JP2006351055A - 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた熱ゆらき耐性を保ちながら、同時に記録再生特性、特に媒体ノイズの低減を実現し、高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属または半導体の酸化物、窒化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードディスク装置などに用いられる垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置に関するものであり、特に、記録再生特性に優れたものに関するものである。
磁気記録再生装置の1種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率60%以上で増えており今後もその傾向は続くと言われている。その為に高記録密度に適した磁気記録用ヘッドの開発、磁気記録媒体の開発が進められている。
現在市販されているハードディスク装置用の磁気記録媒体は、磁性層内の磁化容易軸を、主に基板に対して水平に配向した面内磁気記録媒体がほとんどである。ここで、磁化容易軸とは磁化の向き易い軸のことであり、Co基合金の場合、Coのhcp構造のc軸のことである。
このような面内磁気記録媒体では、高記録密度化した状態では1ビットあたりの磁性層の体積が小さくなりすぎ、熱揺らぎ効果により記録再生特性が悪化する可能性があると言われている。また、高記録密度化した際に、記録ビットの境界で発生する反磁界の影響により媒体ノイズが増加するおそれがある。
これに対し、磁性層内の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にもビット境界での反磁界の影響が小さく境界が鮮明な記録磁区が形成されるため、低ノイズ化が可能でありしかも高記録密度化した場合でも、比較的ビット体積を大きくすることができることから熱揺らぎ効果にも強い。このため、近年大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の構造が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
また、近年では、磁気記録媒体の更なる高記録密度化の要望に対して、垂直磁性層に対する書き込み能力に優れている単磁極ヘッドを用いることが検討されている。そのようなヘッドに対応するために、記録層である垂直磁性層と基板との間に裏打ち層と称される軟磁性材料からなる層を設けることにより、単磁極ヘッドと磁気記録媒体との間の磁束の出入りの効率を向上させた磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2003−187414号公報 特開2003−67910号公報 特開2003−168207号公報
しかしながら、特許文献3に記載の磁気記録媒体のように、単に裏打ち層を設けた磁気記録媒体を用いた場合では、記録再生時の記録再生特性や、耐熱減磁耐性、記録分解能において満足できるものではなく、これらの特性に優れる磁気記録媒体が要望されていた。
たとえば、磁性層のCo合金の有するKu(磁気異方性定数)を増大させるために、一般にCo合金にPtを多く含有させる(16〜26at%)手法が使われているが、Co合金にPtを多く含有させた材料を用いると磁性層中の磁気的な粒子間相互作用が強くなりすぎることによるノイズが大きくなり、高密度記録に適さない特性となってしまう。
このため、垂直方向のKuを増大させつつ、ノイズの増加を抑えることができる磁性材料、およびそのような特性を有する磁気記録媒体が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、優れた熱ゆらき耐性を保ちながら、同時に記録再生特性、特に媒体ノイズの低減を実現し、高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討し、以下の構成に基づく発明を完成した。
1)上記課題を解決するための第1の発明は、非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属酸化物または半導体酸化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成されることを特徴とする垂直磁気記録媒体である。
2)上記課題を解決するための第2の発明は、垂直磁性層(1)がグラニュラ層であり、垂直磁性層(2)及び垂直磁性層(3)が非グラニュラ層であることを特徴とする1)に記載の垂直磁気記録媒体である。
3)上記課題を解決するための第3の発明は、垂直磁性層(2)を構成するCoCr合金中のCr濃度が20原子%以上37原子%以下であることを特徴とする1)〜2)に記載の垂直磁気記録媒体である。
4)上記課題を解決するための第4の発明は、垂直磁性層(1)が、Cr含有量5原子%以上28原子%以下、Pt含有量が10原子%以上20原子%以下である材料からなることを特徴とする1)〜3)に記載の垂直磁気記録媒体である。
5)上記課題を解決するための第5の発明は、垂直磁性層(3)が、Cr含有量5原子%以上28原子%以下、Pt含有量が10原子%以上20原子%以下である材料からなることを特徴とする1)〜4)に記載の垂直磁気記録媒体である。
6)上記課題を解決するための第6の発明は、垂直磁性層(1)が、B、Ta、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素の合計含有量が8原子%以下である材料からなることを特徴とする1)〜5)に記載の垂直磁気記録媒体である。
7)上記課題を解決するための第7の発明は、垂直磁性層(2)が、Ta、Pt、B、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素の合計含有量が20原子%以上37原子%以下であることを特徴とする1)〜6)に記載の垂直磁気記録媒体である。
8)上記課題を解決するための第8の発明は、垂直磁性層(3)が、B、Nd、Ta、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素とCr、Ptとの合計含有量が40原子%以下であることを特徴とする1)〜7)に記載の垂直磁気記録媒体である。
9)上記課題を解決するための第9の発明は、非磁性基板と配向制御層との間に軟磁性材料からなる軟磁性下地層が設けられたことを特徴とする1)〜8)に記載の垂直磁気記録媒体である。
10)上記課題を解決するための第10の発明は、非磁性基板と軟磁性下地層との間に、磁気異方性が主に面内方向を向いた硬磁性層を設けることを特徴とする9)に記載の垂直磁気記録媒体である。
11)上記課題を解決するための第11の発明は、硬磁性層が、CoSm合金または、CoCrPtX(X:Pt、Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、NおよびBのうち1種または2種以上。)を含む材料からなり、500[Oe](39.5kA/m)以上の保磁力を有し、磁化方向が基板半径方向であることを特徴とする10)に記載の垂直磁気記録媒体である。
12)上記課題を解決するための第12の発明は、垂直磁性層(1)を成膜する工程のスパッタガス圧力を5〜20Paとすることを特徴とする1)〜11)に記載の垂直磁気記録媒体である。
13)上記課題を解決するための第13の発明は、垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)を成膜する工程のスパッタガス圧力を0.1Pa〜1.5Paとすることを特徴とする1)〜12)に記載の垂直磁気記録媒体である。
14)上記課題を解決するための第14の発明は、垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、垂直磁気記録媒体が1)〜13)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置である。
15)上記課題を解決するための第15の発明は、非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属または半導体の酸化物、窒化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成される垂直磁気記録媒体の製造方法であって、垂直磁性層(1)を成膜する工程のスパッタガス圧力を5〜20Paとすることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法である。
16)上記課題を解決するための第16の発明は、垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)を成膜する工程のスパッタガス圧を0.1Pa〜1.5Paとすることを特徴とする15)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法である。
酸化物または窒化物を含むグラニュラ構造の垂直磁性層と非グラニュラ構造の垂直磁性層とを積層して耐久性向上、スパイクノイズの抑制しようとする試みは過去になされている(例えば、特開2003−168270等)。
本発明では、これら積層型の垂直磁気記録媒体の記録再生特性をさらに向上させる目的で、垂直磁性層を少なくとも1層のグラニュラ層、2層の非グラニュラ層からなる3層以上の垂直磁性層から構成させることを特徴とする。
グラニュラ層と非グラニュラ層の2層の場合、スパイクノイズの抑制、耐久性の向上などが報告されているが、該2層の磁性層間に働く磁気的結合作用により、記録再生時の媒体ノイズについては必ずしも十分に低減されてはいなかった。
本発明では、これら2層間にさらにもう1層の非グラニュラ層を挿入することにより、基板側よりグラニュラ層、非グラニュラ層(1)、非グラニュラ層(2)の順に少なくとも3層からなる構成とした。これにより、グラニュラ層と非グラニュラ層(2)の間に働く磁気的結合が非グラニュラ層(1)によって緩和され、磁性結晶粒がかたまりとして振舞うことを防ぐ効果をもたらし、ひいては媒体ノイズの低減、SNRの改善をもたらすことを見出した。
本発明の垂直磁気記録媒体によれば、非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属または半導体の酸化物、窒化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成される。
これにより、優れた熱ゆらき耐性を保つとともに、垂直磁性層(1)と垂直磁性層(3)との間の磁気的結合を垂直磁性層(2)によって緩和することができ、高い強磁性を有しながら、媒体ノイズを低減することが可能となる。
従って、記録再生特性が向上し、高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体を得ることができる。
以下に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の垂直磁気記録媒体の第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、中間層4と、垂直磁性層(1)5と、垂直磁性層(2)6と、垂直磁性層(3)7と、保護層8と潤滑層9とが順次形成されて構成されている。
非磁性基板1としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料からなる金属基板を用いてもよいし、ガラス、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。
ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノケートガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。
非磁性基板1としては、上記の金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
本発明の垂直磁気記録媒体では、配向制御層3の下に軟磁性下地層2を設けるのが好ましい。軟磁性下地層2は、ヘッドから出てくる磁束の基板に対する垂直方向成分を大きくすること、および情報が記録される垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定することができるからである。この作用は、特に記録再生用の磁気ヘッドとして垂直記録用の単磁極ヘッドを用いる場合に、より顕著なものとなる。
上記の軟磁性下地層2は、軟磁性材料からなるもので、この材料としては、Fe、Ni、Coを含む材料を用いることができる。この材料としては、FeCo系合金(FeCo、FeCoV)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSi)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlO)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCu)、FeTa系合金(FeTa、FeTaC、FeTaN)、FeMg系合金(FeMgO)、FeZr系合金(FeZrN)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金を挙げることができる。
またFeを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造を有する材料、あるいは微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラ構造を有する材料を用いてもよい。
軟磁性下地層2の材料としては、上記のほか、Coを80at%以上含有し、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo等のうち少なくとも1種を含有し、アモルファス構造を有するCo合金を用いることができる。この材料としては、CoZr、CoZrNb、CoZrTa、CoZrCr、CoZrMo系合金などを好適なものとして挙げることができる。
軟磁性下地層2の保磁力Hcは、200[Oe]以下(好ましくは50[Oe]以下)とするのが好ましい。この保磁力Hcが上記範囲を超えると、軟磁気特性が不十分となり、再生信号波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため好ましくない。
軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bsは、0.6T以上(好ましくは1T以上)とするのが好ましい。このBsが上記範囲未満であると、再生信号波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため好ましくない。
軟磁性下地層2の膜厚は、20〜400nmであるのが好ましい。この範囲であると再生信号波形において歪のない波形が得られるからである。
また、軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bs(T)と軟磁性下地層2の膜厚t(nm)との積Bs・t(T・nm)が20(T・nm)以上(好ましくは40(T・nm)以上)であること好ましい。このBs・tが上記範囲未満であると、再生信号波形が歪みをもつようになったり、OW特性が悪化するため好ましくない。
配向制御層3は、直上に設けられた中間層4および垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6の配向性や粒径を制御するものである。
配向制御層3の材料としては、特に限定されるものではないが、hcp構造、fcc構造、アモルファス構造を有するものが好ましい。特に、Ru系合金、Ni系合金、Co系合金が特に好ましい。
本実施形態の垂直磁気記録媒体では、配向制御層3の厚さを0.5〜40nm(好ましくは1〜20nm)とするのが好ましい。配向制御層3の厚さが0.5〜40nm(好ましくは1〜20nm)の範囲であるとき、垂直磁性層5の垂直配向性が特に高くなり、かつ記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離を小さくすることができるので、再生信号の分解能を低下させることなく記録再生特性を高めることができる。この厚さが上記範囲未満であると、垂直磁性層5における垂直配向性が低下し、記録再生特性および熱揺らぎ耐性が劣化する。また、この厚さが上記範囲を超えると、垂直磁性層5の磁性粒子径が大きくなり、ノイズ特性が劣化するおそれがあるため好ましくない。また記録時における磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が大きくなるため、再生信号の分解能や再生出力が低下するため好ましくない。
配向制御層3の表面形状は、垂直磁性層5、保護層6の表面形状に影響を与えるため、磁気記録媒体の表面凹凸を小さくして、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを低くするには、配向制御層3の表面平均粗さRaを2nm以下とするのが好ましい。この表面平均粗さRaを2nm以下とすることによって、磁気記録媒体の表面凹凸を小さくし、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを十分に低くし、記録密度を高めることができる。
配向制御層3の成膜用のガスに酸素や窒素を導入してもよい。例えば、成膜法としてスパッタ法を用いるならば、プロセスガスとしては、アルゴンに酸素を体積率で0.05〜50%(好ましくは0.1〜20%)程度混合したガス、アルゴンに窒素を体積率で0.01〜20%(好ましくは0.02〜10%)程度混合したガスが好適に用いられる。
配向制御層3と垂直磁性層(1)5との間に、中間層4を設けることができる。中間層4を設けることによって、垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6の垂直配向性を高めることができるので、垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7の保磁力を高め、記録再生特性および熱揺らぎ耐性をさらに向上させることができる。
中間層4にはhcp構造を有する材料を用いるのが好ましい。中間層4には、RuおよびRu合金、CoCr合金やCoCrX1合金やCoX1合金(X1:Pt、Ta、Zr、Ru,Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、NおよびBから選ばれる1種または2種以上)を用いるのが好適である。
中間層4の厚さは、垂直磁性層(1)5における磁性粒子の粗大化による記録再生特性の悪化や、磁気ヘッドと軟磁性下地層2との距離が大きくなることによる記録分解能の低下を起こさないようにするために、20nm以下(好ましくは10nm以下)とするのが好ましい。
垂直磁性層(1)5は、その磁化容易軸が基板に対して主に垂直方向に向いたものであり、Coを主成分とし、少なくともCr、Ptを含んだ材料からなる。各元素の含有量として、Cr含有量が5〜28原子%(好ましくは19〜24原子%)、Pt含有量が10〜20原子%(好ましくは13〜18原子%)であることが好ましい。
垂直磁性層(1)5のCrの含有量が5原子%未満であると、Cr偏析により磁性粒子間に形成される粒界層の厚さが薄くなるために磁性粒子間の磁気的な粒子間相互作用が大きくなり、また磁性粒子自体の粒径も肥大化しやすくなる。その結果、記録再生時におけるノイズが増大し、より高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N)が得られなくなる。
また、垂直磁性層(1)5のCr含有量が28原子%を超えると、Crが粒界層へ偏析しきれず磁性粒子内部に残留する割合が増加する。その結果として垂直方向の保磁力、および残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)の比(Mr/Ms)が低下しやすくなる。さらに、磁性粒子の結晶配向性が損ねられて、垂直方向の保磁力(Hc−v)と面内方向の保磁力(Hc−i)の比(Hc−v)/(Hc−i)が小さくなってしまうおそれがある。
垂直磁性層(1)5のPtの含有量が10原子%未満であると、垂直磁性層に必要な磁気異方性定数(Ku)が得られず、磁化が熱的に不安定となる。また、Ptが20原子%を超える場合、磁性層中のCr偏析を阻害するばかりでなく、磁性層中にfcc構造の層が形成されるために保磁力の低下をもたらすおそれがあるので、上記範囲が好ましい。
B、Ta、Cuは、磁性層中のCr偏析を促進し、磁気的な粒子間相互作用や磁性粒子径を小さくし、結果として記録再生時のノイズを減少させる効果を有する。これら元素の垂直磁性層(1)5への添加量は各元素の合計で8原子%以下であることが好ましい。8原子%を超えて添加した場合、これら元素が磁性粒子内に残留し、その結果、垂直保磁力および残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)の比(Mr/Ms)が低下するため好ましくない。
垂直磁性層(2)6に用いる磁性材料の例としては、Co−Cr合金(Cr含有量20原子%以上37原子%以下、望ましくは25原子%以上35原子%以下)が考えられるが、第三元素としてPt、B、Ta、Nb、Zr、Mo、Mnなどの金属元素が微量含まれていても構わない。また、垂直磁性層(2)は成膜された状態で強磁性を示すことが望ましい。前述のCr含有量の上限値はCo−Cr合金膜が強磁性を失わない濃度という観点から決定されたものである。また、Cr含有量が20原子%を下回ると、垂直磁性層(2)の飽和磁化量が増加し、垂直磁性層(1)と垂直磁性層(3)との間の磁気的結合を緩和する効果が十分に得られず、結果的に記録再生特性改善の効果が十分に得られない。また、垂直磁性層(2)は垂直磁性層(1)とは異なり、酸化物、窒化物等を含まないことが望ましい。
垂直磁性層(3)7に用いる磁性材料の例としては、Co−Cr−Pt合金(Cr含有量18原子%以上28原子%以下、Pt含有量10原子%以上20原子%以下)などが考えられるが、垂直磁性層として垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7の他に、垂直磁性層(4)、(5)等を追加成膜して4層以上の積層構造とすることもできる。垂直磁性層が4層以上の磁性層から構成される場合、そのうち少なくとも垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)の3層が垂直磁気異方性をもつことが好ましい。
垂直磁性層(3)に用いる各種の磁性材料としては上記以外に、CoCrPt系合金、CoCr系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtBNd系合金、CoCrPtCu系合金のほか、Co系合金(CoCr、CoB等)とPd系合金(PdB等)の積層材料やTbFeCo等のアモルファス材料とCoCrPtCu系材料とすることもできる。
また、多層構造とする場合、磁性層間に非磁性材料からなる中間層を形成した構成とすることもできる。非磁性材料としては、hcp構造を有する非磁性金属材料のほか、bcc構造やfcc構造、アモルファス構造を有する非磁性の金属材料、酸化金属材料、窒化金属材料とすることもできる。
垂直磁性層(1)5の厚さは、3〜60nm(好ましくは5〜40nm)とするのが好ましい。垂直磁性層(1)5の厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束が得られず、再生出力が低下する。また、垂直磁性層5の厚さが上記範囲を超えると、垂直磁性層(1)5内の磁性粒子の粗大化が起き、記録再生特性が低下するため好ましくない。
以上述べたように、本発明における垂直磁性層は、基板に近い順に、その膜の構造がグラニュラ構造をとる垂直磁性層(1)、通常の合金磁性薄膜からなる垂直磁性層(2)、同じく通常の合金磁性薄膜からなる垂直磁性層(3)を積層して構成される。ここで垂直磁性膜(1)のもつグラニュラ構造とは、たとえばCo-Cr-Pt系合金など通常の合金薄膜の中に微細な酸化物の結晶粒あるいはアモルファス状の粒子を混在させた形態をとるものを指している。典型的には、合金相の中に微細な酸化物の粒子が分散された構造が考えられる。また、成膜の条件、材料の選択によっては、この酸化物が粒子状に分散せずにベースとなる合金の結晶粒を取り囲むような形状をとるものもありうる。さらに、SiOなど安定な酸化物を混入させる以外にも、ベースとなる合金を酸素雰囲気中で一定の条件下で成膜することにより金属酸化膜を形成することで結果的に酸化物が分散した膜構造となる、すなわちグラニュラ構造をとることも知られており、本発明においてはいずれの場合も利用することが可能である。
上述のように、グラニュラ層、非グラニュラ層、非グラニュラ層と少なくとも3層の磁性層を順に積層することの効果について述べる。
グラニュラ層である垂直磁性層(1)は磁気記録媒体において垂直磁気記録を行う主記録層としての役割を果たす。膜がグラニュラ構造をとることにより、磁性結晶粒間の交換相互作用が低減され媒体ノイズの抑制効果を持つ。その一方で、個々の結晶粒が磁気的に独立に振舞うため、保磁力Hcは十分に高いものが得られる反面、核生成磁界Hnが小さくなる傾向がある。Hnは垂直磁気記録において隣接トラックからの影響を排除するためにある程度高い値が必要とされている。
一方、非グラニュラ層である垂直磁性層(3)は、一般的に垂直磁性層(1)よりも飽和磁束密度Bsが相対的に高い材料を用いることが多く、これを垂直磁性層(1)の上に直接積層することにより磁性結晶粒間の相互作用が強まり、Hnを大きくすることができるが、この場合には、Hcの低下や媒体ノイズの増大を伴い易い。そこで、垂直磁性層(1)と垂直磁性層(2)との間に新たに垂直磁性層(2)を挿入することにより垂直磁性層(1)、(3)の間の相互作用をコントロールするというのが本発明の主旨である。磁気的相互作用の大きさをコントロールするという主旨から、垂直磁性層(2)の飽和磁束密度Bsは垂直磁性層(3)に比して相対的に小さいものを使用することが好ましい。垂直磁性層(2)の膜厚を適当に調整することにより、磁気特性、記録再生特性をある程度コントロールすることもできる。
本発明の垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7は、3層積層した状態での残留磁化(Ms)と飽和磁化(Mr)の比(Mr/Ms)が0.85以上(好ましくは0.95以上)である。Mr/Msが0.85未満の磁気記録媒体は、逆磁区核形成磁界が低下するので熱揺らぎ耐性に劣るため好ましくない。
本発明の垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7は、3層積層した状態での活性化体積(v)と飽和磁気モーメント(Is)の積で表される活性化磁気モーメント(vIsb)の値が、0.3×10−15emu〜0.8×10−15emu(好ましくは0.4×10−15emu〜0.7×10−15emu)の範囲である。vIsbが0.3×10−15emu未満であると、磁気クラスターサイズが小さくなりすぎ、熱的に不安定になるため、容易に熱減磁が生じ、磁気記録媒体としては好ましくない。また、vIsbが0.8×10−15emuを超える場合、記録再生時におけるノイズが大きくなりすぎ、高密度記録に必要な信号/ノイズ比(S/N)が得られなくなるため、好ましくない。
垂直磁性層(1)、垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)の3層を積層した状態での垂直方向の保磁力(Hc−v)は、2500[Oe]以上とすることが好ましい。保磁力が2500[Oe]未満の磁気記録媒体は、高記録密度には不適であり、また熱揺らぎ耐性が低下する。
垂直磁性層(1)、垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)の3層を積層した状態での垂直方向の保磁力(Hc−v)と面内方向の保磁力(Hc−i)の比で表される垂直磁気異方性(Hc−v)/(Hc−i)が5以上であることが好ましい。Hc−v/Hc−iの値が5未満である場合、磁性層の結晶配向性が悪く、Coの磁化容易軸であるC軸が基板垂直面に対して分散していることになるので、保磁力(Hc−v)、Mr/Ms比、逆磁区核形成磁界(−Hn)の低下を招きやすい。さらに磁化が熱的に不安定であり熱減磁が生じるばかりでなく、記録再生時のノイズも増加してしまうため好ましくない。
垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7の逆磁区核形成磁界(−Hn)は、0〜2000[Oe](より好ましくは0〜1500[Oe])であることが好ましい。逆磁区核形成磁界(−Hn)が0未満の磁気記録媒体は、熱揺らぎ耐性に劣るため好ましくない。
逆磁区核形成磁界(−Hn)は、図2に示すように、VSMなどにより求めたMH曲線において、磁化が飽和した状態から外部磁界を減少させる過程で外部磁界が0となる点a、MH曲線の磁化が0である点bでのMH曲線の接線を延長した線と飽和磁化との交点を点cとすると、Y軸から点cまでの距離[Oe]で表すことができる。なお、逆磁区核形成磁界(−Hn)は、点cが、外部磁界が負である領域にある場合に正の値をとり(図2を参照)、逆に、点cが、外部磁界が正である領域にある場合に負の値をとる(図3を参照)。
なお、本明細書中において、基板に対して主に垂直方向に向いたものとは、例えば、VSMで測定した基板に対して垂直方向の保磁力の値が、基板に対して水平方向のそれより大きいものである。
保護層8は、垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を使用でき、例えばC、SiO、ZrOを含むものが使用可能である。
保護層8の厚さは、1〜10nmの範囲内とするのが、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので高記録密度の点から望ましい。
潤滑剤9には、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いるのが好ましい。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層がCoを主成分とし、少なくとも、Cr、Ptを含んだ材料からなり、基板に対して垂直方向の残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比(Mr/Ms)が0.85以上であり、活性化体積と飽和磁気モーメントの積で表される活性化磁気モーメントが0.3×10−15emu〜0.8×10−15emuであることを特徴とする磁気記録媒体であるから、磁気記録媒体の記録再生時におけるノイズを増加させることなく、記録再生特性の分解能を向上させたり、磁化の熱的な安定性を高めることができる。
次に、上記構成の垂直磁気記録媒体を製造する方法の一例について説明する。
上記構成の垂直磁気記録媒体を製造するには、非磁性基板1上に、軟磁性下地層2、配向制御層3、中間層4、垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7を順次、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などにより形成する。次いで保護層8を、好ましくはプラズマCVD法、イオンビーム法、スパッタ法により形成する。
非磁性基板1としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料からなる金属基板を用いても良いし、ガラス、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いても良い。
ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノケートガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。
非磁性基板1としては、上記金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
非磁性基板は、平均表面粗さRaが2nm(20Å)以下、好ましくは1nm以下であるとことが、ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から望ましい。
また、非磁性基板は、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25[nm]以下)であることが、ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。端面のチャンファー部の面取り部、側面部の少なくとも何れか一方の表面平均粗さRaが10nm以下(より好ましくは9.5nm以下)のものを用いることが、磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。微少うねり(Wa)は、例えば、表面荒粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
必要に応じて、非磁性基板を洗浄して、この非磁性基板を成膜装置のチャンバ内に設置する。必要に応じて、非磁性基板は、例えばヒータより100〜400℃に加熱される。非磁性基板1上に、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、中間層4と、垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6、垂直磁性層(3)7を各層の材料と同じ組成の材料を原料とするスパッタターゲットを用いて、DC或いはRFマグネトロンスパッタ法により形成する。膜を形成するためのスパッタの条件は例えば次のようにする。形成に用いるチャンバ内は真空度が10−4〜10−7Paとなるまで排気する。チャンバ内に基板を収容して、スパッタガスとして、たとえばArガスを導入して放電させてスパッタ成膜をおこなう。このとき、供給するパワーは0.2〜2.0kWとし、放電時間と供給するパワーを調節することによって、所望の膜厚を得ることができる。
軟磁性下地層2を、放電時間と供給するパワーを調節することによって30〜400nmの膜厚で形成するのが好ましい。
軟磁性下地層2を形成する際には、軟磁性材料からなるスパッタターゲットを用いるのが軟磁性下地層を容易に形成できるので好ましい。軟磁性材料としては、FeCo系合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、FeTaC、FeTaNなど)、FeMg系合金(FeMgOなど)、FeZr系合金(FeZrNなど)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNを挙げることができる。さらに、Coを80原子%以上含有し、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo等のうち少なくとも1種を含有し、アモルファス構造を有しているCoZr、CoZrNb、CoZrTa、CoZrCr、CoZrMo系合金を好適なものとして挙げることができる。
上記のターゲットは、溶製法による合金ターゲット、または焼結合金ターゲットである。
軟磁性下地層2を形成後、放電時間と供給するパワーを調節することによって配向制御層3を0.5〜40nm(好ましくは1〜20nm)の膜厚で形成する。配向制御層の形成に用いるスパッタ用ターゲットの材料としてはPdおよびPd合金、PtおよびPt合金、Ru系合金、Ni系合金、Co系合金などを挙げることができる。
配向制御層3を形成した後、20nm以下の膜厚を有した中間層4を、その材料からなるスパッタターゲットを用いて同様にスパッタ法により形成する。材料としては、RuおよびRu系合金、Ni系合金、Co系合金などを挙げることができる。
中間層4を形成した後、3〜40nmの膜厚を有した垂直磁性層(1)5を、磁性層の材料からなるスパッタターゲットを用いて同様にスパッタ法により形成する。スパッタターゲットの材料としては、CoCrPt合金に酸化物粒子を分散したCoCrPt−SiO系材料やCoCrPt−Cr系材料などの他、CoCrPt系合金、CoCrPtNd系合金、CoCrPtBNd系合金、CoCrPtTaNd系合金、CoCrPtCuNd系合金、CoCrPtBCuNd系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtCu系合金のほか、Pd系合金(PdB、Pd−SiO等)の積層材料やTbFeCo等のアモルファス材料とCoCrPtCu系材料などを挙げることができる。
また、Cr、Pt以外の元素として、B、Ta、Cuから選ばれるいずれかの元素の内1種類以上を添加したものを用いることも好ましい。
Coを主成分とし、少なくともCr、Ptを含んだ材料からなり、基板に対して垂直方向の残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比(Mr/Ms)が0.85以上であり、活性化体積と飽和磁気モーメントの積で表される活性化磁気モーメントが0.3×10−15emu〜0.8×10−15emuである垂直磁性層を形成するためのスパッタの条件は例えば次のようにする。
Coを主成分とし、少なくともCrおよびPtを含んだ材料からなるターゲットを使用し、形成に用いるチャンバ内は真空度が10−4〜10−7Paとなるまで排気した状態で、チャンバ内に基板を収容して、スパッタガスとして、例えばArガスを導入して放電させてスパッタ成膜をおこなう。このとき、供給するパワーは0.2〜2.0kWとし、放電時間と供給するパワーを調節することによって、所望の膜厚を得ることができる。
垂直磁性層(1)5を形成する際のスパッタガスの圧力は、5〜20Pa(より好ましくは5〜15Pa)であるのが好ましい。
垂直磁性層(1)5を成膜した後、10nm以下の膜厚を有する垂直磁性層(2)6を、磁性層の材料からなるスパッタターゲットを用いて同様にスパッタ法により形成する。スパッタターゲットの材料としては、CoCr系合金を挙げることができる。この場合のCrの含有量は20原子%以上37原子%以下が適当である。好ましくは25原子%以上30原子%以下である。
また、垂直磁性層(2)6には、Co、Cr以外にもTa、Pt、B、Cuから選ばれる元素を微量添加しても構わない。この場合には、それら元素とCrとの合計含有量が15原子%以上37原子%以下であることが適当である。
垂直磁性層(2)6を成膜した後、10nm以下の膜厚を有する垂直磁性層(3)7を、磁性層の材料からなるスパッタターゲットを用いて同様にスパッタ法により形成する。スパッタターゲットの材料としては、CoCrPtB系合金を挙げることができる。この場合のCrの含有量は18原子%以上28原子%以下、Pt含有量を10原子%以上20原子%以下とするのが適当である。
また、垂直磁性層(3)には、B、Nd、Ta、Cuから選ばれるいずれか1種類以上の元素を含むことができる。この場合には、それら元素とCrの合計含有量が40原子%以下であることが適当である。
垂直磁性層(2)6及び垂直磁性層(3)を形成する際のスパッタガスの圧力は、0.1Pa〜1.5Paであるのが好ましい。
磁性層を形成した後、公知の方法、例えばスパッタ法、プラズマCVD法またはそれらの組み合わせを用いて保護膜、例えばカーボンを主成分とする保護膜を形成する。
さらに、保護膜上には必要に応じてパーフルオロポリエーテルのフッ素系潤滑剤をディップ法、スピンコート法などを用いて塗布し潤滑層を形成する。
本発明に従って製造した垂直磁気記録媒体は、垂直磁性層が、Coを主成分とし、少なくとも、Cr、Ptを含んだ材料からなり、基板に対して垂直方向の残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比(Mr/Ms)が0.85以上であり、活性化体積と飽和磁気モーメントの積で表される活性化磁気モーメントが0.3×10−15emu〜0.8×10−15emuであることを特徴とする垂直磁気記録媒体であるから、垂直磁気記録媒体の記録再生時におけるノイズを増加させることなく、記録再生特性の分解能を向上させたり磁化の熱的な安定性を高めることができる。
また、前述したスパッタターゲットを用いた本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、垂直磁性層(1)5が、Coを主成分とし、少なくともCr、Ptを含んだ材料からなり、基板に対して垂直方向の残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比(Mr/Ms)が0.85以上であり、活性化体積と飽和磁気モーメントの積で表される活性化磁気モーメントが0.3×10−15emu〜0.8×10−15emuであることを特徴とする磁気記録媒体を容易に製造することができる。
図5は、上記垂直磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の例を示すものである。
ここに示す磁気記録再生装置11は、図1に示す構成の垂直磁気記録媒体20と、該垂直磁気記録媒体20を回転駆動させる媒体駆動部21と、垂直磁気記録媒体20に情報を記録再生する磁気ヘッド22(図6参照)と、この磁気ヘッド22を垂直磁気記録媒体20に対して相対運動させるヘッド駆動部23と、記録再生信号処理系24とを備えている。記録再生信号処理系24は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド22に送ったり、磁気ヘッド22からの再生信号を処理してデータを外部に送ることができるようになっている。本発明の磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド22には、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有したより高記録密度に適したヘッドを用いることができる。
上記磁気記録再生装置11によれば、垂直磁性層が、Coを主成分とし、少なくとも、Cr、Ptを含んだ材料からなり、基板に対して垂直方向の残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比(Mr/Ms)が0.85以上であり、活性化体積と飽和磁気モーメントの積で表される活性化磁気モーメントが0.3×10−15emu〜0.8×10−15emuであることを特徴とする垂直磁気記録媒体20を用いているので、磁気記録媒体の記録再生時におけるノイズを増加させることなく、記録再生特性の分解能を向上させたり磁化の熱的な安定性を高めることができ、高記録密度に適した磁気記録再生装置となる。
以上、説明したように、本実施形態の垂直磁気記録媒体によれば、非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属または半導体の酸化物、窒化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上からなる構成としている。
これにより、優れた熱ゆらき耐性を保つとともに、垂直磁性層(1)と垂直磁性層(3)との間の磁気的結合を垂直磁性層(2)によって緩和することができ、高い強磁性を有しながら、媒体ノイズを低減することが可能となる。
従って、記録再生特性が向上し、高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体を得ることができる。
金属酸化物または半導体酸化物を含んだ材料は、垂直磁気記録媒体においては広く用いられている。古くから磁気記録媒体に使われているCoCr系合金にPtを添加することにより、異方性磁界エネルギーが増大し、さらに添加された酸化物相が磁性結晶粒を取り囲む構造をとることで、粒間の交換相互作用を低減しひいては媒体ノイズを低くすることができる。このような材料を垂直磁性層(1)に用いることで、記録層としての基本的性能を確保することができる。また、垂直磁性層(3)に、非グラニュラ膜の中では特に低ノイズであることが知られているCoCrPtB系合金薄膜を使用することにより、不必要な媒体ノイズの増大を抑制することができる。一方垂直磁性層(1)と垂直磁性層(3)との間の交換相互作用を緩和する役割を担う垂直磁性層(2)には、磁性層の結晶構造の連続性をエピタキシャル的に保つことが求められるため、Co系六方稠密結晶構造をとるCo系合金薄膜の中でも特に結晶性の高いCoCr系合金を用い、垂直磁性層全体の結晶構造を損なわないようにしている。
図4は、本発明の垂直磁気記録媒体の第2の実施形態を示すもので、非磁性基板1と軟磁性下地層2との間に、磁気異方性が主に面内方向を向いた硬磁性層10を設けることができる。
硬磁性層10には、CoSm合金や、CoCrPtX2合金(X2:Pt、Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、NおよびBのうち1種または2種以上。)を用いるのが好適である。
硬磁性層10は、保磁力Hcが500[Oe]以上(好ましくは1000[Oe]以上)であることが好ましい。
硬磁性層10の厚さは、150nm以下(好ましくは70nm以下)であることが好ましい。硬磁性層10の厚さが150nmを超えると、配向制御層3の表面平均粗さRaが大きくなるため好ましくない。
硬磁性層10は、軟磁性下地層2と交換結合して、硬磁性層の磁化方向が基板半径方向であるものとするのが好ましい。その結果、軟磁性層2の磁化が交換結合により半径方向に固着されるので、ヘッドによる書き込み磁界と磁化の向きが直交することになり、記録再生時に交換結合状態がより安定する。その結果ノイズの発生を抑えることができるので好ましい。
硬磁性層10を設けることにより、より効果的に軟磁性下地層2での巨大な磁区の形成を抑えることができるので、磁壁によるスパイクノイズの発生を防止して、記録再生時のエラーレートを十分に低くすることができる。
硬磁性層10の配向を制御するために、非磁性基板1と硬磁性層10との間にCr合金材料やB2構造材料を配してもよい。
以上の構成の垂直磁気記録媒体を製造するには、非磁性基板1上に硬磁性層10を形成する工程を含ませ、その後スパッタ法などにより軟磁性下地層2を形成し、その後必要に応じてこの軟磁性下地層2の表面の酸化処理を施し、次いで配向制御層3、中間膜4、垂直磁性層5をスパッタ法などにより形成し、次いで保護層6をCVD法、イオンビーム法、スパッタ法などにより形成する。次いで、ディッピング法、スピンコート法などにより潤滑層7を形成する。
例えば、硬磁性層を形成するには、従来の面内等方媒体を作成する方法を用いることができる。例えば、ガラス基板/NiAl合金層/CrMo合金層/CoCr合金層/CoCrPtB合金層の構成を挙げることができる。次に、保護膜まで形成した磁気記録媒体に半径方向の磁場を印加して硬磁性層に半径方向の磁化を与える。印加する磁場の強さは、硬磁性層が充分に磁気的に飽和する磁界、例えば790000A/m(10000[Oe])以上が好ましい。
以下、実施例を示して本発明の作用効果を明確にする。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
洗浄済みのガラス基板(オハラ社製、外直径2.5インチ)をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した後、このガラス基板上に89Co4Zr7Nb(Co含有量89at%、Zr含有量4at%、Nb含有量7at%)のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で膜厚100nmの軟磁性下地層2をスパッタにより成膜した。
次いで、上記軟磁性下地層上に、Pdターゲットを用いて膜厚6nmの配向制御層3を形成し、Ruターゲットを用いて膜厚20nmの中間層4、CoCrPt−SiOターゲット(Co74原子%、Cr10原子%、Pt16原子%のCoCrPt合金中に8モルのSiOを分散させたもの)を用いて膜厚10nmの垂直磁性層(1)5、CoCrターゲット(Co73原子%、Cr27原子%)を用いて膜厚5nmの垂直磁性層(2)6を順次形成した。なお、上記スパッタ工程においては、成膜用のスパッタガスとしてアルゴンを用い、垂直磁性層(1)は圧力10Pa、他の層は圧力0.6Paにて成膜した。次いで、CVD法により膜厚5nmの保護層6を形成した。次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層7を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
(実施例2)
垂直磁性層(1)5、垂直磁性層(2)6の後に垂直磁性層(3)として、CoCrPtB(Cr21原子%、Pt16原子%、B1原子%)のスパッタターゲットを用いて膜厚5nmの垂直磁性層(3)を成膜した以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(実施例3、4)
垂直磁性層(1)と垂直磁性層(2)の膜厚を変えた意外は実施例2と同様にして、実施例3、4を作製した。
(比較例1)
垂直磁性層(2)を成膜しない以外は実施例1と同様にして比較例1を作製した。
(比較例2)
垂直磁性層(2)を成膜しない以外は実施例2と同様にして比較例2を作製した。
(比較例3、4)
垂直磁性層(2)を成膜しない以外は実施例3、4と同様にして比較例3、4を作製した。
実施例1〜4、比較例1〜4の磁気記録媒体の磁気特性を、振動式磁気特性測定装置(VSM)にて測定した。
記録再生特性を、GUZIK社製リードライトアナライザーRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。電磁変換特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、記録条件を線記録密度500kFCIとして測定を行った。
実施例1〜4、比較例1〜4の諸元、測定結果を表1に示した。
Figure 2006351055
表1より、垂直磁性層(2)の有無により、記録再生特性、特にSNR、OWに明確な差が生じることがわかる。ここでSNRとは、一定の条件で記録再生を行った際に得られる出力と媒体ノイズとの比であり、この数値が大きいほど良好である。一般的に単位dBで表される。一方、OWは一定の周波数で記録された信号の上から異なる周波数の記録を行った後に再生信号を測定した際に、最初の周波数成分の出力と、後の周波数成分の出力との比をdBの単位で示したもので、数値が大きいほど良好である。垂直磁気記録媒体の場合、最初の信号を高周波数、後の信号を低周波数とする方が厳しい条件となることが多く、ここでもそれを使用している。
(実施例5〜8)
垂直磁性層1の成膜にCoCrPtCu−SiOターゲット(Co70原子%、Cr10原子%、Pt16原子%、Cu4原子%のCoCrPt合金中に8モルのSiOを分散させたもの)を用いた以外は実施例1〜4と同様にして作製した試料を実施例5〜8とした。実施例1〜4と同様の評価を行ったところ、結果は表2のようになった。
Figure 2006351055
表2より、垂直磁性層(1)材料に、Cuを添加した場合でも、垂直磁性層(2)挿入の効果は同様に得られることがわかった。
軟磁性層の下に、スパッタターゲットCoW(Co50原始%、W50原子%)、CrMo(Co80原子%、Mo20原子%)およびCoCrPtB(Co64原子%、Cr21原子%、Pt16原子%、B1原子%)を用いて硬磁性層(CoCrPtB/CrMo)を形成した以外は実施例1〜4と同様にして作製した試料を実施例9〜12とした。このとき、硬磁性層の膜厚は基板側から、CoW20nm、CrMo20nm、CoCrPtB30nmとした。
これらの試料に対して、実施例1〜4と同様の評価を行った結果を表3に示した。
Figure 2006351055
表3より、軟磁性層の下に硬磁性層を形成しても、本発明の効果には大きな影響がないことが明らかとなった。
(実施例13〜16)
垂直磁性層2のCr含有量を15原子%、20原子%、37原子%、40原子%と変化させた以外は実施例2と同様に成膜を行って作製した試料を実施例13〜16とした。これら実施例を先述の実施例1、比較例1と同様の評価を行い比較した結果を表4に示した。
Figure 2006351055
表4から、垂直磁性層(2)のCr含有量が20原子%以上、37原子%以下で記録再生特性上効果が認められることがわかった。
(実施例17〜20)
垂直磁性層(1)を成膜する際、スパッタガス圧を変更した以外は実施例2と同様に作製した試料を実施例17〜20とし、実施例1と同様の評価を行った。これら実施例の垂直磁性層(1)成膜時のスパッタガス圧力および評価結果を表5にまとめた。
Figure 2006351055
表5より、垂直磁性層(1)成膜時のスパッタガス圧力は5Pa以上20Pa以下が適当であることが明らかとなった。
(実施例21〜24)
垂直磁性層(2)を成膜する際、スパッタガス圧を変更した以外は実施例2と同様に作製した試料を実施例21〜24とし、実施例1と同様の評価を行った。これら実施例の垂直磁性層(2)成膜時のスパッタガス圧力および評価結果を表6にまとめた。
Figure 2006351055
表6より、垂直磁性層(2)成膜時のスパッタガス圧力は0.1Pa以上1.5Pa以下であることが適当であることが明らかとなった。
(実施例25、26)
垂直磁性層(1)のCr含有量を4原子%、30原子%と変化させた以外は実施例2と同様にして実施例25、26を作製した。これら実施例25、26と実施例2との磁気特性ならびに電磁変換特性を比較し、結果を表7に示した。
Figure 2006351055
表7より、垂直磁性層(1)のCr含有量が4原子%以下、29原子%以上で静磁気特性、電磁変換特性が劣化することがわかった。
(実施例27、28)
垂直磁性層(3)のCr含有量を17原子%、30原子%と変化させた以外は実施例2と同様にして実施例27、28を作製した。これら実施例27、28と実施例2との磁気特性ならびに電磁変換特性を比較し、結果を表8に示した。
Figure 2006351055
表8から、垂直磁性層(1)のCr含有量が17原子%以下、29原子%以上で特に電磁変換特性が劣化することがわかった。
本発明の垂直磁気記録媒体の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の垂直磁気記録媒体の特性を説明する図であり、MH曲線を示すグラフである。 本発明の垂直磁気記録媒体の特性を説明する図であり、MH曲線を示すグラフである。 本発明の垂直磁気記録媒体の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の垂直磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の一例を示す構成図である。 本発明の垂直磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の一例を示す概略図であり、磁気ヘッドを説明する平面図である。
符号の説明
1・・・非磁性基板、2・・・軟磁性下地層、3・・・配向制御層、4・・・中間層、5・・・垂直磁性層(1)、6・・・垂直磁性層(2)、7・・・垂直磁性層(3)、8・・・保護層、9・・・潤滑層、10・・・硬磁性層、11・・・磁気記録再生装置、20・・・垂直磁気記録媒体、21・・・媒体駆動部、22・・・磁気ヘッド、23・・・ヘッド駆動部、24・・・記録再生信号処理系

Claims (16)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属酸化物または半導体酸化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成されることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 垂直磁性層(1)がグラニュラ層であり、垂直磁性層(2)及び垂直磁性層(3)が非グラニュラ層であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 垂直磁性層(2)を構成するCoCr合金中のCr濃度が20原子%以上37原子%以下であることを特徴とする請求項1〜2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 垂直磁性層(1)が、Cr含有量5原子%以上28原子%以下、Pt含有量が10原子%以上20原子%以下である材料からなることを特徴とする請求項1〜3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 垂直磁性層(3)が、Cr含有量5原子%以上28原子%以下、Pt含有量が10原子%以上20原子%以下である材料からなることを特徴とする請求項1〜4に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 垂直磁性層(1)が、B、Ta、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素の合計含有量が8原子%以下である材料からなることを特徴とする請求項1〜5に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 垂直磁性層(2)が、Ta、Pt、B、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素の合計含有量が20原子%以上37原子%以下であることを特徴とする請求項1〜6に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 垂直磁性層(3)が、B、Nd、Ta、Cuから選ばれるいずれか1種類以上を含み、それら元素とCr、Ptとの合計含有量が40原子%以下であることを特徴とする請求項1〜7に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 非磁性基板と配向制御層との間に軟磁性材料からなる軟磁性下地層が設けられたことを特徴とする請求項1〜8に記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 非磁性基板と軟磁性下地層との間に、磁気異方性が主に面内方向を向いた硬磁性層を設けることを特徴とする請求項9に記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 硬磁性層が、CoSm合金または、CoCrPtX(X:Pt、Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、NおよびBのうち1種または2種以上。)を含む材料からなり、500[Oe](39.5kA/m)以上の保磁力を有し、磁化方向が基板半径方向であることを特徴とする請求項10に記載の垂直磁気記録媒体。
  12. 垂直磁性層(1)を成膜する工程のスパッタガス圧力を5〜20Paとすることを特徴とする請求項1〜11に記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)を成膜する工程のスパッタガス圧力を0.1Pa〜1.5Paとすることを特徴とする請求項1〜12に記載の垂直磁気記録媒体。
  14. 垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、垂直磁気記録媒体が請求項1〜13のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  15. 非磁性基板上に、少なくとも、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とが設けられ、垂直磁性層が、Coを主成分とし、基板側から順に、少なくともCr、Ptと金属または半導体の酸化物、窒化物を含んだ材料を主成分とする垂直磁性層(1)とCoCr合金を主成分とする垂直磁性層(2)、CoCrPtB系合金を主成分とする垂直磁性層(3)の少なくとも3層以上から構成される垂直磁気記録媒体の製造方法であって、垂直磁性層(1)を成膜する工程のスパッタガス圧力を5〜20Paとすることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  16. 垂直磁性層(2)、垂直磁性層(3)を成膜する工程のスパッタガス圧を0.1Pa〜1.5Paとすることを特徴とする請求項15に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。

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