0<d
  2. 【請求項2】 上記磁性層が、上記非磁性基板の面方向
    において、上記第2凸部に対応する不連続な凸状部の集
    合体である、請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 隣り合う磁性層間の距離xが、0.2≦
    x≦30nmである、請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記第2凸部と上記磁性層との間に3B
    〜5B元素を含有するアモルファス層を形成する、請求
    項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記第2凸部が、物理的気相成長法によ
    って形成されたAl−M2 (M2 はカーバイド形成能を
    有する金属)系合金からなる、請求項1〜4の何れかに
    記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記第1凸部が、物理的気相成長法によ
    って形成されたAl−M−O(Mはカーバイド形成能を
    有する金属)系合金からなる層、温度1500℃以上で
    初めて蒸気圧が0.1Pa以上となる遷移金属又は該遷
    移金属を主とする材料からなる層、及び温度1500℃
    以下の任意の温度で蒸気圧が0.1Pa以上である遷移
    金属又は該遷移金属を主とする材料からなる層が順次形
    成された3層の積層膜からなる、請求項1〜5の何れか
    に記載の磁気記録媒体。
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