JP2001189006A - 磁気記録媒体およびその製造方法ならびに磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法ならびに磁気記録再生装置

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JP2001189006A
JP2001189006A JP37586499A JP37586499A JP2001189006A JP 2001189006 A JP2001189006 A JP 2001189006A JP 37586499 A JP37586499 A JP 37586499A JP 37586499 A JP37586499 A JP 37586499A JP 2001189006 A JP2001189006 A JP 2001189006A
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magnetic recording
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JP37586499A
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Akira Ito
彰 伊藤
Kenji Shimizu
謙治 清水
Hiroshi Sakai
浩志 酒井
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ特性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性基板1上に軟磁性膜2が設けら
れ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向し
た垂直磁性膜3が設けられ、軟磁性膜2が、非磁性基板
周方向の磁気異方性を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクなど
の磁気記録媒体およびその製造方法、ならびにこの磁気
記録媒体を用いた磁気記録再生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年では、ワークステーションやパーソ
ナルコンピュータの進歩に伴い、ハードディスクの大容
量化および小型化が進んでおり、磁気記録媒体には高記
録密度化が要望されている。磁気記録媒体としては、磁
性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面
内磁気記録媒体が広く用いられているが、面内磁気記録
媒体では、高記録密度化すると記録ビットが微細化し、
熱揺らぎ現象などにより再生特性が悪化する問題があ
る。これに対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対
し垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、再生
特性を悪化させることなく高記録密度化が可能であるこ
とから近年大きな注目を集めている。垂直磁気記録媒体
としては、垂直磁性膜の下に、基板に対し垂直方向への
理想的な書き込みを補助するための軟磁性膜が形成され
たものがある。
【0003】このような構造の磁気記録媒体では、スパ
イクノイズが発生しやすいという問題がある。スパイク
ノイズは、軟磁性膜中の磁壁近傍から外部に漏れ出る磁
束に起因して発生するノイズであり、エンベロープ特性
を劣化させ、記録再生の誤り率を増大させる。このた
め、図11および図12に示すように、軟磁性膜の下に
硬磁性膜や反強磁性膜を設け、これによって軟磁性膜中
の磁壁の移動を抑え、スパイクノイズの減少を図ること
ができる磁気記録媒体が提案されている。
【0004】図11は、非磁性基板1上にCoSm合金
やCoCrPtCr合金などからなる硬磁性層22を設
け、その上に軟磁性層23、硬磁性記録層24、および
保護層25を形成した磁気記録媒体を示す。この磁気記
録媒体では、高保磁力の硬磁性層22によって軟磁性膜
23内の磁化を安定させ、軟磁性層23内の磁壁の移動
を起こりにくくすることによってスパイクノイズ低減を
図るものである。図12は、硬磁性層22に代えて、P
tMn合金、NiMn合金などからなる反強磁性層26
を基板1上に設けた例を示すものである。この磁気記録
媒体では、反強磁性層26と軟磁性層23との間の交換
結合により軟磁性層23の磁化容易軸の方向がコントロ
ールされるため、磁壁の移動が起こりにくく、スパイク
ノイズ低減を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年では、磁気記録媒
体の更なる高記録密度化が要望されており、これに伴
い、いっそうのノイズ特性向上が要求されている。しか
しながら従来の磁気記録媒体では、ノイズ特性の点で、
高記録密度化の要求を満足させ得るものでなく、よりノ
イズ特性に優れた磁気記録媒体が要望されていた。本発
明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイズ特性に
優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性基板上に軟磁性膜が設けられ、その上に磁化
容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設
けられ、前記軟磁性膜が、基板周方向の磁気異方性を有
するものであることを特徴とする。また本発明の磁気記
録媒体では、軟磁性膜に基板周方向の外部磁場を加えた
ときの残留磁化Mcと、径方向の外部磁場を加えたとき
の残留磁化Mrとの比Mc/Mrが、1.4以上である
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。また軟
磁性膜の保磁力は0.1〜10(Oe)とするのが好ま
しく、飽和磁束密度は、2.2T以下とするのが好まし
い。本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板上
に、軟磁性膜を形成し、次いで磁化容易軸が基板に対し
主に垂直に配向した垂直磁性膜を形成するにあたり、軟
磁性膜を基板周方向の磁場中で形成することを特徴とす
る方法である。また本発明の磁気記録再生装置は、磁気
記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気
ヘッドとを備え、磁気記録媒体が、非磁性基板上に軟磁
性膜が設けられ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に
垂直に配向した垂直磁性膜が設けられ、前記軟磁性膜
が、基板周方向の磁気異方性を有することを特徴とする
磁気記録再生装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
第1実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体
は、非磁性基板1上に、軟磁性膜2、垂直磁性膜3、お
よび保護膜4が順次形成されたものである。
【0008】非磁性基板1としては、磁気記録媒体用基
板として一般に用いられるNiPメッキ膜が形成された
アルミニウム合金基板、ガラス基板、セラミック基板、
カーボン基板、可撓性樹脂基板、またはこれらの基板に
NiP膜をメッキ法やスパッタ法により形成した基板な
どを用いることができる。
【0009】非磁性基板1は、表面にテクスチャ加工を
施すことによって、表面粗さRaを100Å以下(好ま
しくは20Å以下、さらに好ましくは10Å以下)とす
るのが好ましい。テクスチャ加工は基板周方向に沿って
行うのが好ましい。テクスチャ加工を行うのが好ましい
としたのは、テクスチャ加工によって、軟磁性膜2の周
方向の磁気異方性をさらに向上させ、スパイクノイズの
低減を図ることができるためである。
【0010】軟磁性膜2は、Co系のアモルファス合金
からなるものとするのが好ましい。このCo系アモルフ
ァス合金としては、CoZrNb、CoTaNb、Co
ZrMo等の各種合金を挙げることができる。
【0011】本実施形態の磁気記録媒体において、軟磁
性膜2は、基板周方向の磁気異方性を有するものであ
る。軟磁性膜2では、軟磁性膜2に基板周方向の外部磁
場を加えたときの残留磁化Mcと、径方向の外部磁場を
加えたときの残留磁化Mrとの比であるMc/Mrを、
1.4以上(好ましくは2以上、さらに好ましくは2.
7以上)とするのが望ましい。Mc/Mrが上記範囲未
満であると、軟磁性膜2の周方向の磁気異方性が低くな
り、スパイクノイズ低減効果が不十分となりやすい。
【0012】軟磁性膜2の保磁力は0.1〜10(O
e)(好ましくは0.1〜5(Oe)、さらに好ましく
は0.1〜3(Oe))とするのが望ましい。保磁力が
上記範囲未満である軟磁性膜は作製が難しく、さらには
垂直磁性膜3の磁気異方性の低下を招く。また、保磁力
が上記範囲を越えると、周方向の残留磁化Mcが飽和磁
化に近づくため、軟磁性膜2からのノイズが増大する。
【0013】また軟磁性膜2の飽和磁束密度は、2.2
T以下(好ましくは0.4〜2.2T、さらに好ましく
は0.4〜2.0T)とするのが望ましい。これは、上
記飽和磁束密度が上記範囲を越える軟磁性膜の作製は困
難であるためである。また飽和磁束密度が0.4T以上
が好ましいとしたのは、飽和磁束密度を0.4以上とす
ることによって、軟磁性膜2の膜厚を5000Å以下に
することができるためである。
【0014】軟磁性膜2の膜厚は、500〜5000Å
(好ましくは500〜2500Å、より好ましくは50
0〜2000Å)とするのが好適である。この膜厚が上
記範囲未満であると書き込みを行う磁気ヘッドに対応す
る十分な磁束が得られず、信号の記録に支障を来す。ま
た膜厚が上記範囲を越えると生産効率低下を招く。
【0015】軟磁性膜2の最大透磁率は、1000〜1
000000、好ましくは8000〜500000、さ
らに好ましくは100000〜500000とするのが
望ましい。最大透磁率が1000未満であると、記録時
に磁気記録媒体への書き込みが不十分となりやすく、良
好な電磁変換特性を得られなくなるおそれがある。また
最大透磁率が1000000を越える軟磁性膜を作製す
るのは技術的に難しい。
【0016】上記最大透磁率は、次のように定義され
る。すなわち軟磁性体スパッタターゲット試験片を、例
えば振動式磁気特性装置(VSM)を用いて全く磁化さ
れていない状態から外部磁界を印加することにより徐々
に磁化していき、磁界を増加しても磁化の強さが増加し
ない状態に達するまでの磁化曲線中で、磁界の変化に対
する磁化の変化の割合のうち最大となったものを最大透
磁率とする。なお、透磁率はCGS単位系で表した値で
ある。
【0017】垂直磁性膜3は、磁化容易軸が基板に対し
主に垂直方向に配向した磁性材料からなる膜である。垂
直磁性膜3には、Co、CoCr系合金、CoCrPt
系合金、CoCrTa系合金、CoCrPtX系(X:
Ta、Zr、Cu、Re、Nb、Si、Ge、およびB
のうち1種または2種以上)、TbFeCo系、CoP
t−CoO系の合金を用いることができる。また垂直磁
性膜3としては、Co系材料からなる層と、Pt系材料
またはPd系材料からなる層とを多数回にわたって積層
した多層構造膜を用いることができる。Co系材料とし
ては、Co、CoCr系合金、CoCrPt系合金、C
oCrTa系合金、上記CoCrPtX系合金を用いる
ことができる。Pt系材料としてはPt、Pt合金を用
いることができる。Pd系材料としてはPd、Pd合金
を用いることができる。
【0018】垂直磁性膜3の厚さは、20〜1000
Å、好ましくは50〜800Å、より好ましくは50〜
500Åとするのが好適である。この厚さが上記範囲未
満であると、十分な磁束が得られず、再生出力が低下
し、SNRなどのノイズ特性が低下する。またこの厚さ
が上記範囲を越えると、垂直磁性膜3内の交換結合によ
り媒体ノイズが増大する。
【0019】保護膜4は、媒体表面の損傷を防ぎ、磁気
記録媒体の耐久性を高めるためのもので、従来公知の材
料を使用でき、例えばC、SiO2、ZrO2の単一組成
膜や、これらを主成分とし他元素を含むものが使用可能
である。保護膜4の厚さは、10〜100Åが望まし
い。また、保護膜4上には、パーフルオロポリエーテ
ル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などから
なる潤滑膜を設けるのが好ましい。
【0020】図3および図4は、上記磁気記録媒体を用
いた磁気記録再生装置の例を示すものである。ここに示
す磁気記録再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体
7と、磁気記録媒体7を回転駆動させる媒体駆動部8
と、磁気記録媒体7に情報を記録再生する磁気ヘッド9
と、ヘッド駆動部10と、記録再生信号処理系11とを
備えている。記録再生信号処理系11は、外部からの記
録信号を処理して磁気ヘッド9に送ったり、磁気ヘッド
9からの再生信号を処理して外部に送ることができるよ
うになっている。磁気ヘッド9としては、書込主軸12
を有する単磁極ヘッドを用いるのが好ましい。
【0021】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
まず基板1上にスパッタリングなどにより軟磁性膜2を
形成する。軟磁性膜2を形成するにあたっては、基板1
にその周方向に向いた磁場が加わった状態で成膜を行
う。
【0022】以下、軟磁性膜2の形成方法の一例を図2
を参照して説明する。まず、図示せぬ磁場発生コイルや
磁石などを用いて、スパッタ装置等のチャンバ内におい
て非磁性基板1に基板周方向に向けた磁場6を加える。
軟磁性膜2の厚さや磁気異方性に偏りが生じないように
非磁性基板1を周方向に回転させつつ、磁場6中におい
てスパッタリングなどによって非磁性基板1上に軟磁性
膜2を形成する。磁場6中において非磁性基板1上に形
成された軟磁性膜2は、基板周方向の磁気異方性をもつ
ものとなる。なお、本発明では、基板1を回転させず、
磁場発生コイルや磁石を回転させることにより磁場を基
板1に対し回転させつつ軟磁性膜2を形成することもで
きる。
【0023】保護膜4は、プラズマCVD法、イオンビ
ーム法、スパッタリング法により形成することができ
る。また、潤滑膜を形成するには、ディッピング法、ス
ピンコート法などの従来公知の方法を採用することがで
きる。
【0024】本実施形態の磁気記録媒体では、軟磁性膜
2が、基板周方向の磁気異方性を有するものであるの
で、スパイクノイズ低減を図ることができる。従って、
ノイズ特性を向上させることができ、記録密度の向上が
可能となる。
【0025】基板周方向の磁気異方性をもつ軟磁性膜2
によってスパイクノイズ低減を図ることができるのは、
以下の理由によると考えることができる。すなわち、周
方向の磁気異方性をもつ軟磁性膜2では、径方向の磁気
異方性をもつものに比べ、磁化の向きが周方向(トラッ
ク長さ方向)に連続し得ることから、周方向に単磁区化
されやすく、磁壁が形成されにくい。このため、磁壁に
起因して発生するスパイクノイズを最小限に抑えること
ができる。
【0026】また図4に示すように、軟磁性膜2の形成
によって、記録時において軟磁性膜2内にループ状の磁
化曲線13が形成されるようになり、垂直磁性膜3にお
ける垂直方向の磁化の方向が安定しノイズが減少する。
【0027】また、図11および図12に示す従来の磁
気記録媒体のように、軟磁性膜の下に硬磁性膜や反強磁
性膜を設ける必要がなく、製造コスト低減、生産性の向
上を図ることができる。
【0028】図5は、本発明の磁気記録媒体の第2実施
形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、軟磁性
膜2と垂直磁性膜3との間に非磁性中間膜5が設けられ
ている点で図1に示す第1実施形態の磁気記録媒体と異
なる。
【0029】非磁性中間膜5は、直上に形成される垂直
磁性膜3の結晶配向性を高め、垂直磁性膜3内の垂直磁
気異方性を高めるためのもので、hcp構造を有する非
磁性材料からなるものを用いるのが好ましい。非磁性中
間膜5の材料としては、CoCr系、CoCrPt系、
CoCrTa系、CoCrPtX系(X:Ta、Zr、
Cu、Re、Nb、Si、Ge、およびBのうち1種ま
たは2種以上)のうちいずれかの合金を用いるのが好適
である。
【0030】特に、Crの含有率が25〜50at%、
Ptの含有率が0〜15at%、Xの含有率が0〜10
at%、残部がCoからなるCo合金を主成分とするも
のを用いるのが好ましい。非磁性中間膜5は、単層構造
をなすものとしてもよいし、多層構造をなすものとして
もよい。多層構造とする場合には、上記材料から選ばれ
た互いに同一または異なる複数の材料を積層したものと
することができる。
【0031】非磁性中間膜5の厚さは、500Å以下
(好ましくは50〜200Å)とするのが好適である。
この厚さが500Åを越えると、非磁性中間膜5内にお
いて結晶粒子の粗大化が起きやすくなり垂直磁性膜3内
の磁性粒子粗大化によるノイズ特性の低下が起こりやす
くなる。
【0032】本実施形態の磁気記録媒体では、上記第1
実施形態の磁気記録媒体と同様に、スパイクノイズ低減
を図ることができることに加え、非磁性中間膜5によっ
て、その直上に形成される垂直磁性膜3の初期成長時に
おける結晶配向性の乱れを防ぎ、垂直磁性膜3の垂直磁
気異方性を向上させることができ、磁気特性の向上を図
ることができる。
【0033】
【実施例】(試験例1)図5に示す磁気記録媒体を次の
ようにして作製した。NiPメッキ膜が形成されたアル
ミニウム合金基板(直径3.5インチ)にメカニカルテ
クスチャ加工を施し、表面平均粗さRaを5Å以下とし
た非磁性基板1を、DCマグネトロンスパッタ装置のチ
ャンバ内にセットし、チャンバ内を真空到達度2×10
-7mTorr以下となるまで排気するとともに、この基
板1上に、Co−5at%Zr−4at%Nbからなる
軟磁性膜2(厚さ2500Å)、Co−35at%Cr
−8at%Ptからなる非磁性中間膜5(厚さ100
Å)、Co−22at%Cr−12at%Pt−4at
%Bからなる垂直磁性膜3をスパッタリングによって形
成した。次いでカーボン系材料からなる保護膜4を形成
した。
【0034】軟磁性膜2を形成する際には、基板周方向
の磁場を加え、軟磁性膜2を、基板周方向の磁気異方性
を有するものとした。また保磁力は1.0(Oe)に設
定した。なおスパッタリング時の投入電力は1.0kW
とし、使用したArのガス圧は4.5mTorrとし
た。得られた磁気記録媒体の軟磁性膜2の磁気特性を振
動式磁気特性装置(VSM)を用いて評価した。基板周
方向および径方向の磁化曲線を図6に示す。この磁化曲
線に基づいてMc/Mrを算出した。また、Guzik
スピンスタンド上で、磁気ヘッドによりDCイレースを
行った後のトラック1周分のエンベロープをとり、スパ
イクノイズが発生した範囲の割合を算出した。以下、こ
の割合をスパイクノイズ発生率という。また媒体ノイズ
の測定を行った。結果を表1に示す。
【0035】(試験例2)保磁力を1.5(Oe)に設
定すること以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を
作製し、その磁気特性を評価した。基板周方向および径
方向の磁化曲線を図7に示す。その他の試験結果を表1
に併せて示す。
【0036】(試験例3)テクスチャ加工を行わないこ
と以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製し、
その磁気特性を評価した。基板周方向および径方向の磁
化曲線を図8に示す。その他の試験結果を表1に併せて
示す。
【0037】(試験例4)非磁性基板として、ガラス基
板を用いること以外は試験例3と同様にして磁気記録媒
体を作製し、その磁気特性を評価した。基板周方向およ
び径方向の磁化曲線を図9に示す。その他の試験結果を
表1に併せて示す。
【0038】(試験例5)軟磁性膜を形成するにあた
り、基板径方向の磁場を加え、軟磁性膜を基板径方向の
磁気異方性を有するものとすること以外は試験例1と同
様にして磁気記録媒体を作製し、その磁気特性を評価し
た。基板周方向および径方向の磁化曲線を図10に示
す。その他の試験結果を表1に併せて示す。
【0039】(試験例6〜10)Mc/Mrを変えるこ
と以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製し、
その磁気特性を評価した。試験結果を表1に併せて示
す。
【0040】(試験例11〜15)保磁力を変えること
以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製し、そ
の磁気特性を評価した。試験結果を表1に併せて示す。
【0041】また試験例1〜5の磁化曲線のグラフ(図
6〜図10)から飽和磁束密度を求めると、いずれも
0.5〜0.8Tであった。なお磁化曲線の縦軸の単位
である「emu」から「T」への換算は、被検体の磁化
(emu)を単位体積(cm3)あたりに換算した後、
4π/10000倍することにより行うことができる。
被検体の両面に上記各膜を形成する場合には、得られた
値を1/2倍する。
【0042】
【表1】
【0043】図6ないし図9より、試験例1〜4では、
外部磁場をゼロにしたときの残留磁化が、基板径方向に
磁化させたときに比べ、周方向に磁化させたときにより
大きくなることから、周方向の磁気異方性をもつもので
あることがわかる。図10より、試験例5では、外部磁
場をゼロにしたときの残留磁化が、周方向に磁化させた
ときに比べ、径方向に磁化させたときにより大きくなる
ことから、径方向の磁気異方性をもつものであることが
わかる。表1より、軟磁性膜が周方向の磁気異方性を有
する試験例1〜4では、軟磁性膜が径方向の磁気異方性
を有する試験例5に比べ明らかにスパイクノイズを低く
することができることがわかる。なかでも特に、基板1
にテクスチャ加工を行った試験例1、2では、優れたス
パイクノイズ低減効果が得られたことがわかる。また試
験例6〜10より、Mc/Mrを1.4以上とすること
によって、スパイクノイズ発生率を低くし、ノイズ特性
を向上させることができたことがわかる。また試験例
1、2、11〜15より、保磁力を0.1〜10(O
e)の範囲とすることによって、スパイクノイズ発生率
を低くすることができたことがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体にあっては、軟磁性膜が、基板周方向の磁気異方性
を有するものであるので、スパイクノイズ低減を図るこ
とができる。従って、ノイズ特性を向上させることがで
き、記録密度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の第1実施形態を示
す一部断面図である。
【図2】 本発明の磁気記録媒体を製造する方法の一
例を示す説明図である。
【図3】 本発明の磁気記録再生装置の一実施形態を
示す概略構成図である。
【図4】 図3に示す磁気記録再生装置において、軟
磁性膜および垂直磁性膜が磁化された状態を示す模式図
である。
【図5】 本発明の磁気記録媒体の第2実施形態を示
す一部断面図である。
【図6】 試験結果を示すグラフである。
【図7】 試験結果を示すグラフである。
【図8】 試験結果を示すグラフである。
【図9】 試験結果を示すグラフである。
【図10】 試験結果を示すグラフである。
【図11】 従来の磁気記録媒体の一例を示す一部断
面図である。
【図12】 従来の磁気記録媒体の他の例を示す一部
断面図である。
【符号の説明】
1・・・非磁性基板、2・・・軟磁性膜、3・・・垂直磁性膜、
5・・・非磁性中間膜、7・・・磁気記録媒体、9・・・磁気ヘ
ッド、12・・・書込主軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 浩志 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工株式会社HD研究開発センター内 Fターム(参考) 5D006 BB02 BB07 CA03 CA05 DA03 FA00 5D112 AA03 AA05 AA24 BB05 BD03 DD05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に軟磁性膜が設けられ、
    その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂
    直磁性膜が設けられ、前記軟磁性膜が、基板周方向の磁
    気異方性を有するものであることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 軟磁性膜に基板周方向の外部磁場を加
    えたときの残留磁化Mcと、径方向の外部磁場を加えた
    ときの残留磁化Mrとの比Mc/Mrが、1.4以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 軟磁性膜の保磁力が0.1〜10(O
    e)であることを特徴とする請求項1または2記載の磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 軟磁性膜の飽和磁束密度が、2.2T
    以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれ
    か1項記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性基板上に、軟磁性膜を形成し、
    次いで磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直
    磁性膜を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、軟
    磁性膜を基板周方向の磁場中で形成することを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情
    報を記録再生する磁気ヘッドとを備え、 磁気記録媒体は、非磁性基板上に軟磁性膜が設けられ、
    その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂
    直磁性膜が設けられ、前記軟磁性膜が、基板周方向の磁
    気異方性を有するものであることを特徴とする磁気記録
    再生装置。
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