JPWO2009014205A1 - 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009014205A1
JPWO2009014205A1 JP2009524519A JP2009524519A JPWO2009014205A1 JP WO2009014205 A1 JPWO2009014205 A1 JP WO2009014205A1 JP 2009524519 A JP2009524519 A JP 2009524519A JP 2009524519 A JP2009524519 A JP 2009524519A JP WO2009014205 A1 JPWO2009014205 A1 JP WO2009014205A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
layer
recording medium
perpendicular magnetic
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009524519A
Other languages
English (en)
Inventor
有三 佐々木
有三 佐々木
篤志 橋本
篤志 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Publication of JPWO2009014205A1 publication Critical patent/JPWO2009014205A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/66Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers

Abstract

非磁性基板上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と下地層と中間層と垂直磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体において、前記垂直磁気記録層は1層以上の磁性層から構成され、そのうちの少なくとも1層が、Coを主成分とする強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成され、かつ、該強磁性結晶粒がRuを含む垂直磁気記録媒体。この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層の結晶粒径の分離、結晶粒径の微細化と、垂直配向性とが両立することで、高密度の情報の記録再生が可能であるという特性を有する。

Description

本発明は、磁気記録媒体、その製造方法、およびこの磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置に関する。
近年、磁気ディスク装置、可撓性ディスク装置、磁気テープ装置などの磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特に、MRヘッドおよびPRML技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド、TuMRヘッドなども導入され1年に約100%という高いペースで増加を続けている。
このように、磁気記録媒体については今後更に高記録密度化を達成することが要求されており、そのために磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(S/N比)、高分解能を達成することが要求されている。これまで広く用いられてきた長手磁気記録方式においては、線記録密度が高まるにつれて、磁化の遷移領域の隣接する記録磁区同士がお互いの磁化を弱めあおうとする自己減磁作用が支配的になるため、それを避けるために磁気記録層をどんどん薄くして形状磁気異方性を高める必要がある。
その一方で、磁気記録層の膜厚を薄くしていくと、磁区を保つためのエネルギー障壁の大きさと熱エネルギーの大きさが同レベルに近づいてきて、記録された磁化量が温度の影響によって緩和される現象(熱揺らぎ現象)が無視できなくなり、これが線記録密度の限界を決めてしまうといわれている。
このような状況において、長手磁気記録方式の線記録密度改良に応える技術として最近ではAFC(Anti Ferromagnetic Coupling)媒体が提案され、長手磁気記録で問題となる熱磁気緩和の問題を回避しようという努力がなされている。
また、今後いっそうの面記録密度を実現するための有力な技術として注目されているのが垂直磁気記録技術である。従来の長手磁気記録方式が、媒体を面内方向へ磁化させるのに対し、垂直磁気記録方式では媒体面に垂直な方向に磁化させることを特徴とする。このことにより、長手磁気記録方式で高線記録密度を達成する妨げとなる自己減磁作用の影響を回避することができ、より高密度記録に適していると考えられている。また一定の磁性層膜厚を保つことができるため、長手磁気記録で問題となっている熱磁気緩和の影響も比較的少ないと考えられている。
垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に下地層、中間層、磁気記録層、保護層の順に成膜して作成されるのが一般的である。また、保護層まで成膜した上で、表面に潤滑層を塗布する場合が多い。また、多くの場合、軟磁性裏打ち層とよばれる磁性膜が下地層の下に設けられる。下地層や中間層は磁気記録層の特性をより高める目的で形成される。具体的には、磁気記録層の結晶配向を整えると同時に磁性結晶の形状を制御する働きをするといわれている。
高密度記録が達成され、かつ、優れた諸特性を有する垂直磁気記録媒体を製造するためには、磁気記録層の結晶構造と結晶粒の分離・粒径の微細化が重要である。垂直磁気記録媒体においては、多くの場合その磁気記録層の結晶構造はhcp構造をとるが、その(002)結晶面が基板面に対して平行であること、換言するならば結晶c軸[002]軸が垂直な方向にできるだけ乱れなく配列していることで、垂直方向への信号強度が増す。また、磁気記録層の結晶粒同士の分離が進み、交換結合を遮断できれば、高密度記録再生時にノイズを低減できる。
磁気記録層の材料としては、従来ではCoCrPtとSiやTiなどの酸化物の合金ターゲットが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
これらの酸化物磁性層では、hcp構造をとるCoCrPt結晶粒を非磁性のSiやTiの酸化物粒界で取り囲むグラニュラ構造となり、結晶配向性と結晶粒の微細化・分離の両立が可能となる。SiやTiの酸化物が粒界材料として選ばれているのは、磁性元素のCoが酸化されると磁性を失うため、Coより酸化物になり易い、言い換えると酸化反応において、Coよりも自由エネルギーの変化量が大きい元素であるためである(例えば、特許文献2参照。)。
つまり、SiやTiの酸化物を用いるとCoが酸化されにくくなり、磁気モーメント量の低減を防ぐことができる。ただし、SiやTiの酸化物がCoCrPt粒内に存在すると磁性結晶の配向性が悪化し、また結晶粒同士の分離が不十分になることでノイズも増えてしまう。
さらなる記録再生特性の向上のため、結晶粒径の分離・結晶粒径の微細化と垂直配向性を両立させ、記録再生特性に優れた垂直磁気記録媒体を得る必要がある。この問題を解決しかつ安易に製造が可能な垂直磁気記録媒体が要望されていた。
特開2004-327006号公報 特開2006-164440号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、垂直磁気記録層の結晶粒径の分離・結晶粒径の微細化と垂直配向性を両立することで、高密度の情報の記録再生が可能な磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の特性を有する磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の特性を有する磁気記録媒体を具えた磁気記録再生装置を提供することにある。
本発明によれば、以下に記載する磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置が提供される。
(1)非磁性基板上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と下地層と中間層と垂直磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体において、前記垂直磁気記録層は1層以上の磁性層から構成され、そのうちの少なくとも1層が、Coを主成分とする強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成され、かつ、該強磁性結晶粒がRuを含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(2)前記強磁性結晶粒に含まれるRuの量が、1 at% 〜15 at% である上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体。
(3)前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層に含まれる酸化物が、Si、Ti、Ta、Cr、Al、W、Nb、Ruから選ばれる元素の酸化物の少なくとも1種である上記(1)または(2)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体。
(4)前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層に含まれる酸化物の総量が、2モル%〜20モル%である上記(1)〜(3)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体。
(5)前記強磁性結晶の平均粒径が、3nm〜12nmである上記(1)〜(4)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体。
(6)前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層の膜厚が1nm〜20nmであり、そして、前記垂直磁気記録層が、複数の磁性層から構成される場合は、該垂直磁気記録層の総膜厚が2nm〜40nmである上記(1)〜(5)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体。
(7)軟磁性裏打ち層が、軟磁性の非結晶質構造または微結晶構造である上記(1)〜(6)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体。
(8)少なくともCoを含む強磁性材料と酸化物材料とからなるターゲット材料であって、該強磁性材料と該酸化物材料の少なくとも一方がRuを含むターゲット材料を用いて、スパッタすることにより垂直磁気記録層を形成する工程を含むことを特徴とする、上記(1)〜(7)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(9)垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、垂直磁気記録媒体が、上記(1)〜(7)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明によれば、垂直磁性層の結晶構造、特にhcp構造の結晶c軸が基板面に対して極めて角度分散の小さい状態で配向し、かつ、垂直磁性層を構成する強磁性結晶粒の平均粒径が極めて微細な高記録密度特性に優れた垂直磁気記録媒体を供することができる。
本発明の垂直磁気記録媒体の断面構造を示す図である。 本発明の垂直磁気記録再生装置の構造を示す図である。
1 非磁性基板、
2 軟磁性裏打ち層、
3 下地層、
4 中間層、
5 垂直磁気記録層、
6 保護層、
10 磁気記録媒体、
11 媒体駆動部、
12 磁気ヘッド、
13 ヘッド駆動部、
14 記録再生信号系
以下、添付図面を参照して、本発明の内容を具体的に説明する。
本発明の垂直磁気記録媒体(「磁気記録媒体」と略すこともある)10は、図1に示すように、非磁性基板1上に少なくとも軟磁性裏打ち層2、その直上の膜の配向性を制御する配向制御層を構成する下地層3および中間層4、磁化容易軸(結晶c軸)が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁気記録層(「磁気記録層」と略すこともある)5、および、所望により保護層6を有する垂直磁気記録媒体である。
磁気記録層5は、1層以上の磁性層から構成され、その少なくとも1層は、強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界とから構成されるグラニュラ構造をとる。
本発明の磁気記録媒体に使用される非磁性基板は、非磁性基板であれば格別限定されることはなく、任意のものを用いることができる。その具体例としては、Al−Mg合金などのAlを主成分とするAl合金基板、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、アモルファスガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、サファイア、石英、各種樹脂からなる基板などが挙げられる。中でも、Al合金基板、結晶化ガラス、アモルファスガラスなどのガラス製基板を用いられることが多い。ガラス基板の場合、ミラーポリッシュ基板やRa<1(Å)のような低Ra基板などが好ましい。軽度であれば、基板にテクスチャが入っていても構わない。
磁気ディスクの製造工程においては、まず、基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗浄、乾燥を行うことが望ましい。洗浄には、水洗浄だけでなく、エッチング(逆スパッタ)による洗浄も含まれる。また、基板サイズも特に限定されない。
次に、磁気記録媒体の各層について説明する。
軟磁性裏打ち層(裏打ち層と略すこともある)は多くの垂直磁気記録媒体に設けられている。軟磁性裏打ち層は、磁気記録媒体に信号を記録する際、ヘッドからの記録磁界を導き、磁気記録層に対して記録磁界の垂直成分を効率よく印加する働きをする。軟磁性裏打ち層形成材料としては、FeCo系合金、CoZrNb系合金、CoTaZr系合金などいわゆる軟磁気特性を有する材料ならば使用することができる。
軟磁性裏打ち層は、表面粗さ:Raを低減することにより、ヘッドの浮上量を低減させることができ、さらなる高記録密度化へとつながる。この観点から、軟磁性裏打ち層材料としては非晶質もしくは微結晶構造であることが好ましい。特に二つの軟磁性層間にRuなどの極薄い非磁性薄膜をはさみ、軟磁性層間にAFCを持たせた裏打ち層も多く用いられるようになっており、本発明でも使用することができる。
軟磁性裏打ち層の総膜厚は20(nm)〜120(nm)程度であるが、記録再生特性とOW特性とのバランスにより適宜決定される。
本発明では、軟磁性裏打ち層の上に、磁気記録層の配向性を制御する配向制御層を設ける。配向制御層は複数層から構成され、基板側から下地層、中間層と呼ぶ。下地層の材料としては、Taや、(111)面配向するfcc構造を有する金属または合金、例えばNi、Ni-Nb、Ni-Ta、Ni-V、Ni-W、Ptなどが用いられる。
軟磁性裏打ち層が微結晶または非晶質構造をとる場合でも、材料や成膜条件によってRaが大きくなることがあるため、裏打ち層と配向制御層の間に非磁性の非晶質層を成膜することでRaを下げ、磁気記録層の結晶配向性を向上させることができる。
下地層上の中間層の材料は、磁気記録層と同様にhcp構造をとる、RuやRe、またはそれらの合金が一般的である。中間層の働きは、磁気記録層の配向を制御することにあるので、hcp構造をとらなくても磁気記録層の配向を制御できる材料であれば、用いることができる。
本発明における垂直磁気記録層がグラニュラ構造をとるため、中間層は成膜ガス圧を高くして表面の凹凸をつけることが好ましい。ただし、ガス圧を上げることで中間層の結晶配向性が悪化し、また表面粗さが大きくなりすぎる恐れがある。配向性と表面凹凸の両立のため、ガス圧の最適化または、中間層を2層化し低ガス圧成膜層と高ガス圧成膜層に分けて成膜することが行われる。
磁気記録層は文字通り、実際に信号の記録がなされる層である。
本発明における磁気記録層は、1層以上の磁性層からなり、その少なくとも1層が、Coを主成分とし、Ruを含む合金の強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成されるグラニュラ構造をとるものである。
強磁性結晶粒の具体例としては、CoCrPtRu、CoCrRu,CoCrPtRuB,CoPtRu、CoPtRuB,CoCrRuBなどが挙げられる。
酸化物としては、好ましくは、Si、Ti、Ta、Cr、Al、W、Nb、Ruの中から選ばれる元素の酸化物の少なくとも1種を用いる。Coを主成分とし、Ruを含む合金の強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される上記磁性層に含まれるこれらの酸化物の総量は2モル%〜20モル%であることが好ましい。
本発明では、1層以上の磁性層のうち少なくとも一層が、Coを主成分とする強磁性結晶粒中にRuを含むことを特徴とする。強磁性結晶粒中に存在するRuのは1〜15at%が好ましい。
この磁性層の膜厚は1nm〜20nmであることが好ましい。強磁性結晶の平均粒径は3nm〜12nmであることが好ましい。平均粒径は平面TEM画像から測定することができる。
本発明において、磁性層(磁気記録層)は一層でも可能であるが、さらに、上記のような第1の磁性層(磁気記録層)の上または下に第2の磁性層(磁気記録層)を形成し、磁気記録層を複数とすることができる。第2の磁気記録層の強磁性材料および酸化物は前記した第1の材料の中で種類を変えて用いることが可能である。ただし、第2の磁気記録層には、Ruは含まれていても含まれていなくてもよい。
磁気記録層が複数の磁性層から構成される場合、その総膜厚は2nm〜40nmであることが好ましい。
本発明の垂直磁気記録媒体は、各層を形成するための材料をターゲットとし、それぞれスパッタにより製造することができる。
磁気記録層用ターゲットの強磁性合金材料としては、Coを必須成分とし、好ましくはさらにCrを含むものが用いられる。強磁性合金材料としては、例えば、CoCr、CoCrPt、CoCrPtRu、CoCrPtB、CoCrPtRuB、CoCrPtB−X、CoCrPtRuB−X、CoCrPtB−X−Y、CoCrPtRuB−X−YなどのCo系合金が使用される。X、Yは前記の酸化物である。
特に、前記磁気記録層用ターゲットの酸化物材料として、RuO2を用いる場合は、強磁性合金材料にRuを含んでいなくても、スパッタ条件によっては使用できる場合がある。この際、Ruよりも酸素親和性の高い元素をCo基強磁性結晶粒への添加元素として選択することが重要である。このようなCo基強磁性結晶粒への添加元素としては、Crのみならず、B、Ti、Ta、Cuなどを用いることができる。
一般に、スパッタ粒子のエネルギーは、酸化物の結合エネルギーよりも大きい。そのため、金属酸化物を含む合金ターゲットがスパッタされる際には、酸化物が酸素原子と金属原子とに分離して飛散し、それらの粒子が基板にたどり着いた後に、再び金属原子が酸化して酸化物を形成する、と考えられる。
一般に、酸化物が形成される際には、酸素親和性の大きな元素から酸化される。酸素親和性とは、ある元素と酸素とが結合した際の結合エネルギーであり、この値が大きければ大きいほど酸化物が安定、すなわち酸化されやすい元素である。
前記の現象を鑑みると、Ru酸化物を含むターゲットをスパッタすると、Ruよりも酸素親和性の高い元素から先に酸化物を形成できる場合があると考えられる。例えば、Coを主成分とする強磁性合金への添加元素として一般的に用いられるCrは、Ruよりも酸素親和性が高いため、Cr酸化物として粒界へ析出し、Ruは金属として強磁性合金に固溶できる場合がある。この現象は、X線光電子分光法(XPS)および特性X線分光法(EDS)を用いて各元素の化学結合状態および偏析状態を分析することにより確認できる。
これらの現象が起こることにより、金属Ruを含むターゲットをスパッタした場合のみならず、Ru酸化物を含むCo合金ターゲットをスパッタした場合にも、強磁性結晶粒中に金属Ruが含まれることとなる。したがって、このような成膜条件の場合は、スパッタするターゲットの材料中のRuは、合金、酸化物の少なくとも一方に存在していればよい。
グラニュラ構造をとる磁気記録層において、酸化物種の違いにより磁性結晶粒を取り囲む粒界の幅や磁性結晶の粒径が変わってくるため、記録再生特性に差が現われる。また、磁性結晶粒からの偏析が進みにくい酸化物種では、磁性結晶粒内に酸化物が残ることで結晶配向性が悪化し特性を下げることになる。
垂直磁気記録媒体において、磁気記録層の結晶c軸[002]軸が基板に対して垂直な方向に、できるだけ乱れなく配列しているか否かを評価する方法としてロッキングカーブの半値幅を用いることができる。すなわち、先ず、基板上に成膜した膜をX線回折装置にかけ、基板面に対して平行な結晶面を分析する。X線の入射角を走査することで、結晶面に対応する回折ピークが観測される。Co系合金を用いた垂直磁気記録媒体の場合、hcp構造のc軸[002]方向が基板面に垂直になるような配向をするので、(002)面に対応するピークを観測することになる。次にこの(002)面を回折するブラッグ角を維持したまま光学系を基板面に対してスイングさせる。このときに光学系を傾けた角度に対して(002)面の回折強度をプロットすると、スイング角0°を中心とした回折強度曲線を描くことができる。これをロッキングカーブと呼ぶ。このとき(002)面が基板面に対して極めてよく平行にそろっている場合は鋭い形状のロッキングカーブが得られるが、逆に(002)面の向きが広く分散しているとブロードなカーブが得られる。そこで、ロッキングカーブの半値幅△(デルタ)θ50を垂直磁気記録媒体の結晶配向の良否の指標として用いることが多い。
本発明によれば、グラニュラ構造をとる磁気記録層の少なくとも1層に、Ruを含む磁気記録層、従来のRuを含まない媒体に対して、磁性結晶粒径が小さく、かつ磁気記録層のデルタθ50の値が小さい垂直磁気記録媒体を作製することができる。グラニュラ構造をとる磁気記録層において、粒径や結晶配向の違いにより、磁性結晶粒に偏析している酸化物粒界の幅が変わってくるため、記録再生特性に差が現われる。
以上の各層の成膜には通常DCマグネトロンスパッタリング法またはRFスパッタリング法が用いられる。RFバイアス、DCバイアス、パルスDC、パルスDCバイアス、O2ガス、H2Oガス導入、N2ガスを用いることも可能である。そのときのスパッタリングガス圧力は各層ごとに特性が最適になるように適宜決定されるが、一般に0.1〜30(Pa)程度の範囲にコントロールされる。適正なガス圧は、媒体の性能を見ながら調整される。
保護層はヘッドと媒体との接触によるダメージから媒体を保護するためのものであり、カーボン膜、SiO2膜などが用いられるが、多くの場合はカーボン膜が用いられる。膜の形成にはスパッタリング法、プラズマCVD法などが用いられるが、近年ではプラズマCVD法が用いられることが多い。マグネトロンプラズマCVD法も可能である。膜厚は、1(nm)〜10(nm)程度であり、好ましくは2(nm)〜6(nm)程度、さらに好ましくは2(nm)〜4(nm)である。
図2は、上記垂直磁気記録媒体を用いた垂直磁気記録再生装置の一例を示すものである。図2に示す磁気記録再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体10と、磁気記録媒体10を回転駆動させる媒体駆動部11と、磁気記録媒体10に情報を記録再生する磁気ヘッド12と、この磁気ヘッド12を磁気記録媒体10に対して相対運動させるヘッド駆動部13と、記録再生信号処理系14とを備えて構成されている。
記録再生信号処理系14は、外部から入力されたデ−タを処理して記録信号を磁気ヘッド12に送り、磁気ヘッド12からの再生信号を処理してデ−タを外部に送ることができるようになっている。
本発明の磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッド12には、再生素子として異方性磁気抵抗効果(AMR)を利用したMR(Magneto Resistance)素子だけでなく、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子、トンネル効果を利用したTuMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
(実施例1、比較例1)
HD用ガラス基板をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10-5(Pa)以下に真空排気した。
次に、この基板上にスパッタリング法を用いて軟磁性裏打ち層CoNBZrを50(nm)、下地層としてfcc構造をとるNiFeを5(nm)、ガス圧0.6(Pa)のAr雰囲気中でそれぞれ成膜した。中間層としては、RuをArガス圧0.6(Pa)で10(nm)で成膜後、ガス圧を上げて10(Pa)にしてさらに10(nm)で成膜した。
実施例の磁気記録層の膜組成は、下記のとおりとした。
実施例1−1:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(SiO2
実施例1−2:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(Cr23
実施例1−3:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(RuO2
実施例1−4:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(TiO2
実施例1−5:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(WO3
実施例1−6:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(WO2
実施例1−7:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(Al23
実施例1−8:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(Ta25
実施例1−9:90(Co12Cr18Pt3Ru)-3(SiO2)−7(TiO2
実施例1−10:90(Co12Cr18Pt3Ru)-2(SiO2)−8(RuO2)実施例1−11:90(Co12Cr18Pt3Ru)-6(TiO2)−4(Ta25
膜厚は10(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
比較例の磁気記録層の膜組成は、下記のとおりとした。
比較例1−1:90(Co12Cr18Pt)-10(SiO2
比較例1−2:90(Co12Cr18Pt)-10(TiO2
比較例1−3:90(Co12Cr18Pt)-3(SiO2)-7(TiO2
膜厚10(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
上記の実施例1−1における膜組成「90(Co12Cr18Pt3Ru)―10(SiO2)」において、90−10は、強磁性結晶粒と酸化物のモル%を表し、12、18、3は、Crが12モル%、Ptが18モル%、Ruが3モル%、残りがCoであることを意味する。その他の組成も同様である。
次いで、実施例、比較例ともに、磁気記録層の上に、保護層としてC膜を成膜して垂直磁気記録媒体とした。
得られた垂直磁気記録媒体(実施例1−1〜1−11と比較例1−1〜1−3)について、潤滑剤を塗布し、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632およびスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性(信号雑音比:SNR)の評価を行った。さらに、Kerr測定装置により静磁気特性(保磁力:Hc)の評価を行った。また、磁気記録層のCo基磁性結晶粒の結晶配向性を調べるため、X線回折装置により記録層のc軸配向分散(△θ50)の測定を行った。最後に、磁気記録層の平面TEM画像から、磁気記録層の平均結晶粒径を求めた。いずれのパラメータも垂直磁気記録媒体の性能を評価する際に広く用いられる指標である。評価結果をを表1に示す。
Figure 2009014205
表1の実施例1−1〜1−11に示すように、強磁性結晶粒中にRuを含有させることにより、Ruを用いない比較例1−1〜3に比較して磁性結晶粒の微細化および結晶配向性の向上が実現している。このため、Ruを用いない媒体よりも優れた静磁気特性、電磁気変換特性が得られている。これは、強磁性結晶粒中にRuを含有した媒体の酸化物偏析度合いが、Ruを用いない媒体に比較して高いためと推察される。また、実施例1−9〜1−11より、強磁性結晶粒中にRuを含む磁性層は、2種類以上の酸化物を含んでいても構わないことがわかる。
( 実施例2、比較例2)
実施例1とは異なり、ガラス基板として非磁性アモルファス材料のCr50Tiを用い膜圧20(nm)、ガス圧0.8(Pa)でスパッタリング法により成膜した。下地層と中間層は、実施例1と同様に、それぞれNiFe、Ruから成膜した。それらの上に磁気記録層を成膜した。
磁気記録層の膜組成は、下記のとおりとした。
実施例2−1:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(SiO2
実施例2−2:90(Co12Cr18Pt3Ru)-10(WO3
比較例2−1:90(Co12Cr18Pt)-10(SiO2
比較例2−2:90(Co12Cr18Pt)-10(WO3
磁気記録層の上に保護層としてC膜を成膜した。
得られた磁気記録媒体について、磁気記録層の飽和磁化(Ms)と垂直磁気異方性(Ku)をそれぞれ、VSM(振動試料型磁力計)とトルク測定により評価した。軟磁性裏打ち層の代わりに、非磁性のCr50Tiを成膜したのは、軟磁性裏打ち層の磁化の影響を除去するためである。評価結果を表2に示す。
Figure 2009014205
表2に示すように、強磁性結晶粒中にRuを含む媒体(実施例)の飽和磁化は、Ruを含まない媒体(比較例)の飽和磁化より数%低い程度である。これに対し、垂直磁気異方性については、実施例1の高い結晶配向性や高保磁力の結果から予想されたように、強磁性結晶粒中にRuを含有させることにより、高い値を示している。これは、六方最密構造を有するCo基磁性結晶粒に同じ六方最密構造であるRuを含有させることにより、Co基磁性結晶粒の結晶磁気異方性を高く維持できたためと推察される。
(実施例3、比較例3)
実施例1と同様に、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、下地層、中間層、磁気記録層をそれぞれ成膜した。実施例において、磁気記録層の膜組成は、下記のとおりとした。
実施例3−1:90(Co12Cr18Pt1Ru)-10(SiO2
実施例3−2:90(Co12Cr18Pt5Ru)-10(SiO2
実施例3−3:90(Co12Cr18Pt10Ru)-10(SiO2
実施例3−4:90(Co12Cr18Pt15Ru)-10(SiO2
膜厚は12(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。比較例では、磁気記録層の膜組成は下記のとおりとした。
比較例3−1:90(Co12Cr18Pt)-10(SiO2
膜厚10(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
次いで、実施例、比較例ともに磁気記録層の上に保護層としてC膜を成膜して垂直磁気記録媒体とした。これらの媒体について信号雑音比:SNR、保磁力:Hc、Co基磁性結晶粒のc軸配向分散△θ50、Co基磁性結晶粒の平均粒径を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2009014205
表3に示すように、磁性結晶粒中のRu量が1〜15at%である実施例では、Ruを含有しない比較例3−1に比較して、微細な磁性結晶粒と高い結晶配向性を有しており、記録再生特性と静磁気特性も高い値を示している。この結果より、強磁性結晶粒中のRu含有量の範囲は1〜15at.%が好ましいことがわかる。
(実施例4、比較例4)
実施例1と同様に、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、下地層、中間層、磁気記録層をそれぞれスパッタリング法により成膜した。磁気記録層の膜組成は、下記のとおりであった。実施例4−1:98(Co12Cr18Pt3Ru)-2(SiO2
実施例4−2:96(Co12Cr18Pt3Ru)-4(SiO2
実施例4−3:92(Co12Cr18Pt3Ru)-8(SiO2
実施例4−4:88(Co12Cr18Pt3Ru)-12(SiO2
実施例4−5:84(Co12Cr18Pt3Ru)-16(SiO2
実施例4−6:80(Co12Cr18Pt3Ru)-20(SiO2
膜厚は12(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
比較例4−1の磁気記録層の膜組成はCo12Cr18Pt3Ruとした。膜厚は10(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
次いで、実施例、比較例ともに磁気記録層の上に保護層としてC膜を成膜して垂直磁気記録媒体とした。これらの媒体について信号雑音比:SNR、保磁力:Hc、Co基磁性結晶粒のc軸配向分散△θ50、Co基磁性結晶粒の平均粒径を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2009014205
表4に示すように、磁気記録層中の酸化物量が2〜20モル%の範囲では、微細な磁性結晶粒および高い結晶配向性を実現しており、静磁気特性と記録再生特性も高い値を示している。酸化物が無い比較例4−1では、粒径が大きいため配向分散は実施例以上に良好な値を示す。しかし磁性結晶粒間の交換結合が強いため、静磁気特性が劣化かつノイズが増大し、記録再生特性が5dB以上低下する。
(実施例5、比較例5)
実施例1と同様に、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、下地層、中間層、磁気記録層をそれぞれスパッタリング法により成膜した。実施例の磁気記録層は第一記録層、第二記録層の二層構成とした。各記録層の膜組成としては、下記3種のものを表5に示すように組み合わせて用いた。
90(Co12Cr18Pt3Ru)-6(SiO2)-4(RuO2
90(Co10Cr20Pt)-10(SiO2
90(Co10Cr20Pt)-10(TiO2
膜厚は12(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
比較例の磁気記録層は単層で、下記膜組成とした。
比較例5−1:90(Co10Cr20Pt)-10(SiO2
比較例5−2:90(Co10Cr20Pt)-10(TiO2
膜厚は10(nm)、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
次いで、実施例、比較例ともに磁気記録層の上に保護層としてC膜を成膜して垂直磁気記録媒体とした。これらの媒体について信号雑音比:SNR、保磁力:Hc、Co基磁性結晶粒のc軸配向分散△θ50、Co基磁性結晶粒の平均粒径を求めた。その結果を表5に示す。
Figure 2009014205
表5に示すように、第一または第二記録層のうち少なくとも一層に、磁性結晶粒中にRuを含む磁気記録層を用いることにより、磁性結晶粒の微細化と高い配向性を維持できる。それにより優れた静磁気特性と電磁気特性が得られる。
(実施例6、比較例6)
実施例1と同様に、ガラス基板に軟磁性裏打ち層、下地層、中間層、磁気記録層をそれぞれスパッタリング法により成膜した。実施例の磁気記録層の作製に用いたターゲットの組成は、下記のとおりとした。
実施例6−1:90(Co12Cr18Pt)-10(RuO2
実施例6−2:90(Co12Cr18Pt)-7(TiO2)-3(RuO2
実施例6−3:92(Co12Cr18Pt4Ti)-4(SiO2)-4(RuO2
膜厚は12(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
比較例の磁気記録層の作製には、下記組成のターゲットを用いた。
比較例6−1:90(Co12Cr18Pt)-10(SiO2
比較例6−2:90(Co12Cr18Pt4Ti)-6(SiO2)-4(Cr23
膜厚10(nm)で、ガス圧2(Pa)のAr雰囲気中でスパッタリング法により成膜した。
実施例、比較例の磁気記録層の膜組成を表6に示す。
次いで実施例、比較例ともに磁気記録層の上に保護層としてC膜を成膜して垂直磁気記録媒体とした。これらの媒体について信号雑音比:SNR、保磁力:Hc、Co基磁性結晶粒のc軸配向分散△θ50、Co基磁性結晶粒の平均粒径を求めた。その結果を表6に示す。
Figure 2009014205
表6に示すように、金属Ruを含んでいない強磁性結晶形成用ターゲットを用いた場合でも、ターゲットにRu酸化物が含まれていれば、スパッタされた膜では強磁性結晶粒中に金属Ruが含まれることがわかる。この結果、ターゲットにRu酸化物を含んでいない場合と比較して磁性結晶粒径が低減し記録再生特性が向上する。これは、スパッタの過程でRu酸化物に含まれる酸素が乖離し、酸素親和性の高いCrやTiと結合することにより、金属Ruが磁性結晶粒に取り込まれるためと推察される。
本発明の垂直磁気記録媒体は垂直磁性層の結晶構造、特にhcp構造の結晶c軸が基板面に対して極めて角度分散の小さい状態で配向し、かつ、垂直磁性層を構成する強磁性結晶粒の平均粒径が極めて微細であって、優れた高記録密度特性を示す。
上記特性を活かして、本発明の垂直磁気記録媒体は、磁気ディスク装置などの磁気記録再生装置などに利用できる。
本発明の垂直磁気記録媒体は、今後のさらなる記録密度の向上が期待される、ECC媒体や、ディスクリートトラックメデイア、パターンメディアのような新しい垂直磁気記録媒体においても適用可能である。

Claims (9)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と下地層と中間層と垂直磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体において、前記垂直磁気記録層は1層以上の磁性層から構成され、そのうちの少なくとも1層が、Coを主成分とする強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成され、かつ、該強磁性結晶粒がRuを含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記強磁性結晶粒に含まれるRuの量が、1 at% 〜15 at% である請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層に含まれる酸化物が、Si、Ti、Ta、Cr、Al、W、Nb、Ruから選ばれる元素の酸化物の少なくとも1種である請求項1または2のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層に含まれる酸化物の総量が、2モル%〜20モル%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記強磁性結晶の平均粒径が、3nm〜12nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記強磁性結晶粒と、酸化物の結晶粒界とから構成される前記磁性層の膜厚が1nm〜20nmであり、そして、前記垂直磁気記録層が、複数の磁性層から構成される場合は、該垂直磁気記録層の総膜厚が2nm〜40nmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 軟磁性裏打ち層が、軟磁性の非結晶質構造または微結晶構造である請求項1〜6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 少なくともCoを含む強磁性材料と酸化物材料とからなるターゲット材料であって、該強磁性材料と該酸化物材料の少なくとも一方がRuを含むターゲット材料を用いて、スパッタすることにより垂直磁気記録層を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  9. 垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、該垂直磁気記録媒体が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
JP2009524519A 2007-07-26 2008-07-25 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 Pending JPWO2009014205A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007194038 2007-07-26
JP2007194038 2007-07-26
PCT/JP2008/063374 WO2009014205A1 (ja) 2007-07-26 2008-07-25 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2009014205A1 true JPWO2009014205A1 (ja) 2010-10-07

Family

ID=40281452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009524519A Pending JPWO2009014205A1 (ja) 2007-07-26 2008-07-25 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20100209741A1 (ja)
JP (1) JPWO2009014205A1 (ja)
CN (1) CN101828222A (ja)
TW (1) TW200929186A (ja)
WO (1) WO2009014205A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5593048B2 (ja) * 2009-09-30 2014-09-17 ダブリュディ・メディア・シンガポール・プライベートリミテッド 垂直磁気記録媒体
US8580409B2 (en) * 2009-11-09 2013-11-12 HGST Netherlands B.V. Perpendicular magnetic recording media having a dual onset layer
JP2011216141A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Wd Media Singapore Pte Ltd 垂直磁気ディスクの製造方法
JP5638281B2 (ja) * 2010-04-30 2014-12-10 ダブリュディ・メディア・シンガポール・プライベートリミテッド 垂直磁気ディスク
JP5634749B2 (ja) * 2010-05-21 2014-12-03 ダブリュディ・メディア・シンガポール・プライベートリミテッド 垂直磁気ディスク
US20130206593A1 (en) * 2010-12-17 2013-08-15 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Ferromagnetic material sputtering target
JP5394577B2 (ja) * 2010-12-22 2014-01-22 Jx日鉱日石金属株式会社 強磁性材スパッタリングターゲット
JP2015088197A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 昭和電工株式会社 磁気記録媒体および磁気記憶装置
JP6635215B1 (ja) * 2019-08-16 2020-01-22 ソニー株式会社 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体カートリッジ
CN112509805B (zh) * 2020-10-19 2022-05-27 山东麦格智芯机电科技有限公司 一种优化钴基磁性薄膜电感材料磁性能的方法
US20230078748A1 (en) * 2021-09-10 2023-03-16 Western Digital Technologies, Inc. Magnetic recording media with metal-doped capping layer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004310910A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Showa Denko Kk 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2005251375A (ja) * 2004-02-05 2005-09-15 Fuji Electric Holdings Co Ltd 垂直磁気記録媒体、および、その製造方法
JP2006031849A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Toshiba Corp 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体および磁気ディスク装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090874A1 (en) * 2003-04-07 2004-10-21 Showa Denko K. K. Magnetic recording medium, method for producing thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus.

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004310910A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Showa Denko Kk 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2005251375A (ja) * 2004-02-05 2005-09-15 Fuji Electric Holdings Co Ltd 垂直磁気記録媒体、および、その製造方法
JP2006031849A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Toshiba Corp 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体および磁気ディスク装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20100209741A1 (en) 2010-08-19
CN101828222A (zh) 2010-09-08
WO2009014205A1 (ja) 2009-01-29
TW200929186A (en) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5061307B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP5260510B2 (ja) 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5645443B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP5103097B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録再生装置
US8771849B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus using the same
WO2009119709A1 (ja) 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法
JPWO2009014205A1 (ja) 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP5105333B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP5088629B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP5250838B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体、並びに磁気記録再生装置
JP2011248969A (ja) 垂直磁気ディスク
JP2006155861A (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録再生装置
JP2009059431A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP5105332B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2006155865A (ja) 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録再生装置
JP2009032356A (ja) 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2006120231A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2008192249A (ja) 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2001344740A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
JP4611847B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2008276859A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP5019955B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP3588039B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2010027110A (ja) 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP4782047B2 (ja) 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131119