JP3652616B2 - 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、およびスパッタリングターゲット - Google Patents
磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、およびスパッタリングターゲット Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置などに用いられる磁気記録媒体、その製造方法、、上記磁気記録媒体の製造に用いられるスパッタリングターゲット、および上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気記録媒体用の基板としては、アルミニウム合金等からなる金属基板が多く用いられている。金属基板は、通常、表面にテクスチャ加工が施されて用いられている。
テクスチャ加工は、基板表面に所定方向(通常は円周方向)に沿う凹凸を形成する加工であり、テクスチャ加工を施すことによって、基板上に形成される下地膜および磁性膜の結晶配向性を向上させ磁性膜に磁気異方性をもたせ、熱揺らぎ耐性や分解能などの磁気特性を向上させることができる。
ところで、近年では、磁気記録媒体用の基板として、アルミニウム等からなる金属基板に代えて、ガラス、セラミックスなどからなる非金属基板が多く用いられてきている。非金属基板は、硬度が高いためヘッドスラップが生じにくいと言う利点がある。
しかしながら、ガラス基板などの非金属基板では、テクスチャ加工を施した場合でも磁性膜に充分な磁気異方性をもたせるのが難しく、磁気記録媒体の磁気特性が不充分となることがあった。
【0003】
このため、ガラス、セラミックスなどからなる非金属基板上に、テクスチャ加工が容易な硬質膜を形成することが提案されている。
例えば特開平5−197941号公報には、非金属基板表面に、テクスチャ加工が容易な硬質膜であるNiP膜をスパッタ法により形成したものが提案されている。
また特開平4−29561号公報、および特開平9−167337号公報には、非金属基板表面に硬質膜として無電解メッキ膜などのメッキ膜を形成した磁気記録媒体が開示されている。
非金属基板表面に硬質膜を設けた磁気記録媒体を製造するには、スパッタ装置などの成膜装置内において基板上に硬質膜を形成した後、基板を一旦成膜装置外に搬出し、テクスチャ加工装置を用いてテクスチャ加工を施し、次いで再び成膜装置内に搬入し下地膜や磁性膜の形成を行う方法が採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の磁気記録媒体の製造方法では、製造工程が煩雑であるため製造コストが嵩む不満があり、製造工程を簡略化することができる製造方法が要望されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、磁気特性に優れた磁気記録媒体を容易に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、表面にテクスチャ加工を施した非金属基板上に、直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面を酸化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することを特徴とする。
酸化処理は、配向調整膜の表面を酸素含有ガスに接触させることにより行うことが好ましい。
酸素含有ガスとしては、空気、純酸素、水蒸気、酸素富化ガスのうちから選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
酸素含有ガスの酸素含有率は、1〜100vol%であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、配向調整膜の表面を窒化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することを特徴とする。
窒化処理は、配向調整膜の表面を窒素含有ガスに接触させることにより行うことが好ましい。
窒素含有ガスとしては、空気、純窒素、窒素富化ガスのうちから選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
窒素含有ガスの窒素含有率は、1〜100vol%であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、酸素を含むスパッタガスを用いる方法を採用してもよい。
スパッタガスの酸素含有率は、1〜80vol%であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、窒素を含むスパッタガスを用いる方法を採用してもよい。
スパッタガスの窒素含有率は、1〜80vol%であることが好ましい。
配向調整膜は、NiP(Pの含有率は10〜40at%)を主成分とするものとすることができる。
配向調整膜は、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とするものとすることができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、上記磁気記録媒体の製造方法を行うにあたり配向調整膜を形成するために用いられるスパッタリングターゲットであって、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とするものであることを特徴とする。
本発明の磁気記録媒体は、表面にテクスチャ加工が施された非金属基板上に配向調整膜が形成され、その上に非磁性下地膜および磁性膜が形成され、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上であることを特徴とする。
本発明の磁気記録媒体では、配向制御膜の表面が酸化処理されている構成とすることができる。
また配向制御膜の表面が窒化処理されている構成とすることができる。
配向調整膜は、NiP(Pの含有率は10〜40at%)を主成分とするものであることが好ましい。
配向調整膜は、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とするものであることが好ましい。
配向制御膜の膜厚は2〜100nmであることが好ましい。
配向調整膜は、表面平均粗さRaが0.5nm未満であることが好ましい。
非金属基板は、ガラス基板であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体では、非金属基板と配向性調整膜との間に、配向性調整膜を基板側から剥離しにくくする非磁性密着膜が形成され、この非磁性密着膜が、Cr、Mo、Nb、V、Re、Zr、W、Tiのうち1種以上からなる構成を採ることもできる。
本発明の磁気記録再生装置は、上記磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、表面にテクスチャ加工が施された非金属基板1上に配向調整膜2が形成され、その上に非磁性下地膜3、磁性膜4、および保護膜5が順次形成されたものである。以下、非金属基板1と配向調整膜2を媒体基板6という。
【0007】
非金属基板1としては、ガラス、セラミックス、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなるものが用いられる。特に、耐久性、コストなどの観点からガラス基板を用いるのが好ましい。
ガラス基板に用いられるガラスとしては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノケートガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。
なかでも特に、硬度などの物性が均一なアモルファスガラスを用いると、表面に均一なテクスチャ加工を施すことができるため好ましい。
セラミックス基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、それらの繊維強化物などが使用可能である。
【0008】
非金属基板1は、固定砥粒を用いたラッピングテープや遊離砥粒による機械的テクスチャ加工などにより、表面にテクスチャ加工が施されている。
テクスチャ加工により非金属基板1表面に形成されたテクスチャラインは基板周方向に沿うものであることが好ましい。
非金属基板1の表面平均粗さRaは0.1〜1nm(1〜10Å)、好ましくは0.3〜0.8nm(3〜8Å)とするのが望ましい。
【0009】
表面平均粗さRaが上記範囲未満であると、非金属基板1が過度に平滑になり磁性膜4の磁気異方性を高める効果が薄れる。表面平均粗さRaが上記範囲を越えると、媒体表面の平滑性が低くなりグライドハイト特性が低下し、記録再生時において磁気ヘッドのフライングハイトを低くするのが難しくなる。
非金属基板1は、金属基板に比べ硬度が高くテクスチャ加工性が低いため、テクスチャ加工を行った場合にバリなどの異常突出部が形成されにくく、最大突起高さRpが比較的低くなる。
【0010】
配向調整膜2は、直上に形成される非磁性下地膜3の結晶配向性を整え、さらにはその上に形成される磁性膜4の結晶配向性を調整し、磁性膜4の磁気異方性を向上させるためのものである。また配向調整膜2は、結晶配向性を調整するだけでなく、非磁性下地膜3および磁性膜4中の結晶粒を微細化する結晶粒微細化膜としても機能する。
【0011】
配向調整膜2の材料としては、NiPを主成分とするものを用いるのが好ましい。Pの含有率は10〜40at%(好ましくは15〜35at%)とするのが好ましい。Pの含有率が上記範囲未満であると、この材料が磁化しやすくなり、上記範囲を越えると、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性が悪化しやすくなる。
なお本明細書において、主成分とは当該成分を50at%を越えて含むことを指す。
【0012】
さらに、配向調整膜2の材料としては、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上)を主成分とするものを用いるのが好ましい。Xの含有率は0〜25at%(好ましくは5at%〜25at%、さらに好ましくは10at%〜25at%)とするのが好ましい。Xの含有量が25at%を越える場合には、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性が悪化し磁気異方性が低下する。
【0013】
配向調整膜2の膜厚は2〜100nm(20〜1000Å)(好ましくは2〜50nm)とするのが望ましい。この膜厚は、上記範囲未満であると磁性膜4の磁気異方性が低下し、上記範囲を越えると配向調整膜2が剥離しやすくなるとともに材料コストが嵩むようになるため好ましくない。
【0014】
また、配向調整膜2は、表面にテクスチャ加工が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
配向調整膜2が表面にテクスチャ加工がされたものである場合には、テクスチャラインが基板周方向に沿うものであることが好ましい。
配向調整膜2の表面平均粗さRaは、グライドハイト特性の点から1nm以下であることが好ましい。
配向調整膜2の表面平均粗さRaは、0.5nm未満(5Å未満)(より好ましくは0.3nm未満)とするのがより望ましい。
配向調整膜2には比較的硬度が低く加工性に富むNiPXなどの金属材料が配向調整膜2に用いられることから、テクスチャ加工時において膜表面にバリやカエリなどの大きな突出部が形成されやすくなり、最大突起高さRpが大きくなりやすい。
配向調整膜2の表面平均粗さRaを0.5nm未満(5Å未満)とすることによれば、テクスチャ加工時における研削量を少なくし、表面の最大突起高さRpが大きくなるのを防ぎ、媒体表面の最大突起高さRpを小さく抑え、グライドハイト特性の悪化を防ぐことができる。
【0015】
非磁性下地膜3は、従来公知の下地膜材料、例えばCr、Ti、Ni、Si、Ta、W、Mo、V、Nbのうち1種以上、またはこれらに、結晶性を損なわない範囲で他の元素を添加した合金からなるものとすることができる。
なかでも特に、CrまたはCr合金(例えばCrTi系、CrW系、CrMo系、CrV系、CrSi系)を用いるのが好適である。
また非磁性下地膜3は単層構造としてもよいし、互いに同一または異なる組成の膜を複数積層させた多層構造としてもよい。
非磁性下地膜3の厚さは、1〜100nm(10〜1000Å)、好ましくは2〜50nm(20〜500Å)とするのが望ましい。
非磁性下地膜3の結晶配向は(002)とするのが好ましい。
【0016】
磁性膜4には、Coを主成分とする材料を用いるのが好ましい。この材料としては、例えばCr、Pt、Ta、B、Ti、Ag、Cu、Al、Au、W、Nb、Zr、V、Ni、FeおよびMoのうち1種以上を、Coに加えたCo合金を用いることができる。
上記材料の好適な具体例としては、CoCrTa系、CoCrPt系、CoCrPtB系、CoCrPtTa系の合金を主成分とするものを挙げることができる。なかでも特に、CoCrPtTa系の合金を用いることが好ましい。
磁性膜4の厚さは、5〜30nm(50〜300Å)とすることができる。
磁性膜4の結晶配向は(110)とするのが好ましい。
【0017】
また磁性膜4は、均一な構成の単層構造としてもよいし、複数の層を積層した多層構造としてもよい。多層構造膜を構成する層には、互いに同じ組成の材料を用いてもよいし、異なる組成の材料を用いてもよい。
【0018】
保護膜5の材料としては、従来公知のものを使用してよく、例えばカーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ジルコニウム等の単一成分またはこれらを主成分とする材料を使用することができる。
保護膜5の厚さは、2〜10nm(20〜100Å)とするのが好ましい。
また、保護膜5上には、必要に応じ、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系液体潤滑剤などの潤滑剤からなる潤滑膜を設けることができる。
【0019】
本実施形態の磁気記録媒体は、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上(好ましくは1.2以上)とされている。この比Hcc/Hcrが上記範囲未満であると、磁気記録媒体の磁気異方性が不足し、熱揺らぎ耐性などの磁気特性が不充分となる。
【0020】
以下、上記磁気記録媒体を製造する場合を例として本発明の磁気記録媒体の製造方法の第1の実施形態を説明する。
まず、非金属基板1表面にテクスチャ加工を施す。テクスチャ加工法としては、固定砥粒を用いたラッピングテープや遊離砥粒による機械的テクスチャ加工が好適である。テクスチャ加工においては、テクスチャラインを周方向に形成するのが好ましい。
また機械的テクスチャ加工により膜表面に形成された微小なバリやカエリ等を除去し、より高い表面平滑性を得るために、機械的テクスチャ加工後、化学エッチング処理を行うことも可能である。
【0021】
次いで、非金属基板1上に配向調整膜2を形成し、媒体基板6を得る。
配向調整膜2は、成膜装置であるスパッタ装置を用いたスパッタ法により形成するのが好ましい。
図2は、スパッタ装置の一例を示すもので、ここに示すスパッタ装置21は、チャンバ22と、チャンバ22の両側壁内面に設けられたスパッタリングターゲット23と、ターゲット23に電力を供給する電源24と、基板1にバイアスを印加するバイアス電源25と、チャンバ22内にスパッタガスを供給するスパッタガス供給手段26と、チャンバ22内に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段27とを備えている。
【0022】
スパッタリングターゲット23としては、上記配向調整膜2の構成材料からなるものが用いられる。
スパッタリングターゲット23は、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%、好ましくは5at%〜25at%、さらに好ましくは10at%〜25at%)を主成分とするものであることが望ましい。
Xの含有量が上記範囲を越える場合には、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性が悪化し磁性膜4の磁気異方性が低下する。
スパッタリングターゲット23としては、NiPを主成分とするものを用いることもできる。Pの含有率は10〜40at%(好ましくは15〜35at%)とするのが好ましい。Pの含有率が上記範囲未満であると、この材料が磁化しやすくなり、上記範囲を越えると、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性が悪化しやすくなる。
【0023】
このターゲット23としては、焼結合金ターゲットや溶解法により製造された合金ターゲットを用いることができ、特に、焼結合金ターゲットを用いるのが好ましい。焼結合金ターゲットは、上記組成の合金粉末、あるいは上記組成となるように混合された複数種の合金粉末または単体金属粉末の混合物を用い、これをHIP(熱間静水圧プレス)、ホットプレスなどの従来公知の焼結法により焼結したものとすることができる。なお上記合金粉末、金属粉末としては、ガスアトマイズ法などの従来公知の方法により製造したものを用いることができる。
【0024】
配向調整膜2の形成にあたっては、非金属基板1をチャンバ22内に搬入し、スパッタガス供給手段26を用いてアルゴンガスなどのスパッタガスをチャンバ22内に導入した後、上記ターゲット23に給電し、スパッタ法により上記ターゲット構成材料を非金属基板1上に付着させる。
なお配向調整膜2は、スパッタ法に限らず、無電解メッキ法などのメッキ法、真空蒸着、イオンプレーティングなどによって形成することもできる。
【0025】
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、続いて、配向調整膜2の表面に酸化処理を施す。
酸化処理を行うには、配向調整膜2表面を酸素含有ガスに接触させる方法を採ることができる。
酸素含有ガスとしては、空気、純酸素、水蒸気を用いることができる。また空気中の酸素含有量を増加させた酸素富化ガスを用いることもできる。
【0026】
配向調整膜2表面を酸素含有ガスに接触させる方法の具体例としては、上述のように、スパッタ装置21のチャンバ22内において基板1上に配向調整膜2を形成した後、チャンバ22内に、酸素含有ガス供給手段27を用いて酸素含有ガスを導入する方法を挙げることができる。
この際、配向調整膜2が曝されるガス(この場合にはチャンバ22内のガス)中の酸素濃度は、1〜100vol%(好ましくは1〜70vol%、さらに好ましくは1〜50vol%)とすることができる。
酸素含有ガスの使用によって、酸化処理を容易な操作で行うことができるようになる。
【0027】
配向調整膜2表面を酸素含有ガスに接触させる処理を行う際の温度条件は、配向調整膜2が結晶化することにより非磁性下地膜3、磁性膜4の配向性に悪影響が及ぶのを防ぐため、配向調整膜2の構成材料が結晶化する温度よりも低い温度、例えば280℃以下とするのが好ましい。またこの温度は常温またはそれ以上に設定することができる。この処理を行う際の処理時間(酸素含有ガスへの暴露時間)は、酸素含有ガスの酸素含有量などに応じて適宜設定することができる。
この処理によって、配向調整膜2は少なくとも表面付近が酸化される。
【0028】
次いで、配向調整膜2上に非磁性下地膜3を形成する。非磁性下地膜3の形成は、スパッタ装置を用いたスパッタ法により行うことができる。
次いで、非磁性下地膜3上に磁性膜4を形成する。磁性膜4の形成は、スパッタ装置を用いたスパッタ法により行うことができる。
次いで、磁性膜4上に保護膜5を形成する。保護膜5は、プラズマCVD法、スパッタ法などにより形成することができる。
【0029】
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、表面にテクスチャ加工を施した非金属基板1上に配向調整膜2を形成し、この配向調整膜2の表面を酸化処理するので、磁性膜に磁気異方性をもたせるのが難しい非金属基板1が用いられているにも拘わらず、その上に形成される非磁性下地膜3および磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における磁気異方性を高めることができる。
従って、磁気記録媒体の磁気特性(熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなど)を向上させることができる。
【0030】
熱揺らぎ耐性は、一般に結晶磁気異方性定数(Ku)が大きい媒体において良好となる。本実施形態の磁気記録媒体では、円周方向への磁気異方性が高められることにより結晶磁気異方性定数(Ku)が向上することから、熱揺らぎ耐性が高められると考えられる。
なお、熱揺らぎとは、記録ビットが不安定となり記録したデータの熱消失が起こる現象をいい、磁気記録装置においては、記録したデータの再生出力の経時的な減衰として現れる。熱揺らぎ耐性とは、熱揺らぎの発生しにくさを意味する。
【0031】
また再生出力ピークの半値幅を小さくし、再生出力の分解能を向上させることができる。従って、エラーレートの点で優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0032】
また、磁気異方性を高めることによって、保磁力を向上させ、再生出力(S)を向上させることができる。従って、S/Nの向上を図ることができる。
さらには、非磁性下地膜3内の結晶粒を微細化し、これにより下地膜3の影響下で成長する磁性膜4内の磁性粒を微細化、均一化することができるため、ノイズ(N)の低減を図ることができる。このため、単位膜厚あたりの再生出力を向上させることができ、磁性膜4の薄膜化により磁性粒の過度の成長を抑制し微細化することができ、さらなるノイズ低減が可能となる。従って、いっそうのS/Nの向上が可能となる。
【0033】
また本実施形態の製造方法では、テクスチャ加工を施した非金属基板1上に、スパッタ装置などの成膜装置内で配向調整膜2を形成した後、得られた媒体基板6をこの成膜装置から搬出することなく、引き続きこの成膜装置を用いて配向調整膜2上に非磁性下地膜3、磁性膜4を形成することができる。
従って、製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
これに対し、従来の製造方法では、成膜工程(基板上にNiPなどからなる硬質膜を形成)後、一旦成膜装置から基板を搬出してテクスチャ加工工程(硬質膜表面にテクスチャ加工)を行い、次いで再び成膜工程(非磁性下地膜、磁性膜の形成)を行う必要があるため、製造工程が煩雑となる。
【0034】
また配向調整膜2に、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とする材料を用いる場合には、配向調整膜2を形成するにあたって、NiPXを主成分とするスパッタリングターゲットを用いることによって、上記配向調整膜2を容易に形成することができる。
配向調整膜2に、NiP(Pの含有率は好ましくは10〜40at%)を主成分とする材料を用いる場合には、配向調整膜2を形成するにあたって、NiPを主成分とするスパッタリングターゲットを用いることによって、上記配向調整膜2を容易に形成することができる。
【0035】
また上記磁気記録媒体にあっては、表面にテクスチャ加工が施された非金属基板1上に配向調整膜2が形成され、その上に非磁性下地膜3および磁性膜4が形成され、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上であるので、磁気異方性が高く、磁気特性(熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなど)に優れたものとなる。また製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
【0036】
上記磁気記録媒体において、配向調整膜2がテクスチャ加工を施していないものである場合には、製造に際しテクスチャ加工が不要となるため、製造が容易となり製造コスト削減が可能となる。またテクスチャ加工に起因して配向調整膜2の表面形状が粗くなり媒体表面の最大突起高さRpが大きくなることによるグライドハイト特性の低下を防ぐことができる。
また配向調整膜2がテクスチャ加工を施したものである場合には、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性をさらに向上させ、磁性膜4の磁気異方性をいっそう高めることができる。
【0037】
図3は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体7と、磁気記録媒体7を回転駆動させる媒体駆動部8と、磁気記録媒体7に情報を記録再生する磁気ヘッド9と、ヘッド駆動部10と、記録再生信号処理系11とを備えている。記録再生信号処理系11は、外部からの記録信号を処理して磁気ヘッド9に送ったり、磁気ヘッド9からの再生信号を処理して外部に送ることができるようになっている。
【0038】
この磁気記録再生装置にあっては、磁気記録媒体の磁気異方性を高めることができるため、S/N、エラーレートの向上が可能となることから、高記録密度化が可能となる。また熱揺らぎ現象に起因する記録データ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
【0039】
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の製造方法は、配向調整膜2表面を酸化処理することに代えて、配向調整膜2表面を窒化処理する点で上記第1の実施形態の方法と異なる。
窒化処理を行うには、配向調整膜2表面を窒素含有ガスに接触させる方法を採ることができる。例えば媒体基板6が収容されたチャンバ内に窒素含有ガスを導入する方法が採用できる。
窒素含有ガスとしては、空気、純窒素を用いることができる。また空気中の窒素含有量を増加させた窒素富化ガスを用いることもできる。
この際、配向調整膜2が曝されるガス中の窒素濃度は、1〜100vol%(好ましくは1〜70vol%、さらに好ましくは1〜50vol%)とすることができる。窒素含有ガスの使用によって、窒化処理を容易な操作で行うことができるようになる。
【0040】
配向調整膜2表面を窒素含有ガスに接触させる処理を行う際の温度条件は、配向調整膜2が結晶化することにより非磁性下地膜3、磁性膜4の配向性に悪影響が及ぶのを防ぐため、配向調整膜2の構成材料が結晶化する温度よりも低い温度、例えば280℃以下とするのが好ましい。またこの温度は常温またはそれ以上に設定することができる。この処理を行う際の処理時間(窒素含有ガスへの暴露時間)は、窒素含有ガスの窒素含有量などに応じて適宜設定することができる。
この処理によって、配向調整膜2は少なくとも表面付近が窒化される。
【0041】
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、表面にテクスチャ加工を施した非金属基板1上に配向調整膜2を形成し、この配向調整膜2の表面を窒化処理するので、酸化処理を採用した上記第1の実施形態の製造方法と同様、非磁性下地膜3および磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における磁気異方性を高めることができる。従って、磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性などの磁気特性を向上させることができる。
【0042】
また本実施形態の製造方法においても、成膜装置内で配向調整膜2を形成した後、引き続きこの成膜装置を用いて配向調整膜2上に非磁性下地膜3、磁性膜4を形成することができるため、製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
【0043】
上記第1および第2実施形態の製造方法において、配向調整膜2表面を酸化または窒化処理することによって、磁性膜4の磁気異方性を向上させる効果が得られるのは、配向調整膜2が、テクスチャ加工された基板1表面に影響された何らかの特性をもつに至り、従来発現しにくかったこの特性が酸化または窒化処理によって発現し、これが下地膜3、磁性膜4の結晶配向性を向上させたことによると考えられるが、詳細については未解明である。
【0044】
なお上記実施形態の製造方法においては、配向調整膜2表面を成膜装置のチャンバ内で酸化または窒化処理する方法を例示したが、これに限らず、成膜装置外で酸化または窒化処理を行ってもよい。
【0045】
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の第3の実施形態を、図1および図2を利用して説明する。
本実施形態の製造方法は、基板1上に配向調整膜2を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜2を形成するに際し、スパッタ装置のチャンバ内に導入するスパッタガスとして、酸素を含むものを用いる点に特徴がある。
具体的には、例えば図2に示すスパッタ装置21を用い、非金属基板1をチャンバ22内に搬入し、スパッタガス供給手段26を用いて酸素含有スパッタガスをチャンバ22内に導入した後、上記ターゲット23に給電する方法を採用することができる。
この酸素含有スパッタガスとしては、従来スパッタガスとして用いられているアルゴンガスなどに、酸素含有ガス(空気、純酸素、水蒸気、酸素富化ガスなど)を添加し酸素を含有させたものを用いることができる。
スパッタガス中の酸素含有率は、高すぎれば成膜効率が低下し、低すぎれば磁気異方性を高める効果が低下するため、1〜80vol%(好ましくは2〜50vol%、さらに好ましくは5〜30vol%)とするのが好適である。
酸素を含むスパッタガスを用いることによって、配向調整膜2は酸素を含むものとなる。
【0046】
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、酸素を含むスパッタガスを用いるので、第1、第2の実施形態の製造方法(配向調整膜2を酸化または窒化処理する製造方法)と同様、非磁性下地膜3および磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における磁気異方性を高めることができる。従って、磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性などの磁気特性を向上させることができる。
【0047】
酸素を含むスパッタガスを用いることによって、磁性膜4の磁気異方性を向上させる効果が得られるのは、配向調整膜2が酸素を含有するものとなることにより基板1表面の影響を受けやすくなり、その結果、配向調整膜2がテクスチャ加工された基板1表面に影響された何らかの特性をもつに至り、この特性が非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性を向上させたためであると考えられるが、詳細については未解明である。
【0048】
また本実施形態の製造方法においても、成膜装置内で配向調整膜2を形成した後、引き続きこの成膜装置を用いて配向調整膜2上に非磁性下地膜3、磁性膜4を形成することができるため、製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
また本実施形態の製造方法では、配向調整膜2形成後の表面処理が不要となるため、製造工程をさらに簡略化し、いっそうの製造コスト削減を図ることができる。
【0049】
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の第4の実施形態を、図1および図21を利用して説明する。
本実施形態の製造方法は、基板1上に配向調整膜2を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜2を形成するに際し、スパッタ装置のチャンバ内に導入するスパッタガスとして、窒素を含むものを用いる点に特徴がある。
この窒素含有スパッタガスとしては、従来スパッタガスとして用いられているアルゴンガスなどに、窒素含有ガス(空気、純窒素、窒素富化ガスなど)を添加し窒素を含有させたものを用いることができる。
スパッタガス中の窒素含有率は、高すぎれば成膜効率が低下し、低すぎれば磁気異方性を高める効果が低下するため、1〜80vol%(好ましくは2〜50vol%、さらに好ましくは5〜30vol%)とするのが好適である。
窒素を含むスパッタガスを用いることによって、配向調整膜2は窒素を含むものとなる。
【0050】
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、窒素を含むスパッタガスを用いるので、第1、第2の実施形態の製造方法(配向調整膜2を酸化または窒化処理する製造方法)と同様、非磁性下地膜3および磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における磁気異方性を高めることができる。従って、磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性などの磁気特性を向上させることができる。
【0051】
窒素を含むスパッタガスを用いることによって、磁性膜4の磁気異方性を向上させる効果が得られるのは、配向調整膜2が窒素を含有するものとなることにより基板1表面の影響を受けやすくなり、その結果、配向調整膜2がテクスチャ加工された基板1表面に影響された何らかの特性をもつに至り、この特性が非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性を向上させたためであると考えられるが、詳細については未解明である。
【0052】
また本実施形態の製造方法においても、成膜装置内で配向調整膜2を形成した後、引き続きこの成膜装置を用いて配向調整膜2上に非磁性下地膜3、磁性膜4を形成することができるため、製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
また本実施形態の製造方法では、配向調整膜2形成後の表面処理が不要となるため、製造工程をさらに簡略化し、いっそうの製造コスト削減を図ることができる。
【0053】
また、図4に示すように、本発明の磁気記録媒体では、配向調整膜2と非金属基板1との間に、配向調整膜2を基板1側から剥離しにくくする非磁性密着膜12を設けることもできる。
非磁性密着膜12には、非金属基板1および配向調整膜2に対する密着性に優れた材料、例えばCr、Mo、Nb、V、Re、Zr、W、Tiのうち1種以上を主成分とする合金を使用することができる。
非磁性密着膜12に好適な材料としては、CrMo系、CrTi系、CrV系、CrW系などの合金や、Crを挙げることができる。
非磁性密着膜12の膜厚は、200nm以下、例えば5〜200nmとするのが好ましい。200nmを越えると磁性膜4の磁気異方性を高める効果が低下する。
非磁性密着膜12を形成するには、スパッタ法などを用いることができる。
【0054】
ここに示す例では、非磁性密着膜12を設けることによって、配向調整膜2の剥離を防ぐことができるだけでなく、記録再生時などにおいて媒体が局部的に高温となったときにこの部分の熱を直ちに媒体面方向に拡散させ、温度上昇を低く抑え、磁気特性低下を防ぐことができる。
【0055】
なお、本発明の磁気記録媒体では、磁性膜の結晶配向性を良好にし、本発明の効果(熱揺らぎ耐性などの向上)をより高めることを目的として、非磁性下地膜と磁性膜との間に、非磁性中間膜を設けることができる。
この非磁性中間膜に好適に用いられる材料としては、CoCr系合金(Cr含有率20〜40at%)を挙げることができる。
図5は、非磁性中間膜を設けた磁気記録媒体の例を示すもので、ここに示す磁気記録媒体では、非磁性下地膜3と磁性膜4との間に、非磁性中間膜13が設けられている。この非磁性中間膜13の厚さは、5〜200nmとすることができる。
【0056】
【実施例】
(試験例1〜4)
以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明する。
アモルファス構造のガラス基板1(直径65mm、厚さ0.635mm)の表面に、円周方向に機械的テクスチャ加工を行い、表面平均粗さRaを表1に示す値とした。表面平均粗さRaの測定にはデジタルインストゥルメント(digital Instrument)社製のAFMを用いた。
この非金属基板1を、充分洗浄し乾燥させた後にDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製3010)のチャンバ内にセットし、チャンバ内を真空到達度2×10-7Paとなるまで排気した後、チャンバ内にスパッタガスとしてアルゴンガスを導入し、スパッタ法により基板1上に配向調整膜2を形成した。
【0057】
次いで、このスパッタ装置のチャンバ内に酸素含有ガスである空気を導入し、5秒間にわたって配向調整膜2表面を空気に接触させ酸化処理を行った。この際、温度条件は200℃に設定し、チャンバ内の酸素濃度は20vol%に設定した。
次いでスパッタ装置を用い、媒体基板6を200℃に加熱した後、スパッタ法により配向調整膜2上にCrからなる非磁性下地膜3を形成し、さらに非磁性下地膜3上にスパッタ法によりCoCrPtTa系合金からなる磁性膜4を形成した。磁性膜4上にはスパッタ法によりカーボンからなる保護膜5を形成した。
保護膜5上には、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑膜を形成した。
【0058】
得られた磁気記録媒体の静磁気特性を、振動式磁気特性測定装置(VSM)を用いて測定した。
また円周方向の保磁力Hcと半径方向の保磁力Hcの比(円周方向のHc/半径方向のHc)を測定し磁気異方性の指標とした(表中「磁気異方性」はこの保磁力比を示す)。
またこれら磁気記録媒体の電磁変換特性を、GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。電磁変換特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、記録条件を線記録密度350kFCIとして測定を行った。
熱揺らぎ耐性については、スピンスタンドS1701MPを用い、70℃の条件における記録密度40kFCIでの出力減少を観察した。また表中、PW50とは出力ピークの半値幅を示す。
【0059】
(試験例5)
配向調整膜2形成後、チャンバ内に空気を導入し酸化処理を行うことに代えて、チャンバ内に純窒素を導入し窒化処理を行うこと以外は試験例1に準じて磁気記録媒体を作製した。窒化処理時におけるチャンバ内の窒素濃度は、20vol%に設定した。
【0060】
(試験例6)
配向調整膜2を形成するにあたり、スパッタガスとして、アルゴンと窒素との混合ガス(アルゴン含有率80vol%、窒素含有率20vol%)を用いること、および酸化処理を行わないこと以外は試験例1に準じて磁気記録媒体を作製した。
【0061】
(試験例7)
非金属基板1と配向調整膜2との間にスパッタ法によりCrからなる非磁性密着膜12(厚さ100Å)を設けること以外は試験例1に準じて磁気記録媒体を作製した。
【0062】
(試験例8)
非金属基板1表面にテクスチャ加工を行わないこと以外は試験例1の方法に準じて磁気記録媒体を作製した。
【0063】
(試験例9)
配向調整膜2表面の酸化処理(配向調整膜2を空気に接触させる処理)を行わないこと以外は試験例1の方法に準じて磁気記録媒体を作製した。
各試験例の方法によって作製された磁気記録媒体についての試験結果を表1に併せて示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1より、基板1へのテクスチャ加工、または配向調整膜2への表面処理を行わない方法によって作製された試験例8、9の磁気記録媒体に比べ、基板1へのテクスチャ加工、および配向調整膜2表面に酸化処理を行う方法によって作製された試験例1〜4、7の磁気記録媒体は、優れた磁気異方性を示したことがわかる。
また酸化処理に代えて窒化処理を行う方法によって作製された試験例5の磁気記録媒体、および含窒素スパッタガスを使用する方法によって得られた試験例6の磁気記録媒体についても優れた磁気異方性が得られたことがわかる。
また試験例1〜7の磁気記録媒体は、優れた熱揺らぎ耐性を示したことがわかる。さらには、保磁力が高く、また出力ピークの半値幅PW50が小さくなり再生出力の分解能に優れていることがわかる。
【0066】
(試験例10〜14)
結晶化ガラス基板1(直径65mm、厚さ0.635mm、オハラ社製TS−10SX)の表面に、円周方向に機械的テクスチャ加工を行い、表面平均粗さRaを5Å(0.5nm)とした。
この非金属基板1を、充分洗浄し乾燥させた後にDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製3010)のチャンバ内にセットし、チャンバ内を真空到達度2×10-7Paとなるまで排気した後、チャンバ内にスパッタガスとしてアルゴンガスを導入し、スパッタ法により基板1上にCr10Moからなる非磁性密着膜12(膜厚100Å(10nm))を形成し、その上に表2に示す配向調整膜2を形成した。
【0067】
次いで、このスパッタ装置のチャンバ内に表2に示す酸素含有ガスを導入し、5秒間にわたって配向調整膜2表面を酸素含有ガスに接触させ酸化処理を行った。この際、温度条件は200℃に設定し、チャンバ内の酸素濃度は20vol%に設定した。
次いでスパッタ装置を用い、媒体基板6を200℃に加熱した後、スパッタ法により配向調整膜2上にCrMoからなる非磁性下地膜3(膜厚200Å(20nm))を形成し、さらに非磁性下地膜3上にスパッタ法によりCoCrからなる非磁性中間膜13(膜厚30Å(3nm))を形成し、さらにCoCrPtB系合金からなる磁性膜4(膜厚200Å(20nm))を形成した。磁性膜4上にはスパッタ法によりカーボンからなる保護膜5を形成し、その上にパーフルオロポリエーテルからなる潤滑膜を形成した。
得られた磁気記録媒体の試験結果を表2に示す。表中、使用ガスとは上記酸素含有ガスを指す。20%O2−Arは、酸素含有ガス(チャンバ内ガス)が、20vol%の酸素を含み、残部がArである酸素・アルゴン混合ガスを意味する。またガス圧力はチャンバ内の酸素含有ガスの圧力を意味する。
【0068】
【表2】
【0069】
表2より、配向調整膜2にNiPを用いた場合、Pの含有率を40at%以下とすることによって、磁気異方性が高められたことがわかる。また保磁力、PW50、熱揺らぎ耐性についても優れた結果が得られたことがわかる。
【0070】
(試験例15〜25)
酸素含有ガスとして、表3に示すものを用い、その圧力を表3に示すとおりとすること以外は、試験例10と同様にして磁気記録媒体を作製した。試験結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
表3より、配向調整膜2の表面を酸化処理するにあたって、酸素含有ガス中の酸素濃度を1at%以上とすることによって、優れた磁気特性が得られたことがわかる。
また酸素含有ガスの圧力については、0.2Pa以上とすることによって、充分な磁気特性を得ることができ、2Pa以上とすることによってさらに優れた磁気特性を得ることができたことがわかる。
【0073】
(試験例26〜42)
基板の表面平均粗さRa、配向調整膜、酸素含有ガス、その圧力を、表4に示すとおりとすること以外は試験例11と同様にして磁気記録媒体を作製した。
試験例41、42では、非金属基板1として、それぞれ強化ガラス基板(日本板硝子社製)、アルミナ焼結基板(酸化アルミニウム製)を用いた。
試験結果を表4に示す。表中、Airは空気を意味する。
【0074】
【表4】
【0075】
表4より、酸素含有ガスとして、空気を用いた場合でも優れた磁気特性を得ることができたことがわかる。また水蒸気・アルゴン混合ガス(5%H2O−Ar)を用いた場合でも優れた磁気特性を得ることができたことがわかる。
また強化ガラス基板、アルミナ焼結基板を用いた場合でも充分な磁気特性を得ることができたことがわかる。
なお配向調整膜2の表面に空気を接触させる場合には、酸化と窒化の両方が起こっていると考えられるが、酸素は窒素に比べ反応性が高いため、酸化が優先的に起こっていると考えられる。
【0076】
(試験例43〜53)
結晶化ガラス基板1(オハラ社製TS−10SX)上に、Crからなる非磁性密着膜12(膜厚50Å(5nm))を形成し、その上に表5に示す配向調整膜2を形成した。
次いで、スパッタ装置のチャンバ内に表5に示す窒素含有ガスを導入し、200℃の温度条件下で5秒間の窒化処理を行った。
配向調整膜2上に、非磁性下地膜3(膜厚150Å(15nm))を形成した。非磁性下地膜3は、Crからなる第1層上に、CrWからなる第2層を形成した2層構造膜とした。非磁性下地膜3上には、CoCrからなる非磁性中間膜(膜厚30Å(3nm))、および磁性膜4を形成した。
磁性膜4は、CoCrPtBCuからなる第1層(層厚180Å(18nm))上に、CoCrPtTaからなる第2層(層厚20Å(2nm))を形成した2層構造膜(膜厚200Å(20nm))とした。磁性膜4上にはスパッタ法によりカーボンからなる保護膜5を形成し、その上にパーフルオロポリエーテルからなる潤滑膜を形成した。
得られた磁気記録媒体の試験結果を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】
表5より、配向調整膜2の表面を窒化処理した場合でも優れた磁気特性を得ることができたことがわかる。
【0079】
(試験例54〜64)
結晶化ガラス基板1(オハラ社製TS−10SX)上に、CrWからなる非磁性密着膜12(膜厚100Å(10nm))を形成し、その上に表6に示す配向調整膜2を形成した。この際用いたスパッタガス(成膜ガス)としては、表6に示したものを用いた。
配向調整膜2上に、非磁性下地膜3(Crからなる第1層上に、CrWからなる第2層を形成した2層構造。膜厚150Å(15nm))をスパッタ法により形成した。
非磁性下地膜3上には、CoCrからなる非磁性中間膜(膜厚30Å(3nm))と、CoCrPtTaZrからなる磁性膜4(膜厚180Å(18nm))を形成した。
得られた磁気記録媒体の試験結果を表5に示す。
【0080】
【表6】
【0081】
表6より、スパッタガス(成膜ガス)に酸素または窒素を含有させた場合でも、優れた磁気特性を得ることができたことがわかる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体の製造方法にあっては、表面にテクスチャ加工を施した非金属基板上に、配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面に酸化処理または窒化処理を行うので、磁性膜に磁気異方性をもたせるのが難しい非金属基板を用いた場合でも、その上に形成される非磁性下地膜および磁性膜の結晶配向性を向上させ、磁性膜における磁気異方性を高めることができる。従って、磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性などの磁気特性を向上させることができる。
またテクスチャ加工を施した非金属基板上に、成膜装置内で配向調整膜を形成した後、この成膜装置により引き続いて非磁性下地膜、磁性膜を形成することができる。このため、製造工程を簡略化し、製造コスト削減を図ることができる。
【0083】
また本発明の磁気記録媒体にあっては、表面にテクスチャ加工が施された非金属基板上に配向調整膜が形成され、その上に非磁性下地膜および磁性膜が形成され、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上であるので、磁気異方性が高く、熱揺らぎ耐性などの磁気特性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す一部断面図である。
【図2】 図1に示す磁気記録媒体を製造するために用いられる成膜装置であるスパッタ装置の一例を示す構成図である。
【図3】 本発明の磁気記録再生装置の一実施形態を示す一部断面図である。
【図4】 本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示す一部断面図である。
【図5】 本発明の磁気記録媒体のさらに他の実施形態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・非金属基板、2・・・配向調整膜、3・・・非磁性下地膜、4・・・磁性膜、7・・・磁気記録媒体、9・・・磁気ヘッド
Claims (29)
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、非晶質であり直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面を酸化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、NiPを含み直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面を酸化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 酸化処理を、配向調整膜の表面を酸素含有ガスに接触させることにより行うことを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 酸素含有ガスが、空気、純酸素、水蒸気、酸素富化ガスのうちから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 酸素含有ガスの酸素含有率が、1〜100vol%であることを特徴とする請求項3または4記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、非晶質であり直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面を窒化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、NiPを含み直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、この配向調整膜の表面を窒化処理し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成することにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 窒化処理を、配向調整膜の表面を窒素含有ガスに接触させることにより行うことを特徴とする請求項6または7記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 窒素含有ガスが、空気、純窒素、窒素富化ガスのうちから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 窒素含有ガスの窒素含有率が、1〜100vol%であることを特徴とする請求項8または9記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、非晶質であり直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、酸素を含むスパッタガスを用いることにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、NiPを含み直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、酸素を含むスパッタガスを用いることにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- スパッタガスの酸素含有率が、1〜80vol%であることを特徴とする請求項11または12記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、非晶質であり直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、窒素を含むスパッタガスを用いることにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 表面に周方向に沿う機械的テクスチャ加工を施した非金属基板上に、NiPを含み直上の膜の配向性を整える配向調整膜を形成し、その上に非磁性下地膜および磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、配向調整膜を形成する方法としてスパッタ法を採用し、配向調整膜を形成するに際し、窒素を含むスパッタガスを用いることにより、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上である磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- スパッタガスの窒素含有率が、1〜80vol%であることを特徴とする請求項14または15記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 配向調整膜は、NiP(Pの含有率は10〜40at%)を主成分とすることを特徴とする請求項1〜16のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 配向調整膜は、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とすることを特徴とする請求項1〜16のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 請求項18記載の磁気記録媒体の製造方法を行うにあたり配向調整膜を形成するために用いられるスパッタリングターゲットであって、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とすることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 請求項1〜18のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法によって製造された磁気記録媒体であって、
表面にテクスチャ加工が施された非金属基板上に配向調整膜が形成され、その上に非磁性下地膜および磁性膜が形成され、周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1.1以上であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 配向制御膜の表面が酸化処理されていることを特徴とする請求項20記載の磁気記録媒体。
- 配向制御膜の表面が窒化処理されていることを特徴とする請求項20記載の磁気記録媒体。
- 配向調整膜が、NiP(Pの含有率は10〜40at%)を主成分とするものであることを特徴とする請求項20〜22のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 配向調整膜が、NiPX(XはCr、Mo、Si、Mn、W、Nb、Ti、Zrのうち1種以上、Xの含有率は0〜25at%)を主成分とするものであることを特徴とする請求項20〜22のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 配向制御膜の膜厚が2〜100nmであることを特徴とする請求項20〜24のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 配向調整膜は、表面平均粗さRaが0.5nm未満であることを特徴とする請求項20〜25のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 非金属基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項20〜26のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 非金属基板と配向性調整膜との間に、配向性調整膜を基板側から剥離しにくくする非磁性密着膜が形成され、この非磁性密着膜が、Cr、Mo、Nb、V、Re、Zr、W、Tiのうち1種以上からなることを特徴とする請求項20〜27のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
- 請求項20〜28のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えていることを特徴とする磁気記録再生装置。
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