JP2001243618A - 磁気記録媒体、その製造方法、スパッタリングターゲット、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、スパッタリングターゲット、および磁気記録再生装置

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JP2001243618A
JP2001243618A JP2000049941A JP2000049941A JP2001243618A JP 2001243618 A JP2001243618 A JP 2001243618A JP 2000049941 A JP2000049941 A JP 2000049941A JP 2000049941 A JP2000049941 A JP 2000049941A JP 2001243618 A JP2001243618 A JP 2001243618A
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magnetic
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JP2000049941A
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Kenji Shimizu
謙治 清水
Hiroshi Sakai
浩志 酒井
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 基板1上に第1下地膜2が設けられ、そ
の上にhcp構造をなす第2下地膜3が設けられ、さら
に非磁性中間膜4が設けられ、その上に磁化容易軸が基
板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜5が設けられ、
第1下地膜2がSiを含む材料からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
などに用いられる磁気記録媒体、その製造方法、、上記
磁気記録媒体の製造に用いられるスパッタリングターゲ
ット、および上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、磁性膜内
の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面内磁気
記録媒体が広く用いられている。面内磁気記録媒体で
は、高記録密度化するとビット体積が小さくなりすぎ、
熱揺らぎ効果により再生特性が悪化する可能性がある。
また、高記録密度化した際に、記録ビット境界での反磁
界の影響により媒体ノイズが増加することがある。これ
に対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し垂直に
配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化
した場合でもビット境界での反磁界の影響が小さく、境
界が鮮明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能
であり、しかも比較的ビット体積が大きくても高記録密
度化が可能であることから熱揺らぎ効果にも強く、近年
大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の
構造などが提案されている。例えば、特開昭58−77
025号公報および特開昭58−141435号公報に
は、Co合金からなる垂直磁性膜の下地層の材料として
Tiを用いることが開示されている。また特開平8−1
80360号公報には、上記下地層の材料として、Co
とRuからなる合金を用いることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、磁気記録媒
体の更なる高記録密度化が要望されており、これに伴い
ノイズ特性とともに、熱揺らぎ耐性を向上させることが
要求されてきている。しかしながら従来の磁気記録媒体
では、熱揺らぎ耐性の点で満足できるものが得られてい
ないのが現状である。本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたもので、熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体、その
製造方法、この磁気記録媒体を容易に製造することがで
きるスパッタリングターゲット、および熱揺らぎ耐性に
優れた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、基板上に第1下地膜が設けられ、その上にhcp構
造をなす第2下地膜が設けられ、その上に磁化容易軸が
基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設けられ、
第1下地膜がSiを含む材料からなるものであることを
特徴とする。第1下地膜の厚さは、2〜10nmとする
のが好ましい。また第2下地膜は、Ti、Zr、Ru、
Re、Y、Tb、およびCoのうち1種または2種以上
を主成分とする材料からなるものとするのが好ましい。
また垂直磁性膜は、Co/Cr系、Co/Cr/Pt
系、Co/Cr/Ta系、Co/Cr/Pt/X系
(X:Ta、Zr、Cu、Re、B、およびNbのうち
1種または2種以上)のうちいずれかの合金からなるも
のとするのが好ましい。垂直磁性膜の直下には、hcp
構造を有する非磁性中間膜を設けるのが好ましい。また
本発明のスパッタリングターゲットは、磁気記録媒体の
第1下地膜を作製するために用いられるスパッタリング
ターゲットであって、Siを含む材料からなるものであ
ることを特徴とする。また本発明の磁気記録媒体の製造
方法は、基板上に第1下地膜を形成し、その上にhcp
構造をなす第2下地膜を形成し、その上に磁化容易軸が
基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜を形成する製
造方法であって、第1下地膜の材料として、Siを含む
材料を用いることを特徴とする製造方法である。また本
発明の磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と、該磁気記
録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備え、磁気
記録媒体が、基板上に第1下地膜が設けられ、その上に
hcp構造をなす第2下地膜が設けられ、その上に磁化
容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設
けられ、第1下地膜が、Siを含む材料からなるもので
あることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
一実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、
非磁性基板1上に、第1下地膜2、第2下地膜3、非磁
性中間膜4、垂直磁性膜5、および保護膜6を順次形成
してなるものである。非磁性基板1としては、磁気記録
媒体用基板として一般に用いられるNiPメッキ膜が形
成されたアルミニウム合金基板のほか、ガラス基板、セ
ラミック基板、カーボン基板、可撓性樹脂基板、または
これらの基板にNiP膜をメッキ法やスパッタ法により
形成した基板を用いることができる。
【0006】第1下地膜2は、角型比を高め、熱揺らぎ
耐性を向上させるためのもので、Siを含む材料からな
るものである。第1下地膜2には、Siを含む材料が用
いられる。第1下地膜2は、Siのみからなるものであ
ってもよいし、Siを主成分とし、他の元素(例えば
C、B、Ge、P、Coのうち1種または2種以上)を
含む材料からなるものであってもよい。第1下地膜2中
のSiの含有率は、80at%以上(好ましくは90a
t%以上)とするのが望ましい。この含有率が上記範囲
未満であると、熱揺らぎ耐性を向上させる効果が低下す
る。第1下地膜2は、アモルファス構造をなすものであ
ることが望ましい。
【0007】第1下地膜2の厚さは、2〜10nm(す
なわち20〜100Å)とするのが好ましい。この厚さ
が上記範囲未満であると、熱揺らぎ耐性を向上させる効
果が低下する。また、この厚さが上記範囲を越えると、
垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗大化が起きやすくなり、
ノイズ特性が低下するため好ましくない。
【0008】第2下地膜3は、垂直磁性膜5のc軸を基
板1に対し垂直に配向させ、その垂直配向性を高めるた
めのもので、hcp構造をなす材料が用いられる。第2
下地膜3の材料としては、Ti、Zr、Ru、Re、
Y、Tb、およびCoのうち1種または2種以上を主成
分とするものを用いることができる。
【0009】第2下地膜3の厚さは、3〜100nm
(すなわち30〜1000Å)とするのが好ましい。こ
の厚さが上記範囲未満であると、熱揺らぎ耐性を向上さ
せる効果が低下する。また、この厚さが上記範囲を越え
ると、垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗大化が起きやすく
なり、ノイズ特性が低下するため好ましくない。
【0010】非磁性中間膜4は、媒体の保磁力および角
型比を高めるためのもので、hcp構造を有する非磁性
材料からなるものとするのが好ましい。非磁性中間膜4
の材料としては、Co/Cr系、Co/Cr/Pt系、
Co/Cr/Ta系、Co/Cr/Pt/X系(X:T
a、Zr、Cu、Re、およびBのうち1種または2種
以上)のうちいずれかの合金を用いるのが好適である。
特に、Crの含有率が25〜50at%、Ptの含有率
が0〜15at%、Xの含有率が0〜10at%、残部
がCoからなるCo合金を主成分とするものを用いるの
が好ましい。非磁性中間膜4は、単層構造をなすものと
してもよいし、多層構造をなすものとしてもよい。多層
構造とする場合には、上記材料から選ばれた互いに同一
または異なる複数の材料を多数積層したものとすること
ができる。
【0011】非磁性中間膜4の厚さは、50nm(すな
わち500Å)以下とするのが好ましい。この厚さが上
記範囲を越えると、垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗大化
が起きやすくなり、ノイズ特性が低下するため好ましく
ない。非磁性中間膜4の厚さは5〜20nm(50〜2
00Å)とするのがより好ましい。
【0012】垂直磁性膜5は、その磁化容易軸が基板に
対し主に垂直方向に配向した磁性材料からなる膜であ
り、Co/Cr系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/
Ta系、Co/Cr/Pt/X系(X:Ta、Zr、C
u、Re、B、およびNbのうち1種または2種以上)
のうちいずれかの合金を用いるのが好ましい。特に、C
rの含有率が13〜25at%、Ptの含有率が0〜1
5at%、Xの含有率が0〜5at%、残部がCoから
なるCo合金を用いるのが好ましい。上記各成分の含有
率が上記範囲を外れると、ノイズ特性または再生出力が
低下するおそれがある。
【0013】垂直磁性膜5の厚さは、10〜100nm
(100〜1000Å)とするのが好ましい。垂直磁性
膜5の厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束が得ら
れず、再生出力が低下する。また垂直磁性膜5の厚さが
上記範囲を越えると、垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗大
化が起きやすくなりノイズ特性が低下するおそれがあ
る。垂直磁性膜5の厚さは、30〜70nm(300〜
700Å)とするのがさらに好ましい。これは、垂直磁
性膜5の厚さをこの範囲とすると、再生出力をさらに向
上させるとともに、垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗大化
を防ぎ、ノイズ特性をより高めることができるためであ
る。
【0014】保護膜6は、垂直磁性膜5の腐食を防ぎ、
媒体表面の損傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を
使用でき、例えばC、SiO2、ZrO2、またはこれら
を主成分とし他元素を含むものが使用可能である。保護
膜6の厚さは、耐腐食性、摺動性の点から1〜20nm
(すなわち10〜200Å)が望ましい。さらには、ス
ペーシングロスを少なくし十分な再生出力を得るために
1〜10nm(10〜100Å)とするのが好ましい。
また、保護膜6上には、パーフルオロポリエーテル、フ
ッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などからなる潤
滑膜を設けるのが好ましい。
【0015】図2は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記
録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録
再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体7と、磁気
記録媒体7を回転駆動させる媒体駆動部8と、磁気記録
媒体7に情報を記録再生する磁気ヘッド9と、ヘッド駆
動部10と、記録再生信号処理系11とを備えている。
記録再生信号処理系11は、外部からの記録信号を処理
して磁気ヘッド9に送ったり、磁気ヘッド9からの再生
信号を処理して外部に送ることができるようになってい
る。
【0016】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
基板1上に、第1下地膜2、第2下地膜3、非磁性中間
膜4、垂直磁性膜5を順次をスパッタリング、真空蒸
着、イオンプレーティングなどの手法により形成し、続
いて保護膜6を、プラズマCVD法、イオンビーム法、
スパッタリング法などにより形成する。
【0017】第1下地膜2をスパッタリング法により形
成する場合には、上記Siを含む材料、例えばSiを8
0at%以上含む材料からなるスパッタリングターゲッ
トが用いられる。このスパッタリングターゲットは、カ
ーボン、酸素、窒素、アルミニウムなどの不純物の含有
量が100重量ppm以下であることが望ましい。この
ターゲットとしては、焼結合金ターゲットや、溶製法に
より製造された合金ターゲットを用いることができ、特
に、焼結合金ターゲットを用いるのが好ましい。この焼
結合金ターゲットは、上記材料の粉末を用い、これをH
IP(熱間静水圧プレス)、ホットプレス等の従来公知
の方法により焼結したものとすることができる。なお上
記材料粉末としては、ガスアトマイズ法等の従来公知の
方法により製造したものを用いることができる。
【0018】また、潤滑膜を形成するには、ディッピン
グ法、スピンコート法などの従来公知の方法を採用する
ことができる。
【0019】上記構成の磁気記録媒体にあっては、基板
1上に第1下地膜2が設けられ、その上にhcp構造を
なす第2下地膜3が設けられ、その上に垂直磁性膜5が
設けられ、第1下地膜2は、Siを含む材料からなるも
のであるので、角型比を高め、熱揺らぎ耐性を向上させ
ることができる。なお、熱揺らぎ現象とは、記録ビット
が不安定となり記録したデータの熱消失が起こる現象を
いい、この現象が起こった場合には、磁気記録再生装置
において記録したデータの再生出力が減衰することがあ
る。
【0020】また第2下地膜3をhcp構造をなす材料
からなるものとすることによって、第2下地膜3の上に
非磁性中間膜4を介して形成される垂直磁性膜5の垂直
配向性を高め、ノイズ特性および保磁力を向上させるこ
とができる。この効果は、hcp構造の第2下地膜3
が、第1下地膜2と非磁性中間膜4との間の格子の整合
性を向上させることにより得られると考えられる。
【0021】また、垂直磁性膜5の直下に、hcp構造
を有する非磁性中間膜4を設けることによって、垂直磁
性膜5の初期成長時における結晶配向性の乱れを防ぎ、
垂直磁性膜5の結晶配向性を向上させ、高保磁力化、低
ノイズ化を図ることができる。
【0022】また、上記スパッタリングターゲットによ
れば、Siを含む材料からなるものであるので、第1下
地膜2を容易に作製することができる。よって、上記磁
気記録媒体の製造を容易にすることができる。
【0023】また、上記磁気記録再生装置によれば、上
記磁気記録媒体を用いるので、熱揺らぎ現象を防ぎ、再
生出力の減衰を防ぐことができる。
【0024】なお、上記構成の磁気記録媒体は、 hc
p構造を有する材料からなる非磁性中間膜4を設けた
が、本発明の磁気記録媒体はこれに限らず、非磁性中間
膜4を設けなくてもよい。非磁性中間膜4を設けない場
合の磁気記録媒体を図3に示す。また本明細書において
主成分とは当該成分を50at%を越えて含むことを指
す。
【0025】
【実施例】以下、具体例を示して本発明の作用効果を明
確にする。図1または図3に示す磁気記録媒体を次のよ
うにして作製した。 (試験例1)まず、ガラスからなる非磁性基板1(直径
95mm、厚さ0.8mm)をDCマグネトロンスパッ
タ装置(アネルバ社製3010)のチャンバ内にセット
した。チャンバ内を真空到達度2×10-7Paとなるま
で排気するとともに、基板1を200℃まで加熱した
後、この基板1上に、Siからなる第1下地膜2、Ru
からなりhcp構造を有する第2下地膜3、Co−35
at%Cr−5at%Pt(Co35Cr5Pt)から
なる非磁性中間膜4、Co−20at%Cr−10at
%Pt−2at%B(Co20Cr10Pt2B)から
なる垂直磁性膜5を順次スパッタリングにより形成し
た。垂直磁性膜5上には、プラズマCVD法を用いて厚
さ70Å(すなわち7nm)のカーボン保護膜6を形成
した。保護膜6上には厚さ20Å(すなわち2nm)の
パーフルポリオロエーテルからなる潤滑膜をディッピン
グ法により形成した。
【0026】(試験例2)第1下地膜2を設けなかった
こと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0027】(試験例3〜5)第1下地膜2の膜厚を変
えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0028】(試験例6〜8)第2下地膜3の材料を変
えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0029】(試験例9〜11)非磁性中間膜4の厚さ
を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0030】(試験例12〜15)垂直磁性膜5の厚さ
を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0031】(試験例16〜18)垂直磁性膜5の材料
組成を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録
媒体を作製した。
【0032】(試験例19)非磁性中間膜4を設けなか
ったこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0033】各試験例の磁気記録媒体の静磁気特性を振
動式磁気特性測定装置(VSM)を用いて測定した。ま
た、これら磁気記録媒体の電磁変換特性を、GURIK
社製リードライトアナライザRWA1632、およびス
ピンスタンドS1701MPを用いて測定した。電磁変
換特性の評価には、磁気ヘッドとして、再生部に巨大磁
気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッ
ドを用い、記録条件を線記録密度150kFCIとして
測定を行った。上記試験例の磁気記録媒体の静磁気特
性、電磁変換特性の測定結果を表1に示す。また熱揺ら
ぎ耐性については、磁気ヘッドとして上記複合型薄膜磁
気記録ヘッドを用い、線記録密度150kFCI、温度
25℃の条件で、記録直後の出力に対する出力の低下率
(%/decade)を、log{(S0−S)×10
0/S0}/3に基づいて算出した。結果を表1に併せ
て示す。なお、S0は磁気記録媒体に信号を書き込んだ
直後の出力を示し、Sは1000秒後の出力を示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1中、試験例1〜5の比較より、第1下
地膜2の厚さを20〜100Å(2〜10nm)の範囲
とした試験例1および4の磁気記録媒体は、第1下地膜
2の厚さを上記範囲外に設定した試験例2、3および5
の磁気記録媒体に比べ、角型比(Mr/Ms)、熱揺ら
ぎ耐性の点で優れていることがわかる。またhcp構造
の第2下地膜3の材料をRu、Ti、Zr、またはRu
50Coとした試験例1、6〜8の磁気記録媒体は、角
型比、熱揺らぎ耐性の点でいずれも優れていることがわ
かる。試験例1、9〜11は、非磁性中間膜4の膜厚に
関係なく、角型比、熱揺らぎ耐性の点で優れており、特
に非磁性中間膜4の厚さを500Å(50nm)以下と
した試験例1、9、および10の磁気記録媒体は、非磁
性中間膜4の厚さを上記範囲外とした試験例11の磁気
記録媒体に比べ、優れたノイズ特性を有するものとなっ
た。試験例1、12〜15の比較より、垂直磁性膜5の
厚さが100Å(10nm)未満である試験例12の磁
気記録媒体に比べ、この厚さを100Å(10nm)以
上とした試験例1、13〜15の磁気記録媒体は、角型
比、熱揺らぎ耐性の点で優れていることがわかる。特に
垂直磁性膜5の厚さを100〜1000Å(10〜10
0nm)の範囲とした試験例1、13および14の磁気
記録媒体は、垂直磁性膜5の厚さを上記範囲外に設定し
た試験例12,15に比べ、優れたノイズ特性を示すも
のとなった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体は、基板上に第1下地膜が設けられ、その上にhc
p構造をなす第2下地膜が設けられ、その上に磁化容易
軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設けら
れ、第1下地膜がSiを含む材料からなるものであるの
で、角型比を高め、熱揺らぎ耐性を向上させることがで
きる。また、本発明のスパッタリングターゲットによれ
ば、Siを含む材料からなるものであるので、第1下地
膜を容易に作製することができる。よって、上記磁気記
録媒体の製造を容易にすることができる。また、本発明
の磁気記録再生装置によれば、基板上に第1下地膜が設
けられ、その上にhcp構造をなす第2下地膜が設けら
れ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向し
た垂直磁性膜が設けられ、第1下地膜がSiを含む材料
からなるものである磁気記録媒体を用いるので、熱揺ら
ぎ現象を防ぎ、再生出力の減衰を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す
一部断面図である。
【図2】 図1に示す磁気記録媒体を用いた磁気記録
再生装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示
す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・第1下地膜、3・・・第2下地膜、5・・・
垂直磁性膜、7・・・磁気記録媒体、9・・・磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA09 BA01 BA24 BA35 BB02 BD11 CA05 DC05 DC34 DC39 GA03 5D006 BB01 BB02 BB07 CA01 CA05 CA06 5D112 AA03 AA05 BB01 BD02 FA04 FB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1下地膜が設けられ、その
    上にhcp構造をなす第2下地膜が設けられ、その上に
    磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜
    が設けられ、第1下地膜は、Siを含む材料からなるも
    のであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体におい
    て、第1下地膜の厚さは、2〜10nmであることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁気記録媒体
    において、第2下地膜は、Ti、Zr、Ru、Re、
    Y、Tb、およびCoのうち1種または2種以上を主成
    分とする材料からなるものであることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載
    の磁気記録媒体において、垂直磁性膜が、Co/Cr
    系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/Ta系、Co/
    Cr/Pt/X系(X:Ta、Zr、Cu、Re、B、
    およびNbのうち1種または2種以上)のうちいずれか
    の合金からなるものであることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1項記載
    の磁気記録媒体の第1下地膜を作製するために用いられ
    るスパッタリングターゲットであって、Siを含む材料
    からなるものであることを特徴とするスパッタリングタ
    ーゲット。
  6. 【請求項6】 基板上に第1下地膜を形成し、その上
    にhcp構造をなす第2下地膜を形成し、その上に磁化
    容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜を形
    成する磁気記録媒体の製造方法であって、第1下地膜の
    材料として、Siを含む材料を用いることを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情
    報を記録再生する磁気ヘッドとを備え、 磁気記録媒体が、基板上に第1下地膜が設けられ、その
    上にhcp構造をなす第2下地膜が設けられ、その上に
    磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜
    が設けられ、第1下地膜が、Siを含む材料からなるも
    のであることを特徴とする磁気記録再生装置。
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