JP2001344740A - 磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記憶装置

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JP2001344740A
JP2001344740A JP2000161122A JP2000161122A JP2001344740A JP 2001344740 A JP2001344740 A JP 2001344740A JP 2000161122 A JP2000161122 A JP 2000161122A JP 2000161122 A JP2000161122 A JP 2000161122A JP 2001344740 A JP2001344740 A JP 2001344740A
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一郎 玉井
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究 棚橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1平方インチあたり10ギガビット以上の超高
密度記録が可能な大容量の磁気記憶装置を提供する。 【解決手段】本発明の磁気記録媒体は,基板上にCr,
あるいはCr合金からなる下地膜を介して,Co合金磁
性膜を形成した磁気記録媒体において,該基板と下地膜
の間に少なくともTiを35at.%以上65at.%
以下,Alを35at.%以上65at.%以下含有す
るシード層を設け、該磁性膜の(11.0)面を基板と
平行に成長させる。 【効果】本発明によれば、高保磁力,低ノイズで,しか
も熱揺らぎの影響が小さな媒体を実現できる。この磁気
記録媒体と磁気抵抗効果を利用した再生専用の素子を有
する磁気ヘッドとを組み合わせることによって,1平方
インチあたり10ギガビット以上の記録密度を有する磁
気記憶装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,磁気ドラム,磁気
テープ,磁気ディスク,磁気カード等の磁気記録媒体及
び磁気記憶装置に係り,特に1平方インチあたり10ギ
ガビット以上の超高密度記録に適した面内磁気記録媒
体,及びその磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年,ノートパソコンに搭載することを
目的としたハードディスクドライブの需要が伸びてい
る。ノートパソコンは持ち運びが可能であることが大前
提であるため,ハ−ドディスクには耐衝撃性に優れてい
ることが要求される。また,ディスクアレイシステムに
搭載するハードディスクドライブに関して,データの高
速転送を目的として,磁気記録媒体を今まで以上に高速
回転させる必要が生じてきた。いずれの用途の媒体も,
高い剛性を有する基板,すなわち,ガラス等のセラミッ
クス基板を用いることが必須となってきている。ガラス
基板を用いる上で最も重要なことは,基板の直上に設け
るシード層の開発である。一般に,面内記録媒体で高密
度記録化を実現するめには,磁化容易軸を膜面内に配向
させることが有効とされている。通常,磁性膜は多結晶
からなる材料で構成され,その結晶構造は六方稠密
(h.c.p.)構造である。磁化容易軸を面内に配向
させる,すなわち,h.c.p.構造のc軸を面内に配
向させるためには,磁性膜を形成する前に体心立方
(b.c.c.)構造を有する下地膜を形成する手段が
用いられている。b.c.c.構造を有する下地膜を
(100),あるいは,(211)配向させ,エピタキシャ
ル成長技術を利用して下地膜上に磁性膜を形成すると,
磁性膜はそれぞれ(11.0),あるいは(10.0)配向
し,磁化容易軸が膜面内方向となる。
【0003】これまで広く用いられてきた,Ni−Pメ
ッキを施したAl合金基板では,基板加熱して成膜を行
うだけで,b.c.c.構造を有するCr下地膜が(1
00)配向し,磁性膜の磁化容易軸を膜面内に配向させ
ることが極めて容易である。一方,ガラス基板では,下
地膜を直接基板上に形成しただけでは(110)配向成分
が多く,配向性を制御することは難しい。そのため,ガ
ラス基板においては下地膜を(100),あるいは(21
1)配向させるために,ガラス基板上にさらにシード層
を設けることが提案されている。シード層の材料とし
て,例えば,CoCrZrを用いた報告がある(IEE
E Trans.Magn. 35、pp.2640−
2642、 September 1999)。この報
告によると,CoCrZr上に設けたCrTi下地膜は
(100)配向し,さらに下地膜上の磁性膜は(11.0)
配向する。また,B2構造を有するシード層NiAlを
用いると,磁性膜は(10.0)配向することも報告され
ている(IEEE Trans.Magn.30、p
p.3951−3953、November199
4))。磁性膜の結晶成長の方位は異なるが,いずれも
磁化容易軸を膜面内に配向させることに成功している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年,磁気ディスク装
置の著しい大容量・高記録密度化に伴い,磁気記録媒体
上に形成される記録ビットの大きさは次第に減少してい
る。1平方インチあたり10ギガビット以上の超高密度
記録を実現するためには,現状の媒体で対応することは
難しく,媒体ノイズをさらに低減する必要がある。この
ためには,磁性膜の結晶粒径を小さくすることが重要で
ある。しかし,磁性結晶粒の微細化によって磁性粒の体
積が極端に小さくなると,常温においても熱エネルギー
の影響が相対的に顕著となり,記録磁化が減衰する。こ
の現象を一般に磁化の熱揺らぎ(Thermal fl
uctuation)と呼ぶ。Y.Hosoe等による
と,結晶粒を微細化して低ノイズを実現した媒体では,
225kFCIの密度で記録した情報が96時間後に1
0%以上も減衰することが報告されている(IEEET
rans.Magn.33、pp.3028−303
0、 September 1997)。これは,情報
を保存するという,磁気記録媒体の基本的用途からする
と,重大な問題(欠陥)であり,早急に対処すべき課題
である。
【0005】媒体ノイズ低減と耐熱揺らぎ性能向上を両
立するためには,磁性膜の結晶粒径の平均的な大きさを
小さくすると同時に,極端に小さな磁性粒子の成長を抑
制することが効果的である。すなわち,磁性結晶粒の大
きさの分散を小さくすることが重要である。磁性膜は下
地膜上にヘテロエピタキシャル成長していることから,
磁性膜の結晶粒径や分散を制御するためには,当然,下
地膜の粒径や分散を制御することになる。さらに,ガラ
ス基板を用いた媒体では,従来の技術で述べたように,
基板と下地膜の間にはシード層を設けている。したがっ
て,下地膜の結晶粒を制御する上では,このシード層の
材料と成膜方法が重要なポイントとなる。また,面内記
録媒体では,磁性膜の磁化容易軸を膜面内に配向させる
必要があるため,シード層は下地膜の結晶配向性も同時
に制御する機能を持たせることが重要である。
【0006】本発明の第一の目的は,磁化容易軸の膜面
内方向への配向性を高めると同時に,磁性結晶粒の大き
さと分散を制御する新しいシード層を開発し,これによ
り,低ノイズ性と耐熱揺らぎ性を兼ね備えた面内磁気記
録媒体を提供することである。
【0007】本発明の第二の目的は, この磁気記録媒
体の性能を充分に活かし,1平方インチあたり10ギガ
ビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は,基板上にC
r,あるいはCr合金からなる下地膜を介して,Co合
金磁性膜を形成した磁気記録媒体において,基板と下地
膜の間に少なくともTiとAlを含むシード層を設け、
該磁性膜を基板と平行な面に対してh.c.p.構造の
(11.0)面を配向させることによって達成される。上
記シード層は,少なくとも35at.%以上65at.
%以下のTiと,35at.%以上65at.%以下の
Alを含むことが,磁性膜の磁化容易軸を膜面内方向に
配向させる上で好ましい。
【0009】今回我々が行った検討により、磁性膜の結
晶を(11.0)配向させる点で、上記シード層の結晶
構造を非晶質あるいは結晶粒径が10nm以下の微結晶
とすることが好ましいことが判明した。上記のようなシ
ード層の結晶構造は、シード層の材料組成を少なくとも
35at.%以上65at.%以下のTiと,35a
t.%以上65at.%以下のAlを含むようにするこ
とで達成される。一般に,Ti−Al合金のバルク材料
において、TiとAlの元素比が約1:1の組成領域で
はL10型の結晶構造を有する規則相ができる。しかし
ながら,Ti:Al=1:1の組成でスパッタリングに
より薄膜を作製すると,基板温度によっては結晶化しな
い成膜条件があることがわかった。このようにして作製
したTiAlシード層の表面を酸化あるいは窒化処理
後,TiAlシード層の上にCr,あるいはCr合金か
らなるb.c.c.構造を有する下地膜を形成すると,
良好な(100)配向が得られた。さらに,この下地膜上
にh.c.p.構造を有するCo合金磁性膜を形成する
と,磁化容易軸が膜面内に強く配向した。TiAl表面
を酸化または窒化させる具体的手法としては,TiAl
表面を加熱,あるいは,酸素雰囲気または窒化雰囲気中
に暴露する等の手法が有効である。ここで,酸素雰囲気
または窒化雰囲気中に暴露するという意味は,スパッタ
リングで膜を形成する場合に,真空槽内に酸素ガスまた
は窒素ガスを導入(酸素ブローまたは窒素ブロー)する
ということである。また,TiAlを形成後に大気にさ
らしても同様な効果が得られる。例えば,別な装置(場
所)でTiAlを形成し,これを基板として下地膜以下
を同一の装置で形成することも可能である。この手法を
Ni−PメッキAl合金基板に例えると,Alの母材が
ガラス,Ni−PがTiAlに相当する。
【0010】本発明のTiAlシード層を用いた媒体
と,従来技術のCoCrZrシード層を用いた媒体を比
較した。CoCrZrシード層,TiAlシード層のい
ずれも微細な膜構造は,結晶粒径が10nm以下の微結
晶,あるいは,非晶質である。TiAlシード層を用い
た媒体は,上述したようにCoCrZrシード層と同様
に,下地膜は(100),磁性膜は(11.0)配向するこ
とで,磁化容易軸が膜面内に配向する。しかしながら,
その配向性の程度はTiAlシード層を用いた方が強い
ことがわかった。また,透過型電子顕微鏡(TEM)を
用いて,これらの媒体の磁性結晶粒を調べた。平均的な
磁性結晶粒は,TiAlシード層を用いた場合で10n
m,CoCrZrシード層では15nmであった。媒体
ノイズを低減する上では,結晶粒径は小さい方が望まし
く,TiAlシード層の方が優れていることがわかっ
た。一方,耐熱揺らぎの対策としては,磁性膜の結晶粒
径の分散(標準偏差を平均粒径で割った値と定義)が小
さいことが望ましい。TiAlシード層は25%,Co
CrZrシード層では35%であった。この点において
も,TiAlシード層の方が優れていることがわかっ
た。
【0011】また,本発明のTiAlシード層を用いた
媒体を,従来のNiAlシード層を用いた媒体について
も比較した。NiAlシード層を用いた媒体は,下地膜
が(211),磁性膜が(10.0)配向することで,磁化
容易軸が膜面内に配向するタイプであり,結晶成長のプ
ロセスが本発明のTiAlシード層を用いた場合と異な
る。また,NiAlシード層はB2型の構造を有する完
全な結晶質の膜であり,非晶質,あるいは微結晶である
TiAlシード層とは膜の結晶構造も異なる。我々の検
討によると,NiAlシード層の欠点は膜厚を50nm
以上と厚くしなければならない点であり,媒体作製上問
題となる。
【0012】膜厚を厚くしなければならない理由は次の
通りである。NiAl膜をスパッタリングで形成する
と,結晶成長初期の段階では,その優先配向面は稠密面
の(110)である。しかし,結晶の成長途中から優先配
向面が徐々に(211)に変わっていく。この上にb.
c.c.構造を有する下地膜をヘテロエピタキシャル成
長させると,下地膜は(211)配向し,さらにこの上の
磁性膜は(10.0)配向する。すなわち,磁性膜を(1
0.0)配向させる上では、NiAlシード層の(211)
配向が得られることが重要なポイントとなる。そのた
め,NiAlシード層は(211)が優先配向面となる膜
厚である50nm程度まで厚くする必要がある。また,
このような複雑な成長過程を介して,磁性膜の結晶配向
を制御しているため,磁化容易軸を膜面内に強く配向さ
せることは難しい。すなわち,NiAlシード層を完全
に(211)配向させることは困難である。実際,NiA
lシード層を用いた媒体では,X線回折による磁性膜の
(10.0)成分の強度が弱い。本発明のTiAlシード
層を用いた媒体とNiAlシード層を用いた媒体の磁気
特性を比較すると,NiAlシード層を用いた媒体では
保磁力(Hc),保磁力角形比(S*)が小さい。これ
は,磁化容易軸の膜面内への配向性が相対的に弱いため
である。
【0013】本発明のTiAlシード層は,少なくとも
35at.%以上65at.%以下のTiと,35a
t.%以上65at.%以下のAlを含むことが必須で
あるが,一方では,他の元素を30at.%以下添加す
ることも可能である。他の元素を30at%以上添加す
ると、シード層の結晶構造そのものが変わるため好まし
くない。他の元素を添加する主な理由は,シード層のミ
クロな構造をさらに制御し易くするためである。先に述
べたように,本発明のシード層の結晶粒径は10nm以
下の微結晶,あるいは,非晶質とすることが重要であ
る。本発明ではこのミクロな構造を基板温度等の成膜条
件によって制御したが,他の元素を添加することで,こ
の形態をさらに制御し易くすることも可能である。例え
ば,TiやAlに比べて融点が高い元素,あるいは,格
子定数が大きな元素を添加すると,結晶粒が微細化ある
いは非晶質化し易くなる。また,本発明のシード層に他
の元素を添加するもう一つの理由は,磁気ディスクの信
頼性の向上である。TiAlシード層に他の元素を添加
することにより硬度が高めることができ、磁気ヘッドを
同一半径で長時間フォローイングした場合に磁気ヘッド
がディスクの表面を傷付けるという,いわゆるヘッドク
ラッシュに対する耐性を高めることができる。添加する
他の元素の種類は特に限定しないが,35at.%以上
65at.%以下のTiと,35at.%以上65a
t.%以下のAlを含み,かつ,シード層のミクロな構
造は10nm以下の微結晶,あるいは,非晶質とするこ
とが重要である。
【0014】一般には磁性膜にはPt,Ta,Ti,N
b,B等の元素を添加する。この場合, h.c.p.
構造を有する磁性膜の格子定数は大きくなるので,磁性
膜と下地膜との格子整合性が劣化するため、下地膜を合
金化して格子定数を大きくする必要がある。Crと5a
t.%以上50at.%以下のTi,Crと、5at.
%以上100at.%以下のMo,あるいはCr,M
o,Tiからなる下地膜とすることが,磁性膜の磁化容
易軸の面内配向性を高める上で特に好ましい。但し,下
地膜の結晶構造がb.c.c.であることが重要であ
る。下地膜としてCrとTiを含む合金を用いると,下
地膜の結晶粒径を小さくし,その上に成長させる磁性膜
の結晶粒径も小さくすることができるため,低ノイズ化
の点で特に好ましい。しかし,Cr−Ti合金はTiが
h.c.p.の結晶構造を有するため,下地膜の組成の
内,Tiは全体の50at.%以下とする必要がある。
【0015】一方,CrとMoからなる合金は,バルク
の金属の状態図から見ても全率固溶の関係にあり,その
合金の結晶構造は常にb.c.c.であるため,任意の
格子間隔を持つ結晶を作製する上で,扱いが容易で特に
好ましい。Cr,Mo,Tiを含む下地膜は、上記Cr
−Mo,Cr−Tiの性質をそれぞれの元素の濃度に応
じて引き継いだものとなる。下地膜にCr,Mo,Ti
以外の元素を使う場合には,Nb,Ta,Wを用いるこ
とが好ましく(但し,Cr,Mo,Tiに比べると若干
特性が劣る),これ以外の元素を使うと,結配向性が乱
れたり,結晶粒径が肥大化して,保磁力の低下や媒体ノ
イズの増大を招き,好ましくない。
【0016】上記下地膜は複数積層することも可能であ
り、基板に近い側から順に,CrもしくはCrTiから
なる第一下地膜,Cr,Nb,Mo,Ta,W,Tiか
ら選ばれた少なくとも1種の元素を含む第二下地膜から
なる二層下地膜構造としてもよい。Crを第一下地膜と
して用いた場合には,下地膜の(100)配向性がより強
くなり,その結果,磁性膜の(11.0)配向がより強ま
り保磁力を高くすることができる。一方,CrTiを第
一下地膜に用いた場合は,下地膜の結晶粒径が微細化
し,その結果として,磁性膜の結晶粒も微細化し,低ノ
イズ化に有効である。
【0017】前記Co合金磁性膜は、少なくとも15a
t.%以上25at.%以下のCrと,4at.%以上
25at.%以下のPtを含むことが媒体の高保磁力,
低ノイズ化する上で好ましい。ただし、磁性膜組成の
内,少なくともCoは56at.%以上である必要があ
る。Co濃度が56at.%以下となると残留磁束密度
の低下が著しく,媒体から漏洩する磁束が減少し,磁気
ヘッドでの信号の読み出しが困難となる。
【0018】上記磁性膜は、少なくとも二層以上の多層
構造であり,基板から最も離れた磁性層(最表面の磁性
層)にC,B,Si,Taから選ばれた元素の少なくと
も1種を0.5at.%以上,8at.%以下含むこと
が,低ノイズ,かつ,高保磁力を実現する上で好まし
い。
【0019】上記磁性膜への添加元素であるC,B,S
i,Taは,磁性膜中において,Crの結晶粒界への偏
析を促進させる効果がある。我々の検討結果によると,
Cr偏析が促進された磁性膜は,(100)配向させた
b.c.c.構造を有する下地膜上でも(11.0)配向
しにくいことがわかった。これは,磁性膜と下地膜との
界面にCr−richな層ができ,これが磁性膜のヘテ
ロエピタキシャル成長を阻害するためと考えられる。一
方,同じh.c.p.構造を有する結晶膜の上には,エ
ピタキシャル成長することがわかった。以上の結果か
ら,低ノイズを目的に,これらの元素を添加した磁性膜
の結晶配向性を制御するためには,磁性膜を多層化する
ことが有効であるとの結論を得た。すなわち,初めに,
下地膜に接する磁性膜には,C,B,Si,Taを含ま
ない磁性膜を設け,この第一層の磁性膜の結晶配向を
(11.0)に制御する。次いで,この第一層目の磁性膜
上にC,B,Si,Taを含む第二磁性膜を設けると,
第二磁性膜は第一磁性膜の結晶配向性がそのまま反映さ
れてエピタキシャル成長する。これにより,低ノイズ化
を目的としたC,B,Si,Taを含む磁性膜の磁化容
易軸方向を膜面内に制御でき,その性能を最大限活用す
ることが可能となる。
【0020】b.c.c.構造を有する下地膜の上に,
h.c.p.構造を有する磁性膜をエピタキシャル成長
させると,異種の結晶構造の粒子を強引に結晶成長させ
るため,磁性膜の結晶成長の初期段階で,欠陥が導入さ
れたり,微細な磁性結晶粒が生成される。このような欠
陥や微細な粒子は熱揺らぎの影響を強く受け易く,信号
を記録した後,時間と共に再生出力が減少していく割合
が大きくなる。この影響をできるだけ小さく押さえるた
めに,下地膜と磁性膜の間に非磁性のh.c.p.構造
を有する中間膜を挿入することが好ましい。この非磁性
h.c.p.中間膜が,b.c.c.下地膜との界面で
生じる欠陥や微細な粒子を吸収し,磁性膜には悪影響を
及ぼさない。さらに,この非磁性h.c.p.中間膜を
上述した二層磁性膜媒体に応用して,非磁性h.c.
p.中間膜を第一磁性膜として用いることも可能であ
る。
【0021】また,上記本発明の磁気記録媒体と,磁気
記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と,記録部と再生
部からなる磁気ヘッドと,該磁気ヘッドを磁気記録媒体
に対して相対的に運動させる手段と,磁気ヘッドに対す
る入力信号及び出力信号を波形処理する記録再生信号処
理手段とを含む磁気記憶装置において,磁気ヘッドの再
生部を磁気抵抗効果型の素子で構成することによって,
1平方インチあたり10ギガビット以上の記録密度を有
する磁気記憶装置を達成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕本発明による磁気記
録媒体の一実施例の断面図を図1に示す。本発明の磁気
記録媒体の基本的な層構成は次の通りである。外径65
mmφのガラス基板10上に,TiAlシード層11,
11'を形成する。次いで,Cr,あるいはCr合金か
らなる下地膜12,12'を形成し,Co系合金磁性膜
13,13'を設ける。最後に,Cからなる保護膜1
4,14'を形成し,潤滑剤を塗布することで,本発明
の磁気記録媒体を作製することができる。本実施例で
は,各層を全てDCマグネトロンスパッタリング法で作
製した。基本的なスパッタリング条件は,Arガス圧
力:0.27Pa,投入電力密度:39.5kW/m2とし
た。
【0023】初めに,本発明の媒体の基板温度に対す
る,各層の結晶配向性の変化をX線によって調べた結果
を図2に示す。TiAlシード層の組成はTi−52a
t.%Al(100nm),下地膜はCr(20nm)
を形成後Cr−30at.%Mo(20nm)を積層し
た二層下地膜構造とした。磁性膜にはCo−20at.
%Cr−10at.%Pt(14nm)を用いた。前述
の各層の組成において,元素の前に付した数字はその元
素の濃度を原子%(at.%)で示したものであり,組
成の後の()内の数字は膜厚を示す。ここで検討した基
板温度依存性は,TiAl形成前に基板を赤外線ヒータ
で加熱した温度に対する依存性であり,加熱時間は10
分とした。
【0024】基板温度を室温とした試料Aは,TiAl
からの回折ピークは認められず,Cr及びCrMo下地
膜の(110),CoCrPt磁性膜の(00.2),(1
0.1)回折が現れている。すなわち,TiAlは非晶
質,あるいは微結晶であり,磁性膜の磁化容易軸はラン
ダムに配向している。基板温度を270℃とした試料B
は,室温の場合と同様にTiAlからの回折ピークは認
められないが,Cr及びCrMo下地膜は(200),C
oCrPt磁性膜は(11.0)回折ピークが認められ,
磁性膜の磁化容易軸が膜面内に配向していることがわか
る。基板温度を350℃とした試料Cは,TiAlの結
晶化が始まり,TiAl(111),(002),(200)
が現れているが,Cr及びCrMo下地膜とCoCrP
t磁性膜の結晶配向性に関しては試料Bと同じである。
但し,下地膜と磁性膜からの回折強度が試料Bに比べて
増していることから,結晶配向性の向上,もしくは結晶
粒径の増大が生じている可能性がある。
【0025】さらに基板温度を高めて,400℃加熱し
た試料Dでは,TiAl(111)の回折強度が増してい
ることから,TiAlの結晶化が一段と進んでいる。ま
た,Cr及びCrMo下地膜の(200)回折,CoCr
Pt磁性膜の(11.0)回折が認められないことから,
磁性膜の磁化容易軸が膜面内に配向していないことがわ
かる。以上の結果から,TiAlシード層は完全に結晶
化せずに,非晶質,あるいは微結晶の状態を保ったま
ま,基板温度を高くすることで,下地膜を(100),磁
性膜を(11.0)配向できる,すなわち,磁化容易軸を
膜面内に配向できることが判明した。基板温度を350
℃とした試料CのようにTiAlが若干結晶化しても,
下地膜は(100),磁性膜は(11.0)配向すれば,磁
化容易軸は膜面内に向いているため,面内磁気記録媒体
としては充分な性能が得られる。しかし,試料Dのよう
に,TIAlの結晶化が著しく進み,下地膜の(10
0),磁性膜の(11.0)配向が得られなくなると,保磁
力が低下し,好ましくない。
【0026】さらに詳細な加熱プロセスの検討を行った
結果を図3に示す。図中,基板加熱H1,H2という記
載は,それぞれTiAl形成時の加熱温度,TiAl形
成後のTiAl表面の加熱温度である。試料Eは試料B
と同様に,TiAl形成前に基板を270℃×10分の
条件で加熱した試料である(縦軸スケールが図2とは異
なる)。一方,試料Fは基板加熱無しでTiAlを形成
し,その後,TiAl表面を270℃×10分の条件で
加熱し,下地膜,磁性膜を順次積層した試料である。図
2で示した試料Aのように,全ての膜を室温で形成する
と,下地膜は(110),磁性膜は(00.2)と(10.1)
の回折ピークが得られ,面内記録媒体における典型的な
ランダム配向を呈する。参考までに,室温成膜の場合で
は,Ni−PメッキAl合金基板においても同様な配向
となる。すなわち,下地膜を形成するときの基板温度
は,少なくとも150℃以上(我々の検討結果による)
に加熱しないと,下地膜が(100)配向しない。
【0027】一方,試料Bは下地膜と磁性膜の好ましい
配向が得られた試料であるが,試料Aと同様に,TiA
lに起因する回折ピークは認められなかった。そこで,
良好な下地膜と磁性膜の配向を得るに当たり,TiAl
を形成する際の基板温度が重要な役割を果たしているの
かを調べることにした。先に述べたように,試料FはT
iAlシード層を室温で形成した後,その表面を270
℃で加熱し,下地膜と磁性膜を形成したものである。試
料Fは,CrMo下地膜の(110)と磁性膜の(00.
2)に起因する(分離は不可能)回折ピークが得られて
おり,磁化容易軸を膜面内に配向させることはできなか
った。すなわち,TiAlを室温で形成することは,下
地膜及び磁性膜の結晶配向性を制御する上で好ましくな
いことが明らかとなった。さらに詳細な検討によると,
TiAlを形成する際の温度は少なくとも,100℃以
上必要であることがわかった。一方,TiAlを形成す
る温度の上限は,図2に示したように,400℃を越え
ない,さらに具体的には380℃以下とすることが,磁
化容易軸を膜面内に配向させる上で好ましい。
【0028】試料Gは,TiAl形成前に基板を270
℃×10分の条件で加熱し,さらにTiAl形成後にT
iAl表面を270℃×10分の条件で加熱し,下地
膜,磁性膜を順次積層した試料である。試料Gは試料E
に比べて,下地膜の(200),磁性膜の(11.0)回折
ピークの強度が著しく増しており,磁化容易軸の膜面内
方向への配向性が改善されたことを示している。この結
果から,基板とTiAl表面の二段加熱が面内配向性を
向上させることがわかった。
【0029】TiAl表面を加熱することで,下地膜の
(100),磁性膜の(11.0)配向が向上したが,その
直接的な理由は,TiAl表面が酸化されたことであ
る。但し,試料Fに示したように,室温で形成したTi
Alの表面を加熱,すなわち,酸化処理しても良好な配
向は得られない。基板を概ね100℃以上,380℃以
下に加熱して形成したTiAlシード層の表面を酸化さ
せることが重要である。上記実施例では,TiAl表面
を酸化する一つの手段として,TiAlシード層を形成
後,加熱プロセスを導入する方法について示した。しか
しながら,その他の手法として,TiAlシード層を形
成後,その表面を酸素雰囲気中に暴露することによって
も,TiAl表面の酸化処理は可能である。具体的手法
としては,プロセスチャンバ内に酸素ガスを導入するこ
とが実用的である。そこで,TiAlシード層形成後,
チャンバ内に酸素ガスを導入し,TiAl表面の酸化処
理に関する検討を行った。プロセスチャンバ内の圧力が
0.13,0.27,0.67,1.33Paの雰囲気となる
ように,酸素ガスの導入量を変化させた。この結果,チ
ャンバ内の圧力が0.27Pa以上となるように酸素ガス
を導入することで,下地膜と磁性膜の良好な配向が得ら
れ,磁化容易軸が膜面内に強く配向することを確認し
た。
【0030】図4には,本発明のTiAlシード層と従
来媒体であるCo−30at.%Cr−10at.%Z
r,Ni−50at.%Alシード層を用いた媒体のX
線プロファイルを示す。TiAlシード層を用いた媒体
(試料H)は,試料Gと同じ層構成,同じプロセス条件
(二段加熱を含む)で作製した。一方,CoCrZr
(試料I),NiAl(試料J)シード層を用いた媒体
は,基板にそれぞれのシード層を100nm形成し,そ
の上に連続してCr(20nm),Cr−30at.%
Mo(20nm)からなる二層下地膜を形成し,磁性膜
としてCo−20at.%Cr−10at.%Pt(2
0nm)を形成した。Cr下地膜以降の層構成は,Ti
Alシード層を用いた媒体と同じである。但し,従来の
シード層を用いた媒体では,シード層形成後の加熱プロ
セスは行わず,基板のみを270℃×10分の条件で加
熱した。
【0031】TiAlとCoCrZrシード層の媒体を
比較すると,TiAlを用いた媒体の方が下地膜の(2
00),磁性膜(11.0)の回折強度が強い。すなわち,
シード層としてTiAlを用いた方が,磁化容易軸の膜
面内への配向性が強く,面内記録媒体として好ましい結
晶成長していることがわかる。TEMを用いてこれらの
媒体の磁性結晶粒を調べると,平均的な磁性結晶粒は,
TiAlシード層を用いた場合で10nm,CoCrZ
rシード層では15nmであった。媒体ノイズを低減す
る上では,結晶粒径は小さい方が望ましく,TiAlシ
ード層の方が優れていることがわかった。一方,耐熱揺
らぎの対策としては,磁性膜の結晶粒径の分散が小さい
ことが望ましい。TiAlシード層は25%,CoCr
Zrシード層では35%であった。この点においても,
TiAlシード層の方が優れていることがわかった。
【0032】次に,TiAlとNiAlを比較すると,
下地膜と磁性膜の優先配向面が異なっていることがわか
る。NiAlシード層は結晶質の膜であり,このNiA
l膜が(211)配向することで,下地膜の(211),磁
性膜の(10.0)がヘテロエピタキシャル成長してい
る。磁性膜の(10.0)は(11.0)と同様に,磁化容易
軸が膜面内に向いている配向である。TiAl媒体にお
ける磁性膜の(11.0)回折強度と,NiAl媒体にお
ける磁性膜の(10.0)回折強度を比較すると,TiA
l媒体の方が強い。しかしながら,X線に対する格子面
の回折強度が面によって感度が異なるため,直接的には
比較することは誤りである。各格子面による感度は構造
因子(Structure factor)で示される
が,バルクのCoでは(10.0)が20,(11.0)は8
0である。すなわち,(10.0)成分の感度は(11.0)
成分の1/4である。これを考慮して再度比較しても,
TiAlを用いた媒体の磁性膜(11.0)回折強度の方
が,NiAlを用いた媒体の磁性膜(10.0)回折強度
よりも強いことがわかった。また,TEMによって磁性
膜の格子像を観察すると,NiAlを用いた媒体ではc
面に対応する格子縞が観察できる粒子の数が極端に少な
く,X線の結果を裏付ける結果となった。
【0033】上記TiAl,CoCrZr,NiAlシ
ード層を用いた媒体の磁性膜厚を変えた試料を作製し,
磁気特性を比較した結果を図5に示す。保磁力(Hc)
は,いずれのシード層を用いた媒体も磁性膜厚と共に増
大するが,全ての膜厚の範囲でTiAlを用いた媒体が
最も高い値である。保磁力が高い程,高密度記録に適し
ているため,本発明のTiAlシード層を用いた媒体の
優位性が実証された。保磁力角形比(S*)は,NiAl
だけが他の二つのシード層媒体に比べ小さい。また,残
留磁束密度と磁性膜厚の積(Br・tmag)に関しても,
よく見るとNiAl媒体の値が最も小さいことがわか
る。これは,NiAl媒体は磁化容易軸の面内配向性が
最も悪いことに起因している。
【0034】面内記録媒体においては,磁化容易軸が膜
面内に配向している方が,磁気ヘッドでの記録が容易で
あり,また,分解能が向上するため好ましい。実際にR
/W評価を行ったところ,TiAl媒体の分解能が最も
高かった。一方,NiAl媒体のように磁化容易軸の面
内配向性が悪いと,記録ヘッドへの負担が大きく,充分
なオーバーライト特性が得られなかった。TiAl媒体
と比較すると,NiAl媒体は保磁力が低いにも関わら
ず6dBも劣っていた。今後の高密度化に対応するた
め,媒体は高保磁力化していく傾向であるが,NiAl
媒体は最も書き込みヘッドの負担を大きくし,あまり好
ましくない。活性化磁気モーメント(v・Isb)は媒
体ノイズの大きさと密接な関係にある。活性化磁気モー
メントが小さい程,媒体ノイズは小さいことが報告され
ている。
【0035】活性化磁気モーメントは,TiAlシード
層を用いた媒体が最も小さな値を示している。実際に,
R/W評価(記録密度:350kFCI)を行ってみる
と,TiAlシード層を用いた媒体が最も低ノイズ(1
0〜25%低い)であり,活性化磁気モーメントが小さ
い程,低ノイズ傾向となることを確認した。K・V/k
B・Tは耐熱揺らぎ性能を示し,少なくともこの値は1
00以上であることが要求されている。これに関して
は,全ての媒体が仕様を満足できている。
【0036】〔実施例2〕本実施例で作製した媒体を,
図1を用いて説明する。外径65mmφのガラス基板1
0上に,TiAlシード層11,11'(20nm)を
形成する。次いで,Cr−20at.%Ti下地膜1
2,12'(20nm)を形成し,Co系合金磁性膜1
3,13'(13nm)を設ける。最後に,Cからなる
保護膜14,14'を形成し,潤滑剤を塗布すること
で,本実施例の磁気記録媒体を作製した。本実施例で
は,各層を全てDCマグネトロンスパッタリング法で作
製した。基本的なスパッタリング条件は,Arガス圧
力:0.27Pa,投入電力密度:39.5kW/m2とし
た。
【0037】磁性膜にCo−20at.%Cr−10a
t.%Pt(14nm)を用い,基板加熱条件は270
℃×10分とし,TiAl加熱条件を変化させたときの
X線プロファイルの変化を図6に示す。試料KはTiA
lの加熱無し,試料L,M,NはTiAlの加熱温度を
それぞれ270,350,400℃とした。TiAlを
加熱する際の時間は1分とした。TiAlの加熱温度の
上昇と共に,CrTi下地膜の(110),もしくはCo
CrPt磁性膜の(00.2)回折強度が減少することが
わかる。この原因としては二つのことが考えられる。ひ
とつには,加熱温度を高くすることで,TiAl表面の
酸化反応が促進されたためである。ふたつには,下地膜
を形成する際の温度が高くなったためである。前述した
ように,b.c.c.結晶構造を有する下地膜は,エネ
ルギー(基板温度)が低い状態では稠密面である(11.
0)配向し易いが,エネルギーが高くなることで,優先
配向面が(100)に変化する。
【0038】以上の結果から,単層の合金下地膜を用い
た場合にも,本発明のTiAlシード層は有効に機能
し,磁化容易軸を膜面内に配向できることがわかった。
尚,媒体ノイズに関しては,実施例1で示したCrMo
/Cr二層下地膜を用いたものよりも,CrTi下地膜
を用いた媒体はさらに小さくなった。これは,CrTi
下地膜の結晶粒径が小さいことに起因する。しかしなが
ら,CrTi下地膜を用いると,粒径が小さくなったこ
とに起因して,耐熱揺らぎ性能が若干劣化しているた
め,ノイズ,あるいは熱揺らぎのどちらの性能を優先す
るかによって,下地膜を使い分ける必要がある。
【0039】次に,磁性膜にCo−23at.%Cr−
14at.%Pt(14nm)を用い,図6と同様な検
討を行った結果を図7に示す。磁性膜中のCr,Pt濃
度を増した場合にも,TiAlの加熱温度を高くするこ
とで,磁化容易軸の面内配向性が高くなっていくことが
わかる。但し,CrTi(110),もしくはCoCrP
t(00.2)の回折強度は図6に比べて増している,す
なわち,磁化容易軸が垂直に立った成分が増えている。
これは,次の理由によると考えている。一般に,磁性間
中のCrは粒界に偏析する。磁性膜中のCr濃度が高く
なると,下地膜と磁性膜の界面に吐き出されるCr量も
増加する。このため,下地膜と磁性膜間のヘテロエピタ
キシャル成長が阻害され,磁化容易軸が垂直に立った成
分が増加すると考えられる。特に,CrTi下地膜を用
いた場合にはこの現象が顕著であるため,CrMo,C
rW,CrTa等の下地膜(b.c.c.とb.c.
c.からなる合金下地膜)を用いることでこの問題はあ
る程度解決できる。下地膜材料を最適化したとしても,
下地膜と接する磁性膜中のCr濃度は少なくとも25a
t.%以下にする必要がある。
【0040】最後に,下地膜としてCr−20at.%
Ti(10nm)を用い,この上にCo−23at.%
Cr−14at.%Pt(7nm)第一磁性膜を形成
し,さらにCo−21at.%Cr−14at.%Pt
−5at.%B(7nm)第二磁性膜を設けた二層下地
膜に関する結果を図8に示す。二層磁性膜の場合にも,
TiAlの加熱温度の増加と共に,CrTi(110),
CoCrPt(00.2),CoCrPtB(00.2)の回
折強度が減少しており,磁化容易軸が面内に配向してい
くことがわかる。一方,磁性膜の(00.2)成分は,図
7に比べてさらに強くなっているが,これは磁性膜にB
を添加すると,磁性膜中におけるCr偏析作用が促進さ
れるためである。本実施例の媒体では,下地膜の(20
0),磁性膜の(11.0)成分が相対的に図6や図7に比
べて弱くなっているが,これは下地膜を薄膜化したため
である。400℃で加熱した試料は回折強度が特に弱い
が,TEMを使った格子像観察を行ってみると,多くの
磁性粒子でc面に対応する格子縞が観察できた。また,
電子線回折像においても,h.c.p.構造を有する磁
性膜のc軸が面内に配向していることを示していた。
【0041】X線回折のプロファイルにおいて,磁性膜
の(00.2)に対応するピーク強度が多少強くとも,(1
1.0)に対応する回折が得られていれば,R/W特性,
すなわち,媒体ノイズや分解能は満足な値が得られた。
しかしながら,TEMによって磁化容易軸が面内に配向
していることが確認できないような試料は,充分なR/
W特性を得ることができなかった。
【0042】〔実施例3〕本実施例では、TiAlシー
ド層の組成比を変えた場合の媒体特性の変化について検
討を行った。本実施例で作製した媒体を,図1を用いて
説明する。外径65mmφのガラス基板10上に,Ti
Alシード層11,11'(20nm)を形成する。次
いで,Cr−20at.%Ti第一下地膜(15nm)
とCr−30at.%Mo第二下地膜(5nm)からな
る二層下地膜12,12'を形成し,Co−21at.
%Cr−16at.%Pt−5at.%Ta磁性膜1
3,13'(15nm)を設ける。最後に,Cからなる
保護膜14,14'を形成し,潤滑剤を塗布すること
で,本実施例の磁気記録媒体を作製した。本実施例で
は,各層を全てDCマグネトロンスパッタリング法で作
製した。基本的なスパッタリング条件は,Arガス圧
力:0.27Pa,投入電力密度:39.5kW/m2とし
た。基板加熱条件は270℃×10分とした。また,T
iAlシード層形成後,プロセスチャンバ内に酸素ガス
を流量100sccmで導入し,チャンバ内圧力を0.
4Paとすることで,TiAl表面の酸化処理を行った。
【0043】TiAlシード層のTi、Alの組成比を
変えたときの,磁化容易軸の面内配向性を調べた結果を
表1に示す。面内配向性は、X線回折プロファイル中の
CoCrPtTa(11.0)ピーク強度により評価し、
前記(11.0)ピーク強度がX線回折プロファイル中の
ノイズレベル平均値の2.5倍以上である場合を○、
2.5倍未満の場合を△,ピークが認められない場合を
×として評価した。同表から,シード層内におけるTi
組成は35at.%以上65at.%以下,Al組成は
35at.%以上65at.%以下とする必要があるこ
とがわかる。この組成領域では,シード層に起因する回
折ピークが認められないかもしくは弱く,シード層の結
晶粒径は10nm以下の微結晶,あるいは,非晶質であ
ると考えられる。一方,シード層の組成を30at.%
Ti−70at.%Al,70at.%Ti−30a
t.%Alとした場合には,シード層の結晶化に起因す
る回折ピークが得られており,これが下地膜,磁性膜の
配向性を悪くしたものと考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】次に,磁性膜組成に関する検討を行った。
上記実施例と同様な媒体構成において,シード層にはT
i−52at.%Al(15nm)を用いた。磁性膜と
しては,Co−24at.%Cr−14at.%Pt
(7nm)第一磁性膜,Co−20at.%Cr−16
at.%Pt−xat.%B(7nm)第二磁性膜の二
層構造とした。ここで,第二磁性膜中のB濃度がxa
t.%とあるが,これはB濃度を変化させたことを意味
する。表2に磁化容易軸の面内配向性を調べた結果を示
す。表中の○、△、×の評価基準は上述した通りであ
る。同表から,B濃度は8at.%以下とすることが,
磁化容易軸の面内配向度を高める上で必要な条件である
ことがわかる。また,Bに変えてC,Si,Taから選
ばれた元素の少なくとも1種を用いた場合にも同様な傾
向を示す。
【0046】
【表2】
【0047】以上、低ノイズかつ高保磁力を実現する上
において、添加元素の濃度は,0.5at.%以上,8
at.%以下とすることが好ましく,さらに,磁性膜の
非磁性化を防止する上で,少なくともCoは56at.
%以上とする必要がある。
【0048】なお、TiAlシード層形成後に、酸素ガ
スに変えて窒素ガスを導入しても、同様の効果が得られ
ている。
【0049】〔実施例4〕前記実施例の磁気記録媒体
は,図9に一例を示すような磁気抵抗効果を利用した再
生専用のセンサを備える磁気ヘッドを用いることによっ
て,その性能が充分に活かされる。
【0050】記録用磁気ヘッドは,一対の記録磁極9
0,91とそれに鎖交するコイル92からなる誘導型薄
膜磁気ヘッドであり,記録磁極間のギャップ層厚は0.
25μmとした。また,磁極91は共に厚さ1μmの磁
気シールド層95と対で,再生用の磁気ヘッドの磁気シ
ールドも兼ねており,このシールド層間距離は0.2μ
mである。再生専用の磁気ヘッドは,磁気抵抗効果セン
サ93と,電極となる導体層94からなる磁気抵抗効果
型ヘッドである。この磁気ヘッドは磁気ヘッドスライダ
基体96上に設けられている。尚,図9では記録磁極間
のギャップ層,及びシールド層と磁気抵抗効果センサ間
のギャップ層は省略してある。
【0051】磁気抵抗効果センサ93の詳細な断面構造
を図10に示す。磁気センサの信号検出領域100は,
酸化Alのギャップ層101上に横バイアス層102,
分離層103,磁気抵抗強磁性層104が順次形成され
た部分からなる。磁気抵抗強磁性層104には,20n
mのNiFe合金を用いた。横バイアス層102には2
5nmのNiFeNbを用いたが,NiFeRh等の比
較的電気抵抗が高く,軟磁気特性の良好な強磁性合金で
あっても構わない。横バイアス層102は磁気抵抗強磁
性層104を流れるセンス電流が作る磁界によって,こ
の電流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化され,磁気
抵抗強磁性層104に横方向のバイアス磁界を印加す
る。これにより,媒体からの漏洩磁界に対して,線形な
再生出力が得られる磁気センサとなる。磁気抵抗強磁性
層104からのセンス電流の分流を防ぐ分離層103に
は,比較的電気抵抗が高いTaを用い,膜厚は5nmと
した。信号検出領域100の両端にはテーパー形状に加
工されたテーパー部105がある。テーパー部105
は,磁気抵抗強磁性層104を単磁区化するための永久
磁石層106と,その上に形成された信号を取り出すた
めの一対の電極107からなる。永久磁石層106は保
磁力が高く,磁化方向が容易に変化しないことが重要で
あり,CoCr,CoCrPt合金等が用いられる。
【0052】また,磁気抵抗効果センサ93には,図1
1に示すようなスピンバルブ型を用いると,より大きな
出力が得られるため好ましい。磁気センサの信号検出領
域110は,酸化Alのギャップ層111上に5nmの
Taバッファ層112,7nmの第一の磁性層113,
1.5nmのCu中間層114,3nmの第二の磁性層1
15,10nmのFe−50at%Mn反強磁性合金層1
16が順次形成された構造である。第一の磁性層113
にはNi−20at%Fe合金を用い,第二の磁性層11
5にはCoを用いた。反強磁性合金層116からの交換
磁界により,第二の磁性層115の磁化は一方向に固定
されている。これに対し,第二の磁性層115と非磁性
の中間層114を介して接する第一の磁性層113の磁
化方向は,磁気記録媒体からの漏洩磁界により変化す
る。 このような二つの磁性層の磁化の相対的な方向の
変化に伴い,3つの膜全体の抵抗に変化が生じる。この
現象はスピンバルブ効果と呼ばれ,本実施例では磁気抵
抗効果センサにこの効果を利用したスピンバルブ型磁気
ヘッドを用いた。尚,永久磁石層118と電極119か
らなるテーパー部117は,図10に示した通常の磁気
抵抗効果センサと同様である。さらに,磁気抵抗効果セ
ンサ93として,トンネル効果を利用した磁気抵抗効果
素子(TMR素子)を利用すると,大きな出力を得る上
で好ましい。
【0053】磁気記憶装置の一例の上面図を図12(a)
に,そのAA‘線断面図を図12(b)に略示する。
【0054】磁気記録媒体120は,面内磁気記録媒体
駆動部121に連結する保持具によって保持され,磁気
記録媒体120のそれぞれの面に対向して,図9に略示
する磁気ヘッド122が配置される。
【0055】磁気ヘッド122は浮上高さ0.05μm
以下で安定低浮上させ,さらに0.5μm以下のヘッド
位置決め精度で所望のトラックに磁気ヘッド駆動部12
3により駆動される。磁気ヘッド122によって再生し
た信号は,記録再生信号処理系124によって波形処理
される。記録再生信号処理系124は増幅器,アナログ
等化器,ADコンバータ,ディジタル等化器,最尤復号
器等で構成されている。磁気抵抗効果を利用したヘッド
の再生波形は,ヘッドの特性により正と負の大きさが非
対称となったり,記録再生系の周波数特性の影響を受け
たりして,記録した信号とは異なった信号に読み誤られ
ることがある。アナログ等化器は再生波形を整えて,こ
れを修復する機能を有する。この修復された波形はAD
コンバータを通してディジタル変換され,ディジタル等
化器によってさらに波形を整えられる。最後に,この修
復された信号を最尤復号器によって,最も確からしいデ
ータに復調する。以上の構成の再生信号処理系によっ
て,極めて低いエラーレートで信号の記録再生が行われ
る。尚,等化器や最尤復号器は既存のものを用いても構
わない。
【0056】以上の装置構成にすることによって,1平
方インチあたりの記録密度を10ギガビット以上に対応
することができ,従来の磁気記憶装置に比べ3倍以上の
記憶容量を持った高密度磁気記憶装置を実現することが
できた。また,記録再生信号処理系から最尤復号器を取
り除き,従来の波形弁別回路に変えた場合にも従来に比
べ2倍以上の記憶容量を持った磁気記憶装置を実現する
ことができた。
【0057】以上の実施例では,ディスク状の磁気記録
媒体とそれを用いた磁気記憶装置について例を述べてき
たが,本発明は片面のみに磁性層を有するテープ状,カ
ード状の磁気記録媒体,及びそれら磁気記録媒体を用い
た磁気記憶装置にも適用できることは言うまでもない。
【0058】さらに,磁気記録媒体の作製方法に関して
もDCマグネトロンスパッタリング法に限らず,ECR
スパッタリング法,イオンビームスパッタリング法,真
空蒸着法,プラズマCVD法,塗布法,メッキ法等如何
なる手法を用いても構わない。
【0059】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は,基板上にC
r,あるいはCr合金からなる下地膜を介して,Co合
金磁性膜を形成した磁気記録媒体において,該基板と下
地膜の間に少なくともTiとAlを含むシード層を設
け、該磁性膜はh.c.p.構造を有し,基板と平行に
(11.0)を成長させる。このとき,シード層には少な
くともTiを35at.%以上65at.%以下,Al
を35at.%以上65at.%以下含むことが好まし
く,これにより,高保磁力,低ノイズで,しかも熱揺ら
ぎの影響が小さな媒体を実現できる。さらに,この磁気
記録媒体と磁気抵抗効果を利用した再生専用の素子を有
する磁気ヘッドとを組み合わせることによって,1平方
インチあたり10ギガビット以上の記録密度を有する磁
気記憶装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の一実施例の断面模
式図。
【図2】本発明の磁気記録媒体における結晶配向性の基
板温度依存性を示す図。
【図3】本発明の磁気記録媒体における結晶配向性の基
板温度,シード層加熱温度依存性を示す図。
【図4】本発明の磁気記録媒体と従来媒体の結晶配向性
の違いを示す図。
【図5】本発明の磁気記録媒体と従来媒体の磁気特性の
違いを示す図。
【図6】本発明の磁気記録媒体における結晶配向性の基
板温度,シード層加熱温度依存性を示す図。
【図7】本発明の磁気記録媒体における結晶配向性の基
板温度,シード層加熱温度依存性を示す図。
【図8】本発明の磁気記録媒体における結晶配向性の基
板温度,シード層加熱温度依存性を示す図。
【図9】再生専用素子を備えた磁気ヘッドの一例を示す
構造図。
【図10】磁気抵抗効果センサの一例を示す構造図。
【図11】スピンバルブ型磁気抵抗効果センサの一例を
示す構造図。
【図12】磁気記憶装置の構造の一例を示す模式図。
【符号の説明】
10…基板,11,11'…TiAlシード層,12,
12'…下地膜,13,13'…Co系合金磁性膜,1
4,14'…保護膜90…記録磁極,91…磁極兼磁気
シールド層,92…コイル,93…磁気抵抗効果素子,
94…導体層,95…磁気シールド層,96…スライダ
基体100…磁気センサの信号検出領域,101…ギャ
ップ層,102…横バイアス層,103…分離層,10
4…磁気抵抗強磁性層,105…テーパー部,106…
永久磁石層,107…電極110…磁気センサの信号検
出領域,111…ギャップ層,112…バッファ層,1
13…第一の磁性層,114…中間層,115…第二の
磁性層,116…反強磁性合金層,117…テーパー
部,118…永久磁石層,119…電極120…磁気記
録媒体,121…磁気記録媒体駆動部,122…磁気ヘ
ッド,123…磁気ヘッド駆動部,124…記録再生信
号処理系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚橋 究 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石川 晃 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB02 BB07 CA01 CA05 CA06 DA03 FA09 5D112 AA03 AA05 AA11 AA24 BB05 BD03 BD04 GA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板と、該非磁性基板上に形成され
    た少なくともTiとAlを含む非晶質または微結晶のシ
    ード層と、該シード層上に形成されたCrあるいはCr
    合金を有する下地層と、該下地層上に形成されたCo合
    金を含む磁性膜とを有する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記シード層は,全組成に対し少なくとも
    35at%以上で65at%以下のTiと、少なくとも
    35at%以上で65at%以下のAlとを含むことを
    特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記下地膜は少なくとも二層以上の多層構
    造を有し、前記多層構造の下地膜は、前記基板に近い側
    から順に,CrもしくはCrTiを含有する第一下地膜
    が形成され、Cr、Nb、Mo、Ta、W,Tiから選
    ばれた少なくとも1種の元素を含む第二下地膜が順に形
    成されていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記シード層上に単数または複数の下地膜
    を形成し、該下地膜上にC、B、Si、Taから選ばれ
    た元素の少なくとも1種を0.5at%以上、8.0a
    t%以下含有するCoCr合金系の磁性膜を形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】前記単数または複数の下地膜上に、少なく
    ともCoとCrを含有する中間膜を単数または複数形成
    し、該単数または複数の中間膜上にC、B、Si、Ta
    から選ばれた元素の少なくとも1種を0.5at%以
    上、8.0at%以下含有するCoCr合金系の磁性膜
    を形成したことを特徴とする請求項4に記載の磁気記録
    媒体。
  6. 【請求項6】前記磁性膜はh.c.p構造を有し、基板
    と平行な面に対して(11.0)配向していることを特
    徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気記
    録媒体。
  7. 【請求項7】TiとAlを含む非晶質または微結晶のシ
    ード層を有する磁気記録媒体と,該磁気記録媒体を記録
    方向に駆動する駆動部と,磁気抵抗効果型センサを含む
    再生部と記録部とを有する磁気ヘッドと,該磁気ヘッド
    を前記磁気記録媒体に対して相対的に運動させる手段
    と,該磁気ヘッドに対する入力信号及び出力信号を波形
    処理する記録再生信号処理手段とを有することを特徴と
    する磁気記憶装置。
  8. 【請求項8】前記磁気抵抗効果センサはスピンバルブ型
    磁気抵抗効果センサであることを特徴とする請求項7に
    記載の磁気記憶装置。
  9. 【請求項9】前記磁気抵抗効果センサはトンネル効果磁
    気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項7に記載
    の磁気記憶装置。
  10. 【請求項10】基板上に少なくともTiとAlとを含有
    するシード層を形成し、該シード層の形成後に該シード
    層の酸化処理または窒化処理を行うプロセスを含むこと
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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